インタビュイー:
株式会社リスキル ビジネスプロデューサー 山田 氏
ReskillCloudコンプラ教育とは、どのようなサービスですか?
「ReskillCloudコンプラ教育」は、コンプライアンスやハラスメントにまつわる様々なテーマのeラーニングをいつでも受講できる環境に加えて、定期的なクイズ配信によって従業員様の意識を習慣化し、継続的に高めていくことができるSaaSです。単発の研修で終わらせるのではなく、コンプライアンス意識を年間を通じて維持していただくことを目的に設計しています。
サービスを開発された背景を教えてください
私たちリスキルは、新入社員から管理職向けまで1,000種類以上のコンテンツを揃え、これまで3,900社以上の企業様に研修を提供してまいりました。その中で、人事の方々からダントツで多くご相談いただくテーマが「コンプライアンス・ハラスメント」なのです。
ただ、実際に多くの企業で研修が行われている一方で、現場の課題感はどこにあるのか。そこを確かめたくて、人事担当者413名を対象に「コンプライアンス教育に関する意識調査」を実施しました。対象は当社のお客様に限らない一般の人事担当者の方々です。その結果、約3割の企業様が現状の教育手法に「十分な効果を感じていない」と回答されました。要因を深掘りすると、「受講自体が作業化して形骸化している(62.8%)」「一時的な実施に留まり、内容を忘れてしまう(44.9%)」という声が上位を占めていたのです。
ここから見えてきたのは、コンプライアンス教育の実効性を左右するのは「知識の難易度」ではなく、「受講者の学習意欲」と「継続的な実施頻度」であるという事実でした。数ある研修の中でもコンプライアンスの需要が極めて高いこと。そして研修を実施している企業の3社に1社が、形骸化や定着不足という効果面の課題を感じていること。この2つの背景から、「形骸化させず、知識をしっかり定着させる新しいコンプライアンス教育」を提供したいと考え、今回のSaaS開発に至りました。
コンプライアンス教育の需要が高まっている背景には、何があるとお考えですか?
当社では年間でどのテーマの研修がどれくらい実施されたかをランキングにしているのですが、コンプライアンス・ハラスメントは2019年頃からずっと1位が続いています。
背景としては、まずリモートワークの広がりが大きいと思います。自宅など会社以外の場所でPCを使う機会が増えたことで、情報セキュリティのリテラシーが強く求められるようになりました。同時に、リモートハラスメントのように新しい形のハラスメントも生まれています。文章でのやり取りが増えたことで、意図せずきつく聞こえてしまうコミュニケーションも起こりやすくなりました。
そしてやはり一番大きいのはSNSの普及ではないでしょうか。不祥事が一件起きてしまうと大々的に報じられ、企業のレピュテーションリスクに直結してしまう。働き方が多様化したこととSNSの普及が重なって、人事のご担当者様も「やっていかなければいけない」という意識が年々強くなっているように感じます。最近ではカスタマーハラスメントについてもご相談が急増しており、パワハラ・セクハラだけではないハラスメントへの需要が、時代の変化とともに広がっている実感がありますね。
競合他社と比較した際の強みは、どこにありますか?
最大の強みは、「管理側の工数を極限まで減らしながら、単発で終わらせない継続的な教育サイクルを自動で回せること」です。これを実現しているのが2つの機能です。
1つ目は、知識の基礎をつくるeラーニング機能です。セクハラ・パワハラなどの定番テーマはもちろん、就活ハラスメントや逆ハラスメントといった最新のトレンド、さらには独占禁止法や取適法(旧下請法)といった法令コンプライアンスまで幅広く網羅しており、対象者を選んで自由に配信できます。動画は1本あたり5〜10分と短時間に要点を凝縮していますので、業務の隙間時間や始業前にも無理なく受講いただける設計です。3,900社以上の研修で培った受講生や講師のフィードバックをもとに教材を磨き上げていますから、短時間でも本質的な理解が得られます。各コースには理解度テストを搭載しており、受講状況・回答状況も一目で把握いただけます。
2つ目が、本サービスの要となる「コンプラ習慣」機能です。月に1〜2回、短いクイズを自動で定期配信できる機能で、「どのカテゴリーのクイズを、いつ配信するか」というスケジュールを最初に一度設定しておくだけで、あとはシステムが全自動でクイズを配信し続けます。回答結果はカテゴリー別・部署別・個人別に可視化されますので、「自社やこの部署は、どの分野のリスクに弱いのか」という弱点傾向をリアルタイムで分析できます。
eラーニングでまとまった知識を網羅し、コンプラ習慣で知識の風化を防ぎながら組織の弱点を見える化する。そして見えた弱点に対して、ピンポイントで次のeラーニングを配信する。人事・管理者の方の手を煩わせることなく、コンプライアンス教育のPDCAサイクルが勝手に回り続ける。そこが差別化ポイントだと考えています。
なぜ、単発で終わらせないことがそこまで重要なのですか?
現場の人事ご担当者様ご自身が、「一度の研修よりも、継続的なリマインドこそが最も効果的だ」と実感されているからです。
先ほどの意識調査で「コンプライアンス意識の定着に最も効果的だと思う施策は何か」とお聞きしたところ、一回限りの「対面研修(27.8%)」や通常の「eラーニング(26.6%)」を抑えて、「頻繁な注意喚起やリマインド(36.8%)」が最多という結果になりました。ところが、実際に定着目的のリマインドを実施できている企業は、わずか14.3%に留まっているのです。つまり、継続的なリマインドが必要だと分かってはいるものの、毎月の運用の手間や工数がハードルとなり、現実には手を出せていないというギャップが存在しています。この「重要だと分かっているのに実行できていない」という課題を解決したいからこそ、全自動で定期クイズが届く習慣化の仕組みにこだわっています。
1本5〜10分という短い動画で理解が定着するよう、どのような工夫をされていますか?
1つの動画にいくつも要素を詰め込んでしまうと、結局受講者の印象に残らなくなってしまいます。ですので「1つの動画につき、伝えるテーマは1つだけ」という原則を徹底しています。また、難解な法律の解説に時間を割くのではなく、現場で持ち帰りやすい具体的な事例をなるべく多く盛り込むようにしています。「自分たちの日常業務でどう気をつけるべきか」を直感的にイメージいただけるようにすることで、短い時間でも理解が定着します。
導入を主導されるのはどの部門が多いですか。社内で決裁を通す際の後押しになる材料も教えてください
主導いただく部門としては、人事・総務・法務・リスク管理部門など、社内のコンプライアンス教育やリスク管理を推進するお立場の方を幅広く想定しています。職種に関わらず、「社内のコンプラ体制を強化したい」とお考えのすべてのご担当者様が対象です。企業規模による偏りも、特段ないという印象ですね。
その上で、社内決裁を通す際の後押しになる材料は大きく2つあります。1つは、ブランドを守ることと、実施の証憑を残せることです。たった1件の不祥事・コンプラ違反が企業全体のレピュテーションを揺るがすリスクが高まっている中で、万が一の事態を防ぐ意識づけはもちろん、「組織として漏れなく継続的な教育を実施し、弱点を把握・改善している」という客観的な証憑を社内外に提示できます。企業価値を守る投資として、経営層にも非常に提示しやすいロジックになるはずです。
もう1つは、管理者側にも現場にも負担をかけない継続性です。どれほど立派な教育計画も、ご担当者様の業務負担が大きすぎたり、現場社員の時間を奪いすぎたりしては長続きしません。本サービスは管理側の企画・運営・フォローの手間を極限まで省けるだけでなく、受講側も1回5〜10分の動画や月数回の短時間クイズで完結します。現場に過度な負担をかけることなく教育の形骸化・風化を防げるという点は、全社的な合意を得る上でも後押しになると思います。
どのような理由でのご相談が多いですか?
大きく3つあります。1つ目は、「年に数回研修をやっているが、その場限りで終わってしまう」というお悩みです。年1〜2回の対面研修やeラーニングを実施されているものの、やりっぱなしになっていて現場の意識に定着していない。効果を実感できず、形骸化を打破したいというご相談ですね。
2つ目は、「自力でクイズやアンケートをやっているが、運用が限界に来ている」というものです。すでに自前でサーベイや定期クイズを実施されている企業様から、毎回クイズのネタを考えたり、集計・分析を手作業でやるのが大変すぎるので、もっと効率化・自動化できる仕組みを探しているとご相談いただきます。
3つ目は、「IPO準備や監査対応のため、確実な実施の証憑(ログ)を残したい」というケースです。IPOに向けたコンプライアンス体制の構築や、上場後の監査対応として、全社的に教育を行った客観的な実績・ログを残す必要性に迫られているというご相談です。
集合研修や汎用のeラーニングと並べて検討された場合、選ばれる決め手は何ですか?
集合研修には、講師や受講者同士の対話を通じて深い議論ができたり、自社の個別事例に踏み込んだりできる「対面ならではの深い学び」というメリットがあります。汎用のeラーニングにも、自社のLMSに組み込んでコストを抑えて受講させたり、新任研修などで必要なときにスポットでサクッと導入できる手軽さがあります。
ただ、これらはどうしても単発の教育になりやすく、時間の経過とともに知識が風化してしまう、受講後の定着度や自社の弱点まで把握できない、という課題が残ります。本サービスにはコンプラ習慣機能がありますので、ご担当者様の手を煩わせることなく、年間を通じて従業員のコンプライアンス意識を高く維持できる。そこが決め手になっていると感じています。
コンプライアンス教育がうまくいかない企業に、共通するパターンはありますか?
「コンプライアンス教育を実施すること、こなすこと自体が目的になってしまっているパターン」です。例えば、IPO準備での証憑作りや上場後の監査対応、あるいは「年1回の恒例行事だから」といった理由で実施されるケースがこれに当たります。もちろん制度上の対応も大切ですが、形式的な実施だけでは、日々の業務に追われる従業員のコンプライアンス意識はすぐに風化してしまいます。
一方で、うまくいっている企業様には共通点があります。「不祥事を防ぐ環境づくり」や「レピュテーションリスクの最小化」という本来の目的をしっかり掲げ、単発で終わらせない多角的なアプローチをされている点です。対面研修とeラーニングを掛け合わせて知識の網羅と深い理解の両方を取りにいく。全社的な意識調査で組織の潜在的なリスクを可視化する。定期的なクイズ配信で意識を風化させない。こうした施策を組み合わせて、教育を「点のイベント」ではなく「線や面の継続的な取り組み」として組織に定着させている企業様ほど、うまくいっている印象です。
導入した企業が最初の6か月で見ておくべき数字を教えてください
最初の6か月は「ツールを定着させ、自社のコンプライアンス上の弱点を可視化する期間」と捉えていただくと良いかと思います。その上で、3つの指標を見ていただくようお勧めしています。
1つ目は、クイズの受講回答率です。まずは全員が受講する習慣がついているか。1回あたり2〜3分で終わるクイズだからこそ、業務の合間にサクッと答える文化が現場に定着しているかを測ります。目標としては受講率90%以上を目指していただきます。
2つ目は、カテゴリー別・部署別・個人別の初回満点率です。ここが最も重要ですね。単に受けたかどうかだけでなく、どの部署がどの分野で躓いているかを見ていただきます。運用を重ねていくと、例えば「開発部はハラスメントの理解度が低い」「営業部は情報セキュリティの認識が甘い」といった部署ごとのリスクが数字に現れてきます。
3つ目は、低正答者へのeラーニング受講率と、そのテスト正答率です。可視化された弱点に対して該当テーマのeラーニングを配信し、確認テストで理解度をもう一度チェックする。弱点を見つけて終わらせず、フォローまでセットで回すことで、教育の形骸化を防ぎます。
最初に配信するテーマとして勧めているのは、どのコースですか?
基本的には、ハラスメント・コンプライアンス・主要法令・労務管理・ダイバーシティ・階層別といった主要カテゴリーの中から、各企業様の課題感や時期に合わせて自由に選択・配信いただく形を想定しています。どの動画講座も基本のキから解説していますので、初めてそのテーマを学ぶ従業員の方でも安心して受講いただけます。
その上で、最初にどれを配信すべきか迷われた場合は、まず全社の共通言語を作るために「コンプライアンスの基本と企業倫理」からスタートされることをお勧めしています。このコースはコンプライアンス教育において押さえるべき全体像を網羅できる内容です。全社的な意識のベースラインを引き上げ、その後に自社の課題に合わせた専門テーマへと展開していくのが理想的な進め方だと思います。
無料トライアルで、検討企業が特に見ておくべきポイントはどこですか?
「動画の数が豊富か」「UIがシンプルで使いやすいか」といった表面的な部分だけでなく、「自社の課題が解決できるか」「無理なく運用を回し続けられるか」という実運用の視点で見ていただくことが重要です。具体的には3つのチェックポイントをお勧めしています。
1つ目は、自社が抱える課題が解決できそうかどうかです。「全社員への教育完了ログを確実に残したい」「グループ会社まで含めて受講状況を一元管理したい」「年1回の研修で終わらせず、継続的なアプローチをしたい」など、導入の目的と照らし合わせて確認していただきます。
2つ目は、一連の運用の流れを体験して、継続できそうかどうかです。プレビュー画面でコンテンツを確認し、テスト用の対象者を登録して実際にeラーニングを配信する。結果の集計を見て、コンプラ習慣機能で定期クイズを配信し、部署別・個人別の弱点分析データをチェックする。導入後と同じ運用フローを一度すべて体験した上で、「これなら毎月手間なく回し続けられそうだ」とイメージできるかが判断基準になります。
3つ目は、管理者の業務負荷がどれくらい削減されるかです。受講対象者の集計や未受講者へのリマインドなど、これまでExcel作業で数時間かかっていた業務が数分で完了するレベルまで短縮できるか。導入によって削れる工数とコストを可視化することで、費用対効果の明確な判断が可能になります。
配信テーマの選定や年間の配信設計まで、サポートチームはどこまで伴走されますか?
配信テーマの選定については、配信前にすべての動画・スライド・確認テストを管理者様側で事前にプレビュー確認できる仕組みになっています。実際のコンテンツをご自身の目で確認いただくことで、自社の課題感とズレたeラーニングを配信してしまうリスクを未然に防げます。基本的には管理者様側でスムーズにテーマ選定を進めていただける設計ですが、もちろんご不安や疑問点があればサポートチームとしてしっかり伴走いたします。
さらに、コンテンツの更新・追加についてもユーザーファーストな体制を整えています。「既存のコンテンツの中に自社が求めているテーマがない」「こういった最新トレンドの動画も追加してほしい」といったご要望があれば、ぜひ気軽にお声がけいただきたいです。特定の企業様に特化しすぎている場合など、内容によってはお応えするのが難しいケースもございますが、一般化できるテーマであれば、ご要望を受けてスピーディに新規動画を制作・追加する体制を整えております。
料金体系はどのようになっていますか?
「すべての企業様に、シンプルに育成ツールをお届けする」というのが当社のプロダクトコンセプトです。ですので、初期費用やシステム要望による複雑な追加課金は設けておらず、従業員数に応じた明確でシンプルな料金体系に統一しています。お見積もりの段階で条件の確認に手間取ることもありませんので、ご担当者様にとっても社内稟議や予算取りをスムーズに進めていただけるかと存じます。
今後、特に強化していきたいテーマ領域を教えてください
やはり、日本企業全体での関心度・緊急度が非常に高いハラスメント領域の強化です。近年注目が集まるカスタマーハラスメントや就活ハラスメント、不機嫌ハラスメントなどに加えて、社会情勢の変化に伴って新たに生じるハラスメントテーマへも迅速に対応していきます。
また、単にテーマの種類を横に広げるだけでなく、コンテンツの縦の深さも広げていく計画です。同じハラスメントや法令テーマであっても、基礎編だけでなく応用編や、具体事例を扱うケーススタディ編などを拡充していく。そうすることで、同じテーマで毎年受講する場合でも「毎年同じ内容で飽きる」といった形骸化を防ぎ、常に新しい気づきや学びを得られる環境を提供してまいります。
まとめ・編集部コメント
株式会社リスキルが提供する「ReskillCloudコンプラ教育」は、コンプライアンス・ハラスメント領域のeラーニングと、月1〜2回の自動クイズ配信を組み合わせたSaaSです。1,000種類以上のコンテンツを3,900社以上に提供してきた研修会社が、人事担当者413名への意識調査で見えた「形骸化」「定着不足」という課題に正面から向き合って開発したサービスであることが、お話からよく伝わってきました。
特徴的なのは、教育を単発のイベントではなく継続的なサイクルとして設計している点です。eラーニングで知識の土台をつくり、定期クイズで風化を防ぎながら部署別・個人別の弱点を可視化し、その弱点に対して次のeラーニングを配信する。この流れが、スケジュールを一度設定するだけで自動的に回り続けます。管理側の工数を抑えながら継続性を担保できる設計は、「リマインドが効果的だと分かっているのに実行できていない」という多くの企業が抱えるギャップに対する現実的な答えといえます。初期費用がなく従業員数に応じたシンプルな料金体系である点も、社内稟議を通しやすい要素になるでしょう。
年に数回の研修が形骸化していると感じている企業、自前のクイズ運用が手作業で限界に来ている企業、そしてIPO準備や監査対応で教育実施の客観的な証憑を残す必要がある企業にとって、有力な選択肢となるサービスです。まずは無料トライアルで、自社の運用が無理なく回るかを確かめてみることをおすすめします。