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仮想通貨の税金計算ツールおすすめ13選を比較|対応取引所・料金・法人対応で選ぶ

仮想通貨の 税金計算ツールのサムネイル画像

複数の取引所とウォレットを使い分けていると、年末になって「1年間の損益がいくらだったのか、自分でも分からない」という状態に陥りがちです。取引所ごとに履歴の書式は違い、DeFiやNFTの取引は履歴として残らないものもあります。

暗号資産の損益計算ツールは、この分散した取引履歴を集約し、税法に沿った所得金額を算出するためのものです。「仮想通貨の税金計算ツール」と呼ばれることも多く、本記事でも同じものを指しています。

ただし、対応している取引所の数も、無料で使える取引件数も、法人の決算に耐えるかどうかも、製品によって異なります。加えて2026年は、国内の主要な損益計算サービスが統合され、選択肢そのものが動いている年でもあります。

暗号資産を保有・運用する法人でも、期末の評価や仕訳の作成をどこまでツールに任せられるかが、決算作業の負担を左右します。個人の確定申告と法人の決算では、必要な機能も、法令上の既定も異なります。

そこで本記事では、自社・自分の取引スタイルに合うツールを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しました。

あわせて、主要な損益計算ツール13サービスを対応取引所・料金・法人対応の観点で比較し、総平均法と移動平均法の選び方、確定申告までの手順、法人が追加で確認すべき論点まで整理しています。

この記事を読むとわかること

まず診断ツールでおおよその候補を絞り、その後に比較表と各サービスの詳細を読み進めると、検討がはやく進みます。

暗号資産会計・税務・損益計算ツールの関連サービス資料
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本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

診断ツールですぐにわかる|取引スタイル別のおすすめ損益計算ツール

暗号資産の損益計算ツールは、「年間の取引件数」「国内取引所だけか、海外取引所も使うか」「DeFi・NFTの取引があるか」「個人の確定申告か、法人の決算か」という4つの条件で、選ぶべき製品が変わります。

これらを一つずつ突き合わせるのは手間がかかります。以下の診断ツールを使えば、4つの質問に答えるだけで候補を絞り込めます。

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暗号資産の損益計算ツールの最新動向|選択肢の集約とその影響

ツールを比べる前に、いま押さえておくべき前提があります。国内向けに長く提供されてきた損益計算サービスが統合され、2026年10月に一本化されることが決まっています。これから契約を検討する場合、統合の時期と条件を知らないまま選ぶと、申し込めない、あるいは想定と異なる環境で使い続けることになりかねません。

サービス統合で何が変わるのか

クリプタクトを運営する株式会社pafinは、2026年7月1日、損益計算サービス「Gtax」を提供する株式会社Gtaxを子会社化し、Gtaxをクリプタクトへ統合してサービスを一本化すると発表しました。

両社は2026年10月5日(月)のサービス一本化に向けて準備を進めています。統合後、Gtaxのユーザーは損益結果・取引データ・ログイン情報を含め、現在と同じ環境のままクリプタクトを利用できます。サービス提供はシームレスに移行され、既存ユーザーへの負担を最小化します。

出典:クリプタクトがGtaxを統合、日本の仮想通貨損益計算サービスの業界標準へ|クリプタクト(2026年7月1日)

移行のスケジュールは、Gtaxのサポートセンターでより具体的に示されています。2026年7月1日をもって新規ユーザー登録が停止され、既存ユーザーが利用できるのは2026年9月27日までです。

  • 2026年7月1日〜9月27日/これまでどおりGtaxをご利用いただけます※なお、2026年7月1日よりGtaxの新規ユーザー登録は停止いたします
  • 2026年9月28日〜10月4日/サービス統合作業を行います。2026年9月27日をもってGtaxのサービス提供は終了し、2026年9月28日以降Gtaxへのログインはできなくなります
  • 2026年10月5日〜/引き継がれたアカウントでクリプタクトのご利用が可能になります
出典:【重要】Gtaxサービス統合についてのご案内(一般版/個人事業主・法人版)|Gtax サポートセンター(2026年7月26日更新)

これから損益計算ツールを使い始める方にとって、この変更の意味は明確です。新規ユーザー登録が停止している以上、Gtaxは候補になりません。10月5日の統合以降に新しく契約する場合は、クリプタクトの料金プランから選ぶことになります。

停止されたのが「新規ユーザー登録」であって契約そのものではない点は、すでにアカウントを持っている方に関わる話です。同ヘルプでは、2026年9月27日までであればGtaxの料金プランで契約でき、契約期間は1年間で更新も可能とされています。税理士版では、新規ユーザー登録の停止にあたる措置が「顧客アカウント追加」の停止として案内されています。

既存ユーザーのデータについては、2026年9月27日までに取り込んだ取引データがすべて自動で引き継がれ、取引所のAPIキーやウォレットアドレスの再登録も不要とされています。契約中のプラン内容・契約期間・料金体系も原則としてそのまま継続されます。

ただし無料プランの利用者は統合後にクリプタクトの「Freeプラン」へ移行し、このプランでは取引50件を超えると損益の計算結果が表示されません。無料の範囲で使い続けてきた場合は、移行後に使える範囲が変わる可能性があります。

統合の詳細スケジュールと既存ユーザー向けの移行サポート方針は、統合予定日に向けて順次案内されるとされています。上記はいずれも2026年8月時点で公開されている内容です。

統合後は何を基準に選べばよいか

これまで「どちらを使うか」で迷っていた読者にとって、その比較の前提は2026年10月で解消します。統合後に残る判断軸は、次の3つに整理できます。

1つ目は、統合先のサービスが自分の取引をカバーしているかという確認です。使っている取引所とチェーンに対応しているか、DeFiやNFTの取引を取り込めるか、無料枠の取引件数が自分の取引量に足りるかを、あらためて突き合わせる必要があります。

2つ目は、乗り換えるべきかどうかの判断です。統合はデータを引き継いだうえで行われるため、既存ユーザーがすぐに別のツールへ移る必要はありません。ただし料金体系やプランの区切りが自分の使い方と合わなくなる場合は、他の選択肢を検討する機会になります。過年度の取得価額をどう引き継ぐかは乗り換え時の落とし穴で扱います。

3つ目は、そもそも自分でツールを操作するのか、計算ごと任せるのかという選択です。取引が複雑で自分では計算しきれない場合、計算代行という選択肢が同じ土俵にあります。

暗号資産の損益計算ツールの3つのタイプ

暗号資産の損益計算に使えるサービスは、「誰が、どこまでの業務に使うか」という対応業務の範囲で3つに分かれます。同じ「損益計算」でも、個人の確定申告で所得金額を出せば足りるのか、法人の決算で仕訳や期末評価まで必要なのかで、選ぶべき製品は変わります。

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特徴該当する主なサービス詳細
個人の確定申告に使うタイプ取引履歴を取り込んで年間の損益を算出し、確定申告に必要な金額を出すところまでを自分で完結させる。無料枠の取引件数と対応取引所の範囲が選定の分かれ目になるクリプタクト, クリプトリンク, Crypto Manage, Coinpanda, Divly比較表を見る
法人の会計処理・監査対応まで使うタイプ損益計算に加えて、期末時価評価・仕訳データの出力・承認記録や証跡の保存まで扱う。監査法人への説明や決算作業まで見据える場合に検討する暗号会計RIKYU, Aerial Web3 Accounting, CRYPTO Governance, CryptaCount, 暗号資産会計管理システム比較表を見る
計算を任せるタイプ取引データを預けると、専門スタッフが損益計算を行う。申告書の作成・提出まで請け負うものもある。取引が複雑で自分では計算しきれない場合の選択肢クリプトリンク損益計算代行, Bittax, コインタックス比較表を見る

個人の確定申告に使うタイプ

取引所やウォレットから履歴を取り込み、年間の所得金額を算出するところまでを自分で行うタイプです。国内の主要な取引所であればAPI連携で自動取得できる製品が多く、対応していない取引所についてはCSVを取り込む形になります。

このタイプで最初に確認すべきは、無料で使える範囲です。多くの製品が年間の取引件数に上限を設けた無料プランを用意していますが、上限を超えると計算結果が表示されなくなったり、海外取引所やDeFiの取引には有料プランが必要になったりします。取引件数が数十件にとどまり、国内取引所しか使っていないのであれば無料のまま完結することもあります。

法人の会計処理・監査対応まで使うタイプ

損益計算にとどまらず、決算で必要になる処理まで扱うタイプです。法人が暗号資産を保有する場合、期末時点の時価評価や、会計システムへ渡す仕訳データの出力が必要になります。上場企業やその準備段階にある企業では、誰がいつ承認したかという記録や、変更できない形での証跡の保存も求められます。

個人向けの製品でも法人プランを用意しているものはありますが、監査法人への説明資料や内部統制の記録まで想定した設計になっているとは限りません。決算・監査まで見据えるのであれば、このタイプから検討するほうが確実です。

計算を任せるタイプ(計算代行)

ツールを自分で操作するのではなく、取引データを預けて専門スタッフに損益計算を行ってもらうタイプです。納品されるのは計算結果の報告書や仕訳データで、サービスによっては提携する税理士が確定申告書の作成・提出まで担当します。

費用はツールを自分で使う場合より高くなりますが、取引所をまたぐ移動が多い、独自チェーンやDeFiの取引が入り組んでいるなど、ツールが自動判定しきれない取引を抱えている場合には現実的な選択肢になります。確定申告の時期は受付が混み合うため、依頼するのであれば早めに動くほうが安全です。

【比較表】暗号資産の損益計算ツールおすすめ13選を比較

ここからは、自分の条件に合うサービスを客観的に比べられるよう、主要な暗号資産の損益計算ツール13サービスを3つのタイプ別に整理して紹介します。料金・対応取引所数などの数値は各社の公式情報および提携先が公表している資料を出典とし、2026年8月時点で確認できた内容を記載しています。

【タイプ別比較表】個人の確定申告に使うタイプ

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サービス名クリプタクトクリプトリンクCrypto ManageCoinpandaDivly
料金年額6,600円〜77,000円(税込、取引件数で5段階)個人: 年額3,960円(税込、取引500件まで)
法人: 年額18,000円(税抜)〜
「今なら完全無料で使い放題」と表示
有料プランの有無・金額は公式に記載なし
年79ドル(100件)〜389ドル(20,000件)、いずれも年払い
上限超過分は100件あたり0.69ドル
年度ごとの買い切り
個人はEssential 39ユーロ/Peace of Mind 99ユーロ/Full Service 499ユーロ
法人向けは年額1,099ユーロ〜
無料で使える範囲年間50件まで
(50件を超えると損益の計算結果が表示されない)
個人向けに無料の範囲があるとされるが、具体的な機能制限は公式ヘルプセンターを確認できず期間・取引件数の条件は公式に記載なし年間25件まで
(公式ヘルプセンターの料金記事)
取引25,000件までの資産管理
(税務レポートの作成は有料)
対応取引所・チェーン179の取引所・ブロックチェーン、33,575銘柄
(公式の機能紹介ページ、2026年8月時点)
約70か所の取引所・ウォレット(弥生の連携ページ)
別資料には54・100以上(取引フォーマット)との表記も併存
DeFiはEthereum・BSC・Polygonの3チェーン
国内はGMOコイン・DMM Bitcoin・bitFlyer・Coincheckなど、海外はPoloniex・Binanceなど
対応総数の表記なし/対応通貨は約9,400種類
900以上のウォレット・取引所、2,000以上のDeFiプロトコル、300,000種類以上の暗号資産(日本語トップページ)
統合一覧ページには2,478統合・450以上のDeFiプロトコルとの別表記
150以上の取引所・ウォレット
bitFlyer・Coincheck・GMOコイン・SBI VC Tradeなど国内主要取引所に対応
計算方法(総平均法/移動平均法)総平均法・移動平均法総平均法・移動平均法総平均法・移動平均法総平均法に対応(公式ガイドで明記)
移動平均法への対応は公式の記載から確認できず
総平均法・移動平均法
(日本語ガイドで両方への対応を明記)
DeFi・NFT対応ウォレット登録でDeFi取引を自動識別。OpenSea・BlurのNFTに対応NFTの売買、ステーキングで受け取った報酬も計算対象公式サイトに「DeFiなどマイナーサービスにも対応」と「DeFi取引データの登録(準備中)」が併存。NFTは公式に記載なしDeFiプロトコルに対応。NFTはOpenSeaなどから取り込み公式に記載なし
法人対応(期末時価評価・仕訳出力)税理士プランで決算期末月の設定と期末保有通貨の評価損益に対応。仕訳データの出力は公式に記載なし法人向けプランで期末時価評価・中間決算に対応。取引単位・日次・月次の仕訳データを出力公式に記載なし公式に記載なし法人向けプランで会計報告書を出力。期末時価評価・仕訳データ出力は公式に記載なし
会計ソフト連携公式に記載なし弥生会計(他の会計ソフトは公式に記載なし)公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
税理士・顧問先管理税理士プラン(クライアント1件あたり年額55,000円・税込)で複数クライアントを1アカウントで管理税理士向けサポートプラン(年額110,000円・税込)と顧問先管理機能公式に記載なし公式に記載なし税理士向けプランがあり、顧客のアカウントに会計士を招待できる(料金は個別ページで要確認)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】法人の会計処理・監査対応まで使うタイプ

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サービス名暗号会計RIKYUAerial Web3 AccountingCRYPTO GovernanceCryptaCount暗号資産会計管理システム
(Hinode Technologies)
料金法人向けBiz: 月額2,480円(ウォレット20個・年1,000件)/4,980円(ウォレット無制限・年10,000件)
エンタープライズは要相談
※親会社の変更に伴いエンタープライズ企業向けのプラン体系見直しが公表済み
要問い合わせ(公式サイトに金額の記載なし)会計フォーカス: 月額5,000円〜(税別)
会計+内部統制、会計+内部統制+取引執行は個別見積もり
初期費用は無料
B2B Starter 月額399ドル〜B2B Scale 月額1,499ドル(米ドル建て、14日間の試用付き)要問い合わせ(公式に記載なし。各事業会社向けのカスタマイズ対応)
無料で使える範囲無料の試用プランあり(機能制限あり)個人向けに無料の範囲があるとされるが、具体的な機能制限は公式ヘルプセンターを確認できず公式に記載なし(導入前の無料相談あり)B2B Free: ユーザー1名・ウォレット1個・対応チェーン1つ・月1,000件まで個人向けに無料の範囲があるとされるが、具体的な機能制限は公式ヘルプセンターを確認できず
対応取引所・チェーン66以上の取引所・ブロックチェーン・会計ソフト(公式サイト)
2024年の提供開始時のプレスリリースでは62以上
Ethereum・Polygon・Solana・Arbitrum・BNB Chain・Baseなど
対応チェーンの一覧は非公開
公式に確認できるのはOasys(2023年8月)・Polygon(2023年11月)の対応開始
国内外の主要CEX、Hyperliquidなどの無期限先物を扱う分散型取引所、主要EVMチェーン・Solana
個別の取引所名・対応数は非公開
90以上のブロックチェーン
100以上の取引所・ウォレットのコネクタ
公式に記載なし
計算方法(総平均法/移動平均法)総平均法・移動平均法移動平均法移動平均法
(総平均法への対応は公式に記載なし)
日本向けページでは個人・法人とも総平均法を既定と記載
グローバル仕様は12種類の原価計算方法に対応
公式に記載なし
DeFi・NFT対応スワップ・ブリッジ・ステーキング、ERC-721/ERC-1155のNFT売買に対応自動判定できないDeFi取引を個別に処理するワークフローあり。NFT関連事業者を対象に掲げるが、NFT売買の専用機能は公式に記載なしDeFi収益・ステーキング報酬・ノード報酬・MEV報酬・エアドロップを受領時の時価で自動評価。NFTは公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
法人対応(期末時価評価・仕訳出力)決算画面で月次締め・年度ロック・期末時価評価に対応し、仕訳を自動生成仕訳データを出力できるが、期末時価評価・監査法人対応の機能は公式に記載なし承認フロー・改ざん不可ログ・監査人専用の閲覧アカウントを提供。期末時価評価の処理方法は公式に記載なし総勘定元帳に対応する仕訳へ変換し、IFRS・US GAAPでの財務諸表を出力。日本の期末時価評価は税制の説明にとどまるステーキング報酬やガス代のデータ取得と、会計システムに合わせたCSV抽出・プラグイン対応を公表。期末時価評価・証跡機能の詳細は公式に記載なし
会計ソフト連携freee会計とAPI連携。マネーフォワード クラウド会計・XeroはCSV会計ソフトへ取り込める形式で出力。対応ソフト名は公式に記載なしfreee・マネーフォワード・勘定奉行・SAP等の形式で出力(個別出力にも対応)Xero・Zoho Booksが稼働中。QuickBooks・NetSuiteは開発予定個別のCSV抽出・プラグイン対応。対応する会計システム名は公式に記載なし
税理士・顧問先管理税理士・会計事務所向けのRIKYU Partner(顧客環境1件あたり年額10,000円・税別)公式に記載なし会計事務所・税理士法人を対象ユーザーに掲げるが、顧問先管理の専用機能は公式に記載なしクライアント別ワークスペースと権限別のアクセス制御(会計事務所・監査法人向け)公式に記載なし
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る公式資料を見る公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】計算を任せるタイプ(計算代行)

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サービス名クリプトリンク損益計算代行Bittaxコインタックス
料金初期費用0円
個人: スタンダード143,000円/サポート176,000円
法人: スタンダード198,000円/サポート253,000円
全プラン取引データ20,000件まで(超過分はオプション料金)
トップページ表示: 88,000円(取引所3ヶ所・取引100件・利益100万円まで)〜220,000円(条件なし)
特定商取引法に基づく表示: 150,000円〜250,000円
※同じ公式サイト内で表記が一致していない。DeFi・NFT・過去年度分は別料金
ライト200,000円(取引所5社以内)/ベーシック300,000円(10社以内)/アドバンス400,000円(社数の制限なし)
利益1,001万円以上は50,000〜150,000円の追加
※早期割引価格の併記あり(期限は「7/31まで」とのみ記載)
無料で使える範囲該当なし(計算を委託するサービスのため無料枠なし)該当なし(見積もり自体は無料と案内)該当なし(電話相談の初回のみ無料)
対応取引所・チェーン海外取引所80社以上
Ethereum・Solana・Sui・BSC・Polygonなど
70以上の取引所・サービス、15,000以上の通貨
内訳は国内31社・海外38社
Ethereum・Polygon・Solana・BinanceCoin
「国内外のあらゆる暗号資産に対応」と訴求
対応取引所の一覧は公式に記載なし
計算方法(総平均法/移動平均法)公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
DeFi・NFT対応DeFiはウォレットデータの取り込み、NFTは管理リスト機能で対応いずれも有料オプション(金額はページにより表記が異なる)いずれも有料オプション(DeFi対応70,000円、NFT・ブロックチェーンゲーム対応50,000円)
法人対応(期末時価評価・仕訳出力)法人プランあり。会計ソフトに取り込める仕訳データを納品(期末時価評価は公式に記載なし)公式に記載なし(公式サイトは個人の申告を想定した内容)公式に記載なし(公式サイトに掲載された利用者は個人が中心)
会計ソフト連携法人向けは会計ソフトにインポートできる仕訳データを納品(対応ソフト名は公式に記載なし)公式に記載なし公式に記載なし
税理士・顧問先管理確定申告代行パッケージ(187,000円・税込〜)で提携税理士が申告書の作成・提出まで対応損益計算はBittaxが担当し、確定申告書の作成・提出は提携税理士が担当利益計算は自社スタッフ、確定申告書の作成・提出は提携税理士が担当(税務調査対応は日当が別途発生)
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト

※上記は各社の公式情報にもとづく2026年8月時点の内容です。料金・対応範囲は変更されることがあるため、実際の提供内容は各社の公式ページをご確認ください。

表の見方は次のとおりです。は該当する機能が公式に明記されており、必要な要素が揃っているもの。は対応が公式に明記されているもの。は一部のみ対応、有料オプション扱い、または公式サイト内で記述が食い違っているものです。

「公式に記載なし」は、その項目について各社の公式ページに説明が見当たらなかったことを示します。「公式ページを確認できず」は、公式サイト自体にアクセスできず確認できなかったことを示し、両者は意味が異なります。

公表されていない項目が多いサービスも、選択肢としては存在します。判断に必要な情報が公式から得られない場合は、問い合わせて確認したうえで検討してください。

各損益計算ツールの詳細解説

ここからは、比較表で取り上げた13サービスについて、料金・対応範囲・どんな利用者に向くかを個別に見ていきます。

個人の確定申告に使うタイプ

自分で取引履歴を取り込み、確定申告に必要な所得金額を算出するまでを完結させたい方に向くサービスです。

1. クリプタクト(株式会社pafin)

クリプタクトの公式サイト

2017年12月に無料の損益計算ツール「tax@cryptact」として提供が始まったサービスで、現在は株式会社pafinが運営しています。公式トップページには、20万人以上が利用していると記載されています(2026年8月時点)。

公式の機能紹介ページによると、対応範囲は179の国内・海外取引所およびブロックチェーンと、33,575銘柄です(2026年8月時点)。ウォレットアドレスを登録すると、スワップ・レンディング・ステーキングといったDeFiの取引や、OpenSea・BlurでのNFT取引を自動で識別して分類します。計算方法は総平均法と移動平均法のどちらも選べます。

料金は無料のFreeプランのほか、年額6,600円(税込、取引300件まで)から77,000円(税込、件数無制限)までの5段階です。ただし公式料金ページの脚注には「Freeプランは50件を超えると、損益の計算結果は表示されません」と記載されており、無料のまま計算結果を見られるのは年間50件までとなります。

税理士・会計事務所向けには、クライアント1件あたり年額55,000円(税込)のプランがあり、決算期末月の設定や期末保有通貨の評価損益にも対応します。海外取引所やDeFi・NFTの取引を含み、取引件数に応じてプランを選びたい方に向く構成です。

出典・参考資料(2件)

2. クリプトリンク(クリプトリンク株式会社)

クリプトリンクの公式サイト

個人の確定申告用と法人の決算用でプランが分かれている損益計算ツールです。同社のプレスリリースでは、法人・企業・会計事務所への導入が累計1,000社以上、個人ユーザーは数万人規模と公表されています(2025年10月時点)。

個人向けの基本プランは年額3,960円(税込)で、年間の取引500件までが対象です。月額に換算すると約330円にあたります。件数が増える場合は追加のオプションがあり、法人向けは弥生株式会社の連携ページで年額18,000円(税抜)からと案内されています。

取引所・ウォレットの対応範囲は、同じ弥生株式会社の連携ページに約70か所と記載されています。DeFiはEthereum・BSC・Polygonの3チェーンに対応し(2023年12月のプレスリリース時点)、NFTの売買やステーキングで受け取った報酬も計算の対象です。計算方法は総平均法・移動平均法の両方から選べます。

出力は、個人向けが収支計算報告書、法人向けが取引単位・日次・月次の仕訳データで、弥生会計への取り込みに対応します。無料で使える範囲については公式ヘルプセンターを確認できなかったため、費用を抑えたい方は申し込み前に問い合わせて確認してください。

出典・参考資料(3件)

3. Crypto Manage(株式会社イー・ラーニング研究所)

Crypto Manageのウェブサイト

取引所からダウンロードした取引履歴をアップロードすると、損益を自動で計算するツールです。運営はeラーニング事業を主軸とする株式会社イー・ラーニング研究所で、対応通貨は公式トップページの記載で約9,400種類とされています(2026年8月時点)。

公式の対応取引所一覧ページには、国内はGMOコイン・DMM Bitcoin・bitFlyer・Coincheck、海外はPoloniex・Binanceなどが挙げられており、対応総数の表記はありません。自動で取り込めない取引所は共通フォーマットでの手動登録に対応し、マイニングやエアドロップで受け取った分も同じ方法で登録できます。計算方法は総平均法・移動平均法の両方に対応します。

公式トップページには「今なら完全無料で使い放題!」と表示されていますが、期間や取引件数の条件は記載がありません。独立した料金ページは表示できない状態で、有料プランの有無や金額も公式サイトからは確認できませんでした(2026年8月時点)。

DeFiについては、トップページの「DeFiなどマイナーサービスにも対応」という記載と、機能一覧の「DeFi取引データの登録(準備中)」という記載が併存しています。NFT対応の明記も見当たらないため、国内取引所での売買が中心で、費用と対応範囲を事前に問い合わせて確かめられる方向けの選択肢になります。

出典・参考資料(3件)

4. Coinpanda

Coinpandaのウェブサイト

日本の総平均法に対応することを公式ガイドで明記している、2019年からスカンジナビアで提供されている税務計算ツールです。2019年からサービスを提供しており、日本語のトップページと、日本の税制を扱うガイド記事を公開しています。

設定画面で原価計算方法を総平均法に切り替えられる一方、移動平均法に対応するかどうかは公式の記載からは確認できません。日本語版トップページでは、900以上のウォレット・取引所、2,000以上のDeFiプロトコル、300,000種類以上の暗号資産への対応を掲げています(2026年8月時点)。NFTはOpenSeaなどからの取り込みに対応します。

料金は米ドル建てで、無料プランは公式ヘルプセンターの料金記事で年間25件までと案内されています。有料プランは100件で79ドル、1,000件で149ドル、3,000件で249ドル、20,000件で389ドル(いずれも年払い、2026年8月時点)で、上限を超えた分には100件あたり0.69ドルが加算されます。総平均法のまま申告する個人で、海外取引所やDeFiの取引が多い方に向きます。

出典・参考資料(3件)

5. Divly(Ragnaros AB)

Divlyのウェブサイト

スウェーデンのRagnaros ABが2021年から提供している税務計算ツールで、Divlyはそのブランド名です。日本語のトップページに加え、国税庁への評価方法の届出手続きを説明するガイド記事を日本語で公開しています。

総平均法と移動平均法の両方に対応することを日本語ガイドで明記しており、届出をしない場合は総平均法が適用される点も同じガイドで案内しています。対応する取引所・ウォレットは公式の一覧ページで150以上とされ、bitFlyer・Coincheck・GMOコイン・SBI VC Tradeなど日本の主要取引所が含まれます(2026年8月時点)。

料金は年度ごとの買い切りで、無料プランでは取引25,000件までの資産管理が使えます。税務レポートを作成できるEssentialは39ユーロ、専門スタッフが取引内容を確認するPeace of Mindは99ユーロ、Full Serviceは499ユーロです。法人向けには年額1,099ユーロからのプランが別に用意されています。

一方で、DeFiやNFTの対応範囲は公式ページで明示を確認できませんでした。どちらの計算方法で申告するかが決まっていて、国内取引所での売買を中心に扱いたい方に向く選択肢です。

出典・参考資料(3件)

法人の会計処理・監査対応まで使うタイプ

暗号資産を保有する法人が、決算・仕訳・監査対応まで見据えて検討するサービスです。

6. 暗号会計RIKYU(株式会社RIKYU)

暗号会計RIKYU

ウォレットアドレスを登録するだけでオンチェーンの取引データを自動取得し、損益計算から仕訳の生成、会計ソフトへの連携までを行うクラウドサービスです。

株式会社RIKYUが2024年6月に法人向けの「RIKYU Biz」を正式提供開始し、個人向け・税理士事務所向けのプランも用意しています。対応先は公式サイトに66以上の取引所・ブロックチェーン・会計ソフトと記載があります(2024年の提供開始時プレスリリースでは62以上)。

損益計算は総平均法と移動平均法の両方に対応し、法人の会計方針に合わせて選べます。期末の時価評価は法人向けの決算画面で、月次締め・年度ロックとあわせて実行できます。仕訳データはfreee会計とAPI連携し、マネーフォワード クラウド会計とXeroへはCSVで受け渡します。

法人向けBizの月額は、ウォレット20個・年間1,000件までのミニマムが2,480円、ウォレット無制限・年間10,000件までのビジネスが4,980円です(公式サイト、2026年8月1日確認)。

2026年7月10日にdouble jump.tokyo株式会社との株式譲渡契約が締結され、完全子会社となることが公表されており、エンタープライズ企業向けのプラン体系見直しが公表されているため、契約前に最新の料金をご確認ください。

出典・参考資料(4件)

7. Aerial Web3 Accounting(株式会社Aerial Partners)

Aerial Web3 Accounting

暗号資産・NFT・独自トークンを事業として扱う企業の経理を対象にしたツールで、株式会社Aerial Partnersが2023年7月10日に提供を開始しました。ウォレットアドレスを連携してオンチェーンの取引データを取得し、仕訳データの作成までを担います。2024年5月には、仕訳をツール上で管理する会計帳簿機能が加わりました。

原価計算は移動平均法によります。仕訳データは会計ソフトへ取り込める形式で出力できますが、対応する会計ソフトの具体名は公式に記載がありません。自己保有ウォレット間の送金を識別して損益計算から除外する処理や、自動判定できないDeFi取引を個別に処理するワークフローも備えます。

対応チェーンとして公式に確認できるのはOasys(2023年8月)とPolygon(2023年11月)の対応開始で、一覧は公開されていません。期末の時価評価や監査法人対応の具体的な機能についても、公式の記載は確認できません。料金は金額の記載がなく要問い合わせで、導入企業としては株式会社DM2C Studio(DMM.comグループ、2024年4月導入)が公表されています。

出典・参考資料(5件)

8. CRYPTO Governance(株式会社ICHIZEN HOLDINGS)

CRYPTO Governance

取引枠の管理・承認フロー・リアルタイム監視・取引執行・会計処理と証跡保存という5つの機能を1つにまとめた内部統制ツールです。株式会社ICHIZEN HOLDINGSが2026年6月15日に提供を開始しました。上場企業やIPO準備企業、DAT(デジタルアセットトレジャリー)事業を始めた企業、会計事務所・税理士法人を対象に掲げており、個人向けの記載はありません。

取得原価の計算は公式に移動平均法のみが明記され、総平均法への対応や期末時価評価の処理方法についての記載はありません。ノード報酬・ステーキング報酬・DeFi収益・MEV報酬・エアドロップを受領時の時価で自動評価して仕訳し、freee・マネーフォワード・勘定奉行・SAP等の形式で出力できます。

対応先は国内外の主要な取引所と、Hyperliquidなどの無期限先物を扱う分散型取引所、主要EVMチェーンおよびSolanaで、個別の取引所名は公開されていません。

職務分掌はシステム側で強制され、権限を管理者・承認者・運用者・経理・閲覧者の5役割とする記述と、4階層とする記述が公式サイトに併存します。全操作の改ざん不可ログを保存し、監査人専用の閲覧アカウントから「誰が・いつ・なぜ・いくらで」を抽出できます。料金は会計処理を中心とする会計フォーカスが月額5,000円(税別)から、内部統制や取引執行を含む上位2プランは個別見積もりで、初期費用は無料です。

出典・参考資料(2件)

9. CryptaCount(CryptaCount, Inc.)

CryptaCountのウェブサイト

会計事務所・監査法人・暗号資産ファンド・Web3企業の経理部門を対象に、ブロックチェーンと取引所のデータを総勘定元帳に対応する仕訳へ変換する会計ソフトウェアです。損益計算書・貸借対照表の算出やファンド向けのNAV計算、IFRS・US GAAPでの財務諸表出力に対応します。運営は米国デラウェア州法人とルクセンブルク法人の2社体制です。

原価計算は12種類の方法に対応するとされる一方、日本向けページでは個人・法人いずれも取得原価の既定を総平均法と記載し、納税者が方法を選べる点には触れていません。

日本の法人税では移動平均法が法定の評価方法で、届出により総平均法を選べる扱いのため、自社の届出内容と合うかは事前の確認が要ります。期末の時価評価についても、2023年の税制改正を踏まえ、自己発行トークンと第三者が発行したトークンで扱いが分かれるという説明が置かれています。

対応は90以上のブロックチェーンと100以上の取引所・ウォレットのコネクタで、ERP連携はXeroとZoho Booksが稼働中、QuickBooksやNetSuiteは開発予定と明記されています。

料金は米ドル建てで、無料のB2B Freeのほか月額399ドルのB2B Starterから1,499ドルのB2B Scaleまでが公開され、14日間の試用が付きます。日本法人の設置、日本語のサポート窓口、日本円建てのプランについては記載がありません。

出典・参考資料(4件)

10. 暗号資産会計管理システム(株式会社Hinode Technologies)

暗号資産会計管理システムのウェブサイト

株式会社gumiのブロックチェーン事業子会社であるgC Labs(出資比率65.97%)とTIS株式会社(同34.03%)の合弁で2025年4月に設立された株式会社Hinode Technologiesが、2026年7月29日に提供を開始したシステムです。機関投資家・上場企業を対象に掲げ、一般提供に先立って合同会社SBI Crypto Fundへ先行導入されています。

公表されている機能は、ステーキング報酬など売買を伴わずに発生する収益やガス代のデータを取得すること、顧客の会計システムや社内環境に合わせた個別のCSV抽出・プラグイン対応でデータを出力することの2点です。システムは特許出願中とされています。

損益計算の方法、期末時価評価の処理方式、対応するブロックチェーン・取引所の範囲、監査法人向けの証跡機能といった詳細は、2026年8月1日時点の公式サイト・プレスリリースでは公開されていません。料金も記載がなく要問い合わせで、各事業会社向けのカスタマイズ対応を行うとされています。

出典・参考資料(3件)

計算を任せるタイプ(計算代行)

取引データを預けて、損益計算そのものを専門スタッフに任せられるサービスです。

11. クリプトリンク損益計算代行(クリプトリンク株式会社)

クリプトリンク損益計算代行のウェブサイト

取引所やウォレットの取引データを送付すると、クリプトリンク株式会社の専門スタッフが損益計算と法定通貨換算、仕訳データの作成までを代行します。同社の損益計算ツール「クリプトリンク」とは別のサービスで、料金体系も異なります。海外取引所は80社以上に対応し、DeFiはウォレットデータの取り込み、NFTは管理リスト機能で扱います。

料金は初期費用が無料で、個人向けは計算1回のスタンダードが143,000円、計算2〜12回とWeb会議対応が付くサポートが176,000円です。法人向けは同じ区分で198,000円と253,000円になります。取引データは全プラン20,000件までが対象で、超過分は別途オプション料金がかかります。

納品されるのは、個人が収支計算報告書、法人が会計ソフトへ取り込める仕訳データです。確定申告書の作成・提出まで任せる場合は、提携税理士が対応する確定申告代行パッケージ(187,000円税込〜)を利用する形になります。同パッケージでは、利益額が1,000万円以上の場合やDeFi・NFTを含む取引、過去年度分の計算、2月以降の依頼で追加費用が発生します。

出典・参考資料(2件)

12. Bittax(株式会社マイビジ)

Bittaxのウェブサイト

損益計算を運営元の株式会社マイビジが行い、確定申告書の作成・提出は提携する税理士が担当する形の代行サービスです。問い合わせ、見積もり、契約、取引履歴の提出を経て損益計算と確定申告に進む流れで、手続きはオンラインで完結するとしています。

対応範囲は70以上の取引所・サービスと15,000以上の通貨とされ、取引所名は国内31社・海外38社が公開されているほか、Ledger・TREZOR・Gincoのウォレットにも対応します。ステーキングやマイニング、レンディングなどの取引形態にも対応しますが、DeFiとNFTは有料オプションでの扱いです。

料金はプラン制で、トップページには88,000円(取引所3ヶ所・取引100件・利益100万円まで)から220,000円(条件なし)までの4プランが掲載されています。

一方、特定商取引法に基づく表示のページでは150,000円から250,000円までとなっており、同じ公式サイト内で金額の表記が一致していません(いずれも2026年8月時点)。DeFi・NFT対応や過去年度分の計算は別料金で、実際の費用は見積もりで確定します。

納期の目安は、損益計算までが通常1ヶ月程度、申告書の作成・提出が2週間程度です。確定申告シーズンは受付枠に定員を設け、定員に達した時点で締め切ると案内しています。公式サイトで示されているのは個人の申告を想定した内容で、法人向けプランの記載は確認できません。

出典・参考資料(2件)

13. コインタックス(コインタックス株式会社)

コインタックスのウェブサイト

DeFiやステーキング、ブロックチェーンゲーム(Play to Earn)、NFT、ICO購入といった取引に対応し、利益計算から確定申告書の作成・提出までをワンストップで引き受けるサービスです。運営はコインタックス株式会社で、計算は自社スタッフ、申告書の作成と提出は提携税理士が担当します。

料金はプラン制で、対象の取引所が5社以内のライトが200,000円、10社以内のベーシックが300,000円、社数の制限がないアドバンスが400,000円です。料金ページにはこれより安い早期割引価格も併記されていますが、期限が「7/31まで」とだけ記され対象の年が読み取れないため、割引が適用されるかは申し込み前に公式ページで確認が必要です

これに加えて、利益額が1,001万円以上になると、金額帯に応じて50,000円から150,000円の追加料金が発生します。DeFi対応が70,000円、NFT・ブロックチェーンゲーム対応や過去年度分の計算が各50,000円など、取引の内容に応じたオプション料金も別に設定されています。

税務調査への対応は提携税理士が行いますが、日当が別途発生すると明記されており、基本プランには含まれません。公式サイトに掲載された利用者は会社員や自営業といった個人が中心で、法人向けのプランは公式サイト上では案内されていません。

出典・参考資料(2件)

暗号資産の損益計算ツールとは

暗号資産の損益計算ツールとは、取引所やウォレットに分散した取引履歴を集約し、税法に沿った所得金額を自動で算出するソフトウェアです。確定申告や決算に必要な金額を出すことを目的としており、資産の値動きを眺めるためのポートフォリオ管理アプリとは役割が異なります。

手作業やエクセルでは損益計算が終わらない理由

暗号資産の所得金額は、売却額から譲渡原価を差し引いて求めます。この譲渡原価は、同じ銘柄について取得した数量と金額を通算した平均単価から計算するため、1回の売却の損益を出すだけでも、その銘柄をそれまでにいくらでいくつ買ったかという履歴がすべて必要になります

取引所が1社だけなら、年間取引報告書を使って計算する道もあります。しかし複数の取引所を使い、取引所間で資産を移動していると、ある取引所の履歴だけでは取得価額が追えません。取引所ごとに履歴の書式も項目名も異なるため、表計算ソフトに集約する作業自体が負担になります。

さらに、暗号資産同士を交換した時点でも所得が発生します。国税庁は次のように整理しています。

保有する暗号資産Aを他の暗号資産Bと交換した場合、暗号資産Aで暗号資産Bを購入したことになりますので、「1-2 暗号資産で商品を購入した場合」と同様に、暗号資産Aの譲渡に係る所得金額を計算する必要があります。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)1-3|国税庁

日本円に換金していなくても、銘柄を乗り換えるたびに計算対象が増えるということです。取引回数が数百件を超えると、手作業で正確に追い切るのは現実的ではなくなります。

損益計算ツールでできること

損益計算ツールの中心的な機能は、取引履歴の取り込みと、平均単価にもとづく所得金額の自動計算です。取引所のAPIと連携して履歴を自動取得する機能、対応していない取引所のCSVを取り込む機能、ウォレットアドレスを登録してブロックチェーン上の取引を取得する機能を備えるものが一般的です。

計算方法は総平均法と移動平均法から選べる製品が多く、年末時点の1単位当たりの取得価額と、その年の譲渡原価が算出されます。算出結果は確定申告に転記できる形の帳票や、会計ソフトに取り込める仕訳データとして出力できます。

損益計算ツールを使うメリット

最大の利点は、取引所をまたいだ通算計算が自動で行われることです。手作業では取引所ごとに分断されてしまう取得価額を、銘柄単位で正しく通算できます。

もう一つは、計算根拠が残ることです。どの取引をどう評価したかがツール上に記録されるため、後から見直したり、税理士に説明したりする際の材料になります。過年度の申告に誤りが見つかった場合も、同じデータから計算し直せます。

損益計算ツールのデメリットと限界

一方で、ツールに任せれば何もしなくてよいわけではありません。まず、対応していない取引所やチェーンの取引は、自分で形式を整えて取り込む必要があります。DeFiやNFTの取引は、ツールが取引の意味を自動判定できず、利用者が手作業で分類を指定しなければならない場合があります。

また、損益計算ツールが算出するのは所得金額までで、確定申告書そのものを作成できるとは限りません。この役割分担については後の章で詳しく整理します。計算結果の正しさについても、多くのサービスが保証はしないという立場を取っており、最終的な申告内容の責任は申告者本人にあります。

暗号資産の損益計算ツールの選び方

候補が絞れたら、次は自分の取引条件に落として1つに決める段階です。個人・法人・税理士事務所という立場による分かれ目は3つのタイプ法人・税理士事務所の追加論点で扱っているため、ここでは取引の中身に即した観点を見ていきます。

無料で使える範囲はどこまでか

このカテゴリで最も判断を左右するのが、無料プランの境界です。多くのサービスが「年間の取引件数が一定数まで」という条件で無料プランを提供していますが、上限の件数は製品によって幅があります。上限を超えた場合の挙動も、計算結果が表示されなくなるもの、機能が制限されるものなど一様ではありません。

件数以外の制限にも注意が必要です。無料プランでは国内取引所の一部しか対応せず、海外取引所やDeFiの取引を計算するには有料プランが必要という設計は珍しくありません。

「1件」はどう数えるのか

プランを選ぶ前に、自分の年間取引件数を把握する必要がありますが、ここでつまずく方は少なくありません。一般に、取り込んだ取引履歴の1行が1件として数えられます。日本円での売買だけを1件と数えるわけではない点が、感覚とずれやすいところです。

前述のとおり、暗号資産同士の交換や、暗号資産での決済も所得計算の対象になります。ビットコインをイーサリアムに交換した取引も履歴の1行として数えられますし、DeFiのスワップやステーキング報酬の受け取りも、履歴上は個別の行として積み上がります。毎日報酬を受け取っていれば、それだけで年間365行に達します。

おおよその見当をつけるには、使っている取引所から取引履歴のCSVをダウンロードし、その行数を合計するのが確実です。ウォレットでのDeFi取引が多い場合は、体感よりかなり多くなることを見込んでおいてください。件数の数え方はツールごとに細部が異なるため、境目に近い場合は各社の公式説明で確認することをおすすめします。

自分の取引件数と、使っている取引所の顔ぶれを数えたうえで、無料で完結するかを判断してください。

有料プランの料金を取引件数の刻みで比べる

有料プランは、年間の取引件数で段階が分かれる料金体系が主流です。100件、500件、1,000件、5,000件といった刻みでプランが設定され、件数が増えるほど年額が上がります。

ここで見落としやすいのが、刻みの境目です。自分の取引件数が境目のすぐ上にある場合、1つ上のプランに上がるだけで年額が数倍になることもあります。以下は、料金の段階を公式に公表しているサービスについて、無料枠と有料プランの全段階を並べたものです。

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クリプタクトクリプトリンクCoinpandaDivly
無料で使える範囲無料プランあり。ただし年間50件を超えると損益の計算結果が表示されない個人向けに無料の範囲があるとされるが、具体的な機能制限は公式に記載なし無料プランは年間25件(税務レポートの出力には有料プランが必要)無料プランは資産管理のみ(25,000取引まで)。税務レポートの作成は有料
有料プランの段階(年額・年間取引件数の上限)6,600円/300件
22,000円/2,000件
38,500円/10,000件
55,000円/50,000件
77,000円/無制限
(いずれも税込)
個人向け基本プラン 3,960円/500件(税込)
500件を超える場合は追加のオプション(金額は公式に記載なし)
法人向けは別体系
79ドル/100件
149ドル/1,000件
249ドル/3,000件
389ドル/20,000件
(米ドル建て。上限超過分は100件あたり0.69ドルの追加課金)
39ユーロ(Essential)
99ユーロ(Peace of Mind:専門スタッフによる取引の手動確認つき)
499ユーロ(Full Service)
(ユーロ建て。申告する年ごとの買い切り型。プラン別の取引件数の上限は公式料金ページに記載なし)

※各社の公式料金ページにもとづく2026年8月時点の内容です。上の4サービス以外は、料金の段階が公式に公表されていないか、件数ではない基準(利益額・依頼内容など)で決まるため、各サービスの詳細をご確認ください。

同じ件数帯でも、通貨建てや課金の形(毎年の継続課金か、申告する年ごとの買い切りか)が異なる点にもご注意ください。各サービスの詳細な条件は比較表と個別の解説に記載しています。

利用している取引所・ウォレットに対応しているか

対応取引所数は各社が訴求する定量指標ですが、数の大きさよりも自分が使っている取引所が含まれているかどうかが実際の判断材料です。対応数が多くても、自分の使う取引所が対象外であれば意味がありません。

あわせて確認したいのが、対応の仕方です。API連携で自動取得できるのか、CSVを自分で書き出して取り込む必要があるのかで、毎年の手間が変わります。ウォレットについても、対応するブロックチェーンの範囲を確認してください。

同じサービスの対応取引所数が情報源によって食い違っていることがあります。

DeFi・NFT・ステーキングの取引を取り込めるか

DeFiやNFTの取引がある場合、対応の有無は有料プランへ上がる分岐点になりやすい項目です。スワップ、レンディング、ファーミング、ステーキングといった取引を自動で識別できるか、NFTの取得原価をどう扱うかは製品によって差があります。

マイニングやステーキングなどで受け取った暗号資産は、受け取った時点で所得として認識されます。

いわゆる「マイニング」、「ステーキング」、「レンディング」など(以下「マイニング等」といいます。)により暗号資産を取得した場合、その取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)については所得の金額の計算上総収入金額(法人税においては益金の額)に算入され、マイニング等に要した費用については所得の金額の計算上必要経費(法人税においては損金の額)に算入されることになります。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)1-7|国税庁

受け取った時点の時価を記録する必要があるため、この種の取引が多い場合は、ツールが受け取り時の価額を自動で取得できるかを確認しておくと安心です。

海外製ツールは日本の計算方法・書式に対応しているか

日本語のページを持つ海外製ツールも選択肢に入りますが、日本語で表示されることと、日本の税務に対応していることは別の話です。

後述するとおり、日本の個人の場合、評価方法を届け出なければ総平均法で計算することになります。ところが海外製ツールの中には、その国で一般的な計算方法にのみ対応し、総平均法での計算に対応していないものがあります

海外製ツールを検討する場合は、次の3点を公式の記載で確認してください。総平均法に対応しているか、日本円建ての価額で計算されるか、確定申告に使える形式で出力できるかです。いずれも公式ページに明記がない場合は、問い合わせて確認してから契約するほうが安全です。

計算結果を検算できるか、サポートを受けられるか

自動計算された金額が正しいかどうかを、利用者自身が完全に検証するのは困難です。そのため、計算の内訳を確認できるか、疑問が生じたときに問い合わせられるかが実務では効いてきます。

取引ごとの評価内容を一覧で確認できる機能、判定できなかった取引を警告する機能があると、誤りに気づきやすくなります。サポート面では、問い合わせ方法と対応時間、確定申告期の対応体制を確認しておくとよいでしょう。税理士の紹介や、計算内容の確認まで含むサービスを用意している製品もあります。

暗号資産の税金と確定申告の基本|ツールを動かす前に押さえること

ツールを選ぶ前提として、暗号資産の利益がどう課税されるかを押さえておくと、計算結果の意味が分かるようになります。ここでは所得区分から計算方法の選択まで、ツールを動かす前に決めておくべきことを整理します。

雑所得・総合課税と税率(住民税を含む)

個人が暗号資産取引で得た利益は、原則として雑所得に区分されます。ただし、収入金額が一定額を超える場合には区分が分かれます。

暗号資産取引により生じた損益は、邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益と認められますので、原則として、雑所得(その他雑所得)に区分されます。ただし、その年の暗号資産取引に係る収入金額が 300 万円を超える場合には、次の所得に区分されます。
・ 暗号資産取引に係る帳簿書類の保存がある場合・・・原則として、事業所得
・ 暗号資産取引に係る帳簿書類の保存がない場合・・・原則として、雑所得(業務に係る雑所得)

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)2-2|国税庁(令和7年12月更新)

収入金額が300万円を超え、かつ帳簿書類を保存している場合は事業所得に区分されるのが原則です。取引規模が大きい方は、この分岐が申告内容に影響します。

雑所得は総合課税の対象で、給与所得など他の所得と合算した金額に対して所得税がかかります。所得税の税率は課税所得に応じて5%から45%までの7段階です。これに住民税の所得割が加わります。

所得割の税率は、所得に対して10%(道府県民税が4%、市町村民税が6%)とされており、前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されます。

出典:地方税制度|個人住民税|総務省

所得税の最高税率45%と住民税所得割の標準税率10%を単純に足すと約55%になります。これは制度上そう定められた数字ではなく、2つの税率を合算した計算結果である点にご注意ください。実際にはこのほかに復興特別所得税(原則として基準所得税額の2.1%)がかかり、住民税は自治体によって超過課税が行われることもあります。

税金がかかるタイミング(売却・決済・交換・受け取り)

暗号資産で所得が生じるのは、日本円に換金したときだけではありません。国税庁のFAQは、次の場面で所得金額を計算する必要があるとしています。

  • 保有する暗号資産を売却(日本円に換金)した場合の所得金額は、その暗号資産の譲渡価額とその暗号資産の譲渡原価等との差額となります。
  • 保有する暗号資産で商品を購入した場合、保有する暗号資産を譲渡したことになりますので、この譲渡に係る所得金額は、その暗号資産の譲渡価額とその暗号資産の譲渡原価等との差額となります。
  • 保有する暗号資産Aを他の暗号資産Bと交換した場合、暗号資産Aで暗号資産Bを購入したことになりますので、「1-2 暗号資産で商品を購入した場合」と同様に、暗号資産Aの譲渡に係る所得金額を計算する必要があります。
出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)1-1〜1-3|国税庁

これに加えて、マイニング・ステーキング・レンディングなどで暗号資産を受け取った場合も、受け取った時点の時価が収入金額に算入されます。逆にいえば、これらに当たらない保有中は、値上がりしていても所得は実現していないことになります。

損益通算・繰越控除ができない

暗号資産の取引で損失が出ても、給与所得など他の所得から差し引くことはできません。

所得税法上、他の所得と通算できる損失は、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の金額の計算上生じた損失に限られます。雑所得については、これらの所得に該当しませんので、雑所得の金額の計算上生じた損失がある場合であっても、他の所得から差し引く(通算する)ことはできません。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)2-11|国税庁

翌年以降への繰越しもできません。繰越控除の対象となる「純損失の金額」は、損益通算をしてもなお控除しきれない部分と定義されており(所得税法第2条第1項第25号)、損益通算の対象にならない雑所得の損失はこれに当たらないためです。損失が出た年も、その損失は翌年の利益と相殺できないことを前提に資金計画を立てる必要があります。

税額の求め方と、利益が乗ったときの負担の目安

実際の税額は、暗号資産の利益だけでなく給与所得などを合算した課税所得に対して決まります。所得税は次の速算表で計算します。

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1,000円 から 1,949,000円まで1,950,000円 から 3,299,000円まで3,300,000円 から 6,949,000円まで6,950,000円 から 8,999,000円まで9,000,000円 から 17,999,000円まで18,000,000円 から 39,999,000円まで40,000,000円 以上
税率5%10%20%23%33%40%45%
控除額0円97,500円427,500円636,000円1,536,000円2,796,000円4,796,000円
出典・参考資料(1件)

たとえば課税所得が700万円であれば、所得税は「7,000,000円×0.23 - 636,000円 = 974,000円」となります。ここに住民税の所得割10%と復興特別所得税が加わります。暗号資産の利益が大きいほど適用される税率区分が上がるため、利益額そのものではなく合算後の課税所得で判断してください。

利益が大きくなり上位の税率区分に入ってくると、法人化して税負担を抑えられないかを検討する方もいます。法人であれば累進税率の対象から外れ、個人ではできない欠損金の繰越し(法人税法第57条)も可能になりますが、その一方で設立・維持の費用がかかり、後述するように期末時点の含み益にも課税されます。判断の分かれ目になる利益水準や手続きの流れは、以下の記事で整理しています。

総平均法と移動平均法のどちらで計算するか

暗号資産の譲渡原価を求める計算方法には、総平均法と移動平均法の2つがあります。どちらを使うかで年間の所得金額が変わるため、ツールを動かす前に決めておくべき項目です。

総平均法と移動平均法の違いを比較した図解。総平均法は年間をまとめて平均する方法で計算が簡単、移動平均法は取得の都度に平均単価を計算し直すため実態に近い。国税庁FAQの同一の取引例での譲渡原価は総平均法が3,106,000円、移動平均法が3,080,200円。どちらも選ばなかった場合は個人が総平均法、法人が移動平均法となり、変更には承認申請が必要

2つの計算方法の違い

国税庁は2つの方法を次のように定義しています。

総 平 均 法: 同じ種類の暗号資産について、年初時点で保有する暗号資産の評価額とその年中に取得した暗号資産の取得価額との総額との合計額をこれらの暗号資産の総量で除して計算した価額を「年末時点での1単位当たりの取得価額」とする方法をいいます。
移動平均法: 同じ種類の暗号資産について、暗号資産を取得する都度、その取得時点において保有している暗号資産の簿価の総額をその時点で保有している暗号資産の数量で除して計算した価額を「取得時点の平均単価」とし、その年12月31日から最も近い日において算出された「取得時点の平均単価」を「年末時点での1単位当たりの取得価額」とする方法をいいます。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)2-4|国税庁

総平均法は年間をまとめて平均するため計算が簡単で、移動平均法は取得のたびに単価を計算し直すため実態に近い数字になります。同じ取引でも結果は一致しません。国税庁のFAQに掲載された同一の取引例では、譲渡原価が総平均法で3,106,000円、移動平均法で3,080,200円と算出されており、どちらを選ぶかで所得金額が変わることが示されています。

どちらも選ばなかった場合の扱いは、個人と法人で逆になります。

総平均法又は移動平均法のうちいずれか選択した方法(選択しない場合、個人においては総平均法、法人においては移動平均法)により計算した金額となります。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)1-1(注)1|国税庁

個人が移動平均法を使いたい場合は、届出が必要です。初めて暗号資産を取得した年分の確定申告期限(原則として翌年3月15日)までに「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を提出します。この評価方法は暗号資産の種類(名称)ごとに選定することとされているため、新しい銘柄を取得したときにも届出が必要になる点は見落とされがちです。

後から変更するには承認申請が必要になる

一度選んだ計算方法は、自由に切り替えられるわけではありません。ただし「二度と変えられない」わけでもなく、正確には承認を受ける手続きが必要になります。

この選定した評価方法(評価の方法を届け出なかった方が「総平均法」を評価方法としていた場合を含みます。)を変更しようとする場合には、その変更しようとする年の3月 15 日までに、納税地の所轄税務署長に対し、その変更しようとする評価方法など所定の事項を記載した申請書(所得税の暗号資産の評価方法の変更承認申請書)を提出して、その承認を受ける必要があります。
(注)2 変更前の評価方法を採用してから相当期間(特別の理由がない場合には3年)を経過していないときや変更しようとする評価方法によっては所得金額の計算が適正に行われ難いと認められるときは、その申請が却下される場合があります。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)2-6|国税庁

申請書を提出した年の12月31日までに承認または却下の通知がない場合は、その日に承認があったものとみなされます。変更は不可能ではないものの、採用から3年を経過していないと却下されることがある、という理解が正確です。

ツール側の設定と、税務上の届出は別物

ここで注意したいのが、ツールの画面上では総平均法と移動平均法を自由に切り替えられても、税務上は届け出た方法に拘束されるという点です。両方の計算結果を並べて比較できる製品もありますが、それは「有利なほうを毎年選べる」という意味ではありません。

ツールで試算する分には問題ありませんが、申告に使う数字は届出済みの方法で計算したものである必要があります。届出をしていない個人であれば総平均法です。ツールの初期設定が移動平均法になっている場合は、設定を確認してから計算を確定させてください。

損益計算ツールと確定申告ソフトはどう役割が違うか

「損益計算ツールを契約すれば確定申告まで終わるのか、それとも会計ソフトも要るのか」は、検討時につまずきやすい点です。結論からいえば、この2つは担当する範囲が異なり、多くの場合は両方を使うことになります。

取引履歴を集めてから申告書を提出するまでの、どこまでをどちらが担当するのかを整理すると次のとおりです。

損益計算ツールと確定申告ソフトの役割分担を示した図解。損益計算ツールは取引履歴の集約と所得金額の算出までを担い、確定申告ソフト・確定申告書等作成コーナーが申告書の作成とe-Taxでの提出を担う。法人・事業所得として申告する個人事業主は会計ソフトへの仕訳データの連携が加わる

損益計算ツールが担う範囲(所得金額の算出まで)

損益計算ツールの守備範囲は、分散した取引履歴を集約し、選んだ計算方法にもとづいてその年の所得金額を算出するところまでです。年末時点の1単位当たりの取得価額、譲渡原価、そして最終的な所得金額が出力されます。

裏を返すと、確定申告書そのものの作成や提出は、原則として範囲外です。所得控除の適用や他の所得との合算といった、申告書を組み立てる作業は別の手段で行うことになります。

確定申告ソフト・確定申告書等作成コーナーが担う範囲

算出された所得金額を申告書に落とし込むのが、確定申告ソフトや国税庁の「確定申告書等作成コーナー」の役割です。給与所得や各種控除とあわせて申告書を組み立て、e-Taxで提出するところまでを担当します。

個人が暗号資産の利益を申告する場合、損益計算ツールで所得金額を出し、その金額を確定申告書等作成コーナーの雑所得欄に入力する、という流れが基本形になります。損益計算ツールから申告書へデータが自動連携されるとは限らないため、転記が必要かどうかは事前に確認しておくとよいでしょう。

会計ソフトと連携するときに確認すること

法人や、事業所得として申告する個人事業主の場合は、会計ソフトへの連携が加わります。損益計算ツールが出力した仕訳データを会計ソフトに取り込む形になるため、次の点を確認してください。

  • 自社が使っている会計ソフトの取り込み形式に対応しているか
  • API連携で自動的に取り込めるのか、CSVを書き出して手動で取り込むのか
  • 勘定科目の割り当てを自社の勘定科目体系に合わせて設定できるか

対応している会計ソフトの具体名は製品によって異なります。各サービスの対応状況は比較表の会計ソフト連携の列に記載しています。

損益計算から確定申告までの手順

ツールを選んだあと、実際に申告を終えるまでの流れを整理します。

取引履歴を集める

最初の作業は、その年に使ったすべての取引所・ウォレットから履歴を集めることです。API連携に対応している取引所は連携設定を行い、対応していないものは取引履歴のCSVをダウンロードします。ウォレットについてはアドレスを登録します。

国内の暗号資産交換業者からは年間取引報告書が送付されます。ここには年始数量、年中の購入・売却の数量と金額、年末数量などが記載されており、取引所が1社のみであればこの報告書だけで計算できる場合もあります。

取引所間で資産を移動している場合は、移動元と移動先の両方の履歴が必要です。片方だけだと、移動を売却と誤って認識してしまうことがあります。

ツールで損益を計算する

履歴を取り込んだら、計算方法(届出をしていない個人であれば総平均法)を設定して計算を実行します。この段階で、ツールが判定できなかった取引が警告として表示されることがあります。DeFiやNFTの取引、独自チェーンの取引などは手作業での分類が必要になるため、警告はすべて解消してから計算を確定させてください。

年をまたぐ取引の扱いにも注意が必要です。収入をどの年に計上するかについて、国税庁は「原則として売却等をした暗号資産の引渡しがあった日の属する年分となります。ただし、選択により、その暗号資産の売却等に関する契約をした日の属する年分とすることもできます」としています(FAQ 2-1)。年末年始の取引は、どちらの年に含まれているかを確認しておくと安心です。

申告書を作成して提出する(e-Tax)

算出された所得金額を、確定申告書の雑所得欄に入力します。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に従って入力するだけで申告書が作成でき、そのままe-Taxで送信できます。会計ソフトを使っている場合は、仕訳データを取り込んだうえで申告書を作成します。

必要書類と、保存しておくデータ

申告そのものに取引履歴を添付する必要はありませんが、計算の根拠となるデータは手元に残しておく必要があります。取引所からダウンロードした履歴、年間取引報告書、ツールが出力した計算結果は、後から確認を求められたときに備えて保存しておきましょう。

ツールの契約を終了するとデータが削除される場合があります。契約更新をしない年がある場合は、その前に必要なデータを書き出しておいてください。

期限と、無申告・申告漏れのペナルティ

確定申告は、その年の翌年2月16日から3月15日までの間に行います。期限に間に合わなかった場合や、申告した金額が少なかった場合には、本来の税額に加えて加算税・延滞税がかかります。

申告をしなかった場合(無申告加算税)は、いつ申告したかで割合が変わります。税務署の調査の事前通知より前に自主的に期限後申告をした場合は5%です。

事前通知の後・調査による決定を予知する前であれば、令和5年分以降は納付すべき税金が50万円までの部分は10%、50万円を超え300万円までの部分は15%、300万円を超える部分は25%になります。調査を受けた後の期限後申告では、同じ区分でそれぞれ15%・20%・30%です。

申告額が少なかった場合(過少申告加算税)は、事前通知の前に自主的に修正申告をすればかかりません。事前通知の後・更正を予知する前の修正申告では5%(当初の申告納税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は10%)、調査を受けた後や更正を受けた場合は10%(同じ超過部分は15%)となります。払いすぎていた場合の更正の請求は、原則として法定申告期限から5年以内です。

事実を仮装・隠蔽していた場合(重加算税)は、国税通則法第68条により、過少申告加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%の割合で課されます。一定の場合には、さらに10%が加算されます。

納付が遅れた場合(延滞税)は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが原則年7.3%、それ以後が原則年14.6%ですが、実際に適用されるのは特例による低い割合です。令和8年1月1日から令和8年12月31日までの期間は、それぞれ年2.8%・年9.1%となります。

出典・参考資料(4件)

そもそも自分は申告が必要な水準なのか、申告しなかった場合に税務署はどこから取引を把握するのか、については、以下の記事で解説しています。利益確定のタイミングを含めた税負担の抑え方とあわせて、次の記事で解説しています。

損益計算ツールを使わない選択肢|国税庁の計算書・計算代行・税理士

損益計算ツールを契約する以外にも、申告を終える道はあります。取引が少なく無料で済ませたい場合と、取引が複雑で自分では計算しきれない場合の、両端に選択肢があります。

国税庁の「暗号資産の計算書」で完結できるケース

国税庁は、暗号資産の所得計算に使えるExcelの計算書を無料で配布しています。移動平均法用と総平均法用の2種類があり、必要事項を入力すると所得金額が算出されます。

ただし、使いどころには条件があります。配布ページには「暗号資産交換業者から送付される年間取引報告書を利用して計算する場合には、『総平均法用』をご使用ください」との注記があり、国内の交換業者から年間取引報告書を受け取れる取引が対象という前提で設計されています。海外取引所やDeFiの取引が多い場合、この計算書だけで完結させるのは難しくなります。

出典・参考資料(1件)

計算代行でできること・渡すデータ

計算代行は、取引データを預けて損益計算を専門スタッフに任せるサービスです。渡すのは各取引所の取引履歴やAPIの参照権限、ウォレットアドレスなどで、納品されるのは計算結果の報告書や、法人であれば仕訳データです。

自分でツールを操作する必要がないため、取引所をまたぐ移動が多い場合や、ツールが自動判定できない取引を多く抱えている場合に向きます。対応できる取引の範囲はサービスによって異なり、DeFiやNFTは追加料金の対象となることが一般的です。

税理士に依頼したほうがよいケース

次のような場合は、計算だけでなく申告全体を税理士に相談する価値があります。

  • 収入金額が300万円を超え、事業所得と雑所得のどちらに区分されるか判断が必要な場合
  • 法人として暗号資産を保有しており、期末時価評価や仕訳の判断を伴う場合
  • 過年度の申告に誤りがあり、修正申告や更正の請求を検討している場合
  • 取引の性質が特殊で、課税されるタイミングの判断そのものに迷いがある場合

暗号資産の税務は取り扱う税理士が限られるため、対応実績があるかを確認してから依頼するとよいでしょう。損益計算ツールの中には、税理士の紹介や、税理士向けプランを通じた連携を用意しているものもあります。

費用と所要期間の考え方

3つの選択肢は、費用と手間が反比例します。国税庁の計算書は無料ですが、入力と確認はすべて自分で行います。損益計算ツールは年額数千円から数万円程度で、取引の取り込みと確認は自分の作業です。計算代行は十数万円からと費用が上がる一方、作業はほぼ任せられます。

所要期間も判断材料です。ツールであれば取り込みから計算まで自分のペースで進められますが、計算代行は依頼から納品まで一定の期間がかかり、確定申告の時期は受付が混み合います。期限から逆算して、いつまでに何を決めるかを先に押さえておいてください。

法人・税理士事務所がツールを選ぶときの追加論点

法人が暗号資産を保有する場合、個人の確定申告向けツールでは足りない論点が出てきます。税理士事務所が顧問先の計算を引き受ける場合も同様です。

法人の期末時価評価と会計処理

個人と法人で最も大きく異なるのが、期末時点の評価です。個人は売却などで所得が実現したときにだけ課税されますが、法人が保有する暗号資産のうち一定のものは、期末時点で時価評価し、評価損益を損金または益金に算入する扱いになります。

すべての暗号資産が対象になるわけではありません。時価評価の対象は活発な市場が存在する暗号資産に限られ、現行の法人税法上、自己が発行した暗号資産のうち一定の要件を満たすもの(特定自己発行暗号資産)は期末時価評価の対象外とされています。

また、活発な市場が存在する暗号資産のうち譲渡制限が付された一定のもの(自己発行分を除く)については、時価法と原価法を選択できる取扱いが令和6年4月1日以後に終了する事業年度から適用されています。

もう一つ、個人との違いで見落とされやすいのが計算方法の既定です。前述のとおり、評価方法を選ばなかった場合、個人は総平均法、法人は移動平均法になります。個人向けの解説をそのまま法人に当てはめないよう注意してください。

出典・参考資料(1件)

仕訳データの出力形式と会計ソフトへの受け渡し

法人の場合、損益計算の結果をそのまま帳簿に反映できる形で受け取れるかが実務上の分かれ目になります。確認すべきは、出力される仕訳データの形式が自社の会計システムに取り込めるか、勘定科目を自社の体系に合わせて設定できるか、そして月次で締める運用に対応できるかです。

年に一度まとめて計算する個人向けの設計では、月次決算に必要な締め処理や、確定した月のデータを固定する機能を持たないことがあります。月次で数字を確定させる必要がある企業は、この点を早い段階で確認してください。

複数の顧問先を一元管理する(税理士事務所向けプラン)

税理士事務所が複数の顧問先の暗号資産を扱う場合、1つのアカウントから顧問先ごとの環境を切り替えて管理できるかが効率を左右します。顧問先ごとに個別のアカウントを契約する方式だと、件数が増えるほど管理と費用の負担が重くなります。

確認したいのは、顧問先の追加が1件単位でできるか、料金が顧問先の数に応じて決まるか、顧問先ごとに異なる計算方法を設定できるかといった点です。各サービスの対応状況は比較表の税理士・顧問先管理の列にまとめています。

監査・内部統制への対応

上場企業やその準備段階にある企業では、計算結果が正しいことに加えて、その計算に至る過程が説明できることが求められます。誰がいつどの取引を承認したかという記録、後から変更できない形での証跡の保存、監査法人に提出できる形式でのレポート出力といった機能が該当します。

暗号資産の取引そのものについても、担当者が単独で実行できない承認フローを設けているかが問われます。損益計算の精度だけでなく、こうした統制面の機能を備えているかが、法人向け製品を分ける要素になります。

ツールを乗り換える・使い続けるときの落とし穴

損益計算は毎年続く作業です。1年目に使えたツールが翌年も同じ条件で使えるとは限らないため、契約前に運用面も確認しておくと後の手間が減ります。

過年度の取得価額と計算方法をどう引き継ぐか

ツールを乗り換えるとき、最も注意が必要なのが年始残高の引き継ぎです。暗号資産の所得計算は前年から続く取得価額の積み上げの上に成り立つため、新しいツールに前年末の数量と金額を正しく持ち込めないと、その年の所得金額が狂います。

国税庁の計算書でも、この点は明確に扱われています。

※ 前年以前から暗号資産取引を行っていた方は、前年末の暗号資産の数量・金額を「年始残高」の欄に入力します。前年末の暗号資産の数量・金額が分からない場合には、ご自身で前年分の暗号資産の計算書を作成し、前年末の暗号資産の数量・金額を計算してください。

出典:暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)2-8|国税庁

前年末の数値が分からなくなると、前年分をさかのぼって計算し直すことになります。乗り換える際は、旧ツールから年末残高を書き出したうえで、新しいツールに正しく取り込めたかを必ず突き合わせてください。

計算方法についても同様です。ツールを変えても、税務上届け出た評価方法は変わりません。新しいツールの設定が届出済みの方法と一致しているかを確認しないと、知らないうちに違う方法で計算した数字を申告することになります。

解約・プラン終了後のデータ保持期間

有料プランの契約が終了すると、一定期間の後にデータが削除されるサービスがあります。翌年も同じツールを使うつもりでも、契約更新のタイミングによっては空白期間が生じることがあります。

過去の計算結果は、修正申告や税務調査の際に必要になることがあります。契約を終了する前に、取引履歴と計算結果を自分の手元に書き出しておくことをおすすめします。保持期間はサービスによって異なるため、契約前に確認しておくと安心です。

提供終了・統合・料金改定に備える

暗号資産の損益計算サービスは、事業者の統廃合や料金体系の見直しが起こりうる分野です。実際に2026年には主要サービスの統合が予定されており、無料プランの範囲が移行後に変わる例もあります。

備えとしては、年に一度は計算結果と取引履歴を手元に書き出しておくこと、契約更新の前に料金プランとサービス内容の変更を確認することの2つで足ります。データを自分で持っていれば、提供条件が変わっても別の手段へ移りやすくなります。

まとめ

暗号資産の損益計算ツールは、「誰が、どこまでの業務に使うか」で3つのタイプに分かれます。個人の確定申告で所得金額を出すまでを自分で完結させるタイプ、法人の決算・仕訳・監査対応まで扱うタイプ、そして計算そのものを専門スタッフに任せるタイプです。まずは自分がどのタイプを検討すべきかを決めることが、選定の出発点になります。

そのうえで比べるべきは、無料で使える取引件数の範囲、自分が使っている取引所とチェーンに対応しているか、DeFi・NFTの取引を取り込めるか、そして届け出た計算方法で計算できるかです。海外製ツールを検討する場合は、日本語で表示されることと日本の計算方法に対応していることは別だという点にご注意ください。2026年はサービスの統合が予定されており、契約する時期によって条件が変わります。

おおまかな方向としては、国内取引所での売買が中心で取引件数も多くないなら、個人の確定申告に使うタイプの無料枠から試すのが早道です。海外取引所やDeFi・NFTの取引が加わるなら、その取引を取り込めることと、届け出た計算方法で計算できることを確認したうえで有料プランを選ぶことになります。

法人として決算に使うのであれば、期末時価評価と仕訳出力に公式で対応しているかが分かれ目です。取引が入り組んでいて自分では追い切れない場合は、計算を任せるタイプが現実的な解になります。

比較表と選定診断ツールで候補を絞り込んだら、料金や対応範囲の詳細は各社の資料で確認してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 暗号資産(仮想通貨)の損益計算ツールとは何ですか?

A. 暗号資産の損益計算ツールとは、取引所やウォレットに分散した取引履歴を集約し、税法に沿った所得金額を自動で算出するソフトウェアです。「仮想通貨の税金計算ツール」と呼ばれることもあります。

資産の値動きを眺めるポートフォリオ管理アプリとも、申告書そのものを作る確定申告ソフトとも役割が異なります。できることと限界は本文の「暗号資産の損益計算ツールとは」で整理しています。

Q. 利用している暗号資産の損益計算ツールが統合・提供終了になったら、データや契約はどうなりますか?

A. データと契約が引き継がれるかどうかは事業者の案内で決まり、引き継がれる場合でも、無料プランの範囲や新規契約の受付は移行の前後で変わることがあります

本記事で扱う2026年の統合では、取り込み済みの取引データや取引所のAPIキー・ウォレットアドレスの登録は自動で引き継がれ、契約中のプラン内容・契約期間・料金体系も原則としてそのまま継続するとされています。一方で、新規の申し込みは統合の前に締め切られ、無料プランを使っていた利用者は移行先の無料プランの条件に合わせることになります。統合の日程と条件は2026年のサービス統合で扱っています。

これから契約する場合は、契約期間が移行の時期をまたぐか、移行後にどの料金プランへ振り替えられるかを申し込み前に確認してください。統合ではなく提供終了となる場合は引き継ぎ先そのものがないため、どちらに転んでも困らないよう、年に一度は取引履歴と計算結果を手元に書き出しておくことが備えになります。前年末の数量・金額や届け出た評価方法をどう引き継ぐかは乗り換え時の落とし穴で扱っています。

Q. 暗号資産の税務調査では何を求められますか?

A. 問われるのは、申告した所得金額を、どの取引からどう計算したのかを資料で示せるかどうかです。取引所からダウンロードした取引履歴、年間取引報告書、ツールが出力した計算結果は、後から説明を求められたときに備えて手元に保存しておいてください。

制度上も、その年の前々年分の業務に係る雑所得の収入金額が300万円を超える方は、現金預金取引等関係書類を保存する必要があるとされています。

さらに、個人の暗号資産取引による損益は原則として雑所得(その他雑所得)に区分されますが、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合は、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、保存がなければ業務に係る雑所得に区分されます。帳簿書類を残しているかどうかは、所得区分そのものにも影響するということです。

ツールの契約を終了すると一定期間の後にデータが削除されるサービスもあるため、解約前に必要なデータを書き出しておくことが実務上の備えになります。

Q. 暗号資産の損益計算を税理士に依頼する場合、どのようなデータを渡せばよいですか?

A. 基本となるのは、その年に使ったすべての取引所・ウォレットの取引履歴(CSV)、国内の暗号資産交換業者から届く年間取引報告書、ウォレットアドレス、そして前年末時点の数量・金額です。

取引所間で資産を移動している場合は、移動元と移動先の両方の履歴が必要です。片方だけだと、移動が売却として認識されてしまうことがあります。すでに損益計算ツールを使っているなら、ツールが出力した計算結果と取引一覧をそのまま渡せます。

税理士向けプランを持つ製品では、事務所側のアカウントから顧問先のデータを直接扱えるため、受け渡しの手間そのものを減らせます。暗号資産の税務を扱う税理士は限られるため、対応実績を確認してから依頼してください。

Q. 暗号資産の損益計算ツールは過年度の修正申告にも使えますか?

A. 過年度の取引履歴を取り込み直せば計算をやり直せる製品が多く、修正申告や更正の請求に使う金額の算出にも利用できます。ただし、さかのぼれる年度の範囲や追加費用の有無は製品によって異なります。

制度面では、申告額が少なかった場合の修正申告を税務署からの調査の事前通知の前に自主的に行えば、過少申告加算税はかかりません。逆に税金を払いすぎていた場合の更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。過年度分を計算し直す際は、その年の年始残高(前年末の数量・金額)まで整合させる必要があるため、さかのぼる年の1年前のデータも手元に用意しておいてください。

Q. 暗号資産の計算方法(総平均法・移動平均法)は、後から変更できますか?

A. 変更できないわけではなく、変更しようとする年の3月15日までに「所得税の暗号資産の評価方法の変更承認申請書」を提出して、承認を受ける必要があります

ただし、変更前の評価方法を採用してから相当期間(特別の理由がない場合には3年)を経過していないときや、変更後の方法では所得金額の計算が適正に行われ難いと認められるときは、申請が却下される場合があります。申請書を提出した年の12月31日までに承認または却下の通知がない場合は、その日に承認があったものとみなされます。

届出をしていない個人の評価方法は総平均法です。ツールの画面上で総平均法と移動平均法を切り替えられても、税務上は届け出た方法に拘束されるため、申告に使う数字が届出済みの方法で計算したものかを確認してください。2つの方法の違いと届出の手続きは税金と確定申告の基本で扱っています。

Q. 暗号資産の損益計算ツールが出した金額は、そのまま確定申告に使えますか?

A. 暗号資産の損益計算ツールの計算結果に税務署のお墨付きがあるわけではなく、申告内容の最終的な責任は申告者本人にあります。多くのサービスが、計算結果の正確性を保証しないという立場を取っています。

そのまま使えるかどうかを分けるのは、取り込んだデータと設定です。対応していない取引所やDeFi・NFTの取引は自分で取り込みと分類を行う必要があり、判定できなかった取引を残したまま計算を確定させると金額が狂います。届け出た評価方法とツールの設定が一致しているかもあわせて確認してください。

Q. 暗号資産の損益計算ツールは無料のまま使い切れますか?

A. 無料のまま使い切れるのは、年間の取引件数が無料プランの上限に収まり、かつ無料プランの対象になっている取引所だけで取引している場合に限られます。

上限の件数も、上限を超えたときの挙動も、海外取引所やDeFiの取引が無料の対象に含まれるかも製品ごとに異なります。各サービスの条件は比較表の「無料で使える範囲」の列に公式表記のまま掲載しています。なお無料枠はサービス統合や料金改定で変わることがあるため、毎年同じ条件で使えるとは限りません。

Q. 暗号資産の損益計算ツールがあれば、確定申告ソフトは要らないのですか?

A. 暗号資産の損益計算ツールが担うのは所得金額を算出するところまでで、確定申告書の作成・提出には確定申告ソフトや国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を別に使うのが基本です。法人や事業所得として申告する個人事業主は、これに加えて会計ソフトへ仕訳データを取り込みます。

両者の役割分担と、申告書へデータが自動連携されるかどうかの確認点は、本文の「損益計算ツールと確定申告ソフトはどう役割が違うか」で整理しています。

Q. 暗号資産で1,000万円の利益が出たら、税金はいくらになりますか?

A. 暗号資産の利益は総合課税の対象で、給与所得などと合算した課税所得に対して課税されるため、利益が1,000万円であっても税額は人によって変わります

所得税は課税所得に応じた5%から45%までの7段階で、これに住民税の所得割(標準税率10%)と復興特別所得税(原則として基準所得税額の2.1%)が加わります。よく見かける「最大55%」という数字は、所得税の最高税率45%と住民税所得割10%を単純に足した計算結果であって、そう定められた税率ではありません。速算表と計算例は税金と確定申告の基本に掲載しています。

Q. 法人が暗号資産の損益計算ツールを選ぶときは、何を確認すべきですか?

A. 法人の場合は、期末時価評価に対応できるか、自社の会計ソフトに取り込める形式で仕訳データを出力できるか、月次の締めと監査に耐える証跡を残せるかが、個人向けツールとの分かれ目になります。

法人が事業年度末に保有する暗号資産のうち、活発な市場が存在する一定のものは時価法で評価し、評価損益をその事業年度の益金または損金に算入したうえで、翌事業年度に洗替処理(前期末に計上した評価損益を翌期首に戻し入れる処理)を行う必要があります。

評価方法を選ばなかった場合の既定も、個人は総平均法、法人は移動平均法と逆になるため、個人向けツールの初期設定のままでは法人の既定と食い違うことがあります。

時価評価の対象外となる暗号資産の範囲や、税理士事務所が顧問先をまとめて扱う場合の論点は法人・税理士事務所がツールを選ぶときの追加論点で扱っています。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修者は記事の内容について監修しています。
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