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【2026年法改正対応】ハラスメントとは?種類・定義と企業の防止措置を一覧で解説

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部下から「これってハラスメントじゃないですか?」と相談された、経営陣から「うちの対策どうなってる?」と急に振られた、あるいは他社の炎上事例をニュースで見て自社の状況が気になった――こうした場面で「ハラスメント」と検索する人事・総務・管理職・経営層のために、職場ハラスメントの全体像を一枚で押さえられるよう整理した記事です。

近年は、パワハラ・セクハラ・マタハラに加えて、カスタマーハラスメント(カスハラ)の防止措置が2026年10月1日から全事業主の義務となり、就活セクハラ(求職者等セクハラ)も2025年6月公布の改正法で防止義務が追加されました。

本記事では、法定と非法定を区別した種類一覧、業務上の指導との線引き、厚労省告示にそのまま準拠した措置義務、2025年公布・2026年施行の直近改正への実務対応、そして相談窓口設置から事案発生時の初動フローまでの6ステップを、告示番号・条文・判例の出所つきでまとめました。社内文書に転用しやすい構成にしています。

この記事を読むとわかること
  • 職場ハラスメントの一言定義と、法定・非法定を区別した種類の全体像
  • パワハラ6類型の具体行為例と、業務上の指導との線引き
  • 厚労省告示に準拠した企業の防止措置義務(4指針共通の柱と類型別の追加項目)
  • カスハラ2026年10月義務化・就活セクハラ2025年改正への実務対応
  • 社内で今すぐ着手する具体アクション(相談窓口→規程→研修→マニュアル→初動)
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ハラスメントとは—職場ハラスメントの一言定義

職場ハラスメントとは、職場で行われる言動により、労働者の就業環境が害されたり、労働条件について不利益を受けたりする行為の総称です。類型ごとに根拠となる法律・厚労省告示は異なりますが、いずれも「就業環境を害する」ことを共通の要件としています。

もっとも典型的なパワーハラスメントについては、労働施策総合推進法第30条の2および同法に基づく厚労省告示(令和2年告示第5号)が3つの要素を満たすものと定めています。原文は以下のとおりです。

職場におけるパワーハラスメントは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいう。

出典:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)
パワーハラスメント成立の3要素を示す図解。要素①優越的な関係を背景とした言動、要素②業務上必要かつ相当な範囲を超える言動、要素③労働者の就業環境が害される、の3つを並置し、3要素をすべて満たすとパワハラに該当することを示す。労働施策総合推進法・令和2年厚生労働省告示第5号に基づく定義。

セクシュアルハラスメント・マタニティハラスメント・カスタマーハラスメントも、それぞれの根拠法(男女雇用機会均等法・育児介護休業法・改正労働施策総合推進法)と告示で類似の要件が定められています。読者が自社ケースを判定するときは、まず「優越的関係/必要かつ相当な範囲を超える/就業環境を害する」の3要素、または各類型に対応する要件で照合するのが基本になります。

出典・参考資料(2件)

ハラスメントの種類—法定と非法定を区別した一覧

職場で扱われるハラスメントは、15種類とも30種類とも紹介されることがあります。ただし読者が優先順位を付けて対応するには、法律や告示で企業に防止措置義務が課されているものと、法令上の定義がなく社会通念上の呼称にとどまるものを分けて捉えることが重要です。

以下の表では、法定類型(パワハラ・セクハラ・マタハラ/パタハラ/ケアハラ・カスハラ・就活セクハラ)を上段、非法定の代表呼称を下段に分けて整理しました。

略称正式名根拠となる法律・告示簡潔な定義代表的な行為例
法定ハラスメント(企業に防止措置義務あり)
パワハラパワーハラスメント労働施策総合推進法30条の2/令和2年厚生労働省告示第5号優越的関係を背景に、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で就業環境を害する行為暴行、脅迫、名誉毀損、無視、過大・過小な要求、私的なことへの過度な立ち入り
セクハラセクシュアルハラスメント男女雇用機会均等法11条/平成18年厚生労働省告示第615号職場での性的な言動により労働条件の不利益(対価型)や就業環境の害(環境型)が生じる行為性的関係の要求、身体接触、性的な冗談・からかい、卑猥な画像の掲示
マタハラ妊娠・出産等関係ハラスメント男女雇用機会均等法11条の3/平成28年厚生労働省告示第312号妊娠・出産や関連する制度利用に関する言動により就業環境が害される行為妊娠報告後の退職強要、産休・育休取得への嫌がらせ、業務上の不利益な配置
パタハラ/ケアハラ育児休業等関係ハラスメント育児介護休業法25条・25条の2育児休業・介護休業その他の制度利用に関する言動により就業環境が害される行為男性の育休申請に対する嘲笑・拒否、介護休業取得者への不利益な業務変更
カスハラカスタマーハラスメント改正労働施策総合推進法/令和8年厚生労働省告示第51号(2026年10月1日施行)顧客等の言動が社会通念上許容される範囲を超え、労働者の就業環境が害される行為過度な要求、長時間の拘束、暴言、SNSでの誹謗中傷
就活セクハラ求職者等セクシュアルハラスメント労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)/令和8年厚生労働省告示第52号(2026年10月1日施行)採用選考・インターンシップ等の場面で求職者等に対して行われる性的な言動面接時の性的質問、選考を条件とした食事・交際の要求、OB訪問時のセクハラ
非法定の呼称(法令上の定義はなく、社会通念上の呼称)
モラハラモラルハラスメント法令上の定義なし(民事上は不法行為として争われうる)言葉・態度・無視などによる精神的な嫌がらせ継続的な無視、皮肉・侮辱、陰口
アルハラアルコールハラスメント法令上の定義なし飲酒に関する強要・迷惑行為一気飲みの強要、酔ったうえでの暴言・絡み
スメハラスメルハラスメント法令上の定義なしにおい(体臭・香水・柔軟剤等)による周囲への迷惑強い香水、口臭・体臭への無配慮
ロジハラロジカルハラスメント法令上の定義なし過度に理屈で相手を追い詰める言動執拗な論理的追及、正論での圧迫
フキハラフキゲンハラスメント法令上の定義なし不機嫌な態度で周囲に緊張・萎縮を強いる言動あからさまなため息、無言の威圧

非法定の呼称は、その全てを網羅すること自体には実務上の必要性は乏しく、企業対応の優先度は上段の法定類型に置くのが基本です。ただし、非法定であっても継続的・執拗な言動は、民事上の不法行為責任(民法709条)や、内容によっては上段の法定類型(特にパワハラ「精神的な攻撃」)として評価される場合があります。

パワーハラスメント—6類型と具体行為例

パワハラ指針(令和2年厚生労働省告示第5号)は、代表的な言動を以下の6類型に整理しています。表では「暴行、脅迫、名誉毀損、無視、過大・過小な要求、私的なことへの過度な立ち入り」と圧縮していた6類型を、告示原文でそのまま示します。

イ 身体的な攻撃(暴行・傷害)/ロ 精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)/ハ 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)/ニ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)/ホ 過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)/ヘ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

出典:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)

6類型はあくまで代表的な言動の分類であり、これに当てはまらない行為がパワハラに該当しないという意味ではありません。実際の判定では、次節で述べる「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」かどうか、平均的な労働者の感じ方を基準として就業環境が害されたと言えるかどうか、を総合的に判断します。

セクシュアルハラスメント—対価型と環境型の区別

セクハラ指針(平成18年厚生労働省告示第615号)は、対価型と環境型の2類型に区分しています。表では概観にとどめた両者の違いを、指針原文で確認します。

職場におけるセクシュアルハラスメントには、職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの(以下「対価型セクシュアルハラスメント」という。)と、当該性的な言動により労働者の就業環境が害されるもの(以下「環境型セクシュアルハラスメント」という。)がある。/なお、職場におけるセクシュアルハラスメントには、同性に対するものも含まれるものである。また、被害を受けた者(以下「被害者」という。)の性的指向又は性自認にかかわらず、当該者に対する職場におけるセクシュアルハラスメントも、本指針の対象となるものである。

出典:事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)

対価型は、性的関係の要求などを拒んだことで解雇・降格・不利益な配置転換といった労働条件上の不利益が生じるケース、環境型は、性的な言動により就業環境が不快なものとなり業務に支障が生じるケースです。加害者・被害者の性別、性的指向、性自認に関わらず対象になる点は、指針原文が明示しています。

出典・参考資料(2件)

マタニティ/パタニティ/ケアハラスメント—妊娠出産・育児介護に関する不利益取扱

マタハラ指針(平成28年厚生労働省告示第312号)は、妊娠・出産等に関する言動を「制度等の利用への嫌がらせ型」と「状態への嫌がらせ型」の2類型に分けています。

職場における妊娠、出産等に関するハラスメントには、上司又は同僚から行われる以下のものがある。/イ その雇用する女性労働者の労働基準法(昭和22年法律第49号)第65条第1項の規定による休業その他の妊娠又は出産に関する制度又は措置の利用に関する言動により就業環境が害されるもの(以下「制度等の利用への嫌がらせ型」という。)/ロ その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したことその他の妊娠又は出産に関する言動により就業環境が害されるもの(以下「状態への嫌がらせ型」という。)

出典:事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成28年厚生労働省告示第312号)

男性の育児休業に対する嘲笑・拒否(パタハラ)、介護休業取得者への不利益な業務変更(ケアハラ)は、育児介護休業法第25条を根拠に事業主の措置義務の対象となります。妊娠・出産等(マタハラ)は均等法、育児休業等(パタハラ・ケアハラ)は育児介護休業法、という法律の分かれ方はよく混同されるため、社内規程を整備するときは条文まで確認するのが確実です。

出典・参考資料(2件)

カスタマーハラスメント—2026年10月から事業主義務化

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、2025年6月11日公布の「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)」により、全事業主に防止措置義務が新設されました。関連する指針は令和8年厚生労働省告示第51号として2026年2月26日に告示され、2026年10月1日から施行されます

カスハラ指針では、カスタマーハラスメントを次のように定義しています。

職場におけるカスタマーハラスメントは、職場において行われる①顧客等の言動であって、②その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすものをいう。

出典:事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)

「顧客等」の範囲は指針原文で広く定義されており、実際の商品・サービス購入者だけでなく、潜在的な顧客、取引先の担当者、施設利用者、施設の近隣住民までを含みます。BtoBの契約交渉相手方もこの範囲に含まれるため、BtoC事業だけの問題ではありません。

出典・参考資料(2件)

就活セクシュアルハラスメント—2025年改正で防止義務追加

就活セクハラは、採用選考中の学生・インターンシップ参加者・OB訪問時の求職者などに対する性的な言動を指し、正式には「求職者等セクシュアルハラスメント」と呼ばれます。上述のカスハラと同じく、2025年6月11日公布の労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)で防止措置が事業主義務化され、指針(令和8年厚生労働省告示第52号)は2026年10月1日から施行されます。

従来から在職労働者へのセクハラは均等法で規制されていましたが、採用選考の場面は「雇用関係」に入る前段階のため対応が不明確でした。今回の改正で、面接時の性的な質問、選考を条件とした食事や交際の要求、OB訪問中のセクハラなども、企業として防止措置を講じる対象に加わります。採用担当者の教育、面接ガイドラインの整備、OB訪問の管理ルール策定などが実務上の対応の柱になります。

出典・参考資料(2件)

非法定の呼称(モラハラ・アルハラ・スメハラ 等)—社会通念上の呼称

モラルハラスメント(モラハラ)、アルコールハラスメント(アルハラ)、スメルハラスメント(スメハラ)、ロジカルハラスメント(ロジハラ)、フキゲンハラスメント(フキハラ)などは、社会通念上の呼称として広く使われていますが、いずれも法律上の定義はなく、企業に防止措置を義務付ける根拠法もありません。

ただし、非法定の呼称に該当する言動であっても、継続的・執拗であれば、内容によっては上段の法定類型(特にパワハラの「精神的な攻撃」や「個の侵害」)として評価される場合や、民事上の不法行為責任(民法709条)を問われる場合があります。「非法定だから対応不要」ではなく、「法定類型で捉え直すと何に該当しうるか」の視点で整理するのが実務的です。

ハラスメントかどうかの判断基準—業務上の指導との線引き

ここからは、実際に「これはハラスメントか、それとも業務上の指導か」を判定するときの物差しを解説します。パワハラ指針が示す判断枠組みと、代表判例に見られる線引き、そして実務上の運用ポイントの3つに分けて整理します。

まずは代表的な言動でざっくり判定:詳細な判定は次項の3つの物差しと代表判例で行いますが、相談を受けやすい代表的な言動で目星を付けるための早見表を先に示します。

言動の例判定の目安
深夜のメッセージやLINEでの連続叱責該当しやすい(時間・態様の相当性を欠くため精神的攻撃と評価されやすい)
他の従業員の前での長時間の叱責・人格否定該当しやすい(場所・態様の相当性を欠く)
業務上必要のない私生活への繰り返しの立ち入り該当しやすい(個の侵害)
本人の希望を確認せずに業務量を一方的に軽減する微妙・総合判断(マタハラ「状態への嫌がらせ型」に該当する場合あり)
ミスが続く工程について記録を残しながら業務時間内に指導する該当しにくい(業務上の必要性と態様の相当性を満たしやすい)
期限や品質基準を明確に伝えたうえでの厳しい指摘該当しにくい(人格ではなく行動に向いた指導であれば正当な業務指導)

この目安は総合判断の入口であり、実際の該当判定は次項の3つの物差しと代表判例(本節後段)を踏まえて行います。

判断の3つの物差し(業務上必要かつ相当な範囲/平均的労働者の感じ方/継続性・態様)

パワハラ指針は、パワハラの3要素(優越的関係/必要かつ相当な範囲を超える/就業環境を害する)のうち、②「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」かどうかの判断について、以下のように総合考慮を求めています。

「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動とは、社会通念に照らし、当該言動が明らかに当該事業主の業務上必要性がない、又はその態様が相当でないものを指し(略)この判断に当たっては、様々な要素(当該言動の目的、当該言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む当該言動が行われた経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、当該言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係性等)を総合的に考慮することが適当である。

出典:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)

また、③「就業環境が害される」かどうかは、被害を受けた本人の主観だけではなく、「平均的な労働者の感じ方」を基準にするとされています。

「労働者の就業環境が害される」とは、当該言動により労働者が身体的又は精神的に苦痛を与えられ、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることを指す。/この判断に当たっては、「平均的な労働者の感じ方」、すなわち、同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が、就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうかを基準とすることが適当である。

出典:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)

整理すると、判断の物差しは次の3つです。

  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えているか(言動の目的・経緯・業務内容・態様・頻度・継続性を総合考慮)
  • 平均的な労働者の感じ方を基準に、就業環境が害されたと言えるか(本人の主観のみで判定しない)
  • 言動の継続性・態様(単発の指導と、繰り返される威圧・人格否定は評価が異なる)

代表的な判例に見る線引き

実際の裁判例では、上記の判断枠組みがどのように適用されているのでしょうか。パワハラ・セクハラの代表判例を3件紹介します。

川崎市水道局事件(横浜地裁川崎支部 平成14年6月27日判決/東京高裁 平成15年3月25日判決)は、上司らが職場でのいじめを認識しながら適切な対応を取らず、被害者が自殺に至った事案です。

裁判所は、上司の対応不作為が安全配慮義務違反にあたるとして、遺族への損害賠償を認容しました。管理職の「知りながら放置」がパワハラ関連事案で企業責任を問われる典型例です。

サントリーホールディングスほか事件(東京地判 平成26年7月31日/東京高判 平成27年1月28日)は、上司が部下に対し「新入社員以下だ。もう任せられない」「何でわかない、お前は馬鹿」などの発言を繰り返し、部下がうつ病を発症した事案です。

裁判所は、これらの発言が業務上の指導の範囲を超えた精神的攻撃であるとして、上司個人および会社の不法行為責任を認め、慰謝料150万円を認容しました。人格を否定する発言は、指導名目でも違法と評価されうることを示す事例です。

海遊館事件(最高裁第一小法廷 平成27年2月26日判決)は、水族館「海遊館」の管理職2名が、女性派遣社員らに対し1年以上にわたり性的発言を繰り返したとして、出勤停止・降格の懲戒処分を受けた事案です。

最高裁は、被害者からセクハラ被害の申告があるまで会社が具体的に認識できず警告・注意の機会がなかったこと等を理由に、被害者の明示的な拒否がなくても、事前警告がなくても懲戒権・人事権の濫用にあたらないとし、処分を有効と判断しました。

「拒否されていなかったから合意があった」という抗弁が通用しないことを示した判例として、社内の管理職教育で参照されることが多い事例です。

出典・参考資料(4件)

指導とハラスメントを分ける実務上のポイント

指導とハラスメントを分ける実務上のポイントは、告示原文の「業務上必要性の有無」「態様の相当性」を、現場の言動レベルに落として運用することです。

  • 目的が業務改善に向いているか:業務上の必要性がある指摘か、感情の発散になっていないか。
  • 人格ではなく行動に向けた表現になっているか:「何でわからない、馬鹿」ではなく「この工程でミスが3回続いているので原因を一緒に確認しよう」の粒度に落とす。
  • 場所と聴衆に配慮しているか:他の従業員の前での叱責、公開の場での長時間の追及は、内容が正当でも「態様の相当性」が否定されやすい。
  • 継続性・頻度が過大でないか:一度の指導と、日常的に繰り返される威圧は評価が異なる。
  • 記録を残しているか:指導の事実・内容・改善状況を記録することで、後日「指導だった」ことを説明できる証跡になる。

管理職研修では、この5点を「業務上必要かつ相当な範囲」を判断する具体的な物差しとして提示すると、現場で「これは指導、これはパワハラ」を自分で線引きできるようになります。

企業に課された防止措置義務—厚労省告示準拠の措置義務

ここからは、企業に何が義務付けられているかを、厚生労働省の告示原文に準拠して整理します。実態調査で明らかになった被害の広がりと防止措置義務化の背景、4指針に共通する柱、類型別に追加される項目、そして対象企業と施行時期の順に見ていきます。

厚生労働省委託「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」(2024年5月17日公表)では、過去3年間にハラスメントを受けたと回答した労働者の割合は、パワハラ19.3%、顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)10.8%、セクハラ6.3%、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント(マタハラ)を受けた女性労働者は26.1%となっています。

ハラスメントは休職・離職・訴訟・レピュテーション毀損など多方面の損失につながるため、防止措置は各社の任意ではなく、法律による事業主義務として位置付けられています。

出典・参考資料(1件)

4指針に共通する事業主の措置義務

パワハラ指針・セクハラ指針・マタハラ指針・カスハラ指針の4指針のいずれにも共通して定められている措置義務は、以下の4項目です。

共通措置内容
①方針等の明確化と周知・啓発事業主として、ハラスメントを行ってはならない旨の方針と、その行為者への厳正な対処方針を明確化し、労働者に周知・啓発する
②相談体制の整備相談・苦情に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備する(相談窓口の設置、担当者の対応マニュアル、複数の相談経路の確保など)
③事後の迅速かつ適切な対応事実関係の迅速かつ正確な確認、被害者への配慮措置、行為者への処分、再発防止措置を講じる
④併せて講ずべき措置(プライバシー保護/不利益取扱いの禁止周知)相談者・行為者等のプライバシーを保護するための措置と、相談したこと・事実確認に協力したことを理由とする不利益取扱いをしない旨を周知・啓発する

4項目はいずれも、告示の該当項(パワハラ指針は第4項、セクハラ指針は第3項、マタハラ指針は第4項、カスハラ指針は第4項)で「事業主が講ずべき措置」として明示されています。企業の社内規程整備では、この4項目を柱に組み立てるのが基本となります。

類型別に追加される措置(マタハラ・カスハラ指針の追加項目)

マタハラ指針とカスハラ指針は、上記4項目に加えて類型固有の5項目目が事業主の措置義務として定められています。5項目目の内容は指針ごとに異なるため、統一の「◯項目」で語ることはできません。

指針共通4項目に加えて追加される措置
マタハラ指針(平成28年告示第312号)妊娠・出産・育児休業等ハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置(業務体制の整備等、周囲の労働者の業務負担の軽減など、ハラスメントが発生しにくい職場環境を作る)
カスハラ指針(令和8年告示第51号)カスタマーハラスメントへの対応の実効性を確保するために必要な、その抑止のための措置(悪質行為への対処方針の策定、取引先や顧客への周知、現場対応者への研修・支援体制など)

マタハラは「なぜハラスメントが起きるか」の背景要因(業務体制の偏り・欠員による周囲の負担増など)に手を入れる措置、カスハラは「悪質な顧客等の言動を抑止する」対処方針の策定と周知が特徴です。パワハラ指針・セクハラ指針にはこれらの追加項目は含まれておらず、共通の4項目で構成されている点も押さえておきましょう。

パワハラ指針の第5項では「事業主が行うことが望ましい取組の内容」として、コミュニケーションの活性化・業務体制の整備等の背景要因解消措置が挙げられていますが、これはあくまで努力義務であり、上記4項目のような法的な措置義務ではありません。共通4項目に加えてマタハラ・カスハラ指針だけが5項目目を持つ点は、指針ごとに分けて記載するのが確実です。

4指針共通の4項目と類型別の追加項目を、どの企業規模がいつから対象になっているかは、次章の「法改正の年表」に法律ごとの公布日・施行日・対象・義務内容として整理しています。パワハラは中小企業への適用開始が2022年4月からの後追いだった点、カスハラ・就活セクハラは2026年10月1日から新たに全事業主対象となる点が、実務担当者の押さえどころです。

主要法改正の時系列と直近改正への実務対応—パワハラ/カスハラ/就活セクハラ

ここからは、ハラスメント関連の主要法改正を時系列で整理し、直近改正(カスハラ2026年10月義務化・就活セクハラ2025年改正)で企業が実務上何を追加すべきかを見ていきます。

法改正の年表

法律公布施行(主要な適用開始日)対象義務内容
男女雇用機会均等法(セクハラ配慮義務)1997年改正1999年4月1日全事業主職場におけるセクハラ防止の配慮義務
男女雇用機会均等法(セクハラ措置義務化)2006年改正2007年4月1日全事業主配慮義務から措置義務へ強化
男女雇用機会均等法・育児介護休業法(マタハラ・パタハラ・ケアハラ)2016年改正2017年1月1日全事業主妊娠・出産・育休・介護休に関するハラスメント防止措置義務
改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)2019年6月5日公布大企業:2020年6月1日/中小企業:2022年4月1日全事業主(中小は猶予期間あり)パワハラ防止措置義務
労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)2025年6月11日公布2026年10月1日全事業主カスハラ・求職者等セクハラ(就活セクハラ)防止措置義務、ほか

2025年6月11日公布の改正は「労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)」という束ね法で、労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法などを一括で改正しています。カスハラ防止措置は改正労働施策総合推進法(新設条項)を根拠に、就活セクハラ(求職者等セクハラ)防止措置も同改正で追加されました。

「改正男女雇用機会均等法で追加された」と紹介されることもありますが、正確には束ね法による一括改正のため、社内資料に記載する際は「労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)」と併記するのが確実です。

カスハラ2026年10月義務化への実務対応

2026年10月1日の施行に向けて追加される義務の輪郭は、①カスハラ対処方針の策定と社内周知(第4項の措置義務の中核)、②取引先・BtoB顧客との協定・契約書レビュー、③現場対応者への教育・支援体制、④相談窓口・記録体制の整備の4点です。

カスハラ指針の「顧客等」は取引先の担当者や潜在顧客も含むため、BtoC事業だけの問題ではありません。マニュアルの構成要素と具体的な整備手順は、次章「社内で着手する具体アクション」のステップ5で扱います。

就活セクハラ2025年改正への実務対応

就活セクハラ(求職者等セクハラ)は、2026年10月1日の施行に向けて、採用選考・インターンシップ・OB訪問などの場面での防止措置が新たに事業主義務となります。従来の在職労働者向けセクハラ対策と別立てで、次の観点の整備が実務上必要になります。

  • 採用担当者の教育:面接官・リクルーター・現場面談者に対する、性的な質問・発言・行為の禁止と、面接評価に関係のない話題(プライベート・容姿・結婚出産予定等)の取扱いに関する研修
  • 面接ガイドラインの整備:質問して良い項目・してはならない項目、面接の場所・時間・複数対応のルール、面接後のフィードバック方法を文書化
  • OB訪問・カジュアル面談の管理ルール:企業主催外の場(飲食を伴う場面・個別対応)でのハラスメントを防ぐため、OB訪問の申込経路・記録・複数人対応・参加社員の教育を制度化
  • 相談経路の周知:求職者・インターン生からの相談を受け付ける経路(人事部門への直接連絡・第三者機関への相談窓口案内など)を、募集要項・オファーレター・入社案内で明示

就活セクハラは、在職労働者ではなく「雇用関係に入る前段階の求職者」が保護対象になる点が、既存のセクハラ対策と大きく異なります。人事部門と現場採用担当者の双方が新ルールを把握し、面接・インターン・OB訪問の全接点で運用する体制作りが必要です。

社内で着手する具体アクション—相談窓口整備から初動フローまでの6ステップ

ここからは、企業が明日から着手できる実務ステップを、着手順に6つに整理して解説します。ステップ1から順に取り組むことで、告示原文が求める措置義務を実務上の運用に落とせる構成にしています。

ハラスメント対策として社内で着手する6ステップを示す図解。STEP1相談窓口の設置、STEP2就業規則・規程整備、STEP3管理職向け研修、STEP4全社員向け研修、STEP5カスハラマニュアル整備(2026年10月義務化対応)、STEP6事案発生時の初動フロー、の順に進める。厚労省告示が求める措置義務を実務運用に落とす順序を可視化。
時間軸別ToDoチェックリスト
  • 今週やること:相談窓口の暫定連絡先を全社周知する(EAP契約がなければ人事部門のメールアドレスでも可)/過去1年間のハラスメント相談履歴を棚卸しする
  • 今月やること:就業規則へのハラスメント防止条項の記載を確認・追記する/管理職研修の実施計画を策定する
  • 2026年10月までにやること:カスハラマニュアルを作成する/全社員向け研修を実施し年1回運用を定着させる/事案発生時の初動フローを成文化する

規模別のミニマム推奨:従業員20〜100人規模であれば、相談窓口の外部委託と就業規則条項の追記、管理職研修の外部eラーニング活用でスタートできます。300人以上の規模ではこれに加えて全社員研修とカスハラマニュアルの整備が実質的に必要です。まず最低限、相談窓口の設置と就業規則条項の追記が両輪になります。

ステップ1: 相談窓口の設置(社内窓口/社外窓口・EAPの選択肢)

最初に着手するのは、労働者が相談できる窓口の設置です。厚労省の4指針すべてで共通の措置義務(②相談体制の整備)にあたり、これがない状態では他のステップの効果が半減します。相談窓口には社内窓口と社外窓口の選択肢があり、それぞれ次の特徴があります。

  • 社内窓口:人事部門・総務部門・コンプライアンス部門などが担当。組織の実情を把握しており初動が速い一方、被害者にとっては「加害者と同じ組織」への相談となる心理的ハードルがある
  • 社外窓口(EAP・専門会社の相談窓口サービス):守秘性が高く相談者が話しやすい一方、企業側の初動には情報連携の時間差が生じる。費用は月額固定または利用件数課金が一般的
  • 併用型:社内窓口(1次受付)+社外窓口(守秘性の高い経路)を併設。多くの中堅・大企業が採用

担当者の選任、対応マニュアルの整備、複数経路の確保(メール・電話・面談)まで含めて設計するのが基本です。相談を受けたことで不利益取扱いを受けないことも同時に周知します(4指針共通の④)。

ハラスメント相談窓口とは別に、公益通報者保護法にもとづく内部通報制度も、法令違反行為等の通報を受け付ける枠組みとして企業に体制整備が求められます。両制度をどこまで統合し、どこから別立てで設計するかを検討する際の前提として、内部通報制度の設置義務化や罰則強化の背景を以下の記事にまとめています。

ステップ2: 就業規則・社内規程への防止条項追加

相談窓口を設けたら、就業規則および社内規程にハラスメント防止条項を追加します。4指針共通の①「方針等の明確化と周知」にあたる措置で、次の要素を組み込みます。

  • ハラスメントを行ってはならない旨の方針と、対象となる類型(パワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・ケアハラ・カスハラ・就活セクハラ)
  • 行為者に対する懲戒処分の内容と手続き
  • 相談・苦情の受付窓口と、対応担当者・対応フロー
  • 相談者・行為者等のプライバシー保護、および相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止

就業規則の作成・届出義務は労働基準法89条、労働者代表からの意見聴取義務は同法90条にそれぞれ規定されています。改定時は90条に基づき労働者代表から意見を聴取したうえで、89条に基づき所轄の労働基準監督署へ届け出(常時10人以上の労働者を使用する事業場)、全従業員に周知(掲示・書面配布・イントラネット掲載など)します。

厚生労働省が公開しているモデル就業規則や、社労士・弁護士の監修サービスを利用すると、条項の抜け漏れを防ぎやすくなります。

ステップ3: 管理職向け研修

次に、管理職向けの研修を実施します。管理職は自らハラスメント行為者になるリスクだけでなく、部下からの相談を受けた際の対応・初動を担う立場でもあるため、他階層より深い理解が求められます。研修内容の柱は次のとおりです。

  • 各類型(パワハラ・セクハラ・マタハラ・カスハラ)の定義と、業務上の指導との線引き(判断3物差し)
  • 代表判例で示された「上司の対応不作為=安全配慮義務違反」「人格否定発言=精神的攻撃」等の判断枠組み
  • 部下から相談を受けた際の初動(傾聴・事実確認の進め方・プライバシー保護・報告経路)
  • 指導のときの言い方・場所・記録の取り方(現場運用ポイント)

実施形態は集合研修・オンライン研修・eラーニングのいずれでも可能ですが、判例やケーススタディを盛り込んだ双方向型の研修が、実務判断力の定着に効果的です。年1回の実施を基本とし、法改正時(2026年10月のカスハラ・就活セクハラ義務化など)に合わせて追加実施するのが一般的です。

ステップ4: 全社員向け研修

管理職研修と並行して、全社員向けの研修も計画します。全社員研修の目的は、①ハラスメント方針の周知(社内規程の存在と相談窓口の場所を全員が知っている状態にする)、②各類型の定義と代表的な行為例の理解、③相談窓口の使い方の周知、の3つです。

全社員向け研修は受講対象者が多いためeラーニング形式が主流で、1コンテンツ数分〜10分程度のマイクロラーニングと、受講管理・自動リマインダー・確認テストの機能を持つLMS(学習管理システム)を用いると運用工数を抑えられます。受講完了率を可視化し、未受講者へのリマインドと上長への通知を組み込む運用にすると、全社員周知の実効性が担保されます。

ハラスメント研修に限らず、情報セキュリティ・個人情報保護・インサイダー取引など複数テーマを一つの学習環境で運用したい場合は、コンプライアンス研修eラーニング全般で比較検討するのが近道です。以下の記事で主要サービスの料金・教材テーマ・監修体制を横並びで整理しています。

ステップ5: カスハラマニュアル整備(2026年10月義務化対応)

2026年10月1日のカスハラ防止措置義務化に向けて、カスハラマニュアルの整備を進めます。マニュアルは、告示原文の第4項目「対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置」を実務に落とすためのもので、次の構成要素で組み立てます。

  • カスハラの定義と自社基準:告示原文の3要素(顧客等の言動/社会通念上許容される範囲を超える/就業環境が害される)に、自社業種特有の悪質行為例(過度な長時間対応要求・SNSでの誹謗中傷・過剰な返金要求など)を具体化
  • 初動対応の手順:現場対応者が使える判断フロー(対応継続/エスカレーション/対応終了)、記録の取り方(時刻・言動・対応内容)、録音録画の可否と告知方法
  • エスカレーション経路:現場→上長→カスハラ対策部門・法務→経営層の連絡経路と、それぞれの判断権限
  • 対応者の保護:ハラスメントを受けた対応者への心理的ケア(EAP・産業医との連携)、業務からの一時退避、事後の面談
  • 取引先・顧客への周知:カスハラ対応方針を店舗・ウェブサイト・契約書などで公表し、事前に抑止する

厚生労働省はカスタマーハラスメント対策企業マニュアルを公表しており、業種別の対応例も含まれています。自社マニュアル策定の下敷きとして活用できます。

出典・参考資料(1件)

ステップ6: 事案発生時の初動フロー

相談が実際に上がってきた場合の初動フローを、事前に設計しておきます。初動を誤ると被害の拡大・二次被害・訴訟リスクにつながるため、次の順序と担当を明文化しておきます。

  • ①相談受付・傾聴:相談窓口担当者が話を聴き、プライバシー保護と不利益取扱い禁止を最初に伝える。事実と気持ちを分けて記録する
  • ②事実確認:相談者の同意を得たうえで、行為者・第三者への聴取を実施。証拠(メール・チャット・録音・同席者の証言)を保全する
  • ③被害者への配慮措置:業務からの一時的な分離、配置転換、休職の相談、産業医面談の案内など、被害者の希望を確認しながら対応
  • ④行為者への対応:事実認定の結果に応じた懲戒処分(就業規則に基づく)、指導・研修、配置転換など。プライバシー保護に配慮しつつ処分内容を明確化する
  • ⑤再発防止:全社的な再周知、関連する研修の再実施、規程・マニュアルの見直し。同種事案を防ぐための構造的な原因分析まで含めて実施する
  • ⑥記録・保管:相談内容・対応経過・処分内容を記録し、指定の保管期間で保管する。個人特定情報を切り分けた形での記録運用が望ましい

各ステップの担当と権限を、就業規則・社内規程・カスハラマニュアルとの整合を取ったうえで確定します。事案の性質(社内加害/顧客加害/複数関係者/刑事事件相当)により経路が異なるため、フローチャートで場合分けを可視化しておくと現場が迷いません。

相談・支援窓口の案内—労働局・厚労省ポータル

社内での対応と並行して、被害を受けた側・相談を受けた側が使える公的な相談窓口も知っておきましょう。以下は代表的な公的窓口です。

  • 都道府県労働局 雇用環境・均等部(室):労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法に基づく相談・助言・指導・調停を実施。企業への行政指導の窓口でもある
  • 総合労働相談コーナー:全国の労働局・労働基準監督署に設置。ハラスメント・解雇・賃金不払いなど労働問題全般の相談を無料で受け付ける
  • あかるい職場応援団(厚生労働省委託ポータル):裁判事例集・eラーニング動画・企業事例集・多言語リーフレット・パンフレットなど、社内研修や規程整備の下敷きとして使える一次情報を集約している

労働局への相談は行政指導につながる場合があるため、社内での初動が難しいケースや、社内窓口の中立性が担保できないケースでは、被害者・企業双方にとって重要な選択肢になります。窓口の連絡先・所在地は厚生労働省ポータルおよび各労働局のサイトで公表されています。

出典・参考資料(2件)

ここまで、社内で着手する6ステップと公的な相談窓口を整理しました。実務ステップは自社内製だけで進める道もあれば、外部の研修・相談窓口・アセスメントサービスと組み合わせて進める道もあります。次節では、ハラスメント研修・相談窓口・実態把握アセスメントに対応するコンプライアンス支援サービスを紹介します。

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ハラスメント対策に活用できるコンプライアンス支援サービス

ここからは、本記事で提示した6ステップの実務(相談窓口設置・規程整備・研修・カスハラマニュアル・初動フロー)を外部サービスで補いたい場合の候補を紹介します。ハラスメント研修と外部相談窓口・実態把握アセスメントに対応する主要4社を紹介します。

主要サービスの比較表

4サービスの提供形態・対応類型・料金体系を一覧で比較しました。各サービスの詳細は表の下の個別紹介をご覧ください。

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サービス名OneComplianceハラスメント・コンプライアンス研修ハラスメント防止研修・コンサルタント養成講座CHeckハラスメント研修
提供会社株式会社Oyster株式会社アガルート公益財団法人21世紀職業財団株式会社アスマーク
対応するハラスメント類型パワハラ/セクハラ/マタハラ/パタハラ/ケアハラ/SOGIハラ/オンラインハラスメント
カスハラ(規制と事業者の義務/事業者間のカスハラ(BtoB)/クレーム・カスハラ対応の3コース別立て)
パワハラ/セクハラ/モラハラ/マタハラ/アルコールハラスメント/スメルハラスメント/カスハラ
アンガーマネジメント(パワハラ・カスハラ対策)
ハラスメント全般/パワハラ/カスハラ/キャンパスハラスメント
※セクハラ・マタハラは全般研修内で扱う(個別メニュー名としては非明示)
パワハラ/LGBTQ+関連/コンプライアンス全般(研修メニュー単体で明示)
※CHeck本体の実態把握アンケートはパワハラ・セクハラ・マタハラ・カスハラを網羅
提供形態eラーニング集合研修(オンライン・対面/カスタマイズ型)/eラーニング講座オーダーメイド研修(集合)/公開セミナー/養成講座+認定試験/研修動画(オンデマンド)/社外相談窓口/職場実態調査集合研修/オンライン研修/eラーニング(playse. by HuMAP)/アセスメント研修/担当者養成研修・認定資格講座
料金体系受講者数に応じた従量課金
(要問い合わせ・無料トライアルあり)
要問い合わせ(公式非公開)研修は要問い合わせ
養成講座77,000円(税込・テキスト別)/認定試験11,000円(税込)
集合研修20万円〜/eラーニング月額19,800円〜
監修者・監修体制元行政機関の弁護士・金融機関のコンプライアンス担当者・大学教授等が作成/レビュー(監修者個人名は非開示)社会保険労務士(ハラスメント分野)/企業法務実務経験のある弁護士(コンプライアンス分野)が講師1986年設立の公益財団法人(男女雇用機会均等法施行を契機に設立)/講師個人名は非開示弁護士・社会保険労務士・カウンセラー等が講師(講師個人名は非開示)
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト

OneCompliance(株式会社Oyster)

OneCompliance公式サイトのスクリーンショット

OneComplianceは、コンプライアンス領域に特化したeラーニング型の社員研修サービスです。株式会社Oysterが2023年7月に正式リリースし、法務・労務・ハラスメント・情報セキュリティ・サステナビリティなど計26コースを領域横断で提供しています。

汎用LMSではなく、コンプライアンス領域に特化した設計を採っています。

ハラスメント関連では、管理職向け(9セッション・約70分)と全従業員向け(8セッション・約64分)の予防コースを2区分で提供し、カバー類型はパワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・ケアハラ・SOGIハラ・オンラインハラスメントに及びます。

加えてカスタマーハラスメントを「規制と事業者の義務」「事業者間のカスハラ(BtoB)」「クレーム・カスハラ対応」の3コースに分けて別立てで提供しており、本記事が扱う法定類型と2025年改正カスハラをまとめて研修化できる構成になっています。

コンテンツは元行政機関の弁護士・金融機関のコンプライアンス担当者・大学教授など専門家の作成・レビューを経ており、法改正や違反事例に応じて継続的にアップデートされます。受講者は1コンテンツ数分単位のマイクロラーニング形式で学び、管理者側はダッシュボードで進捗を一元管理し未受講者に自動リマインダーを送れます。

料金は受講者数に応じた従量課金で、無料トライアルも用意されています。

ハラスメント・コンプライアンス研修(株式会社アガルート)

ハラスメント・コンプライアンス研修(株式会社アガルート)公式サイトのスクリーンショット

資格試験対策のオンライン予備校として知られるアガルートグループが、有資格者ネットワーク(弁護士・社会保険労務士)を講師に据えて展開する企業研修メニューです。

ハラスメント研修は類型別に細分化されており、パワーハラスメント/セクシャルハラスメント/マタニティハラスメント/カスタマーハラスメントなどの防止研修と、アンガーマネジメント研修が並びます。指定類型に加えて、モラハラ・アルハラ・スメハラも個別メニュー化されています。

公式コラムでは、2025年6月公布の改正労働施策総合推進法によるカスハラ防止措置の事業主義務化と2026年10月1日施行予定を明示的に解説しており、法改正に沿った研修内容の設計が期待できます。講師の専門領域はハラスメント分野が社会保険労務士、コンプライアンス・ガバナンス分野が企業法務の実務経験を持つ弁護士に分かれています。

事前ヒアリングを踏まえて企業ごとにカスタマイズしたプログラムを制作する形式が基本で、標準カリキュラム・所要時間・料金は公式ページには掲載されていないため、要件を伝えた上での見積もり相談が前提となります。

ハラスメント防止研修・コンサルタント養成講座(公益財団法人21世紀職業財団)

21世紀職業財団 ハラスメント防止研修公式サイトのスクリーンショット

公益財団法人21世紀職業財団は、1986年に男女雇用機会均等法の施行を機に『財団法人女性職業財団』として設立され、1993年に『財団法人21世紀職業財団』へ改組、2013年に公益財団法人へ移行した財団で、ダイバーシティ推進とハラスメント防止を主要事業の一つとしています。

研修メニューは、ハラスメント全般研修(対象:役員・管理職・全従業員、1.5〜3時間)、ハラスメント相談担当者研修(対象:管理職・相談担当者、3〜6時間)、カスタマーハラスメント対策研修、パワーハラスメント防止研修、キャンパスハラスメント防止研修と、記事本文で扱った主要類型をカバーする構成です。

養成講座(77,000円税込・テキスト代別)と認定試験(11,000円税込)を運営しており、社内担当者を認定資格者として育成する打ち手まで含まれる点が特徴です。認定試験は択一式と記述式で構成され、認定後は2年ごとの更新制です。

加えて、社外相談窓口の受託や職場実態・従業員意識調査(アンケート・インタビュー)も提供しており、公益法人としての中立性・非営利性を背景に、研修+認定+相談窓口+実態調査を一体的に相談できる立ち位置です。研修メニューの料金は要問い合わせ、養成講座・認定試験のみ実額が公開されています。

CHeckハラスメント研修(株式会社アスマーク)

CHeckハラスメント研修公式サイトのスクリーンショット

市場調査会社アスマークがHRサービスブランド「HuMAP」の中で提供する、ハラスメント対策パッケージ「CHeck」の研修コンポーネントです。CHeckは①実態把握アンケート(リサーチ)/②研修/③外部相談窓口の3コンポーネントで構成され、本記事の6ステップのうち①相談窓口設置、③④研修、⑥事案発生時の初動を単一提供元でまとめて実装したい企業に向く構成です。

研修メニューには、受講者個人のハラスメントリスク診断結果をもとに設計する「アセスメント研修」、ハラスメント行為者向けの再発防止研修、社内ハラスメント対策担当者を育成する担当者養成研修・認定資格講座、LGBTQ+研修(当事者講師による実体験ベース)が並びます。

提供形態は、弁護士・社労士・カウンセラー等による集合研修(20万円〜)、オンライン研修、eラーニング(「playse. by HuMAP」ブランドで約1,000コース3,000レッスンが月額19,800円〜見放題)から選択できます。

CHeck本体では実態調査で「パワハラ・セクハラ・マタハラ・カスハラ」の4類型を網羅する一方、研修メニュー単体で明示的に対応が確認できる類型はパワーハラスメント・LGBTQ+・コンプライアンス全般となっており、他類型(セクハラ・マタハラ・カスハラ)の個別研修化については問い合わせで確認するのが確実です。

まとめ

本記事では、職場ハラスメントの定義・種類・企業の防止措置義務・2025年改正の実務対応・社内で着手する6ステップを、全体像を一つのフローで整理しました。要点を振り返ります。

  • 職場ハラスメントは、法律・告示で企業に防止措置義務が課される「法定類型」(パワハラ・セクハラ・マタハラ/パタハラ/ケアハラ・カスハラ・就活セクハラ)と、社会通念上の呼称にとどまる「非法定」に分けて捉えると、優先順位を付けやすい
  • パワハラの3要素(優越的関係/必要かつ相当な範囲を超える/就業環境を害する)と、平均的労働者の感じ方・言動の継続性・態様の3物差しが、指導との線引きの物差しになる
  • 企業の防止措置義務は4指針共通の4項目(方針明確化/相談体制/事後対応/プライバシー保護と不利益取扱禁止周知)を柱とし、マタハラ指針は背景要因解消、カスハラ指針は抑止のための措置がそれぞれ5項目目として追加される
  • 2025年6月11日公布の労働施策総合推進法等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)により、カスハラ・就活セクハラの防止措置が2026年10月1日から全事業主に義務化される
  • 社内で明日から着手する打ち手は、①相談窓口設置→②就業規則・規程整備→③管理職研修→④全社員研修→⑤カスハラマニュアル整備→⑥事案発生時の初動フローの6ステップで整理できる

実務の進め方は、社内内製と外部サービス活用のいずれか、あるいは併用となります。ハラスメント研修・相談窓口・実態把握アセスメントを提供する各社の資料を比較検討したい方は、下記のボタンから一括で資料請求できます。

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よくある質問(FAQ)

Q. ハラスメント(職場ハラスメント)とは何ですか?

A. 職場ハラスメントとは、職場で行われる言動により、労働者の就業環境が害されたり、労働条件について不利益を受けたりする行為の総称です。パワハラ・セクハラ・マタハラ・カスハラなど類型ごとに根拠となる法律・厚労省告示は異なりますが、いずれも「就業環境を害する」ことを共通の要件としています。

代表的なパワーハラスメントについては、労働施策総合推進法第30条の2および令和2年厚生労働省告示第5号が「①優越的な関係を背景とした言動」「②業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「③労働者の就業環境が害されるもの」の3要素をすべて満たすものと定義しています。

Q. 職場ハラスメントの種類は全部で何種類ありますか?

A. 「15種類」「30種類以上」と紹介されることもありますが、企業対応の優先度は法律・厚労省告示で防止措置義務が課された法定類型に置くのが基本です。防止措置義務のある法定類型はパワハラ・セクハラ・マタハラ・パタハラ・ケアハラ・カスハラ・就活セクハラの計7類型で、モラハラ・アルハラ・スメハラ・ロジハラ・フキハラなどは社会通念上の呼称にとどまり、単独で防止措置義務を課す根拠法はありません。

ただし非法定の呼称に該当する言動でも、継続的・執拗であればパワハラ「精神的な攻撃」等の法定類型として評価される場合があります。

Q. 部下や同僚が「不快だ」と感じたら、それだけでハラスメントに該当しますか?

A. 主観的な不快感だけで直ちにハラスメントに該当するわけではなく、「平均的な労働者の感じ方」を基準に就業環境が害されたと言えるかを総合的に判断します。パワハラ指針(令和2年厚生労働省告示第5号)は、同様の状況で当該言動を受けた場合に「社会一般の労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動であるかどうか」を基準とすべきと明示しています。

逆に、被害者が明示的に拒否・抗議していなかったことをもって『合意があった』と評価することはできない点は、代表判例(海遊館事件・最高裁平成27年2月26日判決)でも示されています。

Q. 部下への指導はどこからがパワハラになりますか?

A. 業務上の指導とパワハラの境界は「業務上必要かつ相当な範囲を超えたか」を、言動の目的・経緯・態様・頻度・継続性で総合考慮して判定します。パワハラ指針(令和2年厚生労働省告示第5号)は「明らかに業務上必要性がない、又はその態様が相当でないもの」を「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」言動と定めています。

①目的が業務改善に向いているか、②人格ではなく行動に向けた表現か、③他の従業員の前など場所・聴衆に配慮しているか、④継続性・頻度が過大でないか、を実務上の物差しにできます。人格を否定する発言は指導の名目でも違法と評価された事例(サントリーホールディングスほか事件・東京地判平成26年7月31日)があります。

Q. 容姿や服装を褒めるのは職場でセクハラになりますか?

A. 容姿や服装への言及は、相手との関係性・場面・回数・態様によりセクハラに該当し得ます。セクハラ指針(平成18年厚生労働省告示第615号)は、性的な言動により就業環境が害される「環境型セクシュアルハラスメント」を規制対象としています。

業務上の必要性がない容姿・体型・服装への繰り返しの言及や、性的なニュアンスを含む発言は、平均的労働者から見て就業に看過できない支障が生じたと評価されればセクハラに該当します。加害者・被害者の性別、性的指向、性自認に関わらず対象になる点も、指針原文で明示されています。

Q. 育児休業から復帰した従業員を気遣って業務を軽くするのはマタハラに該当しますか?

A. 本人の希望・意向を確認せず、会社側が一方的に業務量や職務内容を軽減するとマタハラに該当する可能性があります。マタハラ指針(平成28年厚生労働省告示第312号)は、妊娠・出産等の状態や制度利用に関する言動により就業環境が害される行為を「制度等の利用への嫌がらせ型」「状態への嫌がらせ型」として規制対象に定めています。

本人の意向に反する業務軽減・配置転換・キャリア形成上の不利益は同型として評価されうる余地があります。

復帰後の業務調整は、必ず本人と面談し希望を確認したうえで、キャリア形成上不利益にならない範囲で合意形成するのが安全です。

Q. 中小企業もハラスメント防止措置義務の対象ですか?

A. 中小企業も全類型のハラスメント防止措置義務の対象で、企業規模による恒久的な適用除外はありません。セクハラ(措置義務化は2007年4月〜)、マタハラ・パタハラ・ケアハラ(2017年1月〜)はいずれも企業規模による猶予なく全事業主が対象で、パワハラは2020年6月に大企業、2022年4月に中小企業へ適用が拡大され現在は全事業主が対象です。

2026年10月1日施行のカスハラ・就活セクハラ防止措置義務(労働施策総合推進法等の一部を改正する法律/令和7年法律第63号)も、企業規模による猶予期間なく大企業・中小企業ともに一律で対象になります。

Q. ハラスメント防止措置義務に違反した場合、企業に罰則はありますか?

A. 直接の刑事罰規定はありませんが、厚生労働大臣による報告徴収・助言・指導・勧告の対象となり、勧告に従わない場合は企業名が公表される可能性があります。パワハラ・カスハラ・就活セクハラは労働施策総合推進法第33条・第33条の2、セクハラ・マタハラは男女雇用機会均等法第29条・第30条に、行政指導と企業名公表の枠組みが定められています。

※行政指導と公表の枠組みは条項番号が改正で整理される可能性があるため、社内資料に貼る際は e-Gov 法令検索の最新版で条番号を最終確認してください。

育児介護休業関連ハラスメントも、育児介護休業法第56条・第56条の2に同様の枠組みが定められています。

加えて、被害者から民法第709条(不法行為責任)や労働契約法第5条(安全配慮義務違反)に基づく損害賠償請求を受けるリスクがあり、企業名公表による社会的信用の毀損まで含めると、実質的な負担は決して小さくありません。

Q. テレワーク中のチャットやオンライン会議での言動もハラスメントに該当しますか?

A. テレワーク中のチャット・オンライン会議・業務用SNSでの言動も、業務を遂行する場面である限りハラスメントの対象になります。パワハラ指針(令和2年厚生労働省告示第5号)は「職場」を労働者が業務を遂行する場所と定義したうえで、通常勤務している場所以外であっても業務を遂行する場所は「職場」に含まれると明記しています。

オンライン会議での威圧的発言、チャットでの人格否定、業務時間外に個人SNSへ執拗にメッセージを送る行為なども、他の要件を満たせばパワハラ・セクハラとして評価されうるため、就業規則や管理職研修でオンライン上の言動も対象に含めて明文化しておくことが実務上重要です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
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