新リース会計基準の適用が迫るなか、「既存の契約は本当に問題ないのか」「賃貸借契約や業務委託契約まで確認が必要なのでは」と不安を感じている経理・財務担当者の方も多いのではないでしょうか。
オフィスの賃貸借契約や複合機のレンタル、外注・業務委託契約など、契約書の名称にかかわらず“リース”と判定される可能性があると知り、Excel管理や属人的な契約把握に限界を感じている企業も少なくありません。
本記事では、新リース会計基準の基本的な考え方と企業実務への影響を整理したうえで、賃貸借契約・業務委託契約がリースに該当する判断基準、既存契約を契約書ベースで洗い出す具体的な進め方、そして新基準対応を効率化する契約管理システムの活用ポイントまでを分かりやすく解説します。
読み進めることで、新リース会計基準対応で「何から着手すべきか」「どこまで対応が必要か」が明確になり、自社に合った実務対応の全体像を把握できるはずです。
目次
新リース会計基準とは?契約書対応が求められる理由【既存契約も対象】
新リース会計基準とは、企業が利用しているリース取引を原則すべてオンバランスで計上することを求める新しい会計ルールです。日本基準では2027年4月1日以降に開始する事業年度から強制適用され、国際的にはIFRS第16号(IFRS16)と整合する形で導入されます。
参照:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の公表
最大の特徴は、契約書の名称や形式ではなく、取引の実態に基づいてリース該当性を判断する点にあります。これまで「賃貸借契約」「業務委託契約」「レンタル契約」として処理していた取引であっても、特定の資産を一定期間、対価を支払って使用していると判断されれば、新リース会計基準上はリース取引として扱われます。
その結果、使用権資産とリース負債を貸借対照表に計上する必要があります。
なぜ「契約書対応」が重要になるのか
新リース会計基準への対応で、これまで以上に契約書の確認が重要になる理由は大きく3つあります。
まず1つ目は、新基準が原則として既存契約にも適用される点です。新規に締結する契約だけでなく、過去から継続している賃貸借契約や業務委託契約も対象となるため、「これまで問題なく処理していた契約」ほど見直しが必要になります。契約書を一つずつ確認し、リース該当性を判断する作業は避けて通れません。
2つ目は、リース該当性の判断に必要な情報が契約書の条文に集約されている点です。特定資産の有無、使用範囲、利用方法の決定権、代替資産の可否、契約期間や更新オプションなど、リース判定に必要な要素はすべて契約書に記載されています。会計データや勘定科目だけを見ていても、正確な判定はできません。
3つ目は、「隠れリース」の存在です。契約書上は業務委託やサービス契約とされていても、実態として特定の設備やITインフラを専用で利用している場合、その資産利用部分はリースと判定される可能性があります。こうした契約は、契約書を精査しなければ見落とされやすく、監査対応や後追い修正のリスクを高めます。
契約書管理が不十分だと生じるリスク
契約書を網羅的に把握・管理できていない場合、新リース会計基準対応では次のようなリスクが生じます。
特に、契約書が各部署に分散していたり、Excelや紙で管理されている場合、経理部門だけで対応するのは現実的ではありません。
このように、新リース会計基準への対応は「会計処理の問題」にとどまらず、契約書を起点とした管理体制の見直しが不可欠です。
次章では、新リース会計基準の適用によって具体的に何が変わるのか、リース契約の会計処理や財務・実務への影響を整理していきます。
新リース会計基準で何が変わる?リース契約の会計処理と影響
新リース会計基準で何が変わるのか、端的に言うと「これまで経費処理だけでよかった『借りる契約(リース)』も、原則すべて会社の資産と借金として決算書に載せなければならなくなる(オンバランス化)」ということです。
従来の日本基準では、リース契約は「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」に区分され、オペレーティング・リースは賃借料として費用処理するだけで済んでいました。
しかし新リース会計基準では、この区分が廃止され、原則としてすべてのリースについて、使用権資産とリース負債を貸借対照表に計上することが求められます。

リース契約の会計処理はどう変わるのか
新基準におけるリース契約の会計処理は、次のような流れになります。
まず契約開始日に、将来支払うリース料の現在価値を算定し、
- 借方:使用権資産
- 貸方:リース負債
を計上します。これにより、これまで貸借対照表に現れていなかった賃貸借契約やレンタル契約なども、資産・負債として可視化されます。
その後、各会計期間では
- 使用権資産の減価償却費
- リース負債に対する利息費用
を計上する形となります。従来のように「地代家賃」「賃借料」として単純に費用計上する処理とは異なり、減価償却+利息という構造に変わる点が実務上の大きな違いです。
財務指標・経営指標への影響

すべてのリース契約がオンバランス化されることで、企業の財務指標にも影響が出ます。代表的な影響は以下のとおりです。
- 総資産の増加によるROA(総資産利益率)の低下
- 負債増加による自己資本比率の低下
- EBITDAの増加(賃借料が減価償却+利息に置き換わるため)
これらは実態的な経営悪化を意味するものではありませんが、金融機関や投資家への説明、財務制限条項(コベナンツ)への影響など、対外的な説明責任が増す点には注意が必要です。
経理実務の負荷は確実に増える
新リース会計基準対応で、最も現場負担が増えるのが経理実務です。具体的には、リース契約ごとに次のような対応が求められます。
- 契約期間(延長・解約オプション含む)の判断
- 割引率の設定
- 使用権資産・リース負債の計算
- 毎期の減価償却・利息計算
- 契約条件変更時の再測定
特に、賃貸借契約や業務委託契約のように件数が多く、内容も多様な契約については、Excelによる手作業管理では限界が生じやすく、計算ミスや更新漏れのリスクが高まります。
このように、新リース会計基準は単なる会計ルール変更にとどまらず、契約管理・会計処理・財務説明まで含めた業務全体に影響を及ぼします。
次章では、その中でも影響の大きい賃貸借契約(不動産賃貸借契約)が新基準でどのように扱われるのかを詳しく見ていきます。
(不動産)新リース会計基準における賃貸借契約の扱い
新リース会計基準において、最も影響を受ける契約類型の一つが賃貸借契約です。特に、オフィスや店舗、倉庫などの不動産賃貸借契約は、多くの企業で長期間・高額となりやすく、新基準対応の中心的な論点となります。
これまで賃貸借契約は、オペレーティング・リースとして「地代家賃」を費用処理するのが一般的でした。しかし新リース会計基準では、契約書の名称に関係なく、資産の使用権が提供されているかどうかでリース該当性を判断します。そのため、不動産賃貸借契約であっても、原則としてリース取引に該当します。
不動産賃貸借契約がリースに該当する判断基準
新リース会計基準では、賃貸借契約がリースに該当するかどうかを、次の2点を軸に判断します。
- 使用する資産が特定されているか
- 例えば、建物名・フロア・区画番号などが契約書で明示され、貸手が自由に代替できない場合、その資産は「特定されている」と判断されます。
- 借り手がその資産の使用を支配しているか
- 具体的には、契約期間中にその不動産を排他的に利用でき、利用目的や使い方を実質的に決定できるかがポイントになります。
オフィスや店舗の不動産賃貸借契約は、これらの要件を満たすケースがほとんどであり、新リース会計基準では原則オンバランスとなります。
短期・少額賃貸借は例外扱いできる場合もある
すべての賃貸借契約がオンバランスになるわけではありません。新基準では、次のような契約については例外的にオフバランス処理を選択できます。
- 契約期間が12か月以内の短期リース
- 金額的重要性が乏しい少額リース
ただし、これらの例外を適用するかどうかは、企業の会計方針として一貫性をもって定める必要があります。契約ごとに恣意的な判断をすると、監査対応や比較可能性の観点で問題になる点には注意が必要です。
新リース会計基準における賃貸借契約の仕訳イメージ
新リース会計基準における賃貸借契約の会計処理は、従来の「地代家賃」処理とは大きく異なります。ここでは基本的な仕訳イメージを整理します。
契約開始時(初期認識)
契約開始日に、将来支払う賃料総額の割引現在価値を算定し、次の仕訳を行います。
- 借方:使用権資産
- 貸方:リース負債
この処理により、不動産賃貸借契約であっても、使用権資産とリース負債が貸借対照表に計上されます。
各期の処理
契約期間中は、以下の処理を継続します。
- 使用権資産:契約期間にわたって減価償却費を計上
- リース負債:返済に応じて元本減少+利息費用を計上
この処理により、損益計算書では従来の「地代家賃」が、減価償却費+支払利息という形に置き換わります。初期は利息部分が大きく、期間後半に向かって費用が減少するため、費用配分のパターンが変わる点も重要なポイントです。
従来の「地代家賃」との違い
従来は、毎月の賃料をそのまま費用計上すれば足りましたが、新リース会計基準では、
- 契約条件の把握
- 現在価値計算
- 毎期の償却・利息計算
- 契約変更時の再測定
が必要となります。特に不動産賃貸借契約は金額・期間ともに大きいため、計算ミスや管理漏れが財務諸表に与える影響も大きくなりがちです。
このように、新リース会計基準では賃貸借契約(不動産賃貸借契約)が、会計処理・財務指標・実務負荷のすべてに大きな影響を及ぼします。
次章では、賃貸借契約と並んで見落とされやすい「業務委託契約」に潜む隠れリースの考え方について、具体的な判断ポイントと会計処理を解説します。
新リース会計基準が業務委託契約に与える影響【隠れリースに要注意】
新リース会計基準対応で特に注意すべきなのが、業務委託契約です。一見すると「人によるサービス提供」に見える契約であっても、その中に特定の資産の使用権が含まれている場合、新基準ではリース取引として扱われる可能性があります。これがいわゆる「隠れリース」です。
業務委託契約は賃貸借契約と違い、契約書の名称や勘定科目だけでは判断できません。そのため、新リース会計基準では契約内容の実態を丁寧に読み解く必要があります。
業務委託契約でもリースに該当するケースとは
新リース会計基準では、業務委託契約であっても、次の要件を満たす場合、その契約(または一部)はリースに該当します。
- 契約の中で使用する特定の資産が明示されている
- 借り手(委託元)が、その資産の使用を一定期間支配している
たとえば、以下のようなケースです。
- IT運用を委託しており、委託先が自社専用サーバーを提供している
- 製造ラインの運営を外注しており、特定の機械設備を専属的に使用している
- 物流業務を委託し、特定倉庫の区画を長期間占有して利用している
これらは契約書上「業務委託契約」であっても、実態としては資産の使用権を対価と交換しているため、新リース会計基準ではリースと判定される可能性があります。
「リース」か「サービス」かを分ける判断ポイント

業務委託契約がリースに該当するかどうかを判断する際は、次のポイントが重要です。
これらを総合的に見て、委託元が資産の使用を支配していると判断されれば、業務委託契約であってもリース取引となります。重要なのは、「サービス契約だから対象外」と思い込まないことです。
新リース会計基準における業務委託契約の仕訳イメージ
業務委託契約にリース要素が含まれている場合でも、契約全体をリースとして処理するわけではありません。新リース会計基準では、契約を構成要素ごとに分解して会計処理を行います。
- 役務提供部分 → 従来どおり費用処理(外注費・業務委託費)
- 資産使用部分 → リースとしてオンバランス処理
リース部分については、次の仕訳を行います。
- 借方:使用権資産
- 貸方:リース負債
その後は、使用権資産の減価償却と、リース負債に対する利息計上を行います。
実務上は、
- 契約書の条文確認
- 金額の合理的な配分
- リース期間の見積り
といった作業が必要となり、賃貸借契約よりも判断難易度が高いのが特徴です。そのため、業務委託契約こそ契約書管理と情報整理が重要になります。
次章では、新リース会計基準に対応するために欠かせな「既存契約の洗い出し方」について、実務で使える具体的な進め方を解説します。
新リース会計基準対応に向けた既存契約の洗い出し方

新リース会計基準への対応で、最も時間と労力がかかるのが既存契約の洗い出しです。新基準は原則として過去から継続している契約にも適用されるため、「新規契約だけ対応すればよい」という考え方は通用しません。
重要なのは、契約の名称や勘定科目に頼らず、契約内容の実態を把握できる状態を作ることです。
全社横断で契約を集めることが出発点
既存契約は、経理部門だけで管理されているとは限りません。実際には、以下のように社内各所に分散しているケースが多く見られます。
- 総務・法務が管理している賃貸借契約
- 事業部・現場が主導で締結した業務委託契約
- 子会社・拠点単位で個別管理されている契約
そのため、新リース会計基準対応では、経理主導で各部署を巻き込んだ全社的な契約収集が不可欠です。「経理が知らない契約」が存在する前提で進めることが、洗い出し漏れを防ぐポイントになります。
勘定科目を起点にした効率的な洗い出し
実務上、最も効率的なのが勘定科目から逆引きする方法です。具体的には、以下の科目に紐づく取引先・支払履歴を抽出し、該当する契約書を確認します。
- 地代家賃
- 賃借料・使用料
- リース料
- 外注費・業務委託費
これにより、契約名称に「賃貸借」「リース」と書かれていなくても、リース要素を含む可能性のある契約を体系的に洗い出すことができます。
部署アンケートで「経理が知らない契約」を拾う
勘定科目だけでは拾いきれない契約も少なくありません。そこで有効なのが、各部署への簡易アンケートです。例えば、
- 部署で継続的に使用している設備・場所・IT環境はあるか
- 特定の機器・サーバー・スペースを専用で利用している契約はあるか
- 外部委託先から資産を提供されている業務はあるか
といった設問を設けることで、現場主導の契約や隠れリースを把握しやすくなります。
リース該当性を判断する基本フロー
洗い出した契約は、次の観点でリース該当性を確認します。
- 契約で使用する資産が特定されているか
- 借り手がその資産の経済的利益を享受しているか
- 借り手が資産の使用方法を実質的に支配しているか
この3点をすべて満たす場合、その契約(または契約の一部)はリースに該当します。契約名称や勘定科目ではなく、「資産の使用権が提供されているか」を軸に判断することが、新リース会計基準の基本的な考え方です。
洗い出し後は「管理できる形」に整理することが重要
既存契約を洗い出しただけでは、新リース会計基準対応は完了しません。重要なのは、
- 契約書
- 契約期間・更新条件
- リース該当性の判断結果
を継続的に管理できる形で整理することです。Excelでの一時的なリスト化では、契約更新や条件変更への対応が追いつかず、再び属人化するリスクがあります。
次章では、こうした課題を解消し、新リース会計基準への対応を実務レベルで支える「契約管理システムの役割」について詳しく解説します。
新リース会計基準対応を支える契約管理システムの役割
新リース会計基準への対応は、「一度契約を洗い出して終わり」ではありません。契約の新規締結・更新・変更が発生するたびに、リース該当性の再確認や会計処理への反映が求められます。
この継続的な対応を、Excelや紙台帳、担当者の記憶に頼って行うのは現実的ではありません。そこで重要になるのが、契約管理システムの活用です。
契約管理システムによる「契約書の一元管理」
契約管理システムを導入すると、社内に散在していた契約書をクラウド上で一元管理できるようになります。
これにより、
- 賃貸借契約・業務委託契約・レンタル契約などを横断的に把握
- 契約期間・更新条件・契約相手先を即座に検索
- 「新リース会計基準 既存契約」の対象となる契約を一覧化
といったことが可能になります。新リース会計基準において重要な契約書が起点となる管理体制を、仕組みとして構築できる点が最大のメリットです。
契約書管理システムでリース判定・仕訳対応を効率化
近年の契約管理システムでは、新リース会計基準を意識した機能も充実しています。
例えば、
- 契約書内の特定資産・専用使用に関する文言の抽出
- リース該当性のチェック補助(AI判定・タグ付け)
- 使用権資産・リース負債算定に必要な情報の整理
- 会計システム・固定資産管理システムとの連携
といった機能を備えるサービスも登場しています。
これにより、契約書確認 → リース判定 → 会計処理までの流れを分断せずに管理でき、経理・法務・現場の連携もスムーズになります。
契約更新・変更を見逃さないための仕組みづくり
新リース会計基準では、契約の更新や条件変更がリース期間やリース負債の再測定に直結します。契約管理システムの更新通知・アラート機能を活用すれば、
- 契約更新時の判定漏れ防止
- 自動更新による意図しないオンバランス化
- 条件変更時の会計処理遅延
といったリスクを大幅に低減できます。単なる「契約保管ツール」ではなく、会計基準対応を前提とした管理基盤として活用できる点が重要です。
新リース会計基準対応は「人」ではなく「仕組み」で行う
新リース会計基準は一過性の対応ではなく、今後も続くルールです。属人的なチェックや一時的なExcel対応では、長期的に破綻します。だからこそ、契約管理システムを活用することで
- 契約書を起点に
- リース判定を記録し
- 会計処理と連動させ
- 更新・変更にも自動で追随できる
仕組みを早期に構築することが、実務対応の成否を分けます。
次章では、新リース会計基準対応に活用できる国内主要の契約管理サービスを比較し、「どんな企業にどのサービスが向いているのか」を分かりやすく整理していきます。
新リース会計基準対応に使える契約管理システム比較
新リース会計基準への対応を進めるうえで、「どの契約管理システムを選ぶべきか」は多くの企業が悩むポイントです。
契約管理サービスと一口に言っても、
- 電子契約・締結に強いもの
- 契約書の一元管理・検索に強いもの
- 新リース会計基準を意識したAI判定・管理機能を備えるもの
など、強みや適した企業規模・用途は大きく異なります。ここでは、新リース会計基準対応の観点から、国内で導入実績の多い主要サービスを紹介します。
クラウドサイン(提供会社:弁護士ドットコム株式会社)

特徴
国内シェアNo.1の電子契約サービスに、契約管理機能を追加したクラウド型サービス。
新リース会計基準との相性
ファーストアカウンティング社が独自に開発した「経理AIエージェント」と連携し、保管された契約書のリース判定を飛躍的に効率化します。
向いている企業
- 電子契約を軸に契約管理DXを進めたい企業
- 契約締結から管理まで一気通貫で整備したい企業。
TOKIUM契約(提供会社:株式会社TOKIUM)

特徴
紙の契約書を含めたスキャン代行+AI-OCRによるデータ化が強み。契約書の電子化から管理までを丸ごと任せられます。
新リース会計基準との相性
AIによるリース該当性チェック機能を搭載しており、業務委託契約や賃貸借契約に潜む「隠れリース」の発見を支援します。既存契約が多い企業ほど効果を発揮します。
向いている企業
- 紙契約が大量に残っている企業
- 限られた人員で既存契約の洗い出しを進めたい中堅以上の企業
freeeサイン(提供会社:フリー株式会社)

特徴
会計ソフトfreeeと連携できる電子契約・契約管理サービス。操作性がシンプルで中小〜中堅企業にも導入しやすい点が特長です。
新リース会計基準との相性
公認会計士監修のリースチェック管理機能を搭載しており、契約書をアップロードするだけでリース該当性の目安を把握できます。
向いている企業
- 中小〜中堅企業で、新リース会計基準対応をできるだけシンプルに進めたい企業
マネーフォワード クラウド契約(提供会社:株式会社マネーフォワード)

特徴
クラウド会計・経費精算と連携できる契約管理サービス。契約締結から管理、支払・仕訳までを同一基盤で管理しやすい点が強みです。
新リース会計基準との相性
新リース会計基準への対応を支援するAIエージェント「リース識別エージェント」の提供を開始。本エージェントを通じて、AIが締結した契約書から適用対象となるリース契約を特定できます。
向いている企業
- すでにマネーフォワードの会計・経費システムを利用しており、バックオフィス全体を統合的に管理したい中堅〜大企業
DocuSign CLM(提供会社:DocuSign, Inc.)

特徴
電子署名から契約ライフサイクル管理(CLM)まで対応するエンタープライズ向け高機能サービス。
新リース会計基準との相性
クラウドサインと同様、ファーストアカウンティング社が独自に開発した「経理AIエージェント」と連携し、保管された契約書のリース判定を飛躍的に効率化します。
向いている企業
- 契約数が膨大な大企業・グローバル企業
- 既存ERPや固定資産管理システムと高度に連携したい企業。
本記事では、新リース会計基準対応に関して、AIによるリース判定機能を公式ホームページ上で確認できるシステムのみを取り上げましたが、特段の記載がなくてもAI読み取り機能を備えた契約管理システムは数多くあります。
「【比較表付き】契約書管理システムおすすめ比較7選!導入のメリット・デメリットや選び方」では、サービスごとの特徴をわかりやすくまとめた比較表とともに、その他の契約管理システムについても紹介していますので、ぜひ合わせてお読みください。
よくある質問(FAQ)
Q.新リース会計基準の適用はいつから始まりますか?
A.日本基準では、新リース会計基準は2027年4月1日以降に開始する事業年度から強制適用されます。3月決算の企業であれば、2028年3月期が初年度となります。なお、2025年4月以降は早期適用も可能とされているため、先行して対応を進める企業も増えています。
Q.既存契約も新リース会計基準の対象になりますか?
A.はい、原則として既存契約も対象になります。新リース会計基準は遡及適用が基本となるため、過去に締結し現在も継続している賃貸借契約や業務委託契約も、リース該当性の見直しが必要です。「これまで問題なかった契約」ほど注意が必要です。
Q.賃貸借契約はすべてオンバランスになるのでしょうか?
A.すべてが対象になるわけではありませんが、多くの不動産賃貸借契約はリースに該当する可能性が高いです。特定の建物・フロア・区画を一定期間、借り手が支配して使用している場合は、使用権資産とリース負債の計上が必要になります。ただし、契約期間12か月以内の短期リースや少額リースについては、例外処理(オフバランス)を選択できる場合があります。
Q.業務委託契約はすべてリースとして扱われますか?
A.いいえ、業務委託契約すべてがリースになるわけではありません。重要なのは契約の名称ではなく、「特定の資産の使用権が提供されているか」です。サービス提供の中で、特定の設備・サーバー・機械などを排他的に使用している場合、その資産利用部分のみがリースとして扱われます。
Q.業務委託契約がリースに該当した場合、会計処理はどうなりますか?
A.業務委託契約がリースに該当する場合でも、契約全体をリース処理するわけではありません。役務提供部分は従来どおり外注費として処理し、資産使用部分のみを分離して「使用権資産・リース負債」としてオンバランスします。この切り分けが実務上もっとも難しいポイントです。
まとめ|新リース会計基準対応は「契約書管理」から始めよう
新リース会計基準対応の要は、会計処理より先に社内の契約を漏れなく洗い出し、実態でリース該当性を判断できる状態を作ることです。賃貸借や業務委託など“リースと見なしていなかった契約”が影響しやすく、既存契約も原則見直し対象なので後回しは危険です。
契約名ではなく内容が重視され、使用権資産・リース負債の計上や隠れリースの切り分けなど経理だけでは完結しない作業が増えます。属人化した契約管理のままだと、判定漏れ・計上ミス・監査リスクにつながります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修者は記事の内容について監修しています。







