自社で保有する暗号資産を、株式の配当のように運用益を生む資産へ動かせないか。近年はそうした選択肢が広がっています。ビットコインやイーサリアムをバランスシートに載せる事業会社、暗号資産交換業者、金融機関にとって、眠っている暗号資産をステーキングや貸暗号資産(レンディング)で運用に回すことは、保有資産の収益化につながる選択肢です。
ただし、預け先を利回り(年率)の高さだけで選ぶと、事業者の信用リスクや規制上のグレーな部分を見落としかねません。保有資産を預けたまま運用するのか、事業者に貸し出すのか、運用そのものを委託するのかによって、契約の性質も、価格変動を負う主体も、倒産時に資産が戻るかどうかも変わるからです。
本記事では、主要なステーキング・貸暗号資産サービスを3つの預け方のタイプに分けて比較・解説します。年率と対応銘柄に加えて、消費貸借・受託運用・取引所機能という契約スキームの違い、事業者の信用リスクや分別管理の有無、法人が利用する際の必要書類・審査・最低数量まで、預け先の選定に必要な観点を整理しました。自社の状況に合ったサービスを見極めるための検討材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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ステーキングと貸暗号資産とは|法人の預け先という視点で整理
ここでは、比較の土台として、報酬がどのように生まれるかと、暗号資産の預け方が大きく3つに分かれることを確認します。
ステーキングは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS、保有量に応じてブロックチェーンの合意形成に参加する仕組み)を採用する暗号資産で用いられます。保有者が暗号資産を預けてネットワークの検証作業に参加し、その対価として報酬を受け取る仕組みです。ビットコインのようにプルーフ・オブ・ワーク(PoW、計算競争で合意形成する仕組み)で動く暗号資産はステーキングの対象になりません。
一方の貸暗号資産(レンディング)は、保有する暗号資産を事業者に貸し出し、その対価として貸借料を受け取る仕組みで、報酬の生まれ方が異なります。
法人が「どこに預けるか」を考えるとき、選択肢は報酬の名称よりも預け方の違いで整理すると分かりやすくなります。暗号資産を取引所の口座に保有したまま報酬を得るのか、事業者に貸し出して貸借料を得るのか、運用そのものを専門事業者に委託するのか。この3つは、契約の性質も、価格変動リスクを負う主体も、事業者が倒産したときに資産が戻るかどうかも異なります。次の章で、この3タイプを具体的に見ていきます。
ステーキングで報酬が生まれる仕組みや、イーサリアム・ソラナといった主要銘柄での具体的な稼ぎ方をもう一段掘り下げて知りたい方は、以下の記事で解説しています。
出典・参考資料(1件)
預け方で分かれる3タイプ(消費貸借型/受託運用型/取引所機能)
ここからは、法人が自社の状況で「どの預け方が自社に当てはまるか」を見極められるよう、契約スキーム別に3つのタイプへ整理します。
3タイプの概要
それぞれのタイプで、契約の性質・所有権の扱い・向いている法人が分かれます。まず全体像を一覧で示します。
| 貸暗号資産(消費貸借)で貸借料を受け取るタイプ | ステーキング運用を受託するタイプ(ノード運用・ノンカストディアル) | 取引所が自ら提供する(内蔵の)ステーキング・貸暗号資産機能タイプ | |
|---|---|---|---|
| 仕組み | 保有する暗号資産を事業者に貸し出し、同種同量の返還と貸借料を受け取ります。 | バリデータ運用やプロトコルへの参加を専門事業者が受託します。API・ダッシュボードで運用状況を確認できます。 | 取引所の口座で暗号資産を保有するだけで報酬を得られる、取引所内蔵の機能です。 |
| 所有権の扱い | 貸出期間中は所有権が事業者へ移転します。 | 預け手が保有したまま運用を委託します(ノンカストディアル方式)。 | 取引所の口座で保有したまま利用します(扱いは各社の規約によります)。 |
| 向いている法人 | 保有資産を貸し出して定期的な貸借料を得たい事業会社・交換業者 | 社内にバリデータ運用の専門人材がいないが、手間なく運用したい交換業者・金融機関・事業会社 | 取引所口座で保有しつつ手軽に報酬を得たい法人・個人 |
| 該当する主なサービス | HyperLending、デジタルアセットステーク | ステーキングサービス(Next Finance Tech) | SBI VCトレード、GMOコイン、Coincheck ほか |
※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の契約条件や提供形態については各社情報をご確認ください。
取引所ステーキング・貸暗号資産(消費貸借)・受託運用の仕組み・所有権移転の違い
3タイプの最も大きな違いは、預けた暗号資産の所有権が誰に帰属し、価格変動リスクを誰が負うかにあります。ここを押さえると、倒産時に資産が戻るかどうかという信用リスクの評価にもつながります。

取引所が自ら提供する(内蔵の)ステーキング・貸暗号資産機能は、取引所の口座に暗号資産を保有したまま報酬を得る形が中心です。銘柄を購入して保有していれば自動的に対象となる設計の取引所もあり、利用の手軽さが特徴です。報酬付与のサイクルやロックの有無、対象銘柄は取引所ごとに異なります。
貸暗号資産(消費貸借)は、保有する暗号資産を事業者へ貸し出す契約です。民法上の消費貸借にあたり、貸し出した暗号資産の所有権は事業者へ移転し、返還は同じ種類・数量で行われます。
消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
出典:民法 第587条|e-Gov法令検索
貸借料は特約に基づいて支払われます(民法第589条)。所有権が事業者に移るということは、事業者が倒産した場合に貸し手が同種同量の返還を求める債権者の立場になることを意味します。この点が、後述する信用リスクの評価で重要になります。
受託運用は、暗号資産の運用を専門事業者に委託する形です。バリデータの運用やプロトコルへの参加を代行し、預け手は保有したまま運用状況をダッシュボードなどで確認します。預け手が資産を保有したまま運用を任せられる点が、消費貸借との大きな違いです。なお、海外の事業者やDeFi(分散型金融)でも同様の運用手段は提供されていますが、国内で法人が利用しやすい形で提供されているサービスは限られます。
自社にどのタイプが適しているか判断が難しい場合は、以下の選定診断ツールもご活用ください。
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【比較表】ステーキング・貸暗号資産サービスを年率・対応銘柄・契約形態・信用リスク・法人対応で比較
ここからは、主要なステーキング・貸暗号資産サービスを横並びで比較します。年率と対応銘柄だけでなく、預け方の契約スキーム、最低数量・ロックや中途解約の条件、円建てでの受取可否、法人対応、暗号資産交換業の登録や分別管理の有無まで、預け先の選定に必要な観点をまとめました。年率は市場状況により変動するため、表内の数値は時点を添えた参考値です。
| サービス名 | HyperLending | デジタルアセットステーク | ステーキングサービス(Next Finance Tech) | SBI VCトレード | GMOコイン | Coincheck | bitbank | OKJ | CoinTrade |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 預け方・契約スキーム | 消費貸借(貸暗号資産) | 消費貸借(貸暗号資産) | 受託運用(ノンカストディアル/相対) | 取引所機能(ステーキング) | 取引所機能(ステーキング/貸暗号資産) | 取引所機能(ステーキング/貸暗号資産) | 取引所機能(ステーキング/貸して増やす) | 取引所機能(ステーキング) | 取引所機能(ステーキング) |
| 主な対応銘柄 | BTC・ETH・XRP・HYPE (法人向けはUSDT・USDCも) | ETHのみ | ETH・SOL・BTC(BTCはBabylon経由) | 16銘柄(ETH・SOL・ATOM ほか) | ステーキング6銘柄/貸暗号資産ベーシック22銘柄・プレミアム3銘柄 | ステーキングはETH(2025年10月時点)/貸暗号資産はBTC・ETH・XRP ほか | ステーキングはETH/貸して増やすは取扱の全通貨 | 12銘柄(SOL・ETH・ADA ほか) | CoinTrade Stake 約14銘柄(変動・公式で要確認) 現物は24種類 |
| 参考年率(時点明記・変動) | 最大10%(BTC/ETH/XRP、法人向け・期間別は個別案内)、HYPE最大4% (2026年8月時点・変動制) | 年率換算1.85% (2026年8月時点・月次更新の変動制) | 個別見積り(相対・要問い合わせ) 案件ごとの受託運用のため公式に年率の掲載はなく、チェーンの状況で変動 | ATOM 18.2%・ETH 2.3% など (2026年8月時点・変動制) | ステーキングは変動(報酬の最大28%を手数料控除) 貸暗号資産ベーシック0.05〜10%・プレミアム15%以上(募集ごとに変動) | ETH参考3.18%(2024年11月5日時点・ネットワーク全体平均、手数料控除前) 貸暗号資産は14日1%〜365日5%(期間別) | ETH参考2.83%・利回り参考1.78%(2025年12月31日時点のETH.STORE参照・変動) 貸して増やすは募集月ごとに0.1〜5.0% | SOL 2.28〜6.33%・ETH 1.80〜2.25% など (2026年9月11日時点・日次変動) | 銘柄により変動(目安・保証なし) 最新値は公式サイトで要確認 |
| 最低数量・ロック・中途解約 | 法人の最低預入は個別案内 定期型は満期まで返還不可、フレキシブル型は随時返還申請可 | 最低10 ETH(円建て受取は100 ETH〜) 最低保有期間経過後に引出し申請可(申請から5営業日で満期) | 個別見積り(案件ごとに設定) 最低数量・ロック・解約条件は要問い合わせ | 最低数量の上限・下限なし ロックなし(いつでも売却・出金可) | ステーキングは下限なし・ロックなし 貸暗号資産は貸出期間の拘束あり | ステーキングは引き出し自由 貸暗号資産は14〜365日の期間拘束 | ステーキングはロックなし 貸して増やすは1年固定・原則中途解約不可(例外時は解約手数料5%) | フレキシブル型はいつでも解除可(手数料なし) 定期型は満期前解除で中途解除手数料 | 100円相当から・ロックなし(複利自動) 解除申請後に待機期間が生じる場合あり(要確認) |
| 円建て受取 | × | △100 ETH以上で対応 | 個別見積り(要問い合わせ) | × | × | × | × | × | × |
| 法人対応 | ● | ● | ◎法人・機関投資家向けに特化 | ● | ●ステーキングは法人口座対応 | ●法人向けはCoincheck Prime | △法人口座開設は可、各サービスの法人可否は要確認 | △法人口座開設は可、ステーキングの法人可否は要確認 | △法人口座は株式会社・有限会社に限り可 |
| 暗号資産交換業登録・分別管理 | 交換業に非該当と同社が説明(金融庁登録一覧に記載なし) 分別管理の対象外 | 交換業に非該当と同社が説明 分別管理なし | 交換業登録は公表情報になし ノンカストディアル方式(顧客が資産を保有) | 関東財務局長 第00011号 ステーキングは分別管理の対象(貸暗号資産は対象外) | 関東財務局長 第00006号 ステーキングは分別管理の対象/貸暗号資産は対象外(公式明記) | 関東財務局長 第00014号 ステーキングは分別管理の対象/貸暗号資産は対象外(各社説明に基づく) | 関東財務局長 第00004号 ステーキングは分別管理の対象/貸して増やすは対象外(公式規約明記) | 関東財務局長 第00020号 100%コールドウォレットで分別管理(ステーキング中も対象) | 関東財務局長 第00025号 顧客資産を分別管理(ステーキング資産の扱いは要確認) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
各社が示す参考年率は、手数料控除前か控除後か、ネットワーク全体の平均か実際の受取率か、参照している時点はいつかといった測定基準がそれぞれ異なるため、数字をそのまま横並びで比べても正しい優劣にはなりません。最新の年率とその算定基準は、必ず各社の公式情報で確認してください。
※法人対応・円建て受取欄の記号は対応度合いの目安です(◎=法人・機関投資家向けに手厚く対応、●=法人対応あり、△=条件付き・一部対応で要確認、×=非対応または公式に明示なし)。
各サービスの詳細
比較表で気になったサービスについて、預け方のタイプごとに詳しく紹介します。契約スキーム・対応銘柄・法人での利用条件を確認し、資料請求の判断材料としてご覧ください。
貸暗号資産(消費貸借)で貸借料を受け取るタイプ
保有する暗号資産を事業者へ貸し出し、同種同量の返還と貸借料を受け取るタイプです。円建てでの受取に対応するサービスもあり、会計・税務の実務負担を抑えたい法人にとって選択肢となります。
1. HyperLending|法人向け暗号資産レンディングサービス(株式会社ICHIZEN HOLDINGS)

株式会社ICHIZEN HOLDINGSが2026年7月に開始した暗号資産レンディングサービスです。利用者が保有するBTC・ETH・XRP・HYPEを同社へ貸し出し、貸借料を同一通貨建てで毎月元本に組み入れて受け取ります。外部への再委託は行わず、同社の専門チームが直接運用するとしています。
対応銘柄はBTC・ETH・XRP・HYPEで、法人向けにはUSDT・USDCも加わります。Hyperliquidのトークン「HYPE」の貸出対応を、公式は同社調べで日本初と訴求しています。想定年率は変動制で、2026年8月時点ではBTC・ETH・XRPが最大10%、HYPEが最大4%とされています。
契約形態は暗号資産の消費貸借で、同社は暗号資産交換業には該当しないと解釈していると説明しています。ただしこれは当局の確認を伴う登録ではなく、金融庁の暗号資産交換業者一覧にも同社の記載はありません。預けた資産は分別管理の対象外で元本保証もなく、事業者の信用リスクを利用者が負う点に留意が必要です。
2. デジタルアセットステーク(Fintertech株式会社)

大和証券グループ本社とクレディセゾンの合弁会社であるFintertech株式会社が、2023年8月から提供する貸暗号資産サービスです。利用者がイーサリアム(ETH)を同社へ貸し出すと、同社が借り受けたETHでステーキングを行い、その収益の一部を貸借料として毎月還元する仕組みです。
対応通貨はETHのみで、最低貸出数量は10 ETH(追加は0.01 ETHから)です。貸借料はETH建てが標準ですが、100 ETH以上を貸し出す場合は日本円建てでの受取も選べます。貸借料率は月次更新の変動制で、2026年8月時点は年率換算1.85%とされています。
日本円建て受取を選べばETHを売却せずに定期的な円収入を得られ、簿価計算の手間を抑えられるため、会計・税務の負担を軽くしたい法人の選択肢になります。ただし本サービスは暗号資産交換業には該当しないと同社は説明しており、預けたETHは分別管理の対象外で元本保証もないため、倒産時の返還不履行など事業者の信用リスクは利用者が負います。
ステーキング運用を受託するタイプ(ノード運用・ノンカストディアル)
バリデータの運用やプロトコルへの参加を専門事業者が受託するタイプです。社内に運用の専門人材がいなくても、保有資産を預けたまま運用を任せられます。
3. ステーキングサービス(株式会社Next Finance Tech)

株式会社Next Finance Techは、日本を拠点とするノードオペレーターとして、暗号資産交換所・金融機関・事業会社などの法人向けにステーキングの受託運用を提供しています。対象通貨はETH(イーサリアム)・SOL(ソラナ)・BTC(ビットコイン)の3通貨で、預け手が資産を保有したまま運用を委託できるノンカストディアル方式を採用し、日本語ダッシュボードとAPI連携に対応します。
ETH・SOLではバリデーターノードを運用するネイティブステーキングを提供します。BTCについてはBitcoin向けステーキングプロトコル「Babylon」のファイナリティ・プロバイダーとして2024年12月から参画しており、PoSを前提とするステーキングをビットコインにも広げています。
2025年4月には、マネックスグループ傘下のCoincheck Group N.V.による完全子会社化が完了し、コインチェックグループの体制のもとで事業を展開しています。想定利回りはチェーンの状況により変動し公式に数値は公開されていないため、料金体系とあわせて個別の問い合わせで確認する形になります。
取引所が自ら提供する(内蔵の)ステーキング・貸暗号資産機能タイプ
取引所の口座で暗号資産を保有するだけで報酬を得られる、取引所内蔵の機能です。対応銘柄数や報酬付与のサイクル、ロックの有無は各社で異なります。
4. SBI VCトレード(SBI VCトレード株式会社)

SBIグループのSBI VCトレード株式会社が運営する、金融庁登録の暗号資産交換業者(関東財務局長 第00011号)の口座機能として提供されるステーキングです。対象銘柄を口座で保有すると自動的にステーキングの対象となり、保有するだけで報酬を受け取れます。個人だけでなく法人口座も対象と公式FAQに明記されています。
対応銘柄は16銘柄です(2026年8月時点)。年率は銘柄により異なり変動しますが、公式サイトにはATOM 18.2%、ETH 2.3%などが一例として掲載されています(いずれも2026年8月時点)。口座管理費・入出金手数料は無料で、最低数量の上限・下限も設けられていません。
ロックがなく、預けた銘柄はいつでも売却・出金できます。報酬は毎月付与されます。ステーキング対象資産は資金決済法上の分別管理の対象と公式サイトの比較表に明記されており(貸暗号資産は対象外)、流動性を保ちながら報酬を得たい法人の選択肢となります。
5. GMOコイン(GMOコイン株式会社)

ステーキングと貸暗号資産(レンディング)の両方を用意しているのがGMOコイン株式会社です。GMOインターネットグループに属する金融庁登録の暗号資産交換業者(関東財務局長 第00006号)で、保有目的に応じて2つの運用手段を選べます。
ステーキングの対応銘柄はETH・DOT・ATOM・ADA・SOL・ASTRの6銘柄です。年率は毎月変動し、公式は固定値を掲載せず、同社(GMOコイン)に配分された報酬の最大28%を手数料として差し引くと案内しています。ロックはなく、法人口座でも利用できると公式に明記され、ステーキング中の暗号資産は分別管理のうえコールドウォレットで保管されるとされています。
貸暗号資産は、22銘柄・年率0.05〜10%の「ベーシック」と、BTC・ETH・XRPの3銘柄で年率15%以上とされる「プレミアム」に分かれます。貸暗号資産は消費貸借契約であり分別管理の対象外で、GMOコインが破綻した場合に貸し出した暗号資産が返却されないリスクがあると公式に案内されています。
6. Coincheck(コインチェック株式会社)

コインチェック株式会社は、マネックスグループのCoincheck Group N.V.傘下にある金融庁登録の暗号資産交換業者(関東財務局長 第00014号)です。2025年1月に「Coincheck ステーキング」を開始し、あわせて暗号資産を貸し出して貸借料を得る貸暗号資産も提供しています。
ステーキングの対象銘柄は、2025年10月時点でETHのみです。参考として公式解説記事は、ネットワーク全体の過去1年間の平均としてETH 3.18%(2024年11月5日時点、手数料控除前)を挙げていますが、これは利用者の実受取率とは別の参考値です。ステーキングした資産は好きなタイミングで引き出せる仕組みとされています。
貸暗号資産は14日間 年率1%から365日間 年率5%まで、貸出期間に応じた年率が設定されています。
法人・機関投資家向けには、2025年3月に提供を開始した「Coincheck Prime」があり、アセットロック・大口OTC(店頭取引)・カストディの3機能を備えます。ステーキング対象資産は分別管理の対象、貸暗号資産は対象外と整理されるのが国内取引所の一般的な扱いとされ、破綻時に資産が全額返還されない可能性がある点は各社の説明に基づき確認が必要です。
7. bitbank(ビットバンク株式会社)

2026年8月25日にETHステーキングを開始したのが、暗号資産交換業の登録(関東財務局長 第00004号)を受けているビットバンク株式会社です。あわせて、暗号資産を1年間貸し出す「貸して増やす」(レンディング)も提供しています。
ステーキングはETHが対象で、報酬を毎週受け取れ、ロックがなくいつでも売却・出金できます。公式ブログの告知では、参考年率2.83%、同社手数料控除後のユーザー利回り参考値1.78%が示されています(いずれもETH.STOREの2025年12月31日時点の値を参照した参考値で、報酬は変動します)。
貸して増やすはbitbankが取り扱う全通貨に対応し、貸出期間は一律1年、年率は募集月ごとに0.1〜5.0%の範囲でbitbankが決定します。契約期間満了前の中途解約は原則できず、bitbankがやむを得ないと認めた場合のみ、貸出額に対し5%の解約手数料で例外的に解約できます。ステーキング対象資産は分別管理の対象、貸して増やした資産は分別管理・預金保険の対象外と公式規約に明記されています。
8. OKJ(OKコインジャパン株式会社)

ステーキングで12銘柄に対応するOKコインジャパン株式会社(サービス名「OKJ」)が、金融庁登録の暗号資産交換業者(関東財務局長 第00020号)として口座保有者向けに提供するステーキングです。報酬が毎日付与される点と、フレキシブル型・定期型を併用できる点が特徴です。
ステーキングの対象銘柄は、SOL・TRX・SEI・ADA・APT・ASTR・AVAX・ETH・IOST・QTUM・SUI・XTZの12銘柄です(2026年9月11日時点、公式サイト掲載)。年率は銘柄・プランにより異なる変動制で、同時点の一例としてSOLは2.28〜6.33%、ETHは1.80〜2.25%が掲載されています。報酬は毎日16:00以降に自動で付与されます。
定期型プランは満期完了前に解除すると中途解除手数料が発生し、フレキシブル型は手数料なしでいつでも解除できます。預かった暗号資産は100%コールドウォレットで分別管理し、ステーキング中の暗号資産も同様に分別管理の対象と公式サイトに記載されています。
9. CoinTrade(株式会社マーキュリー)

コイントレードことCoinTradeは、東証プライム上場の株式会社セレスの子会社である株式会社マーキュリーが運営するスマホ完結型の取引所です。2021年に暗号資産交換業の登録(関東財務局長 第00025号)を受け、ステーキングサービス「CoinTrade Stake」を提供しています。
CoinTrade Stakeはロック期間がなく、少額から預け入れられます。受け取った報酬を元本へ組み入れる複利運用が自動で適用され、解除するまで運用が続く仕組みです。年率は銘柄により異なる変動制で、公式も「記載年率は目安で、ネットワークの状況により上下する」と案内しているため、対応銘柄と最新の年率は公式サイトで確認してください。
法人口座は株式会社・有限会社に限り開設に対応していると公式サポートに記載があります。株式会社マーキュリーは金融庁登録の暗号資産交換業者であり、預けた資産は分別管理されると案内されていますが、ステーキング対象資産の扱いは各社の説明に基づき確認するのが確実です。
法人が預け先を選ぶ比較軸・選び方
ここからは、法人が預け先を選ぶ際の比較軸を、リターン・流動性・安全性・法人対応の4つの観点で整理します。自社が何を重視するかによって、優先する軸は変わります。
年率・対応銘柄で選ぶ(リターン面)
まず確認したいのは、自社が保有する銘柄に対応しているか、そしてその銘柄の年率がどの程度かです。年率は市場状況やネットワークの参加状況によって変動し、時点によって数値が変わります。各社が公表する年率は、手数料控除前か控除後か、実績値か想定値かといった表示基準が異なるため、単純な数字の大小だけでなく、同じ条件に揃えて比べることが重要です。
また、対応銘柄の幅も判断材料になります。イーサリアム(ETH)のように多くのサービスが対応する銘柄もあれば、特定のサービスしか扱わない銘柄もあります。自社が運用したい銘柄が対象に含まれているかを、年率と合わせて確認しておくことが重要です。
ロック・中途解約の条件で選ぶ(流動性)
運用中に暗号資産をいつでも動かせるかは、資金繰りや価格変動への対応に直結します。ロック期間が設定されているサービスでは、その間は売却や送金ができず、価格が下落しても機動的に手を引けません。反対にロックのないサービスや、中途解約に対応するサービスであれば、相場の変化に応じて運用を止める柔軟性が得られます。
解約を申し出てから資産が実際に戻るまでの期間や、途中解約時の貸借料・報酬の扱いも、サービスによって条件が分かれます。運用期間を固定できるか、途中で引き出す可能性があるかを自社の資金計画に照らして確認しておきましょう。
契約スキームと事業者の信用リスク・分別管理で選ぶ(安全性・規制上の位置づけ)
年率やロック条件に目が向きがちですが、法人の与信判断では契約スキームと事業者の信用リスクが重要な軸になります。消費貸借で暗号資産を貸し出す場合、所有権は事業者へ移り、預け手は返還を求める債権者の立場になります。事業者が倒産した場合、預けた暗号資産が全額戻る保証はありません。
そのため、事業者の資本背景やグループの信用力、預かった資産を自社資産と分けて管理する分別管理を行っているか、規制上どのような位置づけで事業を行っているかを、各社の説明に基づいて確認しておきましょう。これらは各社が公式資料で示している内容であり、稟議や与信確認にそのまま使えるよう、公式情報を確認したうえで比較することが望まれます。詳しくは後述の「預け先のリスクと規制上の位置づけ」で解説します。
法人対応で選ぶ(必要書類・審査・最低数量・大口対応)
個人向けの口座開設とは異なり、法人が利用する場合は、法人口座の開設可否、必要書類、審査の有無、最低数量、大口の資産を扱えるかといった条件を確認する必要があります。サービスによっては個人利用を主眼としており、法人での利用に対応していない場合もあります。
大口の資産を運用する場合は、専用の窓口や個別の条件交渉に応じるサービスもあります。大口運用に対応する取引所機能型では、法人・機関投資家向けに大口OTC(店頭取引)やカストディを備えた専用プランを用意する例があります。受託運用型では、案件ごとの個別見積りで法人・機関投資家向けに特化するサービスもあります。
具体的な社名と条件は、上記の比較表・診断・各サービス紹介で確認してください。自社の運用規模と社内手続きに合わせて、法人としての利用のしやすさも比較軸に加えておきましょう。
法人がステーキング・貸暗号資産で資産運用するメリット
ここでは、法人がステーキングや貸暗号資産で暗号資産を運用する意義を整理します。
最大の意義は、保有しているだけの暗号資産から運用益を得られる点にあります。売買による値上がり益を狙う場合と異なり、保有を続けながら報酬や貸借料という追加の収益機会を確保できます。バランスシートに暗号資産を計上している事業会社にとっては、眠っている資産を収益に結び付ける手段になります。
受託運用や取引所機能を使えば、社内にバリデータ運用の専門人材を抱えなくても運用を始められます。ノードの構築・監視・障害対応といった技術的な負担を事業者に任せられるため、専門部署を持たない法人でも参入しやすくなります。円建てでの受取に対応するサービスを選べば、報酬を暗号資産のまま受け取る場合に比べて、会計・税務の実務負担を抑えられる場合もあります。
預け先のリスクと規制上の位置づけ(価格変動・ロック・スラッシング・信用リスク・分別管理)
運用益の魅力の裏側で、預け先には次のようなリスクと、確認しておくべき規制上の位置づけがあります。ここでは、価格変動・ロック・スラッシング・事業者の信用リスク・規制上の扱いを順に整理します。
第一に、暗号資産そのものの価格変動リスクがあります。報酬や貸借料を得られても、預けている暗号資産の価格が下落すれば、運用益を上回る評価損が生じることがあります。ステーキングや貸暗号資産は元本が保証された預金ではなく、預金保険の対象でもありません。
第二に、ロックによる流動性リスクです。ロック期間中は売却や送金ができないため、価格が急変しても機動的に対応できません。運用期間と自社の資金計画が合っているかを確認する必要があります。
第三に、受託運用型やノード運用に関わるスラッシングのリスクがあります。スラッシングとは、バリデータが二重署名などの不正な挙動を行った場合に、預け入れたステークの一部が没収され、ネットワークから強制的に排除される仕組みです。イーサリアムの公式ドキュメントは次のように説明しています。
provable misbehavior, such as signing two conflicting blocks, results in slashing: part of the validator’s stake is destroyed and the validator is forcibly removed from the network
出典:Staking|Ethereum.org
スラッシングが発生した場合の損失を誰が負担するか、補償の仕組みがあるかについては、各社とも公式サイトでの明示が限定的です。受託運用やノード運用を検討する際は、この点を事業者へ直接確認しておくのが確実です。
第四に、事業者の信用リスクです。消費貸借で暗号資産を貸し出す場合、所有権は事業者へ移り、預け手は返還を求める債権者の立場になります。事業者が倒産すれば、預けた暗号資産が全額戻らない可能性があります。事業者が預かり資産を自社資産と分けて管理する分別管理を行っているか、その運用状況がどうなっているかは、各社の説明に基づいて確認します。
規制上の位置づけについては、事実関係を正確に押さえる必要があります。資金決済に関する法律(資金決済法)は、暗号資産交換業を次のように定義し、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行ってはならないと定めています。
この法律において「暗号資産交換業」とは、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいい、(略)一 暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換 二 前号に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理 三 その行う前二号に掲げる行為に関して、利用者の金銭の管理をすること。 四 他人のために暗号資産の管理をすること(当該管理を業として行うことにつき他の法律に特別の規定のある場合を除く。)。
出典:資金決済に関する法律 第2条|e-Gov法令検索
取引所各社は、この登録を受けた暗号資産交換業者として事業を行っています。一方、消費貸借による貸暗号資産や受託運用のサービスを提供する事業者の一部は、自社のサービスがこの暗号資産交換業には該当せず、分別管理義務の対象外であるとする解釈を示しています。
これは各社が示す自己の解釈であって、当局が非該当を認めたお墨付きとは異なります。該当・非該当の最終的な判断は当局の解釈に委ねられる領域であるため、各社の説明を伝聞として受け止め、規制上の位置づけと信用リスクを自社で見極めることが重要です。
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運用益にかかる税務・会計の要点(雑所得・円建て受取・簿価)
ここでは、運用益にかかる税務・会計の要点を、個人と法人で書き分けて整理します。詳細な税額計算は専門家への確認が前提となるため、本記事では要点にとどめます。
まず共通する扱いとして、ステーキング報酬や貸暗号資産の貸借料など、暗号資産を取得したときは、その取得時点の時価が収入として計上されます。国税庁のFAQは次のように示しています。
いわゆる「マイニング」、「ステーキング」、「レンディング」など(以下「マイニング等」といいます。)により暗号資産を取得した場合、その取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)については所得の金額の計算上総収入金額(法人税においては益金の額)に算入され、マイニング等に要した費用については所得の金額の計算上必要経費(法人税においては損金の額)に算入されることになります。
出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)|国税庁(令和7年12月26日)
個人の場合、暗号資産取引により生じた損益は、原則として雑所得(その他雑所得)に区分されます。保有する暗号資産の取得価額は、総平均法または移動平均法による簿価で管理します。なお、給与所得者については、一般に雑所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要とされていますが、これは確定申告の一般的なルールに基づく扱いです。
法人の場合は、個人とは扱いが異なります。活発な市場が存在する暗号資産を事業年度末に保有している場合、期末時価評価の対象となります。
法人が事業年度終了の時において有する暗号資産のうち次のものについては、時価法により評価した金額をもってその時における評価額とする必要があります。(略)その評価額と帳簿価額との差額(本問において「評価損益」といいます。)は、その事業年度の益金の額又は損金の額に算入する必要があります。
出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)|国税庁(令和7年12月26日)
この扱いは、ステーキングのためにロックした暗号資産や、消費貸借で貸し付けた暗号資産にも及びます。国税庁のFAQは、これらの場合も価格変動リスクを負う者が自己の計算において暗号資産を有すると整理しており、貸し付けた側の法人にとっては、預けている間も自社資産として期末時価評価が続く点に注意が必要です。
また、暗号資産の貸付けにおける貸借料(利用料)は消費税の課税対象とされています(消費税法別表第二の非課税取引に該当しないため)。円建てで受け取れるサービスを選ぶと、報酬を暗号資産のまま受け取る場合に比べて、会計処理や損益の把握が簡素になる場合があります。
報酬の取得時価の記録や期末の時価評価、複数取引所にまたがる損益計算は、手作業では負担が大きくなりがちです。取引所連携や料金、法人対応で選ぶ暗号資産の税金計算ツールについては、以下の記事で比較しています。
法人が利用を始めるまでの流れ(資料請求・審査・必要書類・最低数量)
ここでは、法人がステーキングや貸暗号資産の利用を始めるまでの実務の流れを整理します。個人の口座開設とは手順が異なり、社内での検討や書類の準備に一定の時間がかかります。

まず、比較表や診断ツールで候補を絞り込み、各サービスの資料を取り寄せて契約スキーム・年率・法人対応の条件を確認します。次に、社内で稟議や与信確認を行うため、事業者の資本背景・分別管理の状況・規制上の位置づけといった情報を整理します。この段階で、事業者へ問い合わせて疑問点を確認しておくと、社内手続きが円滑に進みます。
利用の申し込みでは、法人の登記事項証明書や本人確認書類、実質的支配者に関する書類などの提出を求められるのが一般的です。事業者による審査を経て、最低数量やロック条件を確認したうえで、暗号資産を預け入れて運用を開始します。
大口の運用を予定する場合は、個別の条件について事業者と相談できるサービスもあります。必要書類や審査の基準はサービスごとに異なるため、資料請求や問い合わせの段階で確認しておくとよいでしょう。
まとめ
本記事では、主要なステーキング・貸暗号資産サービスを3つの預け方のタイプに分けて比較し、選び方・リスク・税務の要点を整理しました。
預け先の選定では、年率の高さだけでなく、契約スキーム・事業者の信用リスク・分別管理の有無・法人対応まで含めて総合的に判断することが重要です。
保有資産を貸し出して貸借料を得たいなら消費貸借のタイプ、社内に運用の専門人材がいなくても運用を任せたいなら受託運用のタイプ、取引所口座で手軽に報酬を得たいなら取引所機能のタイプが、それぞれの状況に合った選択肢となります。自社が重視する軸を明確にしたうえで、各サービスの公式資料(公式サイト・利用規約・プレスリリース)を確認して比較を進めてください。
MCB FinTechカタログでは、これらのステーキング・貸暗号資産サービスの詳細な資料を無料で請求できます。ぜひ各社の資料をご覧になって、自社に合った預け先の比較検討を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. ステーキングとは何ですか?
A. ステーキングとは、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用する暗号資産を預けてブロックチェーンの合意形成に参加し、その対価として報酬を受け取る仕組みです。銀行預金の利息や株式の配当に例えられることもありますが、元本が保証された預金ではなく、預けた暗号資産の価格変動リスクは預け手が負います。ビットコインのようにプルーフ・オブ・ワークで動く暗号資産は対象になりません。
Q. ステーキングと貸暗号資産(レンディング)の違いは何ですか?
A. 両者の違いは報酬の生まれ方にあり、ステーキングはブロックチェーンの合意形成に参加して報酬を得る仕組み、貸暗号資産(レンディング)は暗号資産を事業者に貸し出して貸借料を得る仕組みです。貸暗号資産は民法上の消費貸借にあたり、貸出期間中は暗号資産の所有権が事業者へ移る点も、保有したまま参加するステーキングとの違いです。
Q. 消費貸借型と受託運用型では、法人にとって何が違いますか?
A. 最も大きな違いは所有権の扱いで、消費貸借型は暗号資産の所有権が事業者へ移転するのに対し、受託運用型(ノンカストディアル)は預け手が資産を保有したまま運用だけを委託します。所有権が移る消費貸借型では、事業者が倒産した際に同種同量の返還を求める債権者の立場になります。受託運用型は保有を維持したままバリデータ運用などを任せられるため、社内に専門人材がいない法人でも運用を始めやすい形です。
Q. ステーキングや貸暗号資産の年率(利回り)はどのくらいですか?
A. 年率は銘柄・サービス・時期によって幅があり、市場やネットワークの状況に応じて変動するため固定値ではありません。各社が示す年率は、手数料控除前か控除後か、実績値か想定値かといった表示基準が異なるため、数字の大小だけで比べず、同じ条件に揃えて確認することが重要です。最新の年率と参照時点は各サービスの公式情報で確認してください。
Q. ステーキング・貸暗号資産は元本保証されますか?
A. 元本保証はなく、預金保険の対象でもありません。報酬や貸借料を得られても、預けている暗号資産の価格が下落すれば運用益を上回る評価損が生じることがあります。加えて消費貸借型では事業者の信用リスクも負うため、元本が確実に戻る前提では選べません。
Q. 事業者が倒産した場合、預けた暗号資産は返ってきますか?
A. 消費貸借で暗号資産を貸し出している場合、所有権は事業者へ移っているため、倒産時に預けた暗号資産が全額戻る保証はありません。貸し手は同種同量の返還を求める債権者の立場になります。事業者の資本背景やグループの信用力、分別管理の有無を、各社が公式資料で示す内容に基づいて事前に確認することが重要です。
Q. 分別管理とは何ですか?預けた暗号資産は分別管理されますか?
A. 分別管理とは事業者が預かった資産を自社の資産と分けて管理することで、これにより事業者が破綻しても顧客資産が保全されやすくなります。資金決済法は、暗号資産交換業者に対し、利用者の金銭・暗号資産を自己の財産と分別して管理する義務を定めています(同法第63条の11)。一方、消費貸借による貸暗号資産は、この分別管理の対象外と整理されるのが一般的です。
同じ取引所でも、ステーキング対象資産は分別管理の対象、貸暗号資産は対象外と整理されることが多いため、サービスごとに各社の説明を確認してください。
Q. 暗号資産交換業の登録を受けていることには、どんな意味がありますか?
A. 暗号資産交換業の登録は、資金決済法に基づき内閣総理大臣(金融庁・財務局)の登録を受けた事業者であることを示し、分別管理などの規制の下で事業を行っていることを意味します。一方、消費貸借による貸暗号資産や受託運用を提供する事業者の一部は、自社のサービスは暗号資産交換業に該当しないと解釈していると説明しています。
これは各社の自己解釈であって当局が非該当を認めたお墨付きとは異なるため、規制上の位置づけは伝聞として受け止め、自社で見極める必要があります。
Q. 運用中に暗号資産をいつでも引き出せますか?最低数量やロックはありますか?
A. 引き出しの可否はサービスによって分かれ、ロックのない商品ならいつでも売却・出金でき、ロックや貸出期間が設定された商品では満期まで動かせないか、中途解約に手数料がかかります。最低数量も、少額から預けられるサービスもあれば、まとまった数量を求めるサービスもあります。運用期間と最低数量を自社の資金計画に照らして確認してください。
Q. ステーキングや貸暗号資産の報酬を日本円建てで受け取れますか?
A. 暗号資産建てでの受取が標準ですが、一部のサービスでは日本円建てでの受取に対応しています。円建てで受け取れば、暗号資産を売却せずに定期的な円収入を得られ、簿価計算などの会計・税務の負担を抑えられる場合があります。ただし円建て受取には最低数量などの条件が付くことがあるため、対応可否と条件を各社に確認してください。
Q. ステーキング報酬や貸借料には、法人と個人で税金の扱いが違いますか?
A. 個人は原則として雑所得として課税されるのに対し、法人は活発な市場のある暗号資産を期末に保有していると期末時価評価の対象となり、扱いが異なります。いずれも報酬や貸借料を取得した時点の時価が収入(法人は益金)に算入されます。
法人では、ステーキングでロックした暗号資産や消費貸借で貸し付けた暗号資産も、価格変動リスクを負う自社の資産として期末時価評価が続く点に注意が必要です。具体的な計算は税理士など専門家に確認してください。
Q. ビットコイン(BTC)はステーキングできますか?
A. ビットコインはプルーフ・オブ・ワークで動くため、従来のステーキングの対象にはなりません。ただし近年は、Babylonのようにビットコインを用いたステーキングを可能にするプロトコルが登場しており、これに対応する受託運用サービスを通じてBTCで報酬を得る形も広がりつつあります。対応可否はサービスごとに異なるため確認が必要です。
Q. 法人がステーキング・貸暗号資産を利用するには、どんな書類や手続きが必要ですか?
A. 法人利用では、登記事項証明書・本人確認書類・実質的支配者に関する書類などの提出と、事業者による審査が求められるのが一般的です。個人の口座開設よりも準備や社内の稟議・与信確認に時間がかかります。サービスによっては法人利用に対応していない場合や、開設できる法人格が限られる場合もあるため、資料請求や問い合わせの段階で法人対応の可否と必要書類を確認しておくとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















