金融機関や特定事業者では、犯罪収益移転防止法(犯収法)が求める取引時確認や継続的顧客管理、制裁対象者のスクリーニング、疑わしい取引の検知といった業務が年々重くなっています。マネー・ローンダリングやテロ資金供与(AML/CFT)への対応を人手や表計算ソフトで回すには限界があり、AMLシステムの導入や見直しを検討する企業が増えています。
一方で、AMLシステムと一口にいっても、銀行の取引モニタリングを担う大規模なプラットフォームから、取引先の反社チェックやオンライン本人確認(eKYC)に特化したサービスまで、機能も提供形態も大きく異なります。自社が犯収法や金融庁のガイドラインに沿って対応すべき範囲に、どのサービスが合うのかを見極めるのは簡単ではありません。
本記事では、主要なAMLシステム18サービスを機能タイプ別に整理し、機能範囲・対応法令・提供形態・料金の観点で比較します。取引モニタリング・スクリーニング・KYC/CDDといった機能の違いや、犯収法・金融庁ガイドラインへの対応要件、導入後に効いてくる選び方のポイントまで整理しました。自社の規模と任せたい範囲に合うサービスを選ぶ検討材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
AMLシステムとは
AMLシステムとは、マネー・ローンダリングやテロ資金供与を防ぐために、金融機関や特定事業者が行う取引時確認・継続的顧客管理(KYC/CDD)、反社会的勢力や制裁対象者のスクリーニング、取引モニタリングといった業務を支援する仕組みの総称です。
犯収法が定める特定事業者には、銀行や証券会社だけでなく、資金移動業者・暗号資産交換業者・不動産事業者・士業なども含まれ、それぞれが確認・記録・継続的な監視を求められています。
これらの業務は、確認すべき項目や照合するデータベースが多岐にわたり、対象となる顧客・取引の件数が多いほど負担が増します。AMLシステムは、こうした確認・検知・記録の作業を自動化・効率化し、リスクに応じた対応を実務として回せるようにする役割を担います。
AMLシステムの主な機能
AMLシステムが担う機能は、大きく取引モニタリング、スクリーニング(制裁・反社・PEPs)、本人確認・継続的顧客管理(KYC/CDD)の3つに整理できます。金融庁のガイドラインは、取引そのものに着目する手法として取引モニタリングと取引フィルタリングを次のように位置づけています。
リスク低減措置の実効性を確保する手段としては、個々の顧客に着目する顧客管理のほかにも、取引そのものに着目し、金融機関等における取引状況の分析、異常取引や制裁対象取引の検知等を通じてリスクを低減させる手法があり(略)取引モニタリングに関する適切な体制を構築し、整備すること(略)制裁対象取引について(略)取引フィルタリングに関する適切な体制を構築し、整備すること
出典:マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン(令和8年3月31日)Ⅱ-2(3)(ⅲ)|金融庁
取引モニタリングは、取引状況を分析してシナリオや敷居値に照らし、異常な取引を検知する機能です。取引フィルタリング(制裁スクリーニング)は、送金先や取引関係者を制裁リストと照合し、制裁対象取引を検知します。加えて、取引先や顧客が反社会的勢力・PEPs(重要な公的地位にある者)に該当しないかを調べる反社・PEPsスクリーニングも、実務では欠かせません。
本人確認・継続的顧客管理(KYC/CDD)は、口座開設や取引開始時の本人特定事項の確認から、取引開始後のリスクに応じた継続的な顧客情報の更新までを含みます。犯収法は取引時確認として、本人特定事項・取引を行う目的・職業または事業の内容・法人の実質的支配者の本人特定事項の確認を求めています。オンラインで本人確認を完結するeKYCも、この取引時確認を支える機能の一つです。
AML規制の動向と犯収法・金融庁ガイドラインへの対応要件
AMLシステムの比較・見直しを考えるうえで土台になるのが、犯収法と金融庁のガイドラインが求める対応です。金融庁のガイドラインは、対策の基本原則としてリスクベース・アプローチを掲げています。
マネロン・テロ資金供与対策におけるリスクベース・アプローチとは、金融機関等が、自らのマネロン・テロ資金供与リスクを特定・評価し、これをリスク許容度の範囲内に実効的に低減するため、当該リスクに見合った対策を講ずることをいう。
出典:マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン(令和8年3月31日)Ⅱ-1|金融庁
自社のリスクを評価し、そのリスクに見合った対策を講じるというこの考え方が、AMLシステムを選ぶ際の基準にもなります。システムは、リスクベース・アプローチを実務として運用するための道具だからです。
なぜいまAMLシステムの比較・見直しが必要か
見直しの動きが強まっている背景には、FATF(金融活動作業部会)による第4次対日相互審査があります。2019年10〜11月の現地審査を経て2021年8月30日に公表された報告書は、予防的措置について次のように指摘しました。
その他の金融機関は、自らのマネロン・テロ資金供与リスクの理解がまだ限定的である。(略)これらの金融機関は、継続的顧客管理、取引モニタリング、実質的支配者の確認・検証等の、最近導入・変更された義務について、十分な理解を有していない。(略)新たな義務を履行するための明確な期限は設定していない。
出典:対日相互審査報告書の概要(仮訳・未定稿)|財務省
この指摘を踏まえ、金融庁は2021年4月、ガイドラインの「対応が求められる事項」への対応を2024年3月末までに完了させるよう金融機関等に要請しました。継続的顧客管理もこの対応の一部に含まれます。同庁の報告によると、2024年3月末時点でのガイドライン対応の完了率は99%に達しています。多くの金融機関が期限に合わせて体制を整えてきた一方で、運用の高度化や維持は継続的な課題として残っています。
特に継続的顧客管理は、顧客のリスクに応じて確認の頻度を変えながら情報を更新し続ける運用を求めます。ガイドラインは、確認の頻度を顧客のリスクに応じて異にすることや、確認した情報を踏まえて顧客リスク評価を見直すことを求めており、対象となる顧客が多いほど運用負荷は大きくなります。この負荷を実務として回せるかどうかが、システム導入・見直しの主な動機になっています。
継続的顧客管理を実務でどう回すかは、確認の頻度をリスクに応じてどう設定し、更新にかかる負荷をどう抑えるかが論点になります。頻度やリスク評価の基準、ガイドラインの考え方、効率化の手法は、以下の記事で詳しく解説しています。
継続的顧客管理(ODD)とは?頻度・リスク評価の基準からガイドライン、効率化の手法まで
マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)の重要性が世界的に高まる中、金融庁は「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」において、金融サービスや不動産業などの特定事業者に対して「顧客管理(Cust…
犯収法・金融庁ガイドライン・FATFへの対応要件をシステム機能に紐づける
AMLシステムが「自社で使えるか」を判断するには、対応すべき要件と、システムのどの機能がそれを支えるかを結びつけて考えると分かりやすくなります。要件は根拠となる制度によって系統が分かれます。

制裁対象者対応・実質的支配者の確認・継続的顧客管理は、犯収法と金融庁ガイドラインが直接定める要件です。犯収法は取引時確認として、本人特定事項に加え、法人顧客について「その事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるもの」の本人特定事項の確認を求めています(犯収法4条1項4号)。
いわゆる実質的支配者にあたり、議決権割合などの具体的な基準は同法施行規則で定められています。制裁対象取引の検知は取引フィルタリング機能が、継続的顧客管理はKYC/CDD機能が、それぞれ支えます。
また犯収法は、取引時確認を行った際の確認記録を作成し、契約終了日などから7年間保存すること(6条)、取引記録を取引日から7年間保存すること(7条)を求めます。疑わしい取引があると認められる場合には、速やかに行政庁へ届け出る義務もあります(8条)。取引モニタリングによる異常取引の検知は、この届出の判断を支える機能です。
特定事業者(略)は、特定業務に係る取引について、当該取引において収受した財産が犯罪による収益である疑いがあるかどうか(略)を判断し、これらの疑いがあると認められる場合においては、速やかに、政令で定めるところにより、政令で定める事項を行政庁に届け出なければならない。
出典:犯罪による収益の移転防止に関する法律 第8条第1項|e-Gov 法令
一方、取引先や顧客の反社会的勢力チェックは、犯収法の取引時確認そのものではなく、別の系統に根拠があります。2007年に政府がまとめた「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」や、各都道府県の暴力団排除条例が、反社会的勢力との関係遮断を企業に求めています。
反社・企業リスクのスクリーニングに特化したサービスは、主にこの系統の要請に応えるものです。制裁・PEPsのスクリーニングとあわせて、照合するデータベースの網羅性が実務での使い勝手を左右します。
照合するデータベースの広さだけでなく、どこまで実態に踏み込んで調べるかという審査の深さも、反社チェックでは論点になります。反社会的勢力が素性を隠して取引に関与するケースについて、企業法務に詳しいゆら総合法律事務所の阿部由羅弁護士は次のように指摘しています。

インターネット検索や新聞記事のデータベースなどを利用して、相手方の会社名や代表者名を検索しても、背後にいる反社会的勢力の存在は判明しません。相手方の実質的支配者まで遡って徹底的に反社チェックを行い、少しでも疑わしい要素があれば取引中止を検討するといった厳密な取り組みが求められます。
出典・参考資料は以下のとおりです。
AMLシステムの機能タイプ
本記事では、取引モニタリングから反社・制裁スクリーニング、eKYC、不正検知、暗号資産のオンチェーン分析まで、AML/CFT対策に関わるシステムを比較の対象とします。AMLシステムは、カバーする機能によって性格が分かれます。自社が対応すべき業務がどこにあるかを起点に、次の5つのタイプで整理すると候補を絞りやすくなります。
| 機能タイプ | 取引モニタリング・制裁スクリーニング統合型 | 反社・企業リスク・制裁/PEPsスクリーニング | eKYC・本人確認 | 不正検知 | 暗号資産オンチェーン分析 |
|---|---|---|---|---|---|
| 主な機能・解決する課題 | 取引状況の分析・異常取引の検知・制裁対象取引のフィルタリングを一体で担う。銀行など取引量の多い金融機関の疑わしい取引検知に向く | 取引先・顧客が反社会的勢力・制裁対象・PEPsに該当しないかをデータベース照合で確認する。反社チェックや取引先審査を効率化したい企業に向く | オンラインで本人特定事項の確認を完結する。口座開設や取引開始時の取引時確認を効率化したい事業者に向く | 不正アクセス・なりすまし・不正取引をリアルタイムに検知する。オンライン取引の不正被害を防ぎたい事業者に向く | ブロックチェーン上の取引を追跡し、資金の出所や制裁関連アドレスとの関わりを評価する。暗号資産交換業者などに向く |
| 該当する主なサービス | NICE Actimize、SAS、Oracle FCCM | RiskAnalyze、RISK EYES、日経リスク&コンプライアンス ほか | ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューション、TRUSTDOCK | Sardine、FraudAlert | Chainalysis、Elliptic |
取引モニタリングから制裁スクリーニング、KYCまでを一つの基盤でまかなう統合型は、銀行のように取引量が多くリスクの幅も広い金融機関に向きます。これに対し、反社チェックやeKYC、不正検知、暗号資産のオンチェーン分析に特化したサービスは、自社が特に強化したい業務を単機能で補える点が特徴です。自社の課題が「疑わしい取引の検知」なのか「取引先の反社チェック」なのかによって、見るべきタイプが変わります。
AMLシステムの選び方(比較軸)
ここからは、AMLシステムを比較するときに確認したい選定軸を解説します。機能範囲・データベースの網羅性・提供形態・費用・誤検知への対応という観点を、自社のリスクと体制に照らして見ていきます。
機能範囲とデータベースの網羅性は自社のリスクに合っているか
まず、自社が対応すべき業務をシステムがどこまでカバーするかを見極めることが出発点です。取引モニタリング・スクリーニング・KYC/CDDのすべてを一つで担う統合型が必要なのか、反社チェックやeKYCなど特定の機能を補えれば十分なのかは、リスクベース・アプローチで評価した自社のリスク次第です。
銀行のように多様な取引を扱う場合は統合型が候補になりますが、取引先審査を強化したいだけであれば、スクリーニング特化のサービスの方が費用対効果は高くなります。
スクリーニングでは、照合するデータベースの網羅性が精度を左右します。国内の反社会的勢力・企業リスク情報、海外の制裁リスト、PEPsのいずれをカバーしているかは、サービスによって差があります。自社が取引する相手の範囲(国内中心か海外を含むか)に照らして、必要なデータベースを持つサービスかを確認することが重要です。
提供形態と自社の運用体制は合うか
提供形態は、SaaS・API連携・データ提供・個別構築(オンプレミス)に分かれ、自社の体制との相性で選び方が変わります。自社で契約してすぐ使い始めたい場合は、クラウド型のSaaSやAPIで提供されるサービスが導入しやすくなります。
一方、取引モニタリング統合型のエンタープライズ向けシステムは、日本国内ではシステムインテグレーター(SIer)による個別構築を前提とする例が多く、既存の基幹システムとの連携や要件定義に相応の期間と体制を要します。
自社で運用するのか、構築・運用を外部に委託するのか、パッケージをそのまま使うのかという体制の選択も、この提供形態と結びついています。
犯収法は、取引時確認等を的確に行うための措置として、社内規程の整備や統括管理者の選任などに努めることを求めており(11条・努力義務)、システムだけでなく運用体制まで含めて考える必要があります。自社に専門人材が乏しい場合は、導入後の運用やチューニングをどこまで支援してもらえるかも確認しておくとよいでしょう。
費用・料金と導入期間はどう見るか
費用は、初期費用・月額費用に加え、データ移行やチューニングの費用まで含めた総額で比較することが大切です。スクリーニングやeKYCに特化したSaaSは月額課金で比較的始めやすい一方、統合型のエンタープライズシステムは要件定義から構築・運用までを含めると費用も期間も大きくなります。
費用感は提供形態でおおまかに分かれます。反社チェックなどスクリーニング特化のSaaSは月額数万円台から公開している例があり、比較的予算を見積もりやすいゾーンです。これに対し、取引モニタリングを含む統合型やエンタープライズ向けのシステムは料金を公開していないことが多く、取引規模や構築範囲に応じた個別見積もりになります。
まず自社の課題がどのゾーンに当たるかを把握したうえで、同じゾーンのサービスを並べて比べると判断しやすくなります。
料金を公開していないサービスも多いため、その場合は自社の取引規模や利用範囲を伝えて見積もりを取り、複数社を同じ条件で比べることが大切です。
導入期間も、SaaSであれば申し込みから比較的短期間で使い始められるのに対し、個別構築型は数か月単位を要することがあります。稼働開始時期の制約がある場合は、提供形態ごとの導入期間の目安を早い段階で確認しておくとよいでしょう。
誤検知の運用負荷はどれくらいか
取引モニタリングやスクリーニングでは、実際には問題のない取引をアラートとして検知する誤検知(偽陽性)が一定数発生します。誤検知が多いと、確認作業に追われて本来注視すべき取引への対応が薄くなり、運用の負担が膨らみます。検知のシナリオや敷居値をどこまで自社のリスク評価に合わせて調整できるか、AIによる検知でアラートの精度をどこまで高められるかは、導入後の運用負荷を大きく左右します。
スクリーニングでは、ノイズをどこまで自動で絞り込めるか、そしてどこからを人の最終判断として残すかの切り分けが、誤検知への対応の論点になります。反社・コンプライアンスチェックを手がけるソーシャルワイヤーの杉山賢人氏は、絞り込みを自動化できる範囲とその限界について次のように述べています。

法人名・人名に加えて、生年や住所などの情報を指定することで、同名・類似名の別人情報を絞り込めます。また、除外ワードやAIによる記事の関連度・懸念度判定を利用することで、明らかに関連性の低い記事を確認対象から減らすことができます。これにより、担当者が目視する件数は大幅に削減できますが、検出された情報が実際の調査対象者に関するものか、また自社の基準上どのように判断するかという最終確認まですべて自動化するものではありません。
この見極めには、実際の取引データを使ったPoC(試験導入)が有効です。自社のデータでどの程度のアラートが出て、その中に本当に確認すべき取引がどれだけ含まれるかを試すことで、稼働後の運用イメージがつかめます。導入前にPoCを実施できるか、その際の支援体制はどうかも確認しておくとよいでしょう。
出典・参考資料は以下のとおりです。
自社がどのタイプに適しているかの判断が難しいケースもあります。そのような場合でも、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
一括ダウンロードする
【比較表】主要AMLシステムを機能・対応法令・提供形態・料金で比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なAMLシステム18サービスを機能タイプ別に分類してご紹介します。機能範囲・提供形態・対応法令やデータベースの網羅・料金の観点で比較できます。
| サービス名 | NICE Actimize | SAS Anti-Money Laundering | Oracle FCCM |
|---|---|---|---|
| 主な機能領域 | 取引モニタリング(SAM)/制裁・PEPsスクリーニング(WL-X)/KYC・CDD(CDD-X)を統合 | 取引モニタリング/KYC・CDD・EDD/制裁・ウォッチリストスクリーニング/ケース管理/規制報告を統合 | 取引モニタリング/KYC・CDD/顧客スクリーニング/取引フィルタリング/規制報告/調査を統合 |
| 提供形態 | エンタープライズ向け統合プラットフォーム(X-Sight)。国内の提供・保守体制は公式に明示なし | SAS Viya基盤のクラウドネイティブ構成。国内はSIer(NTTデータ等)による受託構築が中心 | Oracle Cloud Infrastructure上のSaaS(FCCM Cloud Service)。国内はSIer(NRI等)による個別構築が前提 |
| 対応法令・データベース網羅 | グローバルのAML/CFT規制に対応。日本の犯収法への個別言及は公式サイトに記載なし | シナリオ・ルールを利用企業側で設定する汎用エンジン。特定法令名への明示的な言及は公式サイトに記載なし | 主要なグローバル法域向けの規制報告テンプレートを標準搭載。日本の犯収法向けテンプレートの有無は公式に明示なし |
| 国内導入実績・提供窓口 | 楽天証券がAMLポートフォリオの導入を決定(2020年、公式プレスリリース)。国内の提供・保守体制(日本法人・代理店)は公式サイトに記載なし | 三井住友銀行(2017年協業)・大和証券/大和総研等が採用。ゆうちょ銀行向けはNTTデータが構築しモニタリングにSASを採用。国内はSIer経由の受託構築が中心 | SBI新生銀行(旧新生銀行)が野村総合研究所(NRI)の構築で導入(2019年、国内ファーストユーザー)。国内はNRI等のSIerによる個別構築が前提 |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
| サービス名 | RiskAnalyze | RISK EYES | 日経リスク&コンプライアンス | SP RISK SEARCH | JCIS WEB DB Ver.3 | DQ反社チェック | Sansan リスクチェック | Riskdog | コンプライアンス・ステーション |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な機能領域 | 反社・企業リスク/PEPs・制裁のスクリーニング(逮捕歴・行政処分・訴訟・風評) | 反社・コンプライアンスチェック(反社会的勢力との関係・犯罪関与・不祥事の3観点) | ネガティブニュース/ウォッチリスト(制裁・PEPs)スクリーニング。反社・AML・経済安保・DD用途 | 反社チェック(独自DB「QSS」+新聞記事+ネット風評を同時検索)。海外コンプライアンスチェック | DB照合型の反社・リスクチェック。登記情報の自動解析照会、海外リスク・PEPs検索 | 反社・コンプライアンスチェック(システム自動検索+専門調査員の目視)。反社・犯罪関与・訴訟・破産・海外 | 反社・マネロン・テロ資金供与リスクの自動照合(Sansanの名刺・取引先データを母集団に) | 与信管理・反社を含むコンプライアンスチェック・法人確認を統合。役員・親会社・子会社まで追跡 | 実質的支配者(UBO)情報のオンライン即時取得、資本系列・役員・取引先情報、日次モニタリング |
| 提供形態 | WEBサービス型SaaS+API(利用料無料)。Salesforce・kintone連携 | クラウド型SaaS+API。Salesforce連携 | SaaS+API/データフィード。TPRM業務システム・調査代行(マネージドサービス) | 会員制SaaS+API(仕様は要問い合わせ) | SaaS+API(即時検索のみ)。CSV一括検索は最大5,000件 | セルフチェックツール(月額固定)+調査代行(1件従量)のハイブリッド | 営業DXサービスSansanのオプション機能(Sansan本体の契約が前提) | AI SaaS(法人審査AI)。API連携・カスタムルール設定に対応 | クラウド(SaaS)。オンライン検索+大量データの一括処理に対応 |
| 対応法令・データベース網羅 | 国内約1,000媒体を1時間おきに収集/海外240以上の国・地域のPEPs・制裁情報。AML/CFT対応 | WEBニュース・新聞・ブログ/掲示板・制裁リスト・独自の反社DBの5系統。日米の制裁リストに対応 | 日経テレコン(1975年以降の国内記事)+ダウ・ジョーンズのグローバルウォッチリスト400万件以上(200以上の国・地域、PEPs・制裁) | 反社情報約60万件の独自DB/1960年以降の全国紙・地方紙。海外は制裁リスト・PEPsに対応 | 自社構築の反社・リスク情報DB(全国紙・地方紙・行政処分等)。海外リスク約500万件・PEPs約140万件超(ARI社提携) | WEB・新聞記事・判例・官報を対象。海外調査は制裁リスト・PEPsに対応 | LSEG(旧Refinitiv/World-Check)とKYCコンサルティングの2系統DB。制裁・反社・PEPs | 反社・行政処分・訴訟・PEPs・制裁リストを含むリスクデータ基盤 | 犯収法のUBO確認に準拠。東京商工リサーチ(TSR)の1,000万件超の法人DBを活用 |
| 国内導入実績・提供窓口 | 累計導入企業数1,300社(2025年6月時点、公式)。提供元 KYCコンサルティング/販売代理店 SB C&S | サービス提供後に株式公開した企業59社(2026年4月時点、公式)。ラクスル等が利用。提供元 ソーシャルワイヤー(東証グロース) | 外為どっとコム・内藤証券・伊予銀行等が導入。総導入社数は非公表。提供元 日本経済新聞社/販売代理店 日経メディアマーケティング等 | 累計利用法人 約3,000社(公式、集計時点の表記なし)。提供元 エス・ピー・ネットワーク(企業危機管理の専門会社) | 上場企業・IPO企業・官公庁などが利用(具体社数は非公表、年間検索約780万件)。提供元 日本信用情報サービス | 導入社数の公表実績は要確認(反社チェック提供歴20年超)。提供元 ディー・クエスト(ACFE JAPAN運営) | リスクチェック単体の導入社数は非公表(Sansan本体の契約が前提)。提供元 Sansan | 具体的な導入社数・社名は非公表。金融業界を中心に導入が進むと公表(公式)。提供元 Baseconnect | 大手金融機関を中心に20社以上(2025年4月時点、公式)。ゆうちょ銀行・常陽銀行・クレディセゾン等。提供元 コンプライアンス・データラボ |
| 料金 | 初期費用無料/月額27,500円〜(ライトプラン・年間600検索、税区分は要確認) | 初期費用無料/最低月額15,000円(税別)+従量300円/検索 | 要問い合わせ(ID利用料+検索単価×件数、1年契約) | 要問い合わせ(会員制・個別見積もり) | 初期費用不要/年間ID利用料(前払い)+検索従量(要見積もり)。海外検索は500円(税込)/件〜 | 初期費用無料/ツール型は月額10,000円(税別)〜、調査代行は500円/件〜 | 要問い合わせ(Sansanのオプション費用として別途) | 要問い合わせ/最低契約期間12ヶ月 | 初期費用0円/年額500,000円(税別)〜 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
| サービス名 | ネクスウェイの本人確認(eKYC) | TRUSTDOCK |
|---|---|---|
| 主な機能領域 | オンライン本人確認(eKYC)・公的個人認証(JPKI)・書類目視確認・法人確認・BPO・発送追跡 | eKYC(個人)・KYB(法人確認)・JPKI・反社チェック。目視確認BPOを24時間365日対応 |
| 提供形態 | クラウド型。アプリ提供型/API(ライブラリ)提供型 | API/JavaScriptアップローダー/自社アプリの3系統 |
| 対応法令・データベース網羅 | 犯収法準拠(ホ・ヘ・カ〈JPKI〉・リ方式等)。2027年4月の改正に準拠したJPKIを提供 | 改正犯収法のホ・ヘ・ト・チ・リ・ヌ・ル方式+JPKI(ワ方式)に対応 |
| 国内導入実績・提供窓口 | 導入300社以上(うち犯収法の特定事業者100社以上、公式)。Coincheck・bitFlyer・PayPay証券等。提供元 ネクスウェイ | 「eKYCのコア機能を自社開発するサービス」区分で導入社数No.1(2021〜2023年、東京商工リサーチ)・導入300社以上。三菱UFJ銀行・全国銀行協会等。提供元 TRUSTDOCK |
| 料金 | 初期費用50,000円〜/月額25,000円〜(従量課金制、税区分は要確認) | 要問い合わせ(初期費用+固定費用+従量課金、公式非公開) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る |
| サービス名 | Sardine | FraudAlert |
|---|---|---|
| 主な機能領域 | デバイスインテリジェンス×行動バイオメトリクスによる不正検知(アカウント乗っ取り・なりすまし・決済不正) | 不正アクセス検知(口座開設・ログイン・入出金の監視)。入出金検知で不正送金・マネロンを検知 |
| 提供形態 | SaaSプラットフォーム。正規代理店(DGビジネステクノロジー)が国内の販売・導入・サポートを担当 | クラウド型SaaS。API連携/JavaScript/SDKの3方式 |
| 対応法令・データベース網羅 | グローバル版はKYC/KYB・取引モニタリング・制裁スクリーニングも搭載。国内での提供可否は公式に明示なし | 金融庁のAML/CFTガイドライン対応を訴求。犯収法8条(疑わしい取引の届出)履行の一部に該当と警察庁に確認済み。制裁/PEPsスクリーニング・eKYCは対象外 |
| 国内導入実績・提供窓口 | 国内は食べログ多言語版・チケコミ・アソビュー等の事例。国内の販売・導入・サポートは正規代理店 DGビジネステクノロジー | 金融機関15社以上(公式)。SBI証券・セブン銀行・アコム等。提供元 カウリス(東証グロース) |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る |
| サービス名 | Chainalysis | Elliptic |
|---|---|---|
| 主な機能領域 | ブロックチェーン分析・暗号資産AML/CFT監視・取引追跡。Reactor(調査)/KYT(リアルタイム監視) | ウォレット/取引のリアルタイムスクリーニング、クロスチェーン調査、VASPデューデリジェンス、ステーブルコイン発行体DD |
| 提供形態 | エンタープライズSaaS+API(KYT)。日本法人あり・国内パートナー(日立製作所・SB C&S) | エンタープライズSaaS。日本法人あり(Elliptic Japan) |
| 対応法令・データベース網羅 | 27以上のブロックチェーンに対応(Reactor)。制裁・不正資金・盗難資金の追跡、VASPリスク評価 | 60以上のブロックチェーンに対応(Lens)。AML・制裁スクリーニング、法定通貨取引に潜む暗号資産リスクの検知 |
| 国内導入実績・提供窓口 | 国内の公式確認事例はカイカエクスチェンジ(KYT導入)。日本法人あり、国内パートナー 日立製作所・SB C&S | JPYCのAML体制整備で提携(2025年)。日本法人 Elliptic Japan あり(国内取引所の利用は2021年報道ベースで継続性は要確認) |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※上記は各タイプにおける一般的な機能の傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。
サービス個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた各サービスを機能タイプ別に紹介します。自社の課題に近いタイプから読み進めてください。
取引モニタリング・制裁スクリーニング統合型
取引モニタリング・制裁スクリーニング・KYCを一体で担う、金融機関向けのシステムです。日本国内ではSIerによる個別構築を前提とする提供が中心で、大規模な取引量とリスクの幅に対応します。
1. NICE Actimize(NICE Ltd.)

NICE Actimize は、金融犯罪対策や不正検知のソフトウェアを手がける NICE Ltd.(NASDAQ上場、イスラエル発)の事業部門です。取引モニタリング(SAM)・制裁/PEPsスクリーニング(WL-X)・KYC/CDD(CDD-X)などのモジュールを、単一のプラットフォーム(X-Sight)上で連携させる構成を採ります。
取引モニタリングのSAMは、ルールベースの検知に機械学習を組み合わせ、250以上の事前構築ルールを標準搭載します。制裁スクリーニングはリアルタイム・バッチ・オンデマンドに対応し、ISO 20022準拠の決済メッセージ照合を備えます。同社が公表するグローバルの利用規模は1,000社以上・70カ国以上です。
日本国内では、2020年に楽天証券が顧客デューデリジェンス(CDD-X)を含むAMLポートフォリオの導入を決定した事例が公表されています。料金は公開されておらず、導入形態や規模に応じた個別見積もりとなるため要問い合わせです。
2. SAS Anti-Money Laundering(SAS Institute Japan株式会社)

取引モニタリングを中核に、顧客管理(KYC/CDD/EDD)・制裁スクリーニング・エンティティ解決・ケース管理・規制報告までを一つの基盤でカバーするAML製品が「SAS Anti-Money Laundering」です。提供元は米国のSAS Institute Inc.で、日本国内ではSAS Institute Japan株式会社が窓口となります。
分析基盤「SAS Viya」上でのクラウドネイティブ構成や、AI・機械学習によるリスクスコアリングを備えます。独立調査会社Forrester Researchの評価「The Forrester Wave™: Anti-Money-Laundering Solutions, Q2 2025」(2025年4月発表)ではLeaderに位置づけられました。
日本国内では、三井住友銀行や、ゆうちょ銀行向けシステム(NTTデータが主体となり構築、モニタリング機能にSAS製品を採用)などの協業事例が公表されています。大手SIerと組んだ受託構築が主な提供経路で、料金は公開されておらず要問い合わせです。
3. Oracle Financial Crime and Compliance Management(FCCM)(日本オラクル株式会社)

金融機関向け分析アプリケーション群 OFSAA の一部として、金融犯罪対策・AMLを担うのが Oracle Financial Crime and Compliance Management(FCCM)です。現行の主力は Oracle Cloud Infrastructure 上で稼働するSaaS「FCCM Cloud Service」で、日本では日本オラクル株式会社が提供窓口となります。
取引モニタリング・KYC/CDD・顧客スクリーニング・取引フィルタリング・規制報告・調査(Investigation Hub)までをモジュールとして備えます。2026年4月には、Lucinity社の技術を用いたAIエージェント機能を調査・ケース管理のワークフローへ追加すると発表しました。
日本国内では、2019年に野村総合研究所(NRI)が導入支援サービスを開始し、新生銀行(現・SBI新生銀行)がファーストユーザーとなりました。導入や保守はNRIなどのSIerが窓口となり、費用は取引規模や構築範囲に応じて個別に見積もられます。
反社・企業リスク・制裁/PEPsスクリーニング
取引先や顧客が反社会的勢力・制裁対象・PEPsに該当しないかを、データベース照合で確認するサービスです。反社チェックや取引先審査を効率化したい企業に向きます。
4. RiskAnalyze(リスクアナライズ)(KYCコンサルティング株式会社)

KYCコンサルティング株式会社が提供する、AIを活用したWEBサービス型の反社・コンプライアンスチェックツールです。個人名や企業名を入力すると、反社会的勢力とのつながり・逮捕歴・行政処分・訴訟歴・風評を調べ、判定済みの調査レポートを1件あたり最短0.4秒で表示します。
国内約1,000媒体を1時間おきに収集し、海外は240以上の国・地域のPEPs・制裁情報まで照合対象とします。CSVによる一括検索は1,000件を約1分で処理し、調査の証跡はクラウド上に7年間自動保存されます。API利用料は無料で、Salesforceやkintoneとの連携にも対応します。
料金は初期費用が無料で、月額はライトプランが年間600検索で27,500円、スタンダードプランが年間1,200検索で50,000円、それ以上はプロフェッショナルプランの個別見積もりです(税区分は公式に記載なし)。累計導入企業数は1,300社(2025年6月時点)で、情報セキュリティの国際規格ISO/IEC 27001:2022を取得しています。
5. RISK EYES(リスクアイズ)(ソーシャルワイヤー株式会社)

ソーシャルワイヤー株式会社が2017年に提供を開始した、公知情報を用いる反社チェック専用ツールです。同社自身の上場準備における反社チェック業務を効率化する仕組みが開発の起点で、法人名・人名とネガティブワードを組み合わせ、反社会的勢力との関係・犯罪関与・不祥事の3観点を確認します。
検索対象はWEBニュース・新聞記事・ブログ/掲示板・制裁リスト・独自のアンチソーシャルDBの5系統です。前回ヒットしなかった新規記事だけを調べる差分検索や、登録対象の報道を懸念度5段階で自動通知するリスクアラートを備え、定期的な再チェックの運用に対応します。
料金は初期費用が無料で、月間の最低利用料金が15,000円(税別)、検索は1媒体ごとに300円の従量制です。無料トライアルでは本番の操作画面を試せます。同社が公表する導入事例では、反社チェック業務を約95%削減したケースが紹介されています。
6. 日経リスク&コンプライアンス(株式会社日本経済新聞社)

株式会社日本経済新聞社が提供する、取引先のコンプライアンスリスク・レピュテーションリスクを特定・監視するスクリーニングソリューションです。1975年以降蓄積してきた日経テレコンの国内記事データと、ダウ・ジョーンズが提供する400万件以上のグローバルウォッチリストを組み合わせて照合します。
国内50紙以上の新聞・業界紙や行政処分情報を横断するネガティブニューススクリーニングと、200を超える国・地域のPEPs・制裁リストを照合するウォッチリストスクリーニングを備えます。言語理解研究所の自然言語処理技術で、同名異人や無関係な記事のノイズを抑えます。
反社チェックのほか、AML対応・経済安全保障・M&Aのデューデリジェンス・IPO準備などの用途で利用されます。料金は公開されておらず、ID利用料(月額)と検索単価×検索件数を組み合わせた体系で、契約は1年単位、契約時に12か月分のデポジットが必要です。審査を経て利用できる無料トライアルが用意されています。
7. SP RISK SEARCH(株式会社エス・ピー・ネットワーク)

企業危機管理を専門とする株式会社エス・ピー・ネットワークが提供する、会員制の反社チェックシステムです。ひとつのキーワードを入力すると、独自データベース「QSS」・新聞記事検索・インターネット風評検索の3つの結果を同時に取得し、統一フォーマットのレポートとして出力できます。
新聞記事検索は1960年以降の全国紙・地方紙を対象とし、独自データベースには約60万件の反社情報を収録すると公式サイトに記載されています。氏名の表記ゆれや年齢レンジ指定に対応し、一括検索は最大20,000件まで処理できます。
海外取引向けには、制裁リスト・PEPsを対象とする海外コンプライアンスチェックも用意されています。会員制のため料金は公開されておらず、初期費用・月額とも個別見積もりで、導入時に問い合わせが必要です。累計の利用法人数は約3,000社とされています。
8. JCIS WEB DB Ver.3(日本信用情報サービス株式会社)

日本信用情報サービス株式会社が提供する、DB照合型の反社チェックシステムです。法人名や個人名を入力すると、自社で構築した反社・リスク情報データベースと照合し、該当情報を一覧で表示します。新聞記事を横断検索する方式とは異なり、あらかじめ整備したデータベースへの照合を軸とする点が特徴です。
CSVによる一括検索は最大5,000件まで対応し、登記情報のPDFをアップロードすると役員・商号を自動で解析して照会できる機能を追加料金なしで利用できます。シンガポールのARI社と提携し、海外リスク情報約500万件・PEPs約140万件超の照会にも対応します。
料金は初期費用が不要で、年間ID利用料(12か月分の前払い)と検索件数に応じた従量課金を組み合わせる体系です。国内の検索単価は利用規模に応じた見積もりですが、海外リスク情報検索は1件あたり500円(税込)からと明示されています。一度検索した対象は1年以内なら再検索が無料になる点も、継続的なモニタリングでコストを抑えやすくします。
9. DQ反社チェック(株式会社ディークエストホールディングス)

20年以上にわたり企業調査を手がけてきた株式会社ディー・クエスト(持株会社は株式会社ディークエストホールディングス)が提供する、反社・コンプライアンスチェックサービスです。Webで完結するセルフチェックツールと、専門調査員による調査代行を組み合わせたハイブリッド型で、簡易な自動チェックから聞き取りを含む深度の高い調査まで選べます。
月額固定のセルフチェックツールは、WEB情報の自動検索が月額10,000円(税別)から、新聞記事も含めるプランが月額15,000円(税別)からです。1件単位の調査代行は、一括調査が500円/件、反社と犯罪関与を対象とするリスク検索が2,500円(税別)からと、調査範囲に応じて単価が上がる料金設計です。
システムによる自動検索に加え、専門調査員が目視で関連度を精査する運用を一部プランで併用します。海外調査にも対応し、2週間の無料トライアルが用意されています。初期費用や入会金は不要で、必要な調査を件数に応じて利用できます。
10. Sansan リスクチェック(Sansan株式会社)

「リスクチェック」は、Sansan株式会社の営業DXサービス「Sansan」のオプション機能として提供される反社チェック機能です。独立した反社チェック専用ツールではなく、Sansanを契約していることが前提となります。名刺管理で蓄積した取引先の企業情報を、外部のリスク情報データベースと自動照合する仕組みです。
照合先には、制裁・テロ資金供与などをカバーするLSEG(旧Refinitiv)と、新聞記事・公知情報ベースのKYCコンサルティングの2系統のデータベースを併用します。取引や名刺交換の接点がない企業もキーワードで確認できるリスクサーチ機能や、過去の取引先を最新データで再照合する一括再チェックを備えます。
すでに保有する名刺・取引先データをまとめて照合できるため、チェック対象の洗い出しにかかる工数を抑えられる点が設計の前提です。料金はSansan本体の料金体系に含まれるオプション費用として別途かかり、具体額は公開されていません。導入にあたっては本体契約とあわせて問い合わせが必要です。
11. Riskdog(Baseconnect株式会社)

Baseconnect株式会社が2025年1月に提供を開始した、AIを活用した与信リスク管理サービスです。同社が法人営業支援データベース「Musubu」で蓄積した企業データ基盤を土台に、与信管理・反社を含むコンプライアンスチェック・法人確認を1つのプラットフォームに統合しています。企業名または法人番号を入力すると、AIが企業・役員に紐づくリスク情報を自動で収集・解析します。
コンプライアンスチェックでは、反社会的勢力の関与や行政処分などの法的リスクに加え、労務・ビジネス上のリスクを対象とし、取引先だけでなく役員・親会社・子会社まで自動で追跡します。同姓同名や類似企業の情報を整理する名寄せAIで、確認すべき情報を絞り込みます。反社チェック単体ではなく、与信判断と組み合わせた統合的なリスク評価を行える点が特徴です。
料金は公式には公開されておらず、最低契約期間は12ヶ月と案内されています。2025年1月のリリース以降、金融業界を中心に導入が進んでいるとされます。詳しい料金や機能は、資料請求やデモの申し込みを通じて確認できます。
12. コンプライアンス・ステーション(コンプライアンス・データラボ株式会社)

コンプライアンス・データラボ株式会社が提供する、金融機関のマネー・ローンダリング対策(AML/CFT)を支援するオンラインプラットフォームです。中核となるのは、犯収法が求める実質的支配者(UBO)情報のオンライン即時取得で、法人名から資本系列・役員・取引先の情報を一元的に取得できます。
東京商工リサーチ(TSR)の1,000万件を超える法人データベースを活用し、中間株主を含む資本関係の可視化や、取引先法人の重要な変化を日次で通知するモニタリングまでを備えます。従来は書面で回収していた実質的支配者の確認業務を、オンラインでの即時取得に置き換える設計です。
料金は初期費用が0円で、UBO基本プランは年額500,000円(税別)から、年間の想定利用件数に応じて算出されます。無料トライアルも用意されています。大手金融機関を中心に20社以上が導入し(2025年4月時点)、情報セキュリティの国際規格ISO/IEC 27001:2022を取得しています。
eKYC・本人確認
オンラインで本人特定事項の確認を完結し、口座開設や取引開始時の取引時確認を効率化するサービスです。
13. ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューション(株式会社ネクスウェイ)

2004年に株式会社リクルートから分社独立した株式会社ネクスウェイが提供する、犯収法に準拠したクラウド型の本人確認サービスです。オンライン本人確認(eKYC)、公的個人認証(JPKI)、書類の目視確認・突合、法人確認、BPO、転送不要郵便の発送追跡までを1つのサービスで扱います。
対応する本人確認方式は、容貌画像と書類画像によるホ方式、ICチップ読み取りを組み合わせるヘ方式、マイナンバーカードの公的個人認証によるカ方式(JPKI)などです。このうちホ方式は2027年4月施行予定の犯収法改正で廃止される見込みで、同社は改正に準拠したJPKIサービスを、アプリ提供型とAPI(ライブラリ)提供型の2系統で用意しています。
初期費用は50,000円〜、月額のランニング費用は25,000円〜で、毎月の利用件数に応じた従量課金制です。機能ごとの個別単価やLite版の価格は公開されておらず、詳細は要お問い合わせとなります。導入実績は300社以上、うち犯収法上の特定事業者が100社以上とされています。
14. TRUSTDOCK(株式会社TRUSTDOCK)

犯収法に準拠したeKYC(オンライン本人確認)と法人確認(KYB)を単一のプラットフォームで提供する、株式会社TRUSTDOCKのサービスです。個人の身分証確認・公的個人認証(JPKI)と、法人番号や履歴事項全部証明書を用いた法人確認の双方に対応します。
実装形態はAPI、JavaScriptを埋め込むアップローダー、自社アプリ「TRUSTDOCK」の3系統から選べます。確認業務を専任スタッフに委託するBPO込みのプラン(eKYCサービス)では、目視確認を24時間365日体制で対応します。料金は初期費用・月額ともに非公開で、固定費用と契約内容に基づく従量課金の合計として提示されるため、詳細は要お問い合わせとなります。
導入実績では、東京商工リサーチの調査で、eKYCのコア機能を自社開発するサービスにおける「eKYC導入社数No.1」を2021年から2023年まで3年連続で獲得しています。情報セキュリティ面ではISO/IEC 27001・27017とプライバシーマークを取得しています。
不正検知
不正アクセス・なりすまし・不正取引をリアルタイムに検知し、オンライン取引の被害を防ぐサービスです。
15. Sardine(株式会社DGビジネステクノロジー)

米Sardine AI Corp.が開発する不正検知プラットフォームを、株式会社DGビジネステクノロジーが正規代理店として国内で提供しています。デバイスインテリジェンス(端末情報の分析)と行動バイオメトリクス(操作挙動からの本人性判定)にAIを組み合わせ、会員登録・ログイン・決済・出金/送金といった各タッチポイントで不正を検知します。
アカウント乗っ取り(ATO)対策では、第三者の指示による操作といったソーシャルエンジニアリング、ヘッドレスブラウザやプロキシを用いるボット、MFAや信頼済みデバイスの変更監視の3つのパターンに分けて検知シグナルを評価します。タイピングやマウス操作などの行動分析と、OS・ブラウザ・IPの偽装検知を組み合わせる仕組みです。
グローバルのプラットフォームにはKYC/KYBや取引モニタリング・制裁スクリーニングといったAMLモジュールも含まれますが、これらの国内提供可否は公式に明示されておらず、日本での訴求は行動バイオメトリクスを軸とした不正検知に絞られています。導入・運用は代理店のDGビジネステクノロジーが日本語で支援します。
16. FraudAlert(株式会社カウリス)

東証グロース市場に上場する株式会社カウリスが提供する、クラウド型の不正アクセス検知サービスです。Web・スマートフォンの両チャネルで口座開設・ログイン・入出金をモニタリングし、銀行・証券会社・暗号資産交換業者など金融機関の不正アクセス・不正利用を検知します。
端末情報を常時モニタリングして利用者の「本人らしさ」をデータベース化し、その変化と不審な振る舞いを組み合わせて検知する方式で、300超のパラメーターによるシナリオ作成に対応します。複数事業者間で不正利用者情報を共有するシェアリングプラットフォームも備え、この情報共有が犯収法第8条(疑わしい取引の届出等)の履行の一部に該当することを警察庁に確認済みと公式に記載しています。
2024年12月にリリースした入出金検知では、振込ルールと端末情報を組み合わせ、不正送金・マネーロンダリング・口座の不正利用を検知します。一方で、制裁対象者・PEPsのスクリーニングやeKYC(オンライン本人確認)は本サービスの対象外で、AML/CFT対応のうち取引モニタリングと犯収法の届出業務の一部を担う位置づけです。
暗号資産オンチェーン分析
ブロックチェーン上の取引を追跡し、資金の出所や制裁関連アドレスとの関わりを評価するサービスです。暗号資産交換業者などのAML対応に用いられます。
17. Chainalysis(Chainalysis Inc.)

Chainalysisは、米国で2014年に設立されたブロックチェーン分析ベンダーで、日本では日本法人のChainalysis Japan株式会社を通じて提供しています。パブリックブロックチェーン上の取引を実世界のエンティティ(取引所・サービス・組織)に紐付けて分析し、暗号資産交換業者や規制当局・法執行機関のAML/CFT対応や資金の追跡・調査に使われています。
主力は、資金の流れを追跡する調査ツール「Reactor」と、入出金トランザクションをリアルタイムに監視してアラートを出す「KYT」です。KYTはAPI提供があり、Reactorは27以上のブロックチェーンに対応します。国内では株式会社日立製作所とSB C&S株式会社が販売パートナーになっています。
公式サイトの記載では、70か国以上で1,500社を超える顧客が利用し、50以上の規制当局が導入しているとされています。料金は公開されておらず、要問い合わせとなります。
18. Elliptic(Elliptic Enterprises Limited)

Ellipticは、2013年に英国ロンドンで創業したブロックチェーン分析企業で、日本法人のElliptic Japan株式会社(2019年設立)を通じて国内展開しています。ウォレット・取引のリアルタイムスクリーニングからクロスチェーンの調査までを一つのプラットフォームで提供し、金融機関・暗号資産交換業者・政府機関などが利用しています。
主な製品は、60以上のブロックチェーンにまたがるスクリーニング機能「Lens」、VASP(暗号資産交換業者)のデューデリジェンスを行う「Discovery」、hop制限のないクロスチェーン調査「Investigator」です。法定通貨取引に潜む暗号資産リスクを検知するIndirect Risk Reportingなど、銀行・金融機関向けの機能も備えています。
セキュリティ面では、SOC 2 Type2・ISO/IEC 27001・ISO 22301などの認証をElliptic本体で取得しています。国内では、日本円ステーブルコインJPYCのAML体制整備で提携した実績があります。料金は要問い合わせです。
まとめ
AMLシステムは、取引モニタリング・スクリーニング・KYC/CDDのどこまでを一つでまかなうかによって、統合型から機能特化型まで幅があります。自社がどのタイプを必要とするかは、リスクベース・アプローチで評価したリスクと、犯収法・金融庁ガイドラインへの対応要件から決まります。
銀行のように取引量が多くリスクの幅も広い場合は取引モニタリング統合型が、取引先審査を強化したい場合は反社・企業リスクスクリーニングが候補になります。
選ぶ際は、機能範囲とデータベースの網羅性が自社のリスクに合っているか、提供形態が自社の運用体制と合うか、費用と導入期間、そして誤検知の運用負荷までを、同じ条件で比較することが重要です。まずは候補となるサービスの資料を取り寄せ、機能と料金を横並びで確認するところから始めるとよいでしょう。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. AMLシステムとは何ですか?
A. AMLシステムとは、マネー・ローンダリングやテロ資金供与を防ぐために、取引時確認・継続的顧客管理(KYC/CDD)、制裁対象者や反社会的勢力のスクリーニング、取引モニタリングといった業務を支援する仕組みの総称です。
犯収法上の特定事業者(銀行・証券・資金移動業者・暗号資産交換業者など)に求められる確認・検知・記録の作業を自動化・効率化し、リスクに応じた対応を実務として回せるようにします。取引モニタリング統合型から、反社チェック・eKYC・不正検知・暗号資産のオンチェーン分析に特化したものまで幅があります。
Q. 銀行や金融機関にはどのタイプのAMLシステムが向いていますか?
A. 取引量が多くリスクの幅も広い銀行などには、取引モニタリング・制裁スクリーニング・KYC/CDDを一体で担う統合型が向きます。一方、取引先の反社チェックを強化したい企業にはスクリーニング特化型、オンライン本人確認を効率化したい事業者にはeKYC、暗号資産を扱う交換業者にはオンチェーン分析型というように、自社の課題によって適するタイプは変わります。
最適なシステムは業種だけで決まるものではなく、リスクベース・アプローチで評価した自社のリスクに左右されるため、まず自社が対応すべき業務を洗い出すことが出発点になります。
Q. AMLシステムの費用相場はどれくらいですか?
A. AMLシステムの費用は提供形態によって大きく異なり、スクリーニングやeKYCに特化したSaaSは月額数万円程度から始められる一方、取引モニタリング統合型のエンタープライズシステムは料金非公開の個別見積もりが中心です。
統合型は要件定義から構築・運用までを含めると費用も規模も大きくなります。料金を公開していないサービスも多いため、自社の取引規模や利用範囲を伝えて見積もりを取り、初期費用・月額に加えてデータ移行やチューニングの費用まで含めた総額で、複数社を同じ条件で比べることが大切です。
Q. AMLシステムの導入にはどれくらいの期間がかかりますか?
A. クラウド型のSaaSは申し込みから比較的短期間で使い始められるのに対し、既存の基幹システムと連携する個別構築型は数か月単位を要することがあります。取引モニタリング統合型のような大規模システムは、要件定義や既存システムとの連携に相応の期間と体制が必要です。
稼働開始時期に制約がある場合は、提供形態ごとの導入期間の目安と、実際の取引データで運用イメージを試すPoC(試験導入)の要否を、早い段階で確認しておくとよいでしょう。
Q. AMLシステムにAIを導入すれば誤検知はなくなりますか?
A. AIの活用でアラートの精度を高め誤検知(偽陽性)を減らすことは期待できますが、誤検知が完全にゼロになるわけではありません。取引モニタリングやスクリーニングでは、実際には問題のない取引を一定数アラートとして検知するため、検知のシナリオや敷居値を自社のリスク評価に合わせて調整し続ける運用が前提になります。
導入前に自社の取引データを使ったPoCで、どの程度のアラートが出て、その中に本当に確認すべき取引がどれだけ含まれるかを見極めておくと、稼働後の運用負荷を予測しやすくなります。
Q. AML業務を外部に委託すれば金融機関の責任はなくなりますか?
A. AML業務の一部を外部に委託しても、犯収法上の義務を負う特定事業者自身の責任がなくなるわけではありません。犯収法は、取引時確認等を的確に行うための措置として社内規程の整備や統括管理者の選任などに努めることを特定事業者に求めており(11条・努力義務)、疑わしい取引の届出義務(8条)も特定事業者に課されています。
委託先の選定・管理も含めて最終的な責任は自社に残るため、システムやBPOを利用する場合も、どこまでを委託しどこを自社で管理するかを整理して体制を設計する必要があります。
出典・参考資料(1件)
Q. AMLシステムで犯収法・金融庁ガイドラインへの対応はいつまでに行う必要がありますか?
A. 金融庁は2021年4月、ガイドラインの「対応が求められる事項」への対応を2024年3月末までに完了させるよう金融機関等に要請しており、この期限はすでに経過しています。継続的顧客管理もこの対応の一部に含まれます。
同庁の報告によると2024年3月末時点でのガイドライン対応の完了率は99%に達しており、現在は新たに期限を追う段階というより、整えた体制の運用・高度化や維持が継続的な課題になっています。自社の対応状況を点検し、リスク評価の見直しや誤検知対応など運用面の高度化を進めることが求められます。
出典・参考資料(1件)
Q. 海外製のグローバルなAMLシステムは日本国内でも使えますか?
A. 海外発の大手AMLシステムも国内の金融機関で導入されていますが、多くは日本のSIer(システムインテグレーター)が窓口となり、犯収法・金融庁ガイドラインに対応する形で個別に構築・提供されています。
海外発の取引モニタリング統合型は国内金融機関での導入事例が公表されている一方、料金は非公開で規模に応じた個別見積もりが中心です。導入を検討する際は、日本語でのサポート体制、国内法への対応範囲、提供窓口となる国内パートナーの有無を確認しておくと、稼働後の運用まで見通しやすくなります。
AMLシステムの料金・機能を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、AMLシステムをはじめとするAML/CFT対策ソリューションの最新資料をまとめて請求できます。気になるサービスの機能や料金を横並びで確認し、自社に合うソリューションの検討にお役立てください。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















