「船を導入したいが、巨額の初期投資に踏み切れない」
「金利上昇や環境規制の影響で購入リスクが不安」
「リースと購入の違いや総コストがよく分からない」
このような悩みを抱えるのは当然です。
船舶リースは、資金繰りの柔軟性や即戦力の確保に優れた有効な手段です。
しかし契約内容やリース会社の選定を誤れば、大きな損失につながる可能性もあります。
だからこそ、客観的に比較できる情報と契約上の注意点を押さえることが欠かせません。
正確な情報に基づき、最適な選択を行うことが何より重要です。
本記事では以下の項目を体系的に整理しました。
さらに、実際の導入事例や失敗例も交えながら、具体的に比較・検討できる内容となっています。
この記事を読めば、船舶リースの仕組みや相場感を理解し、信頼できる会社を選び抜き、契約条件の落とし穴を回避できるようになります。
結果として、経営陣に安心して提案でき、繁忙期や新航路開設といったビジネスチャンスを逃さずに対応できる未来が開けるでしょう。
先におすすめのリース会社をチェックしたい方は、下記をご覧ください。
目次
MCB FinTechカタログは、お金領域(金融・決済・会計・FinTech等)の法人向けサービスに特化した資料請求サイトです。該当するサービスを提供されている企業様は、掲載料無料でサービス説明資料をご掲載いただけます。
サービス掲載を相談する船舶リースとは?
船舶リースとは「船を購入せず一定期間借り受けて運航する」仕組みです。
理解を深めるためには、次のポイントを押さえておくとよいでしょう。
これらについて順に解説していきます。
船舶リースの基本仕組み
図解がほしい
船舶リースは「所有ではなく利用」に重点を置いた仕組みで、リース会社が所有する船舶を一定期間借り受け、定期的にリース料を支払う契約形態です。
船を自社で購入すると、巨額の資金調達や長期にわたる減価償却が必要になります。
一方でリースを利用すれば、固定資産として計上せずに済み、初期投資を抑えながら必要な船をすぐに導入できます。
たとえば10億円の新造船を購入する場合、多額の借入や資本投下が避けられません。
しかしリースなら、契約期間中は毎月定額のリース料を支払うだけで運航が可能です。
その結果、キャッシュフローを安定させつつ、需要に柔軟に対応できます。
つまり、船舶リースは購入に比べてリスクを抑えつつ即戦力を確保でき、経営資源を有効活用できる選択肢なのです。
リースと購入の違い
船舶リースと購入では、様々な点で違いがあります。
下記の表で整理すると理解しやすいでしょう。
購入は長期的にコスト効率が良く、資産を自社に残せる一方で、多額の初期投資と資金リスクを伴います。
リースは総コストがやや高くなる傾向はあるものの、初期費用を抑えて迅速に運航できる点で、成長期の企業や繁忙期対応には有効な手段です。
なぜ今、船舶リースが注目されているのか
船舶リースは、海運業界が直面する経営課題を解決する有効な手段として注目度を高めています。
注目が集まる背景には、次のような要因があります。
燃料費や金利の高騰による資金負担の増大
船舶を購入する場合には巨額の借入が必要となり、金利が上昇する局面では返済負担が経営を圧迫します。一方で、リースを利用すれば借入をせずに船を確保できるため、資金繰りを安定させることができます。
環境規制の強化と新造船投資のリスク
IMO(国際海事機関)の規制によって燃費やCO₂排出削減に対応できない船は、早期に競争力を失う可能性があります。リースを活用すれば契約期間が終了した段階で返却でき、最新の規制に対応した次世代船へスムーズに移行できます。
海運需要の変動に迅速に対応する必要性
購入の場合は建造や整備に長い時間がかかりますが、リースであれば短期間で運航を開始できます。繁忙期や新航路の開設といった需要の急増にも柔軟に対応することが可能です。
金利上昇や環境規制の強化、海運需要の変動といった外部環境の変化が重なった結果、船舶リースはこれまで以上に「資金効率とリスク分散を同時に実現できる手段」として注目を集めています。
船舶リースのメリット
船舶リースには海運会社の経営効率を大幅に改善するメリットがあります。
上記を1つずつ見ていきましょう。
節税効果がある
船舶リースでは、支払うリース料を損金として処理できるため、法人税の節税につながります。
船舶を購入すると、資産として計上し減価償却で費用化していく必要があります。
一方、リース契約なら毎月のリース料を全額経費にでき、利益を圧縮できるため、納税額を減らせる仕組みです。
たとえば、新造船を購入した場合は10〜20年にわたり減価償却を行いますが、リース契約であれば毎月のリース料を経費として処理可能です。
その結果、資金繰りと税務処理がシンプルになり、安定したキャッシュフロー管理が実現できます。
資金を効率よく使いながら節税効果を得られる点は、船舶リースの大きな魅力といえるでしょう。
資金負担を軽減できる
船舶リースは購入に比べて初期投資を大幅に抑えられるため、資金効率の向上につながります。
たとえば、新航路を開設する際、購入なら巨額の借入が必要ですが、リースなら毎月の支払いを運航収益の中から賄える仕組みです。
これによりキャッシュフローを安定させながら、事業拡大を進めることが可能になります。
リースは資金繰りを安定させ、他の投資に資金を回せる点で、リースは経営上の柔軟性を高めます。
即戦力になる柔軟な契約期間
リースなら必要な期間だけ船を利用できるため、需要変動に合わせて即戦力を確保できます。
船舶購入では一度取得すると20〜30年の長期利用が前提となりますが、リース契約は数カ月といった短期から、数年単位の長期まで事業のニーズに応じて期間を自在に設定できる点が特徴です。
たとえば、新しい海外航路のテスト運航を計画している場合、長期的な購入リスクを負うことなく、短期間のリースで市場の反応を試すことができます。
もし事業がうまくいかなければ、契約期間満了をもって船を返却すれば良いため、事業撤退時のリスクを最小限に抑えられます。
船舶リースのデメリット
船舶リースにはメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
上記を1つずつ詳しく解説します。
長期的に見ると購入より総コストが高くなる
船舶リースは初期負担を抑えられますが、長期的に見ると購入よりコストが高くなる傾向があります。
リース料には金利相当分やリース会社の利益が上乗せされているため、10年以上利用する場合には購入と比較して支払総額が増えるケースが多くなります。
たとえば、5億円の船を10年間利用するケースを考えてみましょう。
購入の場合、船価5億円に金利や維持費を含めても総額は約7億円程度です。
一方、10年リースでは月額600万円(年間7,200万円)を支払うと、総額は約7.2億円となり、購入より2,000万円高くなります。
これは購入総額に対して約3%の負担増にあたります。
特に安定した需要が見込める基幹航路や長期運航を前提とする場合には、購入の方が経済性に優れるケースが多いでしょう。
したがって、リースを選ぶ際には事業の安定性や契約期間を踏まえ、総コストの観点から最適な判断を下すことが求められます。
返却時の条件によっては追加費用が発生する
船舶リースでは契約満了時の返却条件が厳格で、予期せぬ追加費用が発生するリスクがあります。
リース契約では返却時の船舶状態について詳細な規定があり、通常の使用による損耗を超える損傷や設備の不備があると、修繕費用や補償金の支払いが求められます。
ある海運会社は、リース契約終了時に船体塗装やキャビン内装の原状回復を求められ、予想以上のコスト負担を強いられました。
返却条件を事前に確認し、契約書で明文化しておくことが、余計なコストやトラブルを防ぐ鍵となります。
所有しないため自由度が制約される
船舶リースでは所有権がないため、設備改造や運航条件に制約があり、事業の自由度が制限される場合があります。
購入した船であれば改造や塗装、用途変更も自由にできますが、リース契約中の船は原則として契約条件に従わなければなりません。
用途変更や航路拡大に伴う仕様変更ができない場合があります。
ある企業はリース中の船を環境対応仕様に改造しようとしましたが、リース会社の承認が得られず、計画を断念せざるを得ませんでした。
リースは資金効率に優れる一方で、自由度の低さがデメリットとなります。
利用計画を立てる際には「どこまで自由に使いたいか」を明確にすることが重要です。
船舶リースの種類と契約形態
船舶リースには、主にファイナンスリースとオペレーティングリースの2種類があります。
これらは契約形態や税務上の扱いが大きく異なるため、それぞれの特徴を理解し、自社の目的に合ったものを選ぶことが重要です。
また、小型船舶リースの活用例を次の章でそれぞれ解説します。
オペレーティングリース vs ファイナンスリース
先述の通り、船舶リースにはファイナンスリースとオペレーティングリースとファイナンスリースの2種類があります。
ただし、実際の現場では所有権を持たず、契約終了後に返却する前提のオペレーティングリースが大半を占めています。
そのため、まずはオペレーティングリースを基本と考えたうえで、自社に所有権移転の必要がある場合にファイナンスリースを検討するのが現実的です。
それぞれの特徴や税務上の扱いは大きく異なるため、目的に応じて正しく選ぶことが重要です。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
『ファイナンスリースとオペレーティングリースの違いを図解付きで解説!会計処理から選び方も』
小型船舶リースの活用例(観光・作業船・漁業向け)
観光業や漁業といった事業者にとって、小型船舶リースは初期投資を抑えながら事業を始める有効な手段です。
小型観光船や漁船は数千万円規模の費用がかかるため、購入では資金繰りが難しくなりがちです。
一方、リースなら必要な期間だけ利用し、シーズン需要や実証運航にも対応できます。
観光シーズンだけ遊覧船を運航する事業者がリースを活用すれば、シーズン終了後に返却でき、閑散期の維持費負担を避けられます。
漁業でも、新規参入者が最初から船を購入せず、リースで操業を始めるケースが増えています。
小型船舶リースは「低リスクで始められる事業拡大の入口」として活用されており、観光業や漁業に適した選択肢となっています。
【比較表あり】主要な船舶リース会社おすすめランキング
船舶リース会社を選ぶ際には、費用や契約条件だけでなく、サポート体制や実績の有無を総合的に比較することが重要です。
ここでは主要なリース会社をランキング形式で紹介します。
| リース会社名 | オリックス | 三井住友ファイナンス&リース | 三菱HCキャピタル | 東京センチュリー | 芙蓉総合リース | みずほリース | JA三井リース | SBIリーシングサービス | 日本マリタイムバンク |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 本社所在地・拠点 | 本社所在地・拠点 東京ほか国内外複数拠点 | 東京ほか主要都市 | 東京ほか国内外 | 東京ほか国内外拠点 | 東京 | 東京 | 東京 | 東京 | 東京 |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/多角的事業・複数分野に強み | 上場/メガバンク系 | 上場/三菱グループ系 | 上場/多業種リース | 上場/安定した大企業グループ | 上場/みずほグループ | 非上場/JAグループ系 | 上場/オペレーティングリース 主体 | 非上場 |
| 保有・管理機数 | 船舶・航空機合わせ多数(具体数不明) | 詳細不明 | 詳細不明 | 詳細不明 | 詳細不明 | 詳細不明 | 詳細不明 | 詳細不明 | 詳細不明 |
| 顧客規模 (取引実績・対象業種) | 世界30以上国・多業種 | 大型船舶・脱炭素対応船舶関連で実績有 | 郵船クルーズなど大型案件 | 商品多様・中小から大手まで幅広い | 商船三井グループ子会社等主要顧客 | 一般海運会社中心 | 船主向け融資・保有船事業中心 | ファンド投資家多数 | 主に国内海運会社向け |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | ファイナンス・オペレーティング・所有もあり | オペレーティング・定期用船 | オペレーティング・ファイナンス | ファイナンス・オペレーティング | 日本型オペレーティング・リース(JOLCO) | ファイナンス中心 | オフバランススキーム、保有船事業 | オペレーティングリース主体 | 非公開 |
| 契約期間の柔軟性 | 高い | 高い | 高い | 柔軟 | 柔軟 | 高い | 柔軟 | 高い | 柔軟 |
| 対象船種(コンテナ船等) | 多種多様(コンテナ・クルーズ・タンカー等) | LNG船・LPG船・CO2運搬船など環境対応船舶 | クルーズ・コンテナ等多様 | コンテナ・ばら積・ケミカル等幅広い | LNG二元燃料船など環境配慮型 | 多種多様(中古・新造問わず) | バルカー・コンテナなど多様 | 航空機・船舶(大型償却資産) | 主に外航船及び内航船 |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし | 具体的な情報なし |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | 専門スタッフによる24時間対応や多言語サポートを含む充実した体制を構築。 | ・多様なニーズに応える高度な技術サポートや金融サービスを提供。 ・顧客ごとにカスタマイズした対応も可能。 | 国内外拠点と連携し、専門性の高い営業及び技術サポート体制を展開。 | 東京本社を含む国内外複数拠点と取引先連携により、船舶ファイナンスから資産管理まで一貫サポート。 | ・国内に複数拠点を中心とした体制。 ・環境対応プロジェクトなど新分野にも対応する高度な技術サポート体制。 | ・みずほグループの金融網を活かし、国内複数拠点で顧客対応。 ・脱炭素船舶案件に注力し、専門チームによるサポート。 | ・国内拠点中心で地元に根付いた支援体制。 ・中小海運会社にもフレキシブルな対応が可能な営業・技術サポートを実施。 | 東京に主拠点を持ち、高度専門知識を有するスタッフにより投資家・顧客へきめ細かいリースサポートを提供。 | ・東京本社1拠点に集約し、専門性の高い少人数体制で国内外の船舶ファイナンス案件に対応。 ・質の高いカスタマーサービスが特徴。 |
| 強み・特徴 | 総合金融力・多角経営・世界展開 | 環境対応船舶への投資強化・サステナビリティ対応 | 大型ファイナンス・デジタル化推進 | 多様な船種対応・幅広い金融サービス提供 | 脱炭素社会対応・日本型オペレーティングリースの実績 | 銀行系のファイナンス力・保有船事業 | 銀行系のファイナンス力・保有船事業 船主向け融資・オフバランススキーム強み | オペレーティングリースに特化し急成長 | 伝統的船舶金融サービス |
| 実績・事例 | 40年以上の経験、世界30カ国以上に拠点 | LNG船定期用船事業参入・サステナブルリース | 新造クルーズ船「飛鳥III」へのデジタルサイネージ導入 | 多種多様な船舶ファイナンス実績 | 自動車専用船「CIELO ACE」のオペレーティングリース契約 | 銀行との連携強化中 | 多様な船舶金融案件実績 | ファンド組成累計3,000億円超 | 伝統的な融資サービス、長年の実績 |
オリックス

オリックスは1971年から船舶リース・ファイナンス事業を展開し、国内外拠点と総合金融力、そして多様な船種・取引形態により圧倒的な経験と実績を持つ日本最大級のリース会社です。
2025年には双日グループ他と連携し船舶仲介業に本格進出、国内外30カ国以上の顧客にサービスを広げ、脱炭素やデジタル化といった新分野にも取り組んでいます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | オリックス |
| 主な特徴・強み | ・30カ国以上をカバーし、多様な船種に対応 ・40年以上の経験で用船・リース・所有など幅広いニーズに応える ・双日との連携や脱炭素・デジタル強化など柔軟な総合金融力が強み |
| 本社所在地 | 東京ほか国内外複数拠点 |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/多角的事業・複数分野に強み |
| 保有・管理機数 | 船舶・航空機合わせ多数(具体数不明) |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 世界30以上国・多業種 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | ファイナンス・オペレーティング・所有もあり |
| 契約期間の柔軟性 | 高い |
| 対象船種(コンテナ船等) | 多種多様(コンテナ・クルーズ・タンカー等) |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | 専門スタッフによる24時間対応や多言語サポートを含む充実した体制を構築。 |
| 実績・事例 | 40年以上の経験、世界30カ国以上に拠点 |
三井住友ファイナンス&リース

三井住友ファイナンス&リースは、メガバンク系の強力な資本基盤と連携し、船舶リース事業を中心に脱炭素対応型の新世代船舶や定期用船事業に積極的に参入しています。
LNG運搬船や次世代エネルギー運搬船など環境負荷低減に貢献する船舶のファイナンスを手掛け、サステナビリティ・リンク・リースの提供において国内外で高い評価を得ています。
幅広いネットワークを活用し、海運業界の持続可能な発展を支える役割を果たしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | 三井住友ファイナンス&リース |
| 主な特徴・強み | ・メガバンク系の強固な資本基盤と商社との連携による大型案件対応 ・脱炭素対応船舶投資に積極的 ・定期用船事業など幅広い船舶ファイナンス提供 |
| 本社所在地 | 東京ほか主要都市 |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/メガバンク系 |
| 保有・管理機数 | 詳細不明 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 大型船舶、脱炭素対応船舶に強み |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | オペレーティングリース・定期用船 |
| 契約期間の柔軟性 | 高い |
| 対象船種(コンテナ船等) | LNG船、LPG船、CO2運搬船など環境対応船舶 |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | ・多様なニーズに応える高度な技術サポートや金融サービスを提供。 ・顧客ごとにカスタマイズした対応も可能。 |
| 実績・事例 | LNG運搬船保有SPCへの出資など環境対応船リース事例多数 |
三菱HCキャピタル

三菱HCキャピタルは、三菱グループのリース企業として、世界有数のコンテナリース事業を展開するほか、クルーズ船やバルカーなど多様な船種のファイナンスでも定評があります。
最新のデジタル技術を活用した運用効率化に加え、大型資産の多角的運用を行い、安定した収益基盤を築いています。
環境配慮型の次世代船舶にも積極的に投資し、脱炭素社会への対応を進めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | 三菱HCキャピタル |
| 主な特徴・強み | ・世界最大規模のコンテナリースを中心とした多様な船舶取扱い ・デジタル技術活用と大型資産の多角運用 ・環境配慮型船舶への積極投資 |
| 本社所在地 | 東京ほか国内外 |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/三菱グループ系 |
| 保有・管理機数 | コンテナ300万TEU超含む多数 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 郵船クルーズなど大型船舶案件を多数 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | オペレーティングリース・ファイナンスリース |
| 契約期間の柔軟性 | 高い |
| 対象船種(コンテナ船等) | クルーズ船、コンテナ船、バルカー等多種多様 |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | 国内外拠点と連携し、専門性の高い営業及び技術サポート体制を展開。 |
| 実績・事例 | 新造クルーズ船「飛鳥III」への投資・リース事例多数 |
東京センチュリー

東京センチュリーは、船舶だけでなく航空機、不動産、環境・エネルギー分野にわたる総合リース企業です。
国内約25,000社におよぶ顧客基盤を背景に、多彩な金融スキームを駆使し、船舶のオペレーティングリースや買取条件付き融資などで多様なニーズに応えています。
また、国内外のパートナーとの連携を深め、新たな価値創造を積極的に推進しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | 東京センチュリー |
| 主な特徴・強み | ・多彩なリース事業を展開し多業種に対応 ・船舶分野での高度なファイナンススキーム ・国内外パートナーとの連携を推進 |
| 本社所在地 | 東京ほか国内外拠点あり |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/多業種リース |
| 保有・管理機数 | 詳細不明 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 多様な船主、大手海運会社中心 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | オペレーティングリース(裸用船)他 |
| 契約期間の柔軟性 | 高い |
| 対象船種(コンテナ船等) | コンテナ船、ばら積み船、自動車運搬船、ケミカルタンカー他 |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | 東京本社を含む国内外複数拠点と取引先連携により、船舶ファイナンスから資産管理まで一貫サポート。 |
| 実績・事例 | 国内外大手海運会社への多彩なリース案件 |
芙蓉総合リース

芙蓉総合リースは、航空機や船舶、海上コンテナ等の日本型オペレーティング・リースに強みを持つリース会社です。
長年のノウハウを活かし、組合スキームを用いた投資提案からお客様自身が資産を保有するスキームまで幅広く対応しています。
近年は洋上風力建設用の大型作業船の共同保有にも積極的に参画し、環境対応型の資産運用で注目されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | 芙蓉総合リース株式会社 |
| 主な特徴・強み | ・日本屈指の日本型オペレーティング・リース組成実績 ・顧客ニーズに応じた多様な投資・保有スキームを提案 ・洋上風力など環境分野への資産投資で先進的 |
| 本社所在地 | 東京ほか国内拠点あり |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/大手金融グループ傘下 |
| 保有・管理機数 | 船舶、航空機、海上コンテナ、その他多数 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 多業種・多数の法人顧客対応 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | 日本型オペレーティング・リース中心 |
| 契約期間の柔軟性 | 高い |
| 対象船種(コンテナ船等) | 船舶、航空機、海上コンテナ |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | ・国内に複数拠点を中心とした体制。 ・環境対応プロジェクトなど新分野にも対応する高度な技術サポート体制。 |
| 実績・事例 | 洋上風力発電用大型作業船を複数保有・共同運用 |
みずほリース

みずほリースは、総合リース会社としてリース取引を核に多様な金融サービスを展開しています。
特に船舶リースでは環境対応船舶への投資を強化し、英国の環境配慮型船舶投資ファンドに出資するなど脱炭素社会への貢献を進めています。
商船三井グループと連携し、LNG燃料や次世代燃料船のオペレーティングリースの組成を推進し、持続可能な海運業への資金供給に注力しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | みずほリース |
| 主な特徴・強み | ・環境対応船舶への積極投資と脱炭素ファイナンス推進 ・商船三井グループと連携したオペレーティングリース推進 ・多様なリース・ファイナンスサービス提供 |
| 本社所在地 | 東京ほか国内拠点 |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/みずほグループ |
| 保有・管理機数 | 具体数不明 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 一般海運会社中心 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | ファイナンス中心 |
| 契約期間の柔軟性 | 高い |
| 対象船種(コンテナ船等) | 多種多様(中古・新造問わず) |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | ・みずほグループの金融網を活かし、国内複数拠点で顧客対応。 ・脱炭素船舶案件に注力し、専門チームによるサポート。 |
| 実績・事例 | 英国ヘイフィン投資ファンドへの出資、商船三井グループ案件 |
JA三井リース

JA三井リースは非上場企業で、JAグループの一員として安定した資金力を背景に主に国内の中小から大手海運会社を対象に融資やリースを展開しています。
オフバランススキームや保有船事業など、資産効率と財務健全性を重視したサービスが特徴です。地元に密着しながらも、柔軟で実績あるリース提案に強みを持っています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | JA三井リース |
| 主な特徴・強み | ・JAグループの安定した資本背景 ・オフバランススキーム等資産効率化に強み ・国内中心の実績豊富な営業体制 |
| 本社所在地 | 東京ほか国内拠点 |
| 上場/非上場・資本背景 | 非上場/JAグループ系 |
| 保有・管理機数 | 具体数不明 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 船主向け融資・保有船事業中心 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | オフバランススキーム、保有船事業 |
| 契約期間の柔軟性 | 中程度 |
| 対象船種(コンテナ船等) | バルカー、コンテナなど多様 |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | ・国内拠点中心で地元に根付いた支援体制。 ・中小海運会社にもフレキシブルな対応が可能な営業・技術サポートを実施。 |
| 実績・事例 | 融資と保有船事業での多様な実績 |
SBIリーシングサービス

SBIリーシングサービスは主にオペレーティングリースに特化し、資産を保有せずに顧客ニーズに合わせた柔軟なリース商品を提供しています。
ファンド組成等で約3,000億円規模の実績があり、国内外のファンド投資家を多数抱え、高成長を遂げている会社です。航空機リースも手がけ、幅広い大型償却資産の専門ノウハウに定評があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | SBIリーシングサービス |
| 主な特徴・強み | ・オペレーティングリース専門で柔軟な契約対応 ・約3,000億円規模のファンド組成実績 ・大型償却資産に強く投資家多数 |
| 本社所在地 | 東京ほか国内拠点 |
| 上場/非上場・資本背景 | 上場/オペレーティングリース主体 |
| 保有・管理機数 | 非公開 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | ファンド投資家中心 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | オペレーティングリース |
| 契約期間の柔軟性 | 高い |
| 対象船種(コンテナ船等) | 航空機・船舶(大型償却資産) |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | 東京に主拠点を持ち、高度専門知識を有するスタッフにより投資家・顧客へきめ細かいリースサポートを提供。 |
| 実績・事例 | ファンド組成累計3,000億円超 |
日本マリタイムバンク

日本マリタイムバンクは非上場の伝統的な船舶金融サービス会社として、主に国内の外航船・内航船を対象に融資サービスを行っています。
詳細な営業資産情報は非公開で、顧客対応に特化した保守的な事業展開が特徴です。地域密着のサポート体制で長年の実績を積み重ねています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供会社(運営会社) | 日本マリタイムバンク |
| 主な特徴・強み | ・伝統的な船舶金融に注力 ・国内海運会社対象に密着型サービス ・長年の実績と保守的経営 |
| 本社所在地 | 東京ほか国内拠点 |
| 上場/非上場・資本背景 | 非上場 |
| 保有・管理機数 | 非公開 |
| 顧客規模(取引実績・対象業種) | 主に国内海運会社 |
| 取扱リース形態(オペレーティング等) | 非公開 |
| 契約期間の柔軟性 | 不明 |
| 対象船種(コンテナ船等) | 主に外航船及び内航船 |
| 導入スピード(契約〜運航開始) | 具体的な情報なし |
| 返却条件の明確さ(レデリバリー基準等) | 不明 |
| サポート体制(24時間対応・国内拠点) | ・東京本社1拠点に集約し、専門性の高い少人数体制で国内外の船舶ファイナンス案件に対応。 ・質の高いカスタマーサービスが特徴。 |
| 実績・事例 | 伝統的な融資サービス、長年の実績 |
船舶リース会社選び方|比較ポイントと注意点
船舶リース会社を選ぶ際には、単に月額費用だけを比較するのではなく、契約条件やサポート体制など複数の観点から総合的に判断する必要があります。
特に重要となるポイントは以下の通りです。
順番に見ていきましょう。
以下で順に解説します。
1.【事前準備】複数社見積もりの取り方と比較のコツ
必ず3社以上から見積もりを取り、条件を横並びで比較することが基本です。
同じ船種・契約期間でも、リース料や返却条件は会社ごとに大きく異なります。
相見積もりを取ることで相場感がつかめ、交渉材料にもなります。
ある海運会社は、最初に提示された1社の見積もりで契約を進めようとしましたが、別会社からの見積もりを取ったところ年間で1,000万円以上安い条件が提示され、結果的に契約を見直しました。
見積もりは必ず複数社から取り、「月額リース料」だけでなく「返却条件や追加費用を含めた総コスト」で比較することが欠かせません。
2.【費用検討】リース料・費用相場(船種・契約年数別の目安)
リース料は船種や契約期間によって大きく変動するため、相場を事前に把握しておきましょう。
一般的には、リース総額は購入価格の120〜150%程度に設定されています。
短期契約では割高になりやすく、反対に長期契約では比較的割安になる傾向があります。
たとえば、5億円のバルク船を10年間リースすると総額は約7.2億円です。
購入なら維持費を含めても約7億円に収まるため、長期利用では購入の方が経済的といえるでしょう。
短期的な資金効率を重視するならリースが有利ですが、長期で見れば購入の方がコスト効率に優れるケースも少なくありません。
費用相場を理解していれば、提示された条件が妥当かどうかを冷静に見極められるはずです。
3.【会社評価】実績・信頼性|導入事例と業界評価
リース会社の実績と信頼性を確認することが、長期契約を成功させるカギです。
実績豊富な会社は業界内での信用も厚く、トラブル時の対応力も高い傾向があります。導入事例や取引先を確認することで、信頼性を客観的に評価できます。
大阪に拠点を置くあるリース会社は、地元の中小海運会社から高い評価を受けており、トラブル発生時の現場対応力が契約継続の決め手となりました。
「安さ」だけではなく、実績・信頼性を重視することが、長期的な安心につながります。
4.【サービス評価】サポート体制|トラブル対応・国内拠点
サポート体制の充実度は、運航を止めないための重要な比較ポイントです。
船舶は突発的な故障やトラブルが発生しやすいため、迅速な対応が求められます。
国内に拠点を持つ会社であれば、現場への迅速な対応が可能です。
一方、サポート体制が不十分な場合、運航停止による損失が膨らむリスクがあります。
実際に、ある企業が海外系リース会社と契約したケースでは、国内サポート拠点がなかったため、トラブル発生時の対応が遅れ、数千万円の損失を被った事例があります。
リース会社を選ぶ際には、サポート窓口の有無、拠点の所在地、対応体制について必ず事前に確認することが重要です。
5.【契約条件】期間・返却条件・保守整備体制
契約条件はリース料以上にコストへ影響するため、細部まで確認する姿勢が欠かせません。
リース契約は「期間の長さ」「返却時の条件」「保守整備の責任範囲」によって実質的な総額が大きく変わります。
表面的な月額料が安くても、返却時の修繕費や保守負担が重ければ、最終的には割高になります。
ある海運会社は、契約時に返却条件を曖昧にしたまま契約を進めました。
契約終了時に原状回復費用として数千万円を請求され、予想外の負担となったのです。
契約時に返却基準を明文化していれば避けられたトラブルでした。
契約を結ぶ際は「期間・返却条件・保守整備体制」の3点を必ず確認し、契約書に明確に記載しておくことが重要です。
6.【契約交渉】交渉の進め方とポイント
リース契約では、提示された条件をそのまま受け入れるのではなく、交渉によって有利な条件を引き出すことが可能です。
船舶リースは高額取引であり、契約期間・整備責任・返却基準などは交渉余地がある項目です。
事前に相場や他社の条件を把握していれば、交渉を有利に進められます。
たとえば、当初は「返却時に整備費用を別途負担」とされていた契約でも、他社見積を提示して交渉した結果「月額リース料に整備費を含む条件」へ変更できた事例があります。
結果、総額で数千万円のコスト削減につながりました。
契約交渉では「相場の把握」「複数社比較」「譲れない条件の明確化」が鍵となります。
7.【契約締結】契約書チェックの必須項目
契約書の確認は、船舶リースにおけるトラブル回避の最重要ステップです。
リース契約は高額かつ長期にわたるため、曖昧な条項があると後に多額の追加費用や法的トラブルにつながります。
特に返却基準、保守整備の責任範囲、中途解約時の扱いは要注意です。
ある企業は契約書を十分に精査せずに締結し、途中で航路縮小のため解約を申し出ました。
しかし「中途解約不可」の条項があり、残期間分のリース料を一括請求され、数億円の損失を被りました。
契約締結時には専門家(弁護士・税理士)に確認を依頼し、「返却条件・保守責任・中途解約条項」の3点を必ず精査することが不可欠です。
8.【契約終了】返却・買取・再リース時の対応
契約終了時の対応方法は、返却・買取・再リースの3パターンがあり、どれを選ぶかによってコストや運航計画に大きな影響を及ぼします。
返却を選べば所有リスクを回避できますが、原状回復費用が発生する可能性があります。
買取は費用がかかりますが、その後も自由に使える資産を確保できます。
再リースは追加契約で同じ船を利用できるため、短期的な延長ニーズに対応可能です。
ある中堅海運会社は、繁忙期に合わせて5年間のリース契約を結びました。
契約終了時に新造船の納入が間に合わなかったため、再リースを選択し、運航の空白期間を回避しました。
契約終了後の選択肢をあらかじめ想定しておくことで、余計なコストや事業の停滞を防げます。
返却・買取・再リースのメリットとデメリットを比較し、自社の事業計画に合わせた判断を行うことが重要です。
船舶リースの節税効果と会計処理のポイント
船舶リースには、税務面・会計面でのメリットと注意点があります。
特に以下の点を理解しておくことが重要です。
以下で順に解説します。
リース料を損金に算入できるため節税効果がある
船舶リースの最大の魅力は、リース料を全額損金として計上でき、法人税の負担を軽減できる点です。
購入では資産として計上し、減価償却で長期にわたり費用化します。
一方リースなら毎月の支払いを経費処理できるため、利益を圧縮し税負担を軽くできます。
5億円の船を購入すると、10年の減価償却で毎年5,000万円ずつしか費用化できません。
リースなら年間7,200万円をそのまま損金にでき、キャッシュフローに余裕を持たせられます。
リースは「節税」と「資金繰り安定」の両面で効果を発揮します。
オペレーティングリースはオフバランス処理が可能
オペレーティングリースは、バランスシートに資産や負債を計上せず、オフバランス処理が可能です。
資産計上を避けられることで、財務指標(自己資本比率や負債比率)を良好に保てます。
これは金融機関からの評価や追加融資の可能性にも影響します。
中小海運会社が購入で船を資産計上した場合、総資産が急増し自己資本比率が低下しました。
しかしリースを利用したケースでは資産に反映されず、財務内容を安定的に維持できました。
財務指標を維持したい企業にとって、オペレーティングリースは有力な選択肢となります。
購入と比べて税務上の扱いが異なる
購入とリースでは、税務処理に大きな違いがあります。
購入では減価償却による長期的な費用化、リースでは毎月の損金処理が基本です。
どちらが有利かは利益計画や資金繰りの状況によって変わります。
利益が安定している企業なら、リースで損金処理を行うことで税負担を軽減できるでしょう。
逆に利益が少ない場合には、購入で減価償却を行った方が将来的な節税効果が高まるケースもあります。
自社の収益構造に応じて「リースか購入か」を検討し、税務面からの比較を行うことが不可欠です。
IFRS16や国内基準でのリース処理に留意が必要
国際会計基準(IFRS16)や国内基準では、リースの会計処理方法が異なるため注意が必要です。
IFRS16では原則すべてのリースをオンバランス処理する必要があります。
日本基準ではオペレーティングリースはオフバランス処理が可能ですが、将来的な会計基準変更の影響も考慮する必要があります。
グローバルに展開する大手海運会社は、IFRS16の適用によりリース契約を資産・負債として計上しました。
その結果、財務指標に変化が生じ、金融機関への説明責任も増えました。
会計基準の違いによって財務諸表の見え方が大きく変わるため、自社が適用する会計基準に合わせた判断が不可欠です。
税理士に相談すべきタイミング
リース契約を検討する段階で、税理士など専門家に相談することが望ましいです。
リース料の損金処理や会計基準の適用判断は複雑であり、誤った処理は税務リスクにつながります。
早い段階で専門家に確認すれば、安心して契約を進められます。
ある中堅企業は、税務処理を自己判断で進めた結果、後の税務調査で修正申告を求められ、多額の追徴課税を受けました。
事前に専門家へ相談していれば防げた問題でした。
契約前に必ず専門家へ相談し、最適な税務・会計処理を設計しておくことが、リスク回避と節税効果の最大化につながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. リースと購入、結局どちらが得ですか?
A. 事業の安定度と利用期間で判断します。
- 短〜中期/需要が読みにくい:リース有利(初期投資を抑え、早く運航開始できる)
- 長期(目安10年以上)/需要が安定:購入有利(総コストは割安になりやすい)
- 相場感:リース総額は購入価格の120〜150%になりがちです。
- 提示条件は返却費用や保守負担を含めた総コストで比較しましょう。
Q2. 返却時のトラブルを避けるには何を確認すべき?
A. 「レデリバリー条件」を契約書で具体的に明文化することが最重要です。
- 最低限の記載:船体・塗装・内装の状態、計器類・付属品の有無、整備履歴・書類一式
- 費用負担の線引き:通常損耗の定義、修繕範囲、最終ドック・清掃の要否
- 実務のコツ:返却2〜3か月前の事前共同点検、チェックリスト運用、写真・動画記録の保存
Q3. オペレーティングリースは、会社の財務状況にどう影響しますか?
A:オペレーティングリースは、一般的に財務指標を良好に保つことができます。 なぜなら、リースした船舶をオフバランス処理(貸借対照表に資産や負債として計上しない)できるためです。
これにより、自己資本比率や負債比率などの財務指標が悪化するのを防げます。特に、金融機関からの追加融資を検討している企業や、財務健全性をアピールしたい企業にとっては大きなメリットとなります。ただし、国際会計基準(IFRS16)が適用される場合は、オンバランス処理が必要になるため注意が必要です。
まとめ|船舶リースを正しく理解し、最適な契約で失敗を防ぐ
本記事では、船舶リースの「仕組み」「費用」「契約管理」を軸に、経営判断を誤らないための実務ポイントを整理しました。
最後に重要なポイントをおさらいします。
最適なリース形態と信頼できるリース会社を見極めることで、巨額投資のリスクを抑えながら、繁忙期対応や新航路開設といったビジネスチャンスを確実に捉えることができます。
※おすすめの航空機リース会社は『おすすめ航空機リース会社7選比較|料金相場からリースの仕組みまで徹底解説』をご覧ください。
船舶リース会社を一括チェックするならMCB FinTechカタログをチェック
MCB FinTechカタログでは、船舶リース会社の最新資料を無料で一括ダウンロードできます。船舶リース会社ごとの契約形態、費用相場(ブロックアワー単価・ミニマムユース・MR・デポジット)、対応地域や顧客規模、導入実績、サポート体制など、比較検討に欠かせない情報を効率的に確認できます。
【月額基本料なし】MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋 真倫

