取引先の倒産や支払遅延で売掛金が回収できなくなることに、不安を感じていませんか。とくに特定の大口取引先に売上が偏っている場合、1社の貸し倒れが資金繰りを直撃し、経営そのものを揺るがしかねません。掛け売り(BtoBの後払い取引)が前提のビジネスでは、未回収リスクへの備えが避けて通れない課題になっています。
こうした未回収リスクへの備えとして広がっているのが、売掛保証サービスです。取引先の倒産・支払遅延で回収できなくなった売掛金を、保証会社が保証限度額の範囲で肩代わりする仕組みで、与信審査も保証会社に委ねられます。資金調達が目的の買取型ファクタリングや、損害保険商品である取引信用保険、請求業務を肩代わりする請求代行とは、目的も使いどころも異なります。
本記事では、主要な売掛保証サービス12社を、料金体系・保証範囲・保証限度額・審査スピードといった選定軸で横並びに比較・解説します。仕組みや類似手段との違い、目的別の選び方まで整理しているので、自社の取引先数や売掛金規模に合うサービスを見極める材料としてご活用ください。
また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
売掛保証サービスとは?
売掛保証サービスとは、取引先の倒産や支払遅延によって回収できなくなった売掛金(売掛債権)を、あらかじめ定めた保証限度額の範囲で保証会社が肩代わりするサービスです。BtoBで掛け売りを行う企業が、取引先ごとの与信審査を保証会社に委ねながら、未回収による損失をあらかじめ補填してもらえる点が特徴です。
売掛保証の仕組みと保証対象
売掛保証は、自社・取引先・保証会社の三者で成り立ちます。自社が保証を希望する取引先を登録すると、保証会社がその取引先の信用力を審査し、保証限度額と保証料を提示します。契約後に取引先が倒産したり支払が滞ったりした場合、自社は保証会社へ未払いを報告し、保証限度額の範囲で保証金を受け取ります。

保証の対象になるのは、主に取引先の倒産による回収不能と、一定期間の支払遅延です。倒産時のみを対象とするサービスと、支払が所定の期間を超えて遅延した場合も対象に含めるサービスがあり、どこまでカバーされるかは契約内容によって異なります。自社の取引で実際に起きやすいリスクが対象に含まれているかを、契約前に確認しておくことが重要です。
「保証ファクタリング」という別称と買取型との違い
売掛保証は「保証ファクタリング」「保証型ファクタリング」と呼ばれることもあります。同じ「ファクタリング」という言葉が使われるため、売掛金を売却して資金化する買取型ファクタリングと混同されがちですが、両者は目的がまったく異なります。
保証ファクタリング(売掛保証)は、売掛金を保有したまま未回収リスクだけを保証会社に移す備えの手段です。一方の買取型ファクタリングは、売掛金そのものを保証会社や買取会社に譲渡し、支払期日より前に資金を受け取る資金調達の手段です。名称が似ていても、前者は損失への備え、後者は資金繰りの改善が目的であり、利用する場面が分かれます。詳しい違いは次の章で整理します。
売掛保証と類似サービスの違い
売掛保証は、買取型ファクタリング・取引信用保険・請求代行と機能の一部が重なるため、混同されやすいサービスです。それぞれ目的と守備範囲が異なるため、ここでは混同しやすい順に違いを整理します。

買取型ファクタリングとの違い
最も混同されやすいのが買取型ファクタリングです。買取型ファクタリングは売掛金を期日前に売却して現金化する資金調達(攻め)の手段であり、手元資金を早く厚くしたいときに使います。これに対し売掛保証は、売掛金を持ったまま貸し倒れに備えるリスクヘッジ(守り)の手段です。
資金化のタイミングにも違いがあります。買取型ファクタリングは売却によってすぐに資金を得られますが、売掛保証は取引先が実際に支払不能になった後に保証金が支払われるため、平常時に資金が増えるわけではありません。資金繰りを改善したいのか、未回収による損失を防ぎたいのかで、選ぶ手段が分かれます。
未回収への備えではなく、売掛金を早期に資金化したい場合は、買取型ファクタリングの仕組みや手数料、業者の選び方を解説した以下の記事もあわせてご確認ください。
取引信用保険との違い・使い分け
取引信用保険は、損害保険会社が提供する保険商品で、取引先の倒産などによる売掛金の損失を補償する点では売掛保証と目的が重なります。「保険でいくか、サービスでいくか」で迷う読者が多いため、対象範囲・保証限度額・手続き・コストの観点で違いを押さえておく必要があります。
一般に取引信用保険は、自社の取引先全体(包括)を対象とし、高額・大口の債権にも対応できる保証限度額の大きさが強みです。その分、契約には取引データの提出など一定の手続きが求められます。一方、売掛保証サービスは取引先を1社単位や請求書単位で柔軟に登録でき、手続きが簡便なものが多い傾向です。高額・包括で備えるなら取引信用保険、特定先やスポットで備えるなら売掛保証、という使い分けが基本です。
なお、取引信用保険が損害保険会社の保険商品である点は、損害保険会社が提供する商品ページからも確認できます(例として、東京海上日動火災保険の国内取引信用保険)。
請求代行との違い
請求代行は、請求書の発行・送付・入金消込・督促といった請求業務を代行するサービスで、経理の事務負担を軽減することが主な目的です。請求代行そのものは未回収リスクを肩代わりする機能を持つとは限らず、保証の有無はサービスによって異なります。
両者の境界が分かりにくいのは、請求代行に与信と未回収保証を一体化したサービスが増えているためです。この一体型では、請求業務の代行に加えて取引先の与信審査と100%の支払保証を組み合わせ、事務負担の軽減と未回収リスク対策を同時に実現します。事務効率化だけが目的なら請求代行、未回収リスクへの備えも求めるなら保証一体型または売掛保証サービス、と整理できます。
すでに支払いが滞っている売掛金を回収したい場合は、保証では対応できません。督促や法的手段を含めた回収を専門業者に任せたいときは、売掛金回収代行サービスの選び方を解説した以下の記事が参考になります。
売掛保証サービスを導入するメリット
売掛保証サービスを導入することで、未回収リスクへの備えにとどまらず、与信管理の負担軽減や新規開拓の後押しといった効果が期待できます。ここでは主なメリットを整理します。
未回収リスクを解消できる点が最大のメリットです。取引先が倒産・支払不能に陥っても、保証限度額の範囲で売掛金が補填されるため、貸し倒れによる損失を回避できます。とくに大口取引先への依存度が高い企業にとって、1社の貸し倒れが経営に与える打撃を抑える効果は大きいといえます。
与信管理の負担を軽減できるのも実務上の利点です。取引先の信用調査や与信限度の設定を保証会社に委ねられるため、与信のノウハウや人手が社内に乏しくても、取引判断を仕組みに乗せられます。属人的になりがちな与信業務を標準化できる点も利点です。
保証で外部に委ねるのではなく、入金消込や与信を含む債権管理そのものを社内で仕組み化したい場合は、債権管理システムのタイプ・課題別の選び方を解説した以下の記事もご覧ください。
多くのサービスは取引先に知られず利用できる(非通知)仕組みを採っており、保証契約を結んでいることが取引先に伝わらないため、取引関係に影響を与えずに備えられます。また、与信不安で踏み込めなかった新規取引先とも、保証を前提にすれば安心して取引を始めやすくなり、新規開拓を後押しする効果も見込めます。守りの手段でありながら、攻めの取引拡大につながる点が特徴です。
売掛保証の導入前に知っておくべきデメリット・注意点
メリットの一方で、導入後に「思っていたものと違った」とならないよう、あらかじめ把握しておくべき注意点もあります。コストと審査、資金化のタイミングの3点を確認しておきましょう。
保証料(手数料)がかかり、利益率を圧迫する可能性があります。保証料は保証額や取引先の信用度に応じて発生する継続的なコストであり、保証範囲を広げるほど負担も増えます。守りたい売掛金の規模と保証料のバランスを見極め、費用対効果が見合うかを検討する必要があります。
すべての取引先に保証が付くわけではありません。保証の可否は取引先ごとの与信審査によって決まるため、信用力が低いと判断された取引先は審査に通らず、保証対象から外れることがあります。最も保証してほしい取引先ほど審査が通りにくいケースもあるため、登録したい取引先が対象になるかは事前に確認しておくと安心です。
また、売掛保証は即日現金化できる手段ではありません。保証金が支払われるのは、取引先が実際に倒産・支払不能となり、所定の手続きを経た後です。平常時の資金繰りを改善したい場合は、買取型ファクタリングなど別の手段を検討する必要があります。売掛保証はあくまで未回収リスクへの「備え」であると理解しておくことが大切です。
売掛保証の導入が向いている企業の特徴
売掛保証は、すべての企業に等しく必要なわけではありません。自社が導入を検討すべき状況かどうかを、以下の3つの特徴から判断してみましょう。
特定の大口取引先に売上を依存している
売上の多くを少数の大口取引先に依存している企業は、その1社が倒産・支払不能に陥ると、資金繰りが一気に悪化し経営の継続が難しくなる恐れがあります。1社あたりの貸し倒れインパクトが大きい企業ほど、売掛保証による備えの価値が高まります。主要取引先の信用不安を常に抱えている場合は、優先的に検討すべきといえます。
与信調査のノウハウ・人手が社内に乏しい
取引先の信用調査や与信限度の設定には専門的な知見が必要ですが、中小企業では担当者を置く余裕がなく、与信管理が回りきらないことも少なくありません。売掛保証を利用すれば、取引先の与信審査を保証会社のノウハウに委ねられるため、社内に専門人材がいなくても取引判断を仕組みに乗せられます。与信業務の属人化を解消したい企業にも適しています。
支払サイトが長く長期間の売掛債権を抱えている
支払サイト(請求から入金までの期間)が長い取引では、売掛金を回収するまでの間に取引先の経営状況が変化するリスクが高まります。回収までの期間が長く、長期間にわたって多額の売掛債権を抱える企業は、その間の未回収リスクが積み上がりやすいため、長い回収期間をカバーする備えとして売掛保証が有効です。建設業など支払サイトが長くなりがちな業態では、とくに検討の価値があります。
売掛保証サービスのタイプと向いている企業
本記事で扱う12サービスは、まず大きく2つに分かれます。純粋に売掛保証だけを探すなら保証専業タイプ(包括・個別・高保証限度額・請求書単位の4タイプ)、請求業務ごと外注したいなら請求代行一体型(掛け払い・後払い決済に保証を組み込んだタイプ)です。自社が「保証だけ欲しい」のか「請求・回収もまとめて任せたい」のかで、見るべき範囲が分かれます。
そのうえで売掛保証サービスは、何を・どこまで保証したいかという利用目的によって、大きく5つのタイプに分けられます。自社が「取引先全体をまとめて守りたいのか」「特定の大口だけを守りたいのか」「高額債権をしっかり守りたいのか」を起点にタイプを絞り込むと、候補が選びやすくなります。まずは全体像を一覧で確認しましょう。
| タイプ | 特徴 | 該当する主なサービス | 詳細 |
|---|---|---|---|
| 取引先をまとめて包括保証 | 取引先数の上限を設けず、月額定額や包括契約でまとめて保証します。与信管理を丸ごと委ねたい企業に向きます。 | URIHO、GMO BtoB売掛保証、イー・ギャランティ | 比較表を見る |
| 特定の大口取引先を個別保証 | 保証対象を特定の取引先に絞り、1社あたりの保証額や条件を個別に設定します。守りたい相手が明確な企業に向きます。 | リコーリースの債権保証(Mamotte)、Secured Monster | 比較表を見る |
| 高額・大口を高保証限度額で保証 | 取引先数より1社・総額の保証限度額の大きさを重視します。建設業など高額債権が発生する業態に向きます。 | 三井住友F&L リスクマネジメントプラン、みずほ国内ファクタリング回収保証 | 比較表を見る |
| 請求書単位・スポットで保証 | 請求書1件単位や使った分だけ保証します。一見客や新規取引が多い事業者に向きます。 | Misoca回収保証 | 比較表を見る |
| 請求業務の代行と保証を一体化 | 請求書発行・入金消込・督促まで代行し、未回収も保証します。請求業務ごと任せたい企業に向きます。 | 請求まるなげロボ、RP掛け払い、NP掛け払い、マネーフォワード掛け払い | 比較表を見る |
※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の保証内容や
提供形態については各社情報をご確認ください。
ここからは、それぞれのタイプがどのような保証で、どのような企業に向いているのかを順に解説します。
①取引先をまとめて包括保証
取引先の数に上限を設けず、自社の売掛取引全体をまとめて保証するタイプです。月額定額や包括契約の料金体系を採ることが多く、取引先が増えても1社ごとに契約し直す手間がかかりません。取引先が多く、与信管理を丸ごと保証会社に委ねたい企業に向いています。
個々の取引先を細かく選んで保証するのではなく、取引全体の未回収リスクを面で押さえたい場合に適したタイプです。取引先の出入りが多い企業でも、登録の追加・変更で柔軟に運用できます。
②特定の大口取引先を個別保証
保証したい取引先を特定の数社に絞り、1社あたりの保証額や条件を個別に設定するタイプです。守りたい相手が明確で、その取引先の保証だけを手当てしたい場合に無駄が出にくい構成です。保証対象を限られた大口取引先に絞り込みたい企業に向いています。
取引先全体を包括で保証するほどの規模は必要ないものの、特定の1〜数社への依存度が高いという企業に適しています。1社あたりの取引金額が一定の範囲に収まるケースで使いやすいタイプです。
③高額・大口を高保証限度額で保証
設定できる取引先数の多さよりも、1社あたりまたは総額の保証限度額の大きさを重視するタイプです。億単位の高額債権にも対応できるサービスがあり、建設業など高額な売掛債権が発生する業態に向いています。損害保険会社が提供する取引信用保険も、高保証限度額・包括での備えを求める場合の選択肢になります。
1件あたりの取引金額が大きく、万一の貸し倒れ時の損失が甚大になる業態では、保証限度額が自社の債権規模に見合うかが選定の決め手になります。高額債権を扱う企業ほど、このタイプと取引信用保険を比較対象に入れて検討する価値があります。
④請求書単位・スポットで保証
継続契約でまとめて保証するのではなく、請求書1件単位や使った分だけ保証する従量型のタイプです。常時すべての取引を保証する必要はないが、不安な取引だけスポットで備えたいという場合に適しています。一見客が多いサービスや、新規取引先が多い事業者に向いています。
取引のたびに相手が変わる業態や、新規顧客の信用が読みにくい事業では、必要な取引にだけ保証を付けられる柔軟さが利点になります。固定費を抑えつつ、リスクの高い取引だけを選んで備えられるタイプです。
⑤請求業務の代行と保証を一体化
請求書の発行・送付・入金消込・督促といった請求業務の代行に、取引先の与信審査と未回収保証を組み合わせたタイプです。事務負担の軽減と未回収リスク対策を1つのサービスで実現できます。請求業務ごと外部に任せ、与信と保証も同時に手当てしたい企業に向いています。
経理の人手が限られ、請求から回収までの工数を圧縮したい企業に適しています。掛け売りに伴う与信・請求・回収の一連の業務をまとめて委ねられるため、バックオフィスの効率化と未回収対策を両立させたい場合に適しています。
しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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失敗しない売掛保証サービスの選び方(比較ポイント)
タイプの当たりを付けたら、次は具体的なサービスを比較します。売掛保証サービスは、保証範囲・料金・審査スピード・保証会社の信頼性という4つの観点で評価すると、自社に合う候補を絞り込みやすくなります。

保証範囲・保証限度額が自社に合うか
最初に確認したいのが、保証範囲と保証限度額です。倒産だけを対象とするのか、支払遅延までカバーするのかはサービスによって異なり、自社で起きやすいリスクが対象に含まれているかが重要になります。あわせて、1社あたり・総額の保証限度額が、守りたい売掛金の規模に見合っているかを確認します。保証限度額が自社の債権規模より小さければ、いざというときに損失を補いきれません。
料金体系が予算に合うか
料金体系が自社の予算と運用に合っているかも重要な比較軸です。売掛保証の料金には保証料率型・月額定額型・併用型があり、取引の頻度や保証したい規模によって有利な体系が変わります。スポット利用が中心なら使った分だけ支払う体系、常時広く保証するなら定額型が向くなど、自社の使い方に照らして総コストを試算することが大切です。最低契約期間の有無も、解約のしやすさに関わるため確認しておきましょう。
審査スピードがビジネスチャンスを逃さないか
取引先の与信審査にかかる時間も見逃せません。新規取引の商談が動いているとき、審査結果が出るまでに時間がかかると、保証を前提とした取引開始のタイミングを逃しかねません。登録した取引先の保証可否がどれくらいの期間で判明するかは、新規開拓を積極的に進めたい企業ほど重視すべきポイントです。最短即日や数日で審査結果が出るサービスもあります。
保証会社の信頼性・実績・履行体制
いざというときに確実に保証金が支払われるかは、保証会社の信頼性に左右されます。保証の履行体制が整っているか、導入実績や運営母体に裏付けがあるかを確認しておくことで、安心して長く利用できます。専業の保証会社、損保・リース・銀行系、与信管理ベンダーなど運営母体はさまざまで、それぞれ強みが異なります。保証履行までの手続きや支払いの実績についても、資料で確認しておくとよいでしょう。
売掛保証サービスの料金体系と費用相場
売掛保証サービスの費用は、料金体系の違いと、保証する対象の条件によって大きく変わります。保証料率は取引先の信用度に応じて個別に決まり、料率を非公開とするサービスも多いため一律の相場は示しにくいものの、公表されている分だけでも料金の当たりはつきます。ここでは料金の決まり方を4つのパターンに整理し、公表されている費用レンジと、費用を左右する要素を確認します。
料金体系の4パターン(保証料率型・月額定額型・併用型・決済手数料率型)
売掛保証の料金は、主に保証料率型・月額定額型・併用型・決済手数料率型の4パターンに分かれます。保証料率型は、保証する売掛金額に一定の料率を掛けて保証料を算出する方式で、保証したい金額が変動する場合に費用が連動します。月額定額型は、取引先数や保証枠の範囲内で毎月一定額を支払う方式で、取引先が多くても費用が読みやすいのが特徴です。併用型は、基本料金に保証額に応じた料率を組み合わせる方式です。
4つ目の決済手数料率型は、請求代行一体型(掛け払い・後払い決済)のサービスに見られる方式です。前の3パターンが保証額に対する保証料率や月額であるのに対し、決済手数料率型は取引額(決済額)に対する手数料率で課金されるため、課金のベースが異なります。同じ「○%」でも、保証料率型の%(保証額ベース)と決済手数料率型の%(取引額ベース)は意味が違う点に注意が必要です。
公表されている費用レンジで当たりをつけると、保証料率型は保証額に対し月利0.5%程度から(格付・信用度により変動)、月額定額型は月額9,800円程度から保証枠の大きさにより数万円規模までが目安です。スポット型は1通あたり数百円からの少額従量で、一例として10万円まで800円+超過1万円ごと80円といった水準です。各社の実額は後述の比較表で横並びに確認できます。
決済手数料率型(請求代行一体型)は取引額に対しおおむね0.5%〜3.5%程度の幅で、サービスによっては固定の月額費用(月額1万円台〜)が加わります。いずれも与信審査により変動するため、各社の具体的な数値は後述の比較表で横並びに確認できます。
どの体系が有利かは自社の使い方によって変わります。スポットや一部の取引先だけを保証するなら保証料率型、取引先全体を継続的に保証するなら月額定額型、請求業務ごと委ねるなら決済手数料率型が向きやすい傾向です。あわせて、最低契約期間が設定されているサービスもあるため、短期利用を想定している場合は契約期間の縛りも確認しておく必要があります。
費用を左右する要素(取引先の信用度・保証限度額・支払サイト)
同じサービスでも、保証料は契約条件によって変動します。とくに影響が大きいのが取引先の信用度・保証限度額・支払サイトの3つです。取引先の信用度が低いほど保証会社の負うリスクが高まり、保証料率も上がりやすくなります。逆に信用力の高い取引先であれば、保証料は抑えられる傾向です。
保証限度額を大きく設定するほど、また支払サイトが長く保証期間が延びるほど、保証会社のリスクが増えるため費用は高くなりやすくなります。保証料率は取引先の信用度や保証条件によって変動するため、相場を一律に示すことは難しく、実際の費用は見積もりで確認するのが確実です。守りたい売掛金の規模と保証料のバランスを見ながら、費用対効果が見合う範囲で保証範囲を設計することが大切です。
| 料金体系 | 保証料率型 | 月額定額型 | 併用型 | 決済手数料率型 (請求代行一体型) |
|---|---|---|---|---|
| 費用の決まり方 | 保証する売掛金額に一定の料率を掛けて保証料を算出 | 取引先数や保証枠の範囲内で毎月一定額を支払う | 基本料金(月額)に保証額へ応じた料率を組み合わせる | 取引額(決済額)に対する手数料率で課金(+月額固定費の場合あり) |
| 費用感の目安 | 保証額・取引先の信用度に連動 (料率は個別審査で変動。多くが非公開・要見積もり) | 月額9,800円〜(小口)から数万円規模 (保証枠の大きさで段階設定) | 月額固定費+使った分の保証料 (保証料率は審査により変動) | 取引額に対し約0.5〜3.5% (保証額ベースの保証料率とは課金ベースが異なる) |
| 向いている使い方 | スポットや一部の取引先だけを保証したい場合 | 取引先全体を継続的に保証したい場合 | 固定費を抑えつつ必要な取引だけ保証を上乗せしたい場合 | 請求業務ごと外部に委ね、与信・回収・保証も一体で任せたい場合 |
| 費用を左右する要素 | 取引先の信用度 保証限度額 支払サイト | 保証枠(総額・1社あたり限度額)の大きさ | 固定費の水準 取引先の信用度 保証額 | 取引額(決済額) 取引先の信用度 商材・販売方法 |
【比較表】売掛保証サービス12選を横並び比較
ここからは、主要な売掛保証サービス12社を5つのタイプ別に分類し、料金体系・保証範囲・保証限度額・審査スピードなどの定量スペックで横並びに比較します。まずはタイプごとの比較表で全体像を俯瞰し、気になるサービスの個別紹介へ進んでください。
【タイプ別比較表】取引先をまとめて包括保証
| サービス名 | URIHO(うりほ) | GMO BtoB売掛保証 | イー・ギャランティの売掛債権保証 |
|---|---|---|---|
| 保証対象 | 包括(個別登録・定額枠/社数無制限) | 包括/個別(カスタマイズで選択) | 包括/個別 |
| 料金体系 | 月額定額型 | 月額定額型・併用型(カスタマイズ) | 保証料率型 (限度額課金・売上高課金) |
| 保証料率・月額の目安 | 月額9,800円〜99,800円(3プラン) | 月額定額9,800円〜59,800円 カスタマイズは保証額連動 | 個別審査で決定 (要問い合わせ) |
| 最低利用条件 | 社数無制限(1社〜)/月額9,800円〜 | 新規取引先1社〜/月額9,800円〜 | 要問い合わせ |
| 保証限度額 | 合計1,000万〜7,000万円 1社あたり50万〜3,000万円 | 1,000万円〜 1社あたり最大5億円(審査により変動) | 包括で高額限度額に対応 (上限非公開) |
| カバー範囲 | 倒産・支払不能に対応/1ヵ月以上の支払遅延にも対応 | 倒産・支払不能に対応/支払遅延にも対応(支払期日180日以内) | 倒産・支払不能に対応/支払遅延にも対応 |
| 審査スピード | 要問い合わせ | 事前審査 最短2営業日 | 要問い合わせ (月間3万社超の審査体制) |
| 取引先への非通知 | ● | ● | 要問い合わせ |
| 最低契約期間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
【タイプ別比較表】特定の大口取引先を個別保証
| サービス名 | リコーリースの債権保証(Mamotte) | Secured Monster(セキュアードモンスター) |
|---|---|---|
| 保証対象 | 個別(取引先を選んで契約/最低5社〜) | 個別(1社単位・1ヶ月単位) |
| 料金体系 | 月額定額型(パッケージ) 保証料率型(オーダーメイド) | 保証料率型(RM格付連動) |
| 保証料率・月額の目安 | 要問い合わせ (料率・月額とも非公開) | 月利0.5%〜 (RM格付に応じ変動) |
| 最低利用条件 | 最低5社〜 | 1社〜・最低1ヶ月〜 |
| 保証限度額 | パッケージ: 1社200万円/総額500万円 オーダーメイド: カスタマイズ | RM格付に応じ設定(上限は公式に要確認) |
| カバー範囲 | 倒産・支払不能に対応/支払遅延(夜逃げ含む)にも対応 | 倒産・支払不能に対応(支払遅延中の先は対象外) |
| 審査スピード | 要問い合わせ | 要問い合わせ(所要日数は公式に要確認) |
| 取引先への非通知 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 最低契約期間 | 保証期間1年 | 最低1ヶ月 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 詳細を見る |
【タイプ別比較表】高額・大口を高保証限度額で保証
| サービス名 | リスクマネジメントプラン | 国内ファクタリング(回収保証) |
|---|---|---|
| 保証対象 | 個別(保証先を選択可/国内法人向け) | 包括/個別(保証先を任意選定) |
| 料金体系 | 保証料率型(個別算出) | 保証料率型(加重平均料率) |
| 保証料率・月額の目安 | 個別算出・非公開 (要問い合わせ) | インボイス金額への所定料率 (非公開・要見積もり) |
| 最低利用条件 | 国内法人向け(個人・個人事業主は対象外) | 包括: 10社以上・合計5,000万円〜 個別: 5社以上・1社200万円〜 |
| 保証限度額 | 個別設定(上限は非公開) | 保証極度額は保証先の信用力に基づき設定(上限非公開) |
| カバー範囲 | 倒産・支払不能(法的整理等)に対応/支払遅延(延滞)にも対応 | 倒産・支払不能に対応(支払遅延中の債権は対象外) |
| 審査スピード | おおむね翌営業日 | 要問い合わせ |
| 取引先への非通知 | ● | ● |
| 最低契約期間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 詳細を見る |
【タイプ別比較表】請求書単位・スポットで保証
| サービス名 | Misoca回収保証 |
|---|---|
| 保証対象 | スポット(請求書1通単位の都度保証) |
| 料金体系 | 保証料率型(完全従量) |
| 保証料率・月額の目安 | 初期・月額0円 保証料: 10万円まで800円+超過1万円ごと80円(税込) |
| 最低利用条件 | 請求書1通〜(Misoca有料プラン契約が前提) |
| 保証限度額 | 取引先ごとの与信審査で決定(一律上限は公式に要確認) |
| カバー範囲 | 倒産・支払不能に対応/支払遅延にも対応 |
| 審査スピード | 申込ごとに信用調査(所要日数は公式に要確認) |
| 取引先への非通知 | 要問い合わせ |
| 最低契約期間 | なし(Misoca有料プラン契約が前提) |
| 詳細情報 | 詳細を見る |
【タイプ別比較表】請求業務の代行と保証を一体化
| サービス名 | 請求まるなげロボ | RP掛け払い | NP掛け払い | マネーフォワード掛け払い |
|---|---|---|---|---|
| 保証対象 | 与信通過した適格債権を保証(請求代行一体) | 与信通過した適格債権を保証(掛け払い決済代行) | 審査通過取引を保証(掛け払い・請求代行一体) | 所定条件下で入金保証(後払い決済・請求代行一体) |
| 料金体系 | 決済手数料率型(+発行件数に応じた月額) | 決済手数料率型 | 決済手数料率型(固定月額+変動手数料) | 決済手数料率型(プランで保証有無を選択) |
| 手数料(決済額に対する料率) | 手数料1.0%〜 初期費用は要問い合わせ | 条件により変動 (公式表記 0.5%〜/1.0%〜/2.0%〜) | 初期0円/月額12,000円〜+変動1.0〜3.1%+債権買取0.2〜0.5% | 入金保証つき: 初期・月額0円〜+手数料0.5〜3.5% |
| 最低利用条件 | 法人向け(個人事業主は相談) | 法人向け | 月額12,000円〜(固定費)/法人・個人事業主 | 初期・月額0円〜/法人・個人事業主 |
| 保証限度額 | 与信審査で決定 | 与信審査で決定 | 与信枠(与信判断で決定) | 1顧客あたり1,000万円超の与信枠付与が可能 |
| カバー範囲 | 与信通過した取引を100%保証(所定条件下/入金遅延・貸し倒れに対応) | 与信通過した取引を100%保証(所定条件下/入金遅延・貸し倒れに対応) | 与信通過した取引を100%保証(所定条件下/規約除外事由なしの取引が対象) | 与信通過した取引を100%保証(所定条件下/無条件の全件保証ではない) |
| 審査スピード | 与信審査 契約前3営業日内 | 要問い合わせ | 最短即時(与信判断) | 最短1秒(自動与信/平均1営業日以内) |
| 取引先への非通知 | -(請求業務を代行) | -(掛け払い決済を代行) | -(請求業務を代行) | -(後払い決済を代行) |
| 最低契約期間 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | 詳細を見る | 詳細を見る |
売掛保証サービス12選を個別紹介(タイプ別)
ここからは、各サービスの背景・強み・特徴を、タイプ別に個別紹介します。比較表で気になったサービスについて、保証範囲や料金、運営母体の特徴を詳しく確認し、資料請求の優先順位付けにお役立てください。
取引先をまとめて包括保証したいサービス
取引先が多く、与信管理を丸ごと保証会社に委ねたい企業に向く包括保証タイプのサービスを紹介します。
1. URIHO(うりほ)(株式会社ラクーンフィナンシャル)

URIHOは、東証プライム上場のラクーンホールディングス傘下である株式会社ラクーンフィナンシャルが運営する、申込から保証請求までをオンラインで完結できる売掛保証サービスです。取引先の倒産だけでなく、1ヵ月以上の支払い遅延による未回収も保証の対象とし、主に中小企業を対象としています。
料金は取引先ごとに料率を設定するのではなく、月額9,800円からの定額制で、保証額の枠内であれば登録する取引先の社数に制限がありません。AプランからCプランの3区分があり、保証額の合計枠は1,000万円から7,000万円まで、1社あたりの保証額上限は50万円から3,000万円までと、プランによって幅があります。
取引先が増えても契約を組み直す手間がなく、保証料を月額で読みやすい点が特徴です。新規取引や取引先の増減が見込まれ、与信管理を仕組みに乗せたい事業者に向いています。
2. GMO BtoB売掛保証(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)

決済代行で蓄積した与信ノウハウを基盤とする売掛保証サービスです。提供元は東証プライム市場に上場する決済大手・GMOペイメントゲートウェイ株式会社。支払期日が180日以内の企業間取引の売掛債権を対象とし、倒産だけでなく支払遅延が発生した場合も保証します。契約にあたって取引先への連絡・通知は行われません。
料金は2系統です。月額定額プランは9,800円から59,800円の3タイプで、総額1,000万円から5,000万円・1社あたり50万円から500万円を保証します。保証額に料率を掛けるカスタマイズプランでは、保証先1社あたり最大5億円まで(審査により変動)の保証に対応します。
新規取引先は1社から利用でき、事前審査は最短2営業日で結果が通知されます。小口を固定費で備えたい場合から大口債権を高限度額で備えたい場合まで、規模に応じて選べる構成です。
3. イー・ギャランティの売掛債権保証(イー・ギャランティ株式会社)

引き受けた信用リスクを細分化し、ファンド・金融機関・損害保険会社に流動化(証券化)する独自モデルで、企業間取引の売掛債権を保証します。運営は伊藤忠商事グループに属する東証プライム上場のイー・ギャランティ株式会社です。この仕組みにより、高額リスクの引受や低コストでのリスク引受に対応しやすい設計を訴求しています。
保証メニューには、取引先を任意に選べないものの低料金で高額の限度額を受けられる包括保証と、取引先を個別に指定する個別保証があります。料金は限度額に対する課金方式と売上高に対する課金方式があり、具体的な保証料率は取引先の信用度に応じた個別審査で決まるため、見積もりで提示されます。
公式サイト上では、保証残高2.6兆円、リスク引受社数58万社、月間企業審査数3万社といった事業全体の規模が示されています。取引先全体をまとめて高い限度額で備えたい企業に向いています。
特定の大口取引先を個別保証したいサービス
守りたい取引先が明確で、特定の大口だけを保証したい企業に向く個別保証タイプのサービスを紹介します。
4. リコーリースの債権保証(Mamotte)(リコーリース株式会社)

東証プライム上場のリコーリース株式会社が2023年4月に開始した債権保証サービス「Mamotte」です。取引先の倒産・夜逃げ・支払遅延が発生した場合に、保証限度額の範囲内で実損失分に相当する保証金を支払います。取引全体を包括対象とするのではなく、必要な取引先を選んで契約できる(最低5社から)点が特徴です。
料金は、月額定額のパッケージプラン(Mamotte)と、保証限度額の合計に保証料率を掛けて年額を算出するオーダーメイドプラン(Mamotte+)の2構成です。パッケージプランは1社あたり200万円・総額500万円を上限とする小口向け、オーダーメイドプランは数百万円以上の高額債権向けで、保証料率や月額の具体額は個別見積もりで提示されます。
1976年からのリース事業で培った審査ノウハウと約40万社の取引データ、年間35万件の審査実績を与信の基盤とし、取引先の信用力を8段階で見える化します。安全な取引先まで含めて費用がかかる包括契約と比べ、リスクの高い先に絞ってコストをかけたい企業に向いています。
同社は、事業承継のタイミングで導入されるケースが多いと説明しています。

事業承継のタイミングで次世代に経営を引き継ぐ際に、代表者独自の与信の目利きやノウハウまでは引き継ぐことができません。そこで、与信管理は外部の専門機関に委託して、新しい経営者は経営そのものに専念していこうという形で導入いただくケースは非常に多いです。属人的な与信管理から組織的な与信管理への移行という意味で、本サービスは有効な選択肢になると考えています。
5. Secured Monster(セキュアードモンスター)(リスクモンスター株式会社)

与信管理サービスを手がけるリスクモンスター株式会社が2004年から提供する債権保証サービスです。同社の与信管理で用いる独自の「RM格付」(9段階評価)を基準に、取引先1社単位・最低1ヶ月単位で売掛債権を保証できます。保証したい取引先を選んで個別にかけられる点が特徴です。
保証料はRM格付と連動し、月利0.5%からの料率体系です。格付と保証料率・保証限度額が連動するため、事前に保証料を把握しやすい設計となっています。倒産確率が高いとされる低格付の取引先にも積極的に保証をかけられる一方、すでに支払い遅延が発生している取引先は対象外です。
事前審査は無料で、申込から引受結果の回答までの日数は資料・問い合わせで確認できます。守りたい大口取引先を絞り込み、短期・少額で柔軟に保証をかけたい企業に適しています。
高額・大口を高保証限度額で保証したいサービス
建設業など高額な売掛債権を扱い、保証限度額の大きさを重視する企業に向く高保証限度額タイプのサービスを紹介します。
6. リスクマネジメントプラン(三井住友ファイナンス&リース株式会社)

三井住友フィナンシャルグループと住友商事の折半出資による大手リース会社、三井住友ファイナンス&リース株式会社が提供する売掛保証サービスです。国内法人向けの売掛債権を対象とし(個人・個人事業主は対象外)、取引先の貸し倒れが発生した際に同社が保証履行することで損失をカバーします。
保証は法的倒産・銀行取引停止・事業停止だけでなく、資金繰り悪化による支払の延滞も対象に含みます。保証料率や保証限度額は公開されておらず、保証対象とする取引先の信用状態に応じて個別に算出されるため、具体的な費用は公式に確認が必要です。契約時に取引先への連絡や承諾は不要です。
保証先は自由に選択でき、一部の取引先のみに保証をかけることもできます。審査回答はおおむね翌営業日で、保証先の信用状態を同社が定期的にチェックします。大手金融グループ系の信用基盤を背景に保証を備えたい企業に向いています。
7. 国内ファクタリング(回収保証)(みずほファクター株式会社)

みずほ銀行の100%出資子会社で1977年設立のみずほファクター株式会社が提供する保証型サービスです。サービス名に「ファクタリング」を含みますが、売掛債権を早期資金化する買取型ではなく、売掛先の倒産等による未回収リスクを保証限度額内で最大100%保証する回収保証にあたります。売掛金・手形・電子記録債権を明細単位で保証できます。
保証料はインボイス金額に対する所定料率で、包括保証では全保証先の加重平均料率で提示されます。具体的な料率は信用力により変動するため、見積もりで確認できます。最低保証金額は包括保証で合計5,000万円以上、個別保証で1社200万円以上が目安で、保証先数は包括で10社以上、個別で5社以上が求められます。
保証をかけている事実は販売先に知られない不可視性を備え、保証対象先を任意に選定できます。一定規模以上の取引額を持ち、高額・大口の債権を高い限度額で備えたい企業に向いています。
請求書単位・スポットで保証したいサービス
一見客や新規取引が多く、必要な取引だけスポットで保証したい事業者に向くサービスを紹介します。
8. Misoca回収保証(弥生株式会社)

弥生株式会社の請求書発行サービス「Misoca」上で発行した請求書に、1通単位で売掛金の回収保証を付与できるオプションサービスです。請求書発行と保証申込を同一画面で完結でき、新規取引先1件からでもスポットで保証を付けられます。保証の引受・損害補填はラクーングループの保証会社が担う構造です。
料金は初期費用・月額固定費がなく、保証金額に応じた保証料のみが発生する従量制です。保証料は10万円までが800円(税込)、10万円を超える分は1万円ごとに80円(税込)が加算されます。利用にはMisocaの有料プラン契約が前提で、個人事業主・法人のいずれも対象です。
支払いの遅延や取引先の倒産で売掛金が回収できなくなった際に損害を補填し、申込ごとに信用調査を経て個別に保証契約が結ばれます。請求書発行から保証までを手軽に一体化したい、少額・低頻度の利用に向いた選択肢です。
請求業務の代行と保証を一体化したいサービス
請求業務ごと外部に委ね、与信と未回収保証も同時に手当てしたい企業に向く請求代行一体型のサービスを紹介します。
9. 請求まるなげロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

与信審査・請求書発行/送付・代金回収・入金消込・未入金時の督促までを一括で代行し、適格債権かつ与信通過した売掛金を100%保証する請求代行一体型サービスです。提供するのは東証グロース上場の株式会社ROBOT PAYMENT。請求業務を外部に委ねながら、未回収リスクも同時に手当てできる請求代行一体型です。
手数料は1.0%からで、自社与信を通過した分の請求書郵送費用は0円です。月額利用料は請求書の発行件数に応じて変動し、初期費用は公式に確認が必要です。与信審査は契約前に3営業日内で実施され、与信を通過しなかった請求先も同一システム上で管理できます。
対応する決済方法は口座振替・銀行振込で、督促はメール・電話のほか弁護士法人による対応も用意されています。対象は法人で(個人事業主は相談対応)、請求から回収までの工数を圧縮しつつ回収不能リスクを移転したい企業に向いています。
10. RP掛け払い(株式会社ROBOT PAYMENT)

同じく株式会社ROBOT PAYMENTが提供する、企業間取引の掛け払い(後払い)決済を代行するサービスです。同社の決済サービス「サブスクペイ」配下の決済オプションで、与信審査から請求書発行・代金回収・入金消込・督促までを代行し、適格債権かつ与信通過した売掛金を100%保証します。利用企業は毎月の決済情報をアップロードして入金を待つ運用です。
手数料は取り扱い商材や販売方法によって変動し、公式ページでは0.5%から2.0%の幅で表記されています。具体的な料率や初期・月額費用は要お問い合わせとなります。従来の請求書フォーマットのまま運用でき、銀行振込・口座振替・クレジットカード決済に対応します。入金を待たずに売上を早期受領できる早期払いオプションも用意されています。
対象は法人で、決済を含めた掛け売り業務を代行に乗せたい企業に向いています。なお、本サービスは資料ダウンロードに代えてオンラインでの相談・商談予約に対応しています。
11. NP掛け払い(株式会社ネットプロテクションズ)

後払い・掛け払い決済を手がける株式会社ネットプロテクションズが提供する、企業間取引向けの掛け払い・請求代行サービスです。与信判断・請求書発行/送付・代金回収・入金管理・督促までを代行し、掛け売り代金を立て替え払いします。審査を通過し規約所定の除外事由がない取引について、支払い遅延を含むあらゆるケースで代金を100%保証すると訴求しています。
初期導入費用は0円で、システム利用料は固定の月額12,000円〜(税別)です。これに取引に応じた変動分(1.0〜3.1%、税別)と債権買取手数料(0.2〜0.5%、非課税)が加わります。与信は累計3,200万件超(サービス開始〜2025年3月31日)の取引実績をもとに行われます。与信通過率は99%(2025年3月31日時点)で、最短即時での与信判断が可能とされています。
法人・個人事業主が対象で、Web手入力・CSV・API連携での登録に対応し、BtoB ECサイトでの導入実績もあります。事業全体で年間74万社(2025年3月期)の購入企業が利用しており、与信から保証までを一気通貫で外部に委ねたい企業に向いています。
12. マネーフォワード掛け払い(マネーフォワードケッサイ株式会社)

売り手の掛け売りに伴う与信審査・請求書発行/送付・入金消込・督促を一括代行し、所定条件を満たした場合に売掛金の入金を100%保証する企業間後払い決済・請求代行サービスです。提供元は東証プライム上場・株式会社マネーフォワードの100%子会社、マネーフォワードケッサイ株式会社です。BtoB ECを含む幅広い業種に対応します。
料金は2プランに分かれ、入金保証つきプランは初期費用・月額0円から、委託金額の0.5〜3.5%の手数料で利用できます。保証を付けない請求代行プランは、手数料に加えて1件あたり300〜500円が発生します。なお100%入金保証は同社所定の条件を満たした場合に限られ、無条件の全件保証ではない点に留意が必要です。
与信は機械学習を用いた自動審査で、最短1秒での審査結果通知、審査通過率99%(2025年1月時点)を訴求しています。1顧客あたり1,000万円超の与信枠付与や最短3営業日での早期資金化にも対応し、保証の有無をプランで選びたい企業に向いています。
売掛保証サービスを利用する流れ
売掛保証サービスは、申し込みから保証金の入金まで、おおむね次のような流れで進みます。即日現金化される手段ではなく、未払いが発生してから保証履行に至るまでに手続きが必要な点を押さえておきましょう。
- 会員登録・申し込み:保証会社に申し込み、自社の情報を登録します。
- 取引先の登録・与信審査:保証を希望する取引先を登録すると、保証会社がその信用力を審査し、保証限度額と保証料を提示します。
- 契約・保証の開始:保証内容に合意して契約すると、対象取引先への保証が開始されます。
- 未払いの報告:取引先の倒産や支払遅延が発生したら、保証会社へ未払いを報告します。
- 保証履行・保証金の入金:所定の確認手続きを経て、保証限度額の範囲で保証会社から保証金が支払われます。
保証金が支払われるのは取引先が実際に支払不能となった後であり、平常時に資金が増えるわけではありません。申し込みから保証開始までにかかる期間や、保証履行の手続きはサービスによって異なるため、導入前に資料で確認しておくと安心です。
まとめ
本記事では、売掛保証サービスの仕組みや類似手段との違い、メリット・デメリット、選び方や費用相場を整理したうえで、主要12サービスをタイプ別に比較・紹介しました。売掛保証は、売掛金を保有したまま未回収リスクだけを保証会社に移す「守り」の手段であり、資金調達が目的の買取型ファクタリングとは役割が異なります。
サービス選定で最も重要なのは、自社が「何を・どこまで保証したいか」という利用目的を明確にし、適したタイプを最初に特定することです。取引先全体なら包括保証、特定の大口なら個別保証、高額債権重視なら高保証限度額、必要な取引だけなら請求書単位・スポット、請求業務ごと任せるなら請求代行一体型が有力な選択肢です。そのうえで保証範囲・料金体系・審査スピード・保証会社の信頼性を比較し、候補を絞り込みましょう。
迷ったときは、取引先が多く全体の未回収が不安なら包括保証、大口数社への依存が主な不安なら個別保証、請求・回収業務ごと任せたいなら請求代行一体型、というように、自社の不安の出どころから代表タイプを起点に比較表で絞り込むのが近道です(各タイプの該当サービスは上記の比較表で確認できます)。
自社の取引先数や売掛金規模、そして守りたいリスクの範囲を整理したうえで、本記事の比較を手がかりに、まずは気になる2〜3社の資料を取り寄せ、保証範囲や料金の具体的な条件を見比べて候補を絞り込んでください。
よくある質問(FAQ)
Q. 売掛保証サービスとは何ですか?
A. 売掛保証サービスとは、取引先の倒産・支払不能で回収できなくなった売掛金を、保証会社が保証限度額の範囲で補填してくれるサービスです。「保証ファクタリング」とも呼ばれ、売掛金を保有したまま未回収リスクだけを保証会社に移す「守り」の手段です。取引先の与信審査も保証会社に委ねられるため、与信管理の負担軽減にもつながります。
Q. 売掛保証サービスの保証料率の相場はどれくらいですか?
A. 売掛保証サービスの保証料は、取引先の信用度・保証限度額・支払サイトによって変動するため、一律の相場を示すのは難しく、多くのサービスが料率を非公開として個別見積もりで提示します。料金体系は保証料率型・月額定額型・併用型の3パターンに分かれ、月額定額型では月額9,800円程度の小口プランから数万円規模まで段階設定されているものもあります。
取引先の信用度が低いほど、また保証限度額が大きく支払サイトが長いほど保証会社の負うリスクが増えるため、保証料は高くなりやすい傾向です。実際の費用は、守りたい売掛金の規模と保証料のバランスを見ながら見積もりで確認するのが確実です。
Q. 売掛保証サービスは、すべての取引先を保証できますか?審査に落ちることはありますか?
A. 売掛保証サービスでは、取引先ごとの与信審査によって保証の可否が決まるため、信用力が低いと判断された取引先は審査に通らず、保証対象から外れることがあります。最も保証してほしい取引先ほど審査が通りにくいケースもあります。登録したい取引先が保証対象になるかどうかは、導入前に保証会社へ確認しておくと安心です。
Q. 売掛保証サービスは取引先に知られずに利用できますか?
A. 売掛保証サービスは、多くが取引先に知られず利用できる「非通知」の仕組みを採っており、保証契約を結んでいることが取引先に伝わらないため、取引関係に影響を与えずに備えられます。売掛金を売却するわけではなく自社が保有したまま保証を付ける仕組みのため、取引先への通知や承諾を必要としないサービスが一般的です。非通知に対応しているかはサービスによって異なるため、契約前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 売掛保証サービスは個人事業主や小規模事業者でも利用できますか?
A. 利用できるかはサービスごとに異なり、対象とする事業規模や申込条件を個別に確認する必要があります。保証枠の小さい小口プランを用意するサービスもあり、保証したい取引先が限られるなら、請求書単位・スポット型や少額から使える月額定額型が候補です。まずは資料で対象条件と最低利用額を確認しましょう。
Q. 売掛保証サービスと取引信用保険は、どちらを選ぶべきですか?
A. 売掛保証サービスと取引信用保険は、高額・包括で備えるなら取引信用保険、特定の取引先やスポットで柔軟に備えるなら売掛保証サービスが向く、という使い分けが基本です。取引信用保険は損害保険会社が提供する保険商品で、取引先全体を対象とした包括契約と高い保証限度額が強みですが、契約には取引データの提出など一定の手続きが求められます。
一方、売掛保証サービスは取引先を1社単位や請求書単位で柔軟に登録でき、手続きが簡便なものが多い傾向です。自社が「取引先全体を高額で守りたいのか」「特定先・スポットを手軽に守りたいのか」を整理すると、適した手段を判断しやすくなります。
Q. 売掛保証サービスを使えば、売掛金を即日現金化できますか?
A. 即日現金化できる資金調達の手段ではありません。保証金が支払われるのは取引先が実際に倒産・支払不能となり、未払いの報告と所定の確認手続きを経た後で、平常時に資金が増えるわけではありません。手元資金を早く厚くしたいなら、買取型ファクタリングなど別の手段を検討してください。売掛保証は未回収リスクへの「備え」です。
売掛保証サービスの料金・保証内容を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、売掛保証サービスの最新資料を無料で一括ダウンロードできます。料金体系、保証範囲、保証限度額、審査スピードなど、比較に必要な情報をワンクリックでまとめて入手でき、自社に合うサービスの絞り込みをすばやく進められます。
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松嶋真倫
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