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電子帳簿保存法はいつから?2022年・2024年の義務化と対応をわかりやすく解説

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クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

請求書や領収書をメールやクラウドで受け取る機会が増え、紙でのやり取りは年々減っています。こうした電子データでの取引に関わるのが電子帳簿保存法(電帳法)です。2022年と2024年に大きな区切りがあったため、「結局いつから対応が必要なのか」が分かりにくくなっています。

特に迷いやすいのが、メールやクラウドでやり取りした電子取引データの保存です。すでに義務化されているのか、まだ猶予があるのか、自社も対象なのか、判断がつかないまま対応を先送りにしているケースも見られます。

本記事では、まず「いつから義務か」の結論と、2022年1月・2024年1月という2つの日付の関係をはっきりさせます。そのうえで、対象者や具体的な対応の進め方まで順に確認していきます。

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電子帳簿保存法はいつから義務?結論と2022年・2024年の関係

電子帳簿保存法のうち、メールやクラウドなどでやり取りした取引データ(電子取引データ)の電子保存は、2024年1月1日からすべての事業者に義務づけられています。2026年の現在、対応は「これから始まる」ものではなく、すでに必須の状態です。

混同されやすいのが、2022年1月1日と2024年1月1日という2つの日付です。電子取引データの電子保存を義務づける改正法そのものは、2022年1月1日に施行されました。ただし準備が間に合わない事業者に配慮した2年間の宥恕(ゆうじょ)措置が設けられ、2022年1月から2023年12月末までは、やむを得ない事情があれば紙に出力しての保存も認められていました。

この宥恕措置が2023年末で終了し、2024年1月1日以降は電子データのまま保存することが本格的に必要になりました。「2022年に義務化されたが2年間の経過措置があり、2024年から本格運用に移った」という流れが、2つの日付の関係です。

これまで電子データを十分に保存できていなかった場合でも、まずは今から電子データでの保存に切り替えていくことが大切です。過去の紙の書類を無理にデータ化し直す必要は基本的になく、過度に不安になることはありません。

電子帳簿保存法 改正の年表(1998年制定〜2024年本格義務化)

電子帳簿保存法は1998年に制定された歴史のある法律で、その後の改正を経て電子取引データ保存の義務化に至りました。主な経緯を次の年表にまとめます。

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電子帳簿保存法 改正の主な経緯1998年(平成10年)7月2022年(令和4年)1月2022年1月〜2023年12月2024年(令和6年)1月
主なできごと電子帳簿保存法が施行(公布は同年3月)。当初は帳簿や書類を電子データで保存するための任意の制度としてスタート改正法が施行。電子取引データの電子保存が義務化され、出力書面での保存が原則廃止。あわせて事前承認制度の廃止やスキャナ保存の要件緩和も実施宥恕措置の期間。準備が間に合わない事業者への当面の措置として、やむを得ない事情があり出力書面の提示等に応じられれば、電子データを紙に出力して保存することも認められた宥恕措置が終了。電子取引データの電子保存が本格的に必須に。以降は「相当の理由」がある場合の恒久的な猶予措置に置き換わった
出典・参考資料(2件)

電子帳簿保存法とは?3つの保存区分と「義務・任意」

電子帳簿保存法は、帳簿や国税関係書類を電子データで保存する方法を定めた法律です。保存の対象は大きく3つの区分に分かれており、義務なのは「電子取引データ保存」の1つだけです。残る2つは、紙での保存に代えて電子保存を選べる任意の制度です。

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電子帳簿保存法の3つの保存区分電子帳簿等保存スキャナ保存電子取引データ保存
対象となるもの会計ソフト等で最初から電子的に作成した帳簿・決算関係書類紙で受け取った・作成した請求書や領収書などをスキャン(撮影)して画像データで保存メール・EC・EDIなどで電子的にやり取りした取引データ
義務・任意任意任意義務

義務にあたる電子取引データ保存は、法律で「保存しなければならない」と定められています。根拠となる条文は次のとおりです。

(電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存)
第七条 所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。

出典:電子帳簿保存法 第7条|e-Gov 法令検索

一方、電子帳簿等保存とスキャナ保存は、同法第4条で電子データの保存をもって「当該国税関係帳簿の備付け及び保存に代えることができる」と規定されています。紙での保存に代えて電子保存を選べるという趣旨で、行うかどうかは事業者が選択できます。この「保存しなければならない」(第7条)と「代えることができる」(第4条)の違いが、義務と任意を分ける点です。

電子帳簿保存法の対象者(中小企業・個人事業主も対象か)

電子取引データ保存の義務は、所得税・法人税の保存義務者が対象です。企業規模や法人・個人の別による除外はなく、電子取引を行っていれば、中小企業も個人事業主もフリーランスも対象に含まれます。「うちは小規模だから関係ない」とはならない点に注意が必要です。

所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税の保存義務者が取引情報(注文書、領収書等に通常記載される事項)を電磁的方式により授受する取引(電子取引)を行った場合には、その取引情報を電磁的記録により保存しなければならないという制度です(法7)。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問1|国税庁

ここでいう電子取引は特別な取引ではなく、メールに添付されたPDFの請求書や、通販サイトの購入明細なども含まれます。日常的にこうしたやり取りがある事業者は、ほぼ対象になると考えておくとよいでしょう。

宥恕措置(終了)と現行の猶予措置「相当の理由」の違い【2026年時点】

「まだ猶予があるのでは」という声を今でも聞きますが、2つの措置は分けて理解する必要があります。2022年から2023年末まで認められていた宥恕措置は、2023年12月31日で終了しました。これに代わって2024年1月からは、「相当の理由」がある場合の恒久的な猶予措置が設けられています。

現行の猶予措置は、システムや社内体制の整備が間に合わないなどの事情がある場合に、保存時の要件を満たせなくても電子データの保存を認めるものです。国税庁は「相当の理由」を次のように説明しています。

令和5年度の税制改正において創設された新たな猶予措置の「相当の理由」とは、例えば、その電磁的記録そのものの保存は可能であるものの、保存時に満たすべき要件に従って保存するためのシステム等や社内のワークフローの整備が間に合わない等といった、自己の責めに帰さないとは言い難いような事情も含め、要件に従って電磁的記録の保存を行うための環境が整っていない事情がある場合については、この猶予措置における「相当の理由」があると認められ、保存時に満たすべき要件に従って保存できる環境が整うまでは、そうした保存時に満たすべき要件が不要となります。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問83|国税庁

ここで誤解しやすいのが、「猶予措置があるなら紙に出力して保存すればよい」という受け止め方です。現行の猶予措置は、あくまで検索機能などの要件を一時的に問わないというもので、電子データそのものの保存は引き続き必要です。国税庁も、出力書面だけの保存は認められないと明記しています。

なお、本取扱いについては、その電子データの保存に代えてその出力書面のみを保存する対応は認められず、猶予措置の適用を受ける場合には、電子データ自体を保存するとともに、その電子データ及び出力書面について提示又は提出をすることができる必要があることにご留意ください(取扱通達7-13)。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問83|国税庁

この猶予措置の法令上の根拠は、電子帳簿保存法施行規則第4条第3項にあります。税務署長が「相当の理由」を認め、かつ電子データと出力書面の提示・提出に応じられるようにしていることが条件です。適用にあたって事前の申請や届出は必要ありませんが、「要件は一時的に緩むが、電子データ自体は残しておく」という位置づけであり、対応そのものを免れるわけではありません。

出典・参考資料(1件)

電子帳簿保存法に対応しないとどうなる(罰則・不利益)

対応の優先度を判断するうえで、対応しなかった場合の不利益も押さえておきましょう。ただし、いずれも要件を満たせなかったことだけで自動的に科されるものではなく、税務調査などの結果として判断される性質のものです。過度に不安になる必要はありませんが、放置してよい理由にもなりません。

青色申告の承認取消し:電子取引データの保存が適正に行われていない場合、青色申告の承認取消し事由に該当しうる構造になっています。ただし取消しは税務署長の裁量による「できる」規定で、保存に不備があれば直ちに取り消されるわけではありません。実務上は、他の帳簿保存の状況もあわせて総合的に判断されます。

重加算税の加重:電子取引などの電磁的記録に関して隠蔽・仮装があった場合、通常の重加算税に税額の10%が上乗せされます。これは意図的な不正が前提であり、単なる保存要件の不備で課されるものではありません。

会社法上の過料:「100万円以下の過料」という記載を見かけますが、これは会社法第976条にもとづくもので、会社の役員等が会計帳簿や計算書類の記録を怠った場合などに科される可能性があるものです。電子帳簿保存法の電子取引データ保存に直接科される罰則ではなく、対象も会社の役員等に限られるため、個人事業主には及びません。

電子帳簿保存法への対応で第一に意識すべき不利益は、青色申告の承認取消しと重加算税の加重です。

出典・参考資料(2件)

ここまで読んで対応を負担に感じるかもしれませんが、電子保存への切り替えには書類の検索性向上やペーパーレス化といったメリットもあります。対応のメリット・デメリットと進め方の勘所は、以下の記事で整理しています。

電子取引データ保存の要件と対応の進め方

ここからは、電子取引データ保存で具体的に何をすればよいかを整理します。まず対象となる取引を洗い出し、そのうえで「真実性」と「可視性」という2つの要件を満たして保存する、という流れです。国税庁も、この2つの要件を満たす必要があると示しています。

電子取引データ保存の対応の進め方を示した3ステップの図。STEP1は電子取引の洗い出し(メール添付PDF・EC明細・EDIなど)、STEP2は真実性の確保(タイムスタンプや事務処理規程など4つのいずれか)、STEP3は可視性の確保(ディスプレイ等の備付けと日付・金額・取引先での検索)。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存等に当たっては、真実性や可視性を確保するための要件を満たす必要があります(規則2②一イ、二、⑥五、六、4①)。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問15|国税庁

電子取引データ保存の対象となる書類・取引の例(洗い出し)

最初の一歩は、自社のどのやり取りが電子取引にあたるかを洗い出すことです。電子取引とは、取引情報を電子データで授受する取引を指します。国税庁は次のように定義しています。

「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいいます(法2五)。なお、この「取引情報」とは、取引に関して受領し、又は交付する注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項をいいます。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】(令和7年6月)問2|国税庁

具体的には、次のようなやり取りが電子取引に該当します。自社に当てはまるものがないか確認してみてください。

  • メールに添付されたPDFの請求書・領収書・見積書を受け取る(または送る)
  • 通販サイト・クラウドサービスの管理画面から購入明細や領収書をダウンロードする
  • EDI(電子データ交換)やインターネットを通じて注文・請求のデータをやり取りする
  • ペーパーレスFAX機能付きの複合機で取引データを送受信する

これらは、たとえ紙に印刷していても、受け取った電子データ自体を保存する必要があります。専用のシステムがなくても対応できます。国税庁は、ファイル名に「日付・取引先・金額」を規則的に付けて(例:20240131_○○商店_110000)、取引先や月ごとのフォルダに整理して保存する方法も案内しています。まずは無償でできる方法から始め、件数が増えてきたらシステム導入を検討する進め方も現実的です。

出典・参考資料(1件)

電子取引データ保存の真実性の要件

真実性の確保とは、保存したデータが後から改ざんされていないことを担保する仕組みです。次の4つのいずれかを満たせばよく、すべてを行う必要はありません。自社の体制に合う方法を選ぶとよいでしょう。

  • 取引データの授受の前に、送信側でタイムスタンプが付されている
  • 受け取ったデータに、自社で速やかにタイムスタンプを付す
  • 訂正・削除の履歴が残る、または訂正・削除ができないシステムで授受・保存する
  • 正当な理由がない訂正・削除を防ぐ事務処理規程を定め、それに沿って運用する

4つ目の事務処理規程は、システムを導入しなくても、社内で規程を整備して運用すれば要件を満たせる方法です。まずはこの方法から始める事業者もあります。

電子取引データ保存の可視性の要件

可視性の確保とは、保存したデータを必要なときに確認・検索できる状態にしておくことです。主に次の要件があります。

  • ディスプレイ・プリンタとその操作説明書を備え付け、画面や書面で速やかに確認できるようにする
  • 「取引年月日・取引金額・取引先」で検索できるようにする
  • 日付または金額は範囲を指定して検索できる、複数の項目を組み合わせて検索できるようにする

検索の要件は、前述のファイル名の付け方やフォルダ整理でも満たせます。また、2課税年度前(基準期間)の売上高が5,000万円以下の場合や、電子取引データを出力した書面を取引年月日・取引先ごとに整理して提示できるようにしている場合は、いずれも税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていることを条件に、検索機能の確保が不要になります。

この条件に当たらない場合でも、ダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、範囲を指定した検索や複数条件を組み合わせた検索が不要になります(2026年時点)。

出典・参考資料(2件)

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電子取引データ保存に対応する会計・財務管理システム/文書管理サービス

手作業のファイル整理でも対応は始められますが、取引件数が増えると、タイムスタンプの付与や検索要件を手動で満たし続けるのは負担になります。要件を自動で満たしながら保存できるサービスを使えば、対応の抜け漏れを防ぎやすくなります。大きく分けて、会計処理とあわせて電帳法対応を行う「会計ソフト型」と、会計ソフトを変えずに電子保存だけを担う「文書管理型」があります。

まず、それぞれの要点を比較表で見比べてみましょう。表中の「JIIMA認証」は、電子帳簿保存法の要件を満たすソフトであることを第三者機関(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)が確認した認証です。

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電帳法対応サービスの比較(会計ソフト型/文書管理型)弥生会計 Nextfreee会計マネーフォワード クラウド会計TOKIUM電子帳簿保存invox電子帳簿保存
タイプ会計ソフト型会計ソフト型会計ソフト型文書管理型文書管理型
会計・記帳機能××
電子取引データ保存
JIIMA認証取得(電子帳簿ソフト認証。電子取引は証憑管理サービス)取得取得(電子帳簿・電子取引・スキャナ)取得(電子取引・スキャナの2区分)取得(電子取引・スキャナの2区分)
初期費用0円0円0円要問い合わせ0円
月額費用(起点)2,900円〜(税抜・年払い月換算)2,980円〜(税抜・年払い)2,480円〜(税抜・年払い)月1万円〜+従量課金1,980円〜(税込2,178円)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト

※比較表は2026年時点の各社公開情報にもとづきます。料金は各社の表記(税抜/税込)どおりに記載しています。JIIMA認証の有無だけでサービスの優劣が決まるわけではありません。最新の料金・機能や電帳法への対応範囲は、各社の資料・公式サイトでご確認ください。

会計処理と電子保存をまとめて行う会計ソフト型

日々の記帳や決算とあわせて電帳法対応を進めたい場合は、電子帳簿保存法に対応した会計ソフトが選択肢になります。証憑の保存機能を標準で備えるものが多く、経理業務とまとめて扱える点が特徴です。

1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

弥生会計 Nextは、会計ソフトの老舗である弥生株式会社が提供する法人向けのクラウド会計サービスです。デスクトップ版から続く弥生ブランドのクラウド会計にあたり、簿記に不慣れな担当者でも扱いやすい操作性を掲げています。

証憑管理機能により、受け取った請求書や領収書のデータを電子帳簿保存法の要件に沿って保存できます。インボイス制度にも対応し、記帳から保存までを一つのサービスで完結できる点が強みです。料金は初期費用0円、エントリープランで年額34,800円(税抜)からで、無料で試せる体験プランも用意されています(2026年時点)。

2. freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

フリー株式会社が提供するfreee会計は、簿記の知識がなくても使いやすい設計で、個人事業主から中小企業まで幅広い規模に対応するクラウド会計ソフトです。2022年施行の改正電子帳簿保存法に全プランで対応し、JIIMAの認証も取得しています。

AI-OCRで受け取った証憑を読み取り、電子取引データを要件に沿って保存できます。スキャナ保存機能も早くから提供しており、電子帳簿保存法の3区分のうち任意の区分にも幅広く対応します。上位プランでは部門別損益や予実管理といった管理会計の機能も段階的に使えます。

3. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

マネーフォワード クラウド会計は、会計だけでなく請求・経費・給与などのバックオフィス業務を同じ基盤で扱える点が特徴のクラウド会計サービスです。受け取った証憑データを電子帳簿保存法の要件に沿って保存する機能を備えています。

2023年7月には、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応としてAI-OCRによる自動仕訳機能の提供を開始しました。証憑の読み取りから仕訳、電子保存までを一連の流れで進めやすく、他のバックオフィス機能と連携させたい事業者に向いています。

会計ソフトを変えずに電子保存だけに対応する文書管理型

すでに使っている会計ソフトを変えたくない場合は、電子取引データやスキャナ保存に特化した文書管理型のサービスが選択肢になります。書類の保存に絞って要件対応を任せられるため、既存の業務フローを大きく変えずに導入しやすいのが利点です。

4. TOKIUM電子帳簿保存(株式会社TOKIUM)

TOKIUM電子帳簿保存のウェブサイト

TOKIUM電子帳簿保存は、株式会社TOKIUMが提供する、国税関係書類の電子保存に特化したクラウド文書管理システムです。紙・メール添付PDF・FAXなど形式を問わず書類を電子化し、原本の代理保管まで引き受ける点が特徴です。

スキャナ保存と電子取引の両区分でJIIMAの法的要件認証を取得しており、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴の記録にも対応します。データ化の方式は、自社で入力する方法、AI-OCR、オペレーター入力の3つから選べ、精度・コスト・手間のバランスを事業者が選択できる設計です。

5. invox電子帳簿保存(株式会社invox)

invox電子帳簿保存のウェブサイト

invox電子帳簿保存は、株式会社invoxが提供する電子保存特化のクラウド文書管理システムです。請求書・契約書・領収書などをアップロードすると、検索要件に必要な「取引年月日・取引金額・取引先」を自動でデータ化して保存します。スキャナ保存と電子取引データ保存の両方に対応します。

スキャナ保存と電子取引の両区分でJIIMAの法的要件認証を取得している点に加え、料金体系を公式サイトで具体的に開示している点が特徴です。初期費用は0円、月額基本料金はミニマムプランで1,980円(税込2,178円)からで、小規模な事業者でも導入しやすい価格帯です(2026年時点)。

ここで挙げた以外にも、経理・財務まわりのシステムには幅広い選択肢があります。以下の記事では、財務管理システム全体の機能・料金やタイプ別の選び方を詳しく比較しているので、電帳法対応をきっかけにシステムの導入・見直しを検討する方はあわせてご覧ください。

まとめ

電子帳簿保存法のうち、電子取引データの電子保存は2024年1月1日から本格的に義務化されており、2026年の現在はすでに対応が必須です。義務にあたるのは3区分のうち電子取引データ保存の1つで、対象は所得税・法人税の保存義務者、つまり中小企業や個人事業主も含むほぼ全事業者です。

現行の猶予措置は要件を一時的に緩めるものですが、電子データそのものの保存は必要で、紙のみの保存は認められません。まず自社の電子取引を洗い出し、真実性・可視性の要件を満たして保存することが第一歩です。件数が多く手作業が難しい場合は、電帳法対応の会計ソフトや文書管理サービスの活用も検討しましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子帳簿保存法(電子取引データ保存の義務)は個人事業主やフリーランスも対象ですか?

A. 電子帳簿保存法の電子取引データ保存は、個人事業主やフリーランスも対象です。義務の対象は所得税・法人税の保存義務者で、法人・個人の別や事業規模による除外はありません。メールに添付されたPDFの請求書やネット通販の領収書など、電子データでのやり取りが一件でもあれば対象になるため、「小規模だから対象外」とはならない点に注意しましょう。

Q. 電子帳簿保存法の対応に、専用のシステムやソフトの導入は必須ですか?

A. 専用のシステムやソフトの導入は必須ではありません。国税庁は、受け取ったデータのファイル名に「日付・取引先・金額」を規則的に付けてフォルダで整理し、正当な理由がない訂正・削除を防ぐ事務処理規程を定めて運用する方法も案内しています。まずは無償でできる方法から始め、取引件数が増えて手作業が負担になった段階で、要件を自動で満たせる会計ソフトや文書管理サービスの導入を検討する進め方が現実的です。

Q. 義務化より前に受け取った過去の書類も、遡ってデータで保存し直す必要がありますか?

A. 過去に紙でやり取り・保存してきた書類を、遡って電子データに変換し直す義務はありません。電子取引データ保存の義務は、あくまで電子データで授受した取引が対象です。紙で受け取った書類を電子化する「スキャナ保存」は任意の制度のため、過去分を無理にデータ化する必要はなく、これまでどおり紙で保存しておいて問題ありません。

Q. 紙で受け取った請求書をスキャンして保存すれば、紙の原本は捨ててもよいですか?

A. スキャナ保存の要件を満たして保存すれば、紙の原本は廃棄できます。紙の書類をスキャンして電子保存する「スキャナ保存」は任意の制度で、タイムスタンプの付与や解像度・検索といった要件を満たして保存すれば、原本の紙を保存し続ける必要はなくなります。

ただし、これは義務である電子取引データ保存とは別の区分です。メールなどで最初から電子データで受け取ったものは、そもそも紙ではなく電子データのまま保存する必要がある点に注意してください。

Q. 自社が発行した請求書などの控えも、電子データで保存する必要がありますか?

A. 電子データで発行・交付した請求書などの控えは、電子取引データとして電子保存の対象になります。メールやシステムでPDFの請求書を送った場合、その控えのデータも真実性・可視性の要件に沿って保存する必要があります。一方、紙で発行して郵送した控えは電子取引にはあたらず、従来どおり紙での保存が可能です。発行方法が電子か紙かで、控えの保存方法が変わる点を押さえておきましょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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