サービス比較の記事一覧

法人保険でリスクに備えたい
カーボンクレジットを活用したい
従業員の福利厚生・教育を充実させたい

サービス比較の記事一覧

法人保険でリスクに備えたい
カーボンクレジットを活用したい
従業員の福利厚生・教育を充実させたい

保険会社向けシステム比較|基幹システムのタイプ別の選び方とパッケージ・開発会社を解説

保険会社向け システム比較のサムネイル画像

保険会社の基幹システムは、契約管理から引受査定、保険金支払いまで事業の根幹を支える一方で、メインフレーム上に長年作り込まれたレガシー資産が保守コストや改修リードタイムの重荷になりがちです。商品改定や法令対応のたびに大規模な改修が発生し、ダイレクト販売や組込型保険といった新チャネルに既存システムが追従しきれない、という課題も広がっています。

近年は、メインフレーム基幹に加えて、商品を短期間で立ち上げられるSaaS型の保険基幹システムや、商品配信を担うAPIミドルウェア、ノーコードで保険商品を設計できるプラットフォームなど、インシュアテック型の選択肢が増えました。自社の業態や刷新範囲に対して、どの提供形態をどの観点で比較すればよいのでしょうか。

本記事では、保険会社(元受の生命保険・損害保険・少額短期保険・共済)向けのシステム19サービスを、提供形態と業態でタイプ別に比較・解説します。基幹パッケージやクラウド型製品の横断比較に加え、契約管理・引受査定・保険金支払いといった業務ドメイン別の選定観点と、レガシー基幹のクラウド移行を見極める判断材料を整理しました。

情報システム部門やDX推進・経営企画の担当者が、自社の刷新・新規構築を判断するための材料としてご活用ください。

また、自社の業態や刷新範囲に合った選択肢を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツールを用意しています。タイプ選びに迷う場合は、こちらもあわせてご利用ください。

保険会社向けシステムとは(対象業務・搭載機能)

保険会社向けシステムとは、生命保険会社・損害保険会社・少額短期保険業者・共済といった保険会社(元受)が、保険商品の開発から契約管理・引受査定・保険金支払い・収納までの基幹業務を運営するためのシステムを指します。契約者データや保険料計算ロジックを一元管理し、商品改定や法令対応のたびに発生する事務を標準化する役割を担います。

生命保険と損害保険は、法律上、同じ会社が兼営できないと定められています。そのため、生保・損保のどちらを対象とするかでシステムの前提や事務が分かれます。

3 生命保険業免許と損害保険業免許とは、同一の者が受けることはできない。

出典:保険業法 第3条(e-Gov法令検索)

提供形態は、メインフレーム上に構築する従来型の基幹から、クラウド上で短期間に立ち上げるSaaS型、商品配信や組込型保険を担うAPIミドルウェアまで幅広く存在します。どこまでの業務を1つのシステムでカバーし、どの形態で導入するかによって、初期コストと改修の柔軟性が大きく変わります。

保険会社向けシステムが担う主な基幹業務

保険会社向けシステムは製品によって得意領域が異なりますが、一般的に以下の業務領域をカバーします。自社がどの領域の刷新を優先するかを整理すると、必要な機能範囲が見えてきます。

← 横にスクロールできます →
詳細
商品開発・料率設定保険商品の設計、保険料率の計算ロジック、約款・帳票のひな型管理を担います。ルールエンジンを備える製品では、新商品の組成や改定を設定変更で実現し、改修工数を抑えます。
契約管理(新契約・異動・更改)申込から成立、契約後の異動・更改・解約までの契約ライフサイクルを管理します。ポリシーアドミニストレーション(PAS)と呼ばれ、保険基幹の中核を成す領域です。
引受・査定(アンダーライティング)申込内容の審査、告知・診査情報の評価、引受可否や条件の判定を支援します。査定ルールの自動化により、引受リードタイムの短縮と判断の標準化につながります。
保険金・給付金支払い事故・請求の受付から支払査定、支払処理までを管理します。損害保険ではクレーム処理、生命保険では給付金・保険金の支払事務にあたる領域です。
収納・代理店手数料管理保険料の収納消込、代理店・募集人への手数料計算と精算を管理します。複数チャネルの精算条件に対応できるかが、運用負荷を左右します。
募集・チャネル管理代理店・募集人の登録や実績管理、ダイレクト・組込型保険などのチャネル連携を担います。新チャネル追加への対応力が、販売拡大の前提になります。

保険代理店システムとの違い

保険会社向けシステムと混同されやすいものに、保険代理店システムがあります。両者は利用する主体と担う業務が異なります。保険会社向けシステムは、保険を引き受けて保険金を支払う元受保険会社の基幹業務を対象とします。

一方の保険代理店システムは、保険を販売する代理店側の顧客管理・募集支援・乗合代理店の手数料計算などを対象とする業務ツールです。本記事が扱うのは前者、すなわち保険会社(元受)が自社の保険事業を運営するためのシステムである点に注意してください。

保険を販売する代理店側の業務ツールを探している場合は、機能・費用相場・2026年の保険業法改正への対応まで比較した以下の記事が参考になります。

保険会社向けシステムのタイプと特徴

保険会社向けシステムは、提供形態と対象業態の組み合わせで、おおまかに4つのタイプに整理できます。自社が「短期間で立ち上げたいのか」「大規模な基幹を作り込みたいのか」「特定チャネルだけを強化したいのか」によって、検討すべきタイプが変わります。

以下に、4タイプの特徴と該当する主なサービスを整理しました。まずは自社の刷新範囲と規模に近いタイプを把握し、その後の比較表・診断で具体的な候補を絞り込むとスムーズです。

保険会社向けシステムを提供形態と業態で4タイプに分類した図。クラウド・SaaS型の保険基幹は少額短期のスモールスタートや新規参入向け、国内パッケージ・SIer基幹(PAS)は大手キャリアのレガシー刷新や独自要件向け、グローバル基幹は大規模キャリアの全面刷新向け、インシュアテック・チャネル基盤は特定領域や新チャネルの強化向け。
← 横にスクロールできます →
特徴該当する主なサービス
クラウド・SaaS型の保険基幹契約管理から支払までを標準機能でカバーし、クラウド上で短期間に立ち上げられます。少額短期保険のスモールスタートや異業種からの保険参入に向きます。Graphene・Nano、joinsure、Inspire(Finatext)、iChain Base、INSTANDA
国内パッケージ・SIerによる基幹(PAS)国内の保険実務に合わせて作り込めるパッケージや受託開発です。契約管理(PAS)を中心とした大手キャリアのレガシー刷新・独自要件に向きます。Finnova(日立システムズ)、EXEX少額短期保険、Simplex xInsurance、i-Win MICHL(ニッセイ情報テクノロジー)、NRI、ソフトウェア・パートナー、BIPROGY
グローバル基幹損害保険(P&C)や生命保険の大規模キャリア向けに、世界各国で実績を持つ基幹スイートです。広い業務範囲と高い拡張性が特徴です。Guidewire、Majesco、Sapiens、Duck Creek
インシュアテック基盤・チャネル基盤組込型保険のAPI連携、申込・販売フロント、ライフプランニングなど、基幹とフロントの間や特定領域を強化する基盤です。Pocket FP Pro、InsureMO、コのほけん!ホワイトレーベル

クラウド・SaaS型の保険基幹(短期立ち上げ・スモールスタート向け)

クラウド上で提供され、契約管理・引受・収納・支払といった基幹機能を標準装備するタイプです。サーバーを自社で保有せず、初期投資を抑えて短期間で事業を立ち上げられる点が特徴です。

少額短期保険の新規参入や、異業種からの保険事業の立ち上げ、特定商品のダイレクト販売など、スモールスタートで素早く検証したいケースに適しています。商品設計をノーコードで行える製品もあり、改定のたびの改修負荷を軽減できます。一方で、大手キャリアの複雑な独自要件をすべて吸収できるとは限らないため、対応業務範囲の確認が欠かせません。

国内パッケージ・SIerによる基幹(PAS/契約管理中心の作り込み)

国内の保険実務やガイドラインに合わせて設計されたパッケージや、保険業に精通したSIerによる受託開発で構築するタイプです。契約管理(PAS)を中核に、自社固有の事務フローへ細かく合わせ込める点が強みになります。

大手キャリアのレガシー基幹刷新や、独自の商品・チャネルを多く抱える保険会社に向きます。生命保険専用の契約管理に特化した製品や、少額短期保険・共済向けにテンプレート化されたパッケージもあり、業態と規模に応じて選択肢が分かれます。作り込みの自由度が高い分、要件定義や保守体制の見極めが重要です。

グローバル基幹(大規模キャリアの全面刷新向け)

世界各国の保険会社で採用実績を持つ基幹スイートを、日本のキャリアが導入するタイプです。損害保険(P&C)の契約・支払・請求や、生命保険・年金・再保険まで、広い業務範囲を1つの製品群でカバーします。

国内の大手損害保険会社を中心に採用が進む製品があり、大規模な全面刷新や、グローバル標準のプラクティスを取り入れたい場合に有力な選択肢となります。一方で、日本市場での導入実績には製品差が大きく、国内の採用実績が明確な製品もあれば、日本法人や導入事例を公開情報で確認できない製品もあります。

そのため、このタイプを検討する際は、まず日本国内での提供有無・日本語サポート・国内事例を直接確認することが前提になります。比較表の「国内導入実績」列で各製品の国内対応の差を見極めたうえで、現実的に導入できる候補かを判断するとよいでしょう。

インシュアテック基盤・チャネル基盤(特定領域・新チャネル向け)

基幹システムを全面的に置き換えるのではなく、商品配信のAPI連携、申込・販売のフロント、ライフプランニングなど、特定の領域や新チャネルを強化するタイプです。既存の基幹とフロントの間を埋める層として位置づけられます。

組込型保険やダイレクト販売を素早く立ち上げたい、募集人の提案力を高めたい、といった目的に適しています。なお、このタイプには契約管理や保険金支払いといった基幹業務そのものを担う製品だけでなく、募集・提案の品質向上に寄ったツールも含みます。いずれも基幹の代替ではないため、既存システムとの連携範囲と、どこまでをこの基盤で担うのかを明確にしたうえで採用すると効果を発揮します。

自社の業態と刷新範囲から、どのタイプが合うかを手早く確認したい場合は、以下の診断ツールが役立ちます。いくつかの設問に答えるだけで、候補となるタイプとサービスの方向性を把握できます。

あなたへのおすすめ
条件にマッチしたサービスを表示しています
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

保険会社向けシステムの選び方

保険会社向けシステムは料金が公開されていない製品も多く、機能の見た目だけでは比較が難しい領域です。ここでは、自社に合うシステムを見極めるための観点を、選定プロセスの順に沿って整理します。

保険会社向けシステムの選び方を3ステップで示した図。ステップ1は業務ドメインで刷新範囲を見極める、ステップ2は業態・規模・保険種目で候補を絞る、ステップ3は導入実績と保守・改修体制を確認する、という選定プロセスの順序を表す。

業務ドメイン別に必要な範囲を見極める

最初に確認したいのは、どの業務領域を刷新の対象にするかです。商品開発・契約管理・引受査定・保険金支払い・収納/代理店手数料・募集/チャネル管理のうち、自社の課題がどこに集中しているかで、選ぶべき製品の性格が変わります。

たとえば、契約管理(PAS)の老朽化が課題ならPASを中核とする基幹が候補になり、新商品の立ち上げスピードが課題なら商品設計を柔軟に行えるクラウド型が向きます。組込型保険など新チャネルの追加が目的であれば、基幹を全面刷新せずにAPI基盤で補う選択も現実的です。1つの製品で全領域を担うのか、領域ごとに使い分けるのかを、この段階で方針として決めておくと候補を絞りやすくなります。

対象業態・規模・保険種目で選ぶ

同じ「保険会社向け」でも、生命保険・損害保険・少額短期保険・共済では、扱う商品構造や事務、規制が異なります。製品がどの業態を主対象としているか、自社の保険種目(第一分野・第二分野・第三分野)に対応しているかを確認します。

あわせて、事業規模と立ち上げスピードの要件も判断軸になります。少額短期保険のスモールスタートや新規参入では、短期間・低初期コストで立ち上げられるクラウド・SaaS型が現実的です。

中堅生保が契約管理(PAS)を刷新する場合は、国内の保険実務に合わせて作り込める国内パッケージ・SIerによる基幹が軸になります。損害保険大手の全面刷新では広い業務範囲を持つグローバル基幹が候補ですが、国内導入実績が明確な製品に絞って検討するのが現実的です。規模と業態を先に固めることで、検討対象を大きく絞り込めます。

導入実績・保守と改修の体制を確認する

保険基幹システムは導入して終わりではなく、商品改定や法令対応のたびに継続的な改修が発生します。そのため、同じ業態での導入実績と、稼働後の保守・改修体制を確認することが重要です。

自社と近い業態・規模での稼働実績があるか、改定対応を設定変更で吸収できるのか個別開発が必要なのか、改修の費用感とリードタイムはどの程度か、といった点を見極めます。料金が非公開の製品が多いため、複数のベンダーから自社要件に基づく見積もりを取り、総保有コストで比較するのが現実的です。

安全対策の水準を確認する際は、FISC(金融情報システムセンター)の安全対策基準が金融機関のシステム安全対策の実務標準として参照される点も押さえておくとよいでしょう。ベンダーがこうした基準にどう対応しているかは、稼働後の信頼性を見極める手がかりになります。

なお、大手SIerやグループのIT子会社は、導入企業名や社数を非公開とするケースが多く見られます。実績が公開されていないこと自体は、必ずしも実績の薄さを意味しません。公開情報が少ない場合は、提案時に同業態・同規模での構築事例の有無を直接確認するとよいでしょう。

導入・刷新で失敗しないための注意点

基幹システムの刷新は、要件の広さゆえに計画が膨らみやすく、稼働遅延やコスト超過に陥りやすい領域です。失敗を避けるには、対象範囲を最初から欲張らず、優先度の高い業務領域に絞って要件を固めることが有効です。

製品のデモや訴求機能だけで判断せず、自社の主要な事務シナリオで実際に運用できるかを検証することも欠かせません。既存システムからのデータ移行範囲、現行業務との並行稼働の期間、稼働後に社内で保守できる体制まで含めて、導入前に具体的に確認しておくと、想定外の負荷を抑えられます。

特に、既存基幹との接続は、事前の想定と実際に必要な作り込みが乖離しやすい領域です。連携基盤を提供するベンダーは、次のように述べています。

河上氏
InsureMO株式会社 代表取締役
河上氏
独自インタビューより

接続そのものは、APIでつなげるのが理想ですが、現実にはコアシステム側がCOBOLで動いていたり、Javaで作られていたり、Apache Sparkを使っていたりと、いわゆる「個社要件」になります。そこは私たちのほうで対応することもありますし、パートナー様が手掛けるケースも多くあります。「コネクターを用意していますからすぐつながります」という売り文句を耳にすることがありますが、現実にはほぼ当てはまらないというのが、私たちの率直な見方です。要件ごとに丁寧に作り込んでいくのが結局は最短だと考えています。

保険基幹システムのクラウド移行・刷新の考え方

レガシーな基幹システムを抱える保険会社にとって、クラウド移行やSaaS型への刷新が自社にとって現実的かどうかは、判断が難しいテーマです。ここでは、移行の進め方と、クラウド/SaaS型が向くケース・向かないケースを整理します。

レガシー基幹刷新の進め方

長年運用してきた基幹を一度に全面刷新するのは、リスクとコストの両面で負担が大きくなりがちです。多くの保険会社では、影響範囲を抑えるため段階的な移行が選ばれます。

たとえば、新商品や新チャネルの部分を先にクラウド型で立ち上げ、既存基幹と並行稼働させながら段階的に範囲を広げる進め方があります。契約管理・支払・収納といった業務領域ごとに優先順位をつけ、移行と並行稼働の期間を設計することで、業務停止のリスクを抑えられます。移行範囲とデータ移行の方針を早い段階で固めることが、計画の精度を高めます。

クラウド・SaaS型に向くケース・向かないケース

クラウド・SaaS型は、立ち上げスピードと初期コストの面で利点がありますが、すべてのケースに最適とは限りません。自社の要件に照らして、向き不向きを見極める必要があります。

新商品の早期投入や少額短期保険のスモールスタート、標準的な事務で運用できる業務領域では、クラウド・SaaS型が力を発揮します。一方、独自に作り込んだ複雑な事務フローや、外部接続・データ保管に関する自社固有の要件が強い場合は、パッケージの作り込みやプライベートクラウドでの構築が適することもあります。標準機能でどこまで賄えるかを検証し、賄えない部分の対応方針まで含めて判断するとよいでしょう。

提供形態を問わず前提になるのが、システムを安全かつ安定的に稼働させる態勢です。金融庁の監督指針は、システムリスク管理態勢の充実強化を保険会社に求めており、外部接続やデータ保管の要件を検討する際の土台になります。

システムリスクとは、コンピュータシステムのダウン又は誤作動等のシステムの不備等に伴い、顧客や保険会社が損失を被るリスクやコンピュータが不正に使用されることにより顧客や保険会社が損失を被るリスクを言う。〔中略〕システムが安全かつ安定的に稼動することは保険会社に対する信頼性を確保するための大前提であり、システムリスク管理態勢の充実強化は極めて重要である。

出典:保険会社向けの総合的な監督指針(令和8年6月)Ⅱ-3-13-2-1 意義(金融庁)

保険会社向けシステムの費用相場

保険会社向けシステムの費用は、提供形態・対象業態・刷新範囲によって幅が大きく、料金プランを公開せず個別見積もりとするベンダーが大半です。ここでは、提供形態ごとの費用の考え方と、料金開示の実態を整理します。

クラウド・SaaS型では、保険料収入や契約件数に連動した月額課金を採る製品があり、少額短期保険のスモールスタートでは初期費用を抑えて立ち上げやすい傾向です。一方、国内パッケージの作り込みやグローバル基幹の全面刷新では、初期構築費が大規模になり、要件定義から稼働まで相応の期間と費用を要します。

費用の桁感は提供形態で大きく異なります。大規模なレガシー基幹の全面刷新は、要件定義から本番稼働まで数年単位の期間を要し、費用の大半を初期構築費と保守費が占める構造です。これに対しクラウド・SaaS型は、初期費用を抑えつつ、契約件数や保険料収入の規模に応じてランニングコストが増減します。少額短期保険のスモールスタートでは、初期費用を従来型より大きく抑えられるモデルを用意する製品もあります。

導入までの期間も提供形態で桁が変わります。クラウド・SaaS型は数週間〜数か月、国内パッケージ・SIerによる作り込みは1〜数年、グローバル基幹を含む全面刷新は数年が目安です。たとえばEXEX少額短期保険は、基幹業務を発注から最短6ヶ月で構築できるとしています。ソフトウェア・パートナーの開発事例では、開発規模10人月・6ヶ月で構築した例が示されています。

数少ない公開値としては、ソフトウェア・パートナーの汎用ツール「SP BRLite」の10万円〜、Pocket FP Pro の月額3,300円(提案支援ツール)があります。作り込み型でも、Finnovaの小規模モデルは初期導入費用を従来モデルの約10分の1に抑えています。i-Win MICHL は開発コストを自社旧システム比で最大50%削減と訴求しています。

このように規模やモデルによって費用は大きく変わりますが、料金を公開せず個別見積もりとするベンダーが大半です。最終的な費用は、自社要件に基づく見積もりで確認する前提は変わりません。

以下は、主要な保険会社向けシステムの提供形態と料金開示の状況をまとめたものです。多くの製品が個別見積もりを基本とするため、料金が公開されていないものは「要お問い合わせ」と記載しています。

← 横にスクロールできます →
タイプ/料金クラウド・SaaS型の保険基幹国内パッケージ・SIerによる基幹(PAS)グローバル基幹インシュアテック基盤・チャネル基盤
代表サービスGraphene・Nano、joinsure、
Inspire(Finatext)、iChain Base、
INSTANDA
Finnova、EXEX少額短期保険、
Simplex xInsurance、i-Win MICHL、
NRI、ソフトウェア・パートナー、BIPROGY
Guidewire、Majesco、
Sapiens、Duck Creek
Pocket FP Pro、InsureMO、
コのほけん!ホワイトレーベル
料金体系の傾向保険料収入・契約件数に
連動した月額/従量課金が中心
初期構築費+保守。
受託開発は案件ごとの
個別見積もり
個別見積もり
(SIパートナー経由の
導入が中心)
提案ツールは定額月額。
基盤系は提供形態で変動
初期費用の傾向比較的抑えやすく
スモールスタートに向く
刷新範囲に応じて大規模化
(小規模モデルは抑制可)
全面刷新前提で大規模提案ツールは0円〜と低廉。
基盤系は構築費が発生
料金開示の実態いずれも非公開
(要お問い合わせ)
原則非公開
(要お問い合わせ)
いずれも非公開
(要お問い合わせ)
Pocket FP Pro は月額3,300円
(初期0円)。他は要お問い合わせ

※上記は各社の公開情報に基づく一般的な傾向です。実際の費用は刷新範囲・契約規模・カスタマイズの有無で変動するため、自社要件に基づく見積もりで確認してください。

料金が非公開でも、見積もり依頼の前提を揃えれば各社を同じ土俵で比較できます。具体的には、対象とする業務領域(契約管理・引受・保険金支払いなど)、対象業態と保険種目、想定する契約件数と事業規模、既存システムからの移行範囲、商品改定時の改修方針(設定変更で吸収するか個別開発か)、稼働後の保守・サポート体制を共通の条件として提示します。

これらを揃えて見積もりを取ると、初期費用だけでなく総保有コストで比較しやすくなります。

保険会社向けシステムをタイプ別に徹底比較

ここからは、保険会社向けシステム19サービスを、対象業態・対応業務範囲・提供形態・導入実績・料金開示の観点でタイプ別に比較します。自社の刷新範囲に近いタイプの表から確認すると、候補を効率よく絞り込めます。

クラウド・SaaS型の保険基幹の比較

← 横にスクロールできます →
サービス名Graphene・NanojoinsureInspire(Finatext)iChain BaseINSTANDA
対象業態生保/損保/少額短期生保/損保/少額短期生保/損保/
第三分野(第一〜第三分野)
少額短期中心
(生保/損保/共済も訴求)
保険会社/代理店・MGA
(B2C・B2B・B2B2C)
対応業務範囲商品開発・契約・保全・
保険金支払を一気通貫
申込フロント+
引受査定・契約管理・保全・
収納・支払査定
見積・申込・引受・
契約管理・保全・
保険金請求・更改
新契約・保全・引受・
収納・保険金支払・
募集管理
商品設計・料率・見積・
引受審査・契約・
証券発行・保険金請求
提供形態クラウド
(PaaS/SaaS)
SaaS
(コンポーネント型)
SaaS
(従量課金)
クラウド(SaaS)
最短約3か月で導入
クラウド(SaaS)
ノーコード/API-first
国内導入実績MSプラスワン少短
住友生命・PayPayほけん
等の開発支援
Tokio Marine X少短
オリコ 等
13社
(2025年6月末時点)
楽天少短・ニッセイプラス少短 等
あおぞら少短
(2020年7月稼働)等
非公開
(国内強化を推進中。
グローバル80社以上)
料金目安要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
(従量課金)
要お問い合わせ
(保険料収入連動の月額)
要お問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

国内パッケージ・SIerによる基幹(PAS)の比較

← 横にスクロールできます →
サービス名Finnova(日立システムズ)EXEX少額短期保険Simplex xInsurancei-Win MICHL(ニッセイ情報テクノロジー)NRI 保険ソリューションソフトウェア・パートナーBIPROGY
対象業態少額短期/共済中心
(生保・損保も)
少額短期/共済/
中小保険事業者
生保/損保
(保険種類を問わず)
生命保険
(勘定系特化)
損保/生保/公共・共済
(ミニ保険も)
損保/生保/少額短期生保/損保
対応業務範囲契約管理・事故管理・
収納+代理店・
契約者マイページ
契約申込(Web)+
契約・事故・請求・支払
申込・引受・収納・支払・
契約/顧客管理・
挙績/手数料管理
提案・新契約・保全・
収納・支払(契約ライフ
サイクル全般)
保険基幹SI+
InsDirect/MP(商品開発〜
支払・保全一気通貫)
本体向けは受託開発
(申込・計上・試算等)+
代理店向けパッケージ
個社SI(基幹・業務)+
損保Guidewire導入支援+
doreca(支払)連携
提供形態パッケージ
(プライベートクラウド)
パッケージ
(クラウド/サーバ)
SaaS/保険会社クラウド/
オンプレミス
受託SI/パッケージ受託SI+業務パッケージ/
共同利用型
受託開発
(スクラッチ/ローコード)
受託SI
(個社プロジェクト)
国内導入実績少短で契約数シェア約35%
(2020年9月・自社調べ)
ダブルエー少短 等
テラ少短・みらい少短・
チケットガード少短 等
SBI損保がん保険基幹
明治安田生命・
ライフネット生命 団信 等
非公開
(外部生保の社数公開なし)
非公開
(e-JIBAI 等の業界横断
サービスを保有)
非公開
(保険業向け30年以上)
三井住友海上・
三井住友海上プライマリー生命 等
料金目安要お問い合わせ
(小規模モデルあり)
要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ要お問い合わせ
(個別見積もり)
要お問い合わせ
(SP BRLite は10万円〜)
要お問い合わせ
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

グローバル基幹の比較

← 横にスクロールできます →
サービス名Guidewire InsuranceSuiteMajescoSapiens Insurance PlatformDuck Creek
対象業態損害保険(P&C)中心損保(P&C)/
生保・年金・健康(L&AH)
生保・年金/損保(P&C)/
再保険
損害保険・一般保険(P&C)
対応業務範囲契約管理・引受・
保険金支払・収納/請求
(PolicyCenter等)
契約管理・請求・
保険金支払(Intelligent
Core Suite)
契約管理・保険金支払・
請求・引受・再保険
(モジュール構成)
契約管理・料率・
収納/請求・保険金支払
(Intelligent Core)
提供形態グローバル基幹
(クラウド版あり)
グローバル基幹
(クラウド)
グローバル基幹
(モジュール型)
グローバル基幹
(クラウドネイティブSaaS)
国内導入実績国内損保10社以上採用
東京海上日動・三井住友海上・
SBI損保 等(公式2025年4月)
国内事例・日本法人は確認できず
(グローバル375社超)
国内元受の導入実績は確認できず
(グローバル600社超)
国内事例・日本法人は確認できず
(北米・豪州・欧州中心)
料金目安要お問い合わせ
(個別見積もり)
要お問い合わせ要お問い合わせ
(個別見積もり)
要お問い合わせ
(個別見積もり)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

インシュアテック基盤・チャネル基盤の比較

← 横にスクロールできます →
サービス名Pocket FP ProInsureMOコのほけん!ホワイトレーベル
対象業態生保中心
(募集人・FP向け提案基盤)
保険会社/組込型保険の
事業者(生保・損保横断)
保険会社/
BtoC事業者(販売フロント)
対応業務範囲ライフプランニング提案・
提案品質の平準化
(基幹業務は非対象)
申込・支払・契約管理・
保険金請求をAPI部品化
(基幹とフロントの中間層)
集客・商品比較・申込・
Web販売フロント
(基幹業務は非対象・連携)
提供形態SaaS
(提案支援ツール)
ミドルウェア/API基盤
(PaaS/SaaS)
パッケージ
(ホワイトレーベル)
国内導入実績非公開非公開
(NTTデータ等が国内提供。
グローバルGWP250億ドル超)
auフィナンシャルパートナー
「auほけんナビ」
(2026年2月開始)等
料金目安初期費用0円
月額3,300円
(年払36,300円)
要お問い合わせ要お問い合わせ
詳細情報オンライン相談を予約サービス詳細を見る公式サイト

保険会社向けシステムの個別紹介

ここからは、各サービスの特徴をタイプ別に紹介します。対象業態・対応業務範囲・提供形態・導入実績を中心に、それぞれがどのような保険会社に向くのかを整理しました。

クラウド・SaaS型の保険基幹

クラウド上で短期間に立ち上げられ、少額短期保険のスモールスタートや新チャネルの早期投入に向くサービス群です。

1. Graphene・Nano(リードインクス株式会社)

Graphene・Nanoの公式サイト

Graphene・Nano は、ソフトバンク株式会社の100%子会社であるリードインクス株式会社が提供する、保険会社(元受の生保・損保・少額短期保険業者)向けのデジタル保険プラットフォームです。商品開発・契約・保全・保険金支払いまでの保険基幹業務を1つの基盤上でカバーし、PaaS の Graphene と SaaS の Nano という2つの提供形態に分かれています。

導入形態はインテグレート型・併存型・基幹システム型の3つから選べ、既存基幹に接続して使うか、並行運用するか、メインの基幹として置き換えるかを既存システム環境に応じて選択できます。損害保険・第三分野・生命保険の各商品に対応し、加入者データ分析や柔軟なカスタマイズは Graphene と Nano で標準/オプションの区分が異なります。

MSプラスワン少額短期保険では Nano を基幹システムとして導入し、新規設立の保険会社でも本格的な保険業務を運用できることを示した事例があります。住友生命「Chakin」や PayPayほけんの開発支援実績もあり、少額短期のスモールスタートから新商品の早期投入まで幅広く想定できます。初期費用・月額費用は公開されておらず、料金は要お問い合わせです。

2. joinsure(株式会社justInCaseTechnologies)

joinsure(ジョインシュア)の公式サイト

株式会社justInCaseTechnologies が提供する joinsure(ジョインシュア)は、クラウドベースの保険基盤をコンポーネントに分けて提供する SaaS 型の保険基幹システムです。申込フォーム・お客様ポータル・保険金請求フォームのフロント機能と、引受査定・契約管理・保全・収納管理・支払査定を担う管理コンソールで構成され、オンライン完結型の保険事業の立ち上げに対応します。

少額短期保険にとどまらず、生命保険・損害保険にも対応し、60種類以上の保険商品を想定して設計されています。導入は、全業務をコアシステムで完結するパターンと、申込フォームのみを導入して既存システムと連携するパターンの2形態から選べます

Tokio Marine X 少額短期保険では基幹システムとして採用され、Web完結型の生損保一体型「総合生活支援保険」を提供しています。オリコでは「オリコのあんしん保険」の基盤として活用されるなど、少短から大手グループまで導入が広がっています。料金は公式サイトに記載がなく、初期費用・月額費用ともに要お問い合わせです。

3. Inspire(株式会社Finatext)

Inspire(Finatext)の公式サイト

Inspire(インスパイア)は、東証グロース上場の Finatext ホールディングス傘下、株式会社Finatext が2020年9月から提供する SaaS 型のデジタル保険基幹システムです。Webサービスやスマートフォンアプリ上に保険商品を組み込んで販売できるクラウドサービスで、第一分野(生命保険)・第二分野(損害保険)・第三分野のすべての保険商品に対応します。

見積もり・申込・査定(引受)・契約管理・保全・保険金請求・更改までの保険業務を一気通貫でオンライン化できます。提供形態は、包括パッケージの Inspire に加え、ローコードで素早く立ち上げる Inspire Express、主要機能を単体で導入できる Inspire Select があり、既存システムを活かして必要な機能だけをデジタル化する導入も選べます

導入実績は大手損害保険会社を含む13社(2025年6月末時点)で、楽天少額短期保険が「楽天ペイ」アプリ内の保険販売プラットフォームとして、ニッセイプラス少額短期保険が基幹システムとして稼働しています。システム利用費は従量課金制とされていますが、初期費用や具体的な料率は公開されておらず、料金は要お問い合わせです。

4. iChain Base(iChain株式会社)

iChain Baseの公式サイト

iChain株式会社が提供する iChain Base は、少額短期保険の立ち上げに最適化されたクラウド型 SaaS の保険契約管理システムです。新契約から保全・引受・収納・保険金支払い・募集管理までの業務をフルスコープでカバーし、PDF・画像の取り込みによるペーパーレス処理や脱ハンコのワークフローに対応します。

少額短期保険の新規設立コンサルティングと組み合わせて提供でき、商品開発から契約管理・支払いまでの基幹業務を一体で立ち上げられる点が特徴です。引受・支払の自動査定はルールをカスタマイズでき、契約者向けアプリ「iChain 保険ウォレット」や反社会的勢力チェックの外部API連携も備えます。要件確定後、最短約3か月での導入を訴求しています(カスタマイズ・オプション追加時は延長)。

2020年7月にあおぞら少額短期保険の基幹システムとして稼働を開始し、少額短期保険を主軸に生命保険・損害保険・共済への対応も訴求しています。課金は受領した保険料収入に連動した月額課金で、具体的な初期費用・月額の金額は公開されておらず、料金は要お問い合わせです。

5. INSTANDA(Instanda Japan株式会社)

INSTANDAの公式サイト

INSTANDA は、英国 F2X GROUP LIMITED が2015年から提供し、日本では Instanda Japan株式会社が展開する、クラウドネイティブなノーコード保険コアプラットフォームです。保険商品の設計・保険料設定・見積・引受審査・契約・証券発行といった保険のバリューチェーンを、コードを書かずに設定・変更できる点が中核になります。

提供形態は Microsoft Azure 上の SaaS で、API-first 設計により外部システムとの連携を前提とします。保険会社だけでなく保険代理店・MGA(総括代理店)も対象とし、B2C・B2B・B2B2C の各販売チャネルに対応します。保険金請求(FNOL)の受付・管理やセルフサービスポータルなど、業務範囲は広く設計されています。

セキュリティはグローバル本体が ISO/IEC 27001:2022 を取得し、SOC 2 のベストプラクティス準拠や Cyber Essentials を備えます。グローバルでは米国・英国市場を中心に80社以上のティア1保険会社・MGA が利用しており、日本では2024年にカントリーマネージャーを任命して引受・保険金請求・会計機能の国内向け強化を進めています。

料金は公開されておらず、要お問い合わせです。

国内パッケージ・SIerによる基幹(PAS)

国内の保険実務に合わせて作り込める製品・受託開発で、契約管理(PAS)を中心とした大手キャリアの刷新や独自要件に向くサービス群です。

6. Finnova保険・共済トータルサポートシステム(株式会社日立システムズ)

Finnova保険・共済トータルサポートシステムの公式サイト

Finnova保険・共済トータルサポートシステムは、株式会社日立システムズが金融業向けブランド「Finnova」の保険分野製品として提供するパッケージです。保険基幹システム(契約管理・事故管理・収納管理)に、代理店システムと契約者向けマイページを加え、保険事業に必要な業務を1つのパッケージで提供します。日立システムズのデータセンター内に構築したプライベートクラウド環境から提供される形態です。

ルールエンジンを備え、保険会社の要件をできるだけパラメータ設定で吸収することで、必要最小限のカスタマイズでの利用開始を企図しています。少額短期保険会社など小規模事業者向けには、機能を絞り、初期導入費用を従来モデルの約10分の1に抑えたクラウドサービス「小規模モデル」も別途用意されています。

業務提携先である株式会社I.S.C.と連携し、異業種からの保険事業参入支援や、バックオフィス業務のBPO受託も提供します。

少額短期保険分野では10年以上のシステム開発・運用・保守の実績を持ち、同社の公表(2020年9月時点・当社調べ)では少額短期保険業界で契約数ベースで約35%のシェアを占めるとされ、少額短期保険向け基幹の有力な選択肢の一つに位置づけられます。AOKIグループのダブルエー少額短期保険が導入した事例があり、不動産取引と同時に契約する家財保険の電子契約にも対応しています。

料金は公開されておらず、要お問い合わせです。

7. EXEX少額短期保険(株式会社システムエグゼ)

EXEX少額短期保険の公式サイト

少額短期保険・共済・中小保険事業者を対象としたパッケージが、株式会社システムエグゼの提供するEXEX少額短期保険です。同社の業務ソリューション群「EXEXシリーズ」の一製品で、インターネット経由の契約申込を担う「契約申込onクラウド」と、契約・事故・請求・支払などを担う「基幹業務onクラウド」に機能が分かれています。提供形態はクラウドライセンスとサーバライセンスの2種類から選択します。

専用オーダーシートに記入することでWeb申込ページを設定でき、契約申込は最短3週間、基幹業務は発注から最短6ヶ月での導入が可能とされています(いずれも公式記載の最短値)。1998年の創業以来、損害保険・生命保険および保険周辺業務のシステム開発に従事してきた経験を背景に、保険業務知識を持つメンバーが導入を担当します。

なお損保・生保の大手元受向けは個別のSI/受託開発で対応しており、本製品とは提供形態が異なります。

テラ少額短期保険・みらい少額短期保険・チケットガード少額短期保険などの導入事例が公開されており、テラ少額短期保険ではWeb申込により手書き申込書の記入間違いをなくし、名寄せや契約更新案内の事務を自動化したと紹介されています。料金は公開されておらず、初期費用・月額費用ともに要お問い合わせです。

8. Simplex xInsurance(シンプレクス株式会社)

Simplex xInsuranceの公式サイト

Simplex xInsurance は、金融機関向けのコンサルティング・システム開発・保守運用を一気通貫で手がけるシンプレクス株式会社が提供する保険業務ソリューションです。公式は「共通サービス化によりDXを推進するトータル保険業務ソリューション」と位置づけており、申込・ポータルといったフロントから、引受・収納・支払、契約/顧客管理、挙績/手数料管理までを共通サービス(部品)化して提供します。

生命保険・損害保険といった保険の種類を問わず適用できる構成です。

引受・異動・収納・支払をペーパレスで処理するIWF(イメージワークフロー)を中核に持ち、ルールエンジンや保険料計算エンジンを内包します。提供形態はSaaS・保険会社クラウド・オンプレミスから選べ、明治安田生命の団体信用保険向けシステムはSaaS型で提供されています。サポートは24時間365日の体制とされています。

導入実績としては、SBI損保のがん保険向け基幹システムを構築し2021年7月に本番稼働、ライフネット生命の団体信用生命保険の立ち上げ支援(2023年7月サービス開始)などが公表されています。少額短期保険・共済向けの専用訴求は公式上で確認できず、生損保キャリアの基幹刷新・DXを主な対象とします。料金は非公開で、要お問い合わせです。

9. i-Win MICHL シリーズ(ニッセイ情報テクノロジー株式会社)

i-Win MICHL シリーズの公式サイト

生命保険会社の勘定系業務に特化した保険統合ソリューションが、ニッセイ情報テクノロジー株式会社の「i-Win MICHL シリーズ」です。提供元は日本生命保険相互会社のIT戦略子会社で、グループ各社の生保システム構築で培ったノウハウを製品化した受託SI/パッケージ型のソリューションにあたります。

中核は生命保険契約管理システム「i-Win MICHL/LIFE」で、提案から新契約申込・保全・収納・支払まで、契約ライフサイクル全般の事務機能を標準搭載します。

標準的な事務取扱を約60事務の基本モデルとして提供し、国内生保で扱う主要20商品のテンプレートと約1000種類の保険事務コンポーネントに標準対応します。保険法・生命保険協会ガイドライン・保険業法・日本の税制に準拠した設計で、年金支払管理システム「i-Win MICHL/PA」や勘定系向けミドルウェア「i-Win/Base」も用意されています。

i-Win/LIFE は2004年、i-Win MICHL/LIFE は2010年から提供されており、20年以上の製品系譜を持ちます。公式は商品開発期間の約30〜50%短縮、開発コストの最大50%削減(いずれも当社旧システム比)を訴求していますが、これは提供元自身が示す自社比の改善値です。外部生保への具体的な導入社数は公開されておらず、料金も要お問い合わせです。

10. NRI 保険ソリューション(株式会社野村総合研究所)

NRI 保険ソリューションの公式サイト

株式会社野村総合研究所(NRI)は、単一の製品ではなく、保険基幹業務システムの受託SIと業務パッケージ・共同利用型サービスを組み合わせて保険会社向けに提供しています。損害保険会社・生命保険会社・公共/共済事業の基幹業務システムを、設計から構築・運用まで一貫して支援する点が中心で、レガシーシステムからの脱却支援も訴求しています。

提供の主軸は受託SIで、保険基幹システム全体は案件ごとの個別構築となります。

少額短期保険(ミニ保険)向けには、業務パッケージ「InsDirect/MP」を2020年9月に提供開始しています。商品管理と業務処理を分離し、保障・補償を部品化して組み合わせることで商品を組成する設計で、商品開発から見積もり提案・契約・事故対応・保険金支払い・契約保全までを一気通貫で扱います。非金融事業者がミニ保険を提供できるよう、顧客向け画面用のAPIも備えます。

このほか、自賠責保険の事務・管理・決済を担う共同利用型サービス「e-JIBAI」(2003年提供開始)や、引受・契約管理を担う「One-JIBAI」(2024年稼働)といった業界横断のサービスも保有します。保険基幹・InsDirect/MP ともに具体の導入社数は公開されておらず、料金は受託案件ごとの個別見積もりで、要お問い合わせです。

11. ソフトウェア・パートナー 保険業務向けパッケージ/開発サービス(株式会社ソフトウェア・パートナー)

ソフトウェア・パートナー 保険業務向けパッケージ/開発サービスの公式サイト

1986年設立の株式会社ソフトウェア・パートナーは、保険業界向けのシステム開発を主軸とするSIerです。損害保険会社・生命保険会社・少額短期保険会社に対しては、保険申込・計上システムやコールセンターシステム、保険料試算システムなどを受託開発(スクラッチ/ローコード)で提供しており、保険会社本体向けの標準パッケージ製品は持たず、本体向けは個別の受託開発で対応する構造です。

Wagby などのローコードツールを用いた短納期開発も手がけます。

これに加えて、保険代理店向けの自社パッケージ製品を併売しています。代理店業務全般を扱う「SP IAS」(収益管理・精算管理・契約管理)、代理店手数料を自動計算する速報・管理ツール「SPART-i」、汎用のデータ検索・帳票出力を行う「SP BRLite」などで、SP BRLite は基本ライセンス100,000円から提供されます。SPART-i は生損保両方の手数料に対応します。

公式の開発事例では、保険代理店がAccessで補っていた業務を、ローコードツールで開発期間6ヶ月・開発規模10人月でWebアプリとして再構築した例が示されています。保険業向けに30年以上携わってきたとされますが、具体の導入社数は公開されていません。自社パッケージや受託開発の料金は、SP BRLite を除き要お問い合わせです。

12. BIPROGY 保険会社向けソリューション(BIPROGY株式会社)

BIPROGY 保険会社向けソリューションの公式サイト

BIPROGY株式会社(旧 日本ユニシス)は、勘定系をはじめとする金融機関向け大規模基幹システムの構築実績を持つ大手独立系システムインテグレーターです。保険会社向けには製品名を冠した単一の基幹パッケージを前面に出しておらず、個社要件に応じた基幹・業務システムの構築(SI)を基本に、損保コア領域でのグローバルパッケージ導入支援と周辺サービス連携を組み合わせて提供しています。

生命保険会社向けシステムの業務アーキテクト職を公募するなど、生保向けは個社SIとして実体を持ちます。

損害保険のコア領域では、損保向けソフトウェア大手 Guidewire Software の PartnerConnect ソリューションパートナー(2024年7月30日契約締結)として、Guidewire 製品を利用する損保会社向けの導入支援・周辺連携に関与します。

あわせて、電子マネー等での保険金支払いを担う価値交換基盤「doreca」を提供し、Guidewire 製品との接続モジュールの提供を予定しています。

導入事例としては、三井住友海上火災保険でBPM手法を用いたワークフローを構築し保険引受リスク管理の効率化を実現した例、三井住友海上プライマリー生命保険でコールセンターを軸にシステム間連携を強化した例が公開されています。SI・個社プロジェクト型のため公開料金はなく、料金は要お問い合わせです。

グローバル基幹

世界各国で実績を持ち、損害保険・生命保険の大規模キャリアの全面刷新に向くサービス群です。国内での導入状況やサポート体制もあわせて確認するとよいでしょう。

このタイプで国内の導入実績を公開情報から確認できるのは Guidewire で、Majesco・Sapiens・Duck Creek は製品力は高いものの国内での提供実態が確認しづらいため、まずは日本での提供有無の確認から入る候補になります。

13. Guidewire InsuranceSuite(Guidewire Software, Inc.)

Guidewire InsuranceSuite の公式サイト

損害保険(P&C)会社の基幹業務を担うコアシステム群が、米 Guidewire Software(2001年設立、NYSE: GWRE)の InsuranceSuite です。

保険契約管理・引受の「PolicyCenter」、保険金支払・損害サービス管理の「ClaimCenter」、収納・請求管理の「BillingCenter」を中核に、料率設定の PricingCenter や引受管理の UnderwritingCenter を加えた構成で、近年はクラウド版「Guidewire Cloud Platform」への移行を進めています。

公式サイトによると、世界40カ国以上・570社以上の保険会社が採用しています(2026年6月時点)。

日本では2008年から事業を展開し、日本法人ガイドワイア・ソフトウェア・ジャパンが販売・導入支援を担います。同社の公式発表(2025年4月)によると、国内では大手を含む10社以上の損保が採用し、日本の損保業界の収入保険料(GWP)の60%超が ClaimCenter 上で処理されています。この数値は ClaimCenter(保険金支払・損害サービス)に限定したものである点に留意が必要です。

導入実績としては、SBI損保の国内初導入(2012年)、東京海上日動火災保険の ClaimCenter 本格稼働(2013年)、三井住友海上の全国展開(2021年)などが公表されています。

導入は NTTデータ・PwCコンサルティング・NRI などの国内SIパートナー経由が中心で、料金は公開されておらず個別見積もりとなります。本グループのなかでは国内の採用実績が明確に確認できるサービスで、日本市場への適合を重視する場合の有力な選択肢といえます。

14. Majesco(P&C / L&AH Intelligent Core)(Majesco)

Majesco の公式サイト

損害保険(P&C)と生命・年金・健康保険(L&AH)の両領域を単一ベンダーでカバーするのが、米国の保険テックベンダー Majesco(本社:米ニュージャージー州)です。契約管理・請求・保険金支払をクラウド上に統合した「Intelligent Core Suite」を中心に、データ分析や生成AI(Copilot GenAI)をコアに組み込んでいる点を訴求しています。

2026年1月には年金・福利厚生管理ソリューションの Vitech 買収を完了し、Pension & Retirement/Group & Benefits 領域へ事業を拡大しました。

導入実績は、Majesco 単体で保険会社など350社超・累計1,000件超、Vitech 統合後の合算では顧客375社超とされます(いずれもグローバル、2026年1月時点)。

第三者評価では、QKS Group の「SPARK Matrix 2025」で P&C Core Insurance Platform と Life Insurance Policy Administration System の両方で Top Leader に認定されています(2026年2月発表)。料金は公開されておらず、要お問い合わせです。

一方、日本語の公式サイト・日本法人・国内保険会社の導入事例はいずれも確認できておらず、日本市場での提供実態は限定的です。日本語UI・日本語サポートの有無も公開情報からは確認できないため、国内導入を検討する場合は対応範囲を直接問い合わせて確認することが望まれます。

15. Sapiens Insurance Platform(Sapiens International Corporation N.V.)

Sapiens Insurance Platform の公式サイト

生命保険・年金(Life & Annuities/Pensions)と損害保険(P&C)の両分野に専用のコアスイートを持つのが、イスラエルに本社を置く Sapiens International の Insurance Platform です。

損保向けの「IDITSuite for Property & Casualty」、生保・年金向けの「CoreSuite」を軸に、契約管理・保険金支払・請求・引受・再保険をモジュール構成で提供します。多くの競合がどちらか一方に特化するなか、生保・損保の双方に対応する点が構成上の特徴です。

2025年12月には米PEファンド Advent International による買収(約25億ドル)が完了し、非公開化しています。

グローバルでは公式サイト上で600社超・38カ国の実績を掲げます(2026年6月時点)。損保向け IDITSuite は、Gartner の Magic Quadrant(Non-Life Insurance Platforms, Europe)で Leader と評価された実績があります(2021年・欧州市場対象)。料金は案件ごとの個別見積もりで、要お問い合わせです。

保険コアプラットフォーム(IDITSuite/CoreSuite)の日本法人・日本語公式サイト・国内元受保険会社の導入実績は確認できず、日本展開のエビデンスは限定的です

なお国内に「サピエンステクノロジー・ジャパン株式会社」が存在しますが、これは別系統の低コード開発ツール「Sapiens eMerge」の国内総代理店であり、本サービス(保険コアプラットフォーム)の日本提供主体ではない点に注意が必要です。

16. Duck Creek(InsuranceSuite / InsuranceNow)(Duck Creek Technologies, Inc.)

Duck Creek の公式サイト

Duck Creek Technologies(本社:米マサチューセッツ州ボストン)は、損害保険・一般保険(P&C)会社向けのクラウドネイティブな基幹システムを提供するグローバルベンダーです。

契約管理(Policy)・料率(Rating)・収納/請求(Billing)・保険金支払(Claims)を中核に、配信管理・再保険・分析などのモジュールを「Intelligent Core」として統合します。

SaaS提供形態「Duck Creek OnDemand」は Microsoft Azure 上で稼働し、商品・ルールを設定ベースで管理する「Industry Content」により新商品投入の高速化を訴求しています。

第三者評価では、Gartner Magic Quadrant(SaaS P&C Insurance Core Platforms, North America)の2025年版でリーダーに位置づけられ、QKS Group の SPARK Matrix(P&C Core Insurance Platform)でもリーダー領域とされています。

いずれも北米を中心とした評価である点に留意が必要です。OnDemand は ISO 27001 準拠で、年次の SOC 1/SOC 2 Type II 監査を実施しています。料金は個別見積もりで、要お問い合わせです。

公表されている導入は北米・豪州・欧州のキャリアが中心で、日本法人・日本語の製品サイト・国内保険会社の導入事例は確認できていません。前述の導入実績や評価はいずれもグローバル本体のもので、日本語サポートの有無も公開情報からは確認できないため、国内での提供範囲は直接の確認が望まれます。

インシュアテック基盤・チャネル基盤

基幹の全面刷新ではなく、API連携・申込フロント・ライフプランニングなど特定領域や新チャネルを強化するサービス群です。

17. Pocket FP Pro(SBIインシュアランスラボ株式会社)

Pocket FP Pro の公式サイト

Pocket FP Pro は、SBIグループでデジタル保険代理店事業を手がけるSBIインシュアランスラボ株式会社(2019年1月設立)が提供する、FP・保険募集人向けのライフプランニング提案支援ツールです。顧客の資産を「目的別」に整理し、安全性・流動性・成長性の3つの性質に分けて、お金の置き方(資産配置)を導く設計になっています。

保険会社・系列代理店の文脈では、募集人の提案力育成や教育体制の強化に使える提案基盤という位置づけです。

必要保障額の計算にとどまらず、提案ストーリーの構築(思考の型の提供)に特化している点が特徴で、募集人ごとにばらつきがちな提案品質の平準化を狙います。資産を可視化するAIアドバイス機能も搭載しています(無料トライアル中、2026年7月以降は有料機能として提供予定)。提供会社による月1回のロールプレイング公開セミナー(無料)も付帯します。

料金は初期費用0円、月額3,300円(年払は36,300円)で、初月無料・最低利用期間なしと導入のハードルが低く設定されています。なお、同社が個人消費者向けに別途提供する保険比較・申込みアプリ「ぽけっとFP」とは対象も機能も異なる別サービスです。別体系として、月2時間22,000円からのコンサルティングサポートも用意されています。

提案品質の平準化という設計の狙いについて、開発者は次のように説明しています。

森氏
SBIインシュアランスラボ株式会社 CAIO兼プロダクト推進部長
森氏
独自インタビューより

保険会社が開発したライフプランソフトには、高機能で緻密に作り込まれたものも数多くあります。しかし、100歳までの収支をグラフ化して提示されても、お客様にとっては「それで、どうすれば良いのか」が分かりづらく、行動につながらないケースも少なくありません。
「Pocket FP Pro」では、“いつまでに・何のために・いくら貯める必要があるのか”、そして“そのための原資が現在いくらあり、今後毎年どれだけ積み立てられるのか”というポイントを、シンプルな画面で直感的に共有できるよう設計しています。

18. InsureMO(InsureMO株式会社)

InsureMO の公式サイト

保険会社の基幹システム(Core)と販売チャネル(Front)の間に配置し、その間を埋めるのが、保険業界向けミドルウェア/API基盤の InsureMO です。基幹を入れ替えずにその上位へAPI・マイクロサービスのレイヤーを置くことで、新しい保険商品やデジタル販売チャネルを短期間で立ち上げられる「保険ミドルオフィス」基盤として提供されます。

申し込み・支払い・契約管理・保険金請求などの業務をマイクロサービス(部品)化し、API経由で組み合わせて使う設計です。

旅行・不動産・ECなど保険会社以外の事業者が自社サービスに保険を組み込む組込型保険(Embedded Insurance)にも対応します。

原開発元は eBaoTech 系(上海発、グローバル本社はシンガポール)で、日本では旧eBaoTech Japan株式会社から改称した InsureMO株式会社が展開するほか、NTTデータが同基盤を日本化対応した自社SaaSとして2020年12月から提供しており、提供経路が複数並立する点に注意が必要です。

公式サイトによると、グローバルでは事前構築済みの保険商品17,500件以上・アトミックAPI2,500件以上・パートナー8,700社以上を擁し、年間処理する収入保険料(GWP)は250億米ドルを超えるとされます(いずれもグローバル本体の指標、2025年版)。料金は公開されておらず、提供形態(PaaS/SaaS)や契約経路によっても条件が異なるため、要お問い合わせです

基幹を入れ替えずに上位レイヤーで新チャネルを立ち上げるという設計の狙いについて、提供元は次のように述べています。

河上氏
InsureMO株式会社 代表取締役
河上氏
独自インタビューより

経済産業省が「2025年の崖」として、モノリシックなレガシーシステムからの脱却とマイクロサービス化を打ち出していますが、保険業界に対してその課題にきちんと正面から応えられているのが、当社の立ち位置だと考えています。コアシステムと販売チャネルの双方を、Middleレイヤーとしてつなぐ。コアの刷新も、既存コアを活かしたままチャネル接続のハブとして使うことも、どちらも一つのプラットフォームで対応できる点が特徴です。

19. コのほけん!ホワイトレーベル(Sasuke Financial Lab株式会社)

コのほけん!ホワイトレーベル の公式サイト

Sasuke Financial Lab株式会社(2016年3月設立)は、自社で消費者向けデジタル保険代理店「コのほけん!」を運営するインシュアテック企業です。

そこで培った保険販売プラットフォームを、保険会社や顧客基盤を持つBtoC事業者向けにホワイトレーベルとして外部提供しているのが「コのほけん!ホワイトレーベル」で、Web上での集客・保障内容の確認・商品比較・ランキング・資料請求や保険相談窓口への導線などを備えたデジタル保険代理店パッケージシステムです。

あわせて提供する生命保険のWeb販売・申込システムでは、プラン選定・意向確認・告知・受取人登録・支払方法登録・本人確認書類の提出といった申込フローを網羅し、口座振替とクレジットカードの両決済、外部eKYC認証との連携に対応します。導入例としては、au フィナンシャルパートナーが本基盤を用いてデジタル保険代理店「auほけんナビ」を構築し、2026年2月4日にサービスを開始しています。

これらは保険の比較・申込・販売のフロント(顧客接点)に特化したシステムで、契約管理・保全・支払査定・収納といった基幹業務そのものを担うフル基幹ではなく、保険会社の契約管理システム等の基幹と連携する構成です。料金は公開されておらず、システム構築費用はニーズに応じて個別に提案するとされており、要お問い合わせです。

まとめ

保険会社向けシステムは、クラウド・SaaS型、国内パッケージ・SIerによる基幹(PAS)、グローバル基幹、インシュアテック基盤・チャネル基盤という4つのタイプに大別できます。どれが最適かは、自社の業態と刷新範囲、立ち上げスピードの要件によって変わります。

少額短期保険のスモールスタートや新チャネルの早期投入を重視するならクラウド・SaaS型やインシュアテック基盤が、契約管理を中心とした大手キャリアのレガシー刷新なら国内パッケージ・SIerによる基幹やグローバル基幹が、検討の起点になります。まずは刷新したい業務領域を絞り、業態・規模で候補を狭め、導入実績と保守体制で見極める順序が有効です。

料金が非公開の製品が多い領域のため、最終的には複数のベンダーから自社要件に基づく資料と見積もりを取り寄せ、総保有コストと改修の柔軟性で比較することをおすすめします。本記事の比較表と診断ツールを起点に、自社に合うシステムの候補を絞り込んでみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 保険会社向けシステムとは何ですか?

A. 保険会社向けシステムとは、生命保険会社・損害保険会社・少額短期保険業者・共済といった保険会社(元受)が、商品開発から契約管理・引受査定・保険金支払い・収納までの基幹業務を運営するためのシステムです。契約者データや保険料計算ロジックを一元管理し、商品改定や法令対応のたびに発生する事務を標準化する役割を担います。

提供形態は、クラウド・SaaS型、国内パッケージ・SIerによる基幹(PAS)、グローバル基幹、インシュアテック基盤・チャネル基盤の大きく4タイプに分かれ、自社の業態と刷新範囲によって適した型が変わります。

Q. 保険会社向けシステムと保険代理店システムは何が違いますか?

A. 保険会社向けシステムは保険を引き受けて保険金を支払う元受保険会社の基幹業務を対象とし、保険代理店システムは保険を販売する代理店側の顧客管理・募集支援・手数料計算を対象とする、利用主体と業務範囲の異なるシステムです。本記事が扱うのは前者、すなわち保険会社(元受)が自社の保険事業を運営するためのシステムです。

乗合代理店の管理や募集支援を目的とした代理店向けの比較を探している場合は、別カテゴリの記事が参考になります。検索時に両者が混同されやすいため、検討対象がどちらの主体のシステムかを最初に確認しておくと、候補の絞り込みがスムーズです。

Q. 保険会社向けシステムの導入費用の相場はどのくらいですか?また、料金が非公開なのはなぜですか?

A. 保険会社向けシステムの料金は、ほとんどの製品で非公開(要お問い合わせ)であり、提供形態によって費用構造が大きく異なります。これは、対応する保険種目・刷新する業務範囲・既存システムとの連携要件・カスタマイズの度合いによって必要な工数が個社ごとに変わり、定価を提示しにくいためです。

傾向としては、クラウド・SaaS型は保険料収入や契約件数に連動した月額課金を採る製品があり、少額短期保険のスモールスタートでは初期費用を抑えやすい一方、国内パッケージの作り込みやグローバル基幹の全面刷新では初期構築費が大規模になります。最終的には、複数のベンダーから自社要件に基づく見積もりを取り、総保有コストで比較するのが現実的です。

Q. 保険会社向けシステムは、クラウド・SaaS型とパッケージ・SIerによる基幹のどちらを選べばよいですか?

A. 保険会社向けシステムは、短期間での立ち上げやスモールスタートを重視するならクラウド・SaaS型、契約管理を中心とした独自要件の多いレガシー刷新なら国内パッケージ・SIerによる基幹が、それぞれ起点になります。判断軸は、立ち上げスピードの要件と、自社の業務にどこまで作り込みが必要かの2点です。

クラウド・SaaS型は標準機能で契約管理から支払までをカバーし改定対応も設定変更で吸収しやすい反面、大手キャリアの複雑な独自要件をすべて吸収できるとは限りません。国内パッケージ・SIerによる基幹は作り込みの自由度が高い分、要件定義や保守体制の見極めが重要になります。刷新したい業務領域を絞ってから、業態・規模で候補を狭めると選びやすくなります。

Q. 少額短期保険のスモールスタートで、保険会社向けシステムを短期間に立ち上げられますか?

A. 保険会社向けシステムは、クラウド・SaaS型を選べば、少額短期保険の新規参入や異業種からの保険事業の立ち上げを短期間でスモールスタートしやすくなります。契約管理から支払までを標準機能でカバーし、初期費用を抑えて素早く検証できる点が、この型の利点です。

商品設計をノーコードで行える製品もあり、商品改定のたびの改修負荷を軽減できます。ただし、対応できる業務範囲は製品ごとに差があるため、自社が必要とする保険種目・事務に対応しているかを事前に確認することが欠かせません。

なお、少額短期保険は保険金額の上限が政令で定められており、1人の被保険者につき各保険の合計で1000万円までとされています。この枠内でスモールスタートする前提を押さえておくと、扱える商品設計が具体的にイメージしやすくなります。

第一条の六 法第二条第十七項に規定する政令で定める金額は、一の保険契約者に係る一の被保険者につき次の各号に掲げる保険の保険金額についてそれぞれ当該各号に定める金額とし、かつ、当該一の被保険者につき第一号から第六号までに掲げる保険の保険金額の合計額について千万円とする。

出典:保険業法施行令 第1条の6(e-Gov法令検索)

Q. 保険会社向けシステムのレガシー基幹のクラウド移行は、段階的に進められますか?

A. 保険会社向けシステムのレガシー基幹のクラウド移行は、業務領域を絞って優先度の高いところから順次進める段階的な移行が一般的です。長年運用してきた基幹を一度に全面刷新するのはリスクとコストの両面で負担が大きいため、多くの保険会社では影響範囲を抑える進め方が選ばれます。

基幹を入れ替えずに、その上位にAPI・マイクロサービスのレイヤーを置いて新商品や新チャネルを先行して立ち上げる構成もあり、移行の選択肢は一様ではありません。クラウド/SaaS型が向くケース・向かないケースを業態と刷新範囲に照らして見極め、対象範囲を欲張りすぎないことが、稼働遅延やコスト超過を避ける鍵になります。

保険会社向けシステムの料金・資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、保険会社向けシステムの最新資料をワンクリックで一括入手できます。気になるサービスの料金・機能・導入実績を比較し、自社の刷新・新規構築の検討材料としてご活用ください。

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修者は記事の内容について監修しています。

関連記事

新着記事