顧客や利用者への連絡をメールで送っても開封されず、電話をかけてもつながらない。そんな場面で「SMS(ショートメッセージ)なら届くらしい」と耳にして、実際にどれくらい届くのかを確かめようとする担当者は少なくありません。督促やリマインド、本人確認、重要なお知らせなど、確実に相手へ届けたい連絡ほど、到達率の高さは導入を判断する出発点になります。
ところが「SMSの到達率」を調べると、記事ごとに90%以上・98%・99%・99.9%と数字がまちまちで、どれを信じてよいか分かりにくいのが実情です。数字だけを見て判断すると、実際の運用では思ったほど届かない、という食い違いも起こりえます。
本記事では、SMSの到達率が実際どれくらいなのかを出所とあわせて整理し、なぜ記事ごとに数字がばらつくのかを説明します。あわせて、メールなど他の連絡手段との違い、到達率が高い理由と下がる原因、自社で到達率を上げる方法を扱います。そのうえで、接続方式(国内直収か海外網か)による違いから、高い到達率を出せるサービスの見極め方までを解説します。
目次
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SMSの到達率とは?定義と、実際に何%届くのか
SMSの到達率とは、送信したメッセージが、相手が受信できる状態で端末に届いた割合を指します。相手が圏外・電源オフの状態だったり、受信拒否を設定していたりして届かなかった分は、未達として到達率から差し引かれます。「送った件数のうち、どれだけ相手のもとへ届いたか」を表す指標だと考えると分かりやすいでしょう。
まず結論から示すと、SMSの到達率には公的な統計や公式な定義がなく、記事や各社サイトに出てくる数字は、いずれもSMS配信各社が自社の配信結果として公表している実績値(いわゆる「当社調べ」)です。それらを見比べると、国内の携帯キャリアに直接つないで送る「国内直収」の配信でおおむね98〜99.9%、海外の回線を経由して送る配信では60〜80%台まで下がる、という幅で語られています。
たとえば、あるSMS送信サービスは国内キャリアに直接接続した場合の到達率を99%以上(同社調べ)とする一方、海外の回線を経由した場合を75.4%(同社調べ)として、両者の差を示しています。
出典・参考資料(1件)
では、なぜ記事ごとに到達率の数字がばらつくのでしょうか。主な理由は次の3点です。
- 公的な統計がなく、各社が自社の配信結果で算出している:母数となる送信件数、集計した期間、未達に数える条件(圏外・電源オフ・受信拒否を含めるかどうか)が各社で異なるため、同じ「到達率」でも数字がそろいません。
- 接続方式によって実際に大きく変わる:後述のとおり、国内キャリアへ直接つなぐ方式と海外の回線を経由する方式では、届きやすさが変わります。どちらの実績値かで数字が違ってきます。
- 「到達」の捉え方に幅がある:受信拒否や圏外を分母から除いて算出するか含めて算出するかで、同じ配信でも到達率の見え方が変わります。圏外や受信拒否まで含めて計算すると、同じ国内直収でも「90%以上」のように控えめな数字で示されることがあります。
そのため、「SMSの到達率は◯%」という単一の数字をそのまま受け取るのではなく、その数字が誰の・どんな条件での実績値なのか(出所と条件)を確認することが、実務では欠かせません。以降では、この前提を踏まえて、他手段との比較・高い理由・下がる原因・上げる方法を順に見ていきます。
メール・LINE・電話・郵便とSMSの到達率・開封率を比較
ここからは、SMSが他の連絡手段と比べてどれくらい届き、読まれやすいのかを整理します。以下の数値は各社が公表する実績値や業界一般の目安であり、公的な一次統計ではなく、算出条件によって幅があります。単一の数字として断定するのではなく、手段ごとの傾向をつかむための目安として捉えてください。
表のSMSの到達率「95〜99%」は接続方式を問わないSMS全般の目安で、国内直収に絞ると前述のとおり98〜99.9%とされます。
| 連絡手段 | SMS | メール | LINE(公式アカウント) | 電話 | 郵便・DM |
|---|---|---|---|---|---|
| 到達率の目安 | 95〜99% (各社の実績値) | 送信自体はほぼ届くが、迷惑メール振り分けやアドレス変更で読まれにくい | 友だち登録した相手に届く | つながれば確実に伝わる | 物理的に届く |
| 開封率の目安 | 80%前後 (各社調べ) | 15〜30% (業界平均) | 登録者には高い | ― | 手に取れば読まれやすい |
| 特徴 | 電話番号だけで届き、端末の通知で気づかれやすい。文字数に上限がある | 長文・画像・大量送信に強い。受信箱で埋もれやすい | 事前の友だち追加が前提。未登録の相手には届かない | 即時に双方向でやり取りできる。不在・着信拒否で接続率が下がり、件数をこなしにくい | 到着まで日数がかかり、印刷・郵送のコストが発生する |
※上記は各社が公表する実績値や業界平均にもとづく目安です。算出条件により数値には幅があります。
メールは送信そのものはほぼ届くものの、迷惑メールフォルダへの振り分けや大量のメールに埋もれることで、実際に読まれる割合(開封率)は業界平均で15〜30%程度にとどまるとされます。これに対しSMSは、開封率が80%前後(各社調べ)と高く、届いてから読まれるまでの確度で優位に立つと各社は説明しています。
LINEは開封率こそ高いものの、あらかじめ友だち登録している相手にしか届かない点で、初めて連絡する相手や幅広い層への一斉連絡には向きません。確実に相手へ届けたい連絡でSMSが選ばれるのは、この「届いて、気づかれやすい」という特性によるものです。
SMSの到達率・開封率が高いのはなぜか
SMSの到達率や開封率が高いのには、携帯電話番号を宛先にする仕組みならではの理由があります。主なものは次のとおりです。
- 携帯電話番号は変わりにくい:メールアドレスは無料で作成・破棄でき、変更や放置で連絡が取れなくなることがあります。一方、携帯電話番号は番号ポータビリティ(MNP)によってキャリアを乗り換えても引き継げるため、長く連絡が取れる宛先になりやすく、宛先が有効なぶん届きやすくなります。
- アプリのインストールや会員登録が不要:SMSは携帯電話・スマートフォンに標準で備わっている機能です。総務省の資料でも、SMSは「携帯電話・スマートフォンに基本的に標準搭載されている」と説明されています。専用アプリの導入や会員登録を相手に求めないため、受け取れない人が生まれにくいといえます。
- 迷惑メールフィルタに振り分けられにくい:大量の広告メールに埋もれるメールと違い、SMSは受信件数自体が少なく、他の通知に紛れにくい傾向があります。
- 通知で気づかれやすい:SMSは着信すると端末の標準の通知に表示され、受信件数が少ないぶん見落とされにくくなります。
- 幅広い層に届く:総務省「令和6年版情報通信白書」によると、2023年のモバイル端末全体の世帯保有率は97.4%、スマートフォンは90.6%です。携帯電話番号を持つ人がほぼすべての世帯に広がっているため、SMSは年齢や属性を問わず届けやすい手段になっています。
- フィーチャーフォン(ガラケー)でも受信できる:SMSはスマートフォンだけでなくフィーチャーフォンでも受け取れるため、スマートフォンを使わない層にも届きます。
出典・参考資料(2件)
SMSの到達率が下がる・届かない主な原因
SMSは届きやすい手段ですが、すべての送信が必ず届くわけではありません。到達率が下がる原因は、送信するサービス・運用側に起因するものと、受信する相手の端末・設定に起因するものに分けて考えると、自社のケースがどちらに当てはまるかを切り分けやすくなります。
送信サービス・運用側に起因する原因
- 海外の回線を経由して送っている:海外の通信事業者を経由する配信は、送信コストを抑えられる一方で、迷惑メッセージとして扱われやすく、到達率が下がることがあります。各社が公表する実績値でも、海外経由の到達率は国内直収より低い水準で示されています(詳しくは接続方式の節で解説します)。
- 迷惑メッセージと判断される文面になっている:国内の携帯キャリアは、ネットワーク側の対策として、メッセージ内のURLや電話番号、発信者などの情報を分析し、危険と判断したものをブロックする仕組み(SMSフィルタリング)を初期設定で有効にしています。送信者や用件が分からない、URLだけを送るといった文面は、こうしたフィルタリングの対象になりやすくなります。
- 宛先の電話番号が誤っている・古い:番号の入力ミスや、契約者が変わった古い番号に送ると、当然ながら本人には届きません。
出典・参考資料(1件)
受信側の端末・設定に起因する原因
- 受信拒否が設定されている:相手が特定の番号や海外からのメッセージを受信拒否に設定していると、届きません。
- 圏外・電源オフ・機内モード:送信した時点で相手が電波の届かない場所にいたり、電源を切っていたりすると、その時点では受信できません。
- 格安SIMでSMSのオプションを契約していない:データ通信専用のSIMなど、SMS機能が使えない契約の端末には届きません。
受信側の要因は送信者側で完全にはコントロールできませんが、送信側・運用側の要因は、サービスの選び方や文面の工夫で改善できます。次の節では、その具体的な方法を見ていきます。
SMSの到達率を上げる方法
自社の配信で到達率を高めるには、次のような取り組みが有効です。
- 国内直収のサービスを選ぶ:国内の携帯キャリアに直接接続して送るサービスは、海外経由に比べて到達率が高い水準で示されています。到達率を重視するなら、契約するサービスの接続方式を確認するのが第一歩です(詳細は接続方式の節と選び方の節で解説します)。
- 送信元・企業名・用件を明示する:誰から何の目的で送られたメッセージかが分かる文面にすると、受信者が迷惑メッセージと誤解しにくくなり、キャリアのフィルタリングにもかかりにくくなります。
- 広告・宣伝目的の配信では特定電子メール法を守る:営利目的の広告・宣伝を送るSMSは、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(特定電子メール法)の対象です。同法では、あらかじめ受信に同意した相手にのみ送るオプトインが原則です。あわせて、送信者の氏名・名称や受信拒否の連絡先の表示、受信拒否の通知を受けたら送信を止めるオプトアウトも求められます。ただし、督促や本人確認といった取引に関わる連絡は「特定電子メール」に当たらず、これらの義務の直接の対象ではありません。送信元を明示するなどの配慮は、迷惑メッセージと誤解されにくくし、到達率の面でも役立ちます。
- 配信のタイミングと頻度を調整する:相手が受け取りやすい時間帯に送り、過度な頻度を避けることで、受信拒否やブロックにつながりにくくなります。
- 宛先リストの精度を保つ:古い番号や誤った番号を整理し、契約者変更を検知して誤送信を防ぐ機能を備えたサービスを使うと、無駄な未達を減らせます。
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とくに督促の連絡をSMSで送る場合は、到達率だけでなく、送ってよい時間帯や取り立てで守るべきルール、相手に伝わりやすい文面も気になるところです。以下の記事で、違法にならない督促SMSの送り方と使える例文を解説しています。
接続方式(国内直収と海外網)で到達率はどう変わるか
SMSがどの経路で送られるかは、到達率を大きく左右します。総務省の資料では、SMSの送信経路は大きく3つ――国内の携帯電話端末から送る方法、国内のSMS配信事業者から送る方法、海外の通信事業者から送る方法――に分けられると整理されています。法人がSMS送信サービスを使う場合に関わるのは、主に「国内直収接続」と「海外の回線を経由する接続」の違いです。
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- 国内直収接続(キャリア直接接続):SMS送信サービスが国内の携帯キャリアの設備に直接つないで送る方式です。国内のネットワークを通るため、キャリアのフィルタリングの影響を受けにくく、到達率が高い水準で示されています。
- 海外網(国際接続網)経由:海外の通信事業者を経由して国内へ送る方式です。送信コストを抑えやすい一方、海外からのメッセージを受信拒否する設定や迷惑メッセージ対策の影響を受けやすく、到達率が下がる傾向があります。
各社が公表する実績値をもとに、接続方式ごとの到達率の目安を整理すると次のようになります。数値はいずれも各社の「当社調べ」であり、算出条件により幅があります。
| 接続方式 | 国内直収接続 | 海外網(国際接続網)経由 |
|---|---|---|
| 到達率の目安(各社の実績値) | おおむね98〜99.9% | 60〜80%台まで下がることがある |
| 特徴 | 国内キャリアに直接接続。フィルタリングの影響を受けにくく安定しやすい | コストは抑えやすいが、受信拒否や迷惑メッセージ対策で弾かれやすい |
※上記は各社が公表する実績値(当社調べ)にもとづく目安です。算出条件により数値には幅があります。
このように、同じ「SMS送信サービス」でも、契約するサービスがどの接続方式を採っているかで、実際の到達率は変わります。到達率を確保したい場合は、国内キャリアとの直接接続(国内直収)を明示しているサービスを選ぶことが見極めのポイントになります。
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高い到達率を出すSMS送信サービスの選び方
到達率を確保する鍵は、国内直収の送信サービスを選ぶことにあります。ただし、多くのサービスが「国内直収」「到達率99%」とうたっており、これまで見てきたとおり数字の算出条件はまちまちなので、うたい文句だけでは差がつきにくいのも事実です。
そこで、数字そのものだけでなく、その数字がどれだけ裏づけられているか――第三者の調査によるシェアや、上場企業・通信事業者としての実績、計測期間の明示など――もあわせて見ると、信頼して選びやすくなります。
以下は、国内キャリアとの直接接続を掲げ、到達率の裏づけが確認できるSMS送信サービスの比較です。送信単価は1通あたり数円〜十数円程度が目安ですが、配信量や契約内容で変わり、料金を個別見積りとするサービスも少なくありません。
| サービス名 | オーロラSMS | SMSLINK | KDDI Message Cast | SMSコネクト | Cuenote SMS | 空電プッシュ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 到達率(各社の実績値) | 99.9% (同社の検証試験による値。受信拒否・圏外・電源オフを除く) | 約98% (自社調べ。電源オフ・圏外・受信拒否を含む) | 98%以上 (自社調べ) | 99.9% (同社の訴求値。計測条件は非公開) | 99.9% (2022年3〜5月の同社実績値。圏外・切電・受信拒否等を除く) | 99%以上 (自社調べ) |
| 到達率の出所・裏づけ | 同社の検証試験による値(当社調べ)。 第三者調査で国内法人SMS配信数シェア5年連続1位(デロイト トーマツ ミック経済研究所、2021〜2025年度)。ASPIC認定で稼働率実績を第三者開示 | 自社調べ。 TISインテックグループ。国内4キャリアとの直接接続を訴求(Pマーク取得) | 自社調べ。 通信事業者KDDIが国内キャリア網に直接接続。携帯4社が公認する共通番号「0005」を使用 | 同社の訴求値(計測条件は非公開)。 東証グロース上場(アクリート・証券コード4395)。リクルート・KDDI・楽天等の導入実績 | 計測期間(2022年3〜5月)を明示した自社実績値。 東証グロース上場(ユミルリンク・証券コード4372)。ISO/IEC 27001・27017取得 | 自社調べ。 第三者調査でSMS送信サービス市場10年連続シェア1位(ITR、2015〜2024年度・売上金額ベース)。NTTグループでFISC安全対策基準に準拠 |
| 接続方式・対応キャリア | 国内4キャリア直収 (ドコモ・au・SB・楽天) | 国内4キャリア直接接続 (インタビューで4キャリアと回答。公式サイトは個別名非開示) | 携帯4社に直接接続 (共通番号0005。ドコモ・au・SB・楽天) | 国内4大キャリア直収 | 国内4キャリア直収 (ドコモ・au・SB・楽天) | 国内4キャリア直収 (ドコモ・au・SB・楽天) |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 要問い合わせ |
| 月額基本料 | 0円 | 0円 (スタンダードプラン) | 0円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 送信単価 | 要問い合わせ (送信成功分の従量課金) | 1通6円〜(従量制) | 1通9.35円〜(税込・到達課金) | 要問い合わせ (配信量に応じた個別見積り) | 1通6円〜(成功課金) | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※到達率はいずれも各社が公表する実績値・訴求値で、算出の母数・期間・除外条件(圏外・受信拒否を含めるか等)が各社で異なります。数値の大小をそのまま比較せず、出所と条件をあわせて確認してください。
ここで取り上げたのは、到達率の裏づけを確認できる数社です。認証・督促・販促といった用途ごとの向き不向きや料金相場も含めて、SMS送信サービスをより広く比較検討したい場合は、以下の記事で主要サービスを詳しく解説しています。
ここからは、各サービスの特徴を個別に紹介します。到達率の数字は、それぞれの出所や計測条件とあわせて見ていきましょう。
1. オーロラSMS by メディアSMS(株式会社メディア4u)

国内4キャリア(NTTドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)との直接接続を設計の軸に据えた、株式会社メディア4uの法人向けSMS配信サービスです。SMS配信に加えて、SMS認証や自動音声応答(IVR)による認証にも対応します。
到達率は99.9%(同社の検証試験による実績値。受信拒否・圏外・電源オフを除く)と、計測の条件をあわせて示しています。デロイト トーマツ ミック経済研究所のレポートでは、国内法人向けSMS配信数のシェアで5年連続1位(2021〜2025年度)と紹介されています。
また、第三者による情報開示認定制度(ASPIC)の認定を受け、稼働率の実績などを開示している点も、到達率の裏づけを重視する企業にとって確認材料になります。初期費用・月額基本料は0円で、送信成功分に応じた従量課金です。
出典・参考資料(2件)
2. SMSLINK(株式会社ネクスウェイ)

FAX・郵送・メールなど法人向けの通信を長年手がけてきた株式会社ネクスウェイ(TISインテックグループ)が提供するSMS配信サービスです。「情報を確実に届ける」ことを軸に、Web管理画面からの送信とシステム連携によるAPI送信の両方に対応します。
国内4キャリアと直接接続しており、本人確認・認証の活用例ページでは到達率を約98%(自社調べ。電源オフ・圏外・受信拒否を含む)と、算出に含めた条件とあわせて示しています。初期費用0円・月額固定費0円のスタンダードプランがあり、送信は1通6円からの従量制です。サービス開始から7年で3,500社を超える企業に導入されているとしています。
SMSの送信に失敗した際、自動で音声通話に切り替えて連絡を試みる仕組みも備えます。小売・物流・自治体から本人認証まで、幅広いBtoCの連絡用途で利用されています。
出典・参考資料(1件)
記事の冒頭で触れた「実際の運用では思ったほど届かない」という食い違いは、SMS送信サービスを提供する側からも見えています。同社は、現場で受ける相談について次のように述べています。

当社は国内4キャリアすべてと直接接続しており、高品質で安定した通信環境を提供しています。実際に、他社サービスからのリプレイス理由として「SMSが届かない」という課題からお問い合わせをいただくことも多いです。
3. KDDI Message Cast(KDDI株式会社)

通信事業者であるKDDI株式会社が、Supership株式会社と共同で運営する法人向けメッセージ配信サービスです。通信事業者自身が国内キャリアのネットワークに接続する点が、到達性の裏づけになっています。本人確認・二段階認証やお知らせ、支払い督促といった用途で利用されています。
携帯4社が公認する共通番号「0005」を用いて、NTTドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルに対応します。到達率は98%以上(自社調べ)とし、初期費用・月額基本料は0円、実際に到達した分だけ課金する到達課金を採用しています。SMSに加えてRCS(+メッセージ)による画像やボタン付きのリッチな配信にも対応し、相手がRCSを受け取れない場合は自動でSMSに切り替えて届けます。
4. SMSコネクト(株式会社アクリート)

SMS事業を長く手がけ、東京証券取引所グロース市場に上場する株式会社アクリート(証券コード4395)が提供する企業向けSMS配信サービスです。受信者の携帯電話番号だけを宛先に、管理画面やAPIから個別・一斉に送信できます。
国内4大キャリアとの直接接続で到達率99.9%を訴求しています(計測条件は公式には示されていないため、同社の訴求値として捉えるのがよいでしょう)。リクルート・KDDI・楽天・ローソン・DeNAなど大手企業を含む導入実績があり、大規模なシステム連携に対応するAPIを備えます。初期費用は0円で、月額基本料や1通あたりの単価は配信量に応じた個別見積りです。
5. Cuenote SMS(ユミルリンク株式会社)

メール配信サービスなどを手がける、東証グロース上場のユミルリンク株式会社(証券コード4372)によるSMS配信サービスです。SMS配信と本人認証(2段階認証)を同じ基盤で扱えます。
国内主要4キャリアに直接接続し、到達率は99.9%(2022年3月1日〜5月31日の同社実績値。圏外・切電・受信拒否などを除く)と、計測した期間まで明示しています。数字の背景を示す姿勢は、出所を重視する読者にとって確認しやすいといえます。ISO/IEC 27001・27017、プライバシーマークを取得し、開発言語を問わないRESTful APIを標準搭載します。
初期費用は0円で、送信成功分に対する1通6円からの従量課金です。サイバーエージェントの2,500万会員規模のSMS認証など、大規模な本人認証基盤での稼働実績があります。
出典・参考資料(1件)
6. 空電プッシュ(NTTドコモビジネスX株式会社)

NTTグループのNTTドコモビジネスX株式会社が提供する法人向けSMS送信サービスです。通知・販促・督促・本人認証まで幅広い用途に使われ、国内キャリアとの直接接続を強みとしています。金融機関の督促・回収や、自治体の税・保険料の徴収連絡での導入事例を公開しています。
国内4キャリアと直接接続し、到達率は99%以上(自社調べ)としています。同社は海外の回線を経由した場合の到達率を75.4%(当社調べ)として国内直収との差を示しており、本記事で触れた接続方式による違いを具体的に確認できます。
第三者調査による裏づけも厚く、アイ・ティ・アール(ITR)の調査ではSMS送信サービス市場で10年連続シェア1位(2015〜2024年度・売上金額ベース)と紹介されています。デロイト トーマツ ミック経済研究所のレポートでも、A2P-SMS(事業者から個人へ送るSMS)の国内法人市場で7年連続シェア1位とされています。
金融業向けの実績が厚く、金融機関向けの安全対策基準(FISC)に準拠している点も特徴です。
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まとめ
SMSの到達率には公的な統計や公式な定義がなく、記事や各社サイトに出てくる数字は、いずれもSMS配信各社が公表する実績値です。国内キャリアに直接つなぐ国内直収の配信ではおおむね98〜99.9%、海外の回線を経由する配信では60〜80%台まで下がる、という幅で語られており、同じ「到達率」でも母数・期間・除外条件によって数字が変わります。
だからこそ、数字だけでなく「誰の・どんな条件での実績値か」を確認することが大切です。
SMSがメールなどより届きやすいのは、携帯電話番号が変わりにくく、アプリ不要で幅広い層に届くといった仕組みによるものです。一方で、海外経由の配信や迷惑メッセージと判断される文面、受信側の設定などで到達率は下がります。到達率を確保するには、国内直収を明示し、その数字が第三者調査や上場・計測条件で裏づけられているサービスを選ぶことが近道です。
各社の資料を見比べ、自社の連絡用途に合う一社を検討してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. SMSの到達率とは何ですか?
A. SMSの到達率とは、送信したメッセージが、相手が受信できる状態で端末に届いた割合を指します。相手が圏外・電源オフだったり、受信拒否を設定していたりして届かなかった分は、未達として到達率から差し引かれます。「何%届いたか」を表す指標で、公的な統一定義があるわけではありません。
Q. SMSの到達率は本当に99%届くのですか?
A. 99%前後という数字は、国内の携帯キャリアに直接つなぐ「国内直収」で配信した場合に各社が公表している実績値であり、どんなSMSでも必ず99%届くという意味ではありません。海外の回線を経由する配信では60〜80%台まで下がることがあり、同じSMSでも接続方式や、相手の圏外・電源オフ・受信拒否といった受信環境によって、実際の到達率は変わります。
SMSの到達率に公的な統計はないため、「99%」という数字を見たら、それが誰の・どの接続方式での・どんな除外条件での実績値なのかをあわせて確認することが大切です。
Q. なぜ記事やサービスによってSMSの到達率の数字が違うのですか?
A. SMSの到達率に公的な統計や統一された定義がなく、各社が母数となる送信件数・集計期間・未達に数える条件をそれぞれ独自に決めて算出しているためです。圏外や受信拒否を分母から除いて計算するか含めて計算するかでも数字は変わり、さらに国内直収か海外網経由かという接続方式の違いも到達率を大きく左右します。その結果、記事やサイトによって90%以上・98%・99%・99.9%といった幅が生まれます。
数字そのものだけを比べるのではなく、算出条件と出所をそろえて見比べるのが実務的です。
Q. 格安のSMS送信サービスでも到達率は高いですか?
A. 送信単価の安いサービスは海外の回線を経由していることがあり、その場合は到達率が国内直収より低くなる傾向があります。1通あたりのコストが安くても、未達が増えれば督促や本人確認の連絡が届かず、送り直しや問い合わせ対応といった別のコストが発生しかねません。到達率を重視するなら、送信単価だけで選ばず、接続方式が国内直収かどうかとあわせて総合的に判断するのがおすすめです。
Q. SMSが実際に届いたかどうかは確認できますか?
A. 多くの法人向けSMS送信サービスは、送信した各メッセージが到達したか未達だったかを、管理画面やAPIのレポートで確認できる機能を備えています。未達だった宛先やその状況が分かるサービスもあり、届かなかった相手へ別の手段で連絡し直したり、古い番号を宛先リストから整理したりする運用に役立ちます。
到達状況を後から確かめたい場合は、送達結果を確認できるレポート機能があるかを導入前にチェックしておくとよいでしょう。
Q. SMSを一斉送信するのに、相手の事前同意(オプトイン)は必要ですか?
A. 広告・宣伝を目的とするSMSは特定電子メール法の対象で、あらかじめ受信に同意した相手にのみ送るオプトインが原則として必要です。あわせて、送信者の氏名・名称や受信拒否の連絡先を表示すること、受信拒否の通知を受けたら送信を止めること(オプトアウト)も求められます。
一方、督促や本人確認のような取引に関わる連絡は「特定電子メール」に当たらず、これらの義務の直接の対象ではありませんが、送信元や用件を明示することは迷惑メッセージと誤解されにくくし、到達率の面でも役立ちます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















