インタビュイー:
株式会社アツラエ セールスチーム マネージャー 大波 氏
まずはMintMonsterというサービスについて、改めて教えていただけますか
MintMonsterを一言でで表現しますと、NFTを配布・販売するためのプラットフォームです。ただ、「何のためのサービスか」という観点で申し上げますと、主に2つの活用事例があります。1つ目はマーケティングプラットフォームとしての活用で、Cookieの代替としてNFTを活用し、オムニチャネル戦略を取るための基盤としてお使いいただけます。もう1つは、地方創生のファンマーケティングプラットフォームとしての活用で、これまでブラックボックスだった「ファン」の嗜好や行動を可視化しファンのエンゲージメントを高める活用です。
サービスが生まれた背景には、どのような課題があったのでしょうか
当社は元々クリプトリエとしてWeb3領域のコンサルティングと受託開発を行っていたのですが、初期の顧客ヒアリングの中で「NFTを活用してマーケティング活用をしたい」というお声が非常に多かったんですね。ただ、多くのお客様はまだPoC段階で、大きな予算を取れる状態ではありませんでした。そこで、SaaS形式で気軽に使えるNFTマーケティングプラットフォーム「MintMonster」を、いわばエントリー商材として開発したのが始まりです。
NFT活用の支援を手がける企業が増えている中で、MintMonsterのアプローチにはどのような特徴がありますか
ここは私たちが一番お伝えしたいところです。多くの企業さんは、NFTを「唯一無二の証明」や「強いIPのデジタルグッズ」「会員権」といった文脈で捉えていらっしゃいます。ただ、そうした捉え方だけですと使い道がかなり限られてしまいます。私たちが考えるNFTの本質的な価値は「拡張性の高さ」と「コスト削減」の2点にあって、複数の施策をひとつの基盤の上で統合管理できること、そして定額で様々な施策を展開できること、ここが大きいです。NFTは目的ではなくて、複数のマーケティング施策をつなぐための「基盤」として捉えるべきだ、というのが私たちの思想です。
「拡張性」と「コスト削減」が本質的な価値というお話でしたが、具体的にはどのくらい違いが出るのでしょうか
分かりやすいのがコスト構造の比較です。従来型のやり方ですと、たとえばスタンプラリーに50万円、次にクーポン配布施策を追加すると+120万円、さらにSNS連携施策を足すと+250万円と、施策を増やすたびに開発費とコミュニケーションコストが積み上がっていきます。ベンダーさんも施策ごとに別になりますし、データも各ツールに分散して管理しなければなりません。一方でMintMonsterを統合基盤として使っていただいた場合、3つの施策を展開しても費用は1年間で120万円ほどで収まります。初期導入費0円、月額10万円からで、スタンプラリーもクーポンもSNS連携もすべてワンプラットフォームで展開できます。運用コストが削減されるのはもちろん、データの一元管理ができるようになるため分析工数まで圧縮できますし、ユーザー様の体験としても「各施策ごとに別サービスにログインする」必要がなくなって、1つのサービスにログインするだけで複数の施策に参加できるようになります。
業界全体では社内稟議や代理店の企画提案の中で「なぜNFT?」の壁を超えられないのかとよく言われますが、どうお考えですか
まさにここが本質的な論点だと思っています。現状の顧客理解は、「NFT=唯一無二の証明」「アートNFTで投機的に使われていて今は流行っていない」「どう活用したらいいか分からない」というレベルで止まっていることが多いです。これが壁になってしまっています。私たちがあるべき姿としてお伝えしているのは、「NFTは新規技術のひとつに過ぎない」「NFTを基盤とすることで複数施策のコストを削減できる」「Cookieの代替としてNFTを活用できる」という3点です。技術そのものをプロモーションしても壁は越えられないです。顧客視点に立って、経営課題と接続した言葉で語らないといけない。ここが業界全体に必要な意識転換だと考えています。
実際の導入事例を教えていただけますか
代表的な事例を3つご紹介させてください。1つめはHYSTERIC GLAMOUR様のマーケティングプラットフォームとしての事例で、来店・購買・SNSアクションなど複数の顧客接点をNFTを軸に統合し、施策の一環として取り組んでいただきました。結果としてSNSフォロワーが5%増、NFT会員数は昨年比で5倍を達成しています。2つめはNTTドコモグループ様の入社式での導入で、入社証明、謎解きゲーム、イベントチケットといった複数の要素をNFTの単一基盤の上で実現し、クロスベンダー連携のハブとしてNFTが機能しました。3つめはQTnet様のインナーマーケティング事例で、部署横断の社内活動を可視化・評価するインナーマーケティング基盤として活用いただき、従業員エンゲージメントの向上に寄与しています。デジタルマーケティング、イベントマーケティング、インナーマーケティングという多様な領域で、「統合基盤としてのNFT」の有用性が実証されているとお伝えできるかと思います。
効果が出やすい企業にはどんな共通点がありますか
成功している企業さんには3つの共通点があります。1つめは「複合的な施策設計」です。単一用途、たとえばスタンプラリーだけで終わらせずに、たとえばスタンプラリー+クーポン+SNS連携を組み合わせていただくと、統合基盤としてのメリットが最大化できます。2つめは「ユーザーのハードルを徹底的に排除すること」です。MintMonsterではウォレット作成を意識させないUI/UXを設計していまして、NFTという言葉を「デジタルクーポン」や「参加証」といった日常的な言葉に置き換えることで、ITリテラシーを問わず誰もが参加できるように設計しています。実際に60代以上の方にもご利用いただいた実績があります。3つめは「企業側のメリットを主軸に置いて企画すること」です。ユーザー体験に加えて、企画の根幹に「開発・運用コスト削減」「データの一元管理」といった明確な企業メリットを据えていただくと、継続的な投資判断の拠り所になります。
初めてNFTに取り組む企業でも、伴走していただけるのでしょうか
むしろ初めてNFTの企画に取り組まれる企業様がほとんどです。課題ヒアリングと企画検討から始まり、企画提案、イメージ具体化、見積もりのご提示、クロージングと契約まで、伴走しています。特に大事にしているのがイメージ具体化のところで、ここで「なぜNFTなのか?」をきちんと説明できる資料をご用意します。社内稟議を通すために必要な情報がそろっていないと、結局プロジェクトは前に進みませんので、そこを私たちがしっかり支えるようにしています。
導入を検討される企業様から、よくいただくご質問にはどのようなものがありますか
よくいただくご質問は大きく3つあります。1つめは「その施策、既存技術でもできませんか?」というものです。これに対しては拡張性とコストの観点からお答えしていまして、単発施策であれば既存技術でも実現可能ですが、将来的に複数施策を追加する場合、既存技術だとその都度別ベンダーの利用や追加開発が必要になります。統合基盤となりうるNFTであれば、一度導入すれば様々な施策を追加可能ですよ、とお伝えしています。2つめは「ウォレット作成など、難しくて幅広い年代に対応できないのでは?」というご不安です。弊社の場合はメールアドレスやSNSアカウントだけでウォレットが自動生成され、ユーザーはウォレットの存在を意識せずに、従来ある予約システムで予約が可能な方には皆様ご参加いただけるとご説明しています。3つめは「そもそもNFTという言葉が怪しい印象を与えるのでは?」というものです。これはおっしゃる通り課題でして、顧客視点の言葉に変換することを徹底しています。実際にヒステリックグラマーさんの事例では「デジタルスタンプ」のように、価値が直感的に伝わる言葉でプロモーションしていただいております。。
プランを選ぶ際の判断軸を教えてください
3つの軸で判断していただくのがおすすめです。1つめは【目的】で、一時的な大量配布か継続的な顧客接点か。2つめは【施策の拡張性】で、LINEなどに閉じた設計か拡張性の高い設計か。3つめは【予算】で、すでに予算があり個別開発の費用が払える状態か、PoC段階でこれから予算を取りに行く状態か。私たちとマッチするのは「顧客接点を目的とし、拡張性の高い施策設計を希望されていて、PoC段階でこれから予算を取りにいく」というお客様です。料金体系としては、マーケティングパッケージ・地方創生パッケージ・インナーマーケティングパッケージが年間150万円から、イベントマーケティングパッケージが月額70万円からと、明朗会計で提示していますので、検討もしやすいと思います。
今後の展望についてお聞かせください
クリエイティブ・コンサルティングを強みとする当社=アツラエと、モバイル開発・クラウド開発・DX推進・EC構築を担うJMASがグループとして連携しながら事業を展開しています。これによってAI・生成AI・IoT・ウェアラブルなど幅広い技術領域との掛け合わせも可能になりました。NFTを起点に、お客様の事業成長そのものに伴走できる体制をさらに強化していきたいと考えています。NFTをコスト削減とデータ一元管理の基盤として当たり前に使っていただける世界を、業界全体で作っていきたいと考えています。
まとめ・編集部コメント
MintMonsterが他社のNFTサービスと決定的に異なるのは、NFTを「唯一無二のデジタル資産」としてではなく「複数マーケティング施策をひとつに束ねる統合基盤」として位置づけている点です。従来の「つぎはぎ運用」で積み上がっていた開発・運用コストを、年間120万円規模の統合基盤に置き換えられるというビフォーアフターは、DX推進やマーケティング責任者にとって見逃せない論点でしょう。様々な導入実績は、デジタル・イベント・インナーの各マーケ領域で「統合基盤としてのNFT」が有効に機能することを示しています。NFTをはじめとするWeb3の技術を新規事業やマーケティングで活用したい企業にとって、MintMonsterは最初に話を聞くべきサービスの一つです。