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おすすめBaaS企業を徹底比較!国内主要6社の銀行APIサービス【選び方と導入メリット】

最近、航空会社や小売企業が自社ブランドで「銀行サービス」を展開する動きが広がっているのをご存じでしょうか。

「自社アプリに銀行の機能を組み込めたら便利そう。でも、うちの会社でもできるのかな?」そんな疑問を持つ方も少なくないはずです。

本記事では、注目を集める BaaS(Banking as a Service) をわかりやすく解説します。BaaSを活用すれば、銀行免許がなくても自社サービスに預金口座や決済機能を組み込むことが可能です。つまり、非金融業でも金融サービスの提供が実現できるのです。

また、BaaSを提供する国内主要プレイヤー(住信SBIネット銀行、GMOあおぞらネット銀行、みんなの銀行など)の特徴を整理し、比較しやすい形でまとめました。

さらに記事後半では、BaaS提供企業を選ぶ際のチェックポイントも紹介。フィンテック導入が初めての方でも安心して理解を深められる内容となっています。

BaaS提供企業6選をすぐに見たい方はこちら
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BaaS(Banking as a Service)とは何か?

BaaS(Banking as a Service)とは、銀行が提供してきた預金・送金・融資などの金融機能をAPI(Application Programming Interface:アプリケーション間をつなぐ仕組み)経由で外部企業に提供するサービス形態です。従来、銀行サービスは銀行自身が提供していましたが、BaaSの登場により非金融企業でも銀行機能を自社サービスに組み込めるようになりました

2018年の銀行法改正で日本でも銀行APIの公開が推進され、さらに2021年施行の金融サービス仲介業制度によって、銀行と企業の新しい提携モデルが整いました。こうした法整備を背景に、「Embedded Finance(エンベデッド・ファイナンス)」とも呼ばれる流れが加速しています。例えば航空会社のスマホアプリに銀行口座機能が付与されたり、ECサイト内でローン申し込みが完結したりと、金融サービスが様々な業種のアプリに溶け込む時代になりつつあります。

非金融企業が銀行機能を求める理由

なぜ銀行以外の企業がこぞって金融機能を自社に取り入れようとしているのでしょうか?主な理由は以下の通りです。

  • ユーザー体験の向上
    • 自社アプリ内で決済や口座管理が完結すれば、ユーザーの利便性が飛躍的に高まります。例えば旅行予約アプリ内でそのまま決済・外貨両替ができれば、ユーザーは他の銀行アプリに移る必要がありません。ワンストップでサービス提供でき、ユーザー離脱を防げます。
  • ロイヤリティ向上と顧客囲い込み
    • 金融サービスを提供すると、ポイントやマイルなど独自のインセンティブで顧客を囲い込めます。実際、JALはマイルが貯まる「JAL NEOBANK」、TSUTAYAはポイントが貯まる「T NEOBANK」を展開し、それぞれの会員の囲い込み強化に成功しています。
  • 新たな収益源
    • 銀行サービスを提供することで、取引手数料収入や預かり資産からの収益など金融ビジネスの収益を得るチャンスが生まれます。たとえ本業が非金融でも、金融領域でのマネタイズ手段を持つことは収益の多角化につながります。
  • データ活用による競争力強化
    • ユーザーの金融取引データ(決済履歴や残高情報)は貴重なマーケティング資産です。BaaSによってこれらのデータを自社で取得・分析できるようになれば、より精緻な顧客分析やサービス改善に活かせます。

要するに、「ユーザーの生活導線上に金融機能を溶け込ませる」ことで企業とユーザー双方にメリットがあり、これを可能にするBaaSが注目されているのです。

BaaSの仕組みやメリット、導入事例などについてより詳しく知りたい方は『BaaSとは?銀行APIを通じたビジネスモデル・具体事例・メリットをわかりやすく解説』も合わせてご覧ください。

では、実際に日本国内でBaaSを提供している企業はどこなのでしょうか?次章では主要なBaaS提供企業のサービス内容や特徴を詳しく見ていきましょう。自社に合ったパートナーを選ぶための比較ポイントを押さえてください。

日本でおすすめのBaaS提供企業(銀行)一覧・比較表

サービス名NEOBANKBaaS by GMOあおぞらみんなのBaaSBANKIT楽天銀行& BANK
会社(銀行)名住信SBIネット銀行GMOあおぞらネット銀行みんなの銀行SBI新生銀行グループ楽天銀行三菱UFJ銀行
提供方式フルバンキング型APIモジュール型API型+支店モデル機能モジュール型提携パッケージ型BaaSアプリ基盤(BtoBtoC)
主な特徴・自社ブランド銀行を短期構築
・22社・100万口座超実績
・豊富なAPI、基本API無料
・契約800件以上
・API連携+支店モデル
・UI/UX優れたスマホ銀行
・決済・後払い等多彩
・SBIグループの信頼性
・大規模基盤
・大企業との提携実績が豊富
・口座・預金・ローンを一体提供
・メガバンク初
提携実績JAL、CCC、第一生命多数のFintechアプリピクシブ、外為どっとコム後払いFintech、地域決済JR東日本(JRE BANK)、第一生命バンダイナムコ、ツクルバ
向いている企業顧客基盤が大きく、銀行ブランド展開を狙う企業開発力があり、銀行機能をピンポイントで組み込みたい企業自社の技術力に応じて導入する機能を選びたい企業個別機能を迅速に追加したい事業者大規模提携を検討する企業大規模なブランドや熱心なファンベースを抱える企業
導入速度半年~数か月~半年~数か月~半年~1年以上半年~1年以上
カスタマイズ性ブランド名は自由、UIは限定的高い、機能単位で導入可支店モデルで制約あり機能単位で柔軟ブランド一体型で調整可UIやブランド設計に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
詳細情報公式サイトをご覧ください公式サイトをご覧ください公式サイトをご覧ください公式サイトをご覧ください公式サイトをご覧くださいUI/UXをブランドに適合可能
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ここでは、以下の6つのサービスの特徴と事例を紹介します。それぞれ提供形態が異なりますので、違いを理解して自社のニーズに合う先を検討しましょう。

1.住信SBIネット銀行「NEOBANK」

出典元:https://www.netbk.co.jp/contents/

ネット銀行大手の住信SBIネット銀行は、日本におけるBaaSの先駆者です。同社は2020年から「NEOBANK(ネオバンク)」という名称でフルバンキングBaaSサービスを展開してきました。NEOBANKの最大の特徴としては、銀行が持つほぼ全ての機能をまとめて提携先に提供できる点が挙げられます(住信SBIネット銀行は「銀行機能まるごと提供」と表現しています)。

同サービスは、自社のブランド力を活かして包括的な金融サービスを提供したい大手企業に向いています。例えば顧客基盤が大きい企業(航空会社、小売チェーン等)が、自社名の銀行口座・カードを持たせてロイヤリティ強化を図るケースなどがそれに該当します。開発は住信SBI側が担う部分が多いため、提携先はマーケティングに注力できるのが利点です。

項目内容
サービス名NEOBANK
提供会社(銀行)住信SBIネット銀行
提供方式フルバンキング型
主な特徴・自社ブランド銀行を短期構築
・22社・100万口座超実績
提携実績JAL、CCC、第一生命 など
向いている企業顧客基盤が大きく、銀行ブランド展開を狙う企業
導入速度半年~
カスタマイズ性ブランド名は自由、UIは限定的
詳細情報公式サイトをご覧ください

2.GMOあおぞらネット銀行「BaaS by GMOあおぞら」

出典元:https://gmo-aozora.com/baas/

GMOあおぞらネット銀行はフィンテックに積極的なネット銀行で、同社の「BaaS by GMOあおぞら」も国内BaaS市場で存在感を増しています。住信SBIネット銀行とは対照的に、API一つひとつを細かく提供し、提携企業が必要な機能を組み合わせて使える形です。

口座情報照会、振込実行、本人確認など、銀行の各機能ごとにAPIを公開しており、提携企業は自社が必要とする機能だけを選択的に利用可能です。また、基本的なAPI利用を無料で提供している点も特徴的です。

項目内容
サービス名BaaS by GMOあおぞら
提供会社(銀行)GMOあおぞらネット銀行
提供方式APIモジュール型
主な特徴・豊富なAPI、基本API無料
・契約800件以上
提携実績多数のFintechアプリ
向いている企業開発力があり、銀行機能をピンポイントで組み込みたい企業
導入速度数か月~
カスタマイズ性高い、機能単位で導入可
詳細情報公式サイトをご覧ください

3.みんなの銀行「みんなのBaaS」

出典元:https://baas.minna-no-ginko.com/

福岡を拠点とするデジタルバンクであるみんなの銀行も、独自のBaaS展開をしています。同銀行の法人向けサービス「みんなのBaaS」では、API提供モデルパートナー支店モデルの2つの提供モデルを用意している点がユニークです。API提供モデルは、「BaaS by GMOあおぞら」と同様、パートナー企業のサービスにAPIを介してみんなの銀行の機能を提供する方式です。

一方のパートナー支店モデルは、みんなの銀行のスマホアプリ内に、提携企業の名前を冠した「〇〇支店」を開設する方式です。こちらの方式では、提携企業は自前でアプリ開発をしないでもみんなの銀行アプリ上に自社ブランド空間(支店)を持ち、ユーザーに金融サービスを提供できます。

項目内容
サービス名みんなのBaaS
提供会社(銀行)みんなの銀行
提供方式API型+支店モデル
主な特徴・API連携+支店モデル
・UI/UX優れたスマホ銀行
提携実績ピクシブ、外為どっとコム など
向いている企業自社の技術力に応じて導入する機能を選びたい企業
導入速度半年~
カスタマイズ性支店モデルで制約あり
詳細情報公式サイトをご覧ください

4.SBI新生銀行グループ「BANKIT」

出典元:https://www.bankit.jp/

もともと新生銀行が提供開始し、現在はSBI新生銀行グループとなった「BANKIT(バンキット)」というサービスもBaaSの一種です。正確にはSBI新生銀行の子会社であるアプラスが運営する金融サービス提供プラットフォームです。

「BANKIT」では、ウォレット(残高管理)、送金、決済、後払い(BNPL)など複数の機能モジュールが用意されており、提携企業は必要なものを組み合わせて導入できます。いわば「金融機能のカフェテリア方式」とも言えるサービスです。

項目内容
サービス名BANKIT
提供会社(銀行)SBI新生銀行グループ
提供方式機能モジュール型
主な特徴・決済・後払い等多彩
・SBIグループの信頼性
提携実績後払いFintech、地域決済
向いている企業個別機能を迅速に追加したい事業者
導入速度数か月~
カスタマイズ性機能単位で柔軟
詳細情報公式サイトをご覧ください

5.楽天銀行(JRE BANK など提携事例)

出典元:https://www.rakuten-bank.co.jp/

ネット銀行系では楽天銀行もBaaS的な動きを見せています。楽天銀行自体が公式に「BaaSサービス」を標榜しているわけではありませんが、他社ブランドの銀行サービスを裏側で支える形でBaaS的な取り組みを行っています。具体的には、楽天銀行がシステム基盤やライセンスを提供し、パートナー企業が自社ブランドの銀行を展開するのをサポートしています。

楽天銀行のBaaS的な取り組みは、特に大規模な顧客基盤やポイント経済圏を持つ企業に適しています。自社ブランドで銀行を立ち上げ、顧客との接点をより深く広げたいと考える場合に有力な選択肢となるでしょう。

項目内容
サービス名
提供会社(銀行)楽天銀行
提供方式提携パッケージ型
主な特徴・大規模基盤
・大企業との提携実績が豊富
提携実績JR東日本(JRE BANK)、第一生命 など
向いている企業大規模提携を検討する企業
導入速度半年~1年以上
カスタマイズ性ブランド一体型で調整可
詳細情報公式サイトをご覧ください

6.三菱UFJ銀行「& BANK」

出典元:https://www.bk.mufg.jp/kouza/baas/teikei/index.html

三菱UFJ銀行が展開する「& BANK」は、メガバンクとして初めての本格的なBaaS基盤です。企業が自社ブランドのサービス内に銀行機能を組み込めるように設計されており、エンタメや不動産など幅広い業界での活用が期待されています。

「& BANK」の最大の強みは、メガバンク基盤の信頼性とスケールに加え、UIやブランド設計に合わせた柔軟なカスタマイズができる点です。金融機能をパーツごとに組み込むよりも、ブランド全体に銀行サービスを一体化させたい企業にとって有力な選択肢となります。また、口座やローンまで幅広い金融レンジを一挙に取り込める点は、他のBaaS企業との差別化要素です。

項目内容
サービス名& BANK
提供会社(銀行)三菱UFJ銀行
提供方式BaaSアプリ基盤(BtoBtoC)
主な特徴・口座・預金・ローンを一体提供
・メガバンク初
提携実績バンダイナムコ、ツクルバ など
向いている企業大規模なブランドや熱心なファンベースを抱える企業
導入速度半年~1年以上
カスタマイズ性UIやブランド設計に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
詳細情報公式サイトをご覧ください

日本のBaaS市場はネット銀行が先行していますが、大手銀行や地銀、さらにフィンテック企業にも広がりを見せています。みずほ銀行が海外テックとの協業を模索したり、地銀が地域密着型でAPI連携を進めたり、Moneytreeやインフキュリオン、NTTデータといった企業が接続ハブを提供するなど、エコシステムは急速に拡大しています。

こうした動きにより銀行機能は従来の枠を超え、「組み込み可能なインフラ」へと進化しつつあります。

BaaS導入時に押さえるポイント(選定のチェックリスト)

自社に最適なBaaSパートナーを見極めるには、以下のポイントを確認しましょう。単に有名企業だからと飛びつくのではなく、自社のニーズ・条件にマッチするかをチェックすることが大切です。

具体的には、以下の5つのポイントに留意することで、自社に合ったBaaSパートナーを見つけられる可能性が高まります。

BaaS導入時に押さえるべきポイント
  • 提供機能の範囲とサービス形態の確認
  • セキュリティと信頼性は万全か
  • 導入コストと収益モデルの把握
  • 開発リソースとサポート体制の確認
  • 法規制対応と契約形態のチェック

各内容について、以下で詳しく解説していきます。

提供機能の範囲とサービス形態の確認

まず、各BaaS提供企業がどの範囲の機能を提供できるかを確認します。

例えば、預金口座開設から貸付まで包括的に提供してほしいなら住信SBIネット銀行(NEOBANK)のようなフルセット型が適しています。一方、「決済機能だけ使えれば良い」場合はGMOあおぞらネット銀行のように必要なAPIだけ利用できる方が効率的です。また、みんなの銀行のパートナー支店モデルのように自社での開発負担が少ない提供形態もあります。

自社サービスの状況(既存アプリの有無、開発体制)に照らし、サービス形態がマッチするかを検討しましょう。

セキュリティと信頼性は万全か

金融データを扱う以上、セキュリティ対策は最重要ポイントです。各提供企業の情報セキュリティ体制(データ暗号化、認証方式、監査体制など)を確認しましょう。特に外部企業とデータ連携するBaaSでは、万一の情報漏えいや不正アクセスが自社の信用問題にも直結します。

実績豊富な銀行系サービスは概ね高い水準を担保していますが、それでもサービスごとの違いはあります。また、障害発生時の対応やSLA(サービスレベル合意)の有無も確認ポイントです。契約前に、提供企業のセキュリティポリシーや過去のトラブル事例がないかなど信頼性をしっかりチェックしてください。

導入コストと収益モデルの把握

BaaS導入に伴う費用も事前に把握しておきたい点です。初期導入費用や月額料金が発生する場合もあれば、GMOあおぞらのように基本無料で使い始められるケースもあります。ただ無料の場合でも、実際にトランザクション発生時に手数料がかかったり、利用量に応じた課金があったりします。各社の料金体系(初期費用・API利用料・送金手数料・レベニューシェアなど)を比較しましょう。

また、ビジネスモデル面では「パートナー企業と収益をどう分け合うか」も重要です。例えば預金残高やローン利息に対するキックバックがあるのか、顧客から手数料を取る場合の配分はどうなるか、といった点です。こうした収益モデルを理解しておくことで、自社のROI(投資対効果)も計算しやすくなります。

開発リソースとサポート体制の確認

自社のエンジニアリング体制によって、適したパートナー像も変わります。自社に強い開発部隊がいるなら、ドキュメントや開発者コミュニティが充実したGMOあおぞら銀行のような先がやりやすいかもしれません。逆にIT専門部署が小さい場合、みんなの銀行のパートナー支店モデルのように銀行側で実装を担ってくれる方式が適しているでしょう。

導入後の技術サポートや専任担当者の有無も確認しましょう。例えば「API接続の技術QAに迅速に答えてもらえるか」や、「導入時にコンサルティング支援があるか」などです。伴走支援が手厚い先だと、自社にノウハウがなくても安心してプロジェクトを進められます。

法規制対応と契約形態のチェック

BaaS導入では、必要な許認可の有無を確認することが欠かせません。銀行サービスによっては、提携企業が「銀行代理業」「金融サービス仲介業」として登録する必要が生じる場合があります。例えば預金口座開設の募集を行う場合は銀行代理業の許可が求められる可能性があります。

ただしNEOBANKのように銀行が直接口座開設を担い、パートナーはマーケティングに専念するモデルでは、提携側の負担が抑えられるケースもあります。

契約主体がどちらになるかといった役割分担や、個人情報保護・資金決済法などの法令対応も事前に確認しておくことが重要です。こうした点を総合的に検討することで、知名度だけでなく自社に本当に適したBaaSパートナーを選ぶことができます。

まとめ:自社に合ったBaaSサービスを見極めよう

BaaS(Banking as a Service)は、金融機能をサービスとして利用できる仕組みを指します。

この記事ではNEOBANK、BaaS by GMOあおぞら、みんなのBaaS、BANKITなど主要サービスを比較し、それぞれの特徴や向き不向きを整理しました。

重要なのは、自社の目的やリソースに合うサービスを選ぶことです。包括的に展開したいならNEOBANK、柔軟に機能を組み込みたいならGMOあおぞら、開発負担を抑えたいならみんなの銀行、といった選択肢があります。適切なパートナーを選べば金融サービス導入のハードルは下がり、ユーザー体験向上や新収益源の創出にもつながります。

まずは資料を取り寄せて比較するのがおすすめです。「MCB FinTechカタログ」では本記事で紹介したBaaSサービスの詳細をまとめて請求でき、API仕様や導入事例、費用モデルなど実践的な情報を入手できます。

よくある質問(FAQ)

BaaSに関するよくある疑問を、Q&A形式でまとめました。

Q1.自社サービスへのBaaS導入には銀行代理業の許可が必要ですか?

A1.提携するサービスや提供形態によります。例えば、ユーザーが自社ブランドで預金口座を開設できるようにする場合、通常は提携企業側が銀行代理業の許可を取得する必要があります。

ただし住信SBIネット銀行のNEOBANKのように、銀行側が表に立ってサービス提供しパートナー企業はマーケティングを担うスキームでは、パートナー側は許可が不要なケースもあります。事前に提供企業と契約スキームを確認し、必要な許認可手続きを案内してもらうと良いでしょう。

Q2.BaaSを利用開始するまでの期間はどれくらい?

A2.サービスや開発範囲によって異なりますが、早ければ数ヶ月程度でスタート可能です。例えばNEOBANKでは「導入決定から最短6ヶ月でサービス開始」とされています。

一方、独自アプリ開発やシステム統合が必要な場合は1年近くかかるケースもあります。GMOあおぞら銀行のようにAPIを組み込むだけなら比較的短期間で実装できます。各社とも導入プロセスの相談に乗ってくれますので、企画段階でスケジュール感を問い合わせておきましょう。

Q3.エンベデッド・ファイナンス(組込型金融)とBaaSの違いは何ですか?

A3.エンベデッド・ファイナンスは一般概念で、金融機能が非金融サービスに組み込まれること全般を指します。一方BaaSは、そのエンベデッド・ファイナンスを実現するために、銀行が機能をサービスとして提供するビジネスモデル(仕組み)を指します。

言い換えると、「エンベデッド・ファイナンスを実現する手段の一つがBaaS」であり、両者は密接に関連しています。BaaSによって、エンベデッド・ファイナンスが技術的・制度的に可能になったとも言えます。

Q4.中小企業でもBaaSを活用できますか?

A4.はい、可能です。実際にBaaS提供各社の中には、中小規模のフィンテック企業や地方の事業者との提携実績も多数あります。GMOあおぞらネット銀行は800件以上の契約(2025年7月時点)がありますが、その多くはスタートアップや中堅企業です。重要なのは自社に明確なユースケースがあるかです。

例えば「自社アプリにウォレット残高を持たせたい」、「ポイントと連携した簡易銀行機能を提供したい」など目的が定まっていれば、企業規模に関係なくBaaS導入のメリットは享受できます。またコスト面でも基本利用料無料のサービスがあるため、小規模からトライアル導入するハードルも低くなっています。

Q5.利用者にとってBaaSで提供されるサービスは安全でしょうか?

A5.基本的には安全です。BaaSで提供される金融サービスは、背景で銀行ライセンスを持つ金融機関が運営しています。預金保険の適用や、不正取引検知システムの導入など、通常の銀行サービスと同等のセキュリティ・保護が受けられます。ただし利用者視点では提携先企業の名前で提供されるため、その企業と銀行が組んでいるサービスであることを周知する必要があります。

また、ユーザーサポート面では提携企業と銀行のどちらが対応するかなど取り決めも重要です。いずれにせよ、ユーザーに安心して使ってもらうための体制(問い合わせ窓口、補償スキーム等)はBaaS導入企業側でも構築しておくと良いでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋 真倫

大阪大学経済学部卒業。都市銀行退職後に暗号資産関連スタートアップの創業メンバーとして業界調査や相場分析に従事。2018年、マネックスグループ入社。マネックスクリプトバンクでは業界調査レポート「中国におけるブロックチェーン動向(2020)」や「Blockchain Data Book 2020」などを執筆し、現在はweb3ニュースレターや調査レポート「MCB RESEARCH」などを統括。国内メディアへの寄稿も多数。2021年3月より現職。

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