顧客との面談でライフプランを提案するたびに、Excelのキャッシュフロー表を手作業で組み直したり、教育資金や老後資金の試算を電卓で確かめたりして、準備に時間を取られていませんか。数字を一つ変えるたびに表を作り直す手間や、面談の場で「もし退職金がこうだったら」という質問にその場で答えられないもどかしさは、提案の質にも直結します。
ライフプランソフト(FP・保険募集人が顧客提案でライフプランシミュレーションやキャッシュフロー表を作成する業務用ソフト)を使えば、必要な情報を入力するだけでライフプラン表や必要保障額を自動で算出し、面談の場で条件を動かしながら提示できます。
ただし、詳細な試算に強い本格的なソフトから、対面営業で短時間に提案を組み立てるツール、無料で始められるものまで種類が幅広く、自社の提案スタイルに合う一本を選ぶのは簡単ではありません。
本記事では、保険募集人・FP・IFA・保険代理店が顧客提案に使うライフプランソフト11本を、提案業務の目線で横断的に比較しました。作成スピード・面談での見せ方・保険設計との連携・料金体系・複数人での利用可否といった、提案の現場で効く観点で整理しています。自社の提案スタイルや利用規模に合うソフトを選ぶための材料としてご活用いただけます。記事内の診断で、提案スタイルに合うタイプの目安も確認できます。
目次
ライフプランソフトとは?提案業務で使う意義
ライフプランソフトとは、収入・支出・家族構成・保有資産などの情報をもとに、将来のキャッシュフロー表や資産推移、教育資金・住宅資金・老後資金の必要額を自動で算出するソフトウェアです。FP・保険募集人・IFA・保険代理店が顧客への提案時に使うことで、数字にもとづいた説得力のあるライフプランを短時間で提示できます。
ここで注意したいのが、検索すると多く出てくる消費者向けの無料シミュレーターとの違いです。金融庁や証券会社が提供する試算ツールは、個人が自分の家計を大まかに確認するためのもので、提案書として出力したり、募集人が顧客に代わって細かく条件を設定したりする用途は想定していません。
本記事で扱うのは、FP・募集人が顧客提案の場で使うことを前提に、提案書出力・複数シナリオの比較・顧客との共有といった業務機能を備えた提案支援ソフトです。
これまで多くのFP・募集人は、Excelのテンプレートや表計算を使って手作業でライフプラン表を作成してきました。手作業でも作成自体はできますが、入力項目が増えるほど計算式の管理が煩雑になり、面談中に条件を変えて即座に再計算するのは困難です。専用ソフトは、この作成負担と面談での即応性を大きく改善する手段として位置づけられます。
提案業務にライフプランソフトを活用するメリット
ここからは、提案業務にライフプランソフトを取り入れる具体的なメリットを整理します。最も大きいのは、ライフプラン表や提案書の作成時間を短縮できる点です。定型の入力フォームに沿って情報を入れるだけで、キャッシュフロー表やグラフが自動生成されるため、準備にかけていた時間を面談そのものに振り向けられます。
面談の場で条件をその場で変更し、即座に再計算して見せられることも実務上の強みです。「繰り上げ返済をした場合」「教育費をもう一段かけた場合」といった顧客の関心に合わせてシミュレーションを動かせば、顧客は自分ごととして将来像を捉えやすくなります。グラフや数値という客観的な根拠を示せるため、保障の見直しや資産形成の提案に対する納得感も高まります。
保険募集人にとっては、必要保障額を可視化し、そこから保険設計につなげられる点も見逃せません。世帯の支出や公的保障を踏まえた不足額を数字で示すことで、提案する保障内容の根拠を明確にできます。
提案業務目線でのライフプランソフトの選び方
ここからは、提案業務でライフプランソフトを選ぶときに見るべき軸を整理します。同じライフプランソフトでも、詳細な試算に強いものと、面談での使いやすさを重視したものでは適した場面が異なります。次の観点を自社の提案スタイルに当てはめて確認してください。

作成スピードと面談での見せ方
面談の時間内にライフプラン表を作り切れるかは、対面提案では特に重要な基準です。入力項目が絞り込まれ、数分でグラフまで到達できるソフトは、初回面談でその場に提示しながら関心を引き出す使い方に向きます。逆に、詳細な前提を作り込むタイプは準備に時間がかかるため、事前準備を前提とした相談業務に適しています。
画面が顧客にとって見やすいか、その場で数値を動かして再計算した結果を一緒に見られるかも確認したいところです。タブレットでの対面提示に対応しているか、グラフの表現が直感的に伝わるかは、面談での説得力を左右します。短時間の対面営業が中心なら簡易入力型を、じっくり相談する業務なら詳細設定型を軸に検討するとよいでしょう。
保険設計・保障額との連携
保険募集人が使う場合は、ライフプランの試算から必要保障額の算出や保険設計につなげられるかが核心になります。世帯の支出・公的年金・遺族年金などを踏まえて不足する保障額を試算し、その結果を保険提案の根拠として示せるソフトは、募集人の提案業務と親和性が高いといえます。
一方で、資産形成やライフプラン相談そのものを主軸にする場合は、保険設計機能よりもキャッシュフローの精度やシナリオ比較の柔軟性が優先されることもあります。自社の提案が保険設計を主とするのか、資産形成を含めた総合的な相談を主とするのかで、重視する連携機能は分かれます。
料金体系と法人・複数人での利用
料金は、無料プランのあるもの、月額課金のクラウド型、年度版を買い切るインストール型など幅があります。無料や低価格のソフトは導入初期のコストを抑えられますが、提案書のブランディングや顧客管理といった業務機能が有料プランに分かれていることも多いため、自社が必要とする機能がどの価格帯で使えるかを確認しておきましょう。
代理店や複数の募集人で使う場合は、個人単位の契約か、法人一括で複数アカウントを管理できるかも重要です。作成したライフプランを募集人間で共有できるか、管理者がアカウントを一元管理できるかは、組織での運用のしやすさに直結します。個人のFPか、複数人を抱える代理店組織かで、適した契約形態は変わります。
複数の募集人を抱える代理店では、ライフプラン提案だけでなく、顧客・契約情報の管理や保険業法改正への対応まで含めて業務を仕組み化する動きが広がっています。代理店全体の業務を支えるシステムの選び方や機能を比較検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
税制対応・クラウド共有などの最新トレンド
近年のライフプランソフトは、税制改正や社会保障制度の変更への対応、クラウド化による共有機能、入力を効率化する仕組みなどで進化しています。税制や年金制度は毎年のように変わるため、計算ロジックが最新の制度に追随しているかは試算の信頼性に関わります。インストール型では年度版の更新パッケージで、クラウド型では自動更新で対応するのが一般的です。
共有方法もクラウド化で選択肢が広がりました。クラウド型のソフトは、作成したライフプランを顧客とオンラインで共有したり、募集人と顧客が同じ画面を見ながら相談したりする使い方に対応するものがあります。加えて、金融機関のデータ連携やAIによる入力補助で、情報収集や入力の手間を減らす動きも進んでいます。自社の面談スタイルがオンラインを含むか、対面が中心かによって、これらの機能の優先度を判断してください。
ここまでの選び方を踏まえ、自社の提案スタイルに合うタイプを次の診断で確認できます。いくつかの質問に答えるだけで、提案スタイルと利用規模に適したソフトの方向性がわかります。
提案スタイル別に見るライフプランソフトの3タイプ
ここからは、本記事で比較する11本のソフトを、提案スタイルにもとづいて3つのタイプに整理します。どのタイプを選ぶべきかは、扱う相談の深さと、対面かオンラインか、個人か組織かといった提案の進め方によって変わります。

FP・IFAの本格提案向けソフトは、税制・保険・キャッシュフローを詳細に作り込み、提案書やレポートで面談を支えるタイプです。前提を細かく設定できる分、じっくり相談する独立系FPやIFAの提案業務に向きます。
保険募集人・代理店の営業提案向けソフトは、面談の場で短時間にライフプラン表を作り、保障設計につなげるスピード提案に強いタイプです。対面での営業提案が中心で、その場に提示しながら関心を引き出したい場面に適しています。
無料・低コストで始められる汎用ソフトは、無料または低価格で基本的なライフプラン試算ができるタイプです。導入初期でコストを抑えたい場合や、小規模で使い始めたい場合の入り口になります。
各タイプに該当するソフトをまとめました。「比較表を見る」から、それぞれのタイプの詳細な比較に進めます。
【比較表】ライフプランソフトを提案業務目線で比較
ここからは、11本のライフプランソフトを提案業務の目線で比較していきます。提供形態や主な対象、料金、提案書出力・共有、保険設計との連携、無料版・トライアルの有無といった、提案の現場で効く項目を整理しました。タイプごとに表を分けているので、自社の提案スタイルに近いタイプから確認してください。料金は2026年7月時点の各社公式情報にもとづきます。
FP・IFAの本格提案向けソフトの比較
| サービス名 | FP名人 | FPスタッフ | milize | マネソル for FP | YouWill | 大成功家族® |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | ダウンロード版 (インストール型) | Excelベース (買い切り年度版) | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | Excelアドイン (インストール型) |
| 主な対象 | FP・金融機関・ 保険代理店・住宅会社・士業 | 金融機関・税/会計事務所・FP | FP・IFA・ 金融機関(法人向け) | FP・保険募集人・保険代理店 | FP・IFA・ 保険代理店・保険募集人 | FP・社労士・FP事務所 |
| 料金 | 初期46,200円+ 年額52,800円(税込) | 1セット65,780円(税込) まとめ導入で段階割引 | 要問い合わせ | 月額8,800円(税込) 初期費用込み | 月4,290円〜(税込) 法人一括プランは別体系 | 初年度52,800円 次年度以降33,000円(税込) |
| 提案書出力・共有 | ●最大40ページ強のレポート出力 | ●各種提案・試算シート | ●PDF帳票出力 | ●提案書・グラフ作成 | ●PDF提案書・顧客ポータル共有 | ●45ページの提案書 |
| 保険設計・保障額試算 | ●必要保障額シミュレーション | 公式に記載なし | ●必要保障額の算出 | 公式に記載なし | ●必要保障額計算 | ●必要保障額を個別試算 |
| 無料版・トライアル | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | ●1週間の無料トライアル | △無料の体験・操作説明会 |
| 提供会社 | 株式会社エフピー研究所 | 一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい) | 株式会社MILIZE | 株式会社アルファ・ ファイナンシャルプランナーズ | トラストオフィス株式会社 | 株式会社FPフローリスト |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
保険募集人・代理店の営業提案向けソフトの比較
| サービス名 | Pocket FP Pro | みらい予報図 |
|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド型 | クラウド型 |
| 主な対象 | FP・保険募集人・保険代理店 | 保険代理店・ 住宅/不動産会社・FP |
| 料金 | 初期費用0円+ 月額3,300円(年払36,300円・税込) | 要問い合わせ |
| 提案書出力・共有 | △提案ストーリー構築が主眼 | 公式に記載なし |
| 保険設計・保障額試算 | ●保障分析・必要保障額 | ●必要保障額の診断 |
| 無料版・トライアル | ●初月無料(最低利用期間なし) | 公式に記載なし |
| 提供会社 | SBIインシュアランスラボ株式会社 | HAREL株式会社 |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | 公式サイト |
無料・低コストで始められる汎用ソフトの比較
| サービス名 | Financial Teacher System | FP-UNIV | 順風満帆 |
|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド型 | クラウド型 | Excelベース (買い切り型) |
| 主な対象 | 個人・FP・保険募集人 | 個人・FP・保険募集人・ 不動産業者・代理店 | 個人・FP・保険募集人 |
| 料金 | 個人無料 FP向け 年15,840円〜23,760円 | 無料〜 ポケット2,200円/プロ5,500円/ビジネス19,800円(税込) | 33,000円(税込・買い切り) バージョンアップ16,500円〜 |
| 提案書出力・共有 | ●PDF・Excelレポート出力 | ●提案書PDF出力(プロ以上)・プラン共有 | △Excelで表・グラフを作成 |
| 保険設計・保障額試算 | ●必要保障額試算 | ●必要保障額分析(プロ以上) | ●必要保障額試算 |
| 無料版・トライアル | ●個人・FP向けに無料プラン | ●無料プラン・14日間全プラン無料 | ●個人向け無料版あり |
| 提供会社 | 株式会社ファイナンシャルティーチャー | 株式会社FP-UNIV | ファイナンシャルプランナー事務所 FP EYE |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
ライフプランソフト11本のサービス個別紹介
ここからは、各ソフトの提供元・主な機能・料金・提案業務での使いどころを、タイプごとに紹介します。比較表だけではわからない、それぞれのソフトが得意とする提案スタイルまで踏み込んで解説します。
FP・IFAの本格提案向けソフト
ここからは、本格提案向けの6本を掲載順に紹介します。試算の作り込みや提案書の出力、対象ユーザー・料金の違いに注目してください。
1. FP名人(株式会社エフピー研究所)

「FP名人」は、株式会社エフピー研究所が1996年に発売したライフプランシミュレーションソフトで、キャッシュフロー表の作成から教育費・住宅ローン・老後資金の資金計画、提案レポートの出力までを一本で行えます。対面ヒアリングをしながらその場で入力・シミュレーションできる画面設計を特徴としています。
提案業務では、シミュレーション結果を最大40ページ強のレポートとしてワンボタンで出力でき、改善前後の比較グラフを左右に並べて提案効果を示せる点が実務に効きます。独立系FPだけでなく、銀行・信用金庫・保険会社・保険代理店・住宅会社・税理士事務所などの営業支援ツールとしての利用も想定されています。
料金は初期費用42,000円(税込46,200円)と年額利用料48,000円(税込52,800円)で、利用料は1年分の一括払いです。年額利用料にはサポートと税制改正対応のアップデートが含まれ、NISA・iDeCoや住宅ローン控除など制度変更への対応を継続的に反映します。提供形態はダウンロード版です。
2. FPスタッフ(一般社団法人金融財政事情研究会)

FP技能検定など国家資格試験の実施機関としても知られる一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)が発行するのが、ExcelベースのFP業務支援ソフト「FPスタッフ」です。ローン・年金・ライフプラン設計といった個人取引推進ツールから、相続税試算・自社株評価、法人向けの収支計画まで、窓口業務で使う各種の提案・試算ツールを1本にまとめて提供します。
税制改正などに対応した年度版を毎年7月頃に発売する買い切り型で、直近では「FPスタッフ2025」が2025年7月に発売されています。前年度版の購入者は次年度版を通常価格の40%相当額で購入できます。Excelがあれば追加のシステム導入なしに動作するため、クラウド型を導入しづらい環境でも使える点が、他社のWebアプリ型ソフトとの違いです。
料金は1セット65,780円(税込)で、10〜19セットで1セットあたり53,130円、20セット以上で40,480円(いずれも税込)と、まとめ導入で単価が下がる段階割引があります。大手・地域金融機関から税・会計事務所、独立系FPまで幅広い層を対象とし、金融機関単位でのまとめ導入を想定した価格体系です。
3. milize(株式会社MILIZE)

「milize」は、株式会社MILIZEが提供するFP・金融機関・金融アドバイザー向けの金融アドバイザリープラットフォームです。ライフプランシミュレーションを起点に、保険・資産運用・ローンを横断して比較検討や改善提案を行うことを目的としています。前身の「milize Pro」(2020年4月提供開始)の実績を統合し、2025年9月に現行の「milize(ver.3.0)」へ刷新されました。
資産寿命やキャッシュフローの表示、複数シナリオの比較、必要保障額の算出、PDF帳票の出力に対応し、入力はモデルケース・簡易・詳細のモードを切り替えられます。前身のmilize Proには、顧客情報の整理や会話の糸口を示すAIアドバイス機能がβ版として搭載されています(FP向けに月50回までの利用上限あり)。導入先には第一生命グループ、ソニー銀行、あおぞら銀行、広島銀行などがあります。
現行の「milize(ver.3.0)」は法人企業向けの案内で、料金は公式ページに記載がなく問い合わせ制です。導入相談を通じて、要件に応じた提案を受ける形になります。
4. マネソル for FP(株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズ)

銀行・証券・クレジットカードなど約2,500の金融機関と自動連携し、顧客の家計・資産状況を推定値ではなく実データで把握できる点を軸にしたのが「マネソル for FP」です。独立系FP事務所の株式会社アルファ・ファイナンシャルプランナーズが、個人向け家計管理アプリ「マネソル」の技術基盤をもとに開発したFP・保険募集人向けの提案支援ツールです。
実データをもとに、ライフプラン・不動産投資・資産運用のシミュレーションや、所得税・住民税・社会保険料の計算、住宅ローン減税(過去15年分)・不動産投資の減価償却計算といった税務計算を行い、提案書やグラフの作成につなげられます。ヒアリングに頼らず取引データから資産を可視化できるため、面談準備の負担を抑えたい提案業務に向きます。
料金は月額8,800円(税込)の単一プランで、初期費用は込みです。プランによる機能差はなく、すべての機能を利用できるとされています。
5. YouWill(トラストオフィス株式会社)

相談の場でスライダーを動かすとグラフが即座に変化する操作性を主眼に置いたクラウド型ライフプランソフトが、トラストオフィス株式会社の「YouWill」です。収支・資産推移・必要保障額・住宅ローン・年金などをその場でシミュレーションし、提案書として出力できます。独立系FP・IFA・保険代理店・保険募集人が対象です。
住宅ローンの双方向計算やペアローン・住宅ローン減税、繰上げ・繰下げに対応した年金計算、積立・据置・取崩しの投資計算など、提案実務で使う計算を個別機能として備えます。住宅予算や子どもの人数を変えた複数プランを並べて比較するレポートも作成でき、面談でシナリオを見せながら関心を引き出す使い方に向きます。
個人・少人数向けの個別利用プランは、年契約でBasicが月4,290円、Sが月6,490円(いずれも税込)で、1週間の無料トライアルがあります。保険代理店・IFA法人向けには30名で月49,500円から1,000名で月495,000円(税込)まで人数規模に応じた法人一括プランがあり、別途初期費用330,000円(税込)がかかります。
6. 大成功家族®(株式会社FPフローリスト)

「大成功家族®」は、Windows版のExcel上でアドインとして動作する買い切り型のライフプランソフトです。独立系FP会社の株式会社FPフローリストが2013年に発売し、毎年バージョンアップを重ねて2026年7月時点の最新版はVer.13です。FP・社労士・FP事務所での個人利用を主眼としています。
提案書は45ページ構成で、印刷するページの選択や順序変更ができ、基調カラーもブルー・ピンク・グリーンの3色から選べます。教育費の標準値データ、最長50年・元利均等/元金均等に対応した住宅ローン計算、産休・育休や時短勤務による収入変化の入力など、支出・収入を細かく作り込めるため、じっくり相談する提案業務に向きます。
料金は初年度52,800円(税込)、次年度以降は33,000円(税込)で、1個人・1事業所につき2台までインストールできます。3台以上や法人での利用は要問い合わせです。支払いはクレジットカード決済のみで、毎月少人数制の無料体験・操作説明会が用意されています。
保険募集人・代理店の営業提案向けソフト
続いて、営業提案向けの2本を紹介します。面談での見せ方や保障設計へのつなげ方、提供形態の違いに注目してください。
7. Pocket FP Pro(SBIインシュアランスラボ株式会社)

SBIインシュアランスラボ株式会社が提供する、FP・保険募集人向けのプランニング支援ツールです。顧客の資産を目的別に整理し、安全性・流動性・成長性という3つの性質に分類したうえで、資金の置き方を提案する設計になっています。
必要保障額の算出にとどまらず、提案ストーリーの構築(思考の型)に踏み込んでいる点が特徴です。募集人ごとにばらつきがちな提案の進め方を型として共有できるため、面談を短時間で整理して組み立てる使い方に向きます。開発者自身による月1回のロールプレイング・ノウハウ共有会(無料)も付帯します。
料金は初期費用0円、月額3,300円(税込。年払は年額36,300円)で、初月無料・最低利用期間なしで始められます。代理店単位だけでなく募集人個人での契約にも対応し、必要に応じて別体系のコンサルティングサポート(月2時間まで22,000円など)も選べます。
必要保障額の計算より提案ストーリーの構築を重視する設計の背景について、開発を担ったSBIインシュアランスラボの森氏は、独自インタビューで次のように述べています。

保険会社が開発したライフプランソフトには、高機能で緻密に作り込まれたものも数多くあります。しかし、100歳までの収支をグラフ化して提示されても、お客様にとっては「それで、どうすれば良いのか」が分かりづらく、行動につながらないケースも少なくありません。「Pocket FP Pro」では、“いつまでに・何のために・いくら貯める必要があるのか”、そして“そのための原資が現在いくらあり、今後毎年どれだけ積み立てられるのか”というポイントを、シンプルな画面で直感的に共有できるよう設計しています。
8. みらい予報図(HAREL株式会社)

保険代理店を営むHAREL株式会社が、自社の募集業務のノウハウをもとに開発した対面提案用のライフプランニングソフトです。「3分から作れる」を掲げ、家族構成・収入・生活費・住居プラン・貯蓄など十数項目程度(生存ケースは主要6項目)の入力で、家計の収支バランスや必要保障額を診断できます。
診断結果は晴れ・曇り・雨の天気マークで3段階に可視化され、入力値を変えるとグラフがその場で変化します。タブレットやPCで顧客と対面しながら数値を動かして提示するスタイルを想定した、クラウド型のツールです。金融知識のない顧客にも家計の余裕度を示しながら提案を進められます。
料金体系は公式サイトで公開されておらず、初期費用・月額・アカウント単価は要お問い合わせです。利用者アカウント単位のサブスクリプション型で提供され、保険代理店のほか住宅販売会社・不動産仲介会社・FPを対象としています。アカウント単位の料金のため、問い合わせの際は想定する利用人数を伝えると見積もりを得やすくなります。
無料・低コストで始められる汎用ソフト
最後に、無料・低コストで始められる3本を紹介します。無料の範囲や有料プランでできること、提案業務でどこまで使えるかの違いに注目してください。
9. Financial Teacher System(株式会社ファイナンシャルティーチャー)

株式会社ファイナンシャルティーチャーが運営する、ブラウザから使えるクラウド型のライフプランシミュレーションソフトです。年収・家族構成・支出などを入力するとキャッシュフロー表と資産推移グラフを自動生成し、PC・スマートフォン・タブレットのいずれからも利用できます。
個人ユーザーは基本機能を無料で使え、FP向けには複数顧客管理や詳細シミュレーション、レポート出力を加えた有料プランを別建てで用意しています。有料プランはシルバーが年額15,840円、ゴールドが年額23,760円で、低コストで提案業務向けの機能を追加できる料金帯です。
レポートはPDF・Excelで出力でき、住宅ローンや教育費、老後資金、必要保障額の試算を標準で備えます。一方、提案書への自社ロゴ反映など代理店向けのブランディング対応は公式サイトで明確な記載が確認できないため、組織導入で必要な場合は提供元へ確認することをおすすめします。
10. FP-UNIV(株式会社FP-UNIV)

キャッシュフローを年単位ではなく月単位で計算する設計を特徴に掲げる、株式会社FP-UNIVのクラウド型ライフプランソフトです。年間では黒字でも月次で資金が不足するケースを検出できるとしており、税制・社会保障制度に基づく計算ロジックを採用しています。
料金は月額課金で、無料プランのほかポケット2,200円、プロ5,500円、ビジネス19,800円(いずれも税込)を用意しています。提案書のPDF出力や顧客管理はプロプラン(月額5,500円)以上で利用でき、複数担当者を抱える代理店向けの社員アカウント・会社設定はビジネスプランで対応します。
FPと相談者が同時に入力できるアドバイザー機能や、相談者が会員登録不要でワンタイムパスワードから閲覧できるプラン共有機能を備えます。新規登録から14日間は全プランを無料で試せるため、低コストで提案業務への適合を確かめてから有料プランへ移行する進め方ができます。
11. ライフプランソフト「順風満帆」(ファイナンシャルプランナー事務所 FP EYE)

ファイナンシャルプランナー事務所 FP EYE(代表・澤田朗氏)が開発・販売する、Microsoft Excel ベースのライフプランニングソフトです。家族構成・年齢・収入・支出を入力すると、現在から60年間分のキャッシュフロー表とグラフを作成できます。
クラウド型のような月額課金はなく、2026年度版 Ver21.00 の新規購入価格は33,000円(税込)の買い切りで、旧版からのバージョンアップは16,500円〜22,000円(税込)です。個人向けには機能を絞った無料版も公開されています。
ソフト本体のExcelファイルはセルが保護されておらず、関数やレイアウト、入力項目を購入者側で自由に編集し、自社仕様のツールにカスタマイズできます。住宅ローンの繰上返済や教育費、遺族年金、必要保障額の試算を備え、初期費用を抑えて導入したい個人FP・小規模事務所の入り口になります。
まとめ
ライフプランソフトは、FP・保険募集人・代理店が顧客提案の質と効率を高めるための業務ツールです。消費者向けの無料試算ツールとは異なり、提案書出力や顧客との共有、保険設計との連携といった業務機能を備えている点が、提案の現場で選ぶ際の分かれ目になります。
選定にあたっては、作成スピードと面談での見せ方、保険設計・保障額との連携、料金体系と複数人での利用、税制対応やクラウド共有といった軸を、自社の提案スタイルに当てはめて確認することが大切です。詳細な試算を重ねる相談業務なら本格提案向けを、対面で素早く提示したいなら営業提案向けを、まず低コストで試したいなら無料・低コスト型を軸に検討するとよいでしょう。
本記事の比較表とサービス個別紹介を、自社に合うライフプランソフトを絞り込む材料としてご活用ください。気になったソフトは、資料請求や問い合わせで機能・料金の詳細を確認したうえで導入を判断してください。
ライフプランソフトに関するよくある質問(FAQ)
Q. ライフプランソフトとは何ですか?
A. ライフプランソフトとは、収入・支出・家族構成・保有資産などをもとに、将来のキャッシュフロー表や教育・住宅・老後資金の必要額を自動で算出する業務用ソフトです。FP・保険募集人・IFA・保険代理店が顧客提案の場で使うことを想定しており、提案書の出力、複数シナリオの比較、顧客との共有といった提案支援の機能を備えている点が特徴です。
数字にもとづいた説得力のあるライフプランを、短時間で顧客に提示できます。
Q. ライフプランソフトは無料で使えますか?無料版ではどこまでできますか?
A. 無料プランや無料版を備えたライフプランソフトはあり、キャッシュフロー表や資産推移の基本的な試算までは無料でも行えるものが多くあります。ただし、提案書のPDF出力、複数顧客の管理、代理店向けのブランディング対応といった提案業務向けの機能は、有料プランに分かれていることが一般的です。
無料プランを備えたクラウド型や、無料版のあるExcelベース型があり、基本的な試算までは無料で行えるものがあります。提案業務で必要な機能がどの価格帯で使えるかを、導入前に確認しておくとよいでしょう。
Q. ライフプランソフトは消費者向けの無料シミュレーターと何が違いますか?
A. ライフプランソフトは、FP・募集人が顧客に代わって条件を細かく設定し、提案書として出力・共有することを前提にしている点が、消費者向けの無料シミュレーターとの最大の違いです。金融庁や証券会社が提供する試算ツールは、個人が自分の家計を大まかに確認するためのもので、提案書としての出力や募集人による代理入力、複数シナリオの比較といった業務用途は想定していません。
顧客提案の場で使うのであれば、こうした業務機能を備えた提案支援ソフトを選ぶ必要があります。
Q. ライフプランソフトで必要保障額の算出や保険設計まで連携できますか?
A. 多くのライフプランソフトは必要保障額の算出に対応しており、世帯の支出・公的年金・遺族年金などを踏まえた不足額を試算して、保険提案の根拠として示せます。ただし、そこから保険設計そのものにどこまで踏み込めるかは製品によって差があります。
保険募集人の営業提案を主軸にするなら保障設計への連携が強いソフトを、資産形成を含む総合的な相談を主軸にするならキャッシュフローの精度やシナリオ比較の柔軟性を、といったように、自社の提案スタイルに合わせて重視する連携機能を見極めるとよいでしょう。
Q. ライフプランソフトは法人・複数人で利用できますか?個人契約とどちらを選ぶべきですか?
A. ライフプランソフトには、個人単位で契約するプランと、法人で複数アカウントを一括管理できるプランがあり、利用人数や運用体制によって選び分けます。個人のFPや少人数であれば個別利用プランで十分ですが、複数の募集人を抱える代理店では、作成したライフプランを募集人間で共有できるか、管理者がアカウントを一元管理できるかが運用のしやすさを左右します。
法人向けプランは人数規模に応じた料金体系や初期費用が設定されていることが多いため、想定する利用人数を踏まえて契約形態を確認してください。
Q. ライフプランソフトの料金相場はどのくらいですか?
A. ライフプランソフトの料金は、無料プランから、月額数千円程度のクラウド型、年額・買い切りで数万円程度のインストール型まで幅があります。一般に、クラウド型は月額課金でスモールスタートしやすく、インストール型は年度版を買い切って毎年更新する形が多く見られます。
法人一括で利用する場合は、人数規模に応じた料金や初期費用が加わることもあります。なかには料金を問い合わせ制としている製品もあるため、正確な費用は各社へ確認するのが確実です。
Q. Excelでの手作業とライフプランソフトはどう違いますか?
A. 最大の違いは、面談の場で条件を変えて即座に再計算し、その結果を顧客に見せられるかどうかです。Excelのテンプレートでもライフプラン表の作成自体はできますが、入力項目が増えるほど計算式の管理が煩雑になり、面談中に前提を変えて再計算するのは困難です。
専用ソフトは定型フォームへの入力だけでキャッシュフロー表やグラフを自動生成し、提案書の出力や顧客との共有まで一貫して行えるため、作成負担と面談での即応性を大きく改善できます。Excelベースで動作しつつ、計算ロジックや帳票を作り込んだ製品もあります。
ライフプランソフトの料金・機能を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、掲載中のライフプランソフトの資料を無料でまとめてダウンロードできます。掲載サービスの料金体系や機能を横断的に確認でき、そのほかのソフトも各社の公式サイトから詳細を確認できますので、比較検討の材料としてぜひご活用ください。
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