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法人向け海外送金サービス比較14選|手数料・為替コストで選ぶ銀行・ネット銀行・専門サービス

法人向け海外送金サービス 比較14選のサムネイル画像

海外の取引先への支払いや、海外子会社への送金、越境ECの仕入れ代金や海外SaaSの利用料。日々の海外送金にかかる手数料が、思ったより高いと感じたことはないでしょうか。銀行の窓口で送ると、1件あたり数千円の送金手数料に加え、為替レートに上乗せされた為替手数料や中継銀行手数料まで差し引かれ、相手に届く金額が読みにくくなります。

海外送金の手段は、メガバンクなどの店舗型銀行、ネット銀行、そして海外送金に特化した専門サービス(資金移動業者)の大きく3つに分かれます。それぞれ手数料の仕組み・送金スピード・対応通貨が異なり、自社の送金規模や頻度によって最適な選択肢は変わります。

本記事では、法人向けの海外送金サービス14社を、銀行・ネット銀行・専門サービスの3タイプ横断で比較します。送金手数料と為替コストの内訳、表示手数料に隠れた為替スプレッドの見抜き方、資金移動業者の安全性(資金決済法・金融庁登録)、法人の必要書類や税務の注意点まで整理しました。自社の送金に合う一社を選ぶ検討材料としてご活用ください。

また、自社の送金規模や重視する条件に合う手段を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる海外送金サービス診断をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

法人向け海外送金サービスの関連サービス資料
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法人の海外送金とは?銀行・ネット銀行・専門サービスの3つの手段

法人の海外送金とは、企業が海外の取引先や自社の海外拠点に対して、外貨(または円)を国境を越えて送金することを指します。輸入代金や外注費の支払い、海外子会社への資金移動、越境ECの仕入れ、海外SaaSの利用料など、用途は幅広く広がっています。

送金の手段は、大きく3つに整理できます。1つ目は三菱UFJ銀行やみずほ銀行などの店舗型銀行・メガバンク、2つ目はGMOあおぞらネット銀行や楽天銀行などのネット銀行、3つ目はWiseやPayoneerに代表される海外送金に特化した専門サービス(資金移動業者)です。いずれも国際送金の仕組み自体は共通していますが、手数料の水準・為替レートの決め方・送金スピード・対応通貨の幅に違いがあります。

3つの手段の位置づけを、送金コスト・スピード・大口対応の観点で整理すると、次のようになります。

← 横にスクロールできます →
送金手段海外送金に特化した専門サービスネット銀行店舗型銀行・メガバンク
手数料の水準低め(送金手数料が定額・少額)中程度(店舗型より安い)高め
為替レート実勢レートに近く透明銀行所定(一部は為替コスト低め)銀行所定(為替手数料が上乗せ)
送金スピード即日〜1営業日程度1〜3営業日程度2〜7営業日程度
大口・信頼性小口〜中口・高頻度に強い口座と送金の一元管理に向く大口・対面サポート・貿易金融に強い
代表例Wise・Payoneer・Airwallex などGMOあおぞら・楽天・住信SBI など三菱UFJ・三井住友・みずほ など

※上記は一般的な傾向です。実際の手数料・レート・スピードは各社・送金条件により異なります。

どの手段が有利かは、1回あたりの送金額・送金頻度・送金先の通貨によって変わります。毎月の少額の外注費やSaaS利用料の支払いなら専門サービス、1回100万円を超えるような大口決済ならメガバンク、というように、送金の性質で使い分けるのが基本の考え方です。次章では、この3タイプそれぞれの特徴を詳しく見ていきます。

提供主体別に見る法人向け海外送金サービスの特徴

ここからは、海外送金の3タイプ(専門サービス・ネット銀行・店舗型銀行)について、それぞれの強みと弱み、向いている法人像を見ていきます。自社の送金がどのタイプに合うか、当たりをつけながら読み進めてください。

海外送金に特化した専門サービス(資金移動業者・フィンテック)

海外送金に特化した専門サービスは、銀行以外で為替取引を営む「資金移動業者」として登録された事業者が提供します。WiseやPayoneer、Airwallexなどが代表例で、実勢レート(ミッドマーケットレート)に近い為替を使い、送金手数料を明確に提示する透明性が特徴です。

メリットは、総送金コストの低さと送金スピードの速さです。銀行が為替レートに上乗せする為替手数料(為替スプレッド)が小さく、中継銀行を経由しない独自ネットワークを持つサービスも多いため、着金までが即日〜1営業日と速くなります。多通貨の残高管理や一括送金、API連携に対応するサービスもあり、海外取引が多い法人の業務効率化に向いています。

一方でデメリットは、1回あたりの送金上限があるサービスがある点と、大口・対面サポートの手薄さです。資金移動業の登録種別により送金上限が定められている場合があり、数千万円の大口には向かないことがあります。オンライン中心の対応のため、手厚いサポートを求める場合は銀行が向きます。小口〜中口を高頻度で送り、コストを抑えたい法人に有力な選択肢です。

ネット銀行

ネット銀行は、店舗を持たずオンラインで手続きが完結する銀行です。GMOあおぞらネット銀行や楽天銀行、住信SBIネット銀行などが法人向けの外貨送金に対応しており、店舗型銀行より手数料が抑えられる傾向があります。

メリットは、銀行口座と送金を一元管理できる点と、店舗型より低いコストです。普段の入出金に使う法人口座からそのまま海外送金でき、資金管理がシンプルになります。GMOあおぞらネット銀行のように送金の裏側で専門サービスの仕組みを採用し、送金コストを抑える銀行も登場しています。

一方で、対応通貨や送金先は専門サービスより限られる場合があります。取り扱い通貨や着金までの日数は銀行ごとに差があり、マイナー通貨への送金では対応可否を確認しておきたいところです。銀行としての信頼性を保ちつつ、コストと利便性のバランスを取りたい法人に向いています。

店舗型銀行・メガバンク

店舗型銀行・メガバンクは、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行に代表される、店舗網と対面サポートを持つ銀行です。法人の海外送金では長い実績があり、大口送金や貿易取引に伴う送金で選ばれます。

店舗型銀行・メガバンクの強みは、大口送金の信頼性と、対面での相談・貿易金融との一体運用にあります。輸出入に伴う信用状(L/C)取引や外貨建ての融資など、貿易金融と海外送金をまとめて相談でき、既存の取引銀行なら与信や資金繰りと合わせて一元的に管理できます。

反面、送金手数料に為替手数料・中継銀行手数料が上乗せされるため、専門サービスと比べて総コストは高くなりがちで、着金まで数営業日かかることもあります。コストより信頼性・サポート・大口対応を優先する法人に向いた手段です。

法人の海外送金でかかる手数料の内訳

海外送金のコストは、送金画面に表示される「送金手数料」だけではありません。実際には複数の手数料と為替コストが重なり、相手に届く金額や自社の負担額が決まります。ここでは、何にいくらかかるのかを分解して見ていきます。

海外送金でかかる4種類の手数料

法人の海外送金でかかる費用は、大きく4種類に分けられます。それぞれが何に対してかかるのかを押さえておくと、各社の料金を正しく比較できます。

送金手数料

送金手数料は、1回の送金ごとに送金元の銀行・サービスに支払う基本的な手数料です。定額のサービスもあれば、送金額に応じて変わるサービスもあります。店舗型銀行では1件あたり数千円かかることが多く、ネット銀行や専門サービスではこれより低く設定されている傾向があります。

為替手数料(為替スプレッド)

為替手数料は、円を外貨に替える際の為替レートに上乗せされるコストです。銀行や送金サービスは、市場の実勢レート(ミッドマーケットレート)に自社の利益分を上乗せしたレートを提示します。この上乗せ分が為替スプレッドで、送金額が大きいほど金額として膨らみます。表示上は「手数料」として明示されないことが多く、後述する「隠れコスト」の中心です。

中継銀行手数料

中継銀行手数料は、送金元の銀行から受取人の銀行へ着金するまでの間に経由する中継銀行(コルレス銀行)が差し引く手数料です。SWIFTネットワークを使う銀行送金で発生し、経由する銀行の数によって金額が変わるため、事前に総額を読みにくいのが難点です。中継銀行を経由しない独自ネットワークを持つ専門サービスでは、この手数料が発生しないか大幅に抑えられます。

受取手数料

受取手数料は、受取人側の銀行が着金時に差し引く手数料です。送金者が負担する契約(OUR)か受取人が負担する契約(BEN)かによって、誰がこのコストを負うかが変わります。取引先が受け取る金額を約束どおりにしたい場合は、この負担区分も確認しておく必要があります。

4種類の手数料が、送金元から受取人に届くまでのどの段階で発生するのかを、送金の流れに沿って整理すると次のとおりです。

海外送金でかかる4種類の手数料を送金元から受取人までの流れで示した図。送金元で支払う送金手数料、両替時に発生する為替手数料(為替スプレッド)、経由する中継銀行が差し引く中継銀行手数料、受取側の銀行が差し引く受取手数料の4つが順に発生し、これらの合計が実際に相手へ届く金額を左右する。

表示手数料に隠れた「為替コスト」に注意

4種類の手数料のうち、比較で最も見落とされやすいのが為替手数料(為替スプレッド)です。送金手数料は金額が明示されるため比較しやすい一方、為替スプレッドは提示レートに溶け込んでいて、いくら取られているのかが分かりにくくなっています。

たとえば送金手数料が無料でも、為替レートに大きなスプレッドが乗っていれば、実際に相手へ届く金額は目減りします。逆に送金手数料が定額でも、実勢レートに近いレートを使うサービスなら、総コストは抑えられます。手数料を比較するときは、送金手数料の額面だけでなく、為替スプレッドを含めた「実際に相手へ届く金額」で見ることが重要です

海外送金の手数料は送金手数料の額面ではなく実際に相手へ届く金額で比べるべきことを示した図。送金手数料が無料でも為替レートに大きなスプレッドが乗ると相手に届く金額は目減りし、送金手数料が定額でも実勢レートに近いレートを使えば総コストは抑えられる。送金前の画面の為替レートを実勢レート(ミッドマーケットレート)と比べ、その差に送金額を掛けると為替スプレッドの目安が分かる。

為替スプレッドを見抜く簡単な方法は、送金前のシミュレーション画面に表示される為替レートを、検索などで分かる実勢レート(ミッドマーケットレート)と比べることです。その差に送金額を掛けた金額が、為替スプレッドとして実質的に負担するコストの目安になります。

送金額別のコストシミュレーション(総額で比べる)

総コストで比べる考え方を、送金額別に整理します。同じ金額を送っても、手段によって「送金手数料+為替スプレッド+中継銀行手数料」の合計が変わり、相手に届く金額に差が出ます。

少額(たとえば1回10万円程度)の送金を毎月繰り返す場合、送金手数料の差が積み重なります。一方、1回で数百万円を送る大口送金では、送金手数料より為替スプレッドの影響が大きくなります。米ドルで10万円・300万円を送るケースで、総コスト(送金手数料+為替コスト+中継銀行手数料)の目安を手段タイプ別に比べると、次のようになります。

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送金額別の総コスト目安海外送金に特化した専門サービス(実勢レート型)ネット銀行(定額手数料+低スプレッド型)店舗型銀行・メガバンク(オンライン利用時)
10万円を送る場合約600〜900円約3,500〜6,000円約6,000〜10,500円
300万円を送る場合約1.2万〜2.1万円約7,000〜9,700円約3.5万〜4万円

※米ドル送金を1米ドル=150円で試算した手段タイプ別の目安です。為替コストは各社公表の為替手数料(住信SBIは米ドル6銭など)、非公表のメガバンクは対顧客電信売買相場の目安として送金額の約1%で計算しています。個社ごとの実額は下記のタイプ別比較表をご覧ください。実際の金額は送金時のレート・通貨・経路で変わります。

この目安からわかるのは、少額の送金では実勢レートを使う専門サービスが総額で最も安くなりやすい一方、300万円のような大口では、送金手数料が定額で為替コストの低いネット銀行が専門サービスを逆転しうるという点です。

送金額が大きいほど、送金額に比例して手数料がかかる専門サービスより、定額手数料の銀行が有利になります。自社の1回あたりの送金額で、総額がどの手段で最も小さくなるかを見極めることが手段選びの起点です。

コスト削減額を社内で説明する際は、「送金手数料が安くなった」だけでなく、為替スプレッドを含めた総額ベースで年間の削減見込みを示すと、説得力のある根拠になります。次章の比較表では、各社の送金手数料と為替コストの方式を横並びで確認できます。

法人向け海外送金サービスの選び方

ここからは、自社に合う海外送金の手段を選ぶための観点を6つ挙げます。前章までで身につけた「総額で見る」目を土台に、自社の送金の性質に照らして候補を絞り込んでください。最後に、選んだうえでコストをさらに抑える実務的な方法も紹介します。

自社の送金額で総額が最も安い手段を選ぶ

まず確認したいのは、自社の1回あたりの送金額と月間の送金回数です。少額・高頻度なら送金手数料の安さが効き、大口なら為替スプレッドの小ささが効きます。自社の典型的な送金額を当てはめ、送金手数料と為替コストを合わせた総額で最も有利な手段を見極めます。額面の送金手数料だけで判断すると、為替スプレッドで逆転するケースを見落とします。

送金スピードで選ぶ

取引先への支払期日が厳しい場合や、急な決済が発生しやすい業種では、着金までの日数が重要になります。専門サービスは即日〜1営業日で着金するものが多く、店舗型銀行のSWIFT送金は2〜7営業日かかることがあります。支払いのタイミングが読みにくい取引が多いなら、スピードの速い手段を優先すると安心です。

対応通貨・対応国で選ぶ

送金先の国と通貨に対応しているかは、必ず事前に確かめておきたい点です。米ドルやユーロなど主要通貨はどの手段でも対応していますが、アジアや新興国のマイナー通貨では、対応する手段が限られます。複数の国・通貨に送るなら、対応通貨数が多く、現地通貨での着金に対応するサービスを選ぶと、受取人側の両替コストも抑えられます。

送金限度額で選ぶ

1回・1日あたりの送金限度額は、手段によって異なります。専門サービスは資金移動業の登録種別によって1回の上限が定められている場合があり、大口送金では上限に達することがあります。数千万円規模の送金を行うなら、送金上限のない第一種資金移動業者か、大口に対応する銀行を選ぶ必要があります。自社の最大送金額が上限の範囲に収まるかを確認しておきます。

法人機能・サポートで選ぶ

送金件数が多い法人では、業務効率を左右する機能の有無が選定の分かれ目になります。CSVによる一括送金、複数担当者の権限管理、会計ソフトやシステムと連携するAPI、多通貨残高の管理などです。海外の取引先とのやり取りが多いなら、英語などの多言語サポートや、トラブル時の問い合わせ体制も確認しておくと安心です。

安全性で選ぶ

銀行以外の専門サービスを使う場合は、金融庁(財務局)に資金移動業者として登録されているか、利用者資金を保全する仕組みがあるかを確認します。登録の種別(第一種か第二種か)で1回の送金上限が変わるため、自社の大口送金が送れるかも合わせて見ておきます。登録・資金保全の詳しい仕組みは、記事後半の「資金移動業者(銀行以外)は安全か?」で解説します。

海外送金コストを抑える方法

手段を選んだうえで、運用の工夫でさらにコストを下げられます。代表的なのは、送金をまとめることと、為替コストの低い手段に切り替えることです。少額の送金を何度も分けて行うと、そのたびに送金手数料がかかります。支払いをまとめて回数を減らせば、手数料の総額を抑えられます。

また、日常的な小口の支払いは為替コストの低い専門サービス、大口・信頼性重視の決済は銀行、というように送金の性質で手段を使い分けると、全体のコストを最適化できます。取引の内容ごとに最適な手段を割り当てることが、年間の送金コストを下げる近道です。

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【比較表】法人向け海外送金サービス14社を徹底比較

ここからは、法人向けの海外送金サービス14社を比較します。まず全14社をタイプ・手数料の型・為替レートの透明度・着金の速さ・大口対応で横断して概観し、続いて提供主体別の3タイプで詳しく比べます。各サービス名をタップすると、記事内の詳しい紹介にジャンプできます。なお14社のうちラクヤス決済 振込は海外→日本の資金回収に特化したサービスで、日本発の送金(仕向送金)を行う他の13社とは向きが異なります。

【一覧】法人向け海外送金サービス14社を横断で比較

← 横にスクロールできます →
サービス名ラクヤス決済 振込Wise BusinessPayoneerAirwallexPayForexSBIレミットGMOあおぞらネット銀行楽天銀行住信SBIネット銀行三菱UFJ銀行三井住友銀行みずほ銀行SBI新生銀行SBJ銀行
タイプ専門サービス
(資金回収特化)
専門サービス専門サービス専門サービス専門サービス専門サービス
(少額特化)
ネット銀行ネット銀行ネット銀行メガバンクメガバンクメガバンク店舗型銀行店舗型銀行
(在日・韓国系)
送金手数料初期3万円+1回1,500〜2,000円定率+定額(変動)受取無料〜/引出1.2〜4%現地無料/SWIFT2,200〜3,800円変動(60〜100万円帯は無料)460円〜変動(要シミュ)定額1,000円/取引定額3,500円/件+初期5.5万円7,000円〜(+0.05%)オンライン2,500円〜(+0.05%)EB利用4,000円〜(+0.05%)要確認3,000円+為替手数料
為替レートの透明度要確認実勢レート◯ 銀行間+0.2%〜スプレッドあり為替0円(実勢)○ 銀行所定米ドル6銭対顧客相場(高め)対顧客相場(高め)対顧客相場(高め)○ 米ドル7〜15銭為替加算
着金の速さ要確認通貨により変動最短同日〜2営業日要確認最短即時〜24時間最短10分〜最短同日〜1〜5営業日1〜3営業日3営業日程度要確認翌営業日〜要確認新韓銀行宛最短1営業日
100万円超の送金要確認◯ 最大1.5億円/回要確認×1回100万円上限×1回100万円上限×1回100万円上限◯ 1,500万〜3,000万円/日◯ 原則30百万円未満/回◯ 原則3,000万円/回◯ 大口対応◯ 大口対応◯ 大口対応200万円超は書類提出要確認

※各社公式情報をもとにした概要です。送金手数料には別途、為替コストや中継銀行手数料が加わります。詳細は下記のタイプ別比較表と各社公式サイトでご確認ください。

【タイプ別比較表】海外送金に特化した専門サービス

← 横にスクロールできます →
サービス名ラクヤス決済 振込Wise BusinessPayoneerAirwallexPayForexSBIレミット
送金手数料初期3万円+1回1,500〜2,000円
+為替手数料(通貨により変動)
固定+変動(送金額の一定%)
通貨ペア・入金方法で変動
ローカル通貨受取は無料
非ローカル通貨1%/引き出し1.50USD
現地通貨送金は無料
SWIFT送金2,200〜3,800円
宛先・金額・受取方法で変動
60万〜100万円帯は無料
460円〜
(送金額・国・受取方法で変動)
為替コスト通貨により変動
(実勢との乖離幅は非公開)
上乗せなし
(ミッドマーケットレート)
残高間0.50%
銀行引き出し時1.2%〜4%
銀行間レート+0.2%〜
(海外送金に伴う両替時)
為替スプレッドは公式に明示なし為替レートに上乗せ
(別途スプレッド)
為替レート方式公式に明示なしミッドマーケットレート採用ミッドマーケットレートの明示なし銀行間レート基準公式に明示なし為替スプレッドあり
対応通貨数14通貨〜(表記に幅あり)40種類以上を保有
(受取21通貨)
計20通貨
(受取専用口座は9通貨)
要確認
(日本の送金対応通貨は要確認)
40種類以上現金受取は200以上の国・地域
口座受取は11カ国
送金スピード要確認
(着金日数の公式明示なし)
通貨により変動引き出しは最短同日
〜最大2営業日
要確認
(日本発のスピードは要確認)
最短即時〜24時間以内
(対象国は要確認)
現金受取は最短10分程度
(数時間〜2日の場合あり)
送金限度額(法人)要確認
(公式明示なし)
残高から100万円/回
銀行振込経由で最大1.5億円/回
要確認
(1回・1日・月の上限は非公開)
1回100万円以下相当
(第二種資金移動業)
1回100万円相当以下
(月600万円目安は要確認)
1回100万円相当以下
(10,000米ドル相当)
法人機能一括請求・債権管理・消込の自動化
(海外→日本の資金回収型)
一括送金(最大1,000件)
API・会計連携・権限管理
マーケットプレイス受取
マスペイアウト・法人カード
日本は海外送金・オンライン決済に限定
(多通貨口座・法人カード等は日本未提供)
CSV/Excel一括送金
権限3階層・二要素認証・履歴照会
少額送金スキーム(法人会員登録)
一括送金・API等は非提供
資金移動業登録登録の有無は公式で要確認第一種・第二種(関東財務局長第00040号)第二種(関東財務局長第00045号)第二種(関東財務局長第00100号)第二種(関東財務局長第00010号)第二種(関東財務局長第00008号)
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】ネット銀行

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サービス名GMOあおぞらネット銀行楽天銀行住信SBIネット銀行
送金手数料送金金額・通貨・国により変動
(シミュレーターで確認)
1取引一律1,000円
(円建ては別途円貨送金手数料2,500円)
3,500円/件(外貨建て・一律)
+初期導入手数料55,000円
為替コスト0円
(ミッドマーケットレート採用)
楽天銀行所定の為替手数料をレートに加算
(時間帯・曜日で乗算調整あり)
米ドル1米ドルあたり6銭
(通貨別に設定)
対応通貨数9通貨
(USD/EUR/GBP/SGD/HKD/AUD/KRW/THB/CNY)
60通貨以上10通貨
送金スピード最短同日〜
(USD米国以外は2〜4営業日)
送金日+1〜5営業日程度
(通貨・経由行で変動)
SWIFT発信から1〜3日程度
送金限度額(法人)1,500万円/日
(審査で最大3,000万円)
1オーダー原則30百万円未満
(円換算ベース)
原則1取引3,000万円以下
(円換算)
中継銀行手数料米国以外のUSD送金等で発生する場合あり1,000円
(送金人負担時。実費が別途上乗せの場合あり)
2,500円/件
(送金人負担時)
オンライン送金対応オンライン完結(法人口座会員ページ)24時間受付・オンライン完結24時間365日・依頼/承認をオンライン
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】店舗型銀行・メガバンク

← 横にスクロールできます →
サービス名三菱UFJ銀行三井住友銀行みずほ銀行SBI新生銀行SBJ銀行
送金手数料海外向け7,000円(店頭・Webサポート+)
+円為替取扱手数料 送金額の0.050%(最低2,500円)
窓口7,000〜7,500円/オンライン2,500〜3,500円
+リフティングチャージ等 送金額の0.05%(最低2,500円)
電信・他行向け7,500円(EB利用時4,000円)
+円為替取扱手数料 0.05%(最低2,500円)
要確認
(法人向け実額は公式PDFで要確認)
取扱手数料3,000円+為替手数料1,000〜1,500円
(円建て・金額帯別)
為替コスト対顧客電信売買相場に上乗せ
(スプレッド実額は公式で要確認)
対顧客電信売買相場に上乗せ
(スプレッド実額は公式で要確認)
対顧客相場に上乗せ
(スプレッド実額は公式で要確認)
米ドル片道7〜15銭(ステージ制)
(法人適用可否は要確認)
外貨建ては取扱手数料に為替加算
(例: 米ドル+外貨額×2円)
対応通貨数外国送金12通貨要確認
(法人向け取扱通貨一覧は公式で要確認)
要確認
(法人向け取扱通貨一覧は公式で要確認)
13通貨円・韓国ウォン・米ドル・ユーロ・英ポンド
送金スピード受付日から送金実行まで3営業日程度
(店頭窓口)
要確認
(標準着金日数の公式明示なし)
対外発信は原則翌営業日以降
(着金は仕向国・中継行で変動)
要確認
(法人向けの実績値は要確認)
新韓銀行宛は最短1営業日
送金限度額(法人)要確認
(契約・審査により個別設定)
要確認
(公式に一律上限の記載なし)
要確認
(公式に一律上限の記載なし)
1回200万円超・月/年360万円超は書類提出
(上限は公式で要確認)
韓国ウォン建ては2万米ドル相当が限度
(円・他通貨は公式で要確認)
中継銀行手数料支払銀行手数料は受取人負担が原則
送金人負担時+3,000円
依頼人負担時2,500円/件〜
(4,000円超は差額追加請求)
コルレス先支払手数料2,500円
(10,000円超請求時は差額を依頼人負担)
経由する中継銀行により別途発生受取銀行手数料 新韓銀行宛3,000円/その他5,000円
(中継行手数料は別途)
オンライン送金対応法人インターネットバンキング(BizSTATION/MUFG Biz)法人IB(EB/Global e-Trade、要ValueDoor)みずほ e-ビジネスサイト(外為)法人向けIB(外国送金Webサービス)窓口・SBJ Biz-DIRECT
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各社公式情報をもとに作成した一般的な傾向です。最新の手数料・レート・対応通貨は各社公式サイトでご確認ください。

法人向け海外送金サービス14社の個別紹介

比較表で気になったサービスについて、提供主体別に特徴を詳しく紹介します。手数料や対応通貨だけでなく、どんな法人に向いているかも合わせて確認してください。

海外送金に特化した専門サービス(資金移動業者・フィンテック)

実勢レートに近い為替と透明な手数料で、小口〜中口の送金を高頻度で行う法人に向いたタイプです。多通貨管理や一括送金など、海外取引を効率化する機能を備えるサービスもあります。

1. ラクヤス決済 振込(株式会社RemitAid)

ラクヤス決済 振込のウェブサイト

ラクヤス決済 振込は、日本から海外へ送る「仕向送金」ではなく、海外の取引先からの入金を受け取る「資金回収」に特化したサービスです。株式会社RemitAidが各地に開設した現地口座を使い、海外の取引先は自国内の送金として支払い、日本の事業者は中継銀行を経由しない国内振込で代金を受け取れます。

そのため用途は、越境ECの売上金や海外取引先からの代金回収にあり、輸入代金の支払いのような日本発の送金とは向きが異なります。複数の中継銀行を経由する従来の国際送金で生じる高額な手数料・着金の遅れ・着金タイミングの不透明さを、現地口座経由のローカル送金で抑えることを狙いとしています。

公式noteの試算例では、香港から1,800,000 HKDを受け取る場合、従来の国際送金で251,400円だった手数料が48,090円に圧縮されるとされています(削減率は通貨・金額・従来の送金経路により変動します)。

料金は初期費用30,000円と、決済処理1回あたり1,500〜2,000円(加えて通貨により変動する為替手数料)で、月額固定費はありません。管理画面で着金タイミングと手数料を可視化でき、支社や現地法人を設けずに海外取引先との取引を進められます。

現地口座を開設できる国・地域の広さは、専門サービスを選ぶうえで対応通貨・対応国とともに確認したい点です。同サービスがどの地域を対象に設計しているかについて、運営元の株式会社RemitAidは次のように述べています。

枝氏
株式会社RemitAid 事業推進責任者
枝氏
独自インタビューより

2点目が口座の開設可能エリアです。外資系企業だと、現地の仮想口座をASEAN諸国で作れないところがほとんどです。日本企業が多く進出をしている、または進出を希望しているエリアで活用いただけるようなサービスにしています。現状13の国と地域ですが、近々タイでの現地の仮想口座が開設可能になる予定です。

なお、海外の取引先から代金を「受け取る」側の手続きは、送る側とは仕組みも手数料も異なります。銀行明細の「被仕向送金」の意味、受取時に差し引かれる手数料の内訳や消費税の扱い、着金までの日数、そして受取をより有利にする方法は、以下の記事で詳しく解説しています。海外からの入金が多い法人はあわせてご覧ください。

2. Wise Business(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社)

Wise Businessのウェブサイト

Wise Businessは、英国発のグローバル送金プラットフォーム「Wise」の法人向けアカウントで、日本ではワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が第一種・第二種資金移動業者(関東財務局長第00040号)として運営しています。両替に上乗せのないミッドマーケットレート(仲値)を用い、送金手数料を送金前のシミュレーションで明示する透明性を最大の特徴とします。

1つのアカウントで40種類以上の通貨を手数料無料で保有でき、USD・EUR・GBPなどの現地口座情報を取得して現地送金として受け取れます。最大1,000件のバッチ送金・API・会計ソフト連携・法人デビットカードといった業務機能を備え、海外取引が多い法人の支払業務の自動化に向いています。アカウント開設は無料で、外貨の口座情報を取得する設定手数料が1回限り3,000円です。

送金限度額は、残高からの送金は1回100万円まで(第二種)、銀行振込を経由する送金は1回最大1.5億円まで(第一種)で、100万円を境に自動で処理が切り替わります。顧客資金は日証金信託銀行または三井住友銀行の信託口座で分別管理され、日本円換算での100%が保全されます。

3. Payoneer(ペイオニア・ジャパン株式会社)

Payoneerのウェブサイト

越境EC・マーケットプレイスでの外貨受取を主軸とする決済プラットフォームがPayoneerです。運営元のPayoneer Global Inc.は米国NASDAQ上場企業で、日本ではペイオニア・ジャパン株式会社が第二種資金移動業者(関東財務局長第00045号)として提供します。Amazon・eBayなどから現地口座のような口座情報で売上金を受け取り、日本の口座へ引き出せます。

マーケットプレイスや海外取引先からの外貨受取に強く、USD・EUR・GBP・JPYなど複数通貨を現地口座感覚で保有できます。受取はローカル通貨なら無料、非ローカル通貨は1%で、残高間の通貨換算は0.50%です。日本の銀行口座への引き出しは、通貨換算を伴う場合1.2%〜4%の手数料がかかります。

アカウント開設は無料で、口座維持費は直近12ヶ月の受取が6,000米ドル相当未満の場合のみ年29.95米ドルがかかる従量課金モデルです。150ヵ国以上から受け取り190ヵ国以上へ支払える対応範囲を持ち、海外マーケットプレイスでの売上回収を軸に海外取引を行う法人に向いています。

4. Airwallex(Airwallex Japan株式会社)

Airwallexのウェブサイト

2015年にオーストラリアで創業したAirwallexは、越境ビジネス向けの金融機能をグローバルに展開するプラットフォームです。日本ではAirwallex Japan株式会社が第二種資金移動業者(関東財務局長第00100号、2025年9月登録)および電子決済等代行業者として、海外送金とオンライン決済(アクワイアリング)を提供しています。

口座開設・維持費が無料で、海外送金を現地決済ネットワーク経由で送れるのが日本で利用できる範囲の中心です。現地通貨での送金は無料、SWIFT送金は2,200〜3,800円で、両替は海外送金に伴い銀行間為替レートに0.2%からのマークアップが乗ります。第二種資金移動業のため、1件あたりの送金は100万円相当が上限です。

越境EC・貿易・インバウンド事業など海外取引を行う日本の中小企業を主な対象としています。なお多通貨口座・法人カード・経費管理などグローバルで提供される機能の一部は、日本料金ページ上で日本法人には現在利用できない旨が表示されているため、日本で使える送金・決済の範囲を公式サイトで確認したうえで検討してください。

5. PayForex(Queen Bee Capital株式会社)

PayForexのウェブサイト

PayForexは、Queen Bee Capital株式会社が2011年から運営する、日本国内から海外へのオンライン海外送金サービスです。第二種資金移動業者(関東財務局長第00010号)として、銀行を介さず自社ネットワークで200以上の国・地域へ送金します。登録から送金手続きの完了まで24時間オンラインで完結し、受取方法は宛先国により銀行口座入金・現金受取・E-ウォレット・宅配などから選べます。

法人向けには、CSV/Excelでの一括送金と、管理者・承認者・操作者の3階層に分かれた権限管理を備え、大量送金や多段階の承認体制に対応します。二要素認証や送金履歴の一括照会も利用できます。対応通貨は40種類以上で、1回あたりの送金上限は100万円相当です。

送金手数料は宛先国・金額・受取方法で変わる段階制で、60万〜100万円の金額帯は宛先を問わず無料です。PayPay銀行・楽天銀行・横浜銀行など複数の銀行と提携しており、各行のインターネットバンキングやビジネスアカウントからPayForexへアクセスできます(送金の実行主体はQueen Bee Capitalです)。

6. SBIレミット(SBIレミット株式会社)

SBIレミットのウェブサイト

SBIレミットは、SBIグループ傘下のSBIレミット株式会社が運営する第二種資金移動業者(関東財務局長第00008号)で、少額の国際送金に特化したサービスです。2010年に「日本初、インターネットを主要チャネルとする国際送金サービス」として始まり、世界200以上の国・地域、約350,000拠点の現金受取ネットワーク(MoneyGram社のネットワークを利用)を持ちます。

法人名義での会員登録も可能で、商品代金の支払いや海外支店の家賃・現地従業員給与の支払いなどに利用できます。ただし1回あたりの送金上限は100万円相当で、個人向けと同一の少額送金スキームです。法人向けの一括送金・API連携・多通貨口座といった企業専用の機能は公式情報では確認できず、貿易決済のような高額・大口の送金には向きません。

送金手数料は460円からで、送金額・送金国・受取方法により変わります(このほか為替レートへの上乗せが別途発生します)。従業員の母国への少額送金や海外支店の少額支払いなど、少額・高頻度の用途を想定する法人に適した選択肢です。

ネット銀行

オンラインで送金が完結し、店舗型銀行より手数料を抑えられるタイプです。普段の法人口座と海外送金を一元管理したい法人に向いています。

7. GMOあおぞらネット銀行 海外送金(法人)powered by Wise(GMOあおぞらネット銀行株式会社)

GMOあおぞらネット銀行 海外送金(法人)powered by Wiseのウェブサイト

あおぞら銀行とGMOインターネットグループの共同出資で設立されたGMOあおぞらネット銀行が、法人口座向けに提供する海外送金サービスです。円普通預金口座から都度、送金通貨に両替して送金する仕組みで、依頼から審査までオンラインで完結します。

最大の特徴は、送金の裏側にWise Payments Limited(ワイズ社)のネットワークを採用した「powered by Wise」という提供形態です。ワイズ社のリアルタイム為替レート(ミッドマーケットレート)を上乗せなしで適用し、為替手数料は0円となります(送金手数料は送金金額・通貨・国により変動し、別途かかります)。従来型銀行の為替スプレッドに比べ、為替コストを抑えやすい設計です。

対応は米ドル・ユーロ・英ポンドなど9通貨で、受付は24時間365日(メンテナンス時間を除く)。1日あたりの送金上限は1,500万円で、事前の個別審査により最大3,000万円まで引き上げられます。少額の海外送金を高頻度で行い、為替コストを抑えたい法人に向いた選択肢です。

8. 楽天銀行 法人向け海外送金(楽天銀行株式会社)

楽天銀行 法人向け海外送金のウェブサイト

楽天グループの楽天銀行が、法人ビジネス口座の付帯サービスとして提供する海外送金サービスです。店舗を持たないネット専業銀行として、送金手続きは原則24時間オンラインで完結します。海外への送金だけでなく、海外からの受取にも対応しています。

送金手数料は1取引あたり1,000円の定額で、送金額に比例しません。ただし送金人負担を選んだ場合の中継銀行手数料1,000円、円建て送金時の円貨送金手数料2,500円、外貨建て送金時の為替手数料などが別途加わるため、実際の総コストはこれらを積み上げて確認する必要があります。海外送金サービス自体の初期導入手数料・月額使用料は0円です。

対応は60通貨以上・世界約200以上の国と地域と幅広く、アジア通貨から欧米通貨まで送金先を選びません。利用には楽天銀行の法人ビジネス口座の開設が前提で、口座は書類到着から開設完了まで通常2週間程度かかります。対応通貨・対応国の広さを重視する法人に向いた選択肢です。

9. 住信SBIネット銀行 法人口座の外貨送金(住信SBIネット銀行株式会社)

住信SBIネット銀行 法人口座の外貨送金のウェブサイト

NEOBANKブランドを展開する住信SBIネット銀行が、法人口座から利用できる外貨送金(海外送金)機能を提供しています。店頭窓口を持たず、外貨送金の依頼・承認をインターネット上で24時間365日行えます。なお同行は2026年8月3日に「株式会社ドコモSMTBネット銀行」への社名変更を予定しています。

コスト面の特徴は、米ドルの為替コストが1米ドルあたり6銭と低水準で、送金手数料も外貨建て一律3,500円/件と送金額に比例しない点です。送金額が大きいほど1件あたりの手数料負担割合が小さくなります。一方、初期導入手数料として55,000円(税込)が固定でかかるため、送金頻度・金額が小さい場合はこの初期費用が相対的な割高要因になりえます。

対応は日本円・米ドル・ユーロなど10通貨で、外貨普通預金も同じ10通貨に対応するため、外貨を保有したまま送金・受取ができます。1取引あたりの送金上限は原則3,000万円以下(円換算)で、着金はSWIFT発信日からおおむね1〜3日程度が目安です。法人口座の開設もeKYCによるオンライン完結に対応しています。

店舗型銀行・メガバンク

大口送金の信頼性や対面サポート、貿易金融との一体運用を重視する法人に向いたタイプです。手数料は高めですが、既存の取引銀行と一元的に管理できる安心感があります。

10. 三菱UFJ銀行(株式会社三菱UFJ銀行)

三菱UFJ銀行(法人向け海外送金)のウェブサイト

三菱UFJ銀行の法人向け海外送金は、外国送金と貿易金融をひとつのインターネットバンキングで扱える点が起点になります。仕向送金・被仕向送金だけでなく、輸出入の信用状(L/C)取引や為替予約まで、法人向けオンラインサービス「BizSTATION」「MUFG Biz」の外為サービスで完結できます。

海外向けの送金手数料は、店頭窓口・外国送金Webサポート+(プラス)で7,000円です。円建て送金や外貨建て送金には、これに加えて円為替取扱手数料または外貨取扱手数料(送金金額の0.050%、最低2,500円)がかかります。着金までは、店頭窓口の場合で受付日から送金実行日まで3営業日程度を要します。

対応通貨は米ドル・ユーロ・英ポンド・豪ドルなど外国送金12通貨で、海外100拠点(2025年3月末)のネットワークを背景に幅広い国・地域への送金に対応します。輸出入を伴う法人にとって、海外送金と信用状取引・為替予約を同じ銀行・同じシステムで一元管理できる点が選択の理由になります。

11. 三井住友銀行(株式会社三井住友銀行)

三井住友銀行(法人向け海外送金)のウェブサイト

窓口とオンラインで送金手数料が大きく変わるのが、三井住友銀行の法人向け海外送金の特徴です。取扱店舗の窓口では海外他行あて7,500円・当行海外支店等あて7,000円ですが、法人向け外為サービス「Global e-Trade」経由なら、当行海外支店等あては事前受付で2,500円からと、オンライン化のコストメリットが明確になります。

これらの送金手数料に加え、外貨建て送金にはリフティングチャージ、円建て送金には円為替取扱手数料(いずれも送金金額の0.05%、最低2,500円)がかかります。中継銀行にあたる関係銀行手数料は、受取人負担なら発生せず、依頼人負担とする場合は送金取組時に2,500円を支払う運用です。

Global e-Tradeサービスは、法人向けインターネット窓口「ValueDoor」を通じて利用し、仕向送金・被仕向送金・輸入信用状・輸出取引を一体で扱えます。オンライン送金でコストを抑えつつ、輸出入の貿易金融までメガバンクで一元化したい法人に向いた選択肢です。

12. みずほ銀行(株式会社みずほ銀行)

みずほ銀行(法人向け海外送金)のウェブサイト

みずほ銀行の外国送金(仕向送金)は、電子バンキング経由で手続きすると手数料が割安になる点が分かりやすい選択肢です。電信送金の仕向送金手数料は他行向けで7,500円ですが、法人向け電子バンキング「みずほ e-ビジネスサイト」の利用時は4,000円になります(本支店向けは7,000円→3,500円)。

これに、中継銀行にあたるコルレス先支払手数料2,500円や、円⇔外貨の交換を伴う場合の円為替取扱手数料(送金金額の1/20%=0.05%、最低2,500円)が加わります。みずほ e-ビジネスサイトでは、外国向け送金の依頼から処理状況の確認、SWIFT電文や計算書のダウンロードまでオンラインで行えます。

海外78拠点(2025年6月30日現在)を持ち、輸出入信用状(L/C)・輸出手形買取・保証状発行・為替予約といった貿易決済に必要な外為業務を、海外送金とワンストップで扱える点が強みです。少額・スピード重視の送金よりも、貿易実需や大口・与信を伴う法人取引に向いています。

13. SBI新生銀行(株式会社SBI新生銀行)

SBI新生銀行(法人向け海外送金)のウェブサイト

SBIグループ傘下のSBI新生銀行は、法人が自行の口座から外国送金・国内外貨送金を行える「外国送金Webサービス」を提供しています。米ドル・ユーロ・英ポンド・韓国ウォンなど13通貨に対応し、法人口座と法人向けインターネットバンキングの契約があれば利用できます。

外貨建て送金でかかる為替手数料は、取引ステータス(ステージ)に応じて変わり、米ドルは片道7〜15銭の範囲です。送金1件あたりの手数料の実額は送金方法により異なるため、法人向けの正確な料金は公式サイトまたは窓口での確認が必要です。1回200万円超、または月間・年間で360万円超の送金では、資金源泉や送金目的を確認する書類の提出が求められます。

あわせて、グループ会社SBIレミット株式会社の「国際送金サービス」への顧客紹介も行っており、こちらは190以上の国の銀行口座宛に送金できます。銀行本体の外国送金Webサービスと、対応国の広いSBIレミットの送金網を、用途や仕向国に応じて使い分けられる二層構成になっています。

14. SBJ銀行(株式会社SBJ銀行)

SBJ銀行(法人向け海外送金)のウェブサイト

韓国の新韓金融グループの日本現地法人であるSBJ銀行は、韓国・アジア圏への送金にグループネットワークを活かせる在日銀行です。送金先が新韓銀行なら最短1営業日で着金します(受取国や送金内容によっては1営業日で着金しない場合もあります)。

円建て送金の取扱手数料は3,000円で、これに送金金額帯に応じた為替手数料(100万円以下は1,000円、300万円以下は1,500円)が加わります。韓国ウォン建て送金は取扱手数料が2,000円と、米ドル・ユーロ・英ポンド(各3,000円)より優遇され、受取銀行手数料も韓国新韓銀行宛は3,000円、その他銀行宛は5,000円と、グループ内送金が有利な設計です。

東京・横浜・名古屋・大阪・神戸・福岡に支店を展開し、来店手続きと法人向けインターネットバンキング「SBJ Biz-DIRECT」でのオンライン申込の両方に対応します。SBJ Biz-DIRECT の利用手数料と当行内振込手数料は無料です。韓国・アジア圏への送金が多い法人にとって有力な選択肢となります。

資金移動業者(銀行以外)は安全か?法的位置づけと選び方

WiseやPayoneerのような銀行以外の海外送金サービスを使うとき、「銀行ではないのに、預けたお金は大丈夫なのか」と不安に感じる方は少なくありません。結論から言えば、これらは無許可の事業者ではなく、法律にもとづいて登録された「資金移動業者」です。ここでは、その法的な位置づけと、利用者の資金がどう守られるのかを確認します。

資金移動業者とは(資金決済法にもとづく登録制度)

資金移動業者とは、銀行以外で為替取引(送金)を業として営む事業者のうち、資金決済に関する法律(資金決済法)にもとづいて登録を受けた者を指します。銀行のように免許を得ているわけではありませんが、無登録で送金業を営めるわけでもなく、内閣総理大臣(実務上は各財務局)の登録が必要です。

この法律において「資金移動業」とは、銀行等以外の者が為替取引を業として営むことをいう。(第二条第2項) この法律において「資金移動業者」とは、第三十七条の登録を受けた者をいう。(第二条第3項)

出典:資金決済に関する法律 第二条(e-Gov法令検索

つまり「銀行ではない=無許可・危険」ではなく、登録を受けた事業者は法律の規制のもとで送金業を営んでいます。実際にサービスを選ぶ際は、金融庁が公表する「資金移動業者登録一覧」で登録の有無と登録番号を確認できます。

本記事で紹介する専門サービスのうち、Wise(ワイズ・ペイメンツ・ジャパン)・Payoneer(ペイオニア・ジャパン)・Airwallex(Airwallex Japan)・PayForex(Queen Bee Capital)・SBIレミットは、いずれも関東財務局長の登録を受けた資金移動業者です。

  • 出典:資金移動業者登録一覧(金融庁)※登録番号は基準日により更新されます

送金上限は登録の種別で異なる(第一種・第二種・第三種)

資金移動業には3つの種別があり、1回に送金できる金額の上限が異なります。第一種は上限がなく、第二種は1件100万円以下、第三種は1件5万円以下と定められています。「資金移動業者は少額しか送れない」と誤解されがちですが、第一種の登録を受けた事業者なら、高額の法人送金にも対応できます。

この章において「第二種資金移動業」とは、資金移動業のうち、少額として政令で定める額以下の資金の移動に係る為替取引のみを業として営むこと(第三種資金移動業を除く。)をいう。(第三十六条の二第2項)

法第三十六条の二第二項に規定する少額として政令で定める額は、百万円に相当する額とする。(施行令 第十二条の二第1項)

出典:資金決済に関する法律 第三十六条の二(e-Gov法令検索)/同法施行令 第十二条の二(e-Gov法令検索

自社の1回あたりの送金額が大きい場合は、利用しようとするサービスの登録種別と送金上限を確認しておくと安心です。本記事で紹介する専門サービスの登録種別と送金上限を整理すると、次のようになります。

← 横にスクロールできます →
登録種別第一種資金移動業第二種資金移動業
1回の送金上限上限なし1件100万円以下
本記事掲載の専門サービスWise Business(第一種・第二種の両方を登録)Payoneer/Airwallex/PayForex/SBIレミット

1回100万円を超える大口の送金を専門サービスで行いたい場合、第一種の登録を受けたWise Business(銀行振込を経由する送金)のように、高額送金に対応する事業者かどうかがポイントになります。第二種のみのサービスでは、1回の送金を100万円以下に分けるか、大口対応の銀行を選ぶことになります。

利用者資金の保全(履行保証金の供託・信託)

資金移動業者は、利用者から預かった資金を保全する義務を負っています。銀行預金のように預金保険(ペイオフ)で保護されるわけではありませんが、無防備でもありません。資金決済法は、利用者に対して負う債務相当額(要履行保証額)以上を、履行保証金として供託所に供託するよう定めています。

資金移動業者は、次の各号に掲げる資金移動業の種別に応じ、当該各号に定めるところにより、資金移動業の種別ごとに履行保証金をその本店(略)の最寄りの供託所に供託しなければならない。(第四十三条)

出典:資金決済に関する法律 第四十三条(e-Gov法令検索

保全の方法は供託だけでなく、金融機関との保全契約(第44条)や信託会社との信託契約(第45条)によることも認められています。さらに、万が一その資金移動業者が破綻した場合でも、利用者は供託された履行保証金から、ほかの債権者に先立って弁済を受ける権利を持ちます(第59条)。

  • 出典:資金決済に関する法律 第四十四条・第四十五条・第五十九条(e-Gov法令検索

ただし、この仕組みは「預けた全額が必ず即時に戻る」ことを保証するものではなく、還付には所定の手続きを要します。とはいえ、登録・送金上限・資金保全という法律の枠組みを理解しておけば、専門サービスを過度に不安視することなく、コスト面の利点を活かして選べます。

法人が海外送金する際の必要書類と手続きの流れ

海外送金の手段を選んだら、次は実際の手続きです。法人が海外送金を始めるには、口座開設・利用登録の際に本人確認や送金目的の申告が求められます。ここでは、一般的な手続きの流れと、準備しておく書類を確認します。

手続きの流れ

まず、銀行口座の開設または送金サービスへの法人アカウント登録を行い、法人と代表者の本人確認(KYC)を受けます。登録が完了したら、送金ごとに受取人の情報(氏名・銀行名・口座番号・SWIFTコードなど)と送金目的を入力し、送金を実行します。銀行送金では着金まで数営業日、専門サービスでは即日〜1営業日が目安です。

初回の口座開設・登録には審査があり、数日〜数週間かかることがあります。急ぎの送金予定がある場合は、余裕をもって手続きを始めておくと安心です。

必要書類

法人の海外送金では、銀行・資金移動業者ともに「特定事業者」として、犯罪収益移転防止法にもとづく取引時確認が義務づけられています。そのため、法人の実在と代表者・取引目的の確認に必要な書類を求められます。

一般的に必要となるのは、登記事項証明書(登記簿謄本)などの法人確認書類、代表者や送金担当者の本人確認書類、そして送金の目的や取引内容がわかる書類(請求書・契約書など)です。法人の場合は、名称・所在地・取引目的・事業内容に加え、実質的支配者の確認が求められる点が個人の送金と異なります。

  • 出典:犯罪による収益の移転防止に関する法律 第四条(e-Gov法令検索

また、国外へ送金する際は、送金者が金融機関に対して「告知書」を提出し、法人番号や送金の原因となる取引の内容を申告する義務があります。必要書類の細目(登記事項証明書の有効期限など)は各社の運用により異なるため、利用するサービスの案内も合わせて確認してください。

  • 出典:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第三条(e-Gov法令検索

法人の海外送金で押さえる税務・会計の注意点

海外送金そのものに税金がかかるわけではありませんが、一定額を超える送金は税務当局に把握される仕組みがあり、会計処理でも押さえておくべき点があります。ここでは、法人が知っておきたい税務・会計の注意点を整理します。

国外送金等調書(100万円超)と高額送金の報告

1回の海外送金額が100万円を超える場合、送金を取り扱った金融機関が「国外送金等調書」を作成し、所轄税務署長に提出します。これは脱税を疑うものではなく、適正な課税を確保するための制度で、100万円超の送金は税務署に記録が届くことになります。送金者側も、送金時に送金目的や法人番号を金融機関へ告知する義務があります。

  • 出典:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第四条(e-Gov法令検索)/国外送金等調書制度(国税庁

さらに、1回の送金額が3,000万円相当額を超える場合は、外国為替及び外国貿易法(外為法)にもとづき、送金した当事者が事後報告を行う必要があります。国外送金等調書(金融機関が提出)とは別の制度で、大口送金を行う法人は混同しないよう注意してください。

  • 出典:外国為替及び外国貿易法にもとづく支払等の報告(財務省

送金手数料・為替差損の経費・損金計上

海外送金にかかった送金手数料は、法人の経費(支払手数料など)として計上できます。また、円と外貨を交換する際に生じる為替差損は損金に、為替差益は益金に算入します。外貨建ての取引が多い法人では、送金日のレートで円換算した金額を正しく記帳することが、決算時の為替差損益の把握につながります。

会計処理の具体的な方法や、外貨建て取引の換算基準は自社の会計方針や顧問税理士の判断によるため、送金の記録(送金日・レート・手数料)を残しておき、専門家に相談できる状態を整えておくとよいでしょう。

まとめ|自社の送金に合う手段を3タイプから選ぶ

法人の海外送金は、店舗型銀行・ネット銀行・海外送金専門サービスの3つの手段から、自社の送金の性質に合わせて選ぶことが基本です。日常の小口・高頻度の支払いはコストの低い専門サービス、口座と送金の一元管理はネット銀行、大口・信頼性重視の決済はメガバンク、という使い分けが目安になります。

手段を比べるときは、送金手数料の額面だけでなく、為替スプレッドを含めた総額で「実際に相手へ届く金額」を見ることが重要です。銀行以外の専門サービスを使う場合も、資金移動業者としての登録と資金保全の仕組みを理解すれば、コスト面の利点を安心して活かせます。

自社の送金額・頻度・通貨を整理して候補を絞り込み、気になったサービスの資料を取り寄せて、手数料や対応通貨を具体的に比べてみてください。

法人の海外送金でよくある質問(FAQ)

Q. 法人の海外送金とは何ですか?

A. 法人の海外送金とは、企業が海外の取引先や自社の海外拠点へ、外貨または円を国境を越えて送ることを指します。輸入代金や外注費の支払い、海外子会社への資金移動、越境ECの仕入れなどに使われます。送る手段は店舗型銀行・メガバンク、ネット銀行、海外送金に特化した専門サービス(資金移動業者)の3つに大きく分けられ、手数料・為替レートの決め方・送金スピード・対応通貨に違いがあります。

Q. 法人の海外送金で手数料が一番安いのはどの手段ですか?

A. 法人の海外送金で手数料が安いのは、小口・高頻度なら為替スプレッドが小さく送金手数料も低めの専門サービスやネット銀行が有利になりやすいです。ただし安さは送金額・頻度・通貨で変わり、大口では送金手数料より為替スプレッドの影響が大きくなるため、実勢レートに近いレートを使えるかで総額が決まります。送金手数料の額面でなく、為替スプレッドを含めた「実際に届く金額」で比べることが重要です。

Q. 海外送金の「隠れコスト」とは何ですか?

A. 海外送金の隠れコストとは、送金画面に明示されない為替手数料(為替スプレッド)と、着金までに経由する中継銀行手数料・受取手数料を指します。特に為替スプレッドは提示レートに溶け込み、いくら取られているか分かりにくいのが特徴です。送金手数料が無料でも為替スプレッドが大きければ相手に届く金額は目減りします。総額で比較するときは、この為替コストと中継・受取の手数料まで含めて見ることが必要です。

Q. 法人の海外送金は何日で届きますか?

A. 法人の海外送金が届くまでの日数は、専門サービスは即日〜1営業日程度、ネット銀行は1〜3営業日程度、店舗型銀行は2〜7営業日程度が目安です。中継銀行を経由しない独自ネットワークを持つ専門サービスは着金が速く、SWIFTを使う銀行送金は経由する銀行の数で日数が延びることがあります。急ぎの送金では、手段ごとの着金スピードと、初回の口座開設・登録審査に要する期間の両方を確認しておくと安心です。

Q. 法人が海外送金する際に必要な書類は何ですか?

A. 法人の海外送金では、登記事項証明書などの法人確認書類、代表者等の本人確認書類、送金目的がわかる請求書・契約書などが一般的に必要です。銀行・資金移動業者ともに犯罪収益移転防止法にもとづく取引時確認が義務づけられ、法人の名称・所在地・取引目的・事業内容に加え、実質的支配者の確認を求められる点が個人と異なります。書類の細目は各社の運用で異なるため、各サービスの案内も確認してください。

  • 出典:犯罪による収益の移転防止に関する法律 第四条(e-Gov法令検索

Q. 法人の海外送金に送金限度額はありますか?

A. 法人の海外送金の限度額は、銀行では商品ごとの設定によりますが、資金移動業者では登録の種別で1回の上限が定められています。第一種は上限なし、第二種は1件100万円以下、第三種は1件5万円以下です。第二種では1回100万円を超える送金ができないため、大口決済ではこの点が制約になります。1回あたりの送金額が大きい場合は、利用するサービスの登録種別と送金上限を事前に確認しておくとよいでしょう。

Q. 銀行以外の資金移動業者(専門サービス)は安全ですか?

A. 銀行以外の海外送金サービスは、資金決済法にもとづき財務局の登録を受けた「資金移動業者」であり、無許可の事業者ではありません。登録の有無と登録番号は、金融庁が公表する「資金移動業者登録一覧」で確認できます。

預金保険(ペイオフ)の対象ではありませんが、資金移動業者は利用者から預かった資金相当額を履行保証金として供託・信託などで保全する義務を負い、破綻時も利用者は他の債権者に先立って弁済を受ける権利があります。登録・送金上限・資金保全の枠組みを理解すれば、過度に不安視せずコスト面の利点を活かして選べます。

  • 出典:資金決済に関する法律 第四十三条〜第四十五条・第五十九条(e-Gov法令検索)/資金移動業者登録一覧(金融庁

Q. 法人の海外送金に税金はかかりますか?

A. 法人の海外送金は、送金そのものに税金はかかりませんが、1回100万円を超える送金は金融機関が「国外送金等調書」を作成し所轄税務署長に提出します。脱税を疑う制度ではなく適正な課税のための仕組みで、100万円超の送金は税務署に記録が届きます。送金者側も送金時に送金目的や法人番号を告知する義務があります。さらに1回3,000万円相当額を超える送金は、外為法にもとづく事後報告が別途必要です。

  • 出典:内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律 第四条(e-Gov法令検索)/外国為替及び外国貿易法にもとづく支払等の報告(財務省

Q. 海外送金の手数料は経費にできますか?

A. 海外送金にかかった手数料は、法人の経費(支払手数料など)として計上でき、円と外貨の交換で生じる為替差損は損金に、為替差益は益金に算入します。外貨建て取引では送金日のレートで円換算して記帳することが決算時の為替差損益の把握につながります。会計処理の方法や換算基準は会計方針や顧問税理士の判断によるため、取引の記録を残し、専門家に相談できるようにしておくとよいでしょう。

Q. 法人の海外送金は銀行と専門サービスのどちらを選べばよいですか?

A. 法人の海外送金の手段は、小口・高頻度でコストを抑えたいなら専門サービス、口座と送金を一元管理したいならネット銀行、大口や貿易金融・対面サポート重視ならメガバンク、という使い分けが基本です

日常の外注費やSaaS利用料の支払いは総コストの低い専門サービス、1回100万円を超える大口決済や信用状(L/C)取引を伴う送金は店舗型銀行が向きます。自社の送金額・頻度・送金先の通貨を整理したうえで候補を絞り込むと選びやすくなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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