会員証やクーポン、デジタル特典、真贋証明、ファンコミュニティ——こうした施策の「手段」としてNFTを検討し始めたものの、発行・配布に使えるツールが多すぎて、どれが自社に合うのか判断しづらいと感じていませんか。対応ブロックチェーンやNFTの規格、料金体系、エンジニアがいなくても運用できるかどうかは各社でバラバラで、横並びで比べにくいのが実情です。
NFT発行・配布ツールは、大きく「ノーコードですぐ使えるもの」「会員・ファンマーケティング施策と一体で伴走してくれるもの」「自社サービスやECにAPIで組み込むもの」に分かれます。自社の用途と運用体制に照らして型を絞り込めば、比較すべき候補はぐっと少なくなります。
本記事では、NFT発行・配布ツール13サービスをタイプ別に横断比較します。対応チェーン・NFT規格・利用形態・受け取り側のUX・料金・導入事例といった法人が導入判断で本当に見るべき比較軸を1枚に整理し、用途から適したツールを選べる診断も用意しました。事業会社のマーケティング・新規事業・DX担当者が、資料請求すべき数社まで絞り込むための材料としてご活用ください。
また、自社の用途に合うサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」もご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
NFT発行・配布ツールとは?
NFT発行・配布ツールとは、ブロックチェーン上に発行するNFT(非代替性トークン)の作成から、顧客・ユーザーへの配布、その後の管理までを、専門知識がなくても行えるようにするサービスの総称です。会員証やクーポン、デジタル特典、証明書、コミュニティ参加権といった用途にNFTを使う際、発行のたびにスマートコントラクトを自前で開発しなくても済むよう、管理画面やAPIとして機能をパッケージ化しています。
NFT(Non-Fungible Token)は、トークン1つひとつに固有の識別番号が振られ、他のトークンと区別できる点が特徴です。ビットコインやイーサリアムのような「1単位=1単位」で交換できる代替性トークンとは異なり、「この1点」を一意に扱えるため、会員証・チケット・証明書のように「誰が・どれを保有しているか」を記録したい用途に向いています。
NFTそのものの仕組みや、ビジネス領域での活用が広がっている背景を基礎から整理したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
NFT発行・配布の仕組みと特徴
NFTを発行するには、対応するブロックチェーン上でスマートコントラクト(トークンの発行・移転ルールを定めたプログラム)を実行します。発行・配布ツールは、この工程をテンプレート化したり管理画面から操作できるようにしたりすることで、画像やトークン名をアップロードするだけでNFTを発行できる状態を提供します。
発行にかかるブロックチェーンの手数料(ガス代)をツール側が肩代わりし、利用企業が意識せずに済む「ガスレス」対応の製品も増えています。
受け取る側の体験もツールによって差があります。従来はMetaMaskなどの暗号資産ウォレットを事前に用意する必要がありましたが、近年はメールアドレスやGoogle・LINEなどのアカウントでログインするだけで、裏側で自動生成されたウォレットにNFTが保管される方式が主流になりつつあります。
NFTに詳しくない一般の顧客に幅広く配布したい場合、この「ウォレット不要で受け取れるか」が採用の分かれ目になります。
NFT発行・配布ツールでできること
多くのツールは、NFTの発行・配布に加えて、保有者だけがアクセスできる限定コンテンツの公開(トークンゲート)、特定の条件を満たした人だけに配る条件付き配布、配布数や利用状況の効果測定といった機能を備えています。
非エンジニアが管理画面で完結できるノーコード型から、自社サービスやゲームにNFT機能を組み込むためのAPI・SDKを提供する開発者向けまで、提供形態は幅広く、どこまでを自社で運用しどこからをツールに任せるかで選択肢が変わります。
NFTを法人で活用するメリットと主な用途
法人がNFTを活用する狙いは、投機ではなく「顧客との継続的な接点づくり」にあります。NFTは保有者を一意に識別でき、移転履歴がブロックチェーンに残るため、会員・ファンとの関係を可視化し、施策を積み重ねる基盤として使えます。発行したNFTを起点に、保有者限定の特典やコミュニティを設計することで、リピートやエンゲージメントの向上を狙えるのが実務上のメリットです。
用途別に見るNFTの主な活用シーン
NFT発行・配布ツールの用途は、大きく次のように整理できます。自社のどの課題に当てはまるかを起点に考えると、必要なツールの型が見えてきます。
- 会員証・デジタルパス:保有者を会員として識別し、ランクや特典を管理する。譲渡・売買も設計次第で可能
- クーポン・チケット:来店・イベント参加のインセンティブとして配布し、利用状況を追跡する
- デジタル特典・コレクタブル:限定アイテムやデジタルグッズを配布し、ブランドのファン体験を高める
- 証明・真贋(トレーサビリティ):受講証明・保証書・鑑定証などを改ざんされない形で発行する
- コミュニティ・ファン施策:保有者限定のコンテンツやコミュニティへの参加権として使い、熱量の高い顧客を囲い込む
企業や自治体がこれらの用途で実際にNFTをどう活用しているのか、具体的な導入事例は以下の記事でまとめています。自社での使いどころをイメージする際の参考にしてください。
NFT発行・配布ツールのタイプ(提供形態別)
NFT発行・配布ツールは、「誰が・どこまで運用するか」という提供形態で3つのタイプに分けられます。自社にエンジニアがいるか、マーケティング施策の設計から任せたいか、既存のシステムやECに組み込みたいかで、選ぶべき型が変わります。

最初の2タイプはどちらも非エンジニアが扱える製品が多く、違いは「単発の配布を自社で手軽に始めたいか(1つ目)」「会員・ファン施策の設計から運用まで継続的に伴走してほしいか(2つ目)」にあります。用途特化の製品もあるため、迷う場合は各サービスの個別紹介で用途を確認してください。
| 特徴 | 該当する主なサービス | 詳細 | |
|---|---|---|---|
| ノーコードですぐ導入できるツール | 管理画面やLINE・QRから非エンジニアが発行・配布できる。会員証・クーポン・特典配布を最短で始めたい企業向け | MintMonster、キリフダ、HAZAMA BASE、NFTDrive、Spize mint | 比較表を見る |
| 会員・ファンマーケ基盤と一体のプラットフォーム | 会員・ロイヤリティ・コミュニティ施策の設計から運用まで伴走。ホワイトラベルで自社ブランドに合わせて提供される | 24karat、Marbullコネクト、Sakaba Whitelabel、Commun、NFT INFINITY | 比較表を見る |
| 開発者向け(API・SDK)・EC組込み型 | REST APIやSDK、ECアプリとして提供され、自社サービス・ゲーム・ストアにNFT発行機能を組み込む | NFT Garden、MultiBaas、NFTeapot | 比較表を見る |
ノーコードですぐ導入できるNFT発行・配布ツール
管理画面やLINE・QRコードから、専門知識がなくてもNFTを発行・配布できるタイプです。会員証やクーポン、イベント特典の配布を、開発リソースを確保せずに素早く始めたい企業に向いています。受け取る顧客もウォレット不要で扱える製品が多く、幅広い層への配布に適しています。
会員・ファンマーケティング基盤と一体のプラットフォーム(伴走支援型)
NFTの発行・配布だけでなく、会員ランク・ロイヤリティ・コミュニティといったマーケティング施策の設計から運用までを一体で支援するタイプです。多くはホワイトラベルで提供され、自社ブランドのアプリやサービスとして展開できます。単発の配布ではなく、継続的なファン施策の基盤としてNFTを位置づけたい企業に向いています。
開発者向け(API・SDK)・EC組込み型
REST APIやSDK、あるいはECプラットフォーム向けアプリとして提供され、自社のサービス・ゲーム・オンラインストアにNFTの発行・配布機能を組み込むタイプです。エンジニアが実装する前提で、発行のタイミングや条件を自社システムから柔軟に制御できます。既存プロダクトにNFT機能を追加したい、大量発行を自動化したいといったニーズに向いています。
NFT発行・配布ツールの選び方
NFT発行・配布ツールを選ぶうえで、まず意識したいのは「NFTを目的にしない」ことです。ツールの機能から入るより、「会員の熱量を上げたい」「リピート施策をつくりたい」といった目的を先に置くほうが、必要な機能とそうでない機能の判断がつきやすくなります。そのうえで、以下の5つの観点で候補を絞り込むと、自社に合うツールが見えてきます。

この「目的を先に置く」という考え方について、NFT発行・配布支援を手がけるMarbull X株式会社の小川氏は、独自インタビューで次のように語っています。

正直なところ、NFTを目的化すると途中で止まりやすいです。「NFTをやりたい」という入り方だと、どこかで「本当にNFTじゃないといけないんだっけ?」という議論になって、そこで立ち止まってしまうことがある。一方で、「ユーザーの熱量を上げたい」「リピート施策をつくりたい」という目的が先にあれば、NFTは手段のひとつとして整理できるので、進め方はだいぶスムーズになります。
利用形態(ノーコード/API)と運用体制で選ぶ
最初に確認すべきは、自社の運用体制で発行から配布まで回せるかどうかです。社内にエンジニアがいなければ、管理画面で完結するノーコード型が現実的です。逆に、自社サービスやゲームにNFT機能を組み込んで発行を自動化したい場合は、API・SDKを提供する開発者向けツールが必要になります。マーケティング施策の設計から任せたい場合は、伴走支援型のプラットフォームが選択肢になります。
受け取り側のUX(ウォレット要否・ソーシャルログイン)で選ぶ
会員証やクーポンとして一般の顧客に配る場合、受け取る側がNFTに詳しくない前提で考える必要があります。暗号資産ウォレットの事前準備を求めると、多くの顧客が受け取りの段階で離脱します。メールアドレスやLINE・Googleアカウントで受け取れるツールなら、配布のハードルを大きく下げられます(裏側でウォレットが自動生成されます)。誰に配るのかによって、必要な受け取りUXは変わります。
対応ブロックチェーン・NFT規格(ERC-721/ERC-1155)で選ぶ
NFTを発行するブロックチェーンは、イーサリアム、ポリゴン、アバランチなど複数の選択肢があり、手数料や処理速度、他サービスとの連携のしやすさが異なります。一般には、手数料が低くイーサリアムとの互換性が高いポリゴンなどが法人利用で選ばれやすい傾向です。
あわせて、NFTの規格が「ERC-721」(1点ずつ固有の番号)か「ERC-1155」(同じ種類を複数枚発行できる)かも確認しましょう。会員証のように1人1枚ならERC-721、同一クーポンを大量配布するならERC-1155が適しており、両対応かどうかで用途の幅が変わります。

料金モデル(従量/サブスク/手数料・初期費用)で選ぶ
料金体系は、発行枚数に応じた従量課金、月額固定のサブスクリプション、発行ごとの手数料型など製品によって異なります。少量から試すなら従量・無料プランのあるツール、継続的に大量配布するなら定額型が有利になりやすいなど、想定する配布規模によって最適な型が変わります。
NFT発行・配布ツールは料金を非公開(要お問い合わせ)としている製品も多いため、比較時は複数社の資料を取り寄せて、初期費用と継続コストの両面で見積もることが大切です。
サポート・導入実績で選ぶ
NFTの活用は企画設計が成否を左右するため、日本語での相談体制や導入支援があるかは重要な判断材料です。大手企業や公共機関での導入実績があるツールは、一定の信頼と運用ノウハウの蓄積が期待できます。自社と近い業種・用途の事例があれば、実現したい施策が形になるイメージも掴みやすくなります。
ツールを使わず開発会社に外注する選択肢もありますが、比較検討や仕様変更のたびに費用と時間がかかるため、まずは既製ツールで要件を満たせるかを確認するのが効率的です。
ここまでの選び方を踏まえ、3つの質問に答えるだけで、用途と運用体制に合うNFT発行・配布ツールを絞り込める診断を用意しました。気になる候補は資料を取り寄せて詳細を確認してください。
【比較表】NFT発行・配布ツールを横断比較
掲載する13サービスを、提供形態の3タイプ別に比較します。対応ブロックチェーン・NFT規格・利用形態・受け取り側のUX・料金・主な用途を横並びで確認し、自社の要件に合う候補を絞り込んでください。
NFT発行・配布ツールは独自チェーンを使う製品や、用途・規模ごとの個別見積もりで料金を非公開とする製品が多いため、料金や対応規格を「要お問い合わせ」「要確認」と記載している欄があります。用途(会員証・特典・証明・コミュニティなど)から候補を引きたい場合は、前掲の選定診断もあわせてご利用ください。
【タイプ別比較表】ノーコードですぐ導入できるツール
| サービス名 | MintMonster | キリフダ | HAZAMA BASE | NFTDrive | Spize mint(スパイズミント) |
|---|---|---|---|---|---|
| 対応ブロックチェーン | Ethereum・Polygon | 要確認 | HAZAMA・イーサリアム・ポリゴン | Symbol(XYM)・NEM(XEM) | 要確認 |
| 対応NFT規格 | 要確認 | 要確認 | ERC-721・ERC-1155 | Symbolのモザイク方式 (拡張版はEthereum併用) | 要確認 |
| 利用形態 | 管理画面で運用 (ノーコード想定) | LINE公式アカウント起点 (ノーコード可否は要確認) | ノーコード (管理画面操作) | 証明・真贋用途に特化 (提供形態は要確認) | ノーコード (管理画面操作) |
| 受け取り側UX(ウォレット要否) | ウォレット不要 (QR+メール) | ウォレット不要 (LINEで受取) | ウォレット不要の配布実績あり (QR+メール) | 要確認 | ウォレット不要 (暗号資産不要) |
| 料金(初期・月額) | プランにより異なる (初期0円〜/月額10万円〜のプランあり) | 要お問い合わせ | 初期0円 無料〜月額15,680円 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 主な用途・導入事例 | 会員証・クーポン・スタンプラリー (竹神社e御朱印、KDDI等) | LINEでのNFT配布 (京急電鉄、宇都宮ブレックス等) | NFT・トークン・DAO発行 (内閣官房、自民党青年局等) | フルオンチェーンの証明・真贋 (西都速記、FOOD NFT等) | NFT発行・送付、EC連携販売 (テコテックのNFT技術提供) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※上記は各社公開情報等に基づく一般的な傾向です。最新の対応状況・料金は各社資料でご確認ください。
【タイプ別比較表】会員・ファンマーケティング基盤と一体のプラットフォーム
| サービス名 | 24karat | Marbullコネクト | Sakaba Whitelabel | Commun | NFT INFINITY |
|---|---|---|---|---|---|
| 対応ブロックチェーン | Flow | 要確認 | 要確認 | 要確認 (パブリックチェーン) | Ethereum・Polygon等 (プライベート対応可) |
| 対応NFT規格 | 要確認 (Flow基盤の独自標準) | 要確認 | 要確認 | 要確認 | ERC-721 / ERC-1155 (ERC-20も対応) |
| 利用形態 | ノーコード管理画面 +API連携 | ノーコード (LINE連携)+伴走支援 | 開発伴走型 (ホワイトラベル提供) | ノーコード運用 (IC/QR配布) | 伴走型の開発支援 (独自マーケット構築) |
| 受け取り側UX(ウォレット要否) | ウォレット不要 (クラウドウォレット/専用アプリ) | ウォレット不要 (SMS認証・LINE上) | 要確認 | ウォレット不要 (アプリ・個人情報不要) | ウォレット接続前提 (MetaMask対応) |
| 料金(初期・月額) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (提供元により料金体系が異なる) | 要お問い合わせ |
| 主な用途・導入事例 | ブランドのファン エンゲージメント (上新電機・ロッテ等) | 会員証・地域/ファン マーケ(JTB・掛川市等) | ゲーム等のロイヤリティ 施策(DMM Crypto等) | 観光地の訪問証明NFT (御城印・陶器市等) | 独自NFTマーケット プレイス構築(SAKE world等) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※上記は各社公開情報等に基づく一般的な傾向です。最新の対応状況・料金は各社資料でご確認ください。
【タイプ別比較表】開発者向け(API・SDK)・EC組込み型
| サービス名 | NFT Garden | MultiBaas(マルチベース) | NFTeapot |
|---|---|---|---|
| 対応ブロックチェーン | 19チェーン(Polygon・Ethereum・Solana・BSC・JOC等、2024年5月時点) | 17チェーン(Ethereum・Base・Arbitrum・Polygon・Avalanche・BNB Chain等、EVM互換中心) | Polygon・Avalanche(Ethereumは対応予定) |
| 対応NFT規格 | 要確認 (公式にERC規格の明示記載なし) | ERC-20/ERC-721/ERC-1155 | ERC-721 (ERC-1155対応は要確認) |
| 利用形態 | ノーコードWeb画面+API | REST API・SDK(TypeScript/Go)+ノーコードWeb UI | Shopifyアプリ(ノーコード、管理画面で完結) |
| 受け取り側UX(ウォレット要否) | 受け取り側のウォレットレス対応は要確認 (生成・管理にはウォレット接続が必要) | Cloud Walletsでカストディアル管理が可能 (ウォレットレス受け取りUXの現行提供は要確認) | 購入者はウォレット不要 (クレジットカード等の通常決済→受け取りリンクで受領) |
| 料金(初期・月額) | 初期費用: 記載なし(要確認) 月額: Free 0円/Growth 1万円/Business 15万円/Enterprise 要お問い合わせ | 初期費用: 0円(Free) 月額: Free 0円/Custom 要お問い合わせ | 初期費用: 0円 月額: 0円(Shopify本体の契約プランは別途必要) 手数料: 受け取り時に販売額の$1+5% |
| 主な用途・導入事例 | 会員証・参加証・SBT発行 (例: トヨタ系KINTOの安全運転証明SBT実証、屋久島Web3の参加証SBT) | dApp・スマートコントラクト開発基盤 (大手自動車・通信・証券会社等で実装。社名非公開) | ShopifyストアでのNFT販売(アパレル・アート等) ※現在は積極的な開発が行われていない旨の公式注記あり |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※上記は各社公開情報等に基づく一般的な傾向です。最新の対応状況・料金は各社資料でご確認ください。
NFT発行・配布ツールのサービス個別紹介
ここからは、掲載する13サービスをタイプ別に紹介します。各サービスの提供形態・対応チェーン・受け取りUX・導入事例を確認し、比較表と合わせて資料請求先の検討にお役立てください。
ノーコードですぐ導入できるNFT発行・配布ツール
エンジニア不在でも管理画面やLINE・QRから発行・配布まで運用できる、導入のハードルが低いツールです。
1. MintMonster(株式会社アツラエ)

会員証やクーポン、チケット、トークンゲート、来店・購入に応じたミッション施策——NFTをこうしたマーケティングに活用するためのプラットフォームが、株式会社アツラエが運営するMintMonsterです。企業側は暗号資産を保有せずにNFTを配布でき、管理画面から配布設定・お知らせ配信・効果測定までを運用できます。
受け取る側もウォレットの準備は不要で、QRコードの読み取りとメールアドレスの入力だけでNFTを受け取れます。来店・購入・SNS連携などの条件を達成した人にだけ配布するミッション機能や、保有者向けのクーポン・トークンゲート機能も標準で備えています。
導入例としては、三重県明和町・竹神社の月替わりデジタル御朱印(全12種)や、KDDIの社内イベントでの回答証明NFT、電気通信大学の履修証明NFTなどがあります。料金はプランによって異なり、提供元へのインタビューでは初期導入費0円・月額10万円からのプランが示されています。配布できるNFTの種類数やユーザー数の上限に応じて費用が変わるため、詳細は資料請求で確認するとよいでしょう。
2. キリフダ(キリフダ株式会社)

キリフダは、LINEアプリだけでNFTの受け取りが完結する、キリフダ株式会社が提供する事業者向けサービスです。受け取る人は仮想通貨やウォレットアプリを別途用意する必要がなく、スマートフォンとLINEさえあればNFTを取得できます。
LINE公式アカウントと紐づくウォレットの生成から、NFTの配布・所有確認までを一元的に扱えるため、Web3に不慣れな一般の顧客にも配布しやすいのが特徴です。京浜急行電鉄がワークショップで活用した事例では、この受け取りのしやすさによって、NFTの受取率が別サービス利用時と比べて約1.5倍に改善したと発表されています。
ソフトバンク、京浜急行電鉄、東急不動産、TBSラジオ、宇都宮ブレックスなど、業種の異なる大手企業・スポーツ興行での活用実績があります。料金は要お問い合わせで、用途に応じて個別に相談する形です。
3. HAZAMA BASE(株式会社IndieSquare)

運営元の株式会社IndieSquareが特許を取得した独自ブロックチェーン基盤「HAZAMA」を土台にするのがHAZAMA BASEです。NFTだけでなく譲渡不能のSBT/POAP(保有・参加の証明に使えるトークン)、独自通貨(ポイント・ガバナンストークン)、DAOの投票機能までをノーコードで発行・配布・管理できます。
テンプレート化されたスマートコントラクトを使うことで、開発工数とガス代を抑える設計になっています。
NFTの発行時には、HAZAMA・イーサリアム・ポリゴンの3つのブロックチェーンから選べます。発行企業はクレジットカードや暗号資産を用意しなくても利用を開始でき、受け取り側もQRコードの読み取りとメールアドレス登録だけでNFTを取得できる配布実績があります。
内閣官房の受賞証明NFTや自由民主党青年局の電子投票、国会議員のSBT会員証など、公共・政治分野での採用事例があります。料金は無料プランから始められ、機能制限を解除するEnterpriseプランは月額15,680円(2026年7月時点)、さらにAPI/SDK対応や個別カスタマイズが必要な場合は要お問い合わせのCustomプランが用意されています。
4. NFTDrive(株式会社NFTDrive)

NFTDriveは、画像や動画、PDF、HTMLといったデジタルデータそのものをブロックチェーン上に直接保存し、フルオンチェーンNFTとして発行できるツールです。外部ストレージへのリンクだけを記録する一般的なNFTと異なり、データ本体をブロックチェーンに分散して保存する点が特徴です。
技術面では、NFT生成に使った作業用アドレスの秘密鍵を破棄した状態でNFTを自動生成する仕組み(特許出願中、出願番号2021-143574)を採用しています。これにより、発行事業者が秘密鍵を保管・管理する必要がなくなる設計だとしています。
大阪府の支援事業では、Symbolブロックチェーンを基盤とした字幕のリアルタイム連携入力システムの実証実験に技術提供しているほか、食のレシピ・味データをオンチェーンでNFT化するツール「ONEPLATE」の開発にも参画しています。料金は要お問い合わせです。
5. Spize mint(株式会社テコテック)

暗号資産・ブロックチェーン開発を手がける株式会社テコテックが、Web3ソリューション群「Spizeシリーズ」の一つとして提供するのがSpize mintです。NFTの発行・送付・管理を担い、暗号資産やウォレットを持たないユーザーでも扱える点を中心的な特徴としています。
技術的な実装対応は不要で、管理画面の操作だけでNFTの発行から送付までを行えます。新たにNFTマーケットプレイスを構築しなくても、既存の自社ECサイト上でNFTを商品として販売できる点も、既存事業との連携を考える企業に向いています。
テコテックは暗号資産・ブロックチェーンの黎明期である2018年からこの領域の構築を手がけており、トークン発行やスマートコントラクト監査、ウォレットなど、Spizeシリーズの他メニューと組み合わせた提供にも対応します。料金は非公開で、資料請求やミーティングを通じて個別に確認する形です。
会員・ファンマーケティング基盤と一体のプラットフォーム(伴走支援型)
会員・ロイヤリティ・コミュニティ施策の設計から運用まで、自社ブランドに合わせて伴走してくれるプラットフォームです。
6. 24karat(24karat株式会社)

24karatは、ブランド向けの管理コンソールとファン向けウォレットアプリ「24k ZAP」、API群を組み合わせて提供される、24karat株式会社のファンエンゲージメント基盤です。管理コンソールはノーコードのWeb画面で、NFTリワードやキャンペーンの作成、クイズ・アンケート形式のミッション設計、コミュニティ状況を見るダッシュボードをエンジニアを介さずに扱えます。
ブロックチェーンにはFlowを採用しており、公式FAQではガス代(手数料)や利用者の利便性を採用理由として挙げています。エンドユーザーは「24k ZAP」アプリや、自社アプリに組み込んだクラウドウォレットを通じてNFT・トークンを受け取れます。
上新電機のジョーシンアプリ、ロッテ、伊藤忠商事、エイベックス、テレビ朝日など、業種を横断した導入発表があります。2025年12月には累計ウォレット数が100万件を突破したと発表しています。料金は要お問い合わせで、資料請求や問い合わせによる個別見積もりが前提です。
7. Marbullコネクト(Marbull X株式会社)

Marbullコネクトは、既存のLINE公式アカウントに機能を追加する形で導入し、会員証・クーポン・デジタルノベルティ・証明書などをNFTとしてノーコードで発行・配布できる、Marbull X株式会社のBtoBtoC型ツールです。エンドユーザーはSMS認証だけで利用を開始でき、メールアドレスやパスワード、ウォレット情報の入力は不要です。
会員証にはステータスランクや来訪履歴が自動で反映され、行動を促すクエスト機能や、LINE内で完結するEC機能などを備えます。公式noteでは、NFT発行そのものを目的にせず、顧客接点のデータを蓄積して継続的な関係づくりに活かす手段としてNFTを位置づけています。
JTBパブリッシングの時刻表100周年キャンペーンや掛川市の周遊事業、トヨタ自動車のコアファンコミュニティのPoC(2026年2〜3月)などで活用されています。導入企業にはプロコンサルタントがクエスト設計などを伴走支援します。料金は要お問い合わせです。
8. Sakaba Whitelabel(Tempura technologies株式会社)

Web3ゲーム向けロイヤリティプラットフォーム「Sakaba」の技術基盤を、企業が自社ブランドで使えるようにしたホワイトラベル製品がSakaba Whitelabelです。ポイント・ガチャ・クエストといったファン施策を自社サービスとして展開できます。
日本のTempura technologies株式会社とシンガポールのFritto Tech PTE.LTDが共同で展開する「Sakaba Labs」が運営しています。
導入事例では「開発を支援」という表現が使われており、ソフトウェアを渡すだけの形ではなく、企画設計からPoC、開発までを企業ごとに伴走するプロジェクト型の提供とみられます。料金はコンサルティング・開発・BPO(運用代行)・ホワイトラベル提供の区分ごとの個別見積もりで、金額は非公開です。
DMM Cryptoのブロックチェーンゲーム『かんぱに☆ガールズ RE:BLOOM』では、事前登録キャンペーンサイトの開発を支援した実績が公式プレスリリースで確認できます。ゲーム分野に限らず、アイドル・エンタメ・不動産・旅行など幅広い業界への展開を進めているとしています。
9. Commun(合同会社bel/九州NFTラボ)

Communは、観光地・イベント・店舗などへの「訪問証明」をNFTとして配布・認証するプラットフォームです。来訪者はスマートフォンにアプリを入れるだけで受け取れ、氏名やメールアドレスなどの個人情報入力やウォレット作成は不要な設計です。
配布はICカード(NFC)とQRコードの2方式で、ICカードは通信環境がなくても使えるため、山頂や地下など電波が届きにくい場所でも配布できます。店頭での保有認証、クーポン配布、保有枚数に応じたランク認定といった機能を備えます。
九州エリアでは九州NFTラボ(合同会社bel)が自治体・観光協会向けの導入支援を担い、有田陶器市や福岡城・小倉城などのスマホ御城印NFTでの実施事例があります。料金プランは用意されていますが、提供元により料金体系が異なるため、資料請求で最新の実額を確認するとよいでしょう。
10. NFT INFINITY(株式会社OCT-PATH)

NFT INFINITYは、株式会社OCT-PATHが提供する、企業独自のNFTマーケットプレイスを構築するためのサービスです。管理画面を自社で操作するセルフサービス型ではなく、要件定義からUI/UX設計、開発、リリース後の保守運用までをOCT-PATHが伴走支援する開発支援型のパッケージです。
トークンはERC20・ERC721・ERC1155の作成に対応し、対応ブロックチェーンはEthereumやPolygonなどのパブリックチェーンのほか、プライベートチェーンでの構築も可能としています。手数料・ロイヤリティ設計の調整、ガスレス対応、日本円決済、必要に応じた法務・税務サポートも用意されています。
導入事例には、日本酒の引換チケットをNFTで販売する「SAKE world NFT」などがあります。カスタマイズがない場合の標準的な導入期間は最短3ヶ月とされ、料金は事業内容に応じた個別提案で非公開です。
開発者向け(API・SDK)・EC組込み型
自社サービス・ゲーム・ECにNFTの発行・配布機能を組み込みたい、開発リソースのある企業向けのツールです。
11. NFT Garden(Connectiv株式会社)

ノーコードのWeb画面とAPIの両方からNFT・SBT(譲渡できないトークン)を生成できるのが、Connectiv株式会社の企業向けマルチチェーンプラットフォーム「NFT Garden」です。
非エンジニアはWeb画面から、開発者はAPIから、同じ基盤でNFTを発行できます。
決済はクレジットカードなどの法定通貨で完結し、料金にガス代を含むため、利用企業が仮想通貨を用意する必要はありません。対応ブロックチェーンは公式ドキュメント(2024年5月時点)でPolygon・Ethereum・Solanaなど19種類にのぼり、会員証や参加証明に向くSBTはSolanaを除く18チェーンで発行できます。
料金は無料のFreeプランのほか、Growthが月額1万円、Businessが月額15万円、Enterpriseが要お問い合わせという構成で、EthereumでのNFT生成はBusinessプラン以上に限られます。
トヨタ自動車グループのクルマのサブスク「KINTO」では、安全運転と認定した利用者へPolygon上でSBT形式の証明書を発行する実証実験に、NFT GardenのAPIが採用されました。
12. MultiBaas(Curvegrid株式会社)

EVM(イーサリアム仮想マシン)互換ブロックチェーン向けの開発プラットフォームが、Curvegrid株式会社のMultiBaasです。ノーコードのWeb UIとREST APIの両方を備え、スマートコントラクト(NFTコントラクトを含む)のデプロイ・操作・監視を、ブロックチェーンの専門知識がなくても行えます。
Curvegrid自身がノードインフラを運用するため、Infuraなどのノードプロバイダーを別途契約する必要がありません。Ethereum・Base・Arbitrum・Polygonなど17のブロックチェーンに対応し、ERC-20・ERC-721・ERC-1155のトークンを扱えます。TypeScript・Go向けのSDKやHardhatプラグインも用意されています。
料金は、デプロイ2つ・APIコール月3万件までを無料で使えるFreeプランと、プロジェクト要件に応じて個別見積もりとなるCustomプラン(要お問い合わせ)が用意されています。東京拠点の企業で、自動車メーカー・通信会社・証券会社など(社名非公開)への導入をカタログ上で挙げています。
13. NFTeapot(Curvegrid株式会社)

NFTeapotは、ShopifyストアにNFTの販売機能を追加するアプリで、運営元はCurvegrid株式会社です。Shopifyの管理画面からNFTの作成・出品・販売までを行え、購入者はクレジットカードなど通常のオンライン決済で購入し、決済後に届く受け取りリンクからNFTを受け取ります。ウォレットの用意は不要です。
アプリのインストール自体は無料で、費用はNFTの受け取り時に販売額へ$1+5%の手数料が発生する従量課金です(別途Shopify本体の有料プラン契約が必要)。発行できるチェーンはPolygonとAvalanche(Ethereumは対応予定)で、Curvegridのミドルウェア「MultiBaas」を基盤にしています。
Shopifyアプリストアの公式ページには、NFTeapotは現在活発な開発が行われておらず、サポート提供も限定的である旨が記載されています(2026年7月時点)。新規導入を検討する場合は、機能追加の予定やサポート体制を事前に公式へ確認しておくと安心です。
NFT発行・配布ツールの料金体系・費用構造
料金モデルには、選び方でも触れたとおり従量課金・月額サブスクリプション・手数料型があり、多くの製品が料金を非公開としています。ここでは、モデルの違いに加えて、比較時に見落としやすい「施策を積み増したときの費用構造」を掘り下げます。
費用構造で見落としがちなのが、施策を積み増したときのコストです。スタンプラリー、クーポン配布、SNS連携といった施策を個別のツールでそれぞれ開発すると、施策ごとに開発費とデータ管理の手間が積み上がっていきます。
NFTを複数施策の共通基盤として統合できるプラットフォームを使えば、施策を増やしても費用の増え方を抑えられる場合があります。単発の発行コストだけでなく、施策を継続・拡張したときの総額で比較する視点が重要です。
個別開発と統合基盤で費用の積み上がり方がどう変わるかについて、MintMonsterを提供する株式会社アツラエの大波氏は、独自インタビューで具体的な試算を挙げて説明しています。
従来型のやり方ですと、たとえばスタンプラリーに50万円、次にクーポン配布施策を追加すると+120万円、さらにSNS連携施策を足すと+250万円と、施策を増やすたびに開発費とコミュニケーションコストが積み上がっていきます。ベンダーさんも施策ごとに別になりますし、データも各ツールに分散して管理しなければなりません。一方でMintMonsterを統合基盤として使っていただいた場合、3つの施策を展開しても費用は1年間で120万円ほどで収まります。初期導入費0円、月額10万円からで、スタンプラリーもクーポンもSNS連携もすべてワンプラットフォームで展開できます。
多くのNFT発行・配布ツールは料金を公開しておらず、用途や発行規模に応じた個別見積もりとしています。正確な費用は、候補を数社に絞ったうえで資料請求・問い合わせで確認するのが確実です。
NFT導入・運用の注意点
NFT発行・配布ツールを導入する前に、法務・税務・運用の面で押さえておきたい注意点があります。導入後につまずかないよう、あらかじめ社内で確認しておきましょう。
NFTを購入・保有しても著作権は移転しない
NFTを発行・販売する際に誤解されやすいのが、著作権の扱いです。著作権法では、著作権は著作者に帰属し(著作権法第17条)、その譲渡には別途の契約が必要とされています(同第61条第1項)。そのため、NFTの売買それ自体は著作権の譲渡を意味せず、購入者が得るのは、発行者が利用規約で定めた範囲の利用権にとどまるのが一般的です。
自社がコンテンツをNFT化して配布する場合は、購入者に何を許諾するのか(表示・複製・二次利用の可否)を規約で明確にしておく必要があります。
二次流通のロイヤリティは規格が支払いを保証しない
「NFTは転売されるたびに発行元へロイヤリティ(収益)が還元される」と語られることがありますが、これは技術的に自動保証される仕組みではありません。ロイヤリティ額を提示するためのERC-2981という規格はあるものの、規格自体は支払いを「任意(voluntary)」と定めており、実際に還元されるかは取引が行われるマーケットプレイス側の実装に依存します。
二次流通収益を事業計画に組み込む場合は、対応するマーケットプレイスの仕組みまで含めて確認しましょう。
NFTの二次流通を扱う主要なマーケットプレイスは、対応チェーンやロイヤリティ設定の仕様が製品ごとに異なります。以下の記事で主要な選択肢と選び方を整理していますので、二次流通を前提にNFTを設計する場合はあわせて確認しておくと安心です。

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税務・会計処理は用途によって扱いが変わる
NFTの発行・売買で得た利益は、所得税の課税対象になり得ます。国税庁のFAQでは、自ら制作したデジタルアートを紐づけたNFTの譲渡(一次流通)による所得は雑所得(または事業所得)、購入したNFTの転売(二次流通)による所得は原則として譲渡所得に区分されると整理されています。
一方、財務会計上の会計処理には、NFT専用の会計基準は現時点で存在しません。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)のガイドラインでも、金融規制に抵触する可能性の低いNFTには明確な会計基準の定めがなく、そのトークンの性質や関連する契約を勘案して既存の会計基準の趣旨や類似実務を参照することになるとされています。
このように、NFTの会計処理は一律に決まるものではなく、法的性質に応じて処理が変わるため、税務・会計の扱いは顧問税理士・会計士に確認するのが確実です。
法規制:暗号資産該当性・景品表示法などの確認
NFTが資金決済法上の暗号資産に該当するかどうかは、規格によって直ちに決まるものではなく、その利用形態等に応じて個別に判断されます(金融庁 事務ガイドライン関連のパブリックコメント回答)。会員証・特典・証明といった一般的な用途のNFTは暗号資産に該当しないと整理されることが多い一方、不特定の者への代価の弁済に使えるよう設計すると該当し、規制の対象になり得ます。
また、NFTを景品として無償配布する場合は景品表示法の景品類規制、消費者に販売する場合は特定商取引法の表示義務の対象になり得ます。想定する配布・販売の形態が規制に触れないか、必要に応じて専門家に確認しておくと安心です。
運用・保守と提供事業者の継続性
NFT自体はブロックチェーン上に記録され続けますが、発行・管理に使うツールや、NFTに紐づく画像・コンテンツの保存先は、提供事業者の運用に依存します。NFTのデータをブロックチェーンに直接書き込む(オンチェーン)のか、外部サーバーに置く(オフチェーン)のかによって、事業者のサービス終了時に参照できなくなるリスクが変わります。
長く使う前提の施策では、データの保存方式・他サービスへの移行のしやすさ・提供事業者の継続性も、選定時に確認しておきましょう。
まとめ
NFT発行・配布ツールは、「ノーコードですぐ使えるもの」「会員・ファンマーケ施策と一体で伴走してくれるもの」「自社システムにAPIで組み込むもの」の3タイプに大別できます。まずは自社の用途と運用体制から型を絞り、そのうえで対応チェーン・NFT規格・受け取りUX・料金モデル・サポート体制で候補を比較するのが、遠回りのない選び方です。
NFTはあくまで「会員・販促・証明といった課題を解く手段」です。目的を先に置いて必要な機能を見極めれば、多機能さに惑わされず自社に合うツールを選べます。料金非公開の製品も多いため、本記事の比較表と診断で候補を数社に絞り込んだら、複数社の資料を取り寄せて、機能・料金・サポートを具体的に比較してください。
下記のボタンから、掲載中のNFT発行・配布ツールの資料をまとめてダウンロードできます。ぜひ比較検討にご活用ください。
NFT発行・配布ツールに関するよくある質問(FAQ)
Q. NFT発行・配布ツールとは何ですか?
NFT発行・配布ツールとは、ブロックチェーン上に発行するNFTの作成から、顧客への配布・管理までを専門知識がなくても行えるようにするサービスの総称です。会員証・クーポン・デジタル特典・証明書といった用途に、スマートコントラクトを自前開発しなくてもNFTを活用できます。
提供形態は、非エンジニアが管理画面で完結できるノーコード型、マーケ施策まで一体で任せる伴走支援型、自社システムに組み込むAPI・SDK型に分かれます。
Q. NFT発行・配布ツールの費用はどのくらいかかりますか?
NFT発行・配布ツールの費用は、無料プランから始められるものもあれば、初期費用0円・月額十数万円から、あるいは月額数十万円規模まで、製品・プランによって幅があります。たとえば管理画面型には無料プランを備える製品や、初期導入費0円・月額10万円台から始められる製品があります。
ただし料金を非公開(要お問い合わせ)としているツールが多いため、想定する配布規模を見積もったうえで数社の資料を取り寄せ、初期費用と継続コストの両面で比較するのが確実です。
Q. ウォレットを持っていない一般の顧客にもNFTを配布できますか?
NFT発行・配布ツールの多くは、暗号資産ウォレットを持っていない顧客にもNFTを配布できます。メールアドレスやLINE・Googleアカウントでのログイン、QRコードの読み取りだけで受け取れ、裏側でウォレットが自動生成される方式が主流になっています。NFTに詳しくない一般層へ幅広く配りたい場合は、この「ウォレット不要で受け取れるか」を確認しておくと、受け取り段階での離脱を防げます。
Q. ノーコード型とAPI型のツールは、どちらを選べばよいですか?
NFT発行・配布ツールのノーコード型とAPI型は、自社の運用体制を基準に選ぶのが基本です。社内にエンジニアがいなくても管理画面で発行・配布まで回したいならノーコード型、自社サービスやゲーム・ECにNFT機能を組み込んで発行を自動化したいなら、API・SDKを提供する開発者向けが向いています。マーケティング施策の設計から運用まで任せたい場合は、伴走支援型のプラットフォームも選択肢になります。
Q. ERC-721とERC-1155は何が違いますか?
ERC-721とERC-1155の違いは、1点ずつ固有の番号を振るのがERC-721、同じ種類のトークンを複数枚まとめて発行できるのがERC-1155という点です。会員証のように1人1枚を一意に扱う用途はERC-721、同一のクーポンを大量に配布する用途はERC-1155が適しています。両対応のツールなら扱える用途の幅が広がるため、発行したいNFTの性質に合わせて対応規格を確認しておきましょう。
Q. 既製ツールを使うのと開発会社に外注するのは、どちらがよいですか?
NFTの発行・配布は、まず既製ツールで要件を満たせるかを確認するのが効率的です。開発会社への外注は自由度が高い一方、比較検討や仕様変更のたびに費用と時間がかかります。会員証・クーポン・特典配布といった一般的な用途は既製ツールでカバーできることが多く、独自性の強い要件がある場合に限って、伴走支援型・開発支援型のサービスや外注を検討するとよいでしょう。
Q. NFT発行・配布ツールは導入までどのくらいの期間がかかりますか?
NFT発行・配布ツールの導入期間は、ツールの型によって大きく異なります。ノーコード型は管理画面から比較的短期間で発行・配布を始められる一方、自社ブランドのNFTマーケットプレイスをゼロから構築する開発支援型では、カスタマイズがない場合でも最短3ヶ月程度が目安とされます。実現したい施策の規模やカスタマイズの有無で変わるため、候補のツールに具体的なスケジュールを確認しておきましょう。
Q. NFTを発行・販売する際、法務・税務で注意すべき点はありますか?
NFTの発行・販売では、著作権・二次流通・税務・法規制の4点を事前に確認しておくと安心です。NFTを売買しても著作権は自動では移転せず、購入者が得るのは規約で定めた範囲の利用権にとどまります。二次流通のロイヤリティは規格が支払いを保証するものではありません。
税務・会計の扱いもNFTの性質や用途によって変わります(NFT専用の会計基準は現時点で存在しません)。暗号資産への該当性も利用形態に応じて個別に判断されるため、想定する用途に沿って顧問税理士や専門家に確認しておくことをおすすめします。
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