取引先とのやり取りで見聞きする「企業間決済」という言葉を、自分の言葉で説明できるでしょうか。日々の請求や入金の処理に追われるなかで、あらためて意味を問われると自信が持てない、という方は少なくありません。
企業間決済とは、ひとことで言えば企業(法人・個人事業主)同士の取引で発生する代金を、請求から回収・支払いまでやり取りする一連の流れです。消費者向けの決済とは、金額の大きさや支払いのタイミング、信用の扱い方が異なります。
本記事では、企業間決済の定義から、銀行振込・口座振替・法人カード・手形・でんさい・掛け払いといった決済方法の種類と違い、未回収や経理工数といった課題、関連する制度、課題ごとの解決手段までを順に解説します。言葉の輪郭を押さえたうえで、自社の請求・回収業務を見直す手がかりとしてご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
企業間決済とは?
企業間決済とは、企業(法人・個人事業主)同士の取引で生じる代金について、請求・回収・支払いを完了させる一連の流れを指します。英語の Business to Business から「BtoB決済」とも呼ばれます。
たとえば、メーカーが卸売業者へ製品を納め、卸売業者が小売店へ販売する。あるいは、元請け企業が下請け企業へ工事を発注する。こうした企業同士の商取引では、商品やサービスを引き渡した後に代金の請求書を発行し、期日までに入金を受け取ります。この請求から入金までの流れ全体が企業間決済です。
個人が店舗で商品を買うときのように、その場で現金やカードで支払いが完結するわけではありません。多くの企業間取引では、一定期間の取引をまとめて後日支払う「掛け取引(後払い)」が慣行として根づいています。
消費者向け決済(BtoC)との3つの違い
企業間決済が消費者向け決済と大きく異なる点は、次の3つに整理できます。
- 決済金額が高額になりやすい:企業間取引は原材料・設備・サービスの大口取引が多く、1回あたりの金額が数十万円から数千万円に及ぶことも珍しくありません。
- 都度払いではなくまとめて支払う:取引のたびに支払うのではなく、「月末締め・翌月末払い」のように一定期間の取引をまとめて後日決済するのが一般的です。
- 取引先との信用(与信)を基盤とする:後払いは「相手が期日に支払ってくれる」という信用のうえに成り立ちます。そのため取引開始前に相手の支払い能力を見極める与信の判断が欠かせません。
この「高額・まとめ払い・信用取引」という性質が、次に述べる決済方法の選択や、未回収リスクといった課題に直結していきます。
企業間決済で使われる決済方法の種類
ここからは、企業間決済で使われる主な決済方法を解説します。銀行振込・口座振替・法人カード・手形・小切手・でんさい(電子記録債権)・掛け払い(後払い代行)を、仕組みと向いている場面、メリット・デメリットで見比べてみましょう。
| 決済方法 | 銀行振込(請求書払い) | 口座振替 | 法人カード(クレジットカード) | 手形・小切手 | でんさい(電子記録債権) | 掛け払い(後払い代行) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 仕組み | 請求書を発行し、買い手が指定口座へ振り込む | 買い手の口座から指定日に自動で引き落とす | カードで支払い、後日カード会社へまとめて支払う | 支払期日や金額を記した証券を振り出して決済する | 電子債権記録機関の記録原簿に発生記録を行い、電子的に債権をやり取りする | 代行会社が与信・請求・回収・保証を代行する |
| 向いている場面 | 最も一般的。相手を問わず広く使える | 毎月の定額・継続的な請求 | 経費・仕入の支払いや資金繰りの平準化 | 従来型の大口・支払サイトの長い取引 | 手形取引を続けてきて電子化したい企業 | 未回収リスクや請求業務を外部に委ねたいとき |
| メリット | 導入の手間がなく、すぐ始められる | 回収の自動化で消込の負担を減らせる | 支払いを先延ばしでき、決済データを会計連携しやすい | 支払いを期日まで繰り延べできる | 紛失・盗難リスクがなく、期日に自動で入出金される | 未回収リスクの軽減と請求業務の削減を両立できる |
| デメリット | 入金確認と消込が手作業になりやすい | 初期の口座登録手続きが必要 | 利用できる取引先・場面が限られる | 紙の管理コストが大きく、廃止方針が進む | 取引先も同じ仕組みへの対応が必要 | 手数料が発生し、与信審査を通る必要がある |
各決済方法の詳細は公式情報をご確認ください(2026年9月時点)
銀行振込・口座振替・法人カード
企業間決済で最も広く使われているのが銀行振込(請求書払い)です。売り手が請求書を発行し、買い手が指定口座へ振り込みます。特別なシステムを導入せずに始められる一方、売り手側は入金の目視確認や、振込名義と請求先の照合(入金消込)に手間がかかります。
口座振替は、買い手の口座から指定日に自動で代金を引き落とす方法です。毎月の定額請求や継続的な取引に向いており、回収を自動化できるため消込の負担を抑えられます。開始には買い手から口座振替依頼書を回収し、収納機関(銀行や集金代行会社)へ登録する手続きが必要です。
法人カード(クレジットカード)は、経費や仕入の支払いをカードで行い、後日カード会社へまとめて支払う方法です。支払いを先延ばしにできるため資金繰りの平準化に役立ち、決済データを会計システムへ連携しやすい利点もあります。経済産業省も、事業者間決済のキャッシュレス化を進める手段として法人カードの活用を後押ししています。
出典・参考資料(1件)
手形・小切手とでんさい(電子記録債権)
手形は、支払期日と金額を記した証券を振り出し、期日に代金を支払う方法で、支払いを期日まで繰り延べできます。小切手は、記載金額をその場で銀行から引き出せる証券で、現金の代わりに使われてきました。いずれも紙の発行・管理・保管にコストがかかり、後述するとおり利用廃止の方針が進んでいます。
でんさい(電子記録債権)は、手形の問題点を克服した電子的な金銭債権です。でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)の記録原簿に「発生記録」を行うことで債権が発生し、支払期日になると自動的に支払企業の口座から資金が引き落とされ、納入企業の口座へ払い込まれます。紙のような紛失・盗難のリスクがなく、印紙税もかかりません。
電子記録債権は、手形・指名債権(売掛債権等)の問題点を克服した金銭債権です。(中略)支払期日になると、自動的に支払企業の口座から資金を引落し、納入企業の口座へ払込みが行われます。
出典:電子記録債権とは|でんさいネット(株式会社全銀電子債権ネットワーク)掛け払い(後払い代行)
掛け払い(後払い代行)は、代行会社が売り手に代わって取引先への後払い(掛け取引)を支え、未回収リスクを引き受ける仕組みです。手数料はかかりますが、請求業務の負担と貸し倒れリスクを同時に軽くできます。詳しい仕組みと、どの課題に効くのかは、記事後半の「課題別の解決手段」で解説します。
企業間決済で生じやすい課題
企業間決済は後払い(掛け取引)を前提とするため、独特の課題が生まれます。経済産業省の調査では、2024年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は514.4兆円に達しました。取引の規模が大きいからこそ、決済にまつわる課題を放置すると影響も大きくなります。
ここでは、企業間決済で生じやすい課題を、売り手側と買い手側の立場に分けて整理します。
出典・参考資料(1件)
売り手側の課題
代金を後から受け取る売り手にとって、最も重いのは代金の未回収・貸し倒れリスクです。取引先の倒産や支払い遅延によって代金を回収できなければ、そのまま損失になります。高額な取引ほど、1件の未回収が経営に与える打撃は大きくなります。
次に請求・回収にかかる業務負担です。請求書の発行・送付、入金の確認、振込名義と請求先を突き合わせる入金消込、未入金先への督促まで、取引先の数が増えるほど経理担当者の作業量は膨らみます。
さらに入金サイトの長期化による資金繰りの問題があります。「月末締め・翌々月払い」のように入金までの期間が長いと、仕入や人件費の支払いが先行し、手元資金が不足しがちです。売上(利益)は出ているのに資金が回らず倒産する「黒字倒産」も、この資金繰りのずれから起こります。
貸し倒れや黒字倒産がどのような流れで起きるのか、回収できなかった売掛金を税務上の「貸倒損失」として処理できる要件まで踏み込んで知りたい方は、次の記事で解説しています。
買い手側の課題
買い手側では、複数の取引先からの請求をまとめて管理する支払管理の負担が生じます。支払期日や金額を取引先ごとに把握し、期日までに漏れなく振り込む必要があります。従業員が立て替えた経費の精算業務も、経理の手間を増やす要因です。
加えて近年は、受け取った請求書や取引データの保存に関する制度対応も課題となっています。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応が求められており、詳しくは次章で解説します。
企業間決済に関わる制度とトレンド
企業間決済のやり方は、法制度や業界の動きによって変わりつつあります。ここでは、実務に影響する3つの制度・トレンドを解説します。
改正電子帳簿保存法への対応
電子帳簿保存法の改正により、令和6年(2024年)1月からは、メール添付のPDFやEC・EDIでやり取りした電子取引データを、電子データのまま保存することが原則となりました。国税庁のリーフレットは「電子取引データが原本ですので、これをそのまま保存してください」と示しています。
保存にあたっては、モニターや操作説明書を備え付けて検索できるようにする「可視性の確保」と、不当な訂正・削除を防ぐ事務処理規程を定める「真実性の確保」が求められます。ただし、相当の理由があると所轄税務署長が認める場合などには、猶予措置も設けられています。請求書を電子でやり取りする企業間決済では、売り手・買い手の双方に関わる制度です。
出典・参考資料(1件)
インボイス制度への対応
令和5年(2023年)10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式として「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が開始しています。適格請求書は、売り手が買い手へ正確な適用税率や消費税額を伝えるための請求書で、発行するには税務署長への登録が必要です。
買い手(仕入側)にとっては、一定の事項を記載した帳簿と適格請求書の保存が、仕入税額控除を受けるための要件となります。企業間決済で受け取る請求書がインボイスの要件を満たしているかは、支払い側の税負担に直結する重要なポイントです。
出典・参考資料(1件)
約束手形の廃止方針
長く企業間決済で使われてきた紙の手形・小切手は、利用廃止の方針が進んでいます。全国銀行協会は、政府の方針を踏まえ、2026年度末(2027年3月末)までに電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロにすることを目標に取り組んでいます。
多くの金融機関では、2027年3月を待たずに前倒しで取扱いを縮小する動きが見られます。手形帳・小切手帳の発行終了や、2027年4月以降を期日とする手形等の取立受付の終了などが進んでおり、手形を使ってきた企業は、でんさいや口座振替、掛け払いといった別の決済方法への移行を検討する時期に来ています。
出典・参考資料(1件)
一括ダウンロードする
課題別の解決手段と掛け払い(後払い代行)の仕組み
企業間決済の課題は、それぞれに対応する解決手段があります。ここでは「未回収」「経理工数」「資金繰り」という3つの課題ごとに、どのような手段が使えるかを整理します。

未回収リスクへの対処:掛け払い・与信保証
代金の未回収が不安な場合の代表的な手段が、掛け払い(後払い代行)です。代行会社が売り手に代わって取引先の与信審査を行い、請求書の発行から代金回収、督促までを引き受け、与信を通過した取引の代金を保証します。売り手は取引先に従来どおりの後払いを提供しつつ、未回収リスクを代行会社へ移せます。
仕組みとしては、代行会社が売り手へ代金を立て替えて支払い(債権を譲り受け)、買い手からの回収は代行会社が担います。万一買い手が支払わなくても、保証の対象であれば売り手は代金を受け取れます。新規取引先の与信判断を自社で行う負担も軽くなるため、販路を広げたい企業にも向いています。

経理工数への対処:請求代行
請求・回収の作業量が経理の負担になっている場合は、請求代行サービスが有効です。請求書の発行・送付、入金確認、入金消込、未入金先への督促といった一連の業務を外部に委ねることで、経理担当者は本来注力すべき業務に時間を割けるようになります。掛け払いが未回収リスクの保証を主眼に置くのに対し、請求代行は請求・回収業務そのものの代行が主眼で、両者を一体で提供するサービスもあります。
請求代行サービスは、提供会社によって代行する業務範囲や料金体系、対応業種が異なります。複数を比べて自社の請求業務に合うものを選びたい場合は、次の記事で費用や導入メリット、業種別の選び方を整理しています。
資金繰り・支払い平準化への対処:法人カード・分割あと払い・ファクタリング
入金サイトの長期化による資金繰りの課題には、支払いのタイミングを調整する手段が役立ちます。買い手側は法人カードを使うことで支払いを先延ばしにでき、支払いの平準化につながります。
また近年は、企業間取引向けの分割あと払い(BtoB BNPL)も登場しています。売り手が取引先へ分割払いを提供できるようにするもので、立替を行う事業者が期日に売り手へ満額を支払うため、売り手は未回収リスクを負わずに買い手の支払いを柔軟にできます。突発的・季節的な資金需要に応じて支払いを平準化したい取引に向いています。
一方、売り手側がすでに抱える売掛金を支払期日より前に資金化したい場合は、売掛債権を買い取ってもらうファクタリングという手段もあります。入金サイトの長期化による資金繰りのずれを、借入とは別の形で埋められる選択肢です。手数料や入金スピードは会社によって差があるため、次の記事で比較の観点を解説しています。
掛け払い・請求代行サービスの比較と紹介
ここからは、前章で挙げた「未回収」「経理工数」「資金繰り」の3つの課題タイプに、それぞれ対応するサービスを1例ずつ紹介します。解決手段のタイプが異なるため、自社の課題に近いものから確認してみてください。
ここで取り上げるのは課題タイプごとの一例です。手数料や未回収保証の範囲、入金サイクルまで含めて掛け払いサービスを幅広く見比べたい場合は、次の記事で選び方とあわせて解説しています。
| サービス名 | NP掛け払い | 請求まるなげロボ | サクっと分割 |
|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社ネットプロテクションズ | 株式会社ROBOT PAYMENT | 株式会社カンム |
| タイプ | 掛け払い(後払い代行) | 請求代行(掛け払い型) | 分割あと払い(BtoB BNPL) |
| 主な役割 | 与信・請求書発行・回収・督促を代行 | 与信〜請求・回収・消込・督促を代行 | 買い手の分割払いを立替、売り手へ一括入金 |
| 売り手の未回収リスク | 保証型:与信通過分を100%保証(規約所定の除外事由を除く) | 保証型:適格・与信通過債権を100%保証 | 立替型:カンムが立替、売り手はリスクを負わない |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 手数料 | 非開示(個別見積もり) | 1.0%〜(個別見積もり) | 非開示(原則 買い手負担) |
| 主な用途 | 未回収リスク対策 | 経理工数の削減 | 資金繰り・支払い平準化 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 |
1. NP掛け払い(株式会社ネットプロテクションズ)

NP掛け払いは、株式会社ネットプロテクションズ(東証プライム上場グループ)が2011年から提供する、BtoB専業の後払い決済・請求代行サービスです。同社は消費者向けの後払い決済で培った与信ノウハウを企業間取引に展開しており、与信審査から請求書発行、代金回収、入金管理、督促、未回収保証までを一括で代行します。
売り手は取引先ごとの与信判断や回収業務から解放され、未回収リスクを保証(規約所定の除外事由を除く)で肩代わりしてもらえます。公式サイトでは与信通過率の実績を99%(2025年3月31日時点)と示し、累計取扱高は1兆円を突破(2025年7月時点)しています。
取引データの登録はCSV・API・手入力の3方式に対応し、システム連携による自動化も可能です。料率は取り扱い商材や販売方法に応じた個別見積もりとなっています。
2. 請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求業務の負担をまるごと外部に委ねたい企業に向くのが、株式会社ROBOT PAYMENTの請求まるなげロボです。与信審査・請求書発行・送付・代金回収・入金消込・督促までを代行し、自社審査で適格債権かつ与信を通過した債権については売掛金を100%保証します。
特徴は、請求と回収の業務削減と未回収リスクの回避を1つのサービスで両立できる点です。与信を通過しなかった取引先分も同じプラットフォームで自社管理でき、全請求情報を一元的に扱えます。手数料は公式サイトで1.0%〜と案内されており(具体的な料率は取扱商材・金額により個別算出)、初期費用は0円です。専任担当による導入支援も用意されています。
3. サクっと分割(株式会社カンム)

資金繰りや支払いの平準化という切り口で企業間決済を支えるのが、株式会社カンム(MUFGグループ)が2026年3月に提供を開始したサクっと分割です。企業間取引向けの分割あと払い(BtoB BNPL)サービスで、売り手が取引先へ分割払いを提供できるようにします。
仕組みは、カンムが売り手と買い手の間に入り、買い手の分割払いを立て替えるというものです。売り手には当初の請求書期日に一括で満額が支払われるため、通常の請求書取引と同じタイミングで入金を受けつつ、未回収リスクを負いません。
最大1,000万円・4回分割に対応し、導入費用は無料で、手数料は原則として買い手が負担します。材料・資材の販売や修理費・外注費など、突発的・季節的なキャッシュフロー課題への活用が想定されています。
まとめ
企業間決済とは、企業同士の取引で生じる代金を、請求から回収・支払いまでやり取りする一連の流れです。消費者向け決済と違い、金額が大きく、まとめて後払いし、信用(与信)を基盤とする点に特徴があります。決済方法には銀行振込・口座振替・法人カード・手形・小切手・でんさい・掛け払いがあり、それぞれ仕組みと向き不向きが異なります。
後払いを前提とするがゆえに、売り手側には未回収リスクや請求業務の負担、資金繰りの課題が、買い手側には支払管理や制度対応の課題が生じます。電子帳簿保存法・インボイス制度・手形の廃止方針といった制度の動きも押さえておきたいところです。これらの課題は、掛け払い(後払い代行)・請求代行・法人カード・分割あと払いといった手段で軽減できます。自社の課題に近い解決手段から、具体的な検討を進めてみてください。
まとめて比較する
よくある質問(FAQ)
Q. 企業間決済とは何ですか?
A. 企業間決済とは、企業(法人・個人事業主)同士の取引で生じた代金を、請求から回収・支払いまで完了させる一連の流れです。英語の Business to Business から「BtoB決済」とも呼ばれます。消費者がその場で支払いを終える決済と違い、一定期間の取引をまとめて後日支払う「掛け取引(後払い)」が慣行として根づいている点が特徴です。
Q. 企業間決済(BtoB決済)と消費者向け決済(BtoC)は何が違いますか?
A. 企業間決済は消費者向け決済と比べて、1回あたりの金額が高額になりやすく、都度払いではなく一定期間分をまとめて後払いし、取引先への信用(与信)を前提とする点が異なります。たとえば「月末締め・翌月末払い」のように、商品やサービスを引き渡した後に請求書を発行し、期日までに入金を受け取るのが一般的です。
この「高額・まとめ払い・信用取引」という性質が、決済方法の選び方や未回収リスクといった課題に直結します。
Q. 掛け払い(後払い代行)とは何ですか?
A. 掛け払い(後払い代行)とは、売り手に代わって代行会社が買い手の与信審査・請求書発行・代金回収・督促を担い、未回収リスクを保証する仕組みです。売り手は取引先に従来どおりの後払いを提供しながら、回収業務の負担と貸し倒れリスクから解放されます。手数料が発生し、与信審査を通る必要がある一方で、請求業務の削減と未回収リスクの軽減を同時に実現できる点が特徴です。
Q. 掛け払いの手数料はどのくらいかかりますか?
A. 掛け払いの手数料は、取引金額に応じた保証料(料率)を軸に、月額利用料や請求1件あたりの事務手数料が組み合わさる料金体系が一般的です。料率は取り扱う商材・取引金額・支払条件によって変わるため、多くのサービスが個別見積もりを採用しています。初期費用を無料とするサービスもあり、正確な費用は各社の資料や見積もりで確認するのが確実です。
Q. 企業間決済における与信審査とは何ですか?
A. 与信審査とは、取引先が代金を期日どおりに支払える能力があるかを、取引開始前に見極める確認作業です。後払いを前提とする企業間決済では、相手の支払い能力を見誤ると未回収の損失につながるため欠かせません。掛け払い(後払い代行)を利用すると、この与信審査を代行会社に任せられるため、新規取引先の可否判断にかかる自社の負担を軽くできます。
Q. 企業間決済で代金の未回収を防ぐにはどうすればよいですか?
A. 代金の未回収を防ぐには、取引開始前の与信審査を徹底するほか、掛け払い(後払い代行)や売掛金の保証サービスを利用して未回収リスクを代行会社へ移す方法が有効です。これらのサービスは与信を通過した取引の代金を保証するため、取引先が支払わない場合でも売り手は代金を受け取れます。高額な取引ほど1件の未回収が経営に与える打撃は大きいため、リスクの外部移転を検討する価値があります。
Q. 企業間決済で電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は必須ですか?
A. 企業間決済で請求書などを電子的にやり取りする場合、電子帳簿保存法とインボイス制度への対応はいずれも必要です。電子帳簿保存法では、令和6年(2024年)1月から、メール添付のPDFなど電子取引でやり取りしたデータを電子データのまま保存することが原則となりました。
インボイス制度では、令和5年(2023年)10月開始の適格請求書等保存方式のもとで、買い手が仕入税額控除を受けるには一定の事項を記載した帳簿と適格請求書の保存が要件となります。
出典・参考資料(2件)
Q. 紙の手形・小切手はいつ廃止されますか?
A. 全国銀行協会は、政府の方針を踏まえ、2026年度末(2027年3月末)までに電子交換所における手形・小切手の交換枚数をゼロにすることを目標に取り組んでいます。多くの金融機関では2027年3月を待たずに手形帳・小切手帳の発行終了などを前倒しで進めており、手形を使ってきた企業は、でんさい・口座振替・掛け払いといった代替手段への移行を検討する時期に来ています。
出典・参考資料(1件)
Q. でんさい(電子記録債権)とは何ですか?
A. でんさい(電子記録債権)とは、手形の問題点を克服した電子的な金銭債権で、でんさいネットの記録原簿に「発生記録」を行うことで債権が発生し、支払期日に自動で資金が入出金される仕組みです。紙の手形のような紛失・盗難のリスクがなく、印紙税もかからないため、紙の手形の電子的な代替手段として利用できます。
出典・参考資料(1件)
掛け払いサービスの料金・手数料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、掛け払い(後払い・請求書払い)サービスの最新資料をワンクリックで一括入手できます。各種手数料・与信スピード・未回収保証の範囲・対応決済方法・サポート体制など、比較に必要な情報をすばやく把握できます。
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















