毎月の給与振込にかかる他行宛の振込手数料や、振込データの作成・口座確認・実行にかける手間を負担に感じていませんか。従業員数が増えるほど1件あたり数百円の振込手数料は積み上がり、支払日前の作業が特定の担当者に集中して属人化しやすくなります。こうした負担を軽くする手段として、給与振込を外部に任せる「給与振込代行サービス」の導入を検討する企業が増えています。
給与振込を外部に任せる方法には、自社で計算した振込データを渡して振込だけを任せる方法と、給与計算そのものから振込手続きまで丸ごと任せる方法の2通りがあります。自社の給与計算の体制や振込件数によって、どちらが合うかは変わります。では、それぞれの仕組みや手数料の相場をどう押さえ、どのような観点で比較すればよいのでしょうか。
本記事では、給与振込代行サービスを2つの型に分けて比較・解説します。振込手数料が下がる仕組みや給与振込の手数料相場に加え、信託保全の有無・データ締切と着金タイミング・給与計算ソフトとの連携といった、給与振込を外部化するうえで見落としやすい選定観点を整理しました。経理・総務の担当者が、自社の件数や体制に合った手段を判断するための材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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給与振込代行サービスとは
給与振込代行サービスは、企業が従業員へ支払う給与・賞与の銀行振込を、外部の事業者が代わりに実行するサービスです。自社で作成した振込データ(全銀フォーマット〔全国銀行協会が定める振込データの標準形式〕やCSV)を渡すと、事業者がまとめて振込を行い、他行宛の振込にかかる手数料を抑えつつ、振込作業そのものを肩代わりします。
従業員数の増加や振込業務の属人化に課題を抱える企業が、コスト削減と事務負担の軽減を目的に利用します。
振込手数料が下がる仕組み
代行事業者は、多数の利用企業の振込をまとめて銀行に取り次ぎます。大量の振込を扱うことで銀行と大口の契約を結び、1件あたりの振込手数料を通常より低い水準で確保できます。事業者はその安く抑えた手数料に自社の手数料を上乗せして利用企業に提供するため、企業が個別に銀行へ振り込むよりも1件あたりの費用が下がる、という仕組みです。
特に負担が大きいのは、自社のメイン銀行以外(他行宛)への振込です。他行宛の振込手数料は1件あたり数百円かかることが多く、従業員の給与口座が複数の銀行に分かれているほど費用がかさみます。代行サービスは、この他行宛の手数料を圧縮できる点に効果が出やすくなります。
銀行の総合振込との違い
銀行が提供する「総合振込」も、全銀フォーマットのデータを使って複数の従業員へ一括で振り込む仕組みです。ただし総合振込の振込手数料は各銀行が定めた料金がそのまま適用され、他行宛では1件あたりの単価が高くなりがちです。
給与振込代行サービスは、事業者が銀行との契約でまとめて確保した手数料を使うため、同じ他行宛の振込でも単価を抑えやすくなります。振込データの作成方法(全銀・CSV)は総合振込と近い一方、実際の振込は代行事業者を経由する点と、事前の口座確認やエラー時の対応まで任せられる点が異なります。
給与振込を外部に任せる2つの型
給与振込を外部に任せる手段は、任せる範囲によって大きく2つの型に分かれます。給与計算を自社で続けるのか、計算ごと委託したいのかで、選ぶべき型が変わります。ここでは、それぞれの型がどんな企業に向くかを整理します。
振込データを渡して振込だけ任せる「振込代行型」
給与計算は自社で行い、その結果の振込データ(全銀・CSV)を代行事業者に渡して、振込の実行だけを任せる型です。給与計算ソフトや自社の業務フローはそのまま残しながら、他行宛の振込手数料の削減と振込作業の省力化だけを取り入れられます。すでに給与計算の体制が整っていて、振込のコストと手間だけを軽くしたい企業に向いています。
給与計算から振込まで丸ごと任せる「給与計算アウトソーシング型」
勤怠データを渡すと、事業者が給与計算・明細作成・振込手続き・各種納付までを一括で代行する型です。給与計算を担う専門会社・BPO(業務プロセスの外部委託)事業者や、社会保険労務士・税理士の事務所が提供します。計算から振込までの一連の業務を外部に委ねられるため、担当者の負担を大きく減らせます。給与計算の専門人材が社内におらず、業務全体を任せたい企業に適しています。
2つの型は、下表のように「任せる範囲」と「向いている企業」で整理できます。給与計算を自社で続けるなら振込代行型、計算ごと手放したいなら給与計算アウトソーシング型が出発点になります。
| 型 | 振込代行型 | 給与計算アウトソーシング型 |
|---|---|---|
| 任せる範囲 | 振込の実行のみ(給与計算は自社) | 給与計算・明細作成・振込・納付まで一括 |
| 渡すデータ | 振込データ(全銀・CSV) | 勤怠データなど |
| 主な費用 | 振込1件あたりの手数料 | 月額(従業員数・業務範囲に応じた料金) |
| 向いている企業 | 給与計算の体制はあり、振込のコストと手間を減らしたい企業 | 給与計算の専門人材がおらず、業務全体を委託したい企業 |
| 該当する主なサービス | セゾンスマート振込サービス、楽たす給与振込、ウェブフリコム | Wheat Accounting、ロコアシ、Tenbook、マネーフォワード おまかせ経理 ほか |
※上記は各型の一般的な傾向です。実際の対応範囲や料金体系は各社情報をご確認ください。
給与振込を代行するメリット
ここからは、給与振込を外部に任せることで得られる主なメリットを整理します。効果は「コスト」「手間」「ミスと属人化」の3つの面に表れます。
1つ目は、振込手数料の削減です。他行宛の振込手数料を代行事業者の契約単価に置き換えられるため、従業員数や他行宛の件数が多いほど削減額が大きくなります。給与振込は毎月発生する固定的な業務のため、1件あたりわずかな差でも年間では無視できない金額になります。
2つ目は、振込作業の効率化です。振込データを渡すだけで振込が実行されるため、ネットバンキングでの1件ずつの入力や、複数の振込先への手作業が不要になります。給与計算アウトソーシング型を選べば、計算や明細作成まで含めて任せられます。
3つ目は、入力ミスと属人化の低減です。多くのサービスは振込前に口座情報を照合する仕組みを備えており、口座番号の誤りによる組み戻しを防ぎます。作業を外部に任せることで、特定の担当者しか処理できない状態から抜け出しやすくなり、担当者の不在時でも給与支払いを止めずに済みます。
給与振込代行の手数料相場と削減効果
ここでは、給与振込代行の費用の目安と、導入でどの程度コストが下がるかを見ていきます。費用のかたちは2つの型で異なり、振込代行型は振込1件あたりの手数料、給与計算アウトソーシング型は月額の委託料が中心になります。
振込代行型では、初期費用と月額基本料を無料とし、給与振込に対応したプランの1件あたりの手数料だけで提供するサービスが多く見られます。単価は各社が公表する料金を見るとおおむね130〜270円程度で、銀行の他行宛の総合振込手数料と比べて低い水準に抑えられます。実際の単価はサービスや契約条件によって異なるため、後述の比較表で各社の料金を確認してください。
削減効果は「(現在の他行宛の振込手数料 − 代行の単価)× 他行宛の月間件数 × 12か月」で概算できます。たとえば、他行宛の振込が月80件あり、現在1件あたり440円かかっている企業を考えます。これを1件150円程度の給与振込プランに切り替えると、年間で約28万円(差額290円 × 80件 × 12か月)の削減になります。
まずは自社の直近の給与振込について、他行宛の件数と現在の手数料を洗い出すことが、効果を見積もる出発点です。
一方、給与計算アウトソーシング型は、給与計算・明細作成・振込までをまとめて委託するため、費用は振込単価ではなく月額の委託料が中心になります。料金は従業員数や委託する業務範囲によって決まり、月数万円からの水準を目安に、規模や範囲が大きいほど高くなります。多くは個別見積もりのため、自社の人数と任せたい範囲を伝えて見積もりを取り、月額の総額で比べるのが基本です。
※本記事の手数料は各社公式サイトに基づく2026年9月時点の情報です。最新の料金は各社の公式情報をご確認ください。
給与振込代行を利用する際の注意点・デメリット
導入前に押さえておきたい、給与振込代行に共通するリスクと制約を整理します。ここでは代行という仕組みそのものに伴う注意点を説明し、サービスごとの評価・比較の観点は後述の「選び方」で扱います。
- 着金までにタイムラグがある:代行サービスは、振込指定日の数営業日前に締め切ったデータをまとめて処理します。当日にすぐ振り込めるわけではないため、給与支払日から逆算した余裕を持ったスケジュールが必要です。
- データ入稿の締切がある:締切に間に合わないと指定日に振り込めない場合があります。給与計算の確定から締切までの日数を確認し、自社の締め・支払いのサイクルに収まるかを見ておく必要があります。
- 預けた資金の保全(信託保全)に差がある:振込資金を事業者にいったん預ける方式では、事業者が万一破綻した際に資金が保全されるかがサービスによって異なります。信託保全や分別管理の有無は、預ける資金の安全性に関わるため事前に確認しておきたい点です。
- 組み戻しなどの追加費用が発生することがある:口座情報の誤りで振込がやり直しになった場合の組み戻し手数料や、エラー時の再振込の扱いはサービスによって異なります。基本の振込単価だけでなく、こうした付随費用も含めて総額を把握しておくと安心です。
給与振込代行サービスの選び方
ここからは、自社の件数や体制に合うサービスを選ぶための比較の観点を解説します。手数料だけで決めず、給与振込ならではの運用条件まで含めて確認することが、導入後の失敗を防ぐポイントです。
振込手数料は給与振込の単価で比較できているか
手数料を比較する際は、「振込代行全般」の相場ではなく、給与振込に対応したプランの1件あたり単価で見ることが重要です。サービスによっては給与振込専用の料金を設けている場合があり、汎用の振込単価とは異なることがあります。あわせて、初期費用や月額基本料の有無、他行宛と同行宛で単価が変わるかも確認し、自社の他行宛件数を当てはめて総額で比べます。
給与振込に対応しているか
振込代行サービスの中には、請求書の支払いや企業から個人への都度送金を主目的とし、毎月の給与振込を主な用途としていないものもあります。給与・賞与の定例振込に正式に対応しているか、給与向けのプランやメニューが用意されているかを、公式情報で確認します。給与計算ごと任せたい場合は、給与計算アウトソーシング型が対象になります。
信託保全・セキュリティ認証は十分か
振込資金を事業者に預ける方式では、資金の保全方法を確認します。信託保全や資金の分別管理があれば、事業者の破綻時にも資金が守られやすくなります。保全の仕組みがないサービスもあるため、預ける金額と保全の有無を照らして判断します。あわせて、従業員の口座情報という個人情報を扱うため、プライバシーマークやISMSなどのセキュリティ認証の取得状況も確認しておくと安心です。
データ締切と着金タイミングが自社の支払日に合うか
給与は支払日が固定されているため、締切と着金のタイミングが自社の運用に収まるかは重要な選定軸です。振込指定日の何営業日前までにデータを入稿すればよいか、締切後に修正が効くか、指定日のいつ着金するかを確認します。給与計算の確定が支払日の直前になりやすい企業では、締切までの猶予が十分にあるサービスを選ぶ必要があります。
給与計算ソフト・会計ソフトと連携できるか
普段使っている給与計算ソフトや会計ソフトから、振込データをそのまま取り込めるかを確認します。全銀フォーマットやCSVでの入稿に対応していれば、多くのソフトの出力データを流用できます。特定の給与ソフトとの連携が用意されていれば、計算から振込までをより少ない手作業でつなげられます。給与計算アウトソーシング型を選ぶ場合は、計算から振込までを一貫して任せられるため、この連携の手間自体が不要になります。
給与計算アウトソーシング型は任せる業務範囲と料金体系で選ぶ
給与計算ごと任せる給与計算アウトソーシング型を選ぶ場合は、これまでの観点に加えて、任せられる業務範囲・自社規模との適合・料金体系を確認します。給与計算だけでなく、明細作成や振込の実行、年末調整、社会保険手続きまでどこまで含めて委託できるかは会社によって異なります。
対応できる従業員規模の目安や、月額固定か従業員数に応じた従量かといった料金の考え方も見比べ、自社が任せたい範囲を過不足なくカバーできるサービスを選びます。
とはいえ、複数の観点を一度に比較して自社にどのサービスが合うかを判断するのは簡単ではありません。そこで、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひご活用ください。
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給与振込代行サービスの比較
ここからは、給与振込を外部に任せる主要なサービスを2つの型に分けて比較します。まずは、振込データを渡して振込だけを任せる振込代行型です。ここでは、給与振込に対応した代表的なサービスを取り上げます(申し込みは各社の公式サイトから行います)。
振込代行型のサービス比較
※料金・機能は2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます(手数料は税込)。信託保全・セキュリティ認証は、対応を●、条件付き・提供主体が別会社の場合を△、非対応を×とし、公式に確認できないものは「要問い合わせ」としています。最新の条件は各社の公式サイトでご確認ください。
給与計算アウトソーシング型のサービス比較
続いて、給与計算から振込まで丸ごと任せられる給与計算アウトソーシング型のサービスを比較します。対応できる業務範囲や料金体系を確認し、自社が任せたい範囲に合うかを見比べてください。
| サービス名 | Wheat Accounting | ロコアシ | Tenbook(テンブック) | マネーフォワード おまかせ経理 | ペイロール | ラクラス | freee人事労務アウトソース | ジョブカンBPO | トライアンフ | NMPスペシャリスト | Remoba労務 | RoboRoboペイロール | StepBase(ステップベース) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 記帳・請求書発行・支払・経費精算・給与計算・月次決算 (税務申告は連携税理士) | 経理・人事(給与計算含む)・Web運用・リサーチ等のノンコア業務 | 記帳・支払・給与計算・経費精算・決算書/法人税申告書の作成 | 記帳・請求書発行・支払振込・入金消込・給与/賞与計算・税金納付・月次試算表 | 給与・賞与計算・入退社手続き・書類回収/督促・従業員問い合わせ対応 | 給与・賞与計算・勤怠集計・人事管理・社会保険/税金処理・年末調整 | 給与・賞与計算・年末調整・入退社手続き・身上変更 | 給与・賞与計算・請求書作成などバックオフィス全般 | 給与・賞与計算・社員窓口・勤怠管理・マイナンバー管理・年末調整 | 給与・賞与計算・勤怠集計/有給管理・年末調整・財務会計業務 | 給与計算・勤怠管理など労務業務全般・労務クラウドの導入/運用 | 給与・賞与計算・電子給与明細発行・人事情報管理・打刻エラーチェック | 給与計算を含むバックオフィス業務代行 |
| 料金の目安 | 月30,000円〜 初期費用は要問い合わせ | 月45,000円〜(月10時間) 初期費用0円 | 月50,000円〜(個別見積り) 初期費用0円・決算料込み | 要問い合わせ(個別見積もり) 従業員5名程度で月10万円の例 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月95,000円〜(50名分込み、51名目〜1名1,900円) 初期費用は公式記載なし | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月180,000円〜200,000円(対応30時間/月) | 1名1,000円〜/月(基本料金ナシ) 初期費用0円 | 月3.9万円〜(月10時間) |
| 対応規模・特徴 | 年商数千万〜100億円 業務フロー設計から運用まで一体提供 | スタートアップ〜中小 AIと専門人材を組み合わせるAI BPO | 売上15億円以下の中小・スタートアップ 原則3名チーム制 | 従業員5〜50名・年商1億円以上の中小 MFクラウド導入〜運用を一括対応 | 大企業(従業員800名以上中心) フルスコープ型を早くから展開 | 大企業向け パーソルグループの人事BPaaS(760社・86万人) | 中小〜中堅 外注↔内製を切り替えられるBPaaS | 中小〜中堅 ジョブカンシリーズと一体運用 | 50〜15,000名(外資/内資問わず) 顧客ごとに2名担当のフルアウトソーシング | 中堅〜大企業 60年のバックオフィス実績・人材派遣も組合せ | 中小〜中堅 オンラインワーカーのチーム体制で属人化防止 | 中小〜中堅 社労士監修。システム一体型 | 中小〜中堅 直雇用アシスタント。最短翌日開始 |
| 連携 | クラウド会計(導入支援) | 各種クラウド/生成AI活用 | 自社クラウド会計「10book」(無料提供) | マネーフォワード クラウド | 要問い合わせ | 自社人事労務クラウド(BPaaS) | freee人事労務(クラウド) | ジョブカンシリーズ(勤怠・給与・労務) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 労務クラウド(導入・運用代行) | 人事・勤怠・会計システムと連携 | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金・対応業務は2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。料金が公式に非公開のものは「要問い合わせ」と記載しています。委託できる業務範囲・料金は企業規模や依頼内容により変わるため、詳細は各社の資料・公式サイトでご確認ください。
主要な給与振込代行サービスの紹介
ここからは、型ごとに主要なサービスの特徴を個別に紹介します。まずは振込だけを任せられる振込代行型のサービスです。
振込代行型のサービス
1. セゾンスマート振込サービス(株式会社セゾンパーソナルプラス)

クレディセゾングループの株式会社セゾンパーソナルプラスが運営する振込代行サービスで、総合振込・当日振込・給与振込の3プランを用意しています。振込データを管理画面で作成し、三井住友銀行の指定口座へ「振込金額+手数料」を事前入金すると、同社が金融機関への振込を代行します。
給与振込プランの手数料は1件132円(税込)で、総合振込・当日振込プランの286円より低く設定されています。振込金額や振込先が同行宛か他行宛かを問わず一律で、初期費用・月額費用はかかりません。給与振込プランはデータの入力・承認を3営業日前の16:00までに済ませると、振込指定日の朝一番に着金します。
入金した資金は三井住友銀行の信託口座で分別管理され、同社が万一破綻した場合でも利用企業の資金が保全される設計です。データ登録はExcel専用ファイルや全銀フォーマットの一括アップロードに対応します。契約できるのは法人・個人事業主に限られ、個人での利用はできません。
2. 楽たす給与振込(株式会社ミロク情報サービス)

クラウドサービス群「bizSky」の一つとして、東証プライム市場に上場するミロク情報サービスが提供する振込代行サービスです。仕入先への支払い向けの「楽たす振込」と、従業員の給与・賞与に特化した「楽たす給与振込」の2プランがあり、いずれも銀行口座への振込を代行します。
楽たす給与振込の手数料は1件183円(税込)で、MJSの会計・給与ソフト利用者向けの特別価格では153円になります。振込先が同行宛か他行宛かによる差はなく一律で、初期費用・月額基本料・組戻手数料はいずれも無料、振込手数料のみの従量課金です。
振込用資金は振込実施金融機関に信託され、同社が倒産した場合でも資金が保全される旨を利用規約に明記しています。MJSの対応システムを使う企業は、給与ソフトで作成した全銀ファイルをワンクリックで連携できます。ただし即時振込・税金の振込・海外送金には対応していません。
3. ウェブフリコム(株式会社フォーライフシステム)

2002年のサービス開始以来、2025年9月時点で導入企業数9,000社を突破した、株式会社フォーライフシステム提供の法人向け振込代行サービスです。総合振込と給与・賞与振込の2サービスがあり、資金管理はNTTスマートトレードが受託しています。
給与・賞与振込の手数料は1件262円(税込)で、総合振込の440円と分かれています。振込金額・振込先を問わず一律で、初期費用・月額費用・銀行コード検索料はかかりません。全銀フォーマットやCSVで会計・給与ソフトのデータをそのまま取り込め、給与振込は3営業日前の16:00までに手続きすると指定日の朝一番に着金します。
振込資金は信託口座で分別管理されておらず、資金管理受託先のNTTスマートトレードは、フォーライフシステムが破綻した場合に振込資金の全額が返還されない場合があると明記しています。給与という資金を扱う以上、信託保全型のサービスとの違いとして確認しておきたい点です。
給与計算アウトソーシング型のサービス
次に、給与計算から振込まで一括で任せられる給与計算アウトソーシング型のサービスを紹介します。いずれも給与計算を代行するサービスですが、給与の振込手続きまで代行に含められるか、どこまでの業務を任せられるかは会社ごとに異なるため、自社が任せたい範囲に合うかを確認してください。
給与計算そのものを丸ごと外部に委ねることを前提に比較したい場合は、委託できる業務範囲や料金の目安、タイプ別の選び方を給与計算アウトソーシングの視点から整理した記事もご用意しています。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
4. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

記帳・仕訳作成から請求書発行、経費精算、支払(振込)対応、給与計算、月次決算まで、経理部門の業務全般を引き受ける経理アウトソーシングサービスです。運営は株式会社Wheat。税務申告は連携する税理士、社会保険・労働保険は社労士が担う体制で、バックオフィス全体をまとめて委託できます。
料金は年商規模に応じた3プラン構成で、月額はスモール30,000円〜(年商数千万〜1億円)、スタンダード40,000円〜(1〜10億円)、アドバンス60,000円〜(10〜100億円)です。スモールの30,000円は初年度のキャンペーン価格として案内されています。導入時にはフロー構築とクラウド会計の初期設定費用が初月に発生します。
クラウド会計の導入や業務プロセスの設計から継続運用までを一体で担い、担当者個人ではなくチームで対応する体制をとります。導入前には45分の無料相談と、約1ヶ月のテスト運用期間が設けられています。
5. ロコアシ(株式会社ロコタビ)

「小さく始める幅広AI BPO」を掲げ、株式会社ロコタビが提供するオンライン業務代行サービスです。生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)と専門人材を組み合わせ、専属ディレクターが窓口となって、経理・人事・リサーチ・資料作成などのノンコア業務を代行します。給与計算は人事・経理領域の対応業務に含まれます。
初期費用は0円で、料金は月10時間45,000円のSmallから、月30時間100,000円、月50時間160,000円のプランを用意します。超過分は1時間3,500円、使いきれなかった時間は翌月へ繰り越せます。最低契約期間は3か月です。
6. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

公認会計士がプロデュースしたクラウド会計ソフト「10book」を軸に、記帳から支払・給与計算、決算書・法人税申告書の作成までをワンストップで代行する会計サービスです。運営はシンアカウンティングサービス株式会社。契約者は10bookを無料で利用でき、会計・経理・給与計算を1つのシステムで扱えます。
経理代行の月額費用は依頼内容によって決まり、目安は月額5万〜35万円程度で、初期費用0円・決算料は月額に含みます。会計サービスプランでは免税事業者29,500円〜・課税事業者43,500円〜の設定もあります。対応規模の目安は売上高15億円以下で、原則3名のチーム制で対応します。
7. マネーフォワード おまかせ経理(株式会社マネーフォワード)

「マネーフォワード クラウド」の導入支援から記帳代行、請求書発行、支払管理・振込代行、給与・賞与計算、月次試算表の作成までをオンラインで一括対応する、中小企業向けの経理BPOサービスです。ブランドは株式会社マネーフォワードが提供し、実務は2025年6月にグループへ加わった株式会社キャシュモが担います。
料金は業務内容・業務量に応じた個別見積もりで、公式サイトには従業員5名程度で月額10万円という料金例が一例として示されています。月次試算表は最短5営業日で作成し、無料相談から契約・業務設計を経て最短2ヶ月で運用を開始できます。導入実績は200社超です。
8. ペイロール(株式会社ペイロール)

給与計算アウトソーシングを早くから手がけ、大手企業向けに展開する株式会社ペイロールのサービスです。給与・賞与計算にとどまらず、入退社手続き・休復職連絡・書類回収・督促・従業員からの問い合わせ対応まで、人が担う業務を含めて委託できるフルスコープ型が特徴です。
複雑な給与体系を持つ大規模組織への対応を強みとし、料金は企業ごとの個別見積もりです。導入を検討する際は、委託したい業務範囲を整理したうえで問い合わせるとよいでしょう。
9. ラクラス(ラクラス株式会社)

総合人材サービスのパーソルグループに属するラクラス株式会社が提供する、大企業向けの人事労務アウトソーシングです。クラウドシステムの提供と業務代行を組み合わせ、勤怠集計から給与計算、社会保険・税金の処理、年末調整までを一貫して委託できます。
給与計算に限らず、人事管理やワークフローまで労務領域を横断してカバーする点が特徴です。受託実績は760社・86万人以上で、料金は大企業向けの個別見積もりとなります。
10. freee人事労務アウトソース(フリー株式会社)

クラウド給与システム「freee人事労務」に付帯する実務を、フリー株式会社が代行する外部委託サービス(BPaaS)です。月次の給与・賞与計算、年末調整、入退社手続き、身上変更などをまるごと委託でき、アウトソースした情報はfreee人事労務上に蓄積されます。
システム上にデータが残るため、成長フェーズに合わせて外注から内製へ切り替えやすい点が特徴です。料金は個別見積もりですが、freee人事労務の料金ページには月額95,000円〜(50名分込み、51名目以降は1名あたり1,900円)のアウトソースプランが掲載されています。
11. ジョブカンBPO(株式会社DONUTS)

給与計算システム「ジョブカン給与計算」を提供する株式会社DONUTSが手がけるBPOサービスです。自社のジョブカンシリーズ(勤怠管理・給与計算・労務HRなど)と一体で運用しながら、給与計算だけでなく請求書作成などバックオフィス業務全般を代行できます。
システムの提供と業務代行を組み合わせられる点が特徴で、勤怠・労務データとの連携もスムーズです。BPOの料金は委託範囲に応じた個別見積もりとなります。
12. トライアンフ(株式会社トライアンフ)

組織・人事・採用領域のコンサルティングとアウトソーシングを手がける株式会社トライアンフによる、給与計算アウトソーシングです。給与計算に加え、社員窓口・勤怠管理・マイナンバー管理・年末調整まで、人事労務に関わる業務を幅広く委託できます。
運用プロセスは1社ごとにカスタマイズ設計し、顧客ごとに必ず2名の担当が付くフルアウトソーシング型です。50名から15,000名規模まで、外資系・内資系を問わない対応実績があります。料金は、委託する業務範囲や人数に応じて個別に見積もられます。
13. NMPスペシャリスト(株式会社NMPスペシャリスト)

バックオフィス業務に60年従事してきた実績を背景に、株式会社NMPスペシャリストが提供する給与計算・労務の代行サービスです。給与・賞与計算をはじめ、勤怠集計・有給管理、年末調整、財務会計業務まで幅広いバックオフィスに対応します。
人材派遣・BPO・業務コンサルティングを組み合わせ、企業の体制に合わせて柔軟に業務を委託できる点が特徴です。人事・財務会計の総合コンサルティングを背景に持ち、中堅〜大企業を対象とします。費用は委託する業務の組み合わせによって変わるため、問い合わせて確認します。
14. Remoba労務(株式会社Enigol)

クラウドサービスに詳しいオンラインワーカーへ労務業務を委託できる、株式会社Enigolの人事アウトソーシングです。給与計算・勤怠管理など労務業務全般に加え、労務クラウドサービスの導入・運用までチーム体制で任せられます。
チームで業務を遂行することで、担当者の退職リスクや属人化を防ぎ、安定した運用を支えます。料金は月額プラン200,000円(対応30時間/月)、年間プランは月あたり180,000円です。
15. RoboRoboペイロール(オープン株式会社)

社労士監修のもと、給与計算の代行と給与計算システム・電子給与明細の発行・人事情報管理をセットで提供する、オープン株式会社のサービスです。打刻エラーチェック機能を備え、人事・勤怠・会計システムとデータ連携できます。
料金は初期費用0円・基本料金なしで、従業員1名あたり月額1,000円〜という設定です。RoboRoboシリーズ全体では累計5,000社超の導入実績と99.2%の利用継続率を掲げています。
16. StepBase(ステップベース)(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)

パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社が運営するオンライン業務代行サービスで、給与計算を含むバックオフィス業務を直雇用のアシスタントが代行します。応募倍率100倍以上から選ばれたアシスタントが担当し、社内に蓄積した7,000以上の手順書を活用します。
マニュアルの準備が不要で最短翌日から業務を開始でき、料金は月10時間3.9万円〜と小さく始めやすい価格帯です。パーソルグループで20年以上培った業務代行の実績を背景としています。
ここで紹介した給与計算アウトソーシング型のサービスには、給与計算だけでなく記帳や月次決算といった経理業務まで請け負う会社も含まれます。給与にとどまらず経理業務全体の外注を視野に入れている場合は、委託できる業務範囲や料金でサービスを比較した以下の記事も参考になります。
給与振込代行の導入の流れ
最後に、給与振込代行を導入する際の一般的な流れを確認します。給与という止められない支払いを扱うため、テスト振込までを含めて余裕のあるスケジュールで進めることが大切です。
- 現状の件数とコストの洗い出し:毎月の給与振込の件数、他行宛の割合、現在かかっている振込手数料を整理し、削減の余地を把握します。
- サービスの比較・見積り依頼:自社の件数と体制に合う型を選び、候補となるサービスに料金や締切条件の見積りを依頼します。
- 審査・契約:申込後に事業者の審査を経て契約します。審査から利用開始まで一定の期間がかかるため、早めに着手します。
- テスト振込・運用開始:本番前に少額のテスト振込でデータ形式や着金を確認し、問題がなければ通常の給与振込へ切り替えます。
まとめ
給与振込代行サービスは、他行宛の振込手数料の削減と、振込作業の省力化・属人化の解消に役立ちます。手段は、振込データを渡して振込だけ任せる振込代行型と、給与計算から振込まで丸ごと任せる給与計算アウトソーシング型の2つに分かれ、給与計算を自社で続けるかどうかが選択の分かれ目になります。
選ぶ際は、給与振込に対応した単価での手数料比較に加えて、信託保全の有無・データ締切と着金のタイミング・給与ソフトとの連携まで確認することで、導入後のミスマッチを防げます。給与計算アウトソーシング型のサービスは下のボタンから資料をまとめて請求でき、振込データを渡して振込だけ任せる振込代行型は各社の公式サイトから申し込めます。自社の給与振込の件数と体制を起点に、比較検討の材料としてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 給与振込代行サービスとは何ですか?
A. 給与振込代行サービスとは、企業が従業員へ支払う給与・賞与の銀行振込を、外部の事業者が代わりに実行するサービスです。自社で作成した振込データ(全銀フォーマットやCSV)を渡すと、事業者がまとめて振込を行います。多数の利用企業の振込をまとめて銀行に取り次ぐことで、他行宛の振込手数料を抑えつつ、振込作業そのものを肩代わりできる点が特徴です。
従業員数の増加や振込業務の属人化に課題を抱える企業が、コスト削減と事務負担の軽減を目的に利用します。
Q. 給与振込代行と銀行の総合振込は何が違うのですか?
A. 給与振込代行と銀行の総合振込は、振込手数料の単価と、口座確認やエラー対応まで任せられるかが異なります。銀行の総合振込は各銀行が定めた料金がそのまま適用され、他行宛では1件あたりの単価が高くなりがちです。一方の給与振込代行は、事業者が銀行との契約でまとめて確保した手数料を使うため、同じ他行宛でも単価を抑えやすくなります。
振込データの作成方法(全銀・CSV)は両者で近いものの、代行では実際の振込が事業者を経由し、事前の口座確認やエラー時の対応まで委ねられる点が違いです。
Q. 給与振込代行の手数料相場はどのくらいですか?
A. 給与振込代行(振込代行型)の1件あたり手数料は、各社が公表する料金を見るとおおむね130〜270円程度に収まります。振込代行型は初期費用と月額基本料を無料とし、振込1件あたりの手数料だけで提供するサービスが多く見られます。
銀行の他行宛の総合振込手数料と比べて低い水準に抑えられるため、給与口座が他行に分かれている従業員が多い企業ほど、削減の効果が出やすくなります。実際の単価はサービスや契約条件によって異なるため、本文の比較表で各社の料金を確認してください。
Q. 給与振込代行は、振込代行型と給与計算アウトソーシング型のどちらを選べばよいですか?
A. 給与振込代行の2つの型は、給与計算を自社で続けるなら振込代行型、計算ごと手放したいなら給与計算アウトソーシング型が出発点になります。振込代行型は、給与計算を自社で行い、その振込データだけを事業者に渡して振込の実行を任せる型で、給与計算の体制が整っていて振込のコストと手間だけを軽くしたい企業に向いています。
給与計算アウトソーシング型は、勤怠データを渡すと給与計算・明細作成・振込・納付までを一括で代行する型で、給与計算の専門人材が社内におらず業務全体を任せたい企業に適しています。
Q. 給与振込代行に預けた資金は保全されますか?
A. 給与振込代行に預けた資金が保全されるかは、信託保全や分別管理の有無によってサービスごとに異なります。振込資金を事業者にいったん預ける方式では、事業者が万一破綻した際に資金が保全されるかがサービスによって変わります。
たとえば信託口座で分別管理し破綻時にも資金が守られる設計のサービスがある一方、分別管理がなく破綻時に振込資金の全額が返還されない場合があると明記するサービスもあります。給与という資金を扱う以上、預ける金額と保全の有無を照らして事前に確認しておきたい点です。
Q. 給与振込代行では、給与計算ソフトのデータをそのまま使えますか?
A. 給与振込代行の多くは、全銀フォーマットやCSVでの入稿に対応しており、給与計算ソフトの出力データをそのまま取り込めます。特定の給与ソフトとの連携が用意されているサービスなら、計算から振込までをより少ない手作業でつなげられます。
導入前には、普段使っている給与計算ソフトや会計ソフトの出力形式に対応しているかを公式情報で確認しておくと安心です。給与計算アウトソーシング型を選ぶ場合は、計算から振込までを一貫して任せられるため、この連携の手間自体が不要になります。
Q. 給与振込代行は、従業員の口座が複数の銀行に分かれていても使えますか?
A. 給与振込代行は、従業員の口座が複数の銀行に分かれていても利用でき、むしろ他行宛が多いほど手数料の削減効果が大きくなります。他行宛の振込手数料は1件あたり数百円かかることが多く、給与口座が複数の銀行に分かれているほど費用がかさみます。
代行サービスはこの他行宛の手数料を圧縮できる点に効果が出やすく、振込先が同行宛か他行宛かを問わず単価を一律としているサービスも多く見られます。従業員の給与口座が分散している企業ほど、導入によるコスト削減の余地が大きくなります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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