越境ECや輸出入の現場で「デミニミス」という言葉を見かける機会が、この1〜2年で急に増えました。「米国のデミニミスが撤廃された」「EUも変わる」といったニュースは目にするものの、そもそもデミニミスが何を指すのかを正確に説明できる人は、意外と多くありません。
デミニミスとは、ひとことでいえば「少額の輸入貨物について、一定金額以下なら関税や輸入時の消費税・付加価値税を免除し、通関手続きを簡素にする仕組み」です。海外の消費者に商品を届ける越境ECでは、この免税のしきい値が撤廃・変更されると、着地価格や通関の手間が直接変わります。本記事では、この定義を出発点に、米国・EU・日本・アジア各国の現在のしきい値と直近の制度変更を、出所とともに整理します。
後半では、デミニミス撤廃が自社の越境ECにどう響くのか、そして関税元払い(DDP)配送やHSコードの整備など、何から着手すればよいのかを実務の観点でまとめました。言葉の意味を確かめたい方から、撤廃への対応を検討し始めた担当者まで、判断の材料としてご活用ください。
目次
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デミニミスとは?関税・輸入消費税の免税限度額をわかりやすく
デミニミス(de minimis)とは、輸入する貨物の価格が一定額以下であれば、関税や輸入時の消費税・付加価値税(VAT)を免除し、正式な輸入申告を省いて通関を簡素にする制度です。少額の荷物まで一件ずつ課税・申告していては、税収に見合わない事務コストが税関にも事業者にもかかってしまうため、多くの国が「これ以下は徴収しない」という金額の線引きを設けてきました。
言葉自体はラテン語の法諺「de minimis non curat lex(法は些事を顧みない)」に由来します。「取るに足らない少額のものは扱わない」という発想が、そのまま少額輸入の免税制度の名前として使われているわけです。越境ECの拡大でこうした少額の荷物が世界的に激増したことが、後述する各国の見直しの背景にあります。
税関のデミニミスと紛らわしい概念(EARのデミニミス)
「デミニミス」という語は、税関の免税限度額のほかにも使われるため、取り違えないよう最初に整理しておきます。越境ECの文脈で問題になるのは、あくまで上記の税関の免税限度額です。
これとは別に、米国の輸出管理規則(EAR)にも「デミニミス・ルール」があります。こちらは外国製品に含まれる米国原産の規制対象品目の価額割合が一定以下であれば、米国の再輸出規制の対象外とする判定基準で、割合の目安は一般の仕向地向けが25%、キューバ・イラン・北朝鮮などの禁輸国向けが10%です。輸入時の免税額とはまったく別の話なので、混同しないよう注意してください。
【一覧】主要国の免税限度額(デミニミス)と直近の変更
まず、越境ECで出荷先になりやすい主要国・地域のデミニミスの現状を一覧で示します。金額のしきい値だけでなく、撤廃・変更の施行時期と出所をあわせて確認してください。制度変更が相次いでいるため、必ず出荷先の税関・当局の最新情報を最終確認することをおすすめします。
| 国・地域 | 米国 | EU | 日本 | タイ | インド |
|---|---|---|---|---|---|
| 免税限度額(デミニミス) | 従来は800米ドル以下(一般貨物) | 従来は150ユーロ以下(関税の免税) | 課税価格の合計が1万円以下は関税・消費税を免除 | 従来は1,500バーツ以下が免税 | デミニミスの免税枠なし |
| 直近の変更と施行時期 | 2025年8月29日に全世界向けで撤廃(大統領令)。中国・香港原産は2025年5月2日に先行撤廃。関税法上の恒久廃止は2027年7月1日(法律) | 2026年7月1日に150ユーロ免税を廃止し、当面は品目ごとに3ユーロの暫定関税を2028年7月1日まで適用。輸入VATの22ユーロ免除は2021年7月1日に別途撤廃済み | 関税の1万円免税は現行維持。消費税は2028年4月1日から少額輸入も課税化される予定(関税は引き続き1万円免税)。革製品・ニット衣類など一部品目は免税対象外 | 2026年1月1日に少額貨物の関税免税を廃止(金額にかかわらず課税) | 従来から少額免税の枠がなく、原則すべての輸入貨物が関税・IGSTの課税対象 |
| 主な出所 | 大統領令14324(連邦官報)/ジェトロ | 欧州委員会 | 税関(カスタムスアンサー1006) | タイ税関告示・実務解説(2026年時点) | 各国税関・実務解説(2026年時点) |
各国税関・当局の公表資料に基づく(2026年9月時点)。
出典・参考資料(3件)
出典・参考資料(3件)
米国のデミニミス撤廃:いつから・いくら・何が課されるか
越境ECへの影響が最も大きいのが、米国のデミニミス撤廃です。従来、米国は輸入額800米ドル以下の貨物を免税・簡易通関としていましたが、この一般免税が撤廃されました。まずは「いつから・何が変わったのか」を、時系列とあわせて確認します。
大統領令による停止(2025年8月29日)と法律による恒久廃止(2027年7月1日)は別ルート
米国のデミニミス撤廃には、施行のタイミングが異なる2つのルートがあります。読者が最も混同しやすいところなので、先に切り分けておきます。
1つ目は、大統領令による停止です。2025年7月30日に署名された大統領令14324(Suspending Duty-Free De Minimis Treatment for All Countries)により、2025年8月29日から全世界を対象に、800ドル以下の一般貨物への免税(米国関税法上の19 U.S.C. 1321(a)(2)(C))が停止されました。
これに先立ち、中国・香港を原産とする貨物については、2025年5月2日に先行して撤廃されています。
The duty-free de minimis exemption provided under 19 U.S.C. 1321(a)(2)(C) shall no longer apply to any shipment of articles … regardless of value, country of origin, mode of transportation, or method of entry.(19 U.S.C. 1321(a)(2)(C) に基づく無税のデミニミス免除は、価格・原産国・輸送手段・輸入方法にかかわらず、いかなる貨物にも適用しない)
The requirements and procedures … shall be effective with respect to goods entered for consumption … on or after 12:01 a.m. eastern daylight time on August 29, 2025.(本規定は2025年8月29日午前0時1分(米国東部夏時間)以降に消費のために引き取られる貨物に適用する)
出典:Executive Order 14324, Suspending Duty-Free De Minimis Treatment for All Countries|Federal Register(2025年8月5日)
2つ目は、法律による恒久廃止です。2025年に成立した通称「One Big Beautiful Bill Act(H.R.1)」により、関税法上のデミニミス免税そのものが2027年7月1日をもって恒久的に撤廃されます。
大統領令は緊急経済権限法(IEEPA)を根拠にした停止措置で、政策判断や司法審査によって変わりうるのに対し、法律による廃止は関税法そのものを改正して免税を恒久的になくします。「すでに止まっている」ことと「恒久的に廃止される」ことは別の話として押さえておくと、報道に振り回されずに済みます。
この違いは2026年に表面化しました。米国の連邦最高裁は2026年2月、IEEPAを根拠とする相互関税を無効と判断しました。ただし、免税枠の撤廃は新たな関税を課すこととは法的に別のものと整理され、デミニミスの停止は取り消されませんでした。
政府は停止を継続する大統領令14388(2026年2月24日発効)を出し、その後の連邦官報告示(2026年6月)で停止は無期限とされています。2026年9月時点でも、米国のデミニミス免税は停止されたままです。

課税方式(従価税・従量税)と例外(ギフト・携帯品)
撤廃後、免税だった少額貨物には通常の関税が課されます。制度移行の当初、大統領令14324は国際郵便で送られる貨物への経過的な課税方式として、原産国に課される追加関税率(実効IEEPA関税率)に応じた従価税か、または配送業者が選べる次の従量税のいずれかを定めていました。
- 実効IEEPA関税率が16%未満の国:1個あたり80ドル
- 同16%以上25%以下の国:1個あたり160ドル
- 同25%超の国:1個あたり200ドル
ただし、この従量税方式は国際郵便で送られる貨物について配送業者が選べた経過措置で、大統領令の発効(2025年8月29日)から約6か月間に限られていました。連邦官報の実施通知により、2026年2月28日以降は国際郵便の貨物も従価税方式に一本化され、品目の分類(HSコード)と原産国に応じた通常の関税が課されます(宅配便など郵便以外で送られる貨物は当初から従価税の対象です)。
米国の追加関税は制度変更が続いているため、実際に適用される税率は出荷時点の最新情報で確認してください。
一方で、米国関税法にはデミニミスとは別枠の免税規定が残っています。海外から米国の個人へ送るギフトは100ドル以下、入国者が同伴する個人用の携帯品は200ドル以下が引き続き免税です。ここで注意したいのは、この200ドルは「旅行者が持ち込む手荷物」の枠であって、「越境ECで注文した200ドル以下の商品なら免税が続く」という意味ではないことです。越境ECの通常の出荷には、この例外は当てはまりません。
撤廃の背景(なぜ免税をやめたのか)
米国のデミニミス(800ドル)は、越境ECの拡大とともに免税で流入する少額貨物を急増させ、米国を世界有数のEC市場へ押し上げる一因になっていました。その一方で、大量の免税小包は税関の審査を実質的に通り抜けやすく、税収の逸失や、模倣品・規制対象品の流入といった管理上の問題が指摘されてきました。今回の撤廃は、こうした少額貨物の急増と管理強化への対応という文脈で進められたものです。
出典・参考資料(1件)
通関実務はどう変わるか(HSコード・商業インボイス・保証金)
免税・簡易通関の対象から外れることで、これまで簡便だった少額貨物の通関が、一般の輸入貨物と同水準の手続きに近づきます。ジェトロは、米国向け輸出で求められる対応として、次のような実務を挙げています。
- HTSコード(米国の関税分類コード、10桁)の正確な記載
- 原産国の申告と、内容・価格を正確に記した商業インボイスの整備
- 継続的に輸入する場合の保証金(Customs Bond)の契約
- 通関業者への委託や、個人輸入における社会保障番号(SSN)などの提出
いずれも、これまで少額貨物では省略できていた手続きです。書類の不備は通関の遅延や追加課税につながるため、出荷前の体制づくりが欠かせません。
出典・参考資料(1件)
EUのデミニミス変更:150ユーロ免税の行方と2026年の関税改革
EU向けに出荷している事業者にとっては、EUのデミニミス見直しも見逃せません。EUは従来、内在価値150ユーロ以下の貨物を関税免除としてきましたが、この関税のデミニミスを2026年7月1日に廃止します。移行期間として、当面は品目(関税分類の単位)ごとに3ユーロの暫定的な関税を2028年7月1日まで適用し、その後はEUの新しい関税制度のもとでHSコード・原産国ベースの本格的な関税へ移行する方針です。
ここで注意したいのは、この3ユーロが「申告1件ごと」ではなく「品目ごと」に課される点です。たとえばTシャツ5枚の注文なら同一品目として3ユーロ、Tシャツと時計のように分類が異なる品目が混ざれば合計6ユーロ、という考え方になります。1件あたりの単純な定額ではないため、注文構成によって負担が変わります。
VAT免除の撤廃(2021年)と関税デミニミスの変更(今回)は別の話
EUについては、時期の近い2つの制度変更が混同されがちなので整理しておきます。EUではすでに2021年7月1日に、22ユーロ以下の輸入に対する付加価値税(VAT)の免除が撤廃され、少額輸入でもVATの申告・納付が必要になっています(Import One-Stop Shop の導入)。これはVAT(消費に対する税)の話です。
一方、今回2026年から変わるのは関税のデミニミス(150ユーロ免税)です。VATの免除撤廃(2021年)と関税デミニミスの廃止(2026年)は別の税・別のタイミングの話なので、「2021年にすでに終わったのでは」と取り違えないようにしてください。
デミニミス撤廃が越境ECに与える影響
ここからは、デミニミスの撤廃・変更が、自社の越境ECにどう響くのかを仕組みから見ていきます。影響は「消費者の負担」「通関の手間」「事業への効き方」の3つの角度で整理できます。
消費者の総支払額の上昇と価格競争力への影響
免税がなくなると、これまで課税されなかった少額の注文にも関税がかかります。関税分が着地価格(消費者が最終的に支払う総額)に上乗せされるため、購入のハードルが上がり、カート離脱や返品の増加につながりやすくなります。特に、配送先で税金を消費者が支払う建て付け(DDU)のままだと、受け取り時に想定外の請求が発生し、体験の悪化を招きます。
影響の大きさは、商品の価格と適用される関税率で決まります。たとえば米国の消費者へ売る100ドルの商品は、従来は800ドル以下で免税でしたが、撤廃後は原産国・品目に応じた関税が上乗せされます。仮に関税率が15%なら1個あたり15ドル程度が乗り、送料や手数料と合わせて着地価格が上がる計算です。
日本発の貨物に適用される税率は米国の通商政策の変更が続いているため、実際の税率と負担額は出荷時点の最新情報で確認してください。関税分を誰がどう負担するかが、そのまま価格競争力に直結します。
通関の複雑化と書類・手続き負担の増加
簡易通関の対象から外れることで、HSコードの分類、正確な商業インボイスの作成、原産国の証明といった書類作業が増えます。分類や申告価格を誤ると、通関の遅延や追加の課税・是正のリスクが生じます。出荷件数が多いほど、この事務負担は無視できない規模になります。
業種・出荷形態別の影響度(影響が大きい事業者・小さい事業者)
影響の大きさは、扱う商材と出荷の形態によって変わります。自社の状況に近いほうを目安に、対応の優先度を判断してください。
影響が大きいのは、単価の低い商品を米国・EUの消費者へ小口で大量に直送している事業者です。これまで免税ラインに収まっていた注文が軒並み課税対象になり、着地価格の上昇と通関書類の負担が同時にのしかかります。アパレルや雑貨など、点数が多く単価の低い商材ほど影響を受けやすい傾向があります。
逆に影響が比較的小さいのは、現地に在庫を持って国内配送している事業者や、高単価でもともと正式通関を前提にしていた事業者、BtoBでまとめて輸出している事業者です。とはいえ、出荷先が今後さらに制度を変える可能性はあるため、影響が小さい場合でも現状把握だけは進めておくと安心です。
越境EC事業者が取るべき対応
最後に、デミニミス撤廃に対して越境EC事業者が取れる対応を、着手しやすい順に整理します。すべてを一度に行う必要はありませんが、まずは自社が出荷している国のしきい値と課税状況を確認するところから始めるのが現実的です。

DDP(関税元払い)配送への切り替え
DDP(Delivered Duty Paid)とは、関税や輸入時の税を出荷側があらかじめ負担・精算して届ける配送条件です。購入時点で税込みの総額を提示できるため、受け取り時の想定外の請求をなくし、カート離脱や返品を抑えられます。関税額を事前に計算して価格に反映する仕組みと組み合わせると、消費者の購買体験を撤廃前に近い水準へ保ちやすくなります。
HSコードの正確な把握と商業インボイスの整備
課税の前提になるのが、商品ごとのHSコード(国際的な関税分類コード)です。分類を誤ると税率の誤りや通関の遅延につながるため、取扱商品のHSコードを整理し、商業インボイスに品名・数量・単価・原産国を正確に記載する運用を整えることが有効です。出荷件数が多い場合は、受注データからインボイスや必要書類を自動生成できる仕組みを持つと、事務負担を抑えられます。
価格設定の見直し・関税コストの吸収戦略
関税分をどこで吸収するかは、利益率と価格競争力のバランスで決める経営判断です。販売価格に転嫁する、送料設定で調整する、一定額以上の注文で関税を自社負担にするなど、複数の選択肢があります。出荷先ごとに関税率が異なるため、市場別に価格を設計できる体制があると、無理な一律値上げを避けやすくなります。
物流・通関体制の見直し
小口直送を前提にしてきた物流を、現地在庫の活用やまとめ出荷、通関に強い物流パートナーの起用といった観点で見直すことが望まれます。通関書類の作成やDDP対応を自社だけで回すのが難しい場合は、越境ECの構築・運営から通関・現地対応までを支援する外部サービスに任せる選択肢もあります。次章で、そうした支援サービスを紹介します。
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越境ECの構築・運営・通関を支援するサービス
デミニミス撤廃への対応は、DDP配送・HSコードの整備・書類作成・価格の市場別設計と、実務が多岐にわたります。これらを自社だけで抱えるのが難しい場合は、越境ECの構築・運営から通関・現地対応までを支援するサービスの活用が現実的な選択肢になります。
ここでは、越境EC支援サービスのうち、撤廃対応に関わる領域をカバーするものを紹介します。サービスによって強みは異なり、越境ECサイトの構築を担うもの、運営や通関・DDP対応まで含めて任せられるものがあります。自社に足りない部分から選んでください。
| サービス | Magento / Adobe Commerce構築支援 | WeChatミニプログラム For 中国越境EC | Lingble Global Guide | Lingble Link | ecbeing |
|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態(主な役割) | Magento/Adobe CommerceでのEC構築・リニューアル支援 | WeChat内で動くミニプログラム型の中国越境EC(ワンストップ) | 戦略〜構築〜運営〜物流まで一気通貫のフルマネージド支援 | 複数国の運用を統合するグローバルEC基盤 | 中堅〜大手向けECパッケージ(越境EC支援も提供) |
| 越境ECサイトの構築・運営 | ● | ● | ● | △運用統合基盤(複数チャネルの一元管理が主眼) | ● |
| 通関・DDP(関税元払い)対応 | △海外向け決済・配送を織り込んだ構築に対応(通関・DDP代行の記載なし) | ●国際物流パートナー連携で通関に対応(DDPの記載なし) | ◎国際配送・通関・DDP(関税前払い)対応 | ●国際配送連携・輸出書類の自動出力(DDPの記載なし) | ●Global-e Japan提携で関税・現地通貨に対応 |
| 多通貨・国別価格への対応 | ●多言語・多通貨、国別サイト構成に対応 | △中国市場向けに特化(WeChatPay決済・日本円建て回収) | ●市場別の価格・在庫の最適化に対応 | ●多通貨・国別価格・税設定を一元管理 | ●越境フルサポートで現地通貨に対応 |
| 料金体系 | 要お問い合わせ | 初期55万5,000円/月額50万円 (2026年時点の公開情報。最新は要確認) | 要お問い合わせ (売上連動のレベニューシェア型) | 要お問い合わせ (売上連動のリスク共有型) | 要お問い合わせ (最低利用期間2年) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 導入相談を予約する | 導入相談を予約する | サービス詳細を見る |
1. Magento / Adobe Commerce 構築・リニューアル支援(株式会社マルウェブ)

株式会社マルウェブが提供する、Magento(Magento Open Source)およびAdobe Commerceを用いたECサイトの構築・リニューアル支援です。要件定義から設計・開発・保守運用までを一貫して手がけ、日本側でディレクションを行いながらベトナム・中国の開発拠点を活用するハイブリッド体制を取っています。
Magentoは多言語・多通貨や国別サイトの構成に対応でき、Global/Website/Store/Store Viewの階層で複数のECサイトを1つの管理基盤に束ねられます。越境ECのために海外向け決済・配送を織り込んだサイトを構築し直したい、基幹システム連携やBtoB受発注など複雑な要件を満たしたい、といった場面の受け皿になります。撤廃対応を機にサイトの土台から見直す事業者に向いています。
2. WeChatミニプログラム For 中国越境EC(株式会社マルウェブ)

中国向けの越境ECに特化したサービスで、WeChat(微信)内で動く「ミニプログラム」形式の店舗を、別アプリのインストールを求めずに展開できます。香港上場企業の微盟(Weimob)のプラットフォームを、マルウェブが代理店契約に基づいて提供する形です。
店舗の管理画面やページ編集、WeChatPay決済、越境物流(通関対応)、CRMや会員プログラム、グループ購入・ライブコマースといった集客機能までをワンストップで備えます。中国の消費者へ直接販売するチャネルを、決済・物流・通関まで含めて整えたい事業者に適しています。
3. Lingble Global Guide(Lingble Pte. Ltd.)

ブランド企業の海外展開を、単一のグローバルドメインで一元的に運営する形で支援するフルマネージド型のサービスです。グローバルEC戦略の立案からD2Cブランドサイトの構築・運用、市場別の価格・在庫の最適化、多言語カスタマーサポートまでを一気通貫で担います。
デミニミス撤廃との関係で注目したいのが、国際配送・通関手続き・DDP(関税前払い)対応・返品交換管理までを提供範囲に含む点です。関税を含めた着地価格の設計や通関対応をまとめて任せたい事業者にとって、撤廃後の体制づくりの受け皿になります。料金は売上に応じたレベニューシェア型で、詳細は問い合わせが必要です。
4. Lingble Link(Lingble Pte. Ltd.)

複数国のストア・倉庫・物流・決済・商品データを1つの管理基盤に統合する、グローバルEC統合インフラです。受注管理・出荷・在庫・価格や税の設定・返品対応を一元化し、複数拠点の在庫を統合したうえで、注文ごとに最適な配送元を自動で割り当てます。
Shopifyや楽天などのECプラットフォーム、Stripe・PayPalなどの決済、FedEx・DHL・UPSといった国際配送との連携に対応し、最適な配送方法の判別や輸出書類の自動出力も備えます。多通貨・国別価格に対応するため、撤廃後に必要となる書類作業や市場別の価格運用を仕組みで回したい事業者に向いています。
5. ecbeing(株式会社ecbeing)

中堅〜大手企業向けのECサイト構築パッケージで、BtoC・BtoB・オムニチャネル・サブスクなど幅広い業態に対応します。構築後のマーケティング支援・運用サポートまでを一体で提供する体制が特徴です。
越境EC支援もカバーしており、一定の事業規模を持ち、国内ECと海外展開を同じ基盤で統合的に運用したい企業に適しています。撤廃対応を含めて越境ECの体制をしっかり作り込みたい場合の選択肢になります。
ここで挙げたのは、デミニミス撤廃への対応に関わる領域をカバーするサービスの一部です。対応地域・支援範囲・料金体系まで含めて越境EC支援サービスを幅広く比較し、自社に合う依頼先を絞り込みたい場合は、越境EC代行サービス15社を構築・運営代行・特化型のタイプ別に整理した次の記事もあわせてご覧ください。
越境EC代行おすすめ19選|構築・運営代行・特化型の違いと費用相場・選び方
海外の消費者に自社商品を売りたい。そう考えて情報を集め始めると、越境ECには多言語対応や海外決済、国際配送、関税や現地の商習慣といった、国内ECにはない壁がいくつも立ちはだかることに気づきます。これらを自社だけで乗り越えるのは負担が大きく、…
まとめ
デミニミスは、少額の輸入貨物を一定額以下なら免税・簡易通関とする仕組みで、越境ECの追い風になってきました。しかし米国は2025年8月29日に全世界向けで免税を停止し(法律による恒久廃止は2027年7月1日)、EUも2026年7月1日に150ユーロ免税を廃止します。
日本は現在も1万円以下の免税が続きますが、消費税は2028年4月1日から少額輸入も課税化される予定です。主要国で見直しが相次いでいるため、まずは出荷先ごとの現状を確認しておく必要があります。
撤廃は、着地価格の上昇と通関書類の負担という形で越境ECに直接響きます。まずは自社が出荷している国のしきい値と課税状況を確認し、DDP配送・HSコードと商業インボイスの整備・価格の見直しといった対応を、影響の大きいところから進めるのが現実的です。自社だけで対応しきれない部分は、越境ECの構築・運営から通関・現地対応までを支援するサービスの活用も検討してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. デミニミス(de minimis)とは何ですか?
A. デミニミスとは、輸入する貨物の価格が一定額以下であれば、関税や輸入時の消費税・付加価値税(VAT)を免除し、正式な輸入申告を省いて通関を簡素にする制度です。ラテン語の法諺「de minimis non curat lex(法は些事を顧みない)」に由来します。越境ECでは、このしきい値が撤廃・変更されると、着地価格や通関の手間が直接変わります。
Q. 米国のデミニミス撤廃はいつから始まり、いくらまでが対象でしたか?
A. 米国のデミニミス免税は2025年8月29日に大統領令14324で停止され(対象は800米ドル以下の一般貨物)、法律(One Big Beautiful Bill Act)による恒久廃止は2027年7月1日です。中国・香港原産の貨物は2025年5月2日に先行撤廃されました。大統領令による停止と、関税法を改正する法律による恒久廃止は別ルートである点に注意してください。
Q. 米国で200米ドル以下の越境EC注文は、今も免税のままですか?
A. いいえ、越境ECで注文した商品には当てはまりません。 米国関税法に残る200米ドルの免税枠は「入国者が同伴する個人用の携帯品」に対するもので、旅行者が持ち込む手荷物が対象です。このほか海外から個人へ送るギフトは100米ドル以下が免税ですが、いずれも越境ECの通常の出荷には適用されません。「200米ドル以下なら免税が続く」と取り違えないよう注意してください。
Q. 日本のデミニミス(免税限度額)はいくらですか?
A. 日本では、課税価格の合計額が1万円以下の物品について、関税と消費税が免除されます(現行)。ただし消費税は制度改正により、2028年4月1日から少額輸入も課税化される予定です(関税の1万円免税は引き続き維持されます)。また、革製品・ハンドバッグ、ニット衣類、革靴、毛皮製品など一部の品目は、この免税の対象外です。
出典・参考資料(1件)
Q. EUのデミニミスはどう変わりますか?
A. EUは、2026年7月1日に150ユーロ以下の関税免税を廃止し、当面は品目(関税分類の単位)ごとに3ユーロの暫定関税を2028年7月1日まで適用します。この3ユーロは申告1件ごとではなく品目ごとにかかるため、注文構成によって負担が変わります。また、22ユーロ以下の輸入VAT免除は2021年7月1日に別途撤廃済みで、今回の関税デミニミスの変更とは別の税・別のタイミングの話です。
Q. DDP(関税元払い)とは何ですか?デミニミス撤廃でなぜ必要になるのですか?
A. DDP(Delivered Duty Paid)とは、関税や輸入時の税を出荷側があらかじめ負担・精算して届ける配送条件です。デミニミス撤廃で少額注文にも関税がかかるようになると、消費者が受け取り時に税を支払う建て付け(DDU)のままでは、想定外の請求によるカート離脱や返品が増えやすくなります。DDPなら購入時点で税込みの総額を提示できるため、撤廃前に近い購買体験を保ちやすくなります。
Q. デミニミス撤廃に対して、越境EC事業者は今すぐ何をすべきですか?
A. まずは、自社が出荷している国のしきい値と課税状況を確認することから始めるのが現実的です。そのうえで、DDP(関税元払い)配送への切り替え、HSコードの整理と商業インボイスの整備、出荷先ごとの価格設定の見直しを、影響の大きいところから順に進めます。通関書類の作成やDDP対応を自社だけで回すのが難しい場合は、越境ECの構築・運営から通関・現地対応までを支援するサービスの活用も選択肢になります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















