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環境復元ソフトおすすめ比較10選|共有PC・学校向けに料金・集中管理で選ぶ

環境復元ソフト おすすめ比較10選のサムネイル画像

学校のPC教室や図書館、店舗の受付、研修施設など、不特定多数が同じPCを使う環境では、利用者ごとの設定変更やダウンロードしたファイル、ウイルス感染によって環境が少しずつ荒れていきます。管理者が1台ずつ初期化して再セットアップする作業は負担が大きく、端末にデータが残ることによる情報漏えいのリスクも見過ごせません。

こうした課題を解決するのが、再起動するだけでPCをあらかじめ決めた状態へ自動的に戻す環境復元ソフトです。ただし製品によって、復元の方式や対応OS、複数台をまとめて管理できるか、料金体系は買い切りか年額かといった条件は大きく異なります。自組織に合う製品を選ぶには、どの観点で見比べればよいのでしょうか。

本記事では、主要な10製品を横断的に比較します。再起動リセット型やハードウェア型といった方式の違い、集中管理への対応、料金の実額まで、共有PCや教育現場の管理者が自組織に合う製品を判断できる観点で整理しました。

また、自組織の利用環境に合わせて最適な製品を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

環境復元ソフトとは?再起動で初期状態に戻す仕組み

環境復元ソフトは、PCの再起動やシャットダウンを合図に、利用中の操作やデータの書き換えを、あらかじめ設定した「使用前の状態」へ自動的に戻すソフトウェアです。利用者がファイルを保存したり設定を変更したりしても、再起動すれば元通りになるため、不特定多数が使う共有PCの管理に用いられます。

仕組みの中心にあるのは「保護中の書き込みを本来の場所へ反映させない」という考え方です。多くの製品では、保護中にドライブへ書き込まれるデータを、通常のディスクではなく別ドライブや物理メモリー上の一時領域へ退避させ、再起動時にその一時領域ごと破棄します。これにより、誤操作やウイルス感染で環境が変わっても、電源を入れ直すだけで元の状態に復旧できます。

再起動リセット型の環境復元ソフトが環境を元に戻す4ステップの流れ。STEP1 使用前の状態でPCを起動、STEP2 保護中の変更や保存を本来のディスクでなく別ドライブや物理メモリー上の一時領域へ退避、STEP3 再起動・シャットダウンを合図に一時領域ごと破棄、STEP4 変更は反映されず使用前の状態へ復旧しデータは端末に残らない。

この仕組みは、管理者の運用負荷を二重に軽くします。1台ずつ手作業で初期化・再セットアップする手間がなくなり、さらに端末に不要なデータを残さないため、盗難や紛失時の情報漏えいリスクも抑えられます。共有PCの「荒れ」と「情報漏えい」という2つの悩みに同時に効く点が、環境復元ソフトの価値です。

環境復元ソフトの主な機能

環境復元ソフトは製品によって得意領域が異なりますが、一般的に以下の機能を備えています。

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詳細
環境復元(再起動リセット)再起動・シャットダウンを合図に、PCを保存済みの状態(復元ポイント/ベースライン)へ自動的に戻します。利用者の変更やダウンロードしたデータは端末に残りません。
保護範囲の指定ドライブ(パーティション)単位、またはファイル・フォルダー単位で保護対象を指定します。製品によって同時に保護できるパーティション数などの上限が異なります。
除外設定(保存領域の確保)復元したい領域と、変更を残したい領域を分けて運用できます。指定したフォルダーやドライブを保護対象から除外することで、必要なデータは保持されます。
集中管理・複数台運用管理コンソールやサーバーから複数台のPCを一括管理します。電源の遠隔操作、設定の一斉配布、稼働状況の監視などに対応する製品もあります。
更新運用との両立保護を解除せずにWindows Updateやウイルス対策ソフトの定義ファイル更新を反映する仕組みを備える製品があります。復元運用と最新状態の維持を両立できます。
データレス化端末にデータを残さない運用(データレス端末化)を、専用ハードウェアなしにソフトのインストールだけで実現します。共有PCや盗難リスクのある端末の情報漏えい対策として機能します。

環境復元ソフトの方式・種類

ここからは、環境復元を実現する方式の違いと、情報漏えい対策としての位置づけを解説します。方式によって導入のしやすさや対応範囲が変わるため、製品選びの土台として押さえておきましょう。

再起動リセット型(ソフトウェア方式)

現在の主流は、既存のPCにソフトをインストールするだけで導入できる再起動リセット型です。保護中の書き込みを一時領域へ退避し、再起動でその領域を破棄することで環境を元に戻します。専用のハードウェアを必要とせず、既存の端末をそのまま使えるため、導入のハードルが低いのが特徴です。

本記事で比較する製品の多くは、この再起動リセット型に分類されます。復元にかかる時間は通常の起動と同程度で済む製品が多く、保護対象の指定や除外設定によって、残したいデータと消したいデータを使い分けられる柔軟性もあります。

ハードウェア型(拡張ボードなど)

かつては、PCに拡張ボードを増設して復元を行うハードウェア型の製品も使われていました。OSの外側で動作するため保護の堅牢性が高い一方、機器の増設や対応機種の制約があり、導入や運用の手間がかかります。

近年は、機器を増設せずにソフトのインストールだけで導入できる完全ソフトウェア方式が主流となり、現行の主要製品はほとんどが再起動リセット型です。過去のハードウェア型製品には販売を終えたものも多く、これから新規に導入するなら、まずはソフトウェア方式を軸に検討するとよいでしょう。

この結果、現行製品は方式ではほとんど差がつきません。方式は「現行はほぼソフトウェア方式の一択」という前提と捉え、実際の絞り込みは次に解説する利用シーン・集中管理・料金で行うのが実践的です。なお、教育現場で長く使われた定番のなかには近年新規販売を終了し後継製品へ移行したものもあるため、新規導入は現行製品から選びます。

データレス化と情報漏えい対策としての環境復元

環境復元ソフトは、再起動のたびに端末内のデータを消去するため、結果として「端末にデータを残さない」データレス端末化の手段になります。共有PCや、社外へ持ち出す端末の情報漏えい対策として位置づけられる点は、単なる管理効率化を超えた価値です。

似た目的の仕組みに、データを端末に置かずクラウドへ退避させるデータレスクライアント(クラウド退避型)があります。「端末にデータを残さない」結果は共通しますが、環境復元ソフトが「再起動で戻す」方式なのに対し、データレスクライアントは「そもそも端末に保存しない」方式である点が異なります。自組織の運用に合う方式を選びましょう。

データレスクライアントの方式ごとの違いや、VDI・シンクライアントとの比較、製品ごとの選び方は、次の記事で詳しく整理しています。端末にデータを残さない方式として、環境復元とどちらが自組織に合うかを見極めたいときの参考にしてください。

環境復元ソフトの選び方(利用シーン・集中管理・対応OSで選ぶ)

ここからは、自組織の条件に合わせて製品を絞り込むための判断軸を解説します。次の3つの観点を押さえると、候補を現実的な数まで絞りやすくなります。

自組織の利用シーンに向いているか

環境復元ソフトは、想定している利用シーンによって強みが分かれます。学校のPC教室や大学の演習室では、多数の端末を授業単位で一斉に管理できることが重視されます。店舗の受付端末や図書館・公共施設の共有PCでは、利用者が触れる範囲を限定しつつ手軽に運用できることが求められます。オフィスの共有PCでは、データレス化による情報漏えい対策や、監査に耐える運用のしやすさが判断材料になります。

環境復元ソフトを利用シーンで分けた3つのタイプ。TYPE1 学校・教育現場はPC教室や演習室で多数の端末を授業単位で一斉に管理・復元することを重視。TYPE2 店舗・共有PCは受付や図書館・公共施設で利用者が触れる範囲を限定しつつ手軽に運用できることを求める。TYPE3 オフィスは社内の共有PCでデータレス化による情報漏えい対策や監査に耐える運用のしやすさが判断材料になる。

自組織がどのシーンに当てはまるかを最初に決めると、教育現場に実績のある製品なのか、オフィスの情報漏えい対策を主眼にした製品なのかといった軸で候補を分けられます。後述の比較表と診断ツールは、この利用シーンの軸で製品を整理しています。

集中管理・複数台運用に対応しているか

管理する端末が数台にとどまるのか、数十台から数百台に及ぶのかで、必要な機能は変わります。多数の端末を管理するなら、管理コンソールやサーバーから設定を一斉に配布し、電源の遠隔操作や稼働状況の監視までできる集中管理機能があるかを確認します。台数が増えるほど、1台ずつ現地で操作する運用は現実的でなくなるためです。

集中管理機能は、上位エディションでのみ提供される製品や、別途サーバーの用意が必要な製品もあります。導入時の構成と費用に直結するため、単体で使うのか集中管理まで求めるのかを先に決めたうえで、対応状況とサーバーの要否を製品ごとに確認しましょう。

対応OSが自組織の端末環境に合うか

環境復元ソフトの多くはWindows専用で、対応するWindowsのバージョンも製品や版によって異なります。最新のWindows 11で使う場合は、対応した版が提供されているかを公式情報で確認する必要があります。Mac環境や、UEFIなど特定の起動方式に制約がある製品もあるため、手元の端末構成で問題なく動くかを事前に見極めましょう。

なお、保護を解除せずにWindows Updateやウイルス対策ソフトの定義ファイル更新を反映できるかは、日々の運用を左右する重要な点です。この更新運用との両立については、記事後半の「環境復元ソフト導入・運用の注意点」で詳しく解説します。

環境復元ソフトの料金・ライセンス体系(実額比較)

ここからは、環境復元ソフトの料金とライセンス体系を解説します。公開されている製品については実額を示し、非公開の製品は「要お問い合わせ」と明記して整理します。

料金体系は大きく分けて、初期に購入して長く使う買い切り型と、月額・年額で支払うサブスクリプション型があります。買い切り型は、ライセンス料に加えて年間の保守契約を伴うのが一般的で、教育機関向けにアカデミック価格を設ける製品もあります。台数が多い場合は、1台あたりの単価がまとめて安くなるボリューム割引が用意されていることも多く、導入規模によって実質的な負担は変わります。

公開価格のある製品とない製品を、料金体系・実額・最小購入の目安で一覧にまとめました。10製品のうち6製品は実額を公開しており、残り4製品はオープン価格や代理店見積りで「要お問い合わせ」となります。単位(1本・セット・最小ロット・米ドル建て)が製品ごとに異なるため、最小購入の目安もあわせてご確認ください。

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サービス名HD革命/WinProtectorリカバリー王ZSysReturnV-RecoverWinKeeperReboot Restore RxHDD KEEPERdynaSchool Recovery瞬間復元Deep Freeze
料金体系買い切り+保守/クラウド買い切り+保守買い切り買い切り+年間保守買い切り買い切り(米ドル建て)買い切り(オープンプライス)オープン価格非公開代理店見積り
公開実額Standard 14,400円/本〜標準パッケージ 60,500円(税込)〜単体 14,100円(税込)〜アカデミック 4,300円/スタンダード 6,800円〜スタンドアロン版 12,980円/ライセンス〜Standard 48.85米ドル/ライセンス〜要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
最小購入の目安1本〜1マネージャ+5クライアント〜単体1〜最小10ライセンス〜1ライセンス〜1ライセンス〜
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年7月時点で各社公式サイト・リサーチ時に確認できた価格です。最新の価格・税区分・保守費の要否は各社の公式情報でご確認ください。

なお、無料で使える製品を探している場合は注意が必要です。かつて広く使われた無償版「Reboot Restore Rx Freeware」は新規提供を終了し、現行の主要製品はほぼ有償です。まず試すなら、無料体験版や30日間の無料トライアルを用意する製品もあるため、試用版で自組織の端末に合うかを評価するとよいでしょう。

環境復元ソフト診断|利用シーンと予算からおすすめを見つける

ここまでの選び方を踏まえ、いくつかの質問に答えるだけで自組織に向いた製品のタイプがわかる診断ツールをご用意しました。利用シーン・集中管理の要否・予算の観点から、候補を絞り込む出発点としてご活用ください。

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【比較表】環境復元ソフトを方式・集中管理・料金で比較

ここからは、主要10製品を利用シーン別の3タイプに分けて、方式・対応OS・集中管理・料金の観点で横断比較します。気になる製品名をクリックすると、記事内の個別紹介へ移動できます。実際の機能や最新の料金は、各社の公式情報もあわせてご確認ください。

オフィス・共有PCの情報漏えい対策に強いタイプ

データレス化による情報漏えい対策に強い製品(HD革命/WinProtector・リカバリー王Z)に加え、店舗・図書館など共有PC全般で使える汎用製品(HDD KEEPER・SysReturn)も含むタイプです。

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サービス名HD革命/WinProtectorリカバリー王ZHDD KEEPERSysReturn(シスリターン)
提供会社イーディーコントライブ株式会社ゼッタリンクス株式会社エバ電子株式会社グリーンフラッシュジャパン株式会社
提供方式再起動リセット型
(ソフトウェア方式)
再起動リセット型
(ソフトウェア方式)
再起動リセット型
(完全ソフトウェア方式)
再起動リセット型
(ソフトウェア方式)
対応OSWindows 11/10Windows 11(22H2対応版)/10Windows 11(25H2)/10Windows 11/10/8/7
集中管理Plus版:管理コンソール/クラウドで集中管理マネージャで複数PCを一元管理type-S版:ネットワーク管理ソフトで一括管理ネットワーク版:LAN/WAN管理コンソール(推奨最大1,000台)
料金買い切り:Standard 14,400円/本〜
Plusオンプレ 23,860円/本〜
Plusクラウド 90,000円/月〜
買い切り:標準パッケージ 60,500円〜
(税込・初年度保守込/1マネージャ+5クライアント)
要お問い合わせ
(買い切り・永続ライセンス/オープンプライス)
単体 14,100円(税込)〜
ネットワーク版は台数見積り(買い切り)
主な想定用途オフィス・共有PC・テレワーク端末のデータレス化(情報漏えい対策)学校・企業・ネットカフェの共有PCのデータレス化企業・教育・官公庁・病院の共有PC、POS/KIOSK端末ネットカフェ・学校・図書館・検証用PCの共有・復元
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト

教育・学校現場に強いタイプ

PC教室や演習室の多数の端末を、授業単位で一斉に管理・復元する運用に強いタイプです。

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サービス名環境復元システム V-RecoverWinKeeper(ウィンキーパー)dynaSchool Recovery瞬間復元
提供会社株式会社アルファシステムズチエル株式会社Dynabook株式会社ウィンバード株式会社
提供方式再起動リセット型
(ソフトウェア方式)
再起動リセット型
(ソフトウェア方式)
再起動リセット型
(ソフトウェア方式)
再起動リセット型
(ソフトウェア方式)
対応OSWindows 11/10(64bit)Windows 11/10 Pro(22H2以上・64bit)Windows 10/8.1以降
(UEFI対応)
Windows 11/10/8.1
(UEFI対応)
集中管理ネットワーク版:管理コンソールで一括管理ネットワーク版:管理サーバで一括管理サーバー不要でリモート制御保守支援HS版:一斉操作・電源管理・リモート操作
料金買い切り:アカデミック 4,300円/スタンダード 6,800円〜
(ライセンス単価・最小10〜・別途年間保守)
買い切り:スタンドアロン版 12,980円/ライセンス〜
ネットワーク版 15ライセンス 243,540円〜(税込)
要お問い合わせ
(オープン価格)
要お問い合わせ
主な想定用途学校のPC教室・GIGAスクールの共用PC、ホテルのレンタルPC小学校〜大学・図書館のPC教室(授業運用向け制御)学校の児童生徒用PC・タブレット(標準環境の維持)小学校〜大学・専門学校のPC教室
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

グローバル標準・大規模展開に強いタイプ

世界的に使われる定番製品で、公開された価格体系と段階的なエディションにより、小規模から大規模まで対応しやすいタイプです。

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サービス名Deep FreezeReboot Restore Rx
提供会社Faronics Corporation
(日本国内は代理店経由)
Horizon DataSys Corporation
提供方式再起動リセット型
(Reboot-to-Restore方式)
再起動リセット型
(reboot-to-restore方式)
対応OSWindows/Mac
(サーバーOS対応)
Windowsのみ
(Mac/Linux非対応)
集中管理Enterprise版:管理コンソール/クラウド管理Enterprise版:EndPoint Managerで一括管理
料金要お問い合わせ
(代理店見積り・30日間無料トライアルあり)
買い切り:Standard 48.85米ドル/ライセンス〜
Enterprise 52.00米ドル/ライセンス〜(10〜24)
※旧無料版は提供終了
主な想定用途教室・ラボ・店舗・医療施設等(小規模〜大規模の集中管理)学校PCラボ・図書館・キオスク端末(1〜9台〜数千台)
詳細情報公式サイト公式サイト

環境復元ソフトのおすすめ10製品を個別に紹介

ここからは、比較表と同じ3タイプの順に、各製品の特徴を個別に紹介します。方式・集中管理・想定する利用シーンの違いに注目して、自組織に合う候補を見極めてください。

オフィス・共有PCの情報漏えい対策に強いタイプ

データレス化と柔軟な導入形態で情報漏えい対策に強い製品に加え、店舗・図書館・オフィスなど共有PC全般で使える汎用製品を含むタイプです。

1. HD革命/WinProtector(イーディーコントライブ株式会社)

HD革命/WinProtectorのサービスサイト

既存のPCにインストールするだけで、再起動・シャットダウン時に使用前の状態へ戻す再起動リセット型の環境復元ソフトです。販売をイーディーコントライブ株式会社、開発を株式会社アーク情報システムが担います。

保護中にドライブへ書き込まれるデータを、別ドライブや物理メモリー上の一時領域へ退避し、再起動時にその領域ごと破棄する仕組みです。一時ファイルはAES256による暗号化を選択でき、保護対象はドライブ単位(セクター方式)か個別のファイル・フォルダ単位(ファイル方式)で指定できます。

料金体系は用途で分かれ、単体利用のVer.11 Standardは1本あたり14,400円(保守込・1〜9本)からの買い切り、集中管理対応のPlusオンプレミス版も買い切り、社外端末をクラウドで集中管理するPlusクラウド版はサブスクリプションです。買い切りとクラウド集中管理の双方から導入形態を選べます。

2. リカバリー王Z(ゼッタリンクス株式会社)

リカバリー王Zのサービスサイト

2003年の初版発売から提供が続く国産の環境復元ソフトで、2023年1月時点の累計導入実績は40万ライセンス以上とされています。提供元はゼッタリンクス株式会社です。既存PCにソフトを入れるだけで、シャットダウン・再起動のたびに端末内の変更データを自動でクリアします。

出典・参考資料(1件)

変更部分だけを戻す差分復元方式を採用し、通常の起動と同程度の1〜2分で環境を戻せます。保護対象は同一ハードディスク上で最大8つのパーティション単位、またはファイル・フォルダ単位で指定でき、除外設定で保存し続けたい領域を分けられます。なお、マルチブート環境では利用できません。

標準パッケージは1マネージャ+5クライアント構成で60,500円(税込・初年度保守込み)からの買い切り型です。ウイルス対策ソフトの定義ファイル自動更新に対応しており、復元運用を続けながら定義ファイルを最新の状態に保てます。

3. HDD KEEPER(エバ電子株式会社)

HDD KEEPERのサービスサイト

専用の拡張ボードや専用サーバを必要としない完全ソフトウェア方式を採用した環境復元ソフトです。開発・販売はエバ電子株式会社が手がけています。通常起動時は保護モードで立ち上がり、ファイルの追加・削除や設定変更を行っても、再起動するだけで設定時点の状態へ戻ります。

製品は復元対象がC:ドライブのみのLightと、複数パーティションの保護に加え特定フォルダを復元対象から除外できる非保護フォルダ機能を備えるBusiness Editionに分かれます。コマンドライン制御とネットワーク管理ソフトを搭載したtype-S系は、複数端末の一括管理を想定した構成です。

最新版(ver 9.0.51以降)はWindows 11 25H2での動作を確認済みですが、RAID構成や暗号化ソフトとの併用には対応しません。永続ライセンスの買い切り型で初年度は年間保守込み、価格はオープンプライスのため要問い合わせです。デモ版はなく、最大1ヶ月の製品版貸し出しに対応する場合があります。

4. SysReturn(グリーンフラッシュジャパン株式会社)

SysReturn(シスリターン)のサービスサイト

インターネットカフェや学校、図書館など、不特定多数が利用する共有PCや検証用PC向けの瞬間復元ソフトです。原開発元は海外のHowyar Technologiesで、日本国内の販売・サポートはグリーンフラッシュジャパン株式会社が担います。再起動するだけで、指定したリカバリーポイントの状態にPCを戻せます。

基準ポイントに差分を加えた複数の環境を1台に保持できるマルチポイント方式に対応します。ネットワーク版のWAN管理コンソールを使うと、インターネット経由で複数拠点のクライアントPCを遠隔から一括復元・監視でき、推奨構成では最大1,000クライアント規模まで対応します。

公式注文ページでは単体のSysReturn Pro Ver10.2が14,100円(税込・送料無料)で販売され、ネットワーク版は台数に応じた見積もり制です。30日間の体験版も用意されています。旧製品「リカバリー・フラッシュ」は2022年に販売を終了し、Windows 11環境では本製品が移行先として案内されています。

教育・学校現場に強いタイプ

PC教室の一斉管理や授業運用に実績があり、教育機関での導入を重視する組織に向くタイプです。

5. 環境復元システム V-Recover(株式会社アルファシステムズ)

環境復元システム V-Recover の公式サイト

PCの再起動・シャットダウンを契機に、利用者が加えた設定変更や保存ファイル、利用履歴を使用前の状態へ自動的に戻す環境復元システムです。開発・提供は、東京証券取引所プライム市場に上場する株式会社アルファシステムズです。学校のPC教室やホテルのレンタルPCなど、不特定多数が共用する端末を主な対象としています。

管理者が維持対象として指定した情報は復元されないため、Windows Updateやウイルス定義ファイルの更新を反映したまま運用できます。2021年に追加されたネットワーク版では、複数のPCを管理コンソールから遠隔で一括管理でき、電源制御やファイル配布、Windows Updateの適用状況の管理、操作ログのCSV出力に対応します。

対応OSはWindows 10・11の64bit版で、BitLockerで暗号化した端末でも利用できます。料金はライセンス単価制で、教育機関向けのアカデミック版は1ライセンス4,300円、標準のスタンダード版は6,800円から、いずれも最小10ライセンスより導入できます(別途、年間保守費が必要)。30日間の無料試用版も用意されています。

6. WinKeeper(ウィンキーパー)(チエル株式会社)

WinKeeper(ウィンキーパー)の公式サイト

学校教育向けのICT製品を専業とするチエル株式会社が、1999年から開発・提供するシステムリカバリソフトです。小学校から大学、図書館まで、児童・生徒・学生が共用するPCを対象とし、再起動するだけで設定変更やファイルの追加・削除、意図しないソフトのインストールを元の状態へ戻します。

PC教室での運用を想定した制御項目を備えるのが特徴で、授業中のWindows Updateの自動実行を抑える機能や、SSID単位のWi-Fi接続制限、USBメモリなど外部記憶メディアの利用制限、プログラムの起動許可・禁止リストを設定できます。フォルダ・ファイル単位での保護範囲の指定にも対応します。

ネットワーク版では、管理サーバーを介して教室内の複数クライアントの設定・電源・ファイル配布を一元管理できます。料金は月額課金ではなく買い切りのライセンス体系で、スタンドアロン版は1ライセンス12,980円(税込)から公式サイトに明示されており、ネットワーク版は15ライセンス243,540円(税込)などの価格が示されています。

7. dynaSchool Recovery(Dynabook株式会社)

dynaSchool Recovery の公式サイト

Dynabook株式会社が教育ICT向けに展開する「dynaSchool」ブランドのうち、環境復元を担う製品です。児童・生徒が学校のパソコンやタブレットで変更したデスクトップやユーザーフォルダの内容を、端末を再起動するだけで学校が設定した標準環境へ戻します。

復元の対象範囲を限定する設計のため、ソフトを解除せずにウイルス対策ソフトの定義更新やWindows Updateを適用でき、利用するウイルス対策ソフトも自由に選べます。サーバーを構築せずに、リモート操作で児童生徒機を制御できる点も特徴です。

対応OSはWindows 8.1以降およびWindows 10で、UEFI搭載パソコンに対応します。料金は公式サイトで公開されておらず、導入時の費用やライセンス形態は個別の問い合わせが必要です。導入実績の具体的な数値も公表されていません。

8. 瞬間復元(ウィンバード株式会社)

瞬間復元の公式サイト

小中高から大学・専門学校まで、PC教室の共有パソコンを主な対象とする環境復元ソフトです。提供はウィンバード株式会社。Windowsパソコンを再起動、またはサインアウト・サインインするだけで、あらかじめ設定した初期状態へ環境を戻します。

製品は用途に応じて2種類に分かれます。「瞬間復元Op」はサーバー機器を必要とせず個人データの復元に対応し、「保守支援HS」はこれに加えてモニタリングや電源管理、一斉操作などの集中管理機能を備えます。管理する台数や運用体制に合わせて選べます。

復元後もWindows Updateの適用状態やウイルス対策ソフトのパターンファイルを最新のまま保持できるため、セキュリティ更新をやり直す必要がありません。UEFIファームウェアにも対応します。料金は公式サイトで公開されておらず、導入には個別の問い合わせが必要です。

グローバル標準・大規模展開に強いタイプ

世界的な導入実績と公開された価格体系で、小規模から大規模まで段階的に選べる製品です。

9. Deep Freeze(Faronics Corporation)

Deep Freeze(Faronics)の公式サイト

Deep Freeze(ディープフリーズ)は、カナダのFaronics Corporation(1996年設立)が展開する環境復元ソフトです。管理者が設定した基準状態を保持し、再起動のたびに端末をその状態へ戻す「Reboot-to-Restore」技術を中核としており、公式サイトでは顧客数約30,000社・対応国150か国以上と示されています。

出典・参考資料(1件)

製品は、5台以下向けのStandard、集中管理コンソールを備えるEnterprise、サーバー向けのServer、クラウド管理のCloudといったエディションに分かれ、利用規模や管理方式に応じて選べます。Windows・Macの両方に対応する点は、Windows専用の製品との違いになります。

Enterprise版は、Enterprise Consoleからネットワーク経由で複数端末を一元管理でき、Active Directory連携やWake-on-LAN、スケジュール実行、メンテナンス期間へのWindows Update適用に対応します。料金は公式に価格表がなく要お問い合わせで、日本国内は代理店経由の見積もりとなります。各エディションに30日間の無料トライアルがあります。

10. Reboot Restore Rx(Horizon DataSys Corporation)

Reboot Restore Rxの公式サイト

Reboot Restore Rxは、カナダのHorizon DataSys Corporationが提供するreboot-to-restore方式の環境復元ソフトです。かつては無償版「Reboot Restore RX Freeware」として共有PC環境で広く使われてきました。現在は無料版の新規提供を終了し、有償のStandard版とEnterprise版に再編されています。

Standard版は1〜9台向けのスタンドアロン型で、サーバーやインターネット接続を必要とせずPC単体で完結します。Enterprise版は数十〜数千台規模を対象に、集中管理コンソール「EndPoint Manager」から一括ポリシー配信やリモートでの再起動・ベースラインリセットを行えます。対応OSはWindowsのみで、MacとLinuxには対応していません。

料金は公式サイトで公開されており、Standard版が1ライセンス48.85米ドル(1年間の無償アップデート込み)、Enterprise版は10〜24ライセンスで1ライセンス52.00米ドル(保守費30%込み)です。25ライセンス以上はボリューム割引が適用され、要お問い合わせとなります。いずれも米ドル建てで、日本円換算や国内代理店の価格は公式に記載がありません。

環境復元ソフト導入・運用の注意点

環境復元ソフトは便利な一方で、仕組みを正しく理解しないと「思ったのと違った」というつまずきが起きやすいツールです。導入前に押さえておきたい注意点を整理します。

保存したいデータまで消えないよう除外設定を行う

環境復元ソフトは、保護対象の領域に加えた変更を再起動時にすべて破棄します。そのため設定を誤ると、意図的に保存したかったデータまで消えてしまいます。継続して残したいファイルがある場合は、保護対象から除外する領域を指定するか、外部の保存先へ退避する運用をあらかじめ決めておく必要があります。

製品によっては、保護をパーティション単位で行うか、ファイル・フォルダー単位で行うかを選べます。運用を始める前に、どの領域を復元し、どの領域を保存し続けるのかを切り分けておくと、データの消失トラブルを防げます。

Windows Updateやウイルス定義の更新と両立させる

復元運用をそのまま続けると、Windows Updateやウイルス対策ソフトの定義ファイル更新も再起動で元に戻ってしまい、端末が古い状態のまま固定されるおそれがあります。これを避けるため、多くの製品は、保護を一時的に解除して更新を適用するメンテナンス用の仕組みや、保護中でも定義ファイルの更新だけは反映する機能を備えています。

更新の反映方法は製品ごとに異なるため、自組織の更新運用(適用のタイミングや頻度)に無理なく組み込めるかを、導入前に確認しておきましょう。この点は、日々の管理負荷とセキュリティ水準の両方に直結します。

対応環境の制約を事前に検証する

製品によっては、複数のOSを切り替えて使うマルチブート環境では利用できない、特定の起動方式や暗号化との併用に制約がある、といった条件があります。導入後に「自組織の端末では動かなかった」と判明すると手戻りが大きいため、本番展開の前に一部の端末で試用し、対応環境と制約を実機で検証することをおすすめします。無料の試用版や評価版が用意されている製品もあります。

まとめ

環境復元ソフトは、再起動するだけで共有PCを初期状態へ戻し、管理者の再セットアップ負担と端末へのデータ残留による情報漏えいリスクを同時に軽減するツールです。現行の主要製品の多くは、既存PCにインストールするだけで導入できる再起動リセット型に分類されます。

製品を選ぶ際は、自組織の利用シーン(学校・教育/共有PC・店舗/オフィスの情報漏えい対策)を起点に、集中管理への対応、対応OS、そして買い切りか年額かといった料金体系を見比べることが近道です。教育現場での一斉管理に強い製品、オフィスの情報漏えい対策を主眼にした製品、世界標準として大規模展開に対応する製品と、強みは分かれています。

本記事の比較表と診断ツールを使えば、自組織の条件に合う候補を効率よく絞り込めます。気になる製品が見つかったら、まずは資料を取り寄せて、機能や料金、対応環境の詳細を確認してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 環境復元ソフトとは何ですか?

A. 環境復元ソフトとは、PCの再起動やシャットダウンを合図に、利用中の操作やデータの変更を「使用前の状態」へ自動的に戻すソフトウェアです。利用者がファイルを保存したり設定を変えたりしても、再起動すれば元通りになります。不特定多数が使う共有PCの管理負担を減らすとともに、端末にデータを残さないことで盗難・紛失時の情報漏えい対策にもなる点が特徴です。

Q. 環境復元ソフトは無料で使えますか?

A. 無料で使える選択肢は近年かなり限られており、共有PCを恒常的に運用するなら有償製品を含めて比較検討することをおすすめします。かつて広く使われた海外製の無償版も新規提供を終了し、有償エディションへ再編されています。無料版はサポートや集中管理が付かないことが多く、台数が増えるほど運用負荷が見合わなくなりやすい点に注意しましょう。

Q. 環境復元ソフトはWindows 11に対応していますか?

A. Windows 11対応は製品や版によって異なるため、導入前に対応バージョンを公式情報で必ず確認する必要があります。現行の主要製品はWindows 11対応版を用意するものが多い一方、対応ビルドが限られたり、RAID構成・暗号化ソフト・マルチブートとの併用に制約があったりします。また多くはWindows専用で、Mac対応は一部の製品に限られます。

Q. 環境復元ソフトを使うと保存したいデータまで消えてしまいますか?

A. 環境復元ソフトは保護対象の変更を再起動時にすべて破棄するため、設定を誤ると保存したいデータまで消えますが、除外設定や保護範囲の指定で残したい領域を分けておけば防げます。継続して残したいファイルは、その領域を保護対象から除外するか外部の保存先へ退避する運用を決めておきましょう。運用開始前に「復元する領域」と「保存し続ける領域」を切り分けておくことが、データ消失を防ぐ鍵です。

Q. 環境復元ソフトとバックアップソフトは何が違いますか?

A. 環境復元は「変更を残さず初期状態に戻す」仕組み、バックアップは「作成したデータを保全して後から復旧できるようにする」仕組みで、目的が逆です。共有PCを毎回きれいに戻したいなら環境復元、作成データを守って後から取り出したいならバックアップが適します。両者は排他ではなく、残したいデータはバックアップで保全しつつ、それ以外を環境復元で初期化する組み合わせも可能です。

Q. 環境復元ソフトに集中管理機能は必要ですか?

A. 集中管理機能が必要かは管理台数で決まり、数十台以上を運用するなら管理コンソールやサーバーから一斉制御できる集中管理機能がほぼ必須です。数台程度ならスタンドアロン運用でも回りますが、台数が増えると1台ずつの操作は現実的でなくなります。集中管理は上位エディションのみ提供の製品や別途サーバーが必要な製品もあり、導入構成と費用に直結します。

Q. 学校とオフィスで選ぶべき環境復元ソフトは違いますか?

A. 環境復元ソフトは利用シーンで強みが分かれるため、学校とオフィスでは選ぶべき製品が変わります。学校のPC教室や大学の演習室では、多数の端末を授業単位で一斉に管理・復元でき教育現場での導入実績が豊富な製品が向きます。オフィスの共有PCでは、データレス化による情報漏えい対策や監査に耐える運用のしやすさが判断材料になります。

Q. 環境復元ソフトを使いながらWindows Updateやウイルス対策は最新にできますか?

A. 環境復元ソフトを使いながらでも、多くの製品はWindows Updateやウイルス定義ファイルの更新を反映する仕組みを備えており、更新運用と復元運用を両立できます。保護を一時的に解除して更新を適用するメンテナンス機能や、保護中でも定義ファイルの更新だけは反映する機能などがあります。反映方法は製品ごとに異なるため、自組織の更新頻度に無理なく組み込めるかを導入前に確認しましょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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