後継者不在や事業承継を背景に、会社や事業の売却(M&A)を検討する中小企業の経営者が増えています。ただ、いざM&Aの専門家へ相談しようとすると、「売り手である自分に、結局いくら手数料がかかるのか」が分かりにくいという声は少なくありません。
M&Aの手数料は成功報酬を中心に、着手金や中間金などが組み合わさっており、料金体系は会社ごとに異なります。相場や計算の仕組みを知らないまま相談に進むと、提示された金額が妥当なのかを判断しづらくなります。
本記事では、売り手が払うM&Aの手数料について、成功報酬の相場と売却額別の計算例、成功報酬以外にかかる費用と総額の目安、そして手数料を抑える方法までを順に整理します。相談・見積もりの前に、自社の売却で想定される費用感をつかむための材料としてご活用ください。
目次
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M&A売却で売り手が払う成功報酬はいくら?売却額別の計算例
売り手が払うM&Aの手数料のうち、最も大きな割合を占めるのが成功報酬です。成功報酬は「報酬基準額 × 報酬率」で計算され、報酬率にはレーマン方式と呼ばれる、取引金額が大きくなるほど料率が下がる方式が使われることが多くあります。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン(第3版)」も、この算定手法について次のように説明しています。
以上の価額を基に報酬を算定する手法として、レーマン方式が採られることが多い。……特にM&A専門業者において広く用いられている。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)|中小企業庁
レーマン方式では、取引金額を段階に区切り、それぞれの区分ごとに異なる料率を掛けて合算します。中小企業庁のガイドラインが一例として示している料率は、以下のとおりです。
| 取引金額のうちの部分 | 5億円以下の部分 | 5億円超〜10億円以下の部分 | 10億円超〜50億円以下の部分 | 50億円超〜100億円以下の部分 | 100億円超の部分 |
|---|---|---|---|---|---|
| 手数料率 | 5% | 4% | 3% | 2% | 1% |
※上記は中小企業庁ガイドラインが一例として示す料率で、各階層の価額・割合は各仲介者・FAにより異なります。
出典・参考資料(1件)
この料率を、譲渡額(株式の売買価格)を基準に当てはめると、売却額ごとの成功報酬は次のようになります。中小企業庁のガイドラインの計算例にならい、消費税10%を含めた金額で示します。
| 譲渡額(株価基準) | 5,000万円 | 1億円 | 3億円 | 5億円 | 10億円 |
|---|---|---|---|---|---|
| レーマン方式での計算(消費税10%込み) | 5,000万円 × 5% × 110% | 1億円 × 5% × 110% | 3億円 × 5% × 110% | 5億円 × 5% × 110% | (5億円 × 5% + 5億円 × 4%)× 110% |
| 成功報酬(税込) | 275万円 ※最低手数料が上回る場合はそちらが適用 | 550万円 | 1,650万円 | 2,750万円 | 4,950万円 |
※譲渡額(株価)を報酬基準額とした場合の一例です。報酬基準額の取り方や最低手数料の設定により、実際の金額は変わります。
たとえば譲渡額1億円の株式譲渡なら、成功報酬は税込550万円が目安になります。中小企業庁のガイドラインも、譲渡額1億円・着手金100万円(税抜)のケースで「成功報酬:1億円 × 5% × 110% = 550万円(税込)」と同じ計算例を示しています。売却額が大きくなるほど区分ごとに料率が下がるため、料率が一律ではない点が計算のポイントです。
出典・参考資料(1件)
小規模ほど割高になる「最低手数料」の落とし穴
売却額が小さい場合に注意したいのが「最低手数料」です。多くの仲介会社・アドバイザリーは、レーマン方式で計算した成功報酬がこの金額を下回るときに適用する下限額を設けています。中小企業庁がM&A支援機関登録制度の登録事業者に行った調査では、最低手数料の水準が次のように報告されています。
- 最低手数料を設定している事業者は回答者の約84%(385者)
- 金額は中央値・最頻値ともに500万円で、次いで1,000万円が多い
- 高い水準では2,500万円・3,000万円を設定する事業者もある
この最低手数料が効くと、小規模な売却ほど譲渡額に対する手数料の割合が高くなります。たとえば最低手数料が500万円の会社に、譲渡額5,000万円の売却を依頼した場合を考えてみましょう。レーマン方式で計算した成功報酬は250万円(税抜)ですが、これが最低手数料を下回るため、実際に支払う成功報酬は500万円(税込550万円)です。譲渡額に対する割合は税抜で約10%となり、料率表の5%の2倍に相当します。
中小企業庁のガイドラインも、譲渡額5,000万円・最低手数料1,000万円のケースで、次のように最低手数料が適用される例を示しています。
成功報酬:5000万円×5%×110%=275万円(税込)<最低手数料1000万円×110%=1100万円(税込)/⇒手数料総額:1100万円(税込)/※譲渡額から手数料総額を控除した金額は3900万円となる。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)第66〜68頁「具体例(事例4)」|中小企業庁
この例では、譲渡額に対する成功報酬の割合は税抜で約20%に達します。同じ譲渡額5,000万円でも、依頼先が設定する最低手数料が500万円か1,000万円かで負担は倍近く変わります。売却額が数千万円規模の場合は、料率よりも最低手数料が実際の負担を決めることが多いため、依頼先を選ぶ段階で最低手数料の金額を確認しておくことが欠かせません。
レーマン方式の計算基準の違いで手数料が2倍変わる
同じ料率でも、レーマン方式を掛ける「報酬基準額」の取り方によって成功報酬は変わります。中小企業庁の資料では、主に使われる報酬基準額として次の4種類が挙げられています。
| 報酬基準額の種類 | 株価レーマン | オーナー受取額レーマン | 企業価値レーマン | 移動総資産レーマン |
|---|---|---|---|---|
| 基準額の中身 | 株式の価額(譲渡額) | 株式の価額 + 役員借入金 | 株式の価額 + ネット有利子負債(有利子負債−現預金等) | 株式の価額 + 有利子負債 + その他の負債 |
| 手数料の傾向 | 基準額が最も小さく、売り手の負担は軽くなりやすい | 役員借入金がある場合に基準額が増える | 負債が多い企業ほど基準額が増える | 基準額が最も大きくなり、手数料は高くなりやすい |
出典・参考資料(1件)
どの基準額を採用するかは会社ごとに異なり、同じ料率でも支払う金額に差が生じます。中小企業庁のガイドラインは、この点を次のように注意喚起しています。
特に、同水準の報酬率を採用する仲介者・FAであっても、最低手数料の額や報酬基準額が異なる場合、支払う報酬額に差異が生じる(例えば、報酬基準額として「移動総資産」が採用される場合、「譲渡額」、「純資産」が採用される場合よりも報酬額は高くなる。)。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)第69頁|中小企業庁
たとえば譲渡額2.5億円の会社に、有利子負債とその他の負債が合わせて2.5億円ある場合、移動総資産を基準にすると基準額は5億円になります。株価基準(2.5億円)なら成功報酬は税込1,375万円ですが、移動総資産基準(5億円)では税込2,750万円と、ちょうど2倍に膨らみます。
どちらも5億円以下で料率は同じ5%でも、基準額が2倍になるぶん手数料も2倍になる計算です。売却額が同じでも、基準額の取り方次第で手数料が変わることを押さえておくと、見積もりの比較がしやすくなります。
成功報酬以外に売り手が払う費用と総額
売り手が払う手数料は成功報酬だけではありません。相談から成約までの各段階で、以下のような費用が発生することがあります。売り手にとって負担が生じるかどうかは費用の種類ごとに異なるため、それぞれの相場とあわせて整理します。
| 手数料の種類 | 相談料 | 着手金 | 中間金 | 月額報酬(リテイナー) | デューデリジェンス(買収監査)費用 | 成功報酬 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 相場の目安 | 無料〜1万円程度 | 無料〜200万円程度 | 成功報酬の10〜20%程度 | 無料〜月数十万円程度 | 案件による | レーマン方式(最低手数料あり) |
| 支払うタイミング | 相談時 | 仲介契約・依頼時 | 基本合意(意向表明)時 | 契約期間中に毎月 | 買収監査の実施時 | 成約時 |
| 売り手の負担 | 多くは無料 | 会社により有無が分かれる | 会社により有無が分かれる | 設定しない会社も多い | 原則として買い手が負担 | 売り手が負担 |
※相場は一般的な目安で、実際の金額・有無は各社の料金体系により異なります。
着手金は依頼時、中間金は基本合意時、月額報酬は契約期間中と、支払うタイミングがそれぞれ異なります。中小企業庁のガイドラインも、成功報酬の発生タイミングとして着手金・月額報酬・中間金・成功報酬を挙げており、これらは会社ごとに設定の有無が分かれます。着手金や中間金を設定している事業者もあれば、成功報酬のみで受ける事業者もあり、料金体系は会社によってさまざまです。
売り手にとって重要なのは、これらを積み上げた総額です。たとえば着手金100万円(税抜)を払う会社に譲渡額1億円で依頼すると、着手金110万円(税込)+成功報酬550万円(税込)で、手数料総額は660万円(税込)が目安になります。中小企業庁のガイドラインも同じ前提で「手数料総額:660万円(税込)」という計算例を示しており、譲渡額から手数料を差し引いた手取りは9,340万円と整理しています。
出典・参考資料(1件)
売却額別に、着手金がある会社に依頼した場合の総額の目安を並べると、次のようになります。着手金は代表的な100万円(税込110万円)のケースで示しています。
| 譲渡額(株価基準) | 5,000万円 | 1億円 | 3億円 |
|---|---|---|---|
| 成功報酬(税込) | 550万円 (最低手数料500万円が適用される場合) | 550万円 | 1,650万円 |
| 着手金110万円を払う場合の手数料総額(税込) | 約660万円 | 660万円 | 1,760万円 |
※着手金100万円(税込110万円)を払う会社の場合の目安です。中間金や月額報酬がある会社ではさらに上乗せされ、着手金・中間金のかからない完全成功報酬型なら成功報酬のみになります。
これらの手数料には消費税がかかります。本記事で示した金額も消費税10%を含んでおり、成約時にはこの税込金額が請求されます。
一方で、買収監査(デューデリジェンス)の費用は、売り手の会社を調べる目的で買い手側が実施・負担するのが基本です。売り手が負担するのは主に相談料・着手金・中間金・月額報酬・成功報酬で、この点を押さえると自社の総額を見積もりやすくなります。
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M&Aの手数料は売り手・買い手どちらが払う?(仲介とアドバイザリーの違い)
「売り手の手数料」を調べていると、その手数料を売り手だけが払うのか、買い手も払うのかが気になります。ここは、依頼する相手が「仲介」か「アドバイザリー(FA)」かで変わります。
仲介会社は売り手と買い手の間に立ち、双方と契約して両者から手数料を受け取る「両手取引」が一般的です。一方でファイナンシャル・アドバイザー(FA)やアドバイザリーは、売り手か買い手のどちらか一方だけと契約し、その依頼者のためだけに動く「片手取引」の形をとります。それぞれの特徴を整理すると次のとおりです。
| 契約の形 | 仲介(両手取引) | アドバイザリー・FA(片手取引) |
|---|---|---|
| 手数料を払うのは誰か | 売り手・買い手の双方 | 契約した一方(売り手なら売り手のみ) |
| 特徴 | 双方の間を取り持ち、成約に向けて調整しやすい | 依頼者の立場に専念し、条件の最大化を目指しやすい |
| 売り手からみた留意点 | 買い手からも報酬を受け取るため、価格などで利益相反が起きうる | 売り手・買い手が別々に依頼するため、当事者全体での手数料は高くなりやすい |
中小企業庁のガイドラインは、仲介では相手方(買い手)が払う手数料も依頼者の利益に影響しうるとして、契約前に相手方の手数料についても説明するよう求めています。これは、仲介が双方から報酬を受け取る構造にあることを前提とした注意喚起です。
相手方が支払う手数料の額は、依頼者の利益に影響する構造にあります。従って、仲介契約締結前に、依頼者から受領する手数料に関する事項に加えて、相手方の手数料に関する事項(報酬率、報酬基準額(譲渡額/純資産/移動総資産等)、最低手数料の額、報酬の発生タイミング(着手金/月額報酬/中間金/成功報酬)等についても……依頼者に対して説明をお願いします。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)に関するQ&A|中小企業庁
売り手として自分の負担だけを抑えたい、あるいは売り手の立場に立って条件交渉を進めてほしい場合は、売り手側だけと契約するアドバイザリー(FA)という選択肢があります。次の章では、こうした依頼先の選び方を含め、手数料を抑える方法を整理します。
売り手が手数料を抑える方法と依頼先の選び方
ここからは、売り手が手数料を抑えるために取れる方法を、依頼先の選び方・補助金の活用・見積もり前の確認という3つの観点から整理します。
手数料を抑えるための依頼先の選び方
手数料の総額は、料率だけでなく料金体系の組み立てで変わります。売り手の負担を抑える観点では、次のような点を確認して依頼先を選ぶと差が出ます。
- 完全成功報酬型を選ぶ:着手金・中間金・月額報酬がかからず、成約したときだけ費用が発生する料金体系です。成約しなかった場合の費用負担を避けられます。
- 報酬基準額が譲渡額(株価)ベースの会社を選ぶ:同じ料率でも、移動総資産ベースより譲渡額ベースのほうが基準額が小さく、成功報酬を抑えられます。
- 最低手数料の金額を確認する:小規模な売却では、最低手数料が実際の負担を決めます。中央値の500万円を目安に、自社の売却規模に見合う水準かを確かめます。
- 複数の会社から見積もりを取って比較する:料率・基準額・最低手数料・費用の発生タイミングは会社ごとに異なるため、複数社を並べて総額で比べます。
- 売り手無料のマッチングプラットフォームも検討する:売り手の利用手数料を無料とするサービスもあります。費用は抑えられますが、交渉や資料準備などを自分で担う範囲は広がるため、支援の手厚さとのバランスで選びます。
複数社の比較は、中小企業庁のガイドラインも重要性を指摘しています。ガイドラインは、成功報酬の報酬率・報酬基準額・最低手数料の額・報酬の発生タイミングといった算定基準を確認し、「複数の仲介者・FAの手数料を比較検討することが重要である」としています。
出典・参考資料(1件)
事業承継・M&A補助金で費用の一部を賄う
M&Aにかかる仲介・FAの手数料は、国の補助金の対象になる場合があります。「事業承継・M&A補助金」の専門家活用枠では、仲介・FAの手数料やデューデリジェンス費用などの一部が補助されます。2026年9月時点で公募されている専門家活用枠(第16次公募)のうち、売り手向けの区分は次のとおりです。
- 売り手支援類型:補助上限600万円(デューデリジェンス費用を申請する場合は200万円を加算し、最大800万円)、補助率1/2または2/3
- 小規模売り手支援類型:補助上限450万円、補助率2/3
補助率が2/3になるのは、赤字である場合や、物価高などの影響で営業利益率が低下している場合などの要件を満たすときです。補助上限額・補助率・公募の区分は年度ごとに見直されるため、申請時は最新の公募要領を確認してください。
また、この補助金には利用先に関する条件があります。手数料の補助を受けられるのは、あらかじめ「M&A支援機関登録制度」に登録した仲介・FAの支援に限られます。中小企業庁は登録制度と補助金の関係を次のように説明しています。
本登録制度に登録しなくても、仲介業務やFA業務を行うことは可能ですが、令和5年9月現在、事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)において、M&A支援機関の活用に係る費用(仲介又はFAの手数料)の補助については、予め登録制度に登録した支援機関の提供する支援に係るもののみを補助対象としております。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)に関するQ&A|中小企業庁
依頼先が登録制度に登録されているかどうかは、補助金を使ううえで確認しておきたいポイントです。
出典・参考資料(2件)
相談・見積もり前に確認したいチェックリスト
手数料を比較するには、成功報酬の料率だけを見ても不十分です。中小企業庁のガイドラインは、契約前に確認すべき手数料の算定基準として、次の項目を挙げています。
成功報酬において採用される報酬率、報酬基準額(譲渡額/純資産/移動総資産等)、最低手数料の額、報酬の発生タイミング(着手金/月額報酬/中間金/成功報酬)といった手数料の算定基準を確認し、複数の仲介者・FAの手数料を比較検討することが重要である。
出典:中小M&Aガイドライン(第3版)第69頁|中小企業庁
これを見積もりの確認項目に置き換えると、次の4点になります。相談前にこの観点を持っておくと、提示された金額が妥当かを自分で判断しやすくなります。
- 報酬率:レーマン方式か、それ以外か。各階層の料率はどうなっているか
- 報酬基準額:譲渡額・純資産・移動総資産のどれを基準にするか
- 最低手数料の額:自社の売却規模だと、料率計算と最低手数料のどちらが適用されるか
- 費用の発生タイミング:着手金・月額報酬・中間金の有無と、成功報酬の支払い時期
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売り手側に立って進めるM&A支援サービス
ここまで整理してきたとおり、売り手の手数料負担は「完全成功報酬型か」「報酬基準額は何か」「売り手だけに立って動いてくれるか」で変わります。ここでは、売り手側の立場に専念し、料金体系が明快なM&A支援サービスを、一般的な仲介会社の相場と並べて紹介します。まずは特徴を比較表で確認し、続けて詳細を見ていきます。
| 比較項目 | M&A Lead | 一般的な仲介会社(相場) |
|---|---|---|
| サービス形態 | 売主専門(セルサイド専任・片手取引) | 仲介(両手取引が一般的) |
| 手数料を払うのは誰か | 売り手のみ | 売り手・買い手の双方 |
| 着手金 | 0円 | 無料〜200万円程度(有無は会社による) |
| 中間金 | 0円 | 成功報酬の10〜20%程度(有無は会社による) |
| 月額報酬 | 0円 | 無料〜月数十万円程度(設定しない会社もある) |
| 成功報酬の体系 | 完全成功報酬制(レーマン方式1〜5%) | 成功報酬(レーマン方式)。着手金・中間金と併用のことも |
| 報酬基準額 | 譲渡対価(株価ベース) | 譲渡額・純資産・移動総資産など会社により異なる |
| 最低手数料 | 非公表(要問い合わせ) | 中央値500万円程度(会社により異なる) |
| 無料相談 | あり | あり(多くは無料) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式サイトをご覧ください |
M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Leadは、売り手(譲渡企業)だけと契約し、売り手の利益のために動く売主専門のM&Aアドバイザリーです。買い手からは手数料を受け取らない片手取引のため、譲渡価格や雇用条件、契約条件など、売り手にとって有利な条件の追求に専念できる立場を明確にしています。
料金は完全成功報酬制で、着手金・中間金・月額報酬はいずれも0円です(2026年9月時点)。成約したときにのみ、譲渡対価を基準としたレーマン方式(料率1〜5%)で成功報酬が発生します。
検討の初期段階で費用がかからないため、まず相談して費用感を確かめたい売り手に向く料金体系といえます。相談は無料で、全国からのオンラインでの相談にも応じています。
最低手数料は公式サイトでは公表されていません。とくに譲渡額が数千万円規模の小規模な売却では、料率で計算した成功報酬より最低手数料のほうが負担を決めることがあるため、依頼前に金額を確認しておくと安心です。
着手金・中間金がかからず売り手側に専念してくれる点は、手数料の見通しを立てやすくします。自社の売却規模での最低手数料や成功報酬の目安は、資料請求や無料相談で確かめてください。
ほかにも売り手の立場で相談できる依頼先を広く見比べたい場合は、M&Aアドバイザリー・FAを含む金融コンサル会社を、選び方や費用相場とあわせて比較した以下の記事も参考になります。
金融コンサル会社徹底比較|専門領域別おすすめ19選と選び方【費用相場も解説】
資金繰りや財務戦略、事業承継やM&Aといった経営の重要局面では、社内の知見だけで最適解にたどり着くのが難しい場面が少なくありません。「専門家に相談したいが、どの金融コンサルに頼めばよいのか分からない」と迷う方も多いでしょう。 金融コ…
まとめ
売り手が払うM&Aの手数料について、押さえておきたい点は次のとおりです。
- 成功報酬が中心:レーマン方式(5億円以下5%〜100億円超1%が一例)で計算し、譲渡額1億円なら税込550万円が目安
- 最低手数料に注意:中央値は500万円。小規模な売却ほど料率より最低手数料が効き、実質的な負担率が上がる
- 基準額で金額が変わる:譲渡額ベースより移動総資産ベースのほうが手数料は高くなりやすい
- 成功報酬以外の費用:相談料・着手金・中間金・月額報酬があり、総額で見積もる。買収監査費用は原則買い手負担
- 誰が払うか:仲介は売り手・買い手の双方、アドバイザリー(FA)は契約した一方のみ
- 抑える方法:完全成功報酬型・譲渡額ベース・最低手数料の低い会社を選び、複数社で比較。補助金の活用も検討する
自社の売却で想定される手数料の目安がつかめたら、料金体系が明快な依頼先の資料をまとめて取り寄せ、最低手数料や報酬基準額を並べて比較したうえで、相談・見積もりに進んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. M&Aの成功報酬とは何ですか?
A. M&Aの成功報酬とは、会社や事業の売買が成約したときに、売り手・買い手が仲介会社やアドバイザーに支払う手数料です。多くはレーマン方式(取引金額が大きくなるほど料率が下がる方式)で計算され、売り手が払う手数料のなかで最も大きな割合を占めます。着手金や中間金と違い、成約しなければ発生しないのが特徴です。
Q. M&Aの仲介手数料に消費税はかかりますか?
A. M&Aの仲介手数料には消費税がかかります。成功報酬や着手金などの手数料は課税対象で、税抜の金額に110%(消費税10%)を掛けた税込金額が請求されます。中小企業庁の中小M&Aガイドラインの計算例も、たとえば譲渡額1億円のケースで「1億円 × 5% × 110% = 550万円(税込)」と、消費税を含めた金額で手数料を示しています。本記事で示した金額も、すべて消費税10%込みです。
出典・参考資料(1件)
Q. 売り手が払ったM&Aの手数料は、税金の計算上どう扱われますか?
A. 株式譲渡で会社を売った個人株主の場合、支払った仲介手数料などは譲渡所得を計算するときの必要経費(委託手数料等)として差し引けます。株式などの譲渡による所得は、譲渡価額から取得費と委託手数料等の必要経費を差し引いて計算するため、支払った手数料はその分だけ税負担の計算上考慮されることになります。具体的な取扱いは個々の状況や税制によって変わるため、申告の前に税理士など専門家へ確認してください。
出典・参考資料(1件)
Q. M&Aの手数料に法的な上限規制はありますか?
A. M&Aの手数料の金額そのものを直接規制する法律はなく、料率や最低手数料は各社が自由に設定しています。仲介会社・アドバイザーごとに料率・報酬基準額・最低手数料が異なるのはこのためです。
ただし中小企業庁の中小M&Aガイドラインは、支援機関に対して手数料の算定基準を依頼者へ明確に説明するよう求めており、契約前に内容を確認できる環境は整えられています。提示された手数料が妥当かは、複数社の見積もりを並べて比較することで判断しやすくなります。
出典・参考資料(1件)
Q. M&Aの着手金は、成約しなかった場合や途中で解約した場合に返金されますか?
A. 着手金は、M&Aが成約しなかった場合や途中で契約を解約した場合でも、原則として返金されません。着手金は企業評価や資料作成など初期の作業に対する対価として支払うものだからです。不成約時の費用負担を避けたい売り手は、着手金・中間金がかからない完全成功報酬型を選ぶと、成約したときだけ費用が発生する形にできます。返金や違約金の扱いは会社ごとの契約条項によって異なるため、契約前に確認しておきましょう。
Q. M&Aの中間金は成功報酬に充当されますか?
A. 中間金は、多くの場合、最終的な成功報酬の一部前払いとして扱われ、成約時の成功報酬から差し引かれます。成功報酬に上乗せされる二重払いではなく、支払いのタイミングが前倒しになるものと考えるとよいでしょう。ただし充当の有無や、不成約となった場合に返金されるかは会社ごとの契約条項によって異なるため、依頼前に確認が必要です。
Q. 売り手が手数料をほとんど払わずにM&Aを進める方法はありますか?
A. M&Aマッチングプラットフォームには、売り手(譲渡側)の利用手数料を無料としているサービスがあります。買い手側から手数料を得る仕組みのため、売り手は登録や成約にかかる費用を抑えられます。一方で、仲介会社やアドバイザーに依頼する場合と比べ、交渉やデューデリジェンス対応などを自分で担う範囲が広くなる傾向があります。
手厚い支援を受けつつ費用も抑えたい場合は、着手金・中間金のかからない完全成功報酬型の仲介・アドバイザーを選ぶことで、成約するまでの費用負担を軽くできます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















