インタビュイー:
GVA TECH 株式会社 法務オートメーション事業部 パートナーアライアンスチーム マネージャー 大沢 氏
OLGAとはどのようなサービスですか?
OLGAは、当社が提供しているリーガルテックのクラウドサービスです。契約書の作成から審査、締結後の契約書管理まで、法務業務の全プロセスを最適化するソリューションになっています。企業が求めるスピード、リスク低減、コンプライアンス対応といった課題に対して価値を提供しています。
大きなポイントは3つあります。1つ目は、AIを活用したリスク検知・レビュー機能です。契約書のどこにリスクがあるのか、自社の運用基準と照らし合わせて検知・レビューができるようになっています。2つ目は、ナレッジの資産化です。お客様とのやり取りの中で生じる交渉条件やその理由といった知識を自動で蓄積し、FAQなどから活用できる形にしています。3つ目は、他システムとの連携です。法務業務は営業や経営などさまざまな業務とつながっていますので、CRMやSFAといったシステムとの連携も可能な仕組みになっています。
OLGAを開発された背景を教えてください
代表の山本がもともと法律事務所を経営しておりまして、弁護士が人で対応していくスタイルには、細かいところまで対応できる良さがある一方で、やはり人の限界やコストの問題があると感じていました。ITの力を活用して、より多くの企業や場所に法の知見を広げられないかというのが、開発の一番の起点になっています。
当社は「法とすべての活動の垣根をなくす」というパーパスを掲げています。例えば、立ち上げ期の企業は法的リスクを抱えていても資金不足で法律事務所と契約できないケースがありますし、今契約している法律事務所が自社の事業戦略に本当に合っているかどうか分からないという課題もあります。そういった状況を最適化し、法の知見を向上させることが当社のミッションです。
実は、OLGAは最初から今の形でリリースしたわけではありません。まずは契約書のレビュー機能からスタートし、お客様の声を聞いていく中で周辺業務にも課題があることが分かり、その前後のプロセスも含めた効率化を進めてきました。お客様の声をベースに開発を重ね、現在のトータルなソリューションとして仕上がっています。
競合サービスとの違いはどこにありますか?
大きく分けて、プロダクト面と全体のサービス設計面の2つがあります。
プロダクト面では、法務部門だけでなく事業部門が負担なく活用できる設計にしている点が強みです。具体的には、レビュー依頼を行う事業部門のアカウントを無料で提供していますし、既存のメールやSlack、ワークフローといった環境をそのまま使いながら法務の知見を活用できるようになっています。事業部門にハレーションが起きない形で活用できる設計ですので、法務部門への貢献度も高くなっています。
全体のサービス設計面では、単なるSaaSとしてのツール提供にとどまらず、法務部門の運営構造そのものを変えるところまで踏み込んでいます。管理ツールという範囲ではなく、運用に組み込んだ形でのツール提供と設計まで行えるのが他社との大きな違いです。2026年4月からは、ツールとは別にコンサルティングサービスも新たに展開していく予定で、経営層やDX推進部門も巻き込みながら、AIを活用した業務設計を社内に構築していくことを支援していきます。
現場で使いやすい設計にこだわる理由は何ですか?
実は、法務の方も事業部門のことをあまり知らないことが多いです。法務の方は現場を知る時間を作りたいと思っていても、業務的な連絡が多くて時間が取れないという状況があります。一方で、現場は法務の知識がないために対応を丸投げしがちです。
事業部門の方にOLGAを使っていただくことで、お互いの仕事のやり方が変わります。事業部門がリスクをある程度把握できていれば未然に防げるケースもあります。リスクに気づかずそのまま締結してしまい、後から「これおかしくない?」という話になるケースもあるんですが、そういったことも防げるようになります。事業部門が変わることは、法務部門だけでなく会社全体にとって非常にメリットがあると考えています。
どのような企業や部門からの相談が多いですか?
7~8割は法務部門からのご相談です。導入相談の内容としては、法務部門の現場の課題感が圧倒的に多いです。契約書の更新管理で手作業の台帳管理に工数がかかっている、ミスが発生しやすいといった問題や、法務のノウハウが属人化していて新人が育たない、人によって対応に差が出てしまうといったお悩みが多くあります。知見を会社全体で蓄積していきたいというご要望は非常に多いです。
ただ、最近はガバナンス強化や対応リードタイムの短縮、人材不足といった会社全体の課題を背景に、DX推進部門や情報システム、経営層からのご相談も増えています。特にAI活用推進の文脈で、全社的にAIを活用できる領域を探している上層部やDX推進部門からのお声がけが増えてきています。
導入の決め手になるポイントは何ですか?
法務部門と事業部門の両方が「これなら使える」「効果がある」と納得感を得やすい点が大きいです。そうした中で、周りの方にご納得いただきやすく稟議が通りやすいというのは重要なポイントです。今までのリソースをそのまま使えますし、現場の方がFAQのような形で知見を直接体感できる仕組みになっています。営業部門であれば、SalesforceなどのSFA・CRMと公式連携しているリーガルテックサービスは数少ないので、そこも決め手になっています。
導入効果の具体的な事例を教えてください
ある企業様では、法務相談の受付から回答までの工数が40%削減され、月間で数百時間の工数削減につながりました。また、数千件以上の契約更新管理を行っている企業様では、AIによる自動化によって、更新漏れによる不利益な契約更新やタイミングの失念がゼロになったという定量的な成果も出ています。
自動化による効果は、導入後すぐに体感いただけることが多いです。そこからさらに、ナレッジの蓄積が進むことで付加価値が積み上がっていくイメージですね。段階的に価値を実感していただけるサービスになっています。
OLGAの導入に特に向いている企業はありますか?
契約件数が多く、多角的に事業を展開されている企業や急成長されている企業は非常に向いています。契約書の変更やレビューの量が多いほど、効果を実感しやすくなります。また、SalesforceなどのSFA・CRMを業務で活用されている企業にも向いています。Salesforceと公式連携しているリーガルテックサービスは当社を含めごく少数ですので、既にSalesforceをお使いの企業様にとっては非常に相性が良いです。
導入時のサポート体制について教えてください
サービスが活用できないと意味がありませんので、導入期間のおよそ1〜2ヶ月は専任の担当者がついて立ち上げを支援しています。過去のデータの移行サービスもご用意しており、移行するパターンと閲覧のみのパターンなど、お客様のご状況に合わせて柔軟に対応しています。工数がなかなか取れないというお客様にも、負担を抑えた形でサポートを提供しています。
料金体系はどのような仕組みになっていますか?
基本のベースプランがあり、法務担当者1名分のライセンスが含まれています。それに加えて、法務人数を追加したりワークフローや電子署名、Salesforceと連携したいなどオプションもご用意しており、全社展開しやすい仕組みです。
もう一つ、年間に管理する契約書の枚数に応じて費用が変わってきます。これはAIによるデータ化・自動化のコストに基づくものです。初期のヒアリング・ご相談の段階である程度の金額はお伝えできますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。
今後の展望やビジョンを教えてください
生成AIが主流になるにつれて、AIにお任せする部分がどんどん増えていく世界に変わっていくと考えています。法務の分野でも同様に、AIに業務を任せながら、法務担当者がよりクリエイティブな仕事や人が判断すべき仕事に集中できる環境を広げていきたいと思っています。
当社では「AX(AIトランスフォーメーション)」という概念を掲げています。単純にツールを展開するだけでなく、お客様が既に導入されているAIツールとOLGAをどう有機的にシナジーを生み出しながら最大活用していくか。そこをツールとコンサルティングの両輪で支援していきます。
具体的には、業務設計をしっかり整えた上でAIに自動化させていき、最終的な責任は人が持ちながらも、AIを使うガバナンスをどう整えるかというところまで、お客様と一緒にフェーズを分けて取り組んでいく方針です。法務部門がコストセンターではなく、経営をドライブしていく戦略的な役割を担えるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。
まとめ・編集部コメント
GVA TECH 株式会社が提供するOLGAは、契約書レビューから管理、ナレッジ蓄積まで、法務業務の全プロセスを最適化するリーガルテッククラウドサービスです。
今回のインタビューで特に印象的だったのは、法務部門だけでなく「事業部門」にフォーカスしたプロダクト設計です。事業部門のアカウントを無料で提供し、既存のメールやSlack環境をそのまま活用できる仕組みによって、法務と現場の双方にメリットをもたらしています。また、2026年4月から開始予定のコンサルティングサービスにより、ツール提供にとどまらず企業のAI活用体制そのものを構築していく姿勢は、今後のリーガルテック市場において大きな差別化要因となるでしょう。
法務業務の効率化やガバナンス強化を検討されている企業であれば、単なる業務ツールではなく、法務部門の変革パートナーとしてOLGAを検討してみてはいかがでしょうか。