インタビュイー:
株式会社エムアイシー 代表取締役 丸宮 氏
MIC-ViewSystemとはどのようなサービスですか?
MIC-ViewSystemは、保険代理店向けのクラウド型顧客管理システムです。50年続くあいおいニッセイ同和損保(AD)専属の損保代理店である当社が、現役の代理店として現場目線にこだわって開発しています。
顧客を軸に、家族・契約・事故・予定・対応履歴・書類といった情報を一元管理し、これまで担当者任せになりがちだった情報を社内で共有できるようにしています。顧客情報を社員一人ひとりの記憶ではなく、会社の記録として蓄積していく。そうすることで、誰が見ても同じ情報をもとに対応できる状態をつくることができます。これにより、金融庁や保険会社への対応に向けた業務品質と管理体制の整備を支援しています。
MIC-ViewSystemの開発に至った背景を教えてください
当社のルーツは、先代であり創業者でもある父が始めた保険代理店にあります。当時の保険募集は、申込書などをすべて手書きで作成していた時代でした。字を書くことが得意ではなかった父が、少しでも業務を効率化したいという思いから、手探りで印字システムを開発したことが、当社の保険業界向けシステム開発の始まりです。
その後は、現在も業界で広く使われている3パターンのプランを提示する保険料計算システムや、保険会社のシステムなど、数多くの開発に携わってきました。そして現在は、私自身も保険代理店の現場に立つ立場として、現場で本当に必要とされる保険代理店向けシステム「MIC-ViewSystem」の開発・販売を行っています。
これまで培ってきたシステム開発の経験と、保険代理店としての現場感覚を活かしながら、全国の保険代理店様の業務品質向上や顧客対応体制づくりをお手伝いしています。
同じ保険代理店が開発していることは、どのような強みにつながっていますか?
システムをお探しの皆様と同じ保険代理店、それも損保代理店である当社が、自社の現場で必要性を感じて開発・運用し、日々の代理店業務の中で使いやすさにこだわってアップデートしてきたシステムであること。これが一番の強みだと考えています。保険代理店の実務や課題を理解した設計に加えて、プライバシーマークやISOの取得を通じて、情報管理や業務品質、管理体制の整備を当社自身が実践してきました。同じ代理店だからこそ、きれいごとではなく、現場で無理なく続けられる仕組みとしてご提案できる点が特長です。
具体的な例をひとつお話しします。約20年前、私が募集人として駆け出しだった頃、お客様の大切な予定を失念してしまい、大きなお叱りを受けた苦い経験がありました。その経験から「予定を絶対に忘れない仕組みが必要だ」と強く感じ、予定のアラートを携帯電話などにメールで通知する機能を実装しました。MIC-ViewSystemは多機能なシステムですので、ほかにも現場経験が反映された機能は数多くありますが、根底にあるのは、日々の業務をより便利に、よりスピーディに進められるようにしたいという思いです。
保険代理店は、一般的な小売業のように商品を仕入れる業態ではありません。その中で最も大切な資産の一つは、顧客情報だと考えています。その顧客情報を保険会社任せにするのではなく、自社でしっかり管理し、社内で共有し、顧客対応や提案に最大限活かしていく。そうした考え方が私たちにとっては日常の中にあるからこそ、現場で本当に必要とされる機能を開発できているのだと思います。
導入のご相談で多いのは、どのような理由ですか?
一番多いのは、担当者ごとに顧客情報や対応履歴が分かれてしまっていて、社内で情報共有できる体制を整えたい、というご相談です。
保険業界では、これまで担当者制による営業スタイルが一般的でした。その一方で、担当者しか分からない情報が多くなると、退職や異動、急な不在があった際に、顧客対応が滞ってしまうリスクがあります。お客様を世代を超えて守っていくためには、特定の担当者だけに頼るのではなく、代理店全体で顧客情報を共有し、誰が見てもこれまでの経緯や対応状況を把握できる体制づくりが必要です。MIC-ViewSystemは、そうした属人的な管理から脱却し、組織として継続的にお客様を支えていくための仕組みとして、導入をご相談いただくことが多いです。
Excelや保険会社提供のシステムと比べて、選定の決め手になりやすいポイントは何ですか?
まず、Excelで満期管理表などを作成・更新されている代理店は非常に多いのですが、その作業負担を大きく削減できる点は、分かりやすいメリットだと思います。手作業による転記や確認の手間を減らすことで、顧客対応や営業活動に時間を使いやすくなります。
また、保険会社が提供するシステムは無料で利用できる一方で、あくまで保険会社側の業務を前提とした仕組みです。代理店が自社の顧客情報を主体的に管理・活用していくには、どうしても限界があります。代理店経営においては、顧客情報や対応履歴を自社の資産として蓄積し、担当者間で共有しながら、より良い提案やサポートにつなげていくことが重要です。
MIC-ViewSystemは、保険代理店の現場で実際に必要とされる使いやすさを重視し、顧客管理・契約管理・満期管理・対応履歴などを一元化できる点が大きな特長です。保険会社に依存しすぎず、代理店として自立した顧客対応体制を整えられること。これが、選定の決め手になりやすいポイントだと考えています。
導入を主導されるのは、代理店内のどのような立場の方が多いですか?
導入後に日常的な運用の中心となるのは、事務担当者の方が多い傾向にあります。一方で、導入を主導されるのは、やはり経営者の方が多いです。
これまでの経験上、経営者ではない方が中心となって導入を進めたものの、社内全体の運用ルールや意識づけまで浸透せず、十分に活用しきれなかったケースもありました。システムは、単に導入すれば定着するものではありません。顧客情報や対応履歴を社内で共有し、組織として活用していくためには、経営者が方針を示し、社員の皆様と一緒に運用していくことが重要です。
特に、近年の保険業法改正や代理店業務品質評価制度の流れにより、今後は代理店にも、より高い業務品質や管理体制が求められていきます。その意味でも、MIC-ViewSystemは事務担当者だけの業務効率化ツールではなく、経営者主導で代理店全体の管理体制を整えていくためのシステムとして活用していただくことが重要だと考えています。
導入によってどのような効果が出ていますか?業務効率75%という数字の背景も教えてください
たとえば、顧客情報・契約情報・対応履歴・書類などを探す時間の削減、満期案内や更改対応、事故対応、意向確認記録などの進捗管理の見える化、担当者の変更時や不在時の引き継ぎ負担の軽減、代理店内での情報共有の促進と対応漏れの防止、そして紙やExcel中心の管理から脱却して業務の属人化を防ぐこと。こうした効果が出ています。紙中心の代理店業務を経験したスタッフからは、従来より約75%効率的に業務を進められるようになったという実感の声もあります。
この効果を本格的に実感いただけるまでには、1年ほどを目安としてお伝えしています。導入直後は、保険手続き上必要な顧客情報や契約情報など、比較的シンプルな情報からスタートすることが多いためです。そこから日々の対応履歴、予定、満期管理、添付書類などの情報が蓄積されていくことで、徐々に社内で活用できる情報資産になっていきます。もちろん、満期管理表の作成や情報検索など、導入後すぐに効率化を感じていただきやすい業務もあります。
一方で、業務全体として大きな効果を出すためには、社員の皆様が継続して情報を入力し、共有していくことが欠かせません。そのためには、システムを入れる目的を経営者が社員の皆様にしっかり説明し、なぜ今、保険代理店にシステム活用が必要なのかを理解してもらうことが大切です。単なる入力作業としてではなく、顧客情報を代理店の大切な資産として蓄積していく。その意識を社内で共有し、社員一丸となって運用していくことが、効果を出しやすい一番のコツだと考えています。
どのような代理店に向いていますか?成功パターンもあれば教えてください
顧客情報や対応履歴を社内で共有し、担当者任せではなく組織として顧客対応を進めていきたい代理店に向いています。特に、社内にITやシステムに比較的慣れている方が1人でもいらっしゃる場合は、導入後の浸透が早い傾向があります。
一方で、全員が最初からシステムに詳しい必要はありません。システム操作が苦手なベテラン社員の方を、若手社員や事務担当の方がフォローしながら運用を定着させている事例もあります。
成功している代理店に共通しているのは、「まずは満期管理や対応履歴の入力など、日常業務の一部から使い始めること」と、「社内で入力ルールや確認方法を決めて、継続して使う体制をつくること」です。最初からすべての機能を使いこなそうとするよりも、現場に合った使い方から少しずつ広げていく代理店ほど、定着しやすいと感じています。
導入時から導入後にかけての支援体制について教えてください
導入までの期間は平均で3〜4ヶ月ほどですが、この間は、MIC-ViewSystemに取り込むためのデータの準備や、保険会社への各種申請、初期設定、社内での運用準備などに充てています。
実際の操作説明や運用方法の確認については、導入後に実施しています。特に、満期管理、予定や対応履歴の入力など、日常業務で使う頻度の高い機能から優先してご案内し、実際の業務に合わせながら少しずつ定着できるようサポートしています。使い始めてから出てくる疑問も多いため、導入後も継続してフォローを行い、社内に無理なく定着していくよう伴走しています。
料金プランはどのような基準で決まりますか?
料金は、主にご利用人数、導入時のデータ取込内容、必要な初期設定や連携内容などを確認したうえで、個別にお見積りしています。
月額利用料については、基本的に利用ID数をもとに算出します。代理店の規模そのものというよりも、実際に何名で利用されるかが判断の基準になります。また、導入費用については基本的な考え方を設けていますが、取り込みたいデータによっては、必要な作業量や費用が変わる場合があります。そのため、お見積り時には、ご利用人数および拠点数、取り込みたいデータの内容などを確認し、代理店ごとの運用に合った形でご提案しています。
今後注力していく機能開発や事業展開の方向性を教えてください
今後は、保険代理店が金融庁や保険会社から求められる業務品質・管理体制に対応していくためのシステムとして、さらに機能を強化していきたいと考えています。
保険業法の改正や代理店業務品質評価制度の流れにより、代理店にはこれまで以上に、適切な募集管理、顧客対応履歴の記録、社内での情報共有、確認・改善の仕組みが求められるようになっています。MIC-ViewSystemは、単なる顧客管理システムではなく、代理店が組織として顧客情報を管理し、対応履歴を残し、誰が見ても状況を把握できる体制を整えるための基盤となることを目指しています。そのため、現場の利便性をさらに高めながら、外部サービスとの連携も強化していく方針です。
代理店が保険会社に依存しすぎるのではなく、自社の顧客情報を自社の資産として蓄積・活用し、これからの時代に求められる代理店経営を実現できるよう、現場の声を反映しながら継続的に改善していきます。
まとめ・編集部コメント
MIC-ViewSystemは、50年続く現役の損保代理店である株式会社エムアイシーが、自社の現場で必要性を感じて開発してきた保険代理店向けのクラウド型顧客管理システムです。顧客・契約・事故・予定・対応履歴・書類を一元管理し、担当者任せになりがちな情報を「会社の記録」として社内で共有できる点に大きな特長があります。
今回のお話で印象的だったのは、機能のひとつひとつが現場の実体験から生まれている点です。予定の失念という苦い経験から通知機能が生まれたように、同じ代理店だからこそ分かる「本当に必要なもの」が設計に反映されています。プライバシーマークやISOの取得を自社で実践してきた背景もあり、2026年6月の改正保険業法施行や業務品質評価制度への対応を見据える代理店にとって、心強い土台になりそうです。
担当者制による属人化から脱却したい代理店、Excelや保険会社提供システムでの管理に限界を感じている代理店、そして経営者主導で管理体制を整えていきたい代理店にとって、MIC-ViewSystemは検討してみる価値のあるサービスです。顧客情報を自社の資産として活かしていく体制づくりを考えている代理店は、一度相談してみることをおすすめします。