Webサービスや社内システムの脆弱性診断を検討する際、「専門家による手動診断とツールによる自動診断のどちらが自社に必要なのか」「費用が数十万円から数百万円までと幅が広く、妥当な予算が読めない」といった壁に突き当たる担当者は少なくありません。
脆弱性診断(セキュリティ診断)サービスは、診断方法・診断範囲・料金体系・診断後のサポートが提供会社ごとに大きく異なります。同じ「Webアプリケーション診断」でも、自動ツールで短時間に繰り返すものから、セキュリティエンジニアが攻撃者の視点で深く探索するものまで性質が分かれ、機能名の比較だけでは結論が出ません。
そこで本記事では、診断方法(手動・ツール自動・ハイブリッド)と診断範囲、費用相場、診断後のサポートという観点から、自社の規模・予算・求める精度に合うサービスを選べるよう、主要18サービスを比較します。あわせて、3つの質問に答えるだけで候補を絞り込める診断ツールも用意しました。
取引先や委託元、ISMS認証、プライバシーマーク取得、セキュリティ監査から診断の実施を求められたものの、どこから手をつければよいか迷っている方にも、選定の判断材料になるよう、脆弱性診断とペネトレーションテストの違いから診断後の改修・再診断までを体系的に解説します。
まずは診断ツールでおおよその当たりを付け、その後に診断方法の違いや費用相場の解説を読み進めると、自社に合うサービスを無理なく絞り込めます。

株式会社通信総研 代表/情報処理安全確保支援士・公認情報システム監査人(CISA)
佐藤裕一
監修者は記事の内容について監修しています。
目次
脆弱性診断(セキュリティ診断)サービスとは
脆弱性診断(セキュリティ診断)サービスとは、Webアプリケーション・サーバー・ネットワーク・クラウド環境などの情報システムに潜むセキュリティ上の弱点(脆弱性)を、専門ツールやセキュリティエンジニアが検出・評価し、リスクの重大度と対策の優先順位とともに報告するサービスです。
ファイアウォールやウイルス対策ソフトを導入していても、公開しているWebアプリやサーバーの設定不備・既知の欠陥が放置されていれば、そこが攻撃の入口になります。脆弱性診断は、攻撃者に悪用される前に自社の弱点を洗い出し、改修すべき箇所を具体的に把握するための取り組みです。
背景には、サイバー攻撃の高度化に加え、委託元・取引先が委託先のセキュリティ水準を確認する「サプライチェーン全体のセキュリティ対策」の広がりがあります。ISMS(ISO/IEC 27001)認証やプライバシーマーク(JIS Q 15001)の取得・更新や、取引開始時のセキュリティチェックシートへの回答にあたって、定期的な脆弱性診断の実施を求められるケースも増えています。
- 出典:ISMSとは|一般社団法人 情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC) https://isms.jp/isms.html
- 出典:サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver3.0「指示9」|経済産業省・独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) https://www.ipa.go.jp/security/economics/practices_navi/practice236.html
脆弱性診断とペネトレーションテストの違い
脆弱性診断と混同されやすいものに「ペネトレーションテスト(侵入テスト)」があります。両者は目的が異なり、必要とする企業の段階も分かれます。
脆弱性診断は「弱点を網羅的に洗い出す」ことが目的で、対象システムに含まれる既知の脆弱性をできるだけ漏れなく検出します。一方、ペネトレーションテストは「攻撃者が実際に侵入できるか」を検証するもので、特定の目標(重要情報の窃取など)に向けて疑似的な攻撃を行い、防御の突破可否を確かめます。
多くの企業がまず取り組むべきは脆弱性診断です。網羅的に弱点を把握して改修し、そのうえで「侵入されないか」を確かめたい重要システムにペネトレーションテストを追加する、という順序が一般的です。本記事では脆弱性診断を中心に扱い、ペネトレーションテストにも対応するサービスはその旨を明記します。


利用するシステムが多岐にわたりペネトレーションテストの対象選定に迷う場合は、外部からの侵入によってウイルス感染やシステム破壊、データ改ざん、情報漏えいが起きた際、「事業に深刻な影響を及ぼす重要システム」を優先することが実務上効果的です。
まず脆弱性診断でシステム全体の弱点を網羅的に洗い出して修正し、セキュリティの基礎を固めます。その上で、組織の屋台骨となる最重要システムに対してペネトレーションテストを実施し、実際の攻撃による侵入や防御の突破可否を検証します。この二段階のアプローチをとることで、限られたリソースの中で両テストを最も有効に役立てることができます。
ペネトレーションテストの費用感は、対象システムや診断の目的(外部/内部・シナリオベース等)によって幅があります。料金の目安や種類別の相場を先に確認したい場合は、以下の記事で早見表と選び方を解説しています。
ペネトレーションテストの費用相場を対象・種類別に解説|早見表でわかる料金と選び方
脆弱性診断で自社システムの弱点を洗い出すと、次に「実際に攻撃者が侵入できるのか、本当のところを確かめてほしい」と役員や監査から求められることがあります。脆弱性診断の次にペネトレーションテスト(侵入テスト)を検討する——決済や基幹システムなど…
脆弱性診断を実施するメリット
脆弱性診断を実施する第一のメリットは、攻撃を受ける前にリスクを把握し、優先順位をつけて改修できる点です。検出された脆弱性は深刻度(CVSSなど)とともに報告されるため、限られた予算と工数をどこに割くべきかを判断できます。
- 出典:共通脆弱性評価システムCVSS概説|独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター https://www.ipa.go.jp/security/vuln/scap/cvss.html
第二に、取引先・委託元からの要請や、ISMS、プライバシーマークにおけるリスクアセスメントの一環として極めて有効である点が挙げられます。第三者による診断報告書は、自社のセキュリティ対策が一定水準にあることを示す客観的な証跡となり、取引開始や認証取得の場面で役立ちます。
第三に、顧客やユーザーからの信頼獲得につながる点です。個人情報や決済情報を扱うサービスでは、定期的な診断の実施が安全性のアピール材料になり、情報漏えいによる損害賠償・信用失墜といった事業リスクの低減にも寄与します。

CVSSは、情報システムの脆弱性に対する深刻度を客観的に評価する国際的な共通基準です。最大の特徴は、脆弱性の深刻度をスコア化し明確にレベル分けしている点です。
緊急:9.0〜10.0
重要:7.0〜8.9
警告:4.0〜6.9
注意:0.1〜3.9
なし:0.0
この数値化により、対応の緊急度合いが一目で把握でき、限られたリソースの中で対策を優先すべき情報システムを迅速に判断できます。
例えば、2026年7月17日に公表された「WordPressのSQLインジェクション等の脆弱性」は「緊急(9.1)」と判定されています。自社Webサイト等で該当ソフトウェアを使用している場合、真っ先に対処すべき危険な状態であることが直感的に理解できます。
「そもそもなぜ診断が必要なのか」「どんな手順で進めるのか」から押さえたい場合は、以下の記事で脆弱性診断の必要性・種類・実施方法と安全対策の進め方を体系的に解説しています。本記事の比較に入る前の基礎固めとしてご覧ください。
脆弱性診断の種類と診断範囲
脆弱性診断は「何を診断対象にするか」で種類が分かれます。自社が守りたい資産がどれに当たるかを把握すると、必要なサービスの範囲が見えてきます。代表的な診断範囲は次のとおりです。
- 出典:政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(DS-221)「1.2 適用対象」|デジタル庁(2024年1月31日) デジタル庁ガイドライン(PDF)


守るべき資産の特定は担当者の立場や知見によりブレが生じやすいため、資産の重要度を定量評価(数値化)して客観的に判断するのが効果的です。
システムやデータのインシデント(漏えい・停止など)発生時の影響度に応じて、以下のように評価します。
重要度3: 法的責任や事業継続、取引先・個人へ甚大な影響を及ぼす(企業の存続に関わる)
重要度2: 自社の事業に重大な影響を及ぼす
重要度1: 事故が発生しても事業への影響は軽微
このように数値を基準化することで、診断対象とすべき優先順位を社内で明確に共有できるようになります。
Webアプリケーション診断
自社が公開・運用するWebサイトやWebアプリケーションを対象に、入力フォームやログイン機能などに潜む欠陥を検出する診断です。SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)、認証・セッション管理の不備といった、攻撃に直結しやすい脆弱性を確認します。
- 出典:政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(DS-221)「表 2-2 Web アプリ診断で検出される脆弱性」|デジタル庁(2024年1月31日) デジタル庁ガイドライン(PDF)
- 出典:安全なウェブサイトの作り方|独立行政法人 情報処理推進機構(IPA) https://www.ipa.go.jp/security/vuln/websecurity/about.html
ECサイトや会員制サービス、SaaSなど、外部からアクセスできるアプリを持つ企業にとって最も需要が高い診断です。本記事で紹介するサービスの多くが、このWebアプリケーション診断に対応しています。

Webサイトやアプリの多くは外部ベンダーへ開発委託されますが、Webシステムは攻撃の標的になりやすく、高度で多角的な防御技術が求められます。しかし、委託元企業が開発会社のセキュリティスキルを事前・客観的に見極めるのは困難です。
さらに、納品段階で脆弱性が放置されているケースも少なくありません。事業のWeb依存度が高まる中、第三者によるWebアプリケーション診断を実施し、納品物の安全性を客観的に検証・担保することは、事故を防ぐうえで不可欠なプロセスとなっています。
ECサイトの診断では、決済フローやカード情報の取り扱い、PCI DSSへの対応など固有の観点が加わります。EC事業者向けに費用相場や診断の種類、選び方を整理した記事もあわせて参考にしてください。
プラットフォーム(ネットワーク)診断
サーバーOS、ミドルウェア、ネットワーク機器など、Webアプリが動く土台(プラットフォーム)を対象にした診断です。古いソフトウェアのバージョンに残る既知の脆弱性、不要なポートの開放、設定の不備などを、外部または内部から検査します。
料金はIPアドレス(ホスト)単位で見積もられることが多く、Webアプリ診断と組み合わせて実施するのが一般的です。実トラフィックを解析してネットワーク全体のリスクを洗い出すタイプの診断もあります。
- 出典:政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(DS-221)「2章 1)プラットフォーム診断」|デジタル庁(2024年1月31日) デジタル庁ガイドライン(PDF)

Webアプリの土台(プラットフォーム)は多様で広範な技術で構成されており、自社でも正確な構成が可視化できていないケースが少なくありません。
多様なOSやミドルウェアに潜む脆弱性や設定不備は非常に複雑で、目視や手作業で見落としなく把握することは困難であり、専用ツールによる診断が必須です。
的確なセキュリティ対策を講じる第一歩として、プラットフォーム診断を通じて自社の構成を正しく認識し、どの技術要素や設定に攻撃のリスクが存在するのかを客観的に把握・評価することが極めて重要となります。
API・スマホアプリ・クラウド(CSPM)などその他の診断範囲
Webアプリ・プラットフォーム以外にも、診断対象は広がっています。スマートフォンアプリ診断はiOS/Androidアプリ固有の脆弱性を、API診断はバックエンドのAPIを対象にします。クラウド環境では、設定の不備を検出するCSPM(クラウドセキュリティ設定診断)や、外部に公開された資産を継続的に洗い出すASM(アタックサーフェスマネジメント)が増えています。
自社がモバイルアプリを提供している、クラウドにシステムを構築している、といった場合は、これらの診断範囲に対応するサービスかどうかを確認するとよいでしょう。
スマホアプリはOSやストア審査、通信の暗号化など、Webアプリとは診断項目・費用感の傾向が異なります。iOS/Android固有の観点や選び方を確認したい場合はこちらの記事を参照してください。
クラウド環境については、Webアプリ層の脆弱性診断と、設定不備を継続的に検出するCSPMの守備範囲が重なりつつも別物です。両者の違いや使い分けは以下の記事で整理しています。
ASMは診断のように「弱点を見つける」のではなく、外部に公開された自社資産を継続的に棚卸しする活動で、脆弱性診断とは目的が異なります。どちらから始めるべきかの判断軸は以下で解説しています。

スマホ利用や外部連携の標準化によりAPI診断が不可欠となり、通信やデータ連携の不備を突く攻撃を防ぎます。
また、クラウド利用の主流化に伴い、設定漏れや誤設定(公開ストレージ等)による情報漏えいを防止するCSPM(クラウドセキュリティ設定診断)の重要性が急増しています。
さらに、システム環境の複雑化により人的管理だけでは外部公開資産を漏れなく把握できないため、ASM(アタックサーフェスマネジメント)によって攻撃対象領域を継続的に自動検出・監視する必要があります。
これらを導入し、拡大する攻撃リスクを網羅的に管理することが不可欠です。
脆弱性診断の3つの診断方法(手動・ツール自動・ハイブリッド)と向いている企業
脆弱性診断サービスを選ぶうえで最初に押さえたいのが「診断方法」です。診断方法は大きく3つに分かれ、「精度・網羅性を取るか、スピード・コストを取るか」という最初の意思決定に直結します。自社がどのタイプに当てはまるかを意識すると、候補を一気に絞り込めます。
Web アプリ診断は、対象の Web アプリ(Web API を含む)に対して疑似的な攻撃のリクエストを行うことにより、情報漏えいやサイト改ざん等につながる脆弱性の有無を確認するものである。診断手法には、ツールによる自動診断、専門家による手動診断、両者を併用するものの 3 種類が存在する。
ツールによる自動診断は効率の観点では有用であるが、仕様に起因する脆弱性(A)全般の検出が難しい。(中略)専門家の人手による診断で補強する必要がある。
- 出典:政府情報システムにおける脆弱性診断導入ガイドライン(DS-221)|デジタル庁(2024年1月31日) デジタル庁ガイドライン(PDF)

DX化によりスピーディなシステム開発が競争力の源泉となる現代では、脆弱性診断においても開発速度と安全性のバランスが求められます。
診断手法は、スピードと費用対効果に優れる「ツール自動診断」、高度なビジネスロジックや仕様上の不備まで検出できる「手動診断」、双方の長所を兼ね備えた「ハイブリッド診断」の3つに集約されます。
担当者のセキュリティスキル、利用可能な予算、システムの更新頻度やリスク許容量に合わせ、最適な診断手法を合理的に選択・活用していくことが、事業成長と安全性の両立を図る鍵となります。
ツールによる自動診断タイプ(向いている企業)
クラウド型・SaaS型のツールが対象システムを自動で巡回・スキャンし、脆弱性を検出するタイプです。短時間・低コストで繰り返し実施でき、開発や設定変更のたびに診断を回せるのが強みです。料金は月額制やスポットで数万円台から始められるサービスが多く、専門人材が社内にいなくても運用しやすい傾向があります。
一方で、ツールが検査できる範囲には限界があり、複雑な業務ロジックの欠陥や認証をまたぐ攻撃などは検出しにくい場合があります。開発サイクルが速く、リリースのたびに継続的に診断を回したいWebサービス事業者・スタートアップに向いています。

ツール自動診断の限界(複雑な認証や業務ロジックの判定不能)を補うには、事業の進展に伴う技術的精査が不可欠です。
予算が限られる場合、日常的な開発や軽微な更新はツール診断で迅速に既知の脆弱性を潰しつつ、大規模改修や重要機能の追加時には、開発エンジニアがセキュリティ知識を深めてセキュアな設計・コードレビュー(手動検証)を自社で徹底することで、コストを抑えつつ網羅的な安全性を担保できます。
専門家による手動診断タイプ(向いている企業)
セキュリティエンジニアが攻撃者の視点で、ツールでは見つけにくい脆弱性まで手作業で深く探索するタイプです。業務ロジックの欠陥や複数の脆弱性を組み合わせた攻撃シナリオも検証でき、網羅性・精度が高いのが特徴です。その分、料金は1サイトあたり数十万円から、規模によっては数百万円に達します。
診断期間も数週間単位で必要になりますが、報告書の質や改修アドバイスの具体性で勝ります。金融・決済など重要情報を扱う基幹システムや、高い網羅性・精度が求められる企業に適しています。

金融や決済など重要情報を扱うシステムは絶好の標的であり、一度インシデントが起きれば損害賠償や信頼失墜による損失は計り知れません。
過去には電子決済サービス「7pay」が認証ロジックの甘さ等の脆弱性を突かれ、サービス開始直後に大規模な不正利用被害に遭い、最終的にサービス廃止へ追い込まれました。
ツールで検知しにくい仕様上の欠陥や複雑な攻撃シナリオを排するには、相応の予算を投じてでも専門家による手動診断を実施することが不可欠です。未然に脆弱性を改善することは、事故時の天文学的な損失を防ぎ、企業の存続を守るための最も合理的な投資といえます。
手動+ツールのハイブリッドタイプ(向いている企業)
ツールによる自動診断で広く効率的に弱点を洗い出し、重要な箇所は専門家が手動で精査する組み合わせ型です。自動診断のスピード・コストと、手動診断の精度・網羅性のバランスを取れるのが利点で、多くの専門ベンダーがこの方式を標準としています。
料金・診断期間は対象範囲や手動の比重によって幅がありますが、標準的なWebアプリ・複数システムを一定の精度で定期診断したい中堅企業に適しています。「まず何を選べばよいか分からない」場合の有力な選択肢にもなります。
脆弱性診断サービスの費用相場(診断範囲・診断方法別)
脆弱性診断の費用は、診断範囲・診断方法・対象の規模によって数万円から数百万円まで大きく変動します。あくまで目安ですが、相場感をつかんでおくと予算の妥当性を判断しやすくなります。
Webアプリ診断・プラットフォーム診断の費用目安
専門家による手動のWebアプリケーション診断は、1サイト・1アプリあたりおおむね30万円台から始まり、画面数や機能が多い大規模システムでは100万〜200万円超になることもあります。プラットフォーム診断はIPアドレス(ホスト)単位で見積もられ、1IPあたり数万円〜20万円程度が目安です。
ツール型の自動診断は、月額数万円〜やスポットで比較的安価に実施できる一方、ペネトレーションテストは高い専門性を要するため数百万円規模になるケースもあります。次の比較表で、各サービスの料金感と診断範囲をあわせて確認できます。
| 診断方法 | ツールによる自動診断 | 専門家による手動診断 | 手動+ツールのハイブリッド |
|---|---|---|---|
| 費用相場の目安 | 月額・スポットで数万円台〜 | Webアプリ1サイト30万円〜(規模により100〜200万円超)/プラットフォーム1IPあたり数万〜20万円程度 | Webアプリ中心は30万円前後〜、対象を広げると100万円超(個別見積もりが中心) |
| 料金体系 | 月額・年額の継続型が中心 | スポット型(個別見積もり)が中心 | スポット・継続の両方あり |
| 向いている企業 | 開発サイクルが速く継続的に診断を回したいWeb事業者・スタートアップ | 重要システムを精緻に検証したい中堅〜大企業 | 精度とコストのバランスを取りたい中堅企業 |
無料の脆弱性診断ツール・成果報酬型(バグバウンティ)の位置づけ
コストをかけずに試したい場合は、OWASP ZAP・OpenVAS・Vulsといった無料・オープンソースの診断ツールもあります。ただし、検出結果の解釈や誤検知の切り分けに専門知識が必要で、対応範囲や報告書の整備も自社で担う必要があります。まず自社で当たりを付ける用途には有効ですが、取引先提出用の正式な報告書が求められる場面では有償サービスが現実的です。
また、発見された脆弱性に応じて報酬を支払う成果報酬型(バグバウンティ)の選択肢もあります。多様な攻撃者視点を取り入れられる一方、購入・運用のモデルが通常の診断サービスとは異なるため、本記事の比較対象とは別枠で検討するとよいでしょう。

無料ツールはコスト面に優れますが、検出結果の解釈には高度な専門知識を要します。
将来的な内製化を見据える場合、当初はVuls等の無料ツールを用いて診断を行う専門会社へ委託し、プロの評価基準やノウハウを自社に蓄積していく方法が効果的です。運用体制を段階的に整備できれば、将来的な診断コストの抑制と社内のセキュリティレベル向上を計画的に両立できます。
脆弱性診断サービスの選び方(6つの比較ポイント)
診断方法のタイプを押さえたら、次の6つのポイントで具体的に比較すると、自社に合うサービスを絞り込めます。
①診断範囲(Webアプリ・プラットフォーム・API・モバイル)で選ぶ
まず、自社が診断したい対象にサービスが対応しているかを確認します。Webアプリのみで十分なのか、サーバー・ネットワークまで含めるのか、スマホアプリやクラウド設定(CSPM)まで必要なのかで、選ぶべきサービスが変わります。複数範囲をまとめて依頼できると、見積もりや窓口を一本化しやすくなります。

最適な診断範囲を選ぶには、まず自社システムの「構成図」と「データフロー」を可視化することが不可欠です。
外部に公開されているドメインやIPアドレス、利用中のクラウド(AWSやAzure等)、連携するAPI、モバイルアプリの有無を漏れなく洗い出します。
自社管理が難しい場合は、クラウドの設計書や構成管理ツール(CSPM等)を活用するほか、開発を外部委託している場合はベンダーから最新の構成情報を入手します。このように全体のアーキテクチャと情報の流れを把握することで、抜け漏れのない診断範囲を設定できます。
②診断精度(自動ツールの見逃し・誤検知と手動の網羅性)で選ぶ
診断精度は診断方法と密接に関わります。自動ツールは網羅的かつ高速ですが、業務ロジックの欠陥を見逃したり、誤検知(実害のない指摘)が混ざったりすることがあります。手動診断は精度が高い反面、コストと期間がかかります。自社のシステムの重要度に応じて、どこまでの精度を求めるかを決めましょう。

自動ツールは「パターンの決まった既知の脆弱性」を機械的に探すため、誤検知や「他人のデータが閲覧できる」といった文脈に応じた業務ロジックの不備を見落とします。
一方、手動診断は専門家が「人間の思考」で攻撃者の行動を再現します。画面の裏側にあるパラメータを書き換えたり、複数の機能を組み合わせた攻撃シナリオを検証したりできるため、ツールでは検知不能な深い欠陥まで確実に洗い出せます。
この「仕様や文脈を理解して動的に攻撃を試せるか」という差が、手動診断の圧倒的な精度の高さにつながっています。
③診断後のサポート(再診断・改修支援・レポートの実用性)で選ぶ
診断は「実施して終わり」ではありません。検出された脆弱性を改修したあとに無償で再診断してくれるか、改修方法の相談に乗ってくれるか、報告書が開発者にとって実用的か(再現手順や対策が具体的か)は、実務での使い勝手を大きく左右します。診断後のフォロー体制は、見落とされがちですが重要な比較軸です。

選定前の問い合わせ時に、以下の3点を具体的に確認・依頼します。
・レポートのサンプル確認(開発者が再現・修正しやすい記載か)
・再診断の条件確認(無償対応の範囲や期間の指定はあるか)
・改修相談の範囲確認(修正コード等の具体策まで提示されるか)
契約前にこれらを提示してもらい、自社の担当者が迷わず改修を進められる体制かどうかを判断することが重要です。
④導入実績・対応業種で選ぶ
診断実績の件数や、自社と同規模・同業界での実績は、診断品質を見極める手がかりになります。特に、カード情報を取り扱うネットショップや個人情報を多く保有するサービスなど、業界特有の要件がある場合は、その分野に強いベンダーを選ぶと要件を満たしやすくなります。
PCI DSSでは、Web/プラットフォーム診断とは別に、外部公開資産に対する認定ASV業者のスキャン(ASVスキャン)が要件11で四半期ごとに義務付けられています。要件の詳細やASV業者の選び方は以下の記事で解説しています。
- 出典:PCI DSSとは(概要)|日本カード情報セキュリティ協議会(JCDSC) https://www.jcdsc.org/pci_dss.php
ASVスキャンとは?PCI DSS要件11で四半期ごとに義務、認定ASV業者の選び方まで解説
取引先やカード会社、決済代行会社から届いた要件のなかに「ASVスキャン」という言葉があり、これが何を指すのか、自社は何をすればよいのかがつかめずに調べている方も多いのではないでしょうか。カード情報を扱う事業では、PCI DSS(クレジットカ…

他の診断品質を見極める手がかりとして、以下の点も確認すると効果的です。
企業の認証・登録状況(組織としての信頼性)
・経済産業省「情報セキュリティサービス審査登録制度」へのサービス登録有無
・ISMS(ISO/IEC 27001)やプライバシーマークなど、顧客データを安全に扱う組織体制の認証取得状況
所属エンジニアの国家資格・公的資格保有状況(現場の技術力)
・情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)など、国内の国家資格を持つエンジニアの在籍数
・CISSPやCEH(認定ホワイトハッカー)といった国際的な高度セキュリティ資格を持つエンジニアの在籍数
⑤費用・料金体系(スポット・継続、診断方法による差)で選ぶ
料金体系は、1回ごとのスポット型か、月額・年額の継続型かで分かれます。年に一度まとめて診断するならスポット型、開発のたびに繰り返すなら継続型のツールが向きます。手動診断は要問い合わせ(個別見積もり)が多いため、診断範囲を明確にして複数社から見積もりを取り、比較するのが確実です。
⑥診断方法(手動・ツール自動・ハイブリッド)が自社に合うかで選ぶ
最後に、ここまでの観点を踏まえて診断方法が自社に合うかを判断します。継続的に低コストで回したいならツール型、重要システムを深く検証したいなら手動型、バランスを取りたいならハイブリッド型が基本です。判断に迷う場合は、次の比較表と診断ツールで候補を絞り込んでみてください。
【比較表】脆弱性診断サービスおすすめ18選を比較
主要な脆弱性診断サービス18本を、診断方法タイプ別(ツールによる自動診断5・専門家による手動診断4・ハイブリッド9)に分類し、診断方法・診断範囲・費用感・診断後のサポートの観点で比較します。気になるサービスは、表の下のタイプ別紹介で詳細を確認できます。
手動・ハイブリッド系の多くは、対象の画面数やIP数など診断範囲に応じた個別見積もりが基本のため、料金を「要問い合わせ」としています。診断範囲を伝えれば、中小・中堅企業でも相談・見積もりは可能です。
サイバー保険の付帯は複数のサービスにありますが、補償額や付帯の条件は各社で異なります。付帯を重視する場合は、比較表の「診断後のサポート」列で各社の条件を見比べられます。
| サービス名 | Aikido Security | Securify | AeyeScan | VAddy | SCT SECURE クラウドスキャン | NRIセキュア | セキュリティ診断(ラック) | 脆弱性診断サービス(MBSD) | セキュリティ診断(エヌ・ティ・ティ・セキュリティ・ジャパン) | セキュア・レントゲン | KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ | vex | GMOサイバーセキュリティ byイエラエ | SQAT | Cloudbric脆弱性診断 | サイバー保険付き脆弱性診断サービス | Webアプリケーション診断サービス(Sky) | レイ・イージス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 診断方法 | ツール自動診断 | ツール自動診断 | ツール自動診断 | ツール自動診断 | ツール自動診断 | 専門家による手動診断 | 専門家による手動診断 | 専門家による手動診断 | 専門家による手動診断 | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド | 手動+ツールのハイブリッド |
| 主な診断対象 | Webアプリ・ソースコード・クラウド・コンテナ・IaC(SAST/DAST/SCA/CSPM等11種スキャナ) | Webアプリ・API・WordPress・SaaS設定・クラウド設定(ASM/CSPM/SBOM) | Webアプリ・SPA・API(APIはオプション) | Webアプリケーション(SQLi・XSS等。プラン別5/11/18項目) | Webサイト・ネットワーク機器(ルーター/FW/DNS等)等の外部公開資産 | Web/プラットフォーム/スマホアプリ/API/クラウド/ソースコード/ペネトレ/AI/IoT・OT | Web/プラットフォーム/クラウド/スマホアプリ/IoT/ペネトレーション/TLPT | Webアプリ・ネットワーク・スマホアプリ・ペネトレーション・IoT/OT・AD・AI 等 | Webアプリ/プラットフォーム/IoT・OT。RedTeam/TLPT対応 | IT/OT両環境のネットワークトラフィック(フルパケットキャプチャ) | ネットワーク内部からの脆弱性診断(VDP)。月次(年12回) | Webアプリ・API・SPA/Ajax(プラットフォーム/モバイルは要確認) | Web/スマホアプリ/クラウド/IoT/ネットワーク/NFT・ブロックチェーン/AI | Web・API・ネットワーク・スマホアプリ・IoT・クラウド・ソースコード・ペネトレ等 | Webサイト/Webアプリ/API/プラットフォーム/スマホアプリ/ペネトレーション | ネットワーク/サーバ構成/Webアプリ/スマホアプリ/ペネトレーション | Webアプリケーション(SQLi・XSS等を162項目ベースで横断診断、ペネトレはオプション) | Webアプリ・プラットフォーム・モバイルアプリ・API・ペネトレーション |
| 料金体系・費用感 | 月額5万円台〜(AndGo経由)/Freeプランあり・初期費用は要問い合わせ | 月額5万円〜(Webアプリ診断STARTER・1 IP/FQDN)/基本機能の無料利用・無料トライアルあり | 要問い合わせ(One Shot/Business/カスタムのプラン制、初期費用も要問い合わせ)/無料トライアルあり | 初期費用0円/月額19,800円〜(Professional)・〜99,800円(Advanced)。1週間の無料トライアルあり | 年額383,000円〜(初年度・3 IP/FQDNまで、税別)/次年度353,000円〜。無料トライアルあり | 要問い合わせ(個別見積り)。ペネトレーションテストは800万円〜(税別) | 個別見積り。Web診断30万円〜/ペネトレーションテスト700万円〜/TLPT 1,000万円程度〜 | 要問い合わせ(診断範囲に応じた個別見積) | 要問い合わせ(公式非公開。比較記事では高価格帯に分類されることが多い) | 要問い合わせ(スポット診断型・分析手法/トラフィック量/設置台数により変動)。最短1カ月 | 1台1,250円/月〜(初期費用は要問い合わせ) | 要問い合わせ(年間ライセンス・プラン制)/無料トライアルあり | 手動診断は個別見積/ネットde診断ASMは月額40,000円〜(プランにより異なる・要確認) | 要問い合わせ(個別見積り) | 要問い合わせ(公式・比較メディアとも具体額の公開なし) | 要問い合わせ(個別見積り)。Webアプリ診断は低価格・短納期の「ライト版」あり | 要問い合わせ(スポット型診断) | 要問い合わせ(FQDN単位の定額制。画面数・フォーム数が多くても一律料金) |
| 診断後のサポート | AndGoによる日本語の導入・運用支援。AutoFixで修正PRを自動生成 | メール対応(営業日10〜18時)。診断結果と改善方法を提示 | ガイドライン準拠の診断レポートを出力。販売代理店経由の導入支援あり | 公式問い合わせ窓口経由(手段・時間は要問い合わせ)。手動診断は40万円のスポットオプション | ダッシュボード・リスク管理。診断実施マークをサイトに掲示可能 | 報告書で対策をアドバイス。Web診断は実施1ヶ月以内に対策状況を確認 | 報告書提出・報告会、再診断、診断内製化支援。JSOC監視・緊急対応と連携可 | 報告書で対処方法をアドバイス。MBSD-SIRT・MSS/SOCと連携 | 問い合わせフォーム経由(手段・時間は要問い合わせ) | 現状分析・検出脅威・対策提案レポート(5構成)。緊急度の高いリスクは速報 | A〜Eの5段階評価と改善策レポート。サイバー保険を自動付帯(賠償1億円・費用3,000万円、D判定以上が条件) | 電話・メール対応の専任サポート部隊。OWASP TOP10/PCI DSS/ASVS準拠のレポートを自動生成 | 脆弱性の詳細解説・対策方法を記載したレポート。報告会はオプション。ASMはコンサル支援あり | 診断終了後3か月までの再診断・相談に対応。全脆弱性診断にサイバー保険を付帯 | 多段階の品質管理(事前確認〜品質保証〜納品)と検出後の改善支援 | サイバー保険を無償自動付帯(税抜80万円以上の契約で補償限度額1,000万円・1年間) | 5段階のリスクレベルで報告。高レベル脆弱性はメールで速報。最短5〜6営業日で報告 | ホワイトハッカーが作成する報告書で対策・改善方法を提示 |
| 提供形態・特徴 | オールインワン脆弱性診断SaaS。自動トリアージで誤検知を抑制 | 国産のクラウド型DAST。スケジュール実行による継続診断・ASMを併設 | クラウド型。AI+RPAの自動クローリングで内製化を訴求。有償契約300社以上・ISO 27001/27017取得 | クラウド型。CI/CD連携の継続診断に強い開発者向け設計。1ヶ月単位のサブスク・ISMS/Pマーク取得 | クラウド型で毎日・契約中は何度でも自動診断。PCI DSS ASV資格を持つ診断サービス | NRIグループの専業会社。SANS修了・CISSP/OSCP等の国際資格保有者による手動主体(一部ツール併用) | 手動主体(ツール型廉価メニューも併設)。官公庁・金融の実績が長く、JSOC中核の総合体制 | 三井物産100%出資。手動診断主体(独自補助ツール併用)。CVE/JVNへ0day累計200件超を報告 | NTTグループのセキュリティ専業会社。手動主体のハイブリッド診断・セルフ診断を選択可。大企業中心 | NDR(Network Blackbox)活用のネットワークリスク診断。ミラーリング方式で業務影響を抑制 | 予防(診断)・復旧(バックアップ)・補償(サイバー保険)の統合パッケージ | DAST自動診断にシナリオ診断(手動)を併用するツール。SaaS中心・オンプレも対応。NRIセキュア傘下 | ホワイトハッカー多数の手動診断と、ツール型ASMの継続診断を併せ持つ | 手動診断+独自自動診断のハイブリッド(GlassBoxは内外視点を併用)。BBSecはPCI DSSに強み | 専門家の手動診断+ツール(OWASP ZAP)。情報セキュリティサービス基準適合リスト登録(021-0017-20) | NTTドコモソリューションズ(旧NTTコムウェア)提供。ツール+手動の併用。有資格者による診断体制 | セキュリティエンジニアの手動診断+162項目の体系診断。SKYSEA Client View等を擁する国内大手SI | アリスと台湾RayAegisの合弁。独自AIエンジンの探査ツール+ホワイトハッカーの手動精査で誤検知を抑制 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細 | サービス詳細 | サービス詳細 | サービス詳細 | 公式サイト | サービス詳細 | サービス詳細 | 公式サイト | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細 | サービス詳細 | サービス詳細 | サービス詳細 | サービス詳細 | 公式サイト | 公式サイト |
表だけでは絞り込みにくい場合は、次の診断ツールが便利です。いくつかの質問に答えるだけで、自社の課題に合うサービスの候補を提示します。
脆弱性診断サービスの個別紹介(診断方法タイプ別)
ここからは、診断方法のタイプ別に各サービスの特徴を紹介します。自社が当てはまるタイプから読み進めると、候補を効率よく検討できます。
ツールによる自動診断タイプ
短時間・低コストで繰り返し診断でき、開発サイクルに組み込みやすいタイプです。継続的にWebアプリの安全性を確認したい企業に向いています。
1. Aikido Security(株式会社AndGo)

SAST・DAST・SCA・CSPM・コンテナスキャンなど11種類のスキャナを1つのプラットフォームに統合した、オールインワン型の脆弱性診断SaaSです。ソースコードからクラウド・実行環境までを横断的にスキャンし、検出結果を単一のダッシュボードに集約します。
アラートを自動でトリアージして優先度の低い指摘を抑える設計で、IDE連携や修正プルリクエストの自動生成など開発工程に組み込みやすい機能を備えます。開発元はベルギーのAikido Security BVで、日本市場では株式会社AndGoが正規代理店として、月額5万円台からの提供と日本語での導入・運用サポート、請求書払いに対応しています。
開発の早い段階からセキュリティを継続的に組み込みたいWebサービス事業者や、複数のセキュリティツールを集約したい開発チームに向いた選択肢です。
2. Securify(株式会社スリーシェイク)

株式会社スリーシェイクが提供する、クラウド型の自動脆弱性診断・ASMプラットフォームです。対象のWebアプリを登録すると自動巡回スキャン(DAST)で診断を実行し、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの脆弱性と改善方法を提示します。
日次・週次・月次といった任意の頻度でスケジュール実行できるため、継続的な定期診断に向きます。Webアプリケーション診断・WordPress診断・SaaS診断の基本機能は無料で利用でき、有料のWebアプリ診断は月額5万円から(1 IP/FQDN・診断回数無制限)と、スモールスタートしやすい料金体系です。攻撃対象領域を把握するASMも同一プラットフォームで提供します。
3. AeyeScan(株式会社エーアイセキュリティラボ)

AIとRPAを活用した自動クローリング技術が特徴の、クラウド型Webアプリケーション脆弱性診断ツールです。RPAが実ブラウザ操作で画面遷移を行い、AIが入力フォームに推定値を自動入力してクロールし、診断シナリオを自動生成します。SPA(シングルページアプリケーション)の画面遷移にも対応します。
セキュリティや開発の専門知識がなくても、ブラウザのログイン情報だけで診断を内製化できる点を中核に訴求しており、有償契約300社以上の導入実績があります。料金プランはスポット向けの「One Shot」と1年契約の「Business」、カスタムの3種で、診断レポートはOWASP TOP10・IPA・ASVS 5.0に対応します。
4. VAddy(株式会社ビットフォレスト)

開発者がCI/CDパイプラインに組み込んで継続的にスキャンを回せる、自動ツール型のWebアプリケーション脆弱性診断SaaSです。事前研修や複雑な設定なしに、ブラウザ操作で診断を開始できる開発者向けの設計を訴求しています。
料金が公開されているのも特徴で、初期費用0円・月額19,800円から利用でき、1週間の無料トライアルに対応します。プランは診断項目数で分かれ(5〜18項目)、上位プランはIPA「安全なウェブサイトの作り方」チェックリストに標準対応します。手動診断もスポットの有償オプションで併設します。
5. SCT SECURE クラウドスキャン(三和コムテック株式会社)

三和コムテックが提供する、クラウド型の自動脆弱性診断(スキャン)サービスです。Webサイトに加え、ルーター・ファイアウォール・DNSなどのネットワーク機器を、インターネット経由で外部から毎日自動診断します。アプリのインストールやハードウェアの設置は不要です。
契約期間中は何度でも診断でき、外部公開資産を継続的に監視する用途に向きます。料金は年額制で、初年度383,000円(3 IP/FQDNまで、税別)から。診断実施を示すマークをサイトに掲示できるほか、カード業界基準のPCI DSS ASVスキャン要件に対応する商品ライン(ASVスキャン)も用意されています。2004年からの長期の提供実績があります。
専門家による手動診断タイプ
セキュリティエンジニアが攻撃者視点で深く探索し、高い網羅性・精度を実現するタイプです。重要システムを精緻に検証したい企業に向いています。
6. NRIセキュア(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

野村総合研究所グループのセキュリティ専業会社が提供する、専門家の手動診断を主体とした脆弱性診断・ペネトレーションテストです。SANS Instituteの専門トレーニング修了者やCISSP・OSCP・GIACなどの国際資格保有者が診断を担う点を訴求しています。
Webアプリケーションからプラットフォーム、スマホアプリ、API、クラウド設定、ソースコードまで幅広い対象をカバーし、攻撃者視点で侵入を試みるペネトレーションテストやレッドチームオペレーションまで一貫して提供します。Webアプリケーション診断は手動のみのプロフェッショナル方式と、手動にツールを併用するハイブリッド方式から選べます。
多くのメニューは診断範囲に応じた個別見積りですが、ペネトレーションテストは800万円〜(税別)を公式に明示しており、手動主体の高価格帯に位置づけられます。重要システムを専門家の手で精緻に検証したい企業に向く選択肢です。
7. セキュリティ診断(株式会社ラック)

1995年から診断サービスを提供する株式会社ラックの脆弱性診断・セキュリティ診断です。攻撃者視点での疑似攻撃を通じて、ツールでは検出しにくい脆弱性まで人手で検証する、手動診断を主体としたタイプです(必要に応じてツールも補助的に併用します)。
Webアプリケーション、サーバ・ネットワーク機器、クラウド設定、スマホアプリ、IoTデバイスなど幅広い対象に対応します。Web診断はツール型・手動併用型・高精度版の段階的なメニューを用意し、情報システムペネトレーションテストやTLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト)まで提供します。
セキュリティ監視センターJSOCを中核に、診断・監視・緊急対応・コンサルティングを統合提供できる点が、診断専業ベンダーとの違いです。診断結果を運用やインシデント対応につなげたい企業、官公庁・金融分野での実績を重視する企業に向いています。
8. 脆弱性診断サービス(三井物産セキュアディレクション株式会社)

三井物産が100%出資するサイバーセキュリティ専門企業で、MBSDの略称で知られます。Webアプリケーション診断・ネットワーク診断は2001年に開始した業界先駆けで、セキュリティエンジニアが攻撃者の視点で対象システムの脆弱性を診断・評価する手動診断を主体とし、網羅性の担保に独自の補助ツールを組み合わせます。
診断メニューはWeb・ネットワーク・スマホアプリ・ペネトレーションテスト・TLPTに加え、IoT・OT(自動車・ビル・工場等)・Active Directory・AIシステム向け診断まで多岐にわたります。CVE・JVNへ累計200件以上の新規脆弱性(0day)を発見・報告しており、専門研究チームによる脆弱性研究の蓄積が特徴です。
料金は診断範囲に応じた個別見積りで、ISO/IEC 27001(登録番号 IS 568941)とISO 9001(同 FS 590113)を取得しています。手動診断の蓄積と特殊領域までの診断対象の広さを求める企業に向きます。
9. セキュリティ診断(エヌ・ティ・ティ・セキュリティ・ジャパン株式会社)

NTTセキュリティホールディングスの100%子会社が「セキュリティ診断・評価・調査」として提供する脆弱性診断群です。経験豊富なセキュリティエンジニアが診断を担い、サーバー・ネットワーク機器などのプラットフォームと自社開発のWebアプリケーションの双方に対応します。
診断方式は、複数のツールと専門家の知見を組み合わせたハイブリッド診断と、ツール・環境を提供して顧客自身が継続的に実施するセルフ診断から選べます。攻撃者視点で侵入を試み、人・プロセス・テクノロジーの観点から攻撃耐性を評価するRedTeam/TLPTや、IoT・組込み・工場向け制御システムの専門診断も同カテゴリ内で提供します。
料金は全メニューが要お問い合わせで、診断対象範囲・規模に応じた個別見積りです。NTTグループのセキュリティ専業会社による体制を重視する大企業・エンタープライズに向いた選択肢といえます。
手動+ツールのハイブリッドタイプ
自動診断の効率と手動診断の精度を組み合わせ、コストと品質のバランスを取れるタイプです。手動とツールの比重は各社で異なり、手動を主体にツールを補助として使う会社もあります。幅広い企業の標準的な選択肢になります。
10. セキュア・レントゲン(株式会社クワッドマイナージャパン)

セキュア・レントゲンは、NDR製品「Network Blackbox」のフルパケットキャプチャ技術を活用したネットワークリスク診断サービスです。Webアプリのスキャンとは異なり、実際にネットワーク上を流れる通信を全数検査し、外部脅威に加え内部に潜伏した脅威まで洗い出します。
OTプロトコルに対応し、IT環境と工場ネットワークなどのOT環境を横断して診断できる点が特徴で、公式は「製造業に特化した業界初のセキュリティリスク診断」と位置づけています。スイッチのミラーポートにミラーリング方式で接続するため、業務ネットワークへの影響を抑えられます。
最短1カ月で現状分析と対策案をまとめたレポート(総合サマリ・システム環境分析・検出脅威一覧・検出脅威詳細・シナリオベースリスク分析の5構成)を提示します。料金は分析手法・トラフィック量・設置台数により変動するため、具体額は要問い合わせです。
11. KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ(株式会社SYNCHRO)

KATABAMI は、脆弱性診断を単体で提供するのではなく、予防・復旧・補償を一体化したパッケージ型のサイバーセキュリティ対策です。脆弱性診断にあたるのが「KATABAMI VDP」で、ネットワーク内部から年12回(毎月)診断し、A〜Eの5段階評価と改善策レポートを提示します。
外部スキャン型と異なり内部から検査するため、メールやUSB経由のマルウェアなど内部起点の脅威も検出対象になります。復旧面では隔離経路でセンター内NASに自動バックアップし、24時間前までの状態から復旧できます。
補償面では、あいおいニッセイ同和損保のサイバー保険(賠償損害1億円・費用損害3,000万円、免責なし)を自動付帯し、VDPの評価でD判定以上まで改善した事業者を対象とします。料金は1台あたり月額1,250円から(初期費用は要問い合わせ)です。
12. vex(株式会社ユービーセキュア)

2007年から開発が続くWebアプリケーション向けの脆弱性検査ツールです。診断方式はDAST(動的アプリケーションセキュリティテスト)で、対象URLへ疑似攻撃リクエストを送り、レスポンスを解析して脆弱性を確認します。提供元は診断代行サービスも手がけており、診断現場の知見を検査エンジンに反映している点を訴求しています。
自動クローリングに加え、ログイン後ページや複数ステップの遷移を記録・再現するシナリオ診断、OpenAPI定義を読み込むAPI診断に対応し、自動スキャンと手動操作を併用できます。レポートはOWASP TOP10・PCI DSS・ASVSなどの基準に沿って自動生成され、日英に対応します。
2026年4月に従来の2ブランドを「Vex」へ統合し、Vex Team・Vex Enterprise・Vex Auditor の3プラン構成へ刷新しました。料金は年間ライセンスのプラン制で要問い合わせですが、無料トライアルが用意されています。
13. GMOサイバーセキュリティ byイエラエ(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)

国内のホワイトハッカーを多数擁するサイバーセキュリティ専門企業で、専門家による手動主体の脆弱性診断・ペネトレーションテストを中核に据えています。Webペネトレーションテストでは、シナリオ型と調査型の2方式を用意し、静的解析ツールでは発見しにくい脅威の検出を訴求しています。
診断対象はWeb・スマホアプリ・クラウド・ネットワークに加え、NFT・ブロックチェーン、LLM/AIエージェント、IoT、物理ペネトレーションまで広く対応します。手動診断は画面数やAPI数、攻撃シナリオに応じた個別見積もりです。
手動診断とは別に、ツール型の継続診断「GMOサイバー攻撃ネットde診断 ASM」(月額課金のSaaS)も提供し、外部公開資産の棚卸から自動定期診断、優先度付与まで継続的に運用できます。スポット診断と継続的な攻撃面管理を一社でカバーできる点が特徴です。
14. SQAT(株式会社ブロードバンドセキュリティ)

SQAT(エスキュート)は、2000年創業のセキュリティ専業企業ブロードバンドセキュリティが提供する脆弱性診断サービスの総称です。精度の高い手動診断と独自開発の自動診断を組み合わせたハイブリッド方式で、攻撃を受ける前にリスクを特定します。
専用メニュー「SQAT GlassBox」では、外部からの挙動を検証するブラックボックステストと、ソースコードを内部から検証するホワイトボックステストを組み合わせ、短期間で精度を確保します。診断対象はWeb・API・ネットワーク・スマホアプリ・IoT・クラウド・ソースコード・ペネトレーションテストまで多彩です。
PCI DSSの認証監査機関(QSAC)認定を取得しており、クレジットカード関連の要件に強みがあります。すべての脆弱性診断にサイバー保険を付帯し、診断終了後3か月までは再診断にも対応します。料金は個別見積もりで要問い合わせです。
15. Cloudbric脆弱性診断(ペンタセキュリティ株式会社)

WAF製品などで実績のあるペンタセキュリティが運営するセキュリティ診断サービスです。セキュリティのエキスパートによる手動診断と自動診断ツール(OWASP ZAP)を組み合わせたハイブリッド方式で、Webアプリケーション・ミドルウェア・OSなどの既知・未知の脆弱性を検出します。
診断メニューはWebサイト・Webアプリケーション・API・プラットフォーム・スマートフォンアプリ・ペネトレーションテストの6種類です。同社が世界各国から独自に収集した脅威インテリジェンスの分析に基づく診断項目を用いる点を訴求しています。
事前確認から診断実行・最終レビュー・品質保証・納品までの多段階の品質管理プロセスを採り、検出後の改善支援も行います。経済産業省・IPAの情報セキュリティサービス基準適合サービスリストに登録(登録番号021-0017-20)されています。料金は要問い合わせです。
- 出典:情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト|独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター https://www.ipa.go.jp/security/service_list.html
16. サイバー保険付き脆弱性診断サービス(NTTドコモソリューションズ株式会社)

NTTドコモソリューションズ(旧NTTコムウェア)がDSCBブランドで提供する脆弱性診断サービスです。ツールと専門家による手動検査を併用するハイブリッド方式で、ネットワーク診断・サーバ構成診断・Webアプリ診断・スマホアプリ診断・ペネトレーションテストのメニューを揃えています。
最大の特徴は、契約金額の総額が税抜80万円以上の場合にサイバー保険が無償で自動付帯(補償限度額1,000万円・1年間)される点です。診断後のインシデント時に弁護士相談や復旧費用などを補償し、診断と保険を組み合わせて備えられます。
情報処理安全確保支援士・CISSP・CISA・CEHなどの有資格者が診断を担当します。2025年度はネットワーク診断約670システム、Webアプリケーション診断約550サイトの診断実績があり、Webアプリ診断には低価格・短納期のライト版も用意されています。料金は個別見積もりで要問い合わせです。
17. Webアプリケーション診断サービス(Sky株式会社)

SKYSEA Client View で知られるSky株式会社が、2022年1月から提供するセキュリティ診断ソリューションのうち、Webアプリケーションを対象とした脆弱性診断サービスです。セキュリティエンジニアがリモートで診断し、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどの脆弱性を検出します。
診断項目162項目をベースに、外部から診断可能な項目を算出して実施し、検出した脆弱性を5段階のリスクレベルに分類して報告します。危険性の高い脆弱性を検出した際はメールで速報し、開発者にもわかりやすい再現手法を含むレポートを作成します。
専門スタッフによる手動診断を中核としつつ、重要箇所にはペネトレーションテストをオプションで併設できるハイブリッド方式です。最短5〜6営業日程度での報告に対応し、料金は要問い合わせです。
18. レイ・イージス(株式会社レイ・イージス・ジャパン)

株式会社アリスと台湾のRayAegis Information Securityが設立した合弁会社が提供する、脆弱性診断・ペネトレーションテストサービスです。独自開発したAIエンジン搭載の探査ツールで広く効率的に脆弱性を洗い出し、ホワイトハッカーが手動で精査する、手動主体のハイブリッド方式を採ります。
診断対象はWebアプリケーション・プラットフォーム・モバイルアプリ・APIまで幅広く、攻撃者視点の侵入テストや簡易版のファストペネトレーションテストも用意します。ホワイトハッカーが手動で精査することで、誤検知を排した報告書を提供する点を訴求しています。
料金はFQDN単位の定額制で、画面数・フォーム数が多くても一律料金となるため、大規模・多ページのシステムほど相対的に割安になります。料金は個別見積もりが中心で要問い合わせです。CISSP・CEH・情報処理安全確保支援士などの資格を持つ人材が診断を担う体制で、高い精度を求める企業に向いた選択肢です。
脆弱性診断の導入・運用で押さえる注意点
脆弱性診断の効果を引き出すには、診断そのものだけでなく、診断後の運用まで見据えて設計することが欠かせません。導入前に押さえておきたい注意点を2つ挙げます。

指摘を改修し再診断まで回す(放置リスクの回避)
診断で脆弱性が見つかっても、改修しなければリスクは残ったままです。よくある失敗は、報告書を受け取ったものの改修の優先順位が付けられず、指摘が放置されてしまうことです。検出された脆弱性は深刻度に応じて改修計画を立て、対応後に再診断で修正を確認するところまでを一つの流れとして設計しましょう。
そのため、サービス選定の段階で改修後の再診断が料金に含まれるか、改修方法の相談に乗ってもらえるかを確認しておくと、診断を「実施して終わり」にせず、実際の安全性向上につなげられます。
顧客・取引先からの要請や、ISMS・プライバシーマークでの対応
顧客・取引先・委託元からの要請や、ISMS・プライバシーマークのリスクアセスメントで脆弱性診断が必要となった場合は、求められている診断レベルや報告書の仕様を事前に確認しましょう。求められる水準に対して過剰または不十分なサービスを選ぶと、やり直しや追加費用が発生します。要件が明確なら、それを満たす最小限の範囲から始めるのが効率的です。
社内で承認を得る際は、診断の必要性(取引要件・法令準拠・リスクアセスメント結果・過去のインシデント)に加え、実施しなかった場合のリスク(情報漏えい等インシデント発生時の損害賠償や取引停止)を併記すると、決裁を得やすくなります。また、第三者による診断報告書は、対外的な説明責任を果たす資料としても活用できます。

サイバー攻撃は目に見えないため被害のイメージが湧きにくく、後手に回りやすいのが難点です。しかし、一度情報漏えいが発生すると、システム復旧費・損害賠償・取引停止による売上喪失など、企業の存続を揺るがす甚大な金銭的損失が発生します。だからこそ、詳細な診断で自社の「潜んだリスク」を可視化し、放置した場合の現実的な損失額を正しく評価することが極めて重要です。「予防コスト」と「被害発生時の損失」を比較することで、診断の真の必要性と投資対効果が明確になり、社内の予算獲得や説得力のあるセキュリティ対策へとつながります。
まとめ
脆弱性診断サービスは、診断方法(手動・ツール自動・ハイブリッド)・診断範囲・費用相場・診断後のサポートという観点で比較すると、自社に合うものを選びやすくなります。継続的に低コストで回したいならツール型、重要システムを深く検証したいなら手動型、バランスを取りたいならハイブリッド型が基本の指針です。
そのうえで、診断範囲が自社の守りたい資産をカバーしているか、改修後の再診断まで支援してもらえるかを確認すると、診断を実際の安全性向上につなげられます。まずは診断ツールと比較表で候補を絞り込み、気になるサービスの資料を取り寄せて、自社の規模・予算・求める精度に合うサービスを選んでください。
脆弱性診断サービスに関するよくある質問(FAQ)
Q. 脆弱性診断(セキュリティ診断)とは何ですか?
脆弱性診断とは、情報システムに潜むセキュリティ上の弱点を、専門ツールやエンジニアが検出・評価し、リスクの重大度と対策の優先順位とともに報告するサービスです。攻撃者に悪用される前に弱点を洗い出し、改修すべき箇所を把握することを目的とします。ファイアウォールやウイルス対策を導入していても、設定不備や既知の欠陥が放置されれば攻撃の入口になるため、その穴を見つける取り組みです。
Q. 脆弱性診断とペネトレーションテストの違いは何ですか?
脆弱性診断とペネトレーションテストは目的が異なり、脆弱性診断は「弱点を網羅的に洗い出す」こと、ペネトレーションテストは「攻撃者が実際に侵入できるかを検証する」ことが目的です。多くの企業はまず脆弱性診断で弱点を把握・改修し、侵入されないか確かめたい重要システムにペネトレを追加するのが一般的です。本記事は脆弱性診断が中心で、一部はペネトレにも対応します。
Q. 脆弱性診断の費用相場はどのくらいですか?
脆弱性診断の費用は診断範囲・診断方法・規模で幅があり、手動のWebアプリ診断は1サイト30万円台から(大規模では100〜200万円超)、プラットフォーム診断は1IPあたり数万〜20万円、ツール型の自動診断は月額数万円台からが目安です。ペネトレーションテストは数百万円規模になることもあります。診断範囲を明確にし複数社から見積もりを取って比較するのが確実です。
Q. ツールによる自動診断だけで、ISMS・プライバシーマークや取引先の要件に対応できますか?
対応できるかは、提出先が求める診断の範囲・深さによります。ツール型の自動診断でも正式な報告書を発行できるサービスは多く、取引先のセキュリティチェックや軽度の要件には十分対応できる場合があります。一方、重要システムや高い網羅性が求められる場合は、専門家による手動診断やハイブリッドが必要になることもあります。まず提出先に求められる水準を確認し、それに合う診断方法を選ぶのが確実です。
Q. 無料の脆弱性診断ツールだけで十分ですか?
無料の脆弱性診断ツールは、自社で当たりを付ける用途には有効ですが、取引先提出用の正式な報告書が必要な場面では有償サービスが現実的です。OWASP ZAP・OpenVAS・Vulsなどは、検出結果の解釈や誤検知の切り分けに専門知識が必要で、対応範囲や報告書の整備も自社で担います。社内でリスクを把握する第一歩には使えますが、監査や取引先提出が前提なら有償を検討しましょう。
Q. 脆弱性診断は実施したあと、改修や再診断までどう進めればよいですか?
脆弱性診断は「実施して終わり」ではなく、検出された脆弱性を深刻度に応じて改修し、再診断で修正を確認するところまでを一つの流れとして設計することが重要です。よくある失敗は、報告書を受け取っても優先順位が付けられず指摘が放置されることです。選定段階で、改修後の再診断が料金に含まれるか、改修方法の相談に乗ってもらえるかを確認しておきましょう。
Q. 顧客・取引先からの要請やISMS・プライバシーマークの対応で脆弱性診断が必要になった場合、どう進めればよいですか?
顧客・取引先・委託元からの要請や、ISMS・プライバシーマークのリスクアセスメントで診断が必要になった場合は、まず求められている診断レベルや報告書の仕様を確認し、その要件を満たす最小限の範囲から始めるのが効率的です。過剰または不十分なサービスはやり直しや追加費用を招きます。社内で承認を得る際は、診断の必要性と実施しなかった場合のリスク(情報漏えい等インシデント発生時の損害賠償や取引停止)を併記すると決裁を得やすくなります。
脆弱性診断サービスの料金・機能を一括チェック
気になるサービスが複数ある場合は、資料をまとめて取り寄せると、料金・診断範囲・診断後サポートを横並びで比較できます。各社へ個別に問い合わせる手間をかけずに、検討に必要な情報を効率的に集められます。
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。


















情報システム自体は劣化しませんが、新たな攻撃手法の開発や新種の弱点発見といった「周囲の脅威の変化」により、システムの安全性は時間の経過とともに劣化します。開発当初は安全であっても、更新を行わなければ脅威に対応できなくなります。また、すでに公表されている脆弱性だけでも数万種類が存在します。こうした膨大な既知の脆弱性や日々発見される新たな脆弱性を、担当者の知識・スキルのみで網羅的に探し出し見つけることは不可能です。そのため、脆弱性診断を通じてセキュリティを維持することが不可欠です。