店頭でクレジットカード決済を導入したいものの、店舗(加盟店)が負担する手数料でどれだけ利益が削られるのか、不安に感じていませんか。
店舗が負担するクレジットカード決済の手数料は、業種や事業規模、契約する決済サービスによって1〜6%程度と幅がありますが、多くの店舗ではおおむね3%台が目安です。まずは自店の業種でどのくらいかを把握し、そのうえで主要なサービスの料率を見比べることが、負担を抑える近道になります。
本記事では、業種・規模別の手数料の相場、主要な決済サービスの料率・端末代・入金サイクルの比較、手数料を抑える具体的な方法を整理します。
自店に合うクレジットカード決済端末を選ぶ判断材料として、料率だけでなく総コストや入金サイクルまで含めて確認していきましょう。
目次
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店舗が負担するクレジットカード手数料はいくら?(誰が何%払うのか)
はじめに、クレジットカード決済で「誰が」「いくら」手数料を払うのかを整理します。
クレジットカード決済の手数料には、店舗(加盟店)が負担する加盟店手数料と、カード会員(消費者)が負担する年会費や分割払いの手数料の2種類があります。買い物のたびに手数料を支払うのは店舗側で、消費者が店頭で手数料を上乗せされることは原則ありません。この記事で扱う「店舗負担」は、前者の加盟店手数料を指します。
加盟店手数料は、店舗がカード決済で受け取る売上に対して一定の料率でかかります。その水準は、おおむね3%台が目安です。経済産業省の資料でも、加盟店手数料は3.00%を中央値とするアンケート結果が示されています。ただし実際の料率は業種・事業規模や契約するサービスによって幅があり、2%を下回るケースもあれば、6%近くになるケースもあります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:キャッシュレス・ビジョン(平成30年4月)|経済産業省(リンク)
業種・規模別のクレジットカード手数料の相場
ここからは、「自分の業種・規模ではどのくらいか」をつかめるように、加盟店手数料の目安と、料率に差が出る理由を見ていきます。
業種・規模別の料率の目安
加盟店手数料は、取扱高の大きい大手チェーンほど低く、個人経営の小規模店舗ほど高くなる傾向があります。業種・規模別のおおよその目安は次のとおりです。実際の料率は契約するサービスや審査結果で決まるため、あくまで一般的な水準として捉えてください。
| 業種・規模 | 加盟店手数料の目安 | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 大型チェーン・コンビニ | 1〜2%程度 | 取扱高が大きく、料率交渉が進みやすい |
| 百貨店・デパート | 2〜3%程度 | 取扱高・客単価ともに大きい |
| 小売店・専門店(個人経営) | 3〜5%程度 | 取扱高が小さいと高めになりやすい |
| 飲食店 | 3〜6%程度 | 店舗規模や業態で幅が大きい |
| 美容・エステなどサービス業 | 3.5〜6%程度 | 前払い・返金の発生しやすさで高めになりやすい |
| 医療機関 | 2〜3%程度 | 保険診療は客単価が高く低めの傾向(自由診療は高くなる場合あり) |
本表は、各決済サービスが公開する料率や一般に示される業種別の水準をもとに整理した目安で、同じ業種でも取扱高や契約形態によって上下します。自店に近い実額を知るには、次の章で紹介する主要サービスの公開料率(各社公式・確認日つき)を見比べるのが確実です。
なぜ業種・規模で料率が違うのか
業種や規模で料率に差が出るのは、カード会社側から見た「回収コスト」と「リスク」が業態ごとに異なるためです。主に次の要因が影響します。
- 取扱高:決済額が大きい店舗ほど、料率引き下げの交渉余地が生まれやすくなります。
- 客単価:1件あたりの金額が大きい業種は、決済にかかる固定的なコストの比率が下がり、料率が抑えられやすい傾向があります。
- チャージバック(不正利用や返金による支払い取り消し)のリスク:前払い・長期契約・高額商材など、後からトラブルが起きやすい業態はリスクが高いとみなされ、料率が高くなりやすくなります。
- 契約形態:カード会社と直接契約するか、決済代行会社を経由するかでも料率は変わります。
加えて、加盟店手数料の水準そのものは、カードの決済ネットワークで発生する「インターチェンジフィー」の影響を大きく受けます。この仕組みはクレジットカード手数料の仕組みと分配構造で詳しく解説します。
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主要決済サービスの手数料を比較する
ここでは、店頭でクレジットカード決済を導入できる主要なサービスについて、クレジットカード決済手数料率・月額費用・初期/端末費用・入金サイクルを横並びで比較します。「結局どこが安いか」を、料率だけでなく総コストで判断するための材料としてご覧ください。
| サービス名 | アルファポータブル | Square(スクエア) | Airペイ | stera pack(ステラパック) | PAYGATE(ペイゲート) | STORES 決済 | 楽天ペイ(実店舗決済) | USEN PAY | JMSおまかせサービス | CASHIER PAYMENT | PayCAS Mobile | POS+ Pay(ポスタスペイ) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| クレジットカード決済手数料率 | 3.24%〜 (中小支援プラン適用時2.48%) | 3.25%〜 (SMBプログラム適用時2.5%) | 3.24% (中小事業者向けディスカウントで2.48%) | 1.98%〜 (スモールビジネスプランのVisa・Mastercard。スタンダードは2.70%〜) | 2.90%〜 (中小事業者向けプランで1.98%〜/Visa・Mastercard) | 1.98%〜 (スタンダードのVisa・Mastercard。フリーは2.48%) | スタンダード2.20%〜/ ライト2.48%(公式下限表記2.95%〜・税抜) | 2.99%〜 (Visa・Mastercard。その他カードは3.24%) | 3.24% (中小企業応援プログラム適用時2.48%〜) | 3.24%〜(据置型) ポータブル型は3.75%(一部要問い合わせ) | 2.20%〜 (中小事業者応援プログラム適用時。一般料率は要問い合わせ) | 1.98%〜 (導入から半年間の期間限定。以降は要問い合わせ) |
| 月額費用 | 0円 | 0円 (キオスクのみ月額5,000円/台) | 0円 | 1年目0円 2年目以降3,300円(税込) | 3,300円(税込) (スマレジ有料プランで0円プランあり) | フリー0円/ スタンダード3,300円(税込・年間契約) | 0円(ライトプラン) スタンダードは通常2,200円(税込) | 0円 (条件未達時1,980〜3,980円) | 0円 | 0円 | 1,980円(税別)〜/店舗 | 3,000円(税抜/スマホPOS) 他端末は要問い合わせ |
| 初期・端末費用 | 初期0円・端末0円 (端末定価74,800円がキャンペーンで無料) | 初期0円 端末0円(スマホでタッチ決済)〜99,980円(レジスター) | 初期0円 カードリーダー27,720円(税込・条件付き0円スタートプログラムあり) | 初期0円 端末レンタル込み(購入不要) | 初期0円(実質端末代のみ) 端末39,600円(税込・キャンペーンで0円) | 初期0円 端末27,720円(税込・スタンダード年間契約は1台無料) | 初期0円 端末は購入制(ターミナル参考34,800円・税抜) | 初期0円・端末0円 (レンタル) | 初期0円・端末0円 | 初期0円・端末0円 | 初期0円・端末0円 (キャンペーン適用時) | スマホPOSは初期0円 他端末は要問い合わせ |
| 入金サイクル | 月1〜8回から選択 (月1回/月2回/週1回/週2回) | 三井住友・みずほは翌営業日 他行は毎週水曜締め・金曜振込 | 月6回(みずほ/三菱UFJ/三井住友) その他は月3回 | 毎日〜月2回から選択(4パターン) | クレジット・電子マネー月2回 QR月1回 | 手動は最短翌々日 自動は翌月20日 | 楽天銀行指定で365日最短翌日 他行は振込手数料別途 | カード月2回(月末・翌月15日) 電子マネー・コード決済月1回 | 月2回(振込手数料0円) 月6回(198円/振込) | Visa/Mastercard月2回 電子マネー月1〜2回・QR月1回 | 月2回 (最短翌日振込の月1回も選択可) | 月2回(振込手数料無料) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※記載の料金・手数料は2026年9月時点の各社公開情報にもとづく参考値です。料率の下限は主にVisa・Mastercard適用時の値で、JCB・American Express等では異なる場合があります。本表は料率の安い順ではありません。適用には業種・売上規模などの条件がある場合があり、最新の料率は各社公式でご確認ください。
料率の差は、決済額が大きくなるほど負担額に効いてきます。月商と料率から、店舗が負担する手数料の月額と、料率が0.5%違う場合の年間差の目安を試算すると次のとおりです。
| 月商(カード決済分) | 手数料3.0%時の月負担 | 手数料2.5%時の月負担 | 0.5%差の年間額 |
|---|---|---|---|
| 30万円 | 9,000円 | 7,500円 | 18,000円 |
| 100万円 | 30,000円 | 25,000円 | 60,000円 |
| 300万円 | 90,000円 | 75,000円 | 180,000円 |
カード決済の売上が大きい店舗ほど、わずかな料率差が年間の負担に大きく響きます。自店の月商に各サービスの料率を掛け合わせ、端末代や月額費用も年換算で加えて総コストで見比べると、乗り換えでどれだけ負担を減らせるかを判断しやすくなります。
料率の安さで選ぶなら、上表で下限が低いサービスが候補になります。一方で、審査の通りやすさや持ち運び・出張先での利用のしやすさといった、料率以外の軸で選ぶ店舗も少なくありません。
ここでは、そうした対面決済への対応力で幅広い業種に対応するサービスの一例として、アルファポータブルを紹介します。料率は3.24%〜で最安ではありませんが、資料請求で料金や機能をまとめて確認できます。
アルファポータブル(アルファノート株式会社)

アルファノート株式会社が提供するアルファポータブルは、クレジットカード・電子マネー・QRコードなど70種類以上のキャッシュレス決済に1台で対応する、持ち運び型の決済端末です。バッテリーとSIM通信を内蔵し、店内はもちろん屋外イベントや出張先でも利用できます。
特徴は、審査のハードルを柔軟に設定している点にあります。前払いや長期契約が多く他社の審査が通りにくいエステティックサロン・美容クリニックなどの業種でも導入しやすく、業種を問わず個人事業主から法人まで申し込めます。書類が揃えば最短で翌日〜翌々日に利用を開始でき、開業直前で決済手段を急ぐ店舗にも向いています。
料率・端末費用・入金サイクルなどの詳しい条件は、無料の資料でまとめて確認できます。
紹介したアルファポータブル以外にも、店頭で使えるクレジットカード決済端末は数多くあります。端末の種類ごとの違いや、手数料・機能を踏まえた選び方まで含めて比較したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
クレジットカード決済端末おすすめ15選を比較|種類・手数料・選び方を解説
店舗で「クレジットカードは使えますか」と聞かれて断り、そのまま会計を逃した経験はありませんか。キャッシュレス比率が上がるなかで、現金しか扱えない店舗は来店客の選択肢から外れやすくなっています。一方で、決済端末は据置型・オールインワン・モバイ…
手数料以外にかかる費用(総コストで見る)
決済サービスを比べるときは、決済手数料率だけでなく、初期費用や端末代を含めた総コストで見ることが大切です。ここでは料率以外にかかる費用と、見落としがちな入金サイクルを見ていきます。
料率以外にかかる費用の内訳
加盟店手数料のほかに、次のような費用が発生する場合があります。近年は初期費用・月額費用・端末費用を0円に設定するサービスも増えていますが、契約前に一覧で確認しておくと安心です。
- 初期費用:申し込み・開設にかかる費用。0円〜数万円程度。
- 月額費用:システム利用料などの固定費。0円〜数千円程度。
- 端末費用:決済端末の購入・レンタル代。0円〜数万円程度で、キャンペーンで無料になることもあります。
- 振込手数料:売上金を口座へ入金する際の手数料。指定銀行なら0円のサービスもあります。
- トランザクション費用:決済1件ごとにかかる費用。1件あたり数円〜数十円程度。
- 取消処理料:返品・キャンセル時にかかる費用。1件あたり数円程度。
入金サイクルと資金繰り
売上金がいつ入金されるかを示す入金サイクルは、料率の陰に隠れがちですが、店舗の資金繰りに直結する重要な比較軸です。翌営業日に入金されるサービスもあれば、月2回や月1回のサービスもあります。
仕入れや人件費の支払いが先行しやすい飲食店や小売店では、入金までの期間が長いと手元資金が不足しやすくなります。手数料率がわずかに低くても入金が月1回では資金繰りが苦しくなることもあるため、料率と入金サイクルはあわせて確認しましょう。前掲の比較表の入金サイクル欄も判断材料にしてください。
クレジットカード手数料の仕組みと分配構造
ここからは、そもそもなぜ加盟店手数料が発生し、料率がどう決まるのかという背景を解説します。仕組みを理解すると、料率の妥当性や交渉の余地を判断しやすくなります。
手数料が店舗負担になる理由と決済の基本構造
クレジットカード決済は、消費者・店舗(加盟店)・カードを発行する会社(イシュア)・加盟店と契約する決済会社(アクワイアラ)の間で成り立っています。店舗はカード決済によって、現金を持たない客の取り込みや売上機会の拡大といった利益を得られます。その対価として、売上の一部を加盟店手数料として決済会社に支払う仕組みです。
手数料はどこへ配分されるのか(加盟店手数料の約7割がインターチェンジフィー)
加盟店が支払う手数料の大部分は、カード会社の取り分ではなく、決済ネットワークの中で発生する「インターチェンジフィー」に充てられています。これは、加盟店と契約する決済会社が、カードを発行する会社に支払う手数料です。政府の資料でも、その割合が次のように示されています。
我が国では、キャッシュレス決済導入の拡大への課題の一つとして、クレジットカード加盟店手数料が高額であることが指摘されている。ヒアリングによると、加盟店手数料の約7割をインターチェンジフィー(クレジットカードでの決済があった際に、お店と契約する決済会社が、利用者と契約する決済会社に支払う手数料)が占めている。
出典:成長戦略実行計画(令和3年6月18日)|内閣官房
決済に関わる4者と、加盟店手数料の内訳を図にまとめると次のとおりです。

手数料の透明化に向けた動きも進んでいます。2022年11月にVisa・Mastercard・銀聯が国際ブランドの標準料率(インターチェンジフィー)を、2023年6月にはJCBが加盟店手数料の配分率を公開しました。ただしJCBが公開したのは配分の割合で、料率そのものは開示されていない点には注意が必要です。
出典・参考資料(3件)
なぜ日本の手数料は高いのか(国際比較)
日本の加盟店手数料が高いといわれる背景には、インターチェンジフィーへの規制の有無があります。経済産業省の資料では、欧州などでインターチェンジフィーに上限規制が設けられていることが示されています。
諸外国の中にはカード取引にかかる「インターチェンジフィー」の上限規制が取り入れられている事例(欧州、豪州、メキシコ等)(略)がある。〔脚注〕欧州では、EU規制として「デビットカード:0.2%」「クレジットカード:0.3%」を上限とするインターチェンジフィー規制が導入されている。
出典:キャッシュレス・ビジョン(平成30年4月)|経済産業省
欧州ではクレジットカードのインターチェンジフィーが0.3%を上限に抑えられているのに対し、日本にはこうした上限規制がありません。加盟店手数料の約7割を占めるインターチェンジフィーが高止まりしやすいことが、日本の手数料が概ね3%台と、規制のある地域より高くなりやすい一因と考えられます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:キャッシュレス・ビジョン(平成30年4月)|経済産業省(リンク)
クレジットカード手数料を抑える方法
加盟店手数料は固定ではなく、選び方や契約条件で抑えられる余地があります。ここでは、店舗が実際に取り組める方法を紹介します。
複数のサービスを比較して選ぶ
最も基本的で効果が大きいのが、複数サービスの料率を見比べて選ぶことです。料率だけでなく、端末代・月額費用・入金サイクルまで含めて総コストで比べると、自店にとって本当に負担の小さいサービスが見えてきます。前掲の比較表を、その横並びの出発点として活用してください。
料率引き下げを交渉する
取扱高が増えてきた場合は、契約中の決済会社に料率の引き下げを相談する余地があります。決済額が大きい店舗ほど交渉が通りやすく、直接契約と決済代行のどちらが得かも取扱高で変わります。決済代行は少額から始めやすい一方、取扱高が大きくなるとカード会社との直接契約のほうが料率を抑えられる場合があるため、月々の決済額を目安に見直すのが有効です。
取扱高に応じた優遇条件を活用する
サービスによっては、一定の取扱高を超えると料率を引き下げたり、月額費用を無料にしたりする優遇を設けています。たとえば、キャッシュレス決済額が一定額を下回る中小事業者向けに料率を引き下げるプログラムや、直近1年間のキャッシュレス売上が3,000万円に達すると月額固定費が無料になるサービスもあります。
自店の見込み決済額と各社の優遇条件(対象となる取扱高の閾値)を照らし合わせて選ぶと、負担を抑えられます。適用条件はサービスごとに異なるので、各社の公式情報で確認してください。
他の決済手段と併用する
QRコード決済や電子マネーは、クレジットカードとは料率が異なる場合があります。1台で複数の決済手段に対応できる端末を選び、手数料の低い決済手段も案内できるようにしておくと、店舗全体の手数料負担を平準化しやすくなります。
QRコード決済もあわせて導入して手数料負担を分散したい場合は、以下の記事で主要なQR・バーコード決済端末の手数料・初期費用・入金サイクルを比較しています。
手数料を払ってでもカード決済を導入する価値
手数料は負担ではありますが、カード決済に対応することで得られる効果も見過ごせません。導入の判断にあたっては、コストと効果の両面で捉えることが大切です。
カード決済に対応すると、現金を持たない客や高額商品の購入客を取り込みやすくなり、客単価の向上や機会損失の回避につながります。カード払いに対応していないという理由で購入をあきらめる客を減らせることは、手数料を上回る売上効果を生む可能性があります。あわせて、レジ締めや釣り銭準備といった現金管理の手間を減らせる点も、人手の限られた店舗には利点です。
キャッシュレス決済の広がりも導入を後押ししています。経済産業省によると、2025年のキャッシュレス決済比率は国内指標で58.0%に達し、そのうちクレジットカードが82.7%を占めています。カード決済に対応していないことが、来店客の支払い手段の選択肢を狭めてしまう場面は増えているといえます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました|経済産業省(リンク)
導入前に押さえたい注意点(規約で禁止されていること)
手数料の負担を避けようとする過程で、加盟店規約に違反してしまうケースがあります。規約違反は加盟店契約の解除につながるおそれがあるため、次の点は必ず押さえておきましょう。
1つ目は、手数料を客に上乗せして請求しないことです。加盟店手数料は店舗が負担するもので、消費者に転嫁することは加盟店規約で禁止されています。
JCBでは加盟店との契約で、手数料の上乗せ行為を禁止しています。そのような行為を確認した場合は、加盟店に対し事実確認のうえ、是正指導をいたします。
出典:よくあるご質問|JCB
2つ目は、カード利用に金額や時間帯の制限を設けないことです。「5,000円以上のみカード可」「ランチタイムは現金のみ」といった運用も、規約で禁止されています。
加盟店との契約で、カード取り扱いの金額・時間帯に制限を設けることは禁止しております。
出典:よくあるご質問|JCB
3つ目は、加盟店手数料の料率が契約後に見直される場合があることです。導入時の条件がそのまま続くとは限らないため、定期的に料率や優遇条件を確認しておくことをおすすめします。
まとめ
店舗が負担するクレジットカード手数料は、おおむね3%台が目安ですが、業種・規模や契約するサービスによって2%台から6%近くまで幅があります。自店の業種の水準をつかんだうえで、料率・端末代・月額費用・入金サイクルを横並びで比べることが、負担を抑える第一歩です。
取扱高が増えたら料率引き下げの交渉や優遇条件の活用も検討し、手数料の上乗せ請求や利用制限といった規約上の禁止事項にも注意しましょう。複数サービスの最新の料金を一括で確認し、自店に合ったクレジットカード決済端末を選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 加盟店手数料とは何ですか?
A. 加盟店手数料とは、店舗(加盟店)がクレジットカード決済で受け取る売上に対して、決済会社に支払う手数料です。日本ではおおむね3%台が目安で、消費者が負担する年会費や分割払いの手数料とは別のものです。買い物のたびに手数料を負担するのは店舗側で、この記事で扱う「店舗負担」はこの加盟店手数料を指します。
Q. クレジットカード決済手数料の店舗負担は何%ですか?
A. クレジットカード決済の店舗負担(加盟店手数料)は、おおむね3%台が目安で、業種・規模によって2%台から6%近くまで幅があります。大型チェーンは1〜2%程度、個人経営の小売店は3〜5%程度、飲食店は3〜6%程度が目安です。経済産業省の資料でも3.00%を中央値とするアンケート結果が示されています。
Q. クレジットカード決済手数料はどうやって計算しますか?
A. クレジットカード決済手数料は、決済金額に加盟店手数料率を掛けて計算します。たとえば手数料率3.0%なら、1万円の決済で店舗の負担は300円です。決済手数料のほかに、振込手数料やトランザクション費用がかかる場合もあります。月商別の負担額の目安は、本文の比較表付近の試算表をご覧ください。
Q. クレジットカード決済で手数料以外にかかる費用は何ですか?
A. クレジットカード決済では加盟店手数料のほかに、初期費用・月額費用・端末費用・振込手数料・トランザクション費用・取消処理料などがかかる場合があります。近年は初期費用・月額費用・端末費用を0円に設定するサービスも増えていますが、料率だけで比べると総コストを見誤ることがあります。契約前にこれらの費用を一覧で確認し、総額で比較することが大切です。
Q. クレジットカード決済手数料が最も安いサービスはどれですか?
A. クレジットカード決済手数料が最も安いサービスは、店舗の業種・月商・必要な決済手段によって変わるため、一律に「これが最安」とは言えません。料率が低くても端末代や月額費用が高ければ総コストは上がります。料率・初期費用・月額費用・端末代・入金サイクルを合わせた総額を、自店の月商に当てはめて比べるのが確実です。前掲の比較表を出発点に、複数サービスの資料を取り寄せて見比べてください。
Q. 個人事業主でもクレジットカード決済は導入できますか?
A. 個人事業主でも、多くの決済サービスでクレジットカード決済を導入できます。近年は初期費用・月額費用・端末費用を0円に設定するサービスも増え、開業直後や小規模でも申し込みやすくなっています。ただし審査基準や必要書類はサービスごとに異なるため、個人事業主の申し込みに対応しているか、審査の柔軟さや利用開始までの日数を事前に確認しておくと安心です。
Q. クレジットカード決済の入金サイクルは選べますか?
A. クレジットカード決済の入金サイクルは、サービスによって固定のものと、複数の入金頻度から選べるものがあります。翌営業日に入金されるサービスもあれば、月2回や月1回のサービスもあります。入金までの期間が長いと手元資金が不足しやすくなるため、仕入れや人件費の支払いが先行しやすい飲食店・小売店では、料率とあわせて入金サイクルも確認して選びましょう。
Q. クレジットカード決済手数料を客に上乗せして請求するのは違法ですか?
A. クレジットカード決済手数料を客に上乗せして請求する行為は、加盟店規約で禁止されており、確認されると是正指導や加盟店契約の解除につながるおそれがあります。加盟店手数料は店舗が負担するもので、消費者への転嫁は認められていません。カード利用に金額や時間帯の制限を設けることも、同様に規約で禁止されています。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















