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暗号資産(仮想通貨)レンディングとは?金利比較・リスク・税金と安全な選び方を解説

暗号資産レンディング

保有しているビットコインやイーサリアムを、売らずに預けるだけで利息が得られる。それが暗号資産(仮想通貨)レンディングです。銀行預金の金利が年0.1〜0.3%程度にとどまるなか、暗号資産レンディングでは取引所が提供するサービスから、年率10%を超える専業サービスまで幅があり、資産運用の選択肢として比較されることが増えています。

一方で、「年率10%超」という数字の裏側には、事業者の破綻時に預けた資産が戻らないリスクや、途中解約ができない制約もあります。高い利回りを掲げるサービスほど、暗号資産交換業の登録を受けていない事業者が多いという実態もあり、金利の高さだけで選ぶと思わぬ落とし穴にはまりかねません。

本記事では、暗号資産レンディングの仕組みとステーキングとの違いから、主要サービスの金利一覧比較、そして「登録・資産保全」という安全性の観点まで整理します。年率と安全性を同じ一覧で見比べ、自社・自身のリスク許容度に合ったサービスを選ぶための判断材料を整理しました。利益にかかる税金や確定申告の要否まで確認できます。

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暗号資産レンディングとは?ステーキングとの違い

ここからは、暗号資産レンディングの基本的な仕組みと、混同されやすいステーキングとの違いを解説します。

暗号資産レンディングは、保有する暗号資産を事業者に一定期間貸し出し、その対価として貸借料(利息)を受け取る運用方法です。法的には「消費貸借契約」にあたり、貸し出した暗号資産と同じ種類・同じ数量の暗号資産が、契約期間の満了後に利息とともに返還される仕組みになっています。「貸暗号資産」「貸コイン」などの名称で呼ばれることもあります。

暗号資産レンディングの仕組み(貸暗号資産・貸借料)

ユーザーが暗号資産取引所やレンディング事業者に暗号資産を預けると、事業者はそれを暗号資産を借りたい他の投資家や企業に貸し出し、そこで得た利息の一部を貸し手であるユーザーに還元します。ユーザー側は保有する暗号資産を預けるだけで、あとは満期に利息を受け取れるため、頻繁な売買を必要としない運用手段として使われます。

貸借料(年率)は、市場の需給や事業者の方針によって変動します。貸出期間はサービスや契約によって異なり、数日から1年間、無期限まで幅がありますが、いずれの場合も貸出期間中は資産がロックされ、原則として途中で引き出せない点に注意が必要です。ビットコインのように、ステーキングの対象にならない暗号資産でも、レンディングであれば利息を得られるのが特徴です。

ステーキングとの違い

暗号資産を保有したまま利益を得る方法には、レンディングのほかにステーキングがあります。両者は「預けて増やす」点が似ていますが、仕組みも対象銘柄も異なります。

項目レンディングステーキング
仕組み暗号資産を事業者に貸し出し、貸借料(利息)を得る(消費貸借)PoS(プルーフ・オブ・ステーク)のブロックチェーンに資産を預け、ネットワークの運用に参加して報酬を得る
対象暗号資産ビットコインを含め、事業者が対応する幅広い銘柄PoSを採用する銘柄のみ(イーサリアム、ソラナなど)
利回りの傾向需給や事業者により変動。専業型では高くなりやすいネットワークの報酬設計に依存し、比較的安定しやすい
主なリスク価格変動に加え、事業者の破綻など貸出先の信用リスク(カウンターパーティリスク)主に価格変動。取引所を介する場合は事業者の信用リスクも残る

ビットコインはPoSを採用していないためステーキングの対象になりません。ビットコインを保有したまま利息を得たい場合、レンディングが選択肢になります。ステーキングの仕組みや、イーサリアム・ソラナといったPoS銘柄での具体的な始め方・利回りの目安は、次の記事で詳しく解説しています。

暗号資産レンディングのメリット

ここからは、暗号資産レンディングを利用する主なメリットを整理します。

最大のメリットは、保有する暗号資産を売らずに利息を得られることです。長期保有(ガチホ)を前提にしている場合、価格上昇を待つ間も資産を眠らせず、貸借料という形で収益を積み上げられます。値上がり益(キャピタルゲイン)とは別に、利息収入(インカムゲイン)を狙える点が特徴です。

運用の手間が少ないことも利点です。一度預ければ満期まで自動的に貸借料が計算されるため、相場を見ながら頻繁に売買する必要がありません。サービスによっては最低数量が低く設定されており、少額から始められる場合もあります。

取引所型と専業型の違い(なぜ専業型は高金利なのか)

ここからは、サービスを見比べる前に押さえておきたい「取引所型」と「専業型」の違いを解説します。この違いが、後述する金利一覧表の「登録・資産保全」を読み解く鍵になります。

暗号資産レンディングのサービスは、提供する事業者の性格によって大きく2つに分けられます。1つは、暗号資産交換業の登録を受けた取引所が付随サービスとして提供する「取引所型」。もう1つは、暗号資産の貸付を主業とする「レンディング専業型」です。

取引所型は、コインチェックやGMOコイン、bitbank、SBI VCトレード、bitFlyerなど、金融庁への暗号資産交換業の登録を受けた事業者が提供します。年率はビットコインやイーサリアムなど主要な銘柄では数%にとどまることが多い一方、ステーブルコインや大口・プレミアム枠では二桁に届く募集もあります。

取引所型の相対的な安心感は「貸した資産そのものが守られる」ことではなく、運営主体が登録・規制のもとで資本や体制の要件を満たしているため、事業者が破綻する確率が相対的に低いと考えられる点にあります。

一方の専業型は、BitLendingやPBRレンディングなどが該当し、おおむね年率8〜15%程度の高い利回りを掲げるのが特徴です。

高金利を実現できる背景には、法規制上の位置づけの違いがあります。暗号資産の貸付(消費貸借)のみを行う事業は、資金決済に関する法律(資金決済法)上の「暗号資産交換業」に該当しないと整理されており、暗号資産交換業の登録を受ける必要がないためです。登録に伴う各種の規制や体制整備の負担が相対的に軽く、そのぶん高い利回りを提示しやすいという構図です。

このほか、大和証券グループ系のFintertechのように暗号資産交換業の登録はないものの大手金融グループが手がける事業者や、NEXOのように日本の登録を受けていない海外事業者もあります。次の比較表では、これらも「種別」として区別しています。

なお、これは2026年8月時点の現行制度にもとづく整理です。金融庁のワーキング・グループ報告(2025年12月10日)では、利用者保護の観点から、暗号資産のレンディング(事業者による借入れ)を金融商品取引法の規制対象とする方向が示されています。今後、登録や体制整備のルールが見直される可能性があります。

ただし、この「登録が不要」という点は、利用者保護の枠組みも及びにくいことの裏返しでもあります。次の比較表では、各サービスの年率だけでなく、暗号資産交換業の登録の有無や、預けた資産が分別管理の対象になるかどうかを同じ表で確認できるようにしています。

主な暗号資産レンディングサービスの金利一覧比較

ここからは、主要な暗号資産レンディングサービスを、最大年率・対応銘柄・貸出条件に加えて「登録・資産保全」の観点も含めて一覧で比較します。取引所型・専業型に加え、大手金融グループ系や海外事業者も含めて代表的なサービスを取り上げました。

年率は市況や募集回次によって変動します。以下は2026年8月時点で各社の公式情報から確認できた値であり、実際に貸し出す際は各サービスの最新の募集条件を必ず確認してください。

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サービス名Coincheck 貸暗号資産GMOコイン 貸暗号資産bitbank 暗号資産を貸して増やすSBI VCトレード 貸コインbitFlyer 定期貸しコインBitLendingPBRレンディングHashHub LendingスマートクリプトレンディングHyperLendingFintertech デジタルアセットステークNEXO
種別取引所型取引所型取引所型取引所型取引所型レンディング専業型レンディング専業型レンディング専業型レンディング専業型レンディング専業型大手金融グループ系海外事業者
最大年率最大5.0%(365日コース)ベーシック最大10%
プレミアムはさらに高い年率の募集あり
上限5.0%
(実勢は0.5〜2%程度)
変動制
(例: USDC 10%、大口優遇時はさらに高率)
回次変動
(第4回=最大2.20%)
USDT・USDC 10%
BTC・ETH 8%/XRP・SOL 7%
レギュラー10%/プレミアム12%
(固定・単利)
SOL 5.6%/USDC 4.0%
ETH 2.5%/BTC 0.1%(2026年8月時点)
スタンダード最大15%
(USDT/USDC・12ヶ月)
最大10%(BTC/ETH/XRP・定期365日)
VIP上限12%、HYPE最大4%
ETH 1.85%
(2026年8月・月次更新)
Flexible最大13%/Fixed最大15%
(ティア別・変動)
主な対応銘柄BTC・ETH・XRP等
(FLRを除く取扱銘柄)
22銘柄
(BTC・ETH・XRP等)
取扱銘柄から
募集月ごとに設定
32銘柄+USDC・JPYSCBTCのみBTC・ETH・XRP
SOL・USDT・USDC
BTC・ETH・XRP
ADA・USDT・USDC
BTC・ETH・USDC
XRP・SOL
BTC・ETH・ADA・TRX
XRP・USDT・USDC
BTC・ETH・XRP・HYPE
(法人はUSDT・USDC追加)
ETHのみBTC・ETH・USDT・USDC等
30銘柄以上
最低貸出数量1万円相当以上
(銘柄により変動)
BTC 0.1/ETH 0.05 など
(ベーシック)
募集月ごとに設定募集ごとに設定0.001 BTCBTC 0.0022/ETH 0.07 など約1万円相当〜BTC 0.001/ETH 1.0
USDC 5,000
BTC 0.003/ETH 0.15 など個人 BTC 0.005〜
法人は個別案内(目安3 BTC〜)
初回10 ETH以上
(円受取は100 ETH以上)
明確な下限は要確認
(残高条件あり)
貸出期間・途中解約14〜365日の5コース
途中解約不可
1〜3ヶ月(ベーシック)
貸出中は売却・送付不可
1年(365日)固定
原則途中解約不可(例外時は利息なし+5%)
7〜84日など募集ごと
原則中途解約不可
最大91〜182日(回次による)
原則途中解約不可
最短30日
30日経過後に返還申請可
レギュラー1ヶ月/プレミアム1年ロック
プレミアム中途解約は20%手数料
無期限
いつでも解約可・手数料0円
1〜12ヶ月満期(単利)
途中解約は原則不可
フレキシブル型は無期限
定期90・180・365日は満期まで返還不可
返還申請から5営業日で満期
貸出中は処分不可
Flexibleは随時引き出し可
Fixedは最長12ヶ月ロック
登録・資産保全暗号資産交換業 登録済(関東財務局長 第00014号)
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 登録済(関東財務局長 第00006号)
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 登録済(関東財務局長 第00004号)
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 登録済(関東財務局長 第00011号)
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 登録済(関東財務局長 第00003号)
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 未登録
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 未登録
自主的な分別管理はあるが信託保全なし・破綻時は返還されない可能性
暗号資産交換業 未登録
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 未登録
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業 未登録(同社は非該当と説明)
貸出中は分別管理の対象外
暗号資産交換業は未登録・第二種金融商品取引業の登録あり
貸出中は分別管理の対象外
日本の暗号資産交換業は未登録(海外事業者)
日本の保護制度の対象外
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式資料を見る公式資料を見る公式サイト

年率・登録番号は2026年8月時点で各社公式サイト等から確認できた値です。年率は市況・募集回次により変動するため、最新の募集条件は各サービスの公式ページで必ずご確認ください。暗号資産交換業の登録有無は金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」(令和8年8月21日現在)にもとづきます。

表の「登録・資産保全」列にあるとおり、取引所型・専業型のいずれも、貸し出している間の暗号資産は、暗号資産交換業者に義務づけられる分別管理の対象外になります。これは事業者が破綻した場合に資産が返還されない可能性があることを意味します(一部の専業事業者は自主的に分別管理を行っていますが、信託保全がなければ返還は保証されません)。

高い年率のサービスを選ぶ際ほど、この点をあわせて確認することが重要です。詳しくは後述の「リスクと注意点」で解説します。

MCB FinTechカタログで資料請求できるレンディングサービス

上記で紹介したサービスのうち、MCB FinTechカタログでは次の2社の資料を請求できます。いずれも法人での暗号資産運用を視野に入れたサービスですが、登録・資産保全の状況は下記のとおり異なるため、これまで見てきた安全性の観点とあわせて確認してください。

HyperLending(株式会社ICHIZEN HOLDINGS)は、企業が保有する暗号資産を預け入れて利息を得られる、法人向けを掲げた暗号資産レンディングサービスです。BTC・ETH・XRP・USDT・USDCで最大年率10%(VIPボーナス適用時の上限は12%、いずれも2026年8月時点・変動制)を提示し、Hyperliquidのネイティブトークン「HYPE」の貸出にも対応しています。

運用はICHIZEN HOLDINGSの自社運用体制で、外部への再委託は行わないとしています。なお同社は暗号資産交換業の登録を受けておらず、公式サイトに分別管理義務がない旨が明記されている点は、利用前に確認しておきたいポイントです。

HyperLendingのウェブサイト

Fintertech デジタルアセットステーク(消費貸借)は、大和証券グループ本社と株式会社クレディセゾンが出資するFintertech株式会社が提供する貸暗号資産サービスです。対象はイーサリアム(ETH)で、年率換算1.85%(2026年8月適用、月次更新)と控えめな水準ながら、日本円での利息受け取りを選べる点が特徴です。

同社は暗号資産交換業の登録は受けていませんが、第二種金融商品取引業・貸金業の登録を持つ大手金融グループ系の事業者です。本サービスも消費貸借契約であり、貸出中の暗号資産は分別管理の対象外となります。

Fintertech デジタルアセットステークのウェブサイト

暗号資産レンディングのリスクと注意点

ここからは、暗号資産レンディングを利用する前に理解しておきたいリスクと注意点を解説します。比較表の「登録・資産保全」列が持つ意味を、具体的に掘り下げます。

価格変動による元本割れリスク

暗号資産の価格は大きく変動します。貸出期間中に価格が下落すると、受け取る利息以上に預けた暗号資産の評価額が目減りし、円換算では元本割れになる可能性があります。年率だけを見て高利回りに見えても、価格変動のリスクは別に存在します。

貸出期間中は途中解約できないことが多い

多くのサービスでは、貸出期間中に資産がロックされ、自由に引き出せません。途中解約が認められる場合でも、その期間の利息が受け取れなかったり、解約手数料が差し引かれたりすることがあります。急な資金需要や、相場急変時に売却したい場面で動かせない可能性があるため、貸し出す数量と期間は余裕をもって決めることが大切です。

カウンターパーティリスク(事業者の破綻)と分別管理の対象外

最も理解しておきたいのが、貸出先の事業者が破綻した場合に、預けた暗号資産が返還されないおそれ(カウンターパーティリスク)です。暗号資産レンディングで貸し出している間の暗号資産は、消費貸借契約によって事業者に貸し出されているため、暗号資産交換業者に義務づけられる分別管理の対象外となります。

この点は、金融庁の金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」の報告(2025年12月10日)でも整理されています。報告は、投資家がレンディングで暗号資産を貸し出す取引を、事業者側から見た「暗号資産の借入れ」として次のように述べています。

こうしたビジネスでは、事業者(借主)が借り入れた暗号資産について、現行の暗号資産の管理に係る規制が及ばないことに加え、利用者(貸主)が事業者の信用リスク(スラッシング等の対象となるリスクを含む。)や暗号資産の価格変動リスクを負うことになると考えられる。

出典:金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」報告(2025年12月10日)|金融庁

ここでの「事業者(借主)」がレンディング事業者、「利用者(貸主)」が暗号資産を貸す投資家にあたります。同報告は、事業者が借り入れた暗号資産が分別管理や優先弁済の対象とならないことも明記しています。

暗号資産交換業者に分別管理を義務づけているのは資金決済に関する法律(資金決済法)第63条の11ですが、この義務は暗号資産交換業として預かる利用者の資産にかかるもので、消費貸借で貸し出した資産には及びません。

出典・参考資料(1件)

取引所型のサービスであっても、取引所に預けているだけの暗号資産は分別管理の対象となる一方、レンディングに出した暗号資産は消費貸借として扱われ、分別管理の対象から外れます。つまり「登録済みの取引所だから安心」と一概には言えず、レンディングに出した資産については、取引所型・専業型を問わず破綻時の返還が保証されないという共通のリスクがあります。

実際、海外では大手の暗号資産レンディング事業者であるBlockFiやCelsiusが2022年に相次いで経営破綻し、利用者が預けた資産の引き出しが制限される事態が起きました。事業者を選ぶ際は、年率の高さだけでなく、運営会社の実績や資産の管理体制、暗号資産交換業の登録の有無まで含めて総合的に判断することが重要です。

自分に合うサービスの選び方

ここからは、これまで見てきた年率と安全性を踏まえ、自分に合うサービスを選ぶための観点を整理します。

安全性を重視するか、利回りを重視するか

最初に決めたいのが、安全性と利回りのどちらを優先するかです。事業者の破綻リスクをできるだけ抑えたいなら、暗号資産交換業の登録を受けた取引所型のサービスが候補になります。主要銘柄の年率は控えめになりがちですが、運営主体が登録・規制のもとにあるぶん、事業者が破綻する確率は相対的に低いと考えられます。

破綻リスクをとくに重視するなら、登録を受けた大手取引所や、大和証券グループ系のFintertechのように資本背景のしっかりした事業者を軸に選ぶと無難です。柔軟に引き出したい場合は、途中解約に対応するサービスかどうかもあわせて確認しましょう。

逆に、リスクを理解したうえで高い利回りを狙うなら、年率8%以上を掲げる専業型が選択肢に入ります。どちらの場合も、レンディング中の資産は分別管理の対象外である点は共通するため、預ける金額は「最悪戻らなくても許容できる範囲」にとどめるのが現実的です。

貸したい銘柄・数量・期間に対応しているか

保有している銘柄がそのサービスの対象になっているか、最低貸出数量が自分の保有量に見合うか、貸出期間が資金計画に合うかを確認しましょう。ビットコインやイーサリアムは多くのサービスが対応しますが、アルトコインは対応状況に差があります。途中解約の可否や、募集が先着制か抽選制かも、実際に貸せるかどうかを左右します。

法人での運用に対応しているか

法人として暗号資産を保有し、その運用を検討する場合は、法人口座に対応しているかが重要な選定軸になります。個人向けを主とするサービスもあれば、法人向けプランを明確に用意しているサービスもあります。法人での利用では、税務・会計処理や社内の内部統制まで見据える必要があるため、法人対応の実績や、関連するツール・サポートの有無まで確認しておくと安心です。

暗号資産レンディングの利益と税金(確定申告)

ここからは、暗号資産レンディングで得た利益にかかる税金と、確定申告の要否について解説します。

暗号資産レンディングで受け取った貸借料(利息)は、原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になります。給与所得がある会社員の場合、暗号資産による所得を含む給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると、確定申告が必要になります。給与所得がない場合も、所得の合計が一定額を超えると申告が必要です。利息を受け取った時点の時価が所得として計算される点に注意が必要です。

国税庁は、レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、その取得した時点の時価を所得の金額の計算上の収入金額に算入するとしています。つまり、貸借料を暗号資産で受け取った時点の時価が、その年の所得として課税対象になります。

出典・参考資料(3件)

貸したらいくら増える?利益の計算例

具体的な数字で、利益と税金の関係を確認します。ここでは次の前提で計算します。

  • 年率:5%/貸出期間:1年間/貸出量:1BTC
  • 利息を受け取った時点のビットコイン価格:1BTC=2,000,000円(計算を分かりやすくするための仮の価格)

1BTCを年率5%で1年間貸し出すと、利息として0.05BTCを受け取れます。受け取った時点の価格が1BTC=2,000,000円なら、利息収入は日本円換算で100,000円(0.05BTC×2,000,000円)です。この100,000円が、その年の雑所得として総合課税の対象になります。

このとき、利息として受け取った0.05BTCの取得価額は、受け取った時点の時価と同じ100,000円になります。そのため、価格が変わらないうちにこの0.05BTCを売却しても、売却額100,000円と取得価額100,000円の差はゼロで、売却による追加の税金は発生しません。

ポイントは、利息を受け取った時点で、その時価が一度課税されることです。受け取ったあとにさらに値上がり・値下がりしてから売却した場合は、受取時からの差額だけが、その後の譲渡による所得(雑所得)または損失として計算されます。

取引所ごとの取引履歴を取り込んで損益を自動集計する税金計算ツールを使うと、こうした計算や確定申告の準備を効率化できます。対応取引所や料金、法人対応の有無で選ぶポイントは、次の記事で比較しています。

暗号資産レンディングの始め方

ここからは、暗号資産レンディングを始めるまでの基本的な手順を紹介します。

取引所型のサービスを利用する場合は、まず対象の取引所で口座を開設し、貸し出したい暗号資産を用意します。専業型のサービスでは、各社のサイトで会員登録を行い、指定されたウォレットへ暗号資産を送付して貸出を申し込みます。いずれの場合も、貸し出す銘柄・数量・期間を選び、募集条件(年率・募集期間・最低数量)を確認したうえで申し込む流れです。

申し込みが受け付けられると貸出が開始され、期間満了後に元本と利息が返還されます。募集が抽選制のサービスや、募集枠に上限があるサービスもあるため、希望どおりに貸せるとは限りません。まずは少額から試し、サービスの運用や返還の流れを確認してから本格的に活用するのが安全です。

まとめ

暗号資産レンディングは、保有する暗号資産を売らずに利息を得られる運用方法で、登録を受けた取引所が提供するサービスから、年率10%を超える専業サービスまで幅があります。ただし、高い利回りの専業型ほど暗号資産交換業の登録を受けていない事業者が多く、レンディング中の資産は取引所型・専業型を問わず分別管理の対象外である点は共通します。

サービスを選ぶ際は、年率の高さだけでなく、暗号資産交換業の登録の有無や資産保全の枠組み、対応銘柄、貸出期間、法人対応の可否まで含めて、自身のリスク許容度に合わせて判断することが大切です。利益が出た場合は雑所得として確定申告が必要になる場合がある点も、あわせて押さえておきましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. ステーキングと暗号資産レンディングはどちらがおすすめですか?

A. どちらが良いかは、保有している銘柄と重視する点によって異なります。ビットコインなどPoS以外の銘柄を保有していて、売らずに利息を得たいなら、対象銘柄の幅が広い暗号資産レンディングが向いています。

一方、イーサリアムやソラナなどPoS銘柄を、事業者の信用リスクをできるだけ抑えて運用したい場合はステーキングが選択肢になります。レンディングは貸出先の破綻など信用リスク(カウンターパーティリスク)を伴う点が、両者の大きな違いです。

Q. 暗号資産レンディング中の資産は分別管理の対象になりますか?

A. 暗号資産レンディングで貸し出している間の資産は、取引所型・専業型を問わず分別管理の対象外です。貸し出した暗号資産は消費貸借契約によって事業者に渡っているため、暗号資産交換業者に義務づけられる分別管理(資金決済法第63条の11)の対象から外れます。

そのため、事業者が破綻した場合には預けた資産が返還されない可能性があります。金融庁の金融審議会ワーキング・グループ報告(2025年12月10日)でも、レンディングで貸し出した暗号資産には現行の管理規制が及ばないと整理されています。

Q. 海外の暗号資産レンディング(NEXOなど)は使わない方がよいですか?

A. 海外事業者の暗号資産レンディングは、日本の暗号資産交換業の登録を受けておらず、日本の利用者保護制度の対象外となる点に注意が必要です。NEXOなどはFlexibleで最大13%、Fixedで最大15%といった高い年率を掲げますが、トラブルが起きても日本の法制度による保護を受けにくく、言語や税務処理の負担も大きくなります。

高い利回りの裏にあるリスクを十分に理解できない場合は、まず国内の登録事業者から検討するのが無難です。

Q. 暗号資産レンディングは途中解約できますか?

A. 多くのサービスでは貸出期間中に資産がロックされ、原則として途中解約はできません。解約が認められる場合でも、その期間の利息が受け取れなかったり、解約手数料が差し引かれたりすることがあります。一方で、HashHub Lendingのように無期限でいつでも解約できるサービスもあります。急な資金需要や相場急変時に動かせない可能性があるため、貸し出す数量と期間は余裕をもって決めることが大切です。

Q. 暗号資産レンディングの利益に税金はかかりますか?

A. 暗号資産レンディングで受け取った貸借料(利息)は、原則として雑所得に区分され、総合課税の対象になります。会社員などの給与所得者は、暗号資産による所得を含む給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要です。利息を暗号資産で受け取った場合は受け取った時点の時価が所得として計算され、さらにその暗号資産を売却すると売却益にも課税される二段階の課税になる点に注意しましょう(国税庁)。

Q. 暗号資産レンディングの金利は固定ですか、変動しますか?

A. 金利はサービスによって異なり、市況や募集回次に応じて変動するものと、契約期間中は固定されるものがあります。取引所型の多くは募集ごとに年率が変わる変動制で、PBRレンディングのように固定・単利で提示する専業型もあります。表示されている年率が募集時点のものか、契約期間を通じて保証されるものかは、申し込み前に各サービスの募集条件で必ず確認してください。

Q. 暗号資産レンディングは法人でも利用できますか?

A. 法人向けプランを用意しているサービスを選べば、法人が保有する暗号資産でもレンディングを利用できます。HyperLendingのように法人向けを掲げるサービスや、大和証券グループ系のFintertechのように大口を前提としたサービスもあります。

法人での利用では、最低貸出数量が個人より大きく設定されることがあるほか、税務・会計処理や社内の内部統制まで見据える必要があるため、法人対応の実績やサポート体制もあわせて確認しておくと安心です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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