海外の消費者に自社商品を売りたい。そう考えて情報を集め始めると、越境ECには多言語対応や海外決済、国際配送、関税や現地の商習慣といった、国内ECにはない壁がいくつも立ちはだかることに気づきます。これらを自社だけで乗り越えるのは負担が大きく、専門の支援会社に任せる「越境EC代行」を検討する企業が増えています。
ただ、ひとくちに越境EC代行といっても、支援の受け方は幅広く分かれます。自社の越境ECサイトを一から構築してくれる会社、受注から物流・カスタマーサポートまでまるごと運営を代行する会社、中国やアジアなど特定市場の攻略に特化した会社、既存のECサイトに海外販売機能を後付けする会社まであり、任せられる範囲も料金体系も大きく違います。
「どこに・何を・いくらで頼めるのか」がつかみにくいのが、越境EC代行選びの難しさです。
この記事では、越境EC支援サービス15社を支援の受け方で4つのタイプに整理し、対応地域・支援範囲・料金モデルといった同じ基準で比較します。あわせて費用相場の考え方、自社に合う会社の選び方、依頼して失敗しないための注意点まで、意思決定に必要な材料をまとめました。
自社に合う支援タイプがまだ絞れていない場合は、記事内の診断ツールで「狙う市場」「任せたい範囲」から適したサービスを確認できます。まずは全体像から見ていきましょう。
目次
越境EC代行とは
越境EC代行とは、日本の事業者が海外の消費者へ商品を販売する越境ECの立ち上げ・運営・拡大を、専門の会社が代わりに担ったり支援したりするサービスの総称です。サイト構築や海外モールへの出店、受注・在庫・国際配送、多言語のカスタマーサポート、現地向けのマーケティングまで、越境ECに必要な業務のどこを・どこまで任せるかを選んで委託できます。
越境EC代行の需要が広がる背景
越境EC代行の利用が広がる背景には、日本の商材に対する海外の購買需要の高まりがあります。経済産業省の市場調査によると、2024年に中国の消費者が日本の事業者から越境ECで購入した金額は2兆6,372億円にのぼり、前年比8.5%増と拡大を続けています。
日本国内のBtoC-EC市場規模も26.1兆円(前年比5.1%増)に伸びており、EC取引そのものが定着するなかで、販路を海外へ広げる動きが強まっています。
一方で、海外販売は国内向けのECをそのまま出せば成り立つわけではありません。言語・通貨・決済・物流・関税といった実務は国ごとに事情が異なり、自社だけでノウハウを揃えるには時間もコストもかかります。この「需要はあるが、参入のハードルが高い」というギャップを埋める手段として、越境EC代行の利用が広がっています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:令和6年度 電子商取引に関する市場調査(報道発表)|経済産業省(https://www.meti.go.jp/press/2025/08/20250826005/20250826005.html)
越境ECの3つの商流モデル(モール型・自社サイト型・簡単導入型)
越境ECには、海外の顧客に商品を届けるまでの流れ(商流)にいくつかのモデルがあります。どのモデルで売るかによって、任せるべき代行会社のタイプも変わるため、はじめに違いを押さえておきましょう。
- 海外モール出店型:天猫国際(Tmall Global)やAmazon、Shopee、Lazadaなど、海外の大手ECモールに出店して販売する方法です。集客力のある場に商品を並べられる一方、モールの規約・審査・出店運営のノウハウが必要になります。
- 自社サイト型:ShopifyやMagento(Adobe Commerce)などで自社の越境ECサイトを構築し、多言語・多通貨に対応させて販売する方法です。ブランドの世界観を保ちやすく手数料を抑えられますが、構築・集客・運用を自前で担う必要があります。
- 簡単導入型(貼るだけ・代理購入):既存の国内ECサイトにタグや連携を追加し、海外からの購入・国際配送・多通貨決済を代行してもらう方法です。サイトを作り替えずに海外販売を始められる手軽さが特徴です。
どのモデルにも一長一短があり、狙う市場・商材・社内リソースによって最適解は変わります。代行会社はこれらのモデルの選定から実務までを支援してくれるため、自社だけで判断しきれない段階でこそ相談する価値があります。どのモデルで売るかは、次に見る「どの支援タイプに頼むか」にもつながります。
越境EC代行に依頼できること(支援範囲)
越境EC代行に任せられる業務は、サイトを立ち上げる前の戦略づくりから、日々の運営・出荷までと幅広いのが特徴です。ここでは、代表的な支援範囲を整理します。自社で不足している部分だけを部分的に委託することも、まるごと任せることもできます。
- 市場調査・参入戦略の立案:どの国・どのモールで、どの商材を、どんな価格で売るかを、現地の需要や競合を踏まえて設計します。
- サイト構築・モール出店:自社越境ECサイトの構築や、海外モールへの出店申請・ページ制作・多言語化を行います。
- 受注・在庫・国際物流:注文処理、在庫管理、海外への発送・通関手配までを代行します。
- 多言語カスタマーサポート:現地の言語で問い合わせ・返品対応を行い、購入者の不安を解消します。
- 翻訳・ローカライズ:商品説明や販促文を、直訳ではなく現地で伝わる表現に整えます。
- 海外向けマーケティング:現地SNS運用、インフルエンサー(KOL)施策、広告運用、ライブコマースなどで集客します。
- 決済・関税対応:現地で使われる決済手段の導入や、関税・税制ルールへの対応を支援します。
どこまで任せるかは、社内にあるノウハウと確保できる工数によって変わります。次の章では、こうした支援範囲の組み合わせ方を「支援タイプ」として整理し、自社に合う入口を選べるようにします。
越境EC代行の支援タイプ(4分類)
越境EC支援サービスは、「自社が何を任せたいか」で大きく4つのタイプに分けられます。自社の状況に近いタイプから読み進めると、候補を効率よく絞り込めます。まずは各タイプの特徴を一覧で確認しましょう。
自社越境ECサイトを作る「構築・リニューアル支援型」
自社ドメインの越境ECサイトを、設計から構築・多言語多通貨対応まで担うタイプです。ShopifyやMagento(Adobe Commerce)といったプラットフォームを使い、ブランドの世界観を保ったまま海外向けに販売したい企業に向いています。モールに依存せず手数料を抑えられる反面、集客は別途設計が必要になるため、構築後の運用まで見据えて相談するのがおすすめです。
まるごと任せる「運営代行・総合支援型」
サイト構築から受注・在庫・国際物流・多言語サポート・海外マーケティングまでを一気通貫で代行するタイプです。戦略づくりのコンサルティングから日々の運営代行まで、任せる関与度を選べる会社が多いのも特徴です。
越境ECの専任担当を置けない、社内にノウハウがない企業が、実務をまとめて外部に委ねたい場合に適しています。支援範囲が広い分だけ費用も上がりやすいため、任せる範囲と自社で持つ範囲の線引きを最初に決めておくと無駄がありません。
狙う市場に強い「特定地域・モール特化型」
中国(天猫国際・京東国際・淘宝)やアジアなど、特定の市場やモールの攻略に特化したタイプです。現地の商習慣・規制・販促チャネル(SNS、KOL、ライブコマース)に精通しており、狙う国が1つに定まっていて、その国のモール規制や売り方まで踏み込んだ運営を求める場合は、幅広く対応する運営代行・総合支援型よりこのタイプが向きます。
逆に、複数の地域へ同時に広げたい場合は、対応範囲がその市場に限られていないかを確認する必要があります。
既存ECにすぐ足せる「簡単導入・多販路型」
既存の国内ECサイトにタグや連携を追加して海外販売機能を後付けするタイプや、日本語入力だけで複数モールへ同時出品できるタイプです。サイトを作り替えずに短期間で海外販売を始められ、初期投資を抑えたい企業や、まず小さく試したい企業に向いています。手数料や成果報酬の料金体系が中心になるため、想定する販売規模でのコストを試算しておくと選びやすくなります。
自社がどのタイプに当てはまるか迷う場合は、次の診断ツールで「狙う市場」「任せたい範囲」に答えると、相性のよいサービスを確認できます。
【比較表】タイプ別・越境EC代行会社15社の比較
ここからは、越境EC支援サービス15社を、支援タイプ・主な対応地域/モール・支援範囲・料金モデル・特徴の同じ基準で一覧にします。各社を横並びで見比べ、気になるサービスは名称をクリックすると個別紹介へ移動できます。
| サービス名 | マルウェブ(Magento/Adobe Commerce構築) | 飛躍(HIYAKU) | ECコンサルカンパニー | Live Commerce | GMOグローバルEC | BeeCruise | トランスコスモス | いつも | LIFE PEPPER | エフカフェ(F-CAFE) | JUTOU | SIパートナーズ | Inagora(インアゴーラ) | WorldShopping BIZ | WASABIプロジェクト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 支援タイプ | 構築・リニューアル支援 | 構築・リニューアル支援 | 構築・リニューアル支援/運営代行 | 構築・リニューアル支援 | 運営代行・総合支援 | 運営代行・総合支援 | 運営代行・総合支援 | 運営代行・総合支援 | 運営代行・総合支援 | 特定地域・モール特化 | 特定地域・モール特化 | 特定地域・モール特化 | 特定地域・モール特化 | 簡単導入・多販路 | 簡単導入・多販路 |
| 主な対応地域・モール | 自社サイト構築 多言語・多通貨、国別サイトに対応 | Shopify自社サイト Global-e連携で200超の国・地域 | 英語圏に特化 自社サイト構築・運営代行 | 自社サイト(越境専用カート) eBay・Amazon・Lazada連携 | 自社モール「Japan Finds」・eBay (Amazon等は順次連携予定) | 約120の国と地域 天猫国際・Shopee・LAZADA等 | 中華圏・韓国・ASEAN・北米・欧州等 天猫国際・JD・Shopee・Lazada・Qoo10 | 米国・中国・欧州・ASEAN等 (対応モールは要問い合わせ) | 30カ国以上(中国・東南アジア・欧米豪等) 天猫国際・Shopee・Lazada等 | 中国特化 天猫国際・JD国際・小紅書・抖音 | 中国・台湾・香港中心 天猫国際・JD国際・抖音・小紅書 | 中国・東南アジア・欧米 天猫国際・LAZADA・Shopee・JD国際等 | 中国中心 自社アプリ「豌豆公主」・抖音・快手 | 228の国と地域 (既存ECサイトにタグ追加) | 海外6モール eBay・Amazon・Shopee・Lazada・Catawiki等 |
| 支援範囲 | サイト構築・保守運用 (BtoB受発注機能にも対応) | 構築・カスタマイズ グロースハック・運営代行 | 構築・運営代行・集客 広告運用・CS・配送/関税設計 | 越境ECカート提供 関税自動計算・決済・広告連携 | モール出品代行・構築 越境物流・海外進出コンサル | 自社EC越境化・モール運営代行 国際配送・多言語CS・マーケ | 構築・運用・受注/CS フルフィルメント・国際物流・プロモーション | 出店・運営・戦略立案 現地マーケ・物流体制構築 | 構築・モール出店代行 広告・SNS・SEO・KOL集客 | 出店・運営代行・CS モール内広告・KOL・物流 | 出店・運用代行・SNS運用 KOL・ライブコマース | 出店・運営代行(決済・物流) 許可申請代行・販路開拓 | 出店・翻訳/コンテンツ制作 物流・決済・KOL・ライブコマース | 多言語カート・海外決済 国際配送・多言語CS代行 | 多モール同時出品・自動翻訳 海外配送・顧客対応代行 |
| 料金モデル | 初期・月額とも要問い合わせ | 要問い合わせ | 運営代行:月額20万円+売上5% (初期費用は要問い合わせ) | 初期費用0円 月額6,138円〜32,175円(プラン別) | makeshop連携なら0円 直接契約は月額33,000円〜(構築は要問い合わせ) | Buyee Connectは初期・月額0円 (海外購入者が1注文500円負担/モール運営代行は要問い合わせ) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 自社EC構築200万円〜 モール出店代行100万〜200万円〜/コンサル月額10万円〜 | 市場調査20万円〜/初期250万円〜 月額運営費は個別見積り | 越境ECは要見積もり(初回相談無料) 中国SNS運用は月額29,800円〜 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 初期33,000円・月額5,500円 (EC事業者の売上手数料なし/購入代行手数料10%は海外購入者負担) | 初期・月額0円 完全成果報酬(販売手数料20%) |
| 特徴 | Adobe Commerce認定パートナー(ブロンズ) 日本ディレクション×ベトナム開発体制 | Shopify Plus公式パートナー Global-e・三井物産と提携し決済・物流を補完 | 英語圏特化 広告・CS・配送まで単一プランで一括代行 | 越境EC専用カート(累計1,000サイト以上) 関税自動計算を標準搭載 | 2010年創業・累計3,000社以上 makeshop連携で費用を抑えた出品が可能 | BEENOSグループ タグ設置型で事業者負担0円、天猫国際の大型店運営受託実績 | 東証プライム上場 中国20年・50社超の運用実績、物流・CSまで一括 | 東証グロース上場 1688.com提携で中国調達・OEMも支援 | 外国籍約70%・17カ国出身のネイティブ体制 構築から集客までワンストップ | 上海現地法人が運営 天猫国際TP最高評価「5つ星」、越境EC100社超の実績 | 中国語ネイティブ体制 中国SNS運用まで一体提供、自走化まで支援 | JETRO越境EC支援事業パートナー NMPA申請代行に対応、公的機関との連携実績 | 自社アプリ「豌豆公主」を中核 羽田近郊倉庫で物流一元化、伊藤忠・KDDI等と資本提携 | 東証グロース上場 タグ1行・最短1日で開始、不正決済防止機能は特許取得 | 日本語入力のみで6モール同時出品 売れるまで固定費0円、JETRO支援パートナー登録 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社の公開情報をもとにした一般的な傾向です。実際の対応範囲・料金は各社へご確認ください。
越境EC代行・支援会社15社の個別紹介
各社の特徴を、支援タイプごとに具体的に紹介します。対応地域・支援範囲・料金の考え方を同じ基準で整理しているので、自社に近いタイプから読み進めてください。
構築・リニューアル支援型
自社ブランドの越境ECサイトを、プラットフォーム選定から構築・多言語対応まで任せたい企業に向くタイプです。
1. Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(株式会社マルウェブ)

Adobe Commerce認定パートナー(ブロンズ)である株式会社マルウェブが、Magento Open Source・Adobe Commerceを用いたECサイトの新規構築とリニューアルを手がけるサービスです。要件定義から設計・開発・デザイン調整・保守運用までを一貫して請け負い、既存サイトの保守・運用のみの相談にも対応します。
多言語・多通貨対応に加え、Global/Website/Store/Store Viewの階層でブランド別・国別・商材別の複数ストアを一つの管理基盤で運用できます。国別サイト構成や海外向けの決済・配送を踏まえた構築、見積依頼・承認フロー・顧客別価格設定・再注文といったBtoB受発注機能の構築にも対応します。
日本側で進行管理を行い、ベトナム子会社が開発を担うハイブリッド体制を敷いています。公式サイトには実名の導入事例が13件掲載されています。初期費用・月額費用はいずれも要お問い合わせで、構築内容・連携範囲・移行作業の有無によって変わります。
2. 飛躍(HIYAKU)(株式会社飛躍)

Shopifyの日本上陸初期にあたる2017年からパートナーを務める株式会社飛躍が運営する、Shopifyベースの越境EC構築・運営支援サービスです。Shopify Plus公式パートナーとして、国内EC・越境ECのサイト構築からカスタマイズ、運営代行までをワンストップで担います。
支援は、レクチャー中心の「コーチング」、コンサルと実装を組み合わせた「伴走」、運用全般を委ねる「代行」の3段階から、社内の内製化状況に応じて選べます。越境EC向けには、Bento&co創業者による貿易・運用実務のコンサルティングを組み込んだ構築パッケージを用意しています。
決済・物流面では、200以上の国・地域と100以上の通貨に対応するGlobal-e、Shopify向け配送「プラスシッピング」を提供する三井物産などとの提携で支援体制を組みます。料金は初期費用・月額費用とも公表されておらず、要お問い合わせです。
3. ECコンサルカンパニー(株式会社ECコンサルカンパニー)

国内ECのコンサルティングや運営代行を手がける株式会社ECコンサルカンパニーが、その一事業として提供する越境EC支援です。英語圏向けに特化し、海外向けページのネイティブ翻訳から、対象国の文化に合わせたデザイン対応までを担います。
運営代行では、商品出品や集客、SNS運用、英語でのカスタマーサポートに加え、配送方法・関税・返品対応の設計、Google広告・Facebook広告の運用、SEO対策までを一括で引き受けます。導入事例には、AWS・WordPress・WooCommerceで構築しPayPal決済を導入した畳製品の越境ECがあります。
料金は、越境EC運営代行プランが月額20万円+売上5%で、日本語サイトとの同時運用時も同額とされています。このプランには、英語での問い合わせ対応、バックヤード対応、Google広告管理、Facebookコンテンツ更新が含まれます。
4. Live Commerce(ライブコマース)(株式会社デジタルスタジオ)

越境EC専用のサイト構築・運営プラットフォームで、株式会社デジタルスタジオが開発・提供しています。ASP型のカートで、構築支援ツール「ストアマネージャー」を使い、多言語・多通貨に対応した自社越境ECサイトを構築できます。公式サイトでは累計1,000サイト以上の利用実績を掲げています。
越境EC特有の関税については、HSコードをもとにした自動計算・事前徴収機能を標準搭載しています。決済はStripe・PayPalに加え、中国向けのWeChat Pay・銀聯・Alipay、東南アジア向けのローカル決済に対応し、Googleショッピングやモール(eBay・Amazon・Lazada)との連携機能も備えます。
運営元は、情報セキュリティのISO/IEC 27001とISO 9001の認証を取得しています。料金は初期費用が無料で、月額はシルバー6,138円・ゴールド11,385円・プレミアム32,175円などのプランがあり、30日間の無料体験も利用できます。
運営代行・総合支援型
構築から運営・物流・海外マーケまで、越境ECの実務をまとめて委ねたい企業に向くタイプです。
5. GMOグローバルEC(GMOグローバルEC株式会社)

2010年創業の越境EC支援専業会社です。2025年11月にGMOメイクショップ株式会社(GMOインターネットグループ)による全株式取得が決まり、2026年1月に同社の子会社となって、ジェイグラブ株式会社からGMOグローバルEC株式会社へ社名を変更しました。
委託販売型のモール出品代行「Japan Finds/Japan Finds byGMO」、Magento・Shopifyでの自社EC構築支援、越境物流「j-Logi」、海外進出コンサルティング、自治体・官公庁向け支援までを一体で提供します。累計支援実績は2010年の創業以来3,000社以上としています。
EC構築SaaS「makeshop byGMO」の利用店舗であれば、モール出品サービス「Japan Finds byGMO」を初期費用・月額費用・販売手数料・国際配送料すべて無料で利用できます。GMOグローバルECと直接契約する場合は月額33,000円(税込)から、Magento・Shopify構築やj-Logiは要問い合わせです。
6. BeeCruise(BeeCruise株式会社)

BEENOSグループで日本企業の海外進出支援を担う会社です。2026年1月に、越境EC基盤構築・現地販路拡大・海外ファン形成の3つのソリューション体系(Buyee for Eコマース/ディストリビューション/マーケティング)に再編しました。
中核となる「Buyee Connect」は、自社ECサイトにタグを設置するだけで海外向けカートを実装でき、決済・海外配送・多言語カスタマーサポートをBeeCruise側が代行します。
中国の天猫国際(Tmall Global)やShopee、POIZON、LAZADAなどへの出店運営代行にも対応し、天猫国際では「ポケモンセンター」旗艦店の運営・配送をグループとして受託した実績があります(2021年3月オープン)。
Buyee Connectは初期費用・月額費用・販売手数料がいずれも0円で、海外の購入者が1注文あたり500円を負担する仕組みのため、事業者側の費用負担なく越境対応を追加できます。購買データを可視化するダッシュボード機能は月額5,500円、モール出店運営代行は要問い合わせです。
7. トランスコスモスの越境EC支援(トランスコスモス株式会社)

コンタクトセンター・BPO事業を主力とする東証プライム上場企業(証券コード9715)が、「ECワンストップサービス」の一部として提供する越境EC支援です。
ECサイトの構築・運用、受注管理・カスタマーケア、フルフィルメント(入荷・ピッキング・梱包・出荷・返品)、国際物流・通関対応、Webプロモーションまでを一括で担います。対象地域は中華圏(中国大陸・台湾)、韓国、ASEAN、インド、北米、中南米、欧州など。天猫国際やJD worldwide、Shopee、Lazada、Qoo10といった複数モールへの出店・運用代行に対応します。
中国市場では20年にわたりサービスを提供し、50社を超えるEC運用実績を公式サイトに記載しています。初期費用・月額費用・手数料はいずれも公開されておらず、電話・チャット・メールでの個別見積もりとなります。
8. いつもの越境EC支援(株式会社いつも)

EC・D2Cブランドの総合支援を主業とする東証グロース上場企業(証券コード7694)が、6つの事業領域のひとつ「グローバル支援」として手がける越境EC支援です。
海外主要ECプラットフォームへの出店・運営、越境EC戦略の立案、現地マーケティング、物流体制の構築を支援内容として掲げています。100%子会社「株式会社いつも.SNIFF」を通じてアリババグループの「1688.com」と提携し、中国での商品調達やOEM/ODM製造支援も提供しています。
公式サイトではEC総合支援として14,000件以上のプロジェクト実績を掲げていますが、これは越境EC単独ではなく全社累計の数値です。越境EC支援単体の料金や対応国・対応モールの具体名は現行の公式サイトに明記がなく、要お問い合わせとなります。
9. LIFE PEPPER(株式会社LIFE PEPPER)

2014年設立の海外マーケティング会社です。社員の約70%が外国籍で、出身17ヶ国・社内使用言語8ヶ国語という体制を活かし、ターゲット国のネイティブスタッフがペルソナ設計や現地向けクリエイティブ制作を担当します。
Shopifyをベースにした越境ECサイトの制作・構築から、天猫国際・WeChat・Shopee・Lazadaなどへのモール出店代行、広告運用・SNS運用・SEO・インフルエンサー(KOL)活用による集客までを自社チームで一気通貫に対応します。対応エリアは中国・東南アジア・台湾・韓国・欧米豪など30カ国以上で、累計支援実績は1,000社以上としています。
料金は、自社ECサイト制作が200万円から(在庫管理システムを含まない場合、要件が複雑な場合は600万円から)、越境ECモール出店代行が100万〜200万円程度からで、モール出店は契約から公開まで約3ヶ月が目安です。海外マーケティングコンサルティングは月額10万円から個別見積もりとなります。
特定地域・モール特化型
中国やアジアなど、狙う市場が定まっている企業に向く、現地攻略に強いタイプです。
10. エフカフェ(F-CAFE)(株式会社エフカフェ)

中国市場に特化した越境ECの出店・運営代行で、天猫国際(Tmall Global)を主軸に、JD国際・小紅書・抖音への出店にも対応します。株式会社エフカフェが2010年に設立した上海現地法人のスタッフが店舗運営とカスタマーサポートを担い、日本側は日本人ディレクターが窓口となる体制です。
アリババグループ公式の天猫国際TP(Tmall Partner)評価制度では、2020年第1四半期に最高評価区分となる5つ星を獲得しています。越境EC事業単体で100社以上の支援実績と、累計150億円以上の流通総額を公式サイトに記載しています。物流は中国保税区モデルと、日本国内倉庫からの直送モデルの両方に対応します。
料金は市場調査が20万円から、出店・店舗構築などの初期費用が250万円からで、月額の運営代行費用は支援範囲に応じた個別見積もりです。出店から販売開始までの目安は3〜6ヶ月とされています。
11. JUTOU(JUTOU株式会社)

「インバウンド・越境EC・海外マーケティングのプロ集団」を掲げ、中国・台湾・香港を中心に支援を行うJUTOU株式会社のサービスです。天猫国際(Tmall Global)・京東国際(JD国際)・抖音・小紅書への出店・運用代行を、市場調査から戦略設計、運用、自走化支援まで6段階のフローで手がけます。
越境ECの出店代行に加えて、WeChat・小紅書・抖音・Weiboなどの中国SNS公式アカウントの運用代行も提供し、中国語ネイティブのスタッフが記事制作・翻訳・カスタマーサポートを担当します。KOL施策やライブコマース運用にも対応します。
料金は、中国SNS運用代行が月額29,800円(税別)からのプラン制で公表されています。一方、越境ECコンサルティングの料金は支援範囲によって変わる個別見積もりで、初回相談は無料です。
12. SIパートナーズ(株式会社SIパートナーズ)

中国・東南アジア・欧米を対象に、市場調査から自社サイト・モール出店、決済・物流を含む運営代行、現地進出支援までを一気通貫で提供する株式会社SIパートナーズのサービスです。天猫国際・LAZADA・Shopee・JD国際などのモールとパートナー契約を結び、出店・運営を代行します。
2024年6月にJETRO「新輸出大国コンソーシアム」の越境EC支援事業パートナーとして認定されており、中小機構や自治体との連携実績を持ちます。化粧品・健康食品・医薬品のNMPA(中国国家薬品監督管理局)申請代行にも対応し、フェリシモの拼多多(Pinduoduo)への日本企業初出品などの事例を公開しています。
対応地域は東南アジアを含む複数国に広がりますが、公式サイトでは具体的な対応国数は明示されていません。初期費用・月額費用・手数料はいずれも公開されておらず、料金は相談予約からの個別見積もりとなります。
13. Inagora(インアゴーラ)(Inagoraホールディングス株式会社)

自社開発の越境ECアプリ「豌豆公主(ワンドウ)」を中核に、日本商品を中国市場へ届けるワンストップ支援を行うInagoraホールディングス株式会社のサービスです。商品情報の翻訳・コンテンツ制作から、羽田空港近郊の自社倉庫を起点とした輸出・通関・中国国内配送、人民元決済の日本円への換算・送金までを一元的に担います。
マーケティング面では、KOL起用やライブコマースに対応し、中国版TikTok「抖音(Douyin)」へ2021年4月に出店したほか、TikTok Shop参入企業向けのコンサルティングも提供します。伊藤忠商事・KDDI・SBIホールディングスなどを資本業務提携先に持ちます。
拠点は東京本社に加え、北京・杭州・香港に置いています。豌豆公主への出店手数料や初期費用について、現行の料金は公式サイトに掲載されておらず、要お問い合わせとなります。
簡単導入・多販路型
既存ECを活かして低コスト・短期間で海外販売を始めたい企業に向くタイプです。
14. WorldShopping BIZ(株式会社ジグザグ)

WorldShopping BIZは、東証グロース市場に上場する株式会社ジグザグが提供する購入代行型の越境EC支援サービスです。既存の国内ECサイトにJavaScriptタグを1行追加するだけで、多言語カート・海外決済・国際配送・カスタマーサポートまでを代行し、サイトを作り替えずに228の国と地域への販売に対応できます。
連携済みのECカート・ASPを利用していれば最短1日、独自構築のサイトでも平均1週間程度でタグを発行して海外販売を始められます。海外の購入者向けには、24時間365日・5言語(英語・簡体中国語・繁体中国語・韓国語・日本語)でカスタマーサポートを代行します。特許を取得した不正決済防止機能や、ブランド・商品ごとに販売可否を制御する除外設定機能も備えます。
料金は初期費用33,000円(税込)・月額5,500円(税込)で、契約は1ドメイン単位です。EC事業者側に売上手数料はかからず、購入代行手数料10%(商品代金+国内送料)は海外の購入者が負担する仕組みのため、事業者は国内販売と同じ費用感で海外販売を追加できます。
15. WASABIプロジェクト(株式会社ワサビ)

大阪の株式会社ワサビが運営する「WASABIプロジェクト」は、日本語で商品情報を登録するだけで海外の主要モールへ同時出品できる成果報酬型の越境EC販売代行サービスです。自動翻訳を介してeBay・Amazon・Shopee・Lazada・Catawiki・Taobaoの6モールに出品でき、Taobaoは公式サイトで準備中と案内されています(2026年7月時点)。
語学スキルや海外モールごとの出店手続きの知識がなくても、出品作業は日本語で完結し、商品情報は108言語への自動翻訳に対応します。受注後は国内の指定倉庫へ商品を送るだけで、通関・国際配送・海外顧客対応をワサビ側が代行します。参加時には出品審査があり、同社は2024年9月にJETRO「新規輸出1万者支援プログラム」の越境EC支援事業パートナーに登録されています。
初期費用・月額費用・出品掲載料はいずれも0円で、商品が売れた時点で商品価格の20%を販売手数料として支払う完全成果報酬型です。採寸・撮影・原稿作成や翻訳などのオプションは料金が公表されておらず、個別の問い合わせとなります。売れるまで固定費が発生しないため、越境ECを低リスクで試したい事業者に向いた料金設計です。
越境ECの参入障壁と代行に任せるメリット
越境EC代行の価値は、自社だけでは越えにくい参入障壁を、専門知識で肩代わりしてくれる点にあります。ここでは、越境EC特有の壁を具体的に見たうえで、代行に任せることで得られるメリットを整理します。
越境ECの参入障壁(多言語・多通貨・関税・現地決済・国際物流)
越境ECには、国内ECにはない5つの壁があります。いずれも専門知識を要し、対応を誤ると販売機会の損失やトラブルにつながります。
- 言語・ローカライズ:商品説明やサポートを現地で伝わる表現に整える必要があります。直訳では購入の決め手になりません。
- 多通貨・現地決済:日本と同じクレジットカード前提では売れない市場があります。
- 関税・通関:仕向国ごとに関税ルールや必要書類が異なり、制度変更も頻繁に起こります。
- 国際物流:配送手段・リードタイム・返品対応を、コストとのバランスで設計する必要があります。
- 現地の規制・商習慣:市場ごとの販売ルールや、扱える商品の制限を把握する必要があります。
とりわけ関税・通関のルールは変化が激しく、事業者だけで追い続けるのは容易ではありません。たとえば米国は、少額輸入品を免税とする「デミニミス」制度を2025年8月末に廃止し、越境EC事業者に通関手続きの複雑化と関税負担の増加をもたらしました。
米国は、制度の抜け穴として少額貨物の免税制度「デミニミス」を問題視し、2025年8月末に廃止した。制度の恩恵を受けていた越境EC事業者は、通関手続きの複雑化や関税負担の増加に直面し、ビジネスモデルの再構築が求められている。(中略)廃止後は、少額貨物でも一般商業貨物と同等に格上げされた手続き書類が必要になり、(中略)廃止前は不要だった10桁のHTSコード(米国の関税分類番号)や品目の原産国の表示などが求められる。
出典:米国デミニミス制度廃止の衝撃(1)越境ECビジネスにもたらす変化|日本貿易振興機構(ジェトロ)
中国向けでも、越境ECには独自の税制ルールがあります。1回あたり5,000元・年間26,000元以下の購入であれば関税率を0%とする優遇措置がある一方、この制度を使えるのは「ポジティブリスト(越境EC小売輸入商品リスト)」に掲載された品目に限られるなど、条件が細かく定められています。
電商総合税の税率について 1ユーザーの取引上限額が1回あたり5,000元以下で、かつ年間での購入総額が26,000元以下の場合、関税率を0%、増値税、消費税をそれぞれ法定額の70%とする優遇措置を受けられます。
出典:中国における越境ECの概要と留意点|日本貿易振興機構(ジェトロ)
決済についても注意が必要です。中国国内では「支付宝」(Alipay)や「微信支付」(WeChat Pay)といったスマートフォン決済が主流で、クレジットカードの利用は一般的ではありません。日本と同じ決済手段だけを用意しても購入につながらないため、現地で使われる決済への対応が欠かせません。
こうした関税・税制・決済・物流の実務を、最新のルールに沿って代行してくれる点が、越境EC代行に任せる大きなメリットです。現地で使われる決済手段の種類や、代金回収・為替の仕組みまで踏み込んで知りたい場合は、越境ECの決済を専門に解説した記事もあわせてご覧ください。
出典・参考資料(2件)
- 出典:米国デミニミス制度廃止の衝撃(1)越境ECビジネスにもたらす変化|日本貿易振興機構(ジェトロ)(https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2025/7d1295e3c43b3772.html)
- 出典:中国における越境ECの概要と留意点:中国向け輸出|日本貿易振興機構(ジェトロ)(https://www.jetro.go.jp/world/qa/J-210602.html)
代行に任せるメリットと向いているケース
代行に任せる最大のメリットは、こうした専門領域のノウハウと実務を、自社で一から揃えずに調達できる点です。現地事情に詳しい担当が付くことで、参入の立ち上がりが速くなり、制度変更や決済・物流のトラブルにも対応しやすくなります。
とくに、海外向けの専任担当を置けない企業や、社内に越境ECの経験がない企業、限られたリソースで素早く海外展開を進めたい企業では、代行を使う効果が大きくなります。一方で、社内にノウハウを蓄積したい場合や、長期的に内製へ切り替えたい場合は、任せきりにせず自社にも知見が残る形で依頼することが望ましいでしょう。
越境EC代行の費用相場
越境EC代行の費用は、任せる支援範囲と料金モデルによって大きく変わります。決まった相場が一律に存在するわけではないため、金額の目安だけを見るのではなく、料金の構造を理解して自社の依頼内容に当てはめて考えることが大切です。
費用は「初期費用・月額費用・成果報酬」の組み合わせ
越境EC代行の料金は、おおむね次の3つの要素の組み合わせで決まります。どの要素が中心になるかは、支援タイプによって傾向が異なります。
- 初期費用:サイト構築やモール出店、初期設定にかかる一時費用です。自社サイトを一から構築する構築支援型では大きくなりやすく、既存ECに機能を後付けする簡単導入型では小さく抑えられる傾向があります。
- 月額費用(運用・保守):運営代行やサイト保守、カスタマーサポートなど、継続的な支援に対して毎月発生する費用です。任せる範囲が広い総合支援型ほど高くなりやすくなります。
- 成果報酬(売上手数料):販売実績に応じて発生する費用です。初期費用を抑えて始められる一方、売上が伸びるほど総額も増えるため、想定する販売規模での試算が欠かせません。多モール出品や貼るだけ型で採用されることが多い体系です。
支援タイプ別の費用感の目安
費用は案件内容によって変わるため個別見積もりが基本ですが、各社が公開している料金からは、支援タイプごとに次のような費用感の傾向が読み取れます。具体的な料金は個別紹介と比較表で会社ごとに確認できます。
- 構築・リニューアル支援型:自社越境ECサイトの構築は初期費用が数十万〜数百万円規模になることが多く、多くは個別見積もりです。一方、越境EC専用カート型のように初期費用0円・月額6,000円台から始められるものや、運営支援を含めて月額20万円+売上5%とするプランもあります。
- 運営代行・総合支援型:月額固定や個別見積もりが中心です。自社EC構築を含む支援は200万円〜、モール出店支援は100万〜200万円〜、コンサルティングは月額10万円〜といった公開例があります。事業者側の初期・月額を0円とし、海外購入者の手数料でまかなうモデルもあります。
- 特定地域・モール特化型:中国モールへの出店・運営では、市場調査20万円〜・初期費用250万円〜という公開例があります。中国SNS運用代行は月額29,800円(税別)から利用できるサービスもあります。
- 簡単導入・多販路型:低コストで始めやすいのが特徴です。初期費用33,000円・月額5,500円に海外購入者負担の手数料10%を組み合わせるモデルや、初期費用0円・成果報酬20%といった料金があります。
一方で、料金を公開せず個別見積もりとする会社も多くあります。これは支援範囲や構築規模によって費用が大きく変わるためで、複数社から見積もりを取り、同じ条件で比較するのが確実です。
見落としやすい実費と、確認しておきたいポイント
上記の代行費用に加えて、国際配送料・通関費用・現地決済の手数料・翻訳やクリエイティブの制作費など、実費として別途かかる項目があります。見積もりを取る際は、「どこまでが代行費用に含まれ、どこからが実費か」を必ず確認しておくと、後から想定外のコストが増える事態を防げます。各社の具体的な料金は、公開されている場合は個別紹介と比較表に整理しているので、あわせて確認してください。
自社に合う越境EC代行会社の選び方
越境EC代行は、支援範囲も得意分野も会社ごとに異なります。ここでは、自社に合う会社を見極めるための4つの判断軸を、どう使えばよいかまで含めて解説します。
狙う市場(対応地域・モール)に実績があるか
越境ECは、国や地域によって売れ筋・商習慣・規制・販促チャネルが大きく異なります。そのため、自社が狙う市場での支援実績があるかどうかが、最初に見るべき軸になります。たとえば中国を狙うなら、天猫国際や京東国際などの主要モールでの運営実績や、現地SNS・KOLを使った集客の実績があるかを確認するとよいでしょう。
狙う市場がまだ定まっていない場合は、複数地域を横断して提案できる総合支援型に相談し、市場選定から支援を受けるのが有効です。
支援範囲が自社の不足を埋めるか
自社にあるノウハウと、確保できる工数を棚卸しし、足りない部分を埋められる会社を選ぶことが基本です。サイト構築だけを頼みたいのか、受注・物流・カスタマーサポートまで丸ごと任せたいのかで、選ぶべきタイプは変わります。
社内に運用担当を置けるなら構築支援型で立ち上げだけを頼み、担当を置けないなら運営代行・総合支援型でまるごと任せる、といった判断が分岐点になります。過不足なく依頼するために、「自社でやること」と「任せること」の線引きを先に決めておきましょう。
料金モデルが販売規模に合うか
料金モデルは、想定する販売規模と時間軸で有利・不利が変わります。売上がまだ小さい立ち上げ期は、初期費用を抑えて成果報酬中心で始められる簡単導入型が負担を軽くできます。一方、売上が安定して大きくなると、成果報酬の総額が固定費を上回ることもあるため、月額固定中心のモデルが有利になる場合があります。自社の売上見込みを複数のシナリオで置き、どのモデルが最もコスト効率がよいかを試算して選ぶのが確実です。
実績・専門性・サポート品質は十分か
支援実績の豊富さや、担当者の専門性、サポート体制の手厚さも重要な軸です。導入社数や支援年数といった実績に加えて、自社の商材ジャンルや近い規模の企業を支援した経験があるかを確認すると、提案の精度を見極めやすくなります。契約後のコミュニケーション頻度や、レポーティング・改善提案の有無も、成果に直結するため事前に確認しておきましょう。
越境EC代行で失敗しないための注意点・契約前チェック
代行は便利な一方で、任せ方を誤ると期待した成果につながらないこともあります。契約前に次のポイントを確認しておくと、後悔のない依頼につながります。
- 丸投げにしない:戦略や意思決定まで任せきりにすると、自社の意図とずれた運用になりがちです。目標や方針は自社が持ち、実務を委託する形が健全です。
- ノウハウの蓄積を意識する:将来の内製化を見据えるなら、レポートや運用手順を共有してもらい、自社にも知見が残る契約にしておきましょう。
- 契約期間と解約条件を確認する:最低契約期間や中途解約の条件、初期費用の扱いを事前に把握しておくと、方針変更にも対応しやすくなります。
- 支援範囲と実費の線引きを明確にする:どこまでが料金に含まれ、どこからが実費や追加費用かを、見積もり段階で書面で確認します。
- 成果指標とレポート頻度を合意する:何をもって成果とするか(売上・CVR・海外売上比率など)と、報告の頻度・内容をあらかじめ擦り合わせておきます。
これらを契約前に確認しておくことで、代行会社との認識のずれを防ぎ、越境ECの立ち上げを着実に進められます。
まとめ
越境EC代行は、多言語・多通貨・関税・現地決済・国際物流といった越境EC特有の壁を、専門の会社が肩代わりしてくれるサービスです。支援の受け方は「構築・リニューアル支援型」「運営代行・総合支援型」「特定地域・モール特化型」「簡単導入・多販路型」の4つに分かれ、自社が何を任せたいかによって選ぶべきタイプが変わります。
会社選びでは、狙う市場での実績・支援範囲・料金モデル・実績や専門性の4つの軸で見極めることが大切です。費用は初期費用・月額費用・成果報酬の組み合わせで決まり、実費の範囲まで含めて確認しておくと予算のずれを防げます。契約前には、丸投げにしない・ノウハウを残す・契約条件を確認するといった点を押さえておきましょう。
まずは気になるサービスの資料を取り寄せ、対応地域・支援範囲・料金を自社の条件に当てはめて比較検討することから始めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 越境EC代行とは何ですか?
A. 越境EC代行とは、日本の事業者が海外の消費者へ商品を販売する越境ECの立ち上げ・運営・拡大を、専門の会社が代わりに担う・支援するサービスの総称です。サイト構築や海外モールへの出店、受注・在庫・国際物流、多言語カスタマーサポート、現地向けマーケティングまで、越境ECに必要な業務のどこを・どこまで任せるかを選んで委託できます。
Q. 越境EC代行にはどんな支援タイプがありますか?
A. 越境EC代行は、「構築・リニューアル支援型」「運営代行・総合支援型」「特定地域・モール特化型」「簡単導入・多販路型」の4つのタイプに大きく分かれます。自社サイトを作りたいのか、実務をまるごと任せたいのか、特定市場を狙うのか、既存ECに手早く海外販売を足したいのかで、選ぶべきタイプと任せられる範囲・料金体系が変わります。
Q. 自社に合う越境EC代行の支援タイプはどう選べばいいですか?
A. 支援タイプは、「狙う市場」「任せたい範囲」「かけられる予算・立ち上げ方」の3点から絞り込むのが基本です。社内に運用担当を置けるなら構築支援型で立ち上げだけを頼み、置けないなら運営代行・総合支援型でまるごと任せる、といった判断が分岐点になります。迷う場合は、記事内の診断ツールで「狙う市場」「任せたい範囲」に答えると、相性のよいサービスを確認できます。
Q. 越境EC代行会社を選ぶときの判断軸は何ですか?
A. 会社選びの判断軸は、「狙う市場での実績」「支援範囲が自社の不足を埋めるか」「料金モデルが販売規模に合うか」「実績・専門性・サポート品質」の4つが基本です。とくに自社の商材ジャンルや近い規模の企業を支援した実績があるかを確認すると、提案の精度を見極めやすくなります。契約後のコミュニケーション頻度やレポート・改善提案の有無も、成果に直結するため事前に確認しておきましょう。
Q. 越境ECで狙う市場(対応地域)はどう選べばいいですか?
A. 狙う市場は、自社商材の需要が見込める国と、その市場での支援実績がある会社を軸に選ぶのが基本です。売れ筋・商習慣・規制・販促チャネルは国ごとに大きく異なるため、狙う市場がまだ定まっていない場合は、複数地域を横断して提案できる総合支援型に市場選定から相談するのが有効です。
Q. 越境EC代行の費用相場はどのくらいですか?
A. 越境EC代行の費用は、任せる範囲と料金モデルによって、月額数千円の低コスト型から、自社サイトの構築で200万円以上まで大きく幅があります。料金は初期費用・月額費用・成果報酬の3要素の組み合わせで決まり、国際配送料・通関費用・現地決済の手数料などが実費として別途かかります。決まった相場が一律に存在するわけではないため、依頼内容に当てはめて見積もりを取るのが確実です。
Q. 越境EC代行の成果報酬型と月額固定型はどちらが得ですか?
A. どちらが得かは販売規模と時間軸で変わり、売上が小さい立ち上げ期は成果報酬型、売上が安定して大きくなると月額固定型が有利になりやすいです。成果報酬は売上が伸びるほど総額も増えるため、自社の売上見込みを複数のシナリオで置いて試算し、コスト効率のよいモデルを選ぶのが確実です。
Q. 費用を抑えて小さく越境ECを始める方法はありますか?
A. 低コストで始めるなら、初期費用や固定費を抑え、売れた分だけ手数料が発生する成果報酬型や、事業者の費用負担が0円の貼るだけ型が向いています。売上が小さい立ち上げ期の負担を軽くでき、規模が拡大して成果報酬の総額が膨らんできたら月額固定中心のモデルへ切り替える、という進め方も有効です。
Q. 越境EC代行の契約期間はどのくらいですか?
A. 越境EC代行の契約期間は会社やプランによって異なるため、契約前に最低契約期間・中途解約の条件・初期費用の扱いを確認しておく必要があります。将来の方針変更やタイプの切り替えに備えて、解約条件まで見積もり段階で書面で押さえておくと、後から動きやすくなります。
Q. 越境EC代行に「丸投げ」しても大丈夫ですか?
A. 越境EC代行への丸投げは避けるのが賢明で、戦略や目標・方針は自社が持ち、実務を委託する形が健全です。意思決定まで任せきりにすると自社の意図とずれた運用になりやすく、社内にノウハウも残りません。将来の内製化を見据えるなら、レポートや運用手順を共有してもらい、自社にも知見が残る契約にしておきましょう。
Q. 越境EC代行に依頼してから販売開始までどのくらいかかりますか?
A. 立ち上げ期間はタイプによって大きく異なり、既存ECにタグを足す簡単導入型なら最短数日、自社サイトを一から構築する構築支援型では数カ月かかることもあります。急ぎで海外販売を試したいのか、腰を据えてブランドサイトを作るのかで、選ぶべきタイプと期間の見通しが変わります。
Q. 越境EC代行の多言語対応はどこまでやってもらえますか?
A. 多言語対応の範囲は会社によって幅があり、商品説明の翻訳・ローカライズから、現地語でのカスタマーサポートや返品対応まで任せられます。単なる直訳ではなく現地で伝わる表現に整えるローカライズが購入の決め手になるため、対応できる言語数と、翻訳だけか運用まで含むのかを事前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 越境ECの物流・国際配送はどこまで任せられますか?
A. 物流面は、受注処理・在庫管理から海外への発送・通関手配、返品対応まで代行会社に任せられます。配送手段・リードタイム・返品対応はコストとのバランスで設計する必要があるため、保税区の活用や国内倉庫からの直送など、狙う市場に合った物流体制を持つ会社かを確認するとよいでしょう。
Q. 越境ECは自社サイト型とモール型のどちらがいいですか?
A. どちらが有利かは狙う市場と目的によって異なり、集客力を重視するなら海外モール出店型、ブランドの世界観と手数料の抑制を重視するなら自社サイト型が向きます。モール型は規約・審査・運営ノウハウが必要で、自社サイト型は構築・集客を自前で担う必要があります。既存ECにタグで海外販売を足す簡単導入型もあり、狙う市場・商材・社内リソースによって最適解は変わります。
Q. 「貼るだけ」で始められる越境ECとはどんな仕組みですか?
A. 貼るだけ型(簡単導入・多販路型)は、既存の国内ECサイトにタグや連携を追加するだけで、海外からの購入・国際配送・多通貨決済を代行会社に任せられる仕組みです。サイトを作り替えずに短期間・低コストで海外販売を始められ、手数料を海外の購入者が負担するタイプでは、事業者側の費用負担なく越境対応を追加できます。
Q. 越境ECサイトの構築にはどのプラットフォームが使われますか?
A. 越境ECサイトの構築には、Shopify(Shopify Plus)やMagento(Adobe Commerce)、越境EC専用のASP型カートなどが使われます。ブランドの世界観を保ちやすい自社サイトを、多言語・多通貨や関税の自動計算に対応させて構築でき、国別・ブランド別に複数ストアを一つの基盤で運用できるプラットフォームもあります。
Q. 越境EC代行とコンサルティングは何が違いますか?
A. 両者の違いは関与の深さで、コンサルティングは戦略立案や助言が中心、代行(運営代行)は出品・受注・物流・カスタマーサポートといった実務まで手を動かして担う点が異なります。社内に運用担当がいて助言がほしいならコンサル型、実務を担う人手が足りないなら代行型、と自社に不足しているものに合わせて選びます。会社によっては、両者を段階的に組み合わせて内製化まで伴走するプランもあります。
Q. 中国向け越境ECの関税や税制で注意すべき点は何ですか?
A. 中国向け越境ECには独自の優遇税制があり、1回あたり5,000元・年間26,000元以下の購入なら関税率を0%とする措置がある一方、対象は「ポジティブリスト(越境EC小売輸入商品リスト)」に掲載された品目に限られるなど、条件が細かく定められています。制度は変更されることもあるため、中国市場に精通した支援会社に最新のルールを確認しながら進めるのが安全です。
Q. 中国の消費者はどんな決済手段を使いますか?
A. 中国では、「支付宝」(Alipay)や「微信支付」(WeChat Pay)といったスマートフォン決済が主流で、クレジットカードの利用は一般的ではありません。日本と同じ決済手段だけを用意しても購入につながらないため、狙う市場で使われている現地決済への対応が欠かせません。決済手段そのものをより詳しく知りたい場合は、越境ECの決済を解説した記事もあわせて参考にしてください。
Q. 米国向け越境ECで気をつけるべき最近の制度変更はありますか?
A. 米国向けでは、少額輸入品を免税としてきた「デミニミス」制度が2025年8月末に廃止され、少額貨物でも通関書類やHTSコード・原産国表示が必要になり、関税負担も増えました。通関手続きが複雑化しているため、最新の制度に対応できる支援会社かどうかを確認することが重要です。
Q. 中小企業でも越境EC代行を利用できますか?
A. 中小企業でも利用でき、むしろ海外向けの専任担当を置けない・社内に越境ECの経験がない企業ほど、代行を使う効果が大きくなります。固定費0円で売れた分だけ支払う成果報酬型など、小規模から低リスクで始められるサービスもあるため、リソースが限られていても着手しやすくなっています。
Q. 越境EC代行を使わず自社だけで運営することはできますか?
A. 自社だけでの運営も可能ですが、多言語・多通貨・関税・現地決済・国際物流という5つの壁を、すべて自社で対応する負担が大きい点に注意が必要です。とくに関税・通関のルールは国ごとに異なり変更も頻繁なため、社内にノウハウがない段階では、実務を代行に任せて立ち上がりを速める効果が大きくなります。
越境EC代行の料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、越境EC支援・代行サービスの最新資料をワンクリックで一括入手できます。対応地域・支援範囲・料金を横並びで比較し、自社の海外販売計画に合う一社を効率よく見つけてください。
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松嶋真倫
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