新規顧客の獲得コストが年々上がるなか、「一度購入した顧客が定着しない」「リピートが伸びず売上が安定しない」といった悩みを抱えていませんか。
こうした課題への打ち手として注目されるのが、優良顧客との関係を長く続けるための仕組み「ロイヤルティプログラム」です。ポイント還元や会員ランク、限定特典などを通じて、顧客の継続利用とファン化を促し、LTV(顧客生涯価値)の向上につなげます。
本記事では、ロイヤルティプログラムの定義と種類から、導入のメリット・デメリット、失敗しない設計手順、成功事例、効果を測る指標までを体系的に解説します。あわせて、プログラムを自社で実現するためのツールやコミュニティ基盤、トークンを使った新しい選択肢もご紹介します。自社に合う始め方の見通しを持ち、次の一歩に進むための判断材料としてお役立てください。
目次
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ロイヤルティプログラムとは?
ロイヤルティプログラムとは、購入頻度や利用額の高い優良顧客に特典やメリットを提供し、長期的な関係を築くためのマーケティング施策です。ポイント還元・会員ランク・限定サービスなどを通じて「このブランドを使い続けたい」という気持ちを育て、リピートと売上の安定につなげます。
背景には、新規顧客の獲得コストが上昇し、既存顧客の維持・育成に軸足を移す企業が増えたことがあります。市場が成熟し商品やサービスの差が縮まるほど、「選ばれ続ける理由」をつくるロイヤルティプログラムの重要性は高まっています。
顧客ロイヤルティ・ポイントカードとの違い
混同されやすい言葉に「顧客ロイヤルティ」と「ポイントカード」があります。まず顧客ロイヤルティとは、顧客がそのブランドに抱く愛着や信頼といった「状態」そのものを指します。これに対しロイヤルティプログラムは、その状態を高めるために企業が設計する「施策・仕組み」です。目的(ロイヤルティ)と手段(プログラム)の関係にあたります。
ポイントカードとの違いも同じ発想で整理できます。ポイント付与はロイヤルティプログラムを構成する代表的な手段の一つですが、プログラムはそれだけではありません。会員ランクによる特別待遇や限定イベント、体験価値の提供など、金銭的なインセンティブを超えた要素まで含めて設計します。
単発の値引きやポイント配布で終わらせず、継続的な関係づくりを狙う点が、単なるポイントカードとの分かれ目になります。
ロイヤルティプログラムの主な種類
ロイヤルティプログラムには複数の型があります。呼び方や分け方は解説する媒体によって4〜7種類とばらつきますが、本記事では実務で使いやすいように、古くから使われる古典型4つと、近年広がってきた新しい型4つの代表的な8つに整理して紹介します。この枠組みで自社に合う方向性を見つけていきましょう。
古典型(ポイント型・会員ランク型・サブスク型・紹介型)
まずは、多くの企業が採用してきた基本の4型です。
- ポイント型:購入金額や利用回数に応じてポイントを付与し、次回の割引や商品交換に使える仕組みです。導入しやすく効果も見えやすい反面、値引き合戦になりやすい点に注意が要ります。
- 会員ランク型(ティア型):利用実績に応じて会員ランクが上がり、上位ほど手厚い特典を受けられる仕組みです。上位を目指す動機づけが働き、優良顧客の維持に向きます。航空会社のマイレージ上級会員制度が代表例です。
- サブスク型(有料会員型):定額の会費を払った会員に、配送特典や限定コンテンツなどをまとめて提供する仕組みです。会費を払った分だけ「使い切ろう」という心理が働き、利用頻度が高まります。
- 紹介型(リファラル型):既存顧客が友人・知人を紹介すると、双方に特典が付く仕組みです。満足度の高い顧客を起点に、獲得コストを抑えて新規顧客を増やせます。
新しい型(パーパス拡張・経済圏・価値共創・パーソナライズ)
近年は、金銭的な特典だけに頼らず、共感や体験でつながる型も広がっています。
- パーパス拡張型:環境保全や社会貢献など、ブランドの理念に共感する行動へ特典を結びつける型です。価格以外の理由で選ばれる関係を目指します。
- 経済圏型:自社グループや提携先のサービスをまたいでポイントや特典を使えるようにし、生活の中で囲い込む型です。決済・通信・ECを束ねた大手の経済圏が典型です。
- 価値共創型:顧客をコミュニティに巻き込み、商品開発やイベントに参加してもらう型です。関与そのものが愛着を生み、口コミやUGC(顧客が作る投稿・コンテンツ)にもつながります。
- パーソナライズ型:購買データをもとに、一人ひとりに合った特典やおすすめを届ける型です。「自分を分かってくれている」という体験が満足度を高めます。
それぞれの型の特徴と向いている事業、実在するプログラム例を一覧にまとめました。
| 型 | ポイント型 | 会員ランク型 | サブスク型 | 紹介型 | パーパス拡張型 | 経済圏型 | 価値共創型 | パーソナライズ型 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 購入・利用に応じてポイントを付与 | 実績に応じてランクと特典が上がる | 定額会費でまとめて特典を提供 | 既存顧客の紹介で双方に特典 | 理念への共感行動に特典を結びつける | グループ横断でポイント・特典を共通化 | コミュニティ参加や共創で愛着を醸成 | データに基づく個別最適な特典 |
| 向いている事業 | EC・小売・飲食など購入頻度が高い事業 | 継続利用が前提のサービス・航空・宿泊 | EC・デジタルコンテンツ・定期購入 | SaaS・アプリ・サービス業 | ブランド価値を重視する消費財・アパレル | 決済・通信・ECを持つ大手グループ | ファンビジネス・D2C・BtoBサービス | 会員データを持つEC・小売 |
| 実例 | スターバックス リワード(60円ごとに1スター) | ANAマイレージクラブの上級会員(ダイヤモンド・プラチナ等) | Amazonプライム | 各種アプリの友だち紹介キャンペーン | 環境配慮行動へのリワード付与 | 楽天ポイント・PayPayなどの共通ポイント経済圏 | ブランドの会員コミュニティ | 購買履歴に応じたおすすめ・特典配信 |
ロイヤルティプログラムを導入するメリット
ここからは、ロイヤルティプログラムを導入することで何が良くなるのかを、効果を測れる言葉で整理します。主なメリットは次の5つです。
- LTV(顧客生涯価値)の向上:一度きりの購入で終わらせず、長く継続してもらうことで、顧客一人あたりから得られる利益の総和が高まります。既存顧客の維持は新規獲得より低コストで、収益の安定にも直結します。
- リピート購入・購買頻度の向上:特典やランクが「もう一度買う理由」になり、来店・購入の間隔が縮まります。次回使えるポイントや上位ランクへの近さが、再来のきっかけになります。
- 顧客エンゲージメントの向上:特別な待遇や体験を通じてブランドへの愛着が深まり、価格だけで他社に乗り換えられにくくなります。競合との差別化にもつながります。
- 新規獲得コストの最適化:満足した会員による口コミや紹介が新たな顧客を呼び込み、広告に頼りきらない集客の土台ができます。紹介型はこの効果を意図的に高める仕組みです。
- 顧客データの蓄積・活用:会員登録や購買履歴を通じて、誰が・何を・どのくらい買っているかが見えるようになります。得られたデータは、商品開発やパーソナライズした販促の材料になります。
ロイヤルティプログラムのデメリットと回避策
ロイヤルティプログラムは「作れば効果が出る」ものではありません。設計や運用を誤ると、コストばかりかさんで成果が出なかったり、かえってブランドを損なったりすることもあります。起こりがちな失敗と、その回避策を対で押さえておきましょう。
| デメリット・注意点 | 設計を誤ると効果が出ない | 参加ハードルが高く使われない | 特典原資・運用コストの負担 | マンネリ化・形骸化 | 不正利用のリスク | 割引依存でブランド価値を毀損する |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 起きる理由 | 目的やターゲットが曖昧なまま特典を配ってしまう | 登録が面倒・特典までが遠く、途中で離脱する | 還元率や特典を大盤振る舞いして採算が合わなくなる | 導入後に見直さず、特典や体験が古びる | ポイントの不正取得や特典の転売を許す設計になっている | 値引きばかりを訴求し、価格でしか選ばれなくなる |
| 回避策 | 先に目的と対象顧客を定め、特典を目的から逆算して設計する | 登録から特典利用までの導線を簡素にし、早い段階で小さな成功体験を用意する | LTVと照らして還元率の上限を決め、費用対効果を継続的に検証する | KPIを設定して定期的に改善し、季節施策や新特典で鮮度を保つ | 付与・利用のルールと監視の仕組みを整え、異常を検知できるようにする | 金銭以外の体験価値・特別感を織り込み、値引き一辺倒にしない |
共通して言えるのは、「配って終わり」にせず、目的に沿って設計し、運用しながら改善し続けることが失敗回避の鍵になるという点です。次章の導入手順は、この考え方を具体的な進め方に落とし込んだものです。
ロイヤルティプログラムの設計・導入手順
ここからは、ロイヤルティプログラムを実際に設計・導入する流れを5つのステップで解説します。順番には意味があり、上流を飛ばすと後工程でつまずきやすくなります。
- 目的とKPIを設定する:まず「何のためにやるのか」を決めます。リピート率の向上か、解約の抑制か、LTVの最大化か。目的を定めないまま特典を決めると、原資が割れて効果も測れなくなります。目的に紐づくKPI(後述の指標)も同時に決めます。
- 対象顧客を把握・セグメントする:誰に向けたプログラムかを明確にします。購買データから優良顧客の特徴をつかみ、後述のRFMなどで顧客を分けておくと、特典の出し分けや訴求がしやすくなります。
- 型と特典を設計する:目的と対象に合わせて、ポイント型・ランク型などの型を選び、特典を組み立てます。「顧客が続けたくなる」体験になっているか、還元率が採算に合うかをこの段階で検証します。
- 運営体制・ツールを準備する:会員管理・ポイント計算・分析を担うツールや、運用する体制を整えます。手作業に頼ると規模拡大でつまずくため、業務量に見合った仕組みを用意します。
- 効果測定と改善(PDCA)を回す:設定したKPIで効果を測り、うまくいかない部分を改善します。ロイヤルティプログラムは運用しながら育てるもので、この改善サイクルを止めないことが成果を左右します。
ロイヤルティプログラムの成功事例
広く使われているプログラムから、型ごとの設計の勘所を見ていきます。ここでは、各プログラムの施策の中身に絞って紹介します。
スターバックス「Starbucks Rewards」(ポイント型+ランク型)
スターバックスの会員プログラムでは、お支払い60円(税込)ごとに「Star(スター)」が1つたまり、集めたスターをドリンクや商品と交換できるeTicketに引き換えられます。さらに、1年間で累計250スターをためるとGold会員に昇格し、誕生月特典などの待遇が加わります。ポイントを貯める楽しさ(ポイント型)と、上位ランクを目指す動機づけ(ランク型)を組み合わせた設計が特徴です。
勘所は、日々の来店がスターとして目に見える形で積み上がり、「あと少しでランクアップ」という状態が次の一杯を後押しする点にあります。自社に取り入れるなら、達成が近いと感じさせる進捗の見せ方が参考になります。
Amazon「Amazonプライム」(サブスク型)
Amazonプライムは、年会費5,900円(税込)または月会費600円(税込)を払った会員に、配送特典・Prime Video・Prime Reading・会員限定セールなど幅広い特典をまとめて提供する有料会員制です(2026年9月時点)。学生向けのPrime Studentは年会費2,950円(税込)と、対象に応じた設計も用意されています。
会費に見合う分だけ使おうという意識が働き、購入頻度やサービス利用が高まる、サブスク型ロイヤルティの代表例といえます。続く理由は明快で、幅広い特典が会費の価値を裏づけ、「解約すると損」という感覚が離脱を防ぎます。会費に見合う体験を複数そろえ、辞める理由をつくらないことが、自社でも応用できるポイントです。
ANA「マイレージクラブ/プレミアムメンバー」(会員ランク型)
ANAのプレミアムメンバーサービスでは、毎年1月〜12月にフライトで獲得したプレミアムポイントの数で、翌年度のステイタス(ダイヤモンド・プラチナ・ブロンズ)が決まります。ステイタスごとに空港ラウンジの利用や優先搭乗などの特典が変わり、上位を目指す利用が促されます。フライトでたまるマイル(ポイント型)と、実績で上がるステイタス(ランク型)を別建てにしている点も、型を組み合わせた設計の好例です。
ここで効いているのは、上位ステイタスの特別感と「翌年も維持したい」という心理です。優良顧客だけが得られる体験を用意し、その地位を守りたいと思わせられるかどうかが、設計の分かれ目になります。
出典・参考資料(3件)
効果を測る指標(LTV・NPS・RFM ほか)
ロイヤルティプログラムが「効いているか」を判断するには、感覚ではなく指標で見ることが欠かせません。目的に合わせて使う代表的な指標を、定義と見方とあわせて整理します。
| 指標 | LTV(顧客生涯価値) | リピート率・購買頻度 | NPS(ネット・プロモーター・スコア) | RFM | 退会率(解約率) |
|---|---|---|---|---|---|
| 定義 | 取引の開始から終了までに、その顧客から得られる利益を把握できる指標。代表的な計算式の一つは「平均顧客単価 × 購買頻度 × 継続期間」 | 一定期間に再購入した顧客の割合や、購入の回数 | 「友人・同僚に薦めたいか」を0〜10で聞き、推奨者の割合から批判者の割合を引いた値 | Recency(直近の購買)・Frequency(頻度)・Monetary(金額)の3軸で顧客を分ける手法 | 一定期間に会員・契約を離れた顧客の割合 |
| 何を見るか・使い方 | プログラム全体の成果を測る中心指標。会員と非会員でLTVを比べると効果が見える | 継続利用が増えているかを直接測る。特典導入前後の変化を追う | ブランドへの推奨度・愛着を測る。優良顧客が増えているかの目安になる | 優良顧客の抽出やセグメント設計に使う。特典の出し分けの基礎になる | 離反の兆候をつかむ。上昇時は特典や体験の見直しサイン |
すべての指標を一度に追う必要はありません。目的によって注目する指標は変わり、解約を抑えたいなら退会率、ファン化の度合いを見たいならNPS、施策全体の成果を測るならLTVを中心に据えると、迷わず改善に取り組めます。
中心指標のLTVは、上表の計算式に自社の数字を当てはめると効果をつかみやすくなります。たとえば平均顧客単価5,000円・年6回購入・継続3年なら、LTVは 5,000円 × 6回 × 3年 = 90,000円 です。プログラムで購買頻度が年8回、継続が4年に伸びれば 5,000円 × 8回 × 4年 = 160,000円 となり、会員1人あたりの価値の伸びを金額で確かめられます。
なかでもNPSは、推奨度という一つの問いでロイヤルティを測れるため、多くの企業が採用しています。提唱元のBain & Companyは、その考え方を次のように説明しています。
“Your Net Promoter Score is simply the percentage of customers who are promoters (those who scored 9 or 10) minus the percentage who are detractors (those who scored 0 to 6).”(NPSは、推奨者〈9〜10を付けた顧客〉の割合から、批判者〈0〜6を付けた顧客〉の割合を差し引いた値です)
出典:Measuring Your Net Promoter Score|Bain & Company
これらの指標は特定のツールに縛られる考え方ではありませんが、会員が増え取引データが積み上がるほど、集計や分析を人手で行うのは難しくなります。次章で触れるツールを使うと、こうした指標の測定を自動化しやすくなります。
出典・参考資料(3件)
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ロイヤルティプログラムを実現する手段と選び方
設計の方向性が固まったら、それを実際に運用する手段を選びます。会員管理・ポイント計算・分析・コミュニティ運営などを支えるツールやプラットフォームを使うと、少人数でもプログラムを回せます。
実現手段の種類(コミュニティ基盤・ポイント基盤・Web3型)
実現手段は、大きく3つの方向に分けて考えると選びやすくなります。
- 会員・ファンコミュニティ基盤:顧客が集まり交流する「場」を作り、双方向の関係づくりでロイヤルティを高めます。VoC(顧客の声)の収集やUGC創出にもつながり、価値共創型と相性が良い方向です。
- ポイント・CRM基盤:ポイント付与や会員ランク管理、顧客データ分析を担う仕組みです。ポイント型・ランク型を軸にしたい場合の中心になります。
- Web3(トークン・NFT)型:ブロックチェーンを使い、トークンやNFTで特典・会員証・投票権などを設計する新しい方向です。ファンの参加や貢献を可視化し、長期的な価値に変える設計がしやすい選択肢です。
自社の目的で選ぶのが基本です。顧客との継続的な対話でファンを育てたいなら会員・ファンコミュニティ基盤、参加や貢献をインセンティブ化して新しいファン体験をつくりたいならWeb3型が向いています。ポイント付与や会員ランクの管理そのものを中心に据えたい場合は、CRMやPOS、既存ECのポイント機能といったツールも選択肢になります。
ここでは、会員・ファンコミュニティ基盤とWeb3型ロイヤルティを中心に、代表的な3つのサービスを紹介します。より広くコミュニティ運営サービスを比較したい場合は、この章の最後にある関連記事もあわせてご覧ください。
| 比較項目 | 24karat | commmune | coorum |
|---|---|---|---|
| 提供形態(型) | Web3(トークン・NFT)型 | 会員・ファンコミュニティ基盤 | 会員・ファンコミュニティ基盤 |
| 主な用途 | トークン・NFTを使った ファン参加型ロイヤルティ | ファン・顧客コミュニティ運営、 VoC活用 | ロイヤル顧客コミュニティ、 VoC収集・分析 |
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 月額費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ (Light/Standard/Professional) | 要お問い合わせ (登録メンバー数で段階制) |
| 特徴 | ノーコードでNFT・トークン施策を設計 Flow採用でガス代負担を抑制 大手企業への横断導入実績 | 大手BtoCの導入実績が豊富 VoC・CRM・LINE連携まで自社群で提供 運営代行まで専任チームが伴走 | ノーコード構築+ブランドアプリ版 VoCを商品開発・CRM活用に接続 メンバー規模別の段階プラン |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイト | 公式サイト |
1. 24karatマーケティングプラットフォーム(24karat株式会社)

24karatは、ブランドやクリエイターがファンとつながり、参加を長期的な価値に変えることを掲げるWeb3ロイヤルティ・ファンエンゲージメント基盤です。ノーコードの管理コンソールからNFTリワードやミッションを設計でき、監査に対応したポイント基盤も備えます。
特徴は、専門知識がなくてもトークンやNFTを使ったロイヤルティ施策を始められる点にあります。ブロックチェーンにはガス代(手数料)の負担を抑えやすいFlowを採用し、ファンはアプリ上のクラウドウォレットで特典を受け取れます。
上新電機のアプリでのポイント活用をはじめ、業種を横断した大手企業への導入実績があり、オンラインとリアル店舗をまたいだファン体験の設計にも対応します。トークン型ロイヤルティという新しい選択肢を検討する際の有力な候補です。
2. commmune(コミューン株式会社)

コミューン株式会社が提供するcommmuneは、企業と顧客が双方向に交流する会員コミュニティを構築・運営できるプラットフォームです。ファンの熱量を高め、共創やVoC活用を通じてロイヤルティを育てることをコアに据えています。
コミュニティ本体に加え、顧客の声を構造化する分析機能やCRM統合、LINE連携までを自社プロダクト群でそろえている点が強みです。日産・パナソニック・サントリーなど大手ブランドを横断した導入実績があり、戦略設計からKPI管理・運営代行まで専任チームが伴走します。ポイントやバッジといったエンゲージメント機能も備え、コミュニティを軸に継続利用とLTVを高めたい企業に向いています。
3. coorum(株式会社Asobica)

coorumは、株式会社Asobicaが「ロイヤル顧客プラットフォーム」として提供するサービスです。顧客接点から本音データを集めて分析し、LTVの最大化やUGCの創出、顧客理解の深化につなげます。
ノーコードでコミュニティサイトを構築できるほか、オリジナルのブランドアプリとして提供することも可能です。コミュニティを単なる交流の場にとどめず、集めた顧客の声を商品開発やCRM活用まで接続する設計が特徴で、メンバー規模に応じた段階プランが用意されています。顧客ロイヤルティの向上とデータ活用を両立させたい企業に適しています。
ここで取り上げた3サービスのほかにも、会員コミュニティやファンエンゲージメント、DAO運営を支える基盤は複数あります。実現手段を横断で見比べ、選び方や機能を詳しく確認したい場合は、以下の記事もご覧ください。
コミュニティツールおすすめ24選比較|目的別の選び方・料金・機能を徹底解説
既存顧客のLTVを伸ばしたい、SNSやレビューでは見えない生の声を製品開発に届けたい、熱量の高いファンに自社ならではの接点を用意したい——こうした課題を前に、無料SNSでは差別化しにくく、担当者の運営負荷ばかりが重くなっているのではないでし…
まとめ
ロイヤルティプログラムは、優良顧客との関係を長く続けることで、リピートとLTVの向上を目指すマーケティング施策です。ポイント型やランク型といった古典型から、コミュニティで共創する価値共創型、トークンを使うWeb3型まで、型は多様に広がっています。
成功の鍵は、目的とKPIを定めたうえで自社に合う型を選び、デメリットを回避しながら運用と改善を続けることにあります。まずは自社の目的を明確にし、それを支える実現手段を比較・検討することから始めてみてください。各サービスの資料を取り寄せれば、機能や特徴を具体的に見比べられます。
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ロイヤルティプログラムに関するよくある質問(FAQ)
Q. ロイヤルティプログラムとは何ですか?
A. ロイヤルティプログラムとは、購入頻度や利用額の高い優良顧客に特典やメリットを提供し、長期的な関係を築くためのマーケティング施策です。ポイント還元・会員ランク・限定サービスなどを通じて「使い続けたい」という気持ちを育て、リピートと売上の安定、LTV(顧客生涯価値)の向上につなげます。
Q. ロイヤルティプログラムとポイントカードの違いは何ですか?
A. ロイヤルティプログラムとポイントカードの違いは、ポイント付与はプログラムを構成する手段の一つにすぎず、ロイヤルティプログラムは会員ランクや限定体験など金銭的特典を超えた要素まで含めて設計する点にあります。単発の値引きやポイント配布で終わらせず、継続的な関係づくりを狙うことが、単なるポイントカードとの分かれ目です。
Q. ロイヤルティプログラムの導入費用はどのくらいかかりますか?
A. ロイヤルティプログラムの費用は、特典の原資(ポイントや割引の還元コスト)と、会員管理・分析を担うツールの利用料が主な内訳で、選ぶ実現手段によって大きく変わります。スモールスタートなら既存ECのポイント機能や低価格ツールから、本格運用ならCRMや会員コミュニティ基盤まで、規模に応じて選択肢が広がります。還元率はLTVと照らして上限を決め、具体的な料金は各サービスの資料で比較しましょう。
Q. 小規模な企業でもロイヤルティプログラムを始められますか?
A. 小規模な企業でもロイヤルティプログラムは始められます。会員管理・ポイント計算・分析・コミュニティ運営を支えるツールやプラットフォームを使えば、少人数でもプログラムを運用できます。手作業に頼ると規模拡大でつまずくため、業務量に見合った仕組みを選び、登録から特典利用までの導線を簡素にして早い段階で小さな成功体験を用意することが、無理なく続けるコツです。
Q. ロイヤルティプログラムの効果はいつごろ出ますか?
A. ロイヤルティプログラムの効果は、リピートやLTVといった継続的な関係の指標に表れるため、短期の売上よりも一定期間の運用を経て現れるのが一般的です。導入前後でリピート率・購買頻度・LTV・NPSなどのKPIを比較しながら、改善サイクル(PDCA)を止めずに育てる前提で見ることが大切です。ロイヤルティプログラムは「作れば効果が出る」ものではなく、運用しながら育てる施策だと捉えてください。
Q. BtoB企業でもロイヤルティプログラムは有効ですか?
A. BtoB企業でもロイヤルティプログラムは有効です。顧客をコミュニティに巻き込み、関与そのものが愛着を生む価値共創型は、ファンビジネスやBtoBサービスと相性が良い型です。継続利用や解約抑制が売上を左右するサブスク・SaaSでは、会員ランクや紹介の仕組みも機能し、集めたVoCを商品開発やパーソナライズに活かせます。
Q. Web3型(トークン型)ロイヤルティプログラムは従来型と何が違いますか?
A. Web3型(トークン型)ロイヤルティプログラムは、ブロックチェーンを使い、トークンやNFTで特典・会員証・投票権などを設計する点が従来型と異なります。ファンの参加や貢献を可視化して長期的な価値に変えやすい一方、まだ採用事例が限られる新しい選択肢のため、専門知識がなくても始められるツールを選ぶなど実現手段の見極めが重要です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















