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M&Aマッチングサイト比較|手数料・案件数で選ぶ主要サイトと公的支援

M&Aマッチングサイト 比較のサムネイル画像

後継者が決まらないまま経営を続けている、あるいは事業を買って新しい柱をつくりたい。そう考えて相手探しの方法を調べると、仲介会社の最低手数料が数百万円から1,000万円台にのぼることが分かり、自社の規模に見合わないと感じた方も多いのではないでしょうか。

中小企業の後継者不在率は2025年時点で50.8%と改善が進む一方、経営者の年齢は60歳以上が過半数を占めたままです。引き継ぎ手段をこれから決める経営者は依然として厚く、費用を抑えて相手を探せるM&Aマッチングサイトの利用が広がっています。

出典・参考資料(1件)

ただしサイトごとに、掲載されている案件の規模も、売り手・買い手それぞれが払う金額も、担当者が付くかどうかも異なります。本記事では主要なM&Aマッチングサイト14サービスを、売り手・買い手を分けた手数料の実額と、案件数・会員数の時点付きの数値で比較します。無料で使える公的なマッチング支援も同じ物差しで並べ、サイトが向かないケースの判断材料まで整理しました。

また、立場や譲渡金額の見込みに合わせて候補を最短で絞り込めるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

M&Aマッチングサイトとは?

M&Aマッチングサイトは、事業を譲り渡したい側と譲り受けたい側が、オンライン上で条件の合う相手を探すためのプラットフォームです。中小企業庁の「中小M&Aガイドライン」では「M&Aプラットフォーム」という呼称が使われており、公的文書を参照する際はこの言葉が出てきます。

M&Aプラットフォームとは、インターネット上のシステムを活用し、オンラインで譲り渡し側・譲り受け側のマッチングの場を提供するウェブサイトをいう。
M&Aプラットフォーマーとは、M&Aプラットフォームを運営する支援機関をいう(利用対象者や提供されるサービスの内容は、各M&Aプラットフォーマーにおいて異なる。)。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)令和6年8月 p.18「用語集」|中小企業庁

従来、中小企業のM&Aは仲介会社やアドバイザーを通じて進めるのが一般的でした。マッチングサイトの普及により、売り手が支援機関に相当額の手数料を払えない規模であっても、相手探しに着手できるようになっています。

M&Aマッチングサイトでできること

売り手は会員登録のうえ、業種・地域・売上規模といった概要だけを匿名(ノンネーム)で掲載します。買い手はその条件で案件を検索し、関心を持った相手に打診を送ります。双方が交渉に進む段階で秘密保持契約(NDA)を締結し、そこで初めて社名や詳細な財務情報が開示される流れが一般的です。

ここで押さえておきたいのは、サイトが担うのは基本的に相手探しまでだという点です。中小企業庁は次のように整理しています。

また、一部のM&Aプラットフォームは、仲介者・FAや士業等専門家の紹介やITを活用した中小M&Aの手続の支援を行っているが、M&Aプラットフォームはあくまで譲り渡し側・譲り受け側のマッチングまでに留まることが一般的である。マッチング後の基本合意・最終契約締結や、これに関する条件交渉等の具体的な手続は、原則として、譲り渡し側・譲り受け側の当事者が行うことになる。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.59|中小企業庁

この違いから、企業価値の算定や条件交渉、契約書の作成といった工程は原則として当事者の側に残ります。サイトによってはアドバイザーの紹介や書類のひな形提供といった支援を用意していますが、どこまで面倒を見てくれるかはサービスごとに大きく異なります。

M&A仲介会社・FA(フィナンシャル・アドバイザー)との違い

相手探しを依頼する先には、マッチングサイトのほかにM&A仲介会社とFAがあります。両者の違いは、誰と契約して誰から報酬を受け取るかにあります。中小M&Aガイドラインは仲介者を「譲り渡し側・譲り受け側の双方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関」、FA(フィナンシャル・アドバイザー)を「譲り渡し側又は譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関」と定義しています。

M&Aマッチングサイト・M&A仲介会社・FAの立場の違いを示した図解。サイトは場を提供し当事者同士が直接やり取りする、仲介会社は売り手・買い手の双方と契約して双方から手数料を受け取る、FAは一方とだけ契約してその一方から手数料を受け取る

【仲介者】契約の相手方等:譲り渡し側・譲り受け側の双方と契約を締結する。双方から手数料の支払を受けることが通常である。
特徴:譲り渡し側・譲り受け側双方から依頼を受けているため、いずれか一方の利益のみを優先的に取り扱うことはできないものの、双方の意向を一元的に把握し、双方の共通の目的であるM&Aの成立を目指し、助言や調整を行う。
【FA】契約の相手方等:譲り渡し側・譲り受け側の一方と契約を締結する。その一方から手数料の支払を受ける。
特徴:一方当事者のみから依頼を受けているため、依頼者の意向を踏まえて、依頼者にとって有利な条件でのM&Aの成立を目指し、助言や調整を行う。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.42「仲介者・FAの比較」|中小企業庁

マッチングサイトはこのどちらとも異なり、場を提供する立場にあります。ただし境界は固定的ではありません。ガイドラインは、M&Aプラットフォーマーであっても仲介者と同様の業務を行う場合には、業務の性質・内容が共通する限りにおいて仲介者としてガイドラインの適用があるとしています。相手を提案してくれるタイプのサイトを使うなら、実質的には仲介やFAに依頼するのと近い関係に入ると考えておくのが安全です。

M&Aマッチングサイトの5つのタイプ

マッチングサイトは、扱う案件の金額帯、自分で相手を探すのか担当者が提案してくれるのか、特定の業種・資産に絞っているかによって性格が分かれます。まず自分がどの型を見るべきかを絞り込むと、比較の手間が大きく減ります。

M&Aマッチングサイトの5つのタイプを分類した図解。自分で相手を探すタイプは小規模・スモールM&Aと1億円超の案件も扱うタイプに分かれ、ほかに担当者が相手を提案してくれるタイプ、業種・資産に特化したタイプ、事業承継特化・公的支援のタイプがある
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特徴こんな企業に向く詳細
小規模・スモールM&Aを自分で探す譲渡金額が数百万円〜1億円程度の案件が中心。売り手・買い手が自分で検索して直接コンタクトを取る。運営は場の提供に徹し、費用は成約時の成功報酬か買い手の月額課金が中心。年商数千万円規模で、費用を抑えて幅広く相手を探したい売り手/小型案件を探す買い手比較表を見る
1億円超も扱い自分で探す一定規模以上の法人案件を扱い、審査を通った会員同士が直接交渉する。買い手は事業会社・投資家が中心で、売り手側の費用を無料にしている例が多い。年商1億円を超え、事業会社への譲渡を視野に入れる売り手/中堅規模の買収を狙う法人比較表を見る
アドバイザーが提案してくれる条件を登録すると、運営や提携アドバイザーが候補を探して提案する。自分で探す手間は減るが、担当者の力量に結果が左右されやすい。自分で案件を探し続ける時間がなく、提案を待ちたい売り手・買い手比較表を見る
業種・資産に特化Webサイト・EC事業や飲食店など特定の対象に絞ることで、その領域固有の評価軸や引き継ぎ実務に対応する。WebメディアやEC事業など、資産としての収益力を評価してほしい売り手比較表を見る
事業承継特化・公的支援後継者不在の中小企業・個人事業の引き継ぎに絞る。公的機関が運営するものは無料で、地域の支援機関と連携する。費用をかけずに始めたい小規模事業者/創業の手段として引き継ぎを考える個人比較表を見る

ここからは、それぞれの型がどのようなサイトなのかを解説します。

1. 小規模・スモールM&Aの相手を自分で探せるサイト

譲渡金額が数百万円から1億円程度までの案件を中心に扱う型です。売り手は登録料も掲載料もかからないケースが大半で、買い手が成約時の成功報酬か月額の会員費を負担する設計になっています。案件数と会員数がそのまま出会いの確率につながるため、登録者の規模が選定の中心的な判断材料になります。

交渉の主導権は当事者にあり、打診の送信から条件のすり合わせまで自分で進めます。時間は取られますが、その分だけ費用は抑えられます。

2. 1億円超の案件も扱い、自分で相手を探せるサイト

買い手を法人に限定したり、掲載前に審査を設けたりすることで、一定規模以上の案件が集まるようにしている型です。売り手の費用を無料にしたうえで買い手から成功報酬を取る設計が多く、最低手数料も100万円台から200万円台と、小規模向けのサイトより一段高く設定されています。

買い手側が自社の買収ニーズを掲載し、売り手がそこへ打診する逆方向の仕組みを採るサービスもあります。買い手の投資方針や過去の買収実績を先に確認できるため、相手の本気度を測りやすいのが利点です。

3. 登録するとアドバイザーが相手を提案してくれるサイト

条件を登録しておくと、運営側や提携する専門家が候補を探して提案してくる型です。案件を毎日チェックする必要がない代わりに、どのような相手が提案されるかは担当者のネットワークに左右されます。案件を一切公開せず、双方が承認するまで社名も伏せたままにする非公開型もこの型に含まれます。

M&A仲介会社が自社のプラットフォームとして案件検索を公開しているサービスも、実務上はこの型に近い動き方をします。案件は無料で見られても、交渉に進むと仲介契約を結ぶことになり、費用は仲介会社の水準になります。無料で案件を見られることと、安く進められることは別だと理解しておく必要があります。

4. 業種・資産に特化したサイト

飲食店やWebサイト・EC事業といった特定の対象に絞った型です。総合型のサイトでは値が付きにくい資産、たとえば店名やレシピ、検索流入を持つメディアの収益性などを評価軸として扱える点に価値があります。買い手側も同じ領域を探している人が集まるため、条件が合う相手に当たりやすくなります。

手数料の水準は扱う対象の規模によって大きく変わります。数十万円規模の案件が中心のサイトでは最低手数料が5万円台に設定されていることもあり、総合型より少額から使えます。同じサイトの中でも、当事者同士で直接交渉するプランと運営が仲介に入るプランで料率が分かれている場合があるため、どちらで進めるかを決めてから費用を見比べる必要があります。

飲食店に特化したサイトも存在しますが、飲食・食品の案件は総合型のサイトでも業種カテゴリのひとつとして扱われています。費用を先に横並びで比べたい場合は、料率と最低手数料を公開している総合型から当たるほうが判断しやすくなります。どのサービスが飲食を対応業種に挙げているかは、後段の比較表で確認できます。

5. 事業承継に特化したサイト・公的マッチング支援

後継者不在の中小企業や個人事業の引き継ぎに絞った型です。匿名を前提とする他の型と異なり、経営者の顔写真や創業の経緯まで実名で公開して後継者を募る民間サービスもあります。公的機関が運営するマッチング支援もこの型に含まれ、相談から引き合わせまで無料で利用できます。

5つの型に共通して押さえておきたいのは、同じ「マッチングサイト」でも交渉を始められる側や登録の経路が違うという点です。中小企業庁も、仕組みを理解したうえで使い分けるよう促しています。

一方、仕組みもM&Aプラットフォームによって違いがある。例えば、譲り渡し側・譲り受け側双方から交渉を始められるM&Aプラットフォームもあれば、譲り渡し側からしか交渉を始められないM&Aプラットフォームもある。また、当事者が直接登録・交渉できるM&Aプラットフォームもあれば、FAを介してのみ登録・交渉が可能なM&Aプラットフォームもある。したがって、各社の仕組みを理解した上で活用することが重要である。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.59|中小企業庁

海外企業との取引を扱うクロスボーダー向けのサイトもありますが、求められる支援の中身も費用の水準も国内の中小企業同士の引き継ぎとは異なります。国内で相手を探すのであれば、上の5つのタイプから選べば足ります。

自社に合うタイプを30秒で診断する

5つのタイプは重なる部分もあり、自社がどれに当てはまるかを読んだだけで判断するのは簡単ではありません。立場・想定金額・対象事業・進め方の4つに答えると候補が絞り込める診断を用意しました。

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売り手・買い手が払う手数料はいくらか

マッチングサイトを比べるとき、読者が最も知りたいのは結局いくら払うことになるのかという一点です。しかし料率だけを並べても負担額は見えません。中小企業庁も、報酬率だけでなく最終的に支払う金額そのものを確認するよう促しています。

特に、同水準の報酬率を採用する仲介者・FAであっても、最低手数料の額や報酬基準額が異なる場合、支払う報酬額に差異が生じる(例えば、報酬基準額として「移動総資産」が採用される場合、「譲渡額」、「純資産」が採用される場合よりも報酬額は高くなる。)。このため、単にレーマン方式の階層ごとの報酬率のみではなく、成立する譲渡額に応じて最終的に支払う報酬の絶対額を確認することが重要である。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.69|中小企業庁

売り手が払う費用

売り手側は登録から成約まで一切の費用がかからないサイトが多数を占めます。マッチングの場を提供する側にとって、案件が集まらなければ買い手も集まらないため、売り手を無料にして掲載数を確保する構造になっているためです。中小企業庁もこの傾向を明記しています。

現在、譲り渡し側について、M&Aプラットフォームを利用したマッチングに関し、一切の手数料が発生しないケースが多い。しかしながら、今後、M&Aプラットフォーム市場がより発展することにより、譲り渡し側の件数が増えてくれば、譲り渡し側においても手数料が発生するケースも増えてくる可能性はある。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.59「料金体系」|中小企業庁

ただし「売り手無料」がどの取引にも当てはまるわけではありません。無料をうたうサイトでも、会社ごと譲る株式譲渡では有償サポートの契約が必須になり、成約価格1,000万円未満でも220万円(税込)から発生する例があります。案件を公開せずに買い手を限定して進めるオプションを使うときだけ、売り手にも成約金額の5%(税込)がかかる例もあります。

アドバイザーが介在する型では、売り手側にもレーマン方式(譲渡金額の階層ごとに料率が下がる算定方式)の成功報酬と最低手数料がかかるのが通例です。最低100万円の成功報酬に成約基本料100万円が加わるもの、基本合意の時点で100万円からの報酬が発生したうえに成約報酬(譲渡金額4億円以下の部分は一律2,000万円)が続くもの、最低2,500万円のものまで幅があります。

どのサービスがどの水準かは、後段の比較表の「売り手の費用」「売り手の負担」の欄で確認できます。

整理すると、売り手が本当に無料で終えられるのは「場の提供に徹するサイトで、事業譲渡または一定の条件下の株式譲渡を、自分で交渉して成約させた場合」に限られます。無料と書かれていても、自分が想定している取引の形とプランで無料が適用されるかは、登録前に必ず確認してください。

買い手が払う費用

買い手側は成約時に成功報酬を払う形が中心です。着手金や中間金が発生しない完全成功報酬型が多く、料率は譲渡額の1.5%から10%程度に分布します。加えて、料率が低くても最低手数料が高ければ小型案件では負担が重くなるため、両方をセットで見る必要があります。

実際の最低手数料は、5万5,000円程度に設定されているサイトから、仲介会社が運営するサービスの2,500万円まで開きがあります。成功報酬をまったく取らず、月額3,980円から1万9,800円(税込4,378円から2万1,780円)の会員費だけで案件に打診できる料金モデルを採るサイトもあります。想定している譲渡金額によって、どの料金モデルが有利かは逆転します。

このレーマン方式については、ガイドラインが例として「5億円以下の部分=5%」から始まる表を示していますが、原文は「あくまで一例であり、各階層における価額・割合は各仲介者・FAにより異なる」と注記しています。一般的な相場として当てはめず、各サイトの料率表を個別に確認してください。

譲渡金額のモデルケースで見る負担額

中小M&Aガイドラインは、譲渡額2,000万円の株式譲渡が成立したケースとして、売り手は手数料なし、買い手は成功報酬3%・最低手数料30万円(税抜)で税込66万円という計算例を示しています。同じ金額でもサイトによって負担額がどう変わるかを、14サービスの料率と最低手数料から整理すると次のとおりです。料率や最低額を公表していないサービスも同じ表に並べています。

金額の3列は、いずれも買い手が成約時に負担する額です。売り手の負担は左端の列にまとめています。税の扱いは各社で異なり、税込で公表しているサービスと税別のサービス、明記のないサービスが混在します。金額を横に比べるときは「税の扱い」列もあわせて見てください。また、最低手数料が譲渡金額を上回るサービスは、その価格帯を実際には扱っていないと読むのが実務に近い見方です。

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サービス名BATONZ(バトンズ)TRANBI(トランビ)M&AナビスピードM&AM&AサクシードM&AクラウドMAfolova(マフォロバ)M&A支援センターSMARTfundbook(ファンドブック)ラッコM&Aサイトキャッチャーrelay(リレイ)事業承継マッチング支援
売り手の負担事業譲渡は無料
株式譲渡はプレミアムサポート必須で220万円(税込)〜
無料(登録・掲載・成約とも)無料(登録・掲載・成約とも)無料
※売り手側にFAが付いている案件では、そのFAへの報酬が別途発生する
無料(登録・掲載・成約とも)無料(登録・成約とも)無料(相談・企業価値の試算から成約まで)
※専門家の紹介を受ける場合は別途費用が生じることがある
着手金・中間金は0円
成約時に最低100万円からの成功報酬と、別途100万円の成約基本料
着手金・企業価値算定は無料
基本合意報酬が資産総額10億円以下で100万円(税別)、成約報酬は譲渡金額4億円以下の部分が2,000万円の固定額
最低2,500万円(譲渡対象資産額5億円以下の部分が一律。買い手とは区分が異なる)無料
※クローズド案件オプションを使う場合のみ成約金額の5%(税込)
直接交渉プランは無料
※仲介プランはレーマン方式・最低10万円(税込)
マッチングまで無料
※伴走支援は有料オプション
無料(譲渡希望・譲受希望とも)
買い手の料金の決まり方成約価格の2%(税込2.2%)と、価格帯ごとの最低料金のうち高い方成約手数料はなく、交渉できる案件規模で分かれた月額プランのみ買収対価の区分ごとの成約手数料。料率表は公式サイトに画像で掲載されており、テキストで公表された形では確認できない3,000万円以下の部分5%、3,000万円超1億円以下の部分3%、1億円超の部分1.5%と、最低20万円のうち高い方譲渡金額の2.0%と、最低200万円のうち高い方(月額費用のかからないプラン)2,000万円以下の部分10%、2,000万円超5億円以下の部分5%と、最低100万円のうち高い方成約時の成功報酬のみとされるが、料率と最低額は公式サイトでは確認できなかった最低手数料500万円から。詳細な料率表は公開されておらず、担当者への確認が案内されている基準が譲渡金額ではなく譲渡企業の時価総資産(のれん含む)のため、他社と同じ物差しでは並べられない譲渡対象資産額3億円以下の部分は2,500万円(最低手数料)、3億円超5億円以下の部分が5%成約金額の5%(税込)と、最低55,000円(税込)のうち高い方直接交渉プランで成約額(税込)の3%と、最低55,000円(税込)のうち高い方譲渡金額の8%(税込8.8%)と、下限35万円(税込38.5万円)のうち高い方譲受希望・譲渡希望とも利用は無料
譲渡金額500万円のとき38.5万円
(2.2%=11万円が最低料金38.5万円を下回るため)
0円
(月額4,378円のベーシックで交渉)
公式サイトの料金表(画像)で要確認25万円
(5%=25万円が最低20万円を上回るため)
200万円
(2.0%=10万円が最低200万円を下回るため)
100万円
(10%=50万円が最低100万円を下回るため)
非公開(登録前に問い合わせで確認)500万円
(最低手数料が譲渡金額と同額。この価格帯は実質的に対象外)
算定基準が異なるため同列に比較不可2,500万円
(3億円以下の部分は一律。この価格帯は実質的に対象外)
25万円
(5%=25万円が最低5.5万円を上回るため)
15万円
(3%=15万円が最低5.5万円を上回るため)
44万円
(8.8%=44万円が下限38.5万円を上回るため)
0円
譲渡金額2,000万円のとき77万円
(2.2%=44万円が最低料金77万円を下回るため)
0円
(月額10,780円のビジネスで交渉)
公式サイトの料金表(画像)で要確認100万円
(2,000万円×5%)
200万円
(2.0%=40万円が最低200万円を下回るため)
200万円
(2,000万円×10%)
非公開(登録前に問い合わせで確認)500万円
(最低手数料が適用される)
算定基準が異なるため同列に比較不可2,500万円
(3億円以下の部分は一律。この価格帯は実質的に対象外)
100万円
(2,000万円×5%)
60万円
(2,000万円×3%)
176万円
(2,000万円×8.8%)
0円
譲渡金額5,000万円のとき165万円
(2.2%=110万円が最低料金165万円を下回るため)
0円
(月額21,780円のエンタープライズで交渉)
公式サイトの料金表(画像)で要確認210万円
(3,000万円×5%+2,000万円×3%)
200万円
(2.0%=100万円が最低200万円を下回るため)
350万円
(2,000万円×10%+3,000万円×5%)
非公開(登録前に問い合わせで確認)500万円
(最低手数料が適用される)
算定基準が異なるため同列に比較不可2,500万円
(3億円以下の部分は一律。この価格帯も実質的に対象外)
250万円
(5,000万円×5%)
150万円
(5,000万円×3%)
440万円
(5,000万円×8.8%)
0円
税の扱い税込税込(月額)公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし税別公式に記載なし公式に記載なし税別公式に記載なし税込税込税込無料のため該当なし

金額は各社が公開している料率と最低手数料から算出したもので、実際の請求額は契約内容や譲渡スキームによって変わります。

金額が公表されていないこと自体も、選定の判断材料になります。登録前に実額を確かめられないサービスは、問い合わせに答えてもらえるかどうかも比較の対象になります。

「税の扱い:公式に記載なし」が多いのは、料率だけを掲げて税込・税別を明示していないサービスが実際に多いためです。税別表記なら消費税分だけ実際の請求額は増えます。問い合わせるときは「この料率は税込ですか、税別ですか」と一言添えるだけで、比較の前提がそろいます。

国自身も、支援機関ごとに算定方法が異なるため比較が容易ではないと認めています。2026年版の中小企業白書は「譲渡価額が同一である場合のM&A支援機関ごとの手数料を可視化し、M&A支援機関の間での手数料の比較可能性を高める方策等を検討する」と記しており、同じ譲渡金額で横並びに見ることが選定の要になります。

出典・参考資料(1件)

マッチングサイト以外にかかる費用

サイトに払う手数料だけで取引が完結するわけではありません。相手が決まった後には、財務や法務の調査、契約書の作成、株式や不動産の名義変更といった工程が続きます。これらを士業や専門業者に依頼すれば、その費用は別途発生します。

なお、譲り渡し側・譲り受け側とも、M&Aプラットフォームの利用とは別に、特にマッチング後の手続において、仲介者・FAや士業等専門家への依頼も行う場合には、これらについての手数料・報酬が別途、必要となる。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.59「料金体系」|中小企業庁

サイトの手数料が安いことを理由に選んでも、後工程を外部に委ねる前提であれば総額は変わりません。無料や低料率をうたうサイトを比べるときは、自分がどこまで自力で担えるかとあわせて見積もってください。

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M&Aマッチングサイトを使うメリット

仲介会社の最低手数料が発生せず、小規模な案件でも費用が見合う

仲介会社に依頼する場合、譲渡額が小さくても最低手数料が発生するため、小規模な取引では手数料が譲渡額に対して重くなります。マッチングサイトでは売り手の費用がかからない設計が多く、この構造上のハードルを避けられます。中小企業庁も、マッチングのために相当額の手数料を払う資力のない小規模な事業者にとって中小M&Aの可能性が大きく広がったと評価しています。

地域・業種を越えて相手候補を探せる

取引先や金融機関の紹介に頼る場合、候補は近隣の同業に偏ります。オンラインで案件を公開すれば、接点のなかった地域や異業種の相手からも打診が届きます。買い手側も、従前はM&A専門業者しか接触できなかった案件情報に直接触れられるようになりました。

当事者同士で直接やり取りでき、交渉のテンポが上がる

仲介者を挟むと、条件のすり合わせは担当者を経由します。マッチングサイトでは経営者同士が直接メッセージを交わせるため、意思決定の往復が減り、相手の考え方や事業への姿勢も早い段階で確かめられます。

出典・参考資料(1件)

M&Aマッチングサイトのデメリットと注意点

費用と選択肢の広さと引き換えに、当事者が負う負担とリスクもあります。登録前に把握しておきたい点を4つに分けて説明します。

匿名掲載でも会社が特定されうる条件

ノンネームでの掲載は社名を伏せる仕組みですが、掲載する情報の粒度によっては個者が推測される余地が残ります。中小企業庁は、開示範囲を慎重に検討するよう明確に促しています。

ノンネーム情報であったとしてもインターネットの特性上、個者が特定されるリスクを踏まえ、自社の情報をどの程度まで開示対象とするか慎重に検討しておく必要がある。
〔中略〕
万が一、一度でもインターネット上に情報が流出してしまうと、それを完全にインターネット上から消去することは困難であるため、ある程度は公開されても受忍できる程度の情報しか掲載しないといった慎重な姿勢が望まれる。この点は、インターネット上でオープンに公開されていない、閉じられた(クローズドな)M&Aプラットフォームであったとしても同様である。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.58「情報の取扱い」|中小企業庁

非公開型のサイトを選べば安全というわけではない、と国が明記している点は見落とされがちです。従業員や取引先に知られたくない段階であれば、掲載する情報は公開されても受け入れられる範囲に留め、詳細は秘密保持契約の締結後に開示する運用を徹底してください。

掲載の形式と、実名や詳細が相手に渡るタイミングはサービスごとに違います。従業員や取引先に知られたくない段階では、ここが費用より先に効く判断材料になります。

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サービス名BATONZ(バトンズ)TRANBI(トランビ)M&AナビスピードM&AM&AサクシードM&AクラウドMAfolova(マフォロバ)M&A支援センターSMARTfundbook(ファンドブック)ラッコM&Aサイトキャッチャーrelay(リレイ)事業承継マッチング支援(日本政策金融公庫)
掲載形式ノンネーム(匿名)掲載ノンネーム(匿名)掲載匿名掲載匿名掲載ノンネーム(匿名)掲載買い手が自社の買収ニーズを実名で掲載し、売り手がそれを見て打診する非公開型(案件をサイト上に一切公開しない)公式に明記なし匿名化・編集して掲載案件IDのみのノンネーム掲載匿名で案件を閲覧できる公式に明記なしオープンネーム(実名公開)ノンネーム情報に加え、オープンネーム(実名)情報も掲載。検索できるのは業種・地域・売上高・営業利益・純資産のレンジ
実名・詳細が開示されるタイミング売り手が実名開示に同意した後に実名交渉へ進む。掲載から実名交渉・トップ面談までは無料初期は業種・規模・地域などの抽象情報のみ。双方の関心が一致した段階でNDAを締結して実名交渉へ買い手の交渉リクエストを売り手が承諾し、NDAを締結した後に社名・決算数値を開示売り手が「実名開示」の操作を行い、買い手が秘密保持の誓約に同意した時点で実名が開示される買い手は社名を知らないまま秘密保持を誓約して交渉リクエストを送る売り手側の匿名掲載・NDA締結のフローは公式に明記なし双方が関心を示して承認した後に企業名等を開示。交渉段階への移行時にNDAを締結。連絡先は相手に直接共有されない初期相談段階での秘密保持をFAQで案内。掲載形式・開示タイミングの明記は確認できず業種・所在地・売上高・概要までは検索で確認できる。詳細の開示は問い合わせ(仲介の申込み)以降で、NDA締結の時点は公式に明記なしNDA締結のフロー・タイミングは公式に明記なし詳細な収支・アクセスデータ・SNS運用データは交渉の承認後に開示掲載ルールとしての匿名化・NDA締結フローは公式に明文化されていない会社名・所在地・代表者の実名や顔写真を含む記事を公開して後継者を募る登録済みの利用者がマッチング希望フォームから申し出て、公庫が引き合わせる
会員の審査・限定公開会員登録時に本人確認あり公式に明記なし本人確認・反社チェック済みの会員に限定して公開できる公式に明記なし買い手の登録を法人に限定公式に明記なし買い手の登録を法人に限定公式に明記なし公式に明記なし会員登録すると非公開案件も閲覧できると案内本人確認・SMS認証あり。登録案件は運営が審査して掲載可否を判定。クローズド案件オプションでは公開先を本人確認・SMS認証済みの法人に限定できる公式に明記なし一般公開と会員限定公開を選べる(会員の審査基準は公式に明記なし)利用には事前の登録が必要

買い手の本気度や資金力が見えにくい

登録のハードルが低いことは、裏を返せば実際に買う意思や資金の裏付けがない相手からも打診が届くことを意味します。中小企業庁はサイト運営者に対して、掲載案件の実在性を法人番号等で確認する仕組みづくりや、掲載事業者の意思確認を確実に行うことが望ましいとしています。この確認体制はサイトによって差があるということでもあります。

打診を受けたら、買い手の事業内容と過去の買収実績、資金調達の方法を早い段階で確認し、条件交渉に進む相手を絞り込むことが必要になります。

交渉力の差で売り手が不利になりやすい

売り手にとってM&Aは一生に一度の取引であるのに対し、買い手側は複数の案件を並行して検討していることが少なくありません。経験の差は、譲渡価格や表明保証の範囲、引き継ぎ後の役員処遇といった条件に表れます。

アドバイザーが介在するタイプを選ぶ場合も、その担当者が双方から報酬を受け取る仲介者なのか、自分だけの側に立つFAなのかで立場は変わります。ガイドラインは仲介者について、双方から依頼を受ける構造に利益相反のリスクがあると指摘したうえで、利益相反が直ちに違法となるものではないとも述べています。どちらの立場の相手と契約しているのかを、契約前に確認しておくことが必要です。

マッチング後のデューデリジェンス・契約実務は自力で担うことになる

相手が決まった後の工程は、原則として当事者に残ります。デューデリジェンス(買い手が行う財務・法務・事業の調査)、企業価値の算定、基本合意書と最終契約書の作成、許認可の承継手続きといった実務を、経験のない当事者だけで進めるのは負担が大きいのが実情です。

中小企業庁も、当事者が中小M&Aに関する知見を有していないことが多いことから、事業承継・引継ぎ支援センターや士業等専門家等の支援機関による支援を受けながら手続を進めていくことが望ましいとしています。

簿外債務の有無や、キーマンとなる従業員の継続意思、主要取引先との契約が承継できるかといった論点は、専門家の関与なしに判断すると引き継ぎ後に問題が表面化しかねません。

出典・参考資料(3件)

M&Aマッチングサイトの選び方

比較表を読む前に、どの軸で優劣がつくのかを押さえておくと判断が早くなります。中小企業庁も、サイトごとの差を理解したうえで複数を比べるよう促しています。

各M&Aプラットフォームにおいて、登録案件数、登録が必要な情報の種類、登録された情報が開示される範囲や、マッチング後の支援の有無・内容等には差異があるので、数社を比較検討することが望ましい。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.43|中小企業庁

案件数・会員数が自分の条件で足りているか

登録者数の総数が多くても、自分の業種・地域・金額帯で動いている案件が少なければ相手は見つかりません。たとえば会員数30万人という数字は、建設業で年商3億円のオーナーに相手がいるかまでは答えてくれません。

金額帯は、成約データを公開しているサービスであれば事前に見当づけられます。「成約の何割が譲渡金額1億円以上か」「掲載案件の価格帯の分布」「成約譲渡企業の年商」といった数字を出しているサイトなら、自分がその層に入るかを登録前に判断できます。公的支援も成約先の規模を公表しており、小規模側に厚みがあるかどうかを同じように確かめられます。

業種の内訳まで公開しているサービスは多くありません。検索ページで業種別の件数を示しているサイトもあれば、対応業種の数だけを掲げるサイト、特定の資産(Webサイト・EC事業など)に専門化していて実質的に全件が該当するサイトもあります。どのサービスがどの規模帯・業種に厚いかは、次の比較表の「得意な領域」列で並べています。

これら以外のサービスは業種別の内訳を公表していないため、登録前に案件検索で自分の業種・地域・金額帯を指定し、ヒット件数を数えるのが確実です。売り手の場合は、買い手会員の数と、その買い手がどの業種を求めているかが判断材料になります。

あわせて確認したいのが、掲載されている案件が生きているかどうかです。中小企業庁はサイト運営者に対し、掲載案件の実在性と進捗状況を確認することが望ましいとしています。掲載件数が多くても、成約済みや検討を取りやめた案件が残ったままでは、打診が空振りに終わります。

出典・参考資料(1件)

手数料の内訳と利益相反が説明されているか

ここで見るのは料率の高低ではなく、開示のされ方です。中小M&Aガイドラインは、仲介者・FA向けの章とは別に、マッチングサイトの運営者そのものに向けた章を設けています。

M&Aプラットフォームの仕組みや情報の開示範囲、料金体系等を含むサービス内容は、M&Aプラットフォームによってそれぞれ違いがある。M&Aプラットフォーマーは利用者が安心してM&Aプラットフォームを活用できるよう、当該M&Aプラットフォームのサービス内容を分かりやすく明確に表示し、利用者がサービス内容を真に理解してM&Aプラットフォームを活用できるよう努めるべきである。

出典:中小M&Aガイドライン(第3版)p.131 第2章Ⅵ3「中小M&A支援に関する留意点」|中小企業庁

料率だけを大きく掲げ、最低手数料や報酬の基準額が問い合わせないと分からないサイトは、この「努めるべきである」に届いていません。登録前に、成功報酬の料率と基準額、最低手数料、費用が発生するタイミングが公開されているかを確認してください。

アドバイザーが介在するタイプを選ぶ場合は、契約段階での説明も判断材料になります。仲介契約・FA契約を結ぶ相手には、契約締結前に重要事項を書面で説明する義務があります。

説明すべき項目には、手数料の算定基準や最低手数料に加えて、双方から手数料を受け取る仲介者かどうか、セカンド・オピニオンの可否を左右する専任条項、契約終了後に手数料が請求されうるテール条項が含まれます。

国が公開しているチェックリストでは、テール条項の期間について2年から3年以内かという目安も示されています。

出典・参考資料(2件)

支援がどこから入るか(自分で探すのか、担当者が付くのか)

同じサイトの中でも、案件によって支援の入り方が違うことがあります。オーナーが直接掲載している案件、売り手側にFAが付いている案件、仲介会社が扱っている案件が同じ一覧に並ぶサービスもあるため、打診する前に、誰が相手方の窓口になるのかを確かめておく必要があります。

ここで関係するのが、国のM&A支援機関登録制度です。ガイドラインの遵守を宣言した仲介・FA業務の担い手が登録を受ける制度で、登録機関は手数料体系をデータベースで公表することに同意しています。ただし、この制度が全てのマッチングサイトに当てはまるわけではありません。

※M&Aマッチングサイトの登録代行を請け負うM&A支援機関は本登録をする必要はありません。また、M&Aマッチングサイトの提供のみを行うM&A支援機関(M&Aプラットフォーマー)は本登録をする必要はありません。

出典:M&A支援機関登録制度 公募要領(令和8年度)p.5「登録の対象者」|中小企業庁

場の提供に徹しているサイトが登録されていないのは制度上あたりまえで、登録の有無をサイト全般の信頼性の物差しにはできません。一方、アドバイザーが提案してくるタイプや仲介会社が運営するサイトは仲介・FA業務を伴うため、登録の有無と公表されている手数料体系が有効な確認手段になります。国自身も、登録支援機関であっても支援の質は異なるとの但し書きを付けています。

出典・参考資料(1件)

得意な業種・地域・譲渡規模が合っているか

サイトごとに集まる案件の性格は偏ります。飲食やWebメディアのように特化型が強い領域もあれば、製造業や建設業のように総合型のサイトに厚みがある領域もあります。譲渡金額の帯も、数十万円規模の小型案件が中心のサイトと、1億円を超える法人案件が並ぶサイトでは客層が違います。

自社の業種と金額帯で成約した事例が実際に載っているかを確認すると、机上のスペックよりも確実に判断できます。

成約実績が時点付きで公開されているか

累計成約件数や会員数を掲げていても、いつ時点の数字かが書かれていなければ現在の勢いは読み取れません。年度ごとの推移を公開しているサイトであれば、案件が増えているのか落ち着いているのかまで分かります。

数字の定義にも注意が必要です。同じ「登録数」でも、企業数を指すのか掲載中の案件数を指すのかでスケールは変わります。また、運営会社がM&A仲介事業も手がけている場合、公開されている成約件数がサイト経由のものか事業全体のものかで意味が違います。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】M&A仲介の資料を
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【比較表】主要M&Aマッチングサイトを手数料・案件数で比較

ここからは、自社の条件に合わせた比較・選定ができるよう、主要なM&Aマッチングサイト14サービスを5つのタイプ別にご紹介します。無料で利用できる公的なマッチング支援も、民間サイトと同じ項目で並べています。

規模帯の見当をつけたい場合は、成約データを公開しているサービスが手がかりになります。M&Aサクシードは2025年の成約で譲渡金額1億円以上が47%、譲渡企業の年商1億円以上が73%と中堅企業が中心です。逆にラッコM&Aは過去1年の案件の7割強が100万円未満(2026年8月時点)で、数十万〜数百万円の取引が主戦場になります。

公的支援では、日本政策金融公庫の成約累計331件のうち譲渡価格500万円以下が5割(中央値500万円)、事業承継・引継ぎ支援センターの成約譲渡企業は売上3,000万円以下が36.1%(令和6年度)と、いずれも小規模側に厚みがあります。

業種で絞りたい場合、内訳まで公開しているのはSMARTで、19業種のうち建設・土木70件、製造66件が上位です(2026年8月19日時点、全387件)。relayは20業種以上、M&Aナビは13業種を対応業種として掲げ、スピードM&Aは飲食を含む12カテゴリで案件を分類しています。Webサイト・EC事業であればラッコM&Aとサイトキャッチャーが専門で、掲載案件のほぼすべてが該当します。

次の表を読むときの注意点が一つあります。各社が公表している「案件数・会員数」は、数える対象も公表時点もそろっていません。買い手の累積登録人数を出すサービス、登録ユーザーの者数を出すサービス、買収ニーズを登録した社数を出すサービス、掲載中の案件件数を出すサービスが混在し、時点も2021年2月から2026年8月まで開いています。

数字の大小をそのまま比べず、単位と時点をセットで見てください。公表時点が古いまま更新されていない数字は、現在の勢いを表していない可能性があります。

【タイプ別比較表】小規模・スモールM&Aの相手を自分で探せるサイト

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サービス名BATONZ(バトンズ)TRANBI(トランビ)M&AナビスピードM&A
運営会社株式会社バトンズ
(東証グロース上場)
株式会社トランビ株式会社M&Aナビ株式会社日本経営研究所
売り手の費用無料(登録・掲載・実名交渉・トップ面談まで)
※株式譲渡はプレミアムサポートの利用が必須で、成約価格1,000万円未満の場合220万円(税込)から
無料(登録料・掲載料・成約手数料とも不要)
※任意の伴走支援は成約時に一律30万円(税込33万円)
無料(登録・掲載・成約のいずれも不要)無料(着手金・中間金・月額手数料・成約手数料とも不要)
買い手の費用成約価格の2%(税込2.2%)
最低料金は1,000万円未満で38.5万円、1,000万〜5,000万円未満で77万円、5,000万円以上で165万円(いずれも税込)
成約手数料なし(月額課金制のため成約金額が大きくなっても手数料は増えない)成約時の手数料のみ(着手金なし)。料率は買収対価の区分ごとに公式サイトの料金表へ掲載成約時のみ。譲渡対価3,000万円以下の部分5%、3,000万円超1億円以下の部分3%、1億円超の部分1.5%(最低20万円)
※仲介・バイサイドFA案件はアドバイザーへの仲介手数料が別途発生する場合がある
月額・初期費用なし
※任意の月額会員プランは税込10,780円から
買い手は月額制。〜500万円が税込4,378円、〜3,000万円が税込10,780円、上限なしが税込21,780円。6ヶ月単位の自動更新なしなし
案件数・会員数交渉可能な譲渡希望案件1万673件
買い手の累積登録30万3,275人
(いずれも2026年2月末時点)
常時掲載3,500件以上(2026年8月時点)
登録ユーザー22万者超(2026年2〜3月時点)
公式に非公開(2026年8月時点)累計掲載案件1,000件・登録者8,000件(2021年2月時点)
※トップページの数値には時点の記載がない
支援の入り方自分で探して直接交渉。提携M&A支援機関1,884社(2026年2月末時点)や運営コンサルタントの有償サポートを任意で追加できる自分で探して直接交渉。掲載文の作成や買い手対応を任せる有償の伴走支援を任意で追加できる自分で探して直接交渉。運営からの個別の案件紹介は行わないと公式に明記案件により異なる。オーナーが直接掲載した案件、売り手側にFAが付く案件、仲介・バイサイドFA案件が同じ一覧に並ぶ
得意な領域業種の特化なし。料金表が数百万円規模から3億円以上まで段階的に用意されている数十万円から数億円まで。小規模案件・個人事業の事業承継の実績が多いと公式に説明IT・飲食・卸売・製造・建設など13業種以上。個人・有限会社・医療法人・合同会社でも登録できるWebサイト・IT、飲食、卸売・小売、介護・福祉・医療、建設・不動産など12カテゴリ
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】1億円超の案件も扱い、自分で相手を探せるサイト

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サービス名M&AサクシードM&Aクラウド
運営会社株式会社M&Aサクシード
(Visionalグループ)
株式会社M&Aクラウド
売り手の費用無料(登録料・掲載料・成約時手数料とも不要)。専任コンシェルジュの伴走も無償無料(登録から成約まで不要)
買い手の費用成約時に譲渡金額の2.0%(最低200万円)。月額費用のかからないプランの場合(2026年8月時点)買い手向け利用規約の料率で、対価2,000万円以下の部分10%、2,000万円超5億円以下の部分5%と段階的に下がり100億円超の部分は1%。最低手数料100万円(税別)
月額・初期費用なし(月額費用のかからないプラン。交渉リクエストは20通まで、契約期間は6ヶ月の自動更新)掲載プランの初期費用は要お問い合わせ
※クローズドプランは初期費用・月額とも無料
案件数・会員数譲渡・売却希望4,287件
譲受・買収希望10,807件
(いずれも2026年8月19日時点)
売り手8,900社以上
買い手3,100社以上
(いずれも2026年8月19日時点)
支援の入り方買い手は自分で探して交渉リクエストを送る。売り手側には専任コンシェルジュが無償で付く買い手が買収ニーズを掲載し、売り手が直接打診する。打診先の選定はアドバイザーに無料で相談できる
得意な領域全業種。2025年の成約は47%が譲渡金額1億円以上、80%が都道府県をまたぐ組み合わせ(2026年2月発表)。買い手は法人限定成約事例はIT・スタートアップ系が中心。売り手は個人事業主でも登録できる
詳細情報公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】登録するとアドバイザーが相手を提案してくれるサイト

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サービス名MAfolova(マフォロバ)M&A支援センターSMARTfundbook(ファンドブック)
運営会社マフォロバ株式会社
(名南M&A株式会社の完全子会社)
ブティックス株式会社
(東証グロース上場)
株式会社ストライク
(東証プライム上場のストライクグループ傘下)
株式会社fundbook
(東証プライム上場の株式会社チェンジホールディングスの完全子会社)
売り手の費用無料(相談・企業価値の試算から成約まで不要)
※専門家の紹介を受ける場合は別途費用が生じることがある
着手金・中間金は無料。成約時に最低100万円からの成功報酬(譲渡金額2,000万円までの部分10%、1億円超5億円以下の部分5%と段階的に逓減)と、別途100万円の成約基本料着手金・企業価値算定は無料。基本合意報酬が資産総額10億円以下で100万円(税別)、成約報酬は譲渡金額4億円以下の部分が2,000万円の固定額着手金・中間金は無料。成功報酬は譲渡対象資産額5億円以下の部分が2,500万円、5億円超10億円以下の部分が4%
買い手の費用成約時の成功報酬のみ。料率と最低額は公式に非公開のため要お問い合わせ最低500万円から。詳細な料率表は公式に非公開のため要お問い合わせ譲渡企業の時価総資産を基準に、売り手と同じ料率表が適用される(基本合意報酬・成約報酬とも発生)着手金・中間金は無料。成功報酬は譲渡対象資産額3億円以下の部分が2,500万円、3億円超5億円以下の部分が5%
※合意により中間報酬が発生する契約形態を選ぶ場合がある
月額・初期費用なし(登録は無料)なしなし(案件の検索・閲覧は無料)なし
案件数・会員数登録数15,000社超
買い手候補企業のネットワーク9,000社以上
(いずれも2026年8月時点)
累計成約2,119件
買いニーズ登録19,000社以上
(いずれも2026年3月31日時点)
掲載案件387件(2026年8月19日時点)
買収ニーズ登録19,000社以上
公開されている案件一覧は134件(2026年8月19日時点)
買い手候補データベースは10万社規模(2026年1月発表)
支援の入り方条件を登録すると買い手側からオファーが届く非公開型。売り手には専任担当者が付く各業界の担当アドバイザーが買いニーズ登録をもとに決裁権限者へ直接打診する仲介型検索・閲覧までは自分で行い、詳細情報の開示や交渉からはストライクのアドバイザーが仲介として関与する100名以上のアドバイザーが相談から成約まで担当。AIマッチング「KEPL」で買い手候補を抽出する
得意な領域IT・Web、製造、建設・不動産、飲食、サービス、医療・福祉など複数業種。買い手は法人限定介護・障害福祉・保育・医療・調剤・建設・ITの7業種19業種・売上高1億円以下から100億円超まで。掲載は建設・土木70件、製造業66件が上位(2026年8月19日時点)業種特化の公表はなし(業界別の専門チームを設置)。中小・中堅企業のM&A仲介
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】業種・資産に特化したサイト

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サービス名ラッコM&Aサイトキャッチャー
運営会社ラッコ株式会社サイトキャッチャー株式会社
売り手の費用無料(査定・登録・交渉申込みとも不要)
※クローズド案件オプションを使う場合のみ成約金額の5%(税込)
直接交渉プランは無料(仲介手数料なし)
※仲介プランはレーマン方式の成功報酬(最低手数料10万円・税込)
買い手の費用成約金額の5%(税込)。5%が55,000円(税込)を下回る場合は最低手数料55,000円(税込)直接交渉プランは成約額(税込)の3%、最低紹介手数料55,000円(税込)
※仲介プランは売買金額100万円以下が一律10万円、100万円超は2,000万円以下の部分10%から1億円超5%まで逓減
月額・初期費用なしなし(月額費用・情報開示手数料とも無料)
案件数・会員数2025年の成約1,578件・成約金額11億5,184万8,782円
累計成約6,275件
(いずれも2025年12月末時点)
掲載435件、売買件数1,000件超、登録件数4,000件超、査定実績5,000件以上(いずれも2026年8月時点)
支援の入り方自分で探して直接交渉。査定・契約書の自動生成・電子契約・エスクロー決済をサイト内で完結できる売り手・買い手が直接交渉するプランと、仲介担当者が交渉を代行するプランから選べる
得意な領域Webサイト・EC・アプリ・YouTubeチャンネル・Amazonセラーアカウントなど。過去1年の案件は7割強が100万円未満(2026年8月19日時点)ウェブメディア・EC・YouTubeチャンネル・診断ツールやSaaSなどWeb事業。レンタルスペースなど実体のある事業も扱う
詳細情報公式サイト公式サイト

【タイプ別比較表】事業承継に特化したサイト・公的マッチング支援

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サービス名relay(リレイ)事業承継マッチング支援
運営会社株式会社ライトライト株式会社日本政策金融公庫
(国民生活事業)
売り手の費用無料(募集記事の作成・掲載・マッチングまで不要)
※マッチング後の伴走支援は有料オプション
無料
買い手の費用着手金・中間金は無料。成約時に譲渡金額の8%(税込8.8%)、下限35万円(税込38.5万円)
※後継者候補の人材採用として使う場合は無料
無料
月額・初期費用なし(会員登録は無料)なし
案件数・会員数累計案件950件以上(公式トップページ、2026年8月19日取得時点。掲載中の件数は782件)譲渡登録6,649件・譲受登録14,370件(令和8年〈2026年〉3月末時点)
令和6年度は引き合わせ709件・成約163件
支援の入り方運営が取材して実名の募集記事を作成・掲載し、専任スタッフが候補者とのやり取りを支援する登録後に後継者募集企業を検索し、専用フォームから申し出ると公庫が引き合わせる。契約実務は事業承継・引継ぎ支援センターへの取次ぎ
得意な領域全国47都道府県・20業種以上(飲食店、食品製造、建設、医療福祉、宿泊、農業など)。事業承継のほか居抜き物件・後継者候補の求人・機材譲渡も扱う15業種・全国7地域(沖縄県は対象外)。譲り渡し側は原則、公庫に事業資金の借入残高がある方(完済日から8年以内を含む)
詳細情報公式サイト公式サイト

※各社の公開情報をもとに作成しています。料金・案件数は変更される場合があるため、最新の内容は各社の公式情報をご確認ください。

主要M&Aマッチングサイトの個別紹介

比較表で候補を絞ったうえで、各サービスの中身を確認していきます。運営会社・売り手と買い手それぞれの費用・案件数や会員数・得意な領域・支援の入り方を、同じ項目で揃えてご紹介します。

小規模・スモールM&Aの相手を自分で探せるサイト

年商数千万円規模の事業を、費用を抑えて幅広い相手に見てもらいたい売り手と、小型案件を探す買い手に向いた4サービスです。

1. BATONZ(バトンズ/株式会社バトンズ)

BATONZ(バトンズ)の公式サイト

売り手・買い手・M&A支援機関の三者が同じプラットフォーム上で案件をやり取りする仕組みで、運営元の株式会社バトンズは2026年4月に東京証券取引所グロース市場へ上場しました。2026年2月末時点で買い手の累積登録数は30万3,275人、交渉可能な譲渡希望案件は1万673件です。

売り手は会員登録から案件掲載、実名交渉、トップ面談まで無料で進められます。ただし株式譲渡(会社譲渡)ではプレミアムサポートサービスの利用が必須とされており、成約価格1,000万円未満の場合で220万円(税込)から費用が発生します。

買い手は成約価格の2%(税込2.2%)を成約時に支払い、最低料金は1,000万円未満の案件で38.5万円、5,000万円以上で165万円(いずれも税込)です。案件探しと交渉は自分で進めるのが基本で、提携するM&A支援機関(2026年2月末時点で1,884社)や運営のコンサルタントによる有償サポートを追加することもできます。

2. TRANBI(トランビ/株式会社トランビ)

TRANBI(トランビ)の公式サイト

2011年7月に、売り手と買い手が仲介を介さず直接やり取りする形のM&Aプラットフォームとして始まったサービスです。登録ユーザー数は22万者超(2026年2月・3月の公式発表時点)、常時掲載されている案件は3,500件以上(2026年8月時点の公式サイト記載)と公表されています。

料金は2021年1月に成功報酬制から買い手の月額課金制へ切り替わっており、買い手に成約手数料はかかりません。月額は交渉できる案件規模で分かれ、500万円以内のベーシックが3,980円(税込4,378円)、3,000万円以内のビジネスが9,800円(税込10,780円)、上限のないエンタープライズが19,800円(税込21,780円)です。

売り手は登録料・掲載料・成約手数料のいずれもかかりません。掲載文の作成や買い手とのやり取りを専属担当者に任せたい売り手向けには、成約時に一律30万円(税込33万円)の有償の伴走支援も用意されています。なお買い手の月額プランは6ヶ月単位の自動更新で、更新月以外は解約・ダウングレードができない点に注意が必要です。

3. M&Aナビ(株式会社M&Aナビ)

M&Aナビの公式サイト

売り手が匿名で案件を掲載し、買い手が送った交渉リクエストを売り手が承諾すると社名や決算数値を確認できるようになる流れで進みます。会員登録の段階で本人確認と運営による反社チェックを行い、売り手はこれを済ませた会員に限って案件を公開できます(2026年8月時点)。

売り手は登録・掲載・成約のいずれも無料です。買い手も着手金と月額会員費はかからず、成約時の手数料だけが発生します。この成約手数料は2022年12月1日以降に実名交渉へ進んだ商談から適用されています。

料率は買収対価の区分ごとに定められていますが、公式サイトの料金表は画像で掲載されており、テキストとして公表された形では確認できません。登録前に実額を把握したい場合は、料金ページの画像を目視するか運営に問い合わせてください。

秘密保持契約の締結から交渉までをオンラインで完結でき、株式会社以外に個人・有限会社・医療法人・合同会社も登録できます。一方で運営からの個別の案件紹介は行っていないと公式に明記されており、相手探しは自分で進めることが前提です。会員数・案件数は公式には公表されていません(2026年8月時点)。

4. スピードM&A(株式会社日本経営研究所)

スピードM&A(SPEED M&A)の公式サイト

オーナーが自分で掲載した案件、売り手側にアドバイザーが付いた案件、仲介会社が扱う案件が同じ一覧に並ぶプラットフォームです。運営は株式会社日本経営研究所で、Webサイト・IT、飲食、卸売・小売、介護・福祉・医療、建設・不動産など12のカテゴリで案件を整理しています(2026年8月時点)。

売り手は基本サービス・着手金・中間金・月額手数料・成約手数料のいずれも無料です。買い手も着手金と中間報酬はかからず、成約時に譲渡対価3,000万円以下の部分5%、3,000万円超1億円以下の部分3%、1億円超の部分1.5%(最低20万円)を支払います。公式サイトには1億円で成約した場合に360万円という計算例が示されています。

気をつけたいのは、仲介・バイサイドFA案件ではこの成約手数料に加えて、案件のアドバイザーへの仲介手数料が別途発生する場合がある点です。公表されている実績は2021年2月時点の累計掲載案件1,000件・登録者数8,000件で、トップページに掲げられている案件数・会員数には時点の記載がありません。

1億円超の案件も扱い、自分で相手を探せるサイト

買い手を法人に絞る、あるいは掲載前に審査を設けることで、一定規模以上の案件が集まるようにしている2サービスです。

5. M&Aサクシード(株式会社M&Aサクシード)

M&Aサクシードの公式サイト

ビズリーチを運営するVisionalグループの株式会社M&Aサクシードが運営するプラットフォームで、旧称はビズリーチ・サクシードです。買い手として登録できるのは法人のみで、個人事業主や個人は買い手になれません。公式サイトに表示されている件数は、譲渡・売却希望が4,287件、譲受・買収希望が10,807件です(2026年8月19日時点)。

売り手は登録料・掲載料も成約時の手数料もかからないと案内されており、専任コンシェルジュによる伴走も無償です。買い手は月額費用のかからないプランがあり、成約時に譲渡金額の2.0%(最低200万円)を支払います。交渉リクエストは20通まで、契約期間は6ヶ月の自動更新です(2026年8月時点)。

買い手が匿名で掲載された案件へ交渉リクエストを送り、売り手が相手の情報を確認してから社名を開示するかを決める流れで進みます。2025年に成約した案件は47%が譲渡金額1億円以上、80%が都道府県をまたぐ組み合わせだったと公表されています(2026年2月発表)。

6. M&Aクラウド(株式会社M&Aクラウド)

M&Aクラウドの公式サイト

買い手企業が自社の買収ニーズを掲載し、売り手がその中から相手を選んで直接打診する形をとっています。運営は2015年設立の株式会社M&Aクラウドで、登録数は売り手8,900社以上・買い手3,100社以上です(2026年8月19日時点)。売り手は個人事業主でも登録できます。

売り手は登録から成約まで費用がかかりません。買い手の成功報酬は公式の買い手向け利用規約に定められた料率で、対価2,000万円以下の部分が10%、2,000万円超5億円以下の部分が5%と段階的に下がり、100億円超の部分は1%、最低手数料は100万円です。掲載プランの初期費用は公開されておらず、問い合わせが必要です。

この料率はプラットフォーム上で自ら相手を探す場合のものです。同社はアドバイザーが伴走する事業も別に運営しており、そちらは報酬の水準が異なる可能性があります。自分がどちらの経路で進めるのかを確かめたうえで料金を確認してください。成約事例にはIT・スタートアップ系の案件が目立ちます。

登録するとアドバイザーが相手を提案してくれるサイト

案件を自分で探し続ける時間が取れず、提案を受けながら進めたい方に向いた4サービスです。費用は仲介の水準に近づくため、支援の範囲とあわせた確認が欠かせません。

7. MAfolova(マフォロバ/マフォロバ株式会社)

MAfolova(マフォロバ)の公式サイト

2018年6月にエン・ジャパン株式会社の一事業として始まり、2024年10月に名南M&A株式会社(東証・名証メイン市場上場)の完全子会社となりました。登録数は15,000社超、買い手候補企業のネットワークは9,000社以上と公表されています(2026年8月時点)。

案件情報はサイト上に公開されず、条件を登録した売り手が買い手側からのオファーを受け取る形をとります。双方が承認した後に企業名などの詳細が開示され、交渉に進む段階で秘密保持契約を結びます。電話番号やメールアドレスが相手に直接共有されない点も明記されています。

売り手は相談から企業価値の試算、成約まで費用がかからないと案内されています(専門家の紹介を受ける場合は別途費用が生じることがあります)。買い手として登録できるのは法人のみで、費用は成約に至った場合の成功報酬だけとされています。料率と最低額の水準は、登録前に公式の料金の記載や運営への問い合わせで確認してください。

8. M&A支援センター(ブティックス株式会社)

M&A支援センターの公式サイト

介護・障害福祉・保育・医療・調剤・建設・ITの7業種を対象とする仲介サービスです。運営する東証グロース上場のブティックス株式会社は介護業界向け展示会CareTEXを手がけており、その来場者データベースを譲渡候補先の確保に活用すると説明しています。各業界の担当アドバイザーが決裁権限者へ直接打診する体制です。

売り手は着手金・中間金が0円で、成約時に最低100万円からの成功報酬と、別途100万円の成約基本料がかかります。成功報酬は譲渡金額2,000万円までの部分が10%、1億円超5億円以下の部分が5%と段階的に下がるレーマン方式です。買い手の最低手数料は500万円からで、詳細な料率表は公開されておらず、担当者への確認が案内されています。

成約までの期間について、公式のFAQで「平均しますと、3ヶ月~6ヶ月で譲渡が完了するケースが多いです。最短で1ヶ月で譲渡が完了する場合もございます。」と示しています。期間の目安を数字で公表しているのは、ここで取り上げた14サービスのなかでこのサービスだけです。

公式サイトには累計成約件数2,119件、買いニーズ登録19,000社以上と掲げられています(いずれも2026年3月31日時点)。ただしこの件数が総合サイト単独のものか、介護特化サイトを含む集計かは明示されていません。運営会社のIR資料では、M&A仲介事業全体の2026年3月期の成約組数を245組としています。

9. SMART(スマート/株式会社ストライク)

SMARTの公式サイト

掲載されている譲渡案件は387件で、建設・土木70件、製造業66件が上位を占めます(2026年8月19日時点)。売上高は1億円以下から100億円超まで6区分に分かれ、19業種を扱います。買収ニーズを登録している企業は19,000社以上です。運営は株式会社ストライクで、持株会社の株式会社ストライクグループが東証プライムに上場しています。

1998年に国内初のM&A仲介市場としてインターネット上に開設され、2026年7月にM&A担当者向けの意思決定支援プラットフォームとしてリニューアルしました。案件の検索と閲覧は無料ですが、詳細情報の開示や交渉には問い合わせが必要で、そこから先はストライクのアドバイザーが仲介として関与します。当事者だけで交渉が完結する形ではありません。

売り手は着手金と企業価値算定が無料で、費用は基本合意の締結時に発生する基本合意報酬(資産総額10億円以下で100万円、税別)から始まります。成約報酬は譲渡金額4億円以下の部分が2,000万円の固定額で、4億円超5億円以下の部分が5%、以降は段階的に下がります。買い手にも、譲渡企業の時価総資産を基準に同じ料率表が適用されます。

10. fundbook(ファンドブック/株式会社fundbook)

fundbook(ファンドブック)の公式サイト

2026年1月に提供が始まったAIマッチングシステム「KEPL」では、公開情報から10万社規模の買い手候補を横断分析し、最大300社との相性を評価すると案内されています。運営する株式会社fundbookは2017年設立のM&A仲介会社で、2024年12月から東証プライム上場の株式会社チェンジホールディングスの完全子会社です。

案件検索プラットフォーム「fundbook cloud」では、譲渡案件が案件IDのみの匿名で掲載されます。公開されている一覧で確認できるのは134件で、登録するとさらに非公開案件を閲覧できると案内されています(2026年8月19日時点)。100名以上のアドバイザーが業界特化のチームを組み、相談から成約まで担当します。

着手金と中間金は無料ですが、成功報酬の最低額は売り手・買い手とも2,500万円です。売り手は譲渡対象資産額5億円以下の部分が2,500万円、5億円超10億円以下の部分が4%、買い手は3億円以下の部分が2,500万円、3億円超5億円以下の部分が5%と定められています。買い手にはこのほか、合意により中間報酬が発生する契約形態を選ぶ場合があると注記されています。

業種・資産に特化したサイト

Webサイト・EC事業といったオンライン資産など、その領域固有の価値を評価してほしい方に向いた2サービスです。

11. ラッコM&A(ラッコ株式会社)

ラッコM&Aの公式サイト

Webサイト・ECサイトに加え、アプリやYouTubeチャンネル、Amazonセラーアカウントなども売買の対象としています。運営はラッコ株式会社で、査定から案件登録、契約書の作成、電子契約、代金を一時預かるエスクロー決済までを自社サイト内で完結させる設計です。2022年11月に中小企業庁のM&A支援機関に登録されました。

売り手は査定・登録・交渉申込みが無料で、手数料は買い手が成約時に負担します。料率は成約金額の5%(税込)で、5%が55,000円(税込)を下回る場合は最低手数料55,000円(税込)が適用されます。希望売却価格1,000万円以上の案件を法人限定で公開するクローズド案件オプションを使うときだけ、売り手にも成約金額の5%(税込)がかかります。

2025年の成約数は1,578件、成約金額は11億5,184万8,782円、累計成約数は6,275件と発表されています(2025年12月末時点)。過去1年間の案件を価格帯で見ると100万円未満が7割強を占め、1,000万円以上は3%未満です(2026年8月19日時点)。契約書は弁護士監修のひな形がサイト上で自動生成され、弁護士への無料相談も用意されています。

12. サイトキャッチャー(サイトキャッチャー株式会社)

サイトキャッチャーの公式サイト

売り手・買い手が直接交渉するプランと、仲介担当者が交渉を代行するプランの2つを用意しています。サービス自体は2005年6月の開設で、現在の運営はサイトキャッチャー株式会社(旧M&Aファースト株式会社、2021年3月に社名変更)です。エスクローと弁護士監修の契約書・秘密保持契約書のひな形は無料で利用できます。

案件一覧には、ウェブメディアやECサイト、YouTubeチャンネル、診断ツール・SaaSのほか、レンタルスペースなど実体のある事業も並びます。掲載件数は435件で、公式サイトには売買件数1,000件超、登録件数4,000件超、査定実績5,000件以上と記載されています(いずれも2026年8月時点)。

直接交渉プランは売り手・買い手とも月額費用と情報開示手数料が無料で、成約時は買い手だけが成約額(税込)の3%を負担します(最低紹介手数料55,000円・税込)。仲介プランは基本料無料のレーマン方式で、売買金額100万円以下は一律10万円、100万円超は2,000万円以下の部分が10%、1億円超の部分が5%まで段階的に下がります(最低手数料10万円・税込)。

事業承継に特化したサイト・公的マッチング支援

後継者不在の引き継ぎに絞ったサービスと、無料で利用できる公的なマッチング支援です。

13. relay(リレイ/株式会社ライトライト)

relayの公式サイト

匿名のノンネーム掲載を前提とする他サービスと逆に、譲り渡す側を実名で公開して後継者を募る「オープンネーム」型のプラットフォームです。会社名・所在地・代表者の実名と顔写真、創業の経緯や事業に込めた想いまでを運営元の株式会社ライトライトが取材して記事にし、掲載します。公開範囲は一般公開と会員限定公開から選べます。

売り手は募集記事の作成から掲載、譲渡が決まった際のマッチングまで費用がかかりません(マッチング後の伴走支援は有料オプション、人材採用として使う場合はマッチング手数料が発生します)。買い手も着手金・中間金は不要で、負担するのは成約時の手数料です。料率は譲渡金額の8%(税込8.8%)、下限35万円(税込38.5万円)で、後継者候補の人材採用として使う場合は無料です。

事業承継のほか、居抜き物件の引き継ぎ、後継者候補の求人、機材の譲渡も同じ場で扱います。対応は全国47都道府県、飲食店・食品製造・建設・医療福祉・宿泊・農業など20業種以上です。自治体や商工団体、事業承継・引継ぎ支援センター、金融機関など100以上の公的機関・支援機関と連携し、2021年10月に中小企業庁のM&A支援機関へ登録されています。

14. 事業承継マッチング支援(日本政策金融公庫)

事業承継マッチング支援(日本政策金融公庫)の公式サイト

政府系金融機関である日本政策金融公庫の国民生活事業が運営する、公的なマッチング支援です。登録すると、業種15区分・地域7区分に加えて売上高・営業利益・純資産のレンジで後継者募集企業を検索でき、気になる相手には専用フォームからマッチング希望を申し出て、公庫を通じて引き合わせてもらえます。

先に確認したいのは利用条件です。譲り渡し側は原則として公庫に事業資金の借入残高がある方(完済日から8年以内の方を含む)が対象で、借入残高がない場合も商工会議所・商工会や税理士等の紹介があれば利用できます。譲り受け側に事業規模の要件はありません。沖縄県は対象外で、沖縄振興開発金融公庫の窓口が案内されます。

費用は譲渡希望・譲受希望とも無料です。登録件数は譲渡登録6,649件・譲受登録14,370件(令和8年〈2026年〉3月末時点)、令和6年度は引き合わせ709件・成約163件の実績が公表されています。ただし、公庫が案内するのは申込手続とサービス内容までで、契約書の作成やデューデリジェンスを公庫が担うという記載は公式ページにありません。

公的マッチング支援と民間サイトの使い分け

ここまで見てきた民間サイトと同じ物差しで、無料で使える公的な窓口の中身と利用条件を整理します。費用をかけずに始めたい売り手にとっては、民間サイトと並ぶ現実的な選択肢になります。

日本政策金融公庫「事業承継マッチング支援」の仕組みと費用

日本政策金融公庫の国民生活事業が令和2年(2020年)4月から、沖縄県を除く各都道府県で実施しているマッチング支援です。後継者不在の小規模事業者から譲り渡しの希望を引き出し、譲り受けを希望する事業者や創業希望者の中から条件の合う相手を専任担当者が探して引き合わせます。

民間サイトとの違いが最もはっきり出るのは、成約している取引の規模です。制度開始からの成約累計331件について、譲渡側は年商5,000万円以下が約7割、譲渡価格は500万円以下が5割(中央値500万円)と公表されています。数百万円規模の引き継ぎが現実に成立している窓口であり、仲介会社の最低手数料が見合わない規模の売り手にとって有力な選択肢になります。

引き合わせの後、事業・株式譲渡の手続きで専門家の支援が必要になった場合は、事業承継・引継ぎ支援センターへの取次ぎが行われます。公庫が単独で契約実務まで担う仕組みではない点は、民間サイトと同じです。

出典・参考資料(2件)

事業承継・引継ぎ支援センター(後継者人材バンク)は全都道府県にある

事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設置する公的な相談窓口です。全47都道府県に48か所(東京都のみ2か所)が置かれ、地域金融機関の出身者や公認会計士・税理士・中小企業診断士・弁護士といった専門家が常駐しています。相談は無料で、他の仲介者・FAから受けた助言についてセカンド・オピニオンを求めることもできます。

令和7年度の実績は、新規相談者数が開設以来はじめて24,000者を超え、第三者承継の成約件数は2,265件でした。うち、創業希望者と後継者不在の事業者をつなぐ後継者人材バンクの成約は114件です。後継者人材バンクは主として個人事業者と、事業を営んでいない創業希望者のマッチングを担い、マッチングからクロージングまでの工程を支援します。

費用については、センターへの相談自体は無料である一方、センターから紹介を受けた民間の登録機関等に支援を依頼する段階では有料になります。無料という言葉を額面どおりに受け取らず、どこまでが無料でどこから費用が発生するのかを押さえておくと、後の想定外を避けられます。

出典・参考資料(2件)

民間サイトと公的支援を併用する場合の進め方

両者は排他的な選択肢ではありません。民間サイトで相手候補の幅を広げつつ、条件面の判断や契約実務の相談を公的窓口に持ち込む使い方ができます。センターには、連携M&Aプラットフォーマーとして登録された民間サイトを紹介する仕組みもあります。

費用をかけずに始めたい小規模な譲渡であれば公的窓口を起点にし、買い手の母数を増やしたい場合に民間サイトを併用する。この順序であれば、初期費用をかけずに選択肢を広げられます。

登録から成約までの流れ

登録した後に自分が何をすることになるのかを、時系列で確認しておきましょう。

掲載から成約までの期間を数字で公表しているサービスは、ほとんどありません。平均3〜6か月・最短1か月という目安を示しているのはアドバイザー提案型の1社だけで、ほかは他社との比較で「短い」と述べるにとどまり、算出根拠も業種・規模別の内訳も示されていません。

引退時期から逆算したい場合は、自分の業種・規模での実績期間を各社に問い合わせるのが確実です。工程そのものはどのサイトでも共通しているため、どこで時間がかかるのかは以下の流れから見当をつけられます。

M&Aマッチングサイトの登録から成約までの4ステップを示した図解。会員登録とノンネーム資料の作成、検索・打診とNDA締結までがサイトが担う相手探しの範囲で、面談・条件交渉と基本合意、デューデリジェンスから最終契約・引き継ぎは原則として当事者が行う

会員登録とノンネーム資料の作成

会員登録の後、売り手は掲載用の案件情報を作成します。業種・地域・売上規模・譲渡希望価格・譲渡理由といった項目を、社名が分からない粒度でまとめる作業です。ここで情報を絞りすぎると買い手の関心を引けず、詳しく書きすぎると特定の余地が生まれるため、開示範囲の設計がそのまま成否に効きます。

案件検索・打診とNDA締結

買い手は条件で案件を検索し、関心のある相手に打診を送ります。売り手は届いた打診の中から、事業内容や買収の目的を見て話を進める相手を選びます。詳細な情報を交換する段階で秘密保持契約を締結し、そこで社名や決算内容が開示されます。サイトによって、正式な契約書を交わす方式と利用約款への同意で担保する方式があります。

買い手側は、サイトごとに登録案件数や情報の開示範囲、マッチング後の支援内容が違うため、複数のサイトを見比べて候補の母数を確保するのが現実的です。

一方、売り手が同じ案件を複数の経路に出す場合は注意が必要です。同じ情報が同じ買い手に別々の経路から届くと、情報が出回っているように感じられて心証を害することがあり、秘密保持の面でも不利益が生じやすくなります。仲介契約やFA契約に専任条項がある場合は、重ねて依頼すること自体が難しくなる点もあわせて確認してください。

面談・条件交渉と基本合意

経営者同士の面談を経て、譲渡価格・譲渡の方式・従業員の処遇・引き継ぎ期間といった主要条件をすり合わせる段階に入ります。合意の見通しが立った段階で基本合意書を締結し、以降の独占交渉期間や調査への協力範囲を定めるのが一般的です。

デューデリジェンスから最終契約・引き継ぎまで

買い手が財務・法務・事業面の調査を行い、その結果を踏まえて最終条件を確定します。最終契約の締結後は、代金の決済、株式や事業用資産の名義変更、許認可の手続き、取引先や従業員への説明といった引き継ぎ作業が続きます。この工程はサイトの機能では代替できないため、必要に応じて士業や支援機関の関与を前提に日程を組んでください。

引き継ぎの手続きは、会社ごと譲る株式譲渡と、特定の事業だけを譲る事業譲渡のどちらを選ぶかで内容が変わります。

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個人・スモールM&Aでマッチングサイトを使う場合

マッチングサイトの普及によって、法人だけでなく個人が事業を買う動きも広がりました。ここでは個人の買い手と、小規模事業の売り手に向けた留意点を整理します。

個人が登録できるサイトの条件

個人の登録可否はサイトによって分かれます。買い手を法人に限定しているサービスがある一方、個人の売り手・買い手を明確に想定し、登録フォームも個人向けに用意しているサービスもあります。中小企業庁も、法人・個人を問わず閲覧・掲載が可能なサイトと法人のみに限ったサイトがあると注意を促しています。

14サービスについて、買い手として個人が登録できるかを横並びにすると次のとおりです。公式サイトに可否の記載がないサービスも少なくありません。

← 横にスクロールできます →
サービス名BATONZ(バトンズ)TRANBI(トランビ)M&AナビスピードM&AM&AサクシードM&AクラウドMAfolova(マフォロバ)M&A支援センターSMARTfundbook(ファンドブック)ラッコM&Aサイトキャッチャーrelay(リレイ)事業承継マッチング支援(日本政策金融公庫)
個人の買い手登録可可可可不可(法人限定)公式に明記なし不可(法人限定)公式に明記なし公式に明記なし公式に明記なし可公式に明記なし可可
確認できる根拠買い手は個人・法人とも登録可能。個人事業主も対象で、個人向け案件の一覧も別途用意されている(2026年8月時点)公式FAQに「個人の方も会員登録できます」と明記。副業・独立・移住目的の個人利用があると説明(2026年8月時点)公式FAQで個人でも会社・事業を買収できると説明。株式会社以外に個人・合同会社・医療法人でも登録可(2026年8月時点)個人事業主が売却側・買収側の双方で利用可能と公式サイトに記載(2026年8月時点)「法人限定M&Aプラットフォーム」を標榜し、個人事業主・個人は買い手として登録できないと公式に明記売り手は個人事業主も登録可(利用規約)。買い手側の個人登録可否を明示した記載は確認できず、登録フォームは会社名・役職の入力が前提買い手の登録フォームに「法人でのご登録をお願いいたします」と明記(2026年8月時点)公式サイト・FAQに個人利用の可否についての記載は確認できず利用者を法人に限定する記述も、個人利用を認める記述も確認できず(2026年8月19日時点)個人事業主が相談できることは確認できたが、個人が買い手として利用できるかを示す公式の記載は確認できず公式の成約案件分析レポートで買主の個人比率52.4%(2020年1月〜2021年4月の成約210件)登録ページ・FAQに法人限定の明記はないが、個人利用を認める公式の記載も確認できず(2026年8月19日時点)法人・個人の双方が譲り受け側として利用でき、個人向けの無料会員登録の導線が用意されている譲り受け側は創業・事業拡大を目指す個人・法人と公式に説明。譲り受け側に事業規模の要件はなし

「公式に明記なし」としたサービスは、個人が使えないという意味ではありません。登録前に問い合わせで確認するか、登録フォームの入力項目が法人情報を前提にしていないかを見ると判断がつきます。

個人で買う場合は、公的な選択肢も検討に入ります。前述の後継者人材バンクは創業希望者を対象にした仕組みで、ゼロから起業するより、既存の顧客と設備を引き継げる分だけリスクを抑えられます。

個人が買いやすい案件の傾向

個人が扱いやすいのは、少額で運営体制を引き継ぎやすい案件です。Webサイトやメディア、EC事業のようなオンライン資産は場所に縛られず、収益構造を数字で確認しやすいため、はじめての買収先として選ばれています。小規模な飲食店や地域密着の店舗も、設備と顧客をそのまま引き継げる点で候補になります。

公的な支援でも同様の傾向が見られます。公庫のマッチング支援では成約累計331件のうち譲渡価格500万円以下が5割を占め、事業承継・引継ぎ支援センターの成約先も売上3,000万円以下が36.1%、1億円以下まで含めると約7割です(成約累計331件は令和元年度〜令和6年度の累計、センターの規模分布は令和6年度)。数百万円規模の取引が実際に成立していることが、公的統計からも確認できます。

出典・参考資料(3件)

マッチングサイトが向いているケース・向かないケース

費用を抑えられることは大きな利点ですが、すべての取引に適しているわけではありません。どこで線を引くかを具体的な条件で整理します。

マッチングサイトで進めてよいケース

譲渡金額が数百万円から数千万円の規模で、株主が経営者一人か家族に限られ、事業の内容が第三者にも把握しやすい場合は、サイトで相手を探して問題ありません。手数料が仲介に依頼する場合より軽く、相手を自分で選べる利点がそのまま活きます。買い手として小型案件を探す場合も同様です。

また、まず市場の反応を見たいという段階でも有効です。無料で登録して打診の数を確かめれば、自社にどの程度の関心が集まるかを費用をかけずに把握できます。

専任のFA・仲介を検討すべきケース

次のような条件に当てはまる場合は、自分の側にだけ立つ専任のFAへ依頼したほうが、結果として条件も手取りも良くなることがあります。

  • 譲渡規模が大きく、交渉の巧拙が金額に効く:譲渡額が数億円規模になると、価格や表明保証の条件を詰められるかどうかで手取りが大きく変わります。ガイドラインも、譲渡額の最大化を特に重視し、厳格な入札方式による譲り渡しを希望する場合をFAの活用例として挙げています。
  • 株主が分散している:他の株主に対して最善の条件で譲渡したと説明する責任が生じるため、利益相反のおそれが生じない支援機関を選ぶ必要があります。ガイドラインは、経営者が株主等に対し最善のM&Aをしたと合理的に説明できるよう配慮する必要がある場合をFAの活用例としています。
  • 許認可の承継が絡む:事業譲渡の方式では許認可を取り直す必要が生じることがあり、手続きの順序を誤ると引き継ぎ日程そのものが崩れます。
  • 取引を極秘に進めたい:中小企業庁は「真に極秘で進めたい案件は、M&Aプラットフォームには向いておらず、仲介者・FAとの使い分けが必要になると思われる」と明記しています。
出典・参考資料(1件)

専任のFAに依頼する場合、依頼先が売り手と買い手のどちらの側に立つのかが最も重要な確認点になります。ここでは、売り手側だけを担当するFAの例をご紹介します。

M&A Lead(M&A Lead株式会社)

M&A Leadの公式サイト

売り手側にだけ就くことを前提に、M&A Lead株式会社が提供しているM&Aアドバイザリーです。売主・買主の双方から手数料を受け取る両手の仲介とは異なり、買い手からは手数料を受け取らず、売主からのみ成功報酬を受け取る片手取引をとっており、公式サイトでも自社をM&A仲介会社ではないと位置づけています。

相談は無料で、オンラインを含め全国に対応しています。着手金・中間金・月額報酬はいずれも0円の完全成功報酬制で、報酬は譲渡対価にレーマン方式の料率(1〜5%)を乗じて算出します。ただし譲渡対価の区分ごとの料率や最低報酬額は公式サイトに掲載がないため、自社の想定金額での試算は問い合わせて確認してください。

支援の範囲は、買い手候補の探索から条件交渉、成約後の統合作業(PMI)までです。探索では自社のアドバイザーに加えて、他社のM&A仲介会社や独立系アドバイザーとも連携するネットワークを使い、公式サイトでは「100を超えるM&Aネットワーク」と説明されています。公開されている成約事例は7件で、美容業や動物病院の事業承継から、売上約10億円規模の子会社譲渡、投資ファンドのイグジットまでを扱っています。

依頼先を選ぶ段階では、得意な領域と報酬の決め方を会社ごとに見比べることになります。次の記事では、M&Aや事業再生を含む専門領域別に主要な支援会社を整理し、契約形態や企業規模ごとの費用相場、仲介とFAの違いもまとめています。

まとめ

M&Aマッチングサイトは、仲介会社の最低手数料が見合わない規模の事業でも、費用を抑えて相手を探せる手段です。小規模な案件を自分で探す型、1億円超も扱う型、アドバイザーが提案してくれる型、業種や資産に特化した型、事業承継に特化した型と公的支援という5つの性格があり、自社の金額帯と探し方の希望によって見るべきサイトが変わります。

比較するときは、料率だけでなく最低手数料と報酬の基準額を含めた実額で、売り手側と買い手側それぞれの負担を確認してください。相談から引き合わせまで無料で使える公的な窓口も、条件が合えば有力な選択肢になります。一方、譲渡規模が大きい場合や株主が分散している場合、極秘に進めたい場合は、自分の側に立つ専任のFAへの依頼を検討したほうが結果につながります。

マッチングサイトで自分で探す道と、専任のFA・仲介に任せる道は、どちらか一方に決め打ちする必要はありません。サイトに登録して反応を見ながら、並行して専門家の条件を確かめておくと、打診が来なかった場合にも手が止まりません。

MCB FinTechカタログでは、M&Aアドバイザリー・FAの詳細な資料を無料で請求できます。手数料体系や対応する譲渡規模は各社の資料に記載されているので、マッチングサイトの費用と並べてご確認ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. M&Aマッチングサイトとは何ですか?

A. M&Aマッチングサイトとは、事業を譲り渡したい側と譲り受けたい側が、オンライン上で条件の合う相手を探すためのプラットフォームです。

中小企業庁の中小M&Aガイドライン(第3版)では「M&Aプラットフォーム」と呼ばれ、インターネット上のシステムを活用してマッチングの場を提供するウェブサイトと定義されています(p.18)。同ガイドラインは、サイトが担うのは譲り渡し側・譲り受け側のマッチングまでに留まることが一般的で、マッチング後の基本合意・最終契約や条件交渉は原則として当事者が行うことになるとしています(p.59)。

Q. M&Aマッチングサイトは無料で使えますか?

A. M&Aマッチングサイトの費用は、譲り渡す売り手側は手数料が発生しないケースが多く、買い手側は成約時に譲渡額の数%を支払う完全成功報酬型が中心です(中小M&Aガイドライン(第3版)p.59)。

ただし、その「無料」が自分の取引にも当てはまるとは限りません。株式譲渡で進める場合は有償サポートの利用を必須としているサイトがあり、サイト売買では売り手側にも成約金額の数%がかかるサービスがあります。アドバイザーが相手を提案してくれる型では、売り手側にもレーマン方式の成功報酬と最低手数料が発生するのが通例です。登録前に、自分が想定している譲渡の方式とプランで無料が適用されるかの確認が必要です。

Q. M&Aマッチングサイトは成約しなかった場合も費用がかかりますか?

A. M&Aマッチングサイトの費用は、完全成功報酬型であれば成約しない限り発生しませんが、買い手に月額会員費を課すサイトでは交渉が成立しなくても在籍期間分の費用がかかります。

月額課金型は交渉できる案件規模によってプランが分かれ、契約が6ヶ月単位の自動更新になっているサービスもあります。解約の申出期限と更新のタイミングは、登録する前に利用規約で確認してください。また、着手金・中間金が無料と書かれていても、アドバイザーが介在する型では基本合意の段階で報酬が発生する契約形態もあります。料率だけでなく、費用が発生するタイミングを契約前に確かめることが必要です。

Q. M&Aマッチングサイトは従業員や取引先に知られずに進められますか?

A. M&Aマッチングサイトは社名を伏せたノンネームでの掲載が基本ですが、掲載内容から会社が推測される余地は残るため、周囲に知られずに進められる保証はありません。

中小企業庁は、ノンネーム情報であってもインターネットの特性上は個者が特定されるリスクがあるとして、ある程度は公開されても受忍できる程度の情報しか掲載しない慎重な姿勢が望ましいとしています。これは、オープンに公開されていないクローズドなプラットフォームでも同様だと明記されています(中小M&Aガイドライン(第3版)p.58)。

掲載自体は取り下げられても、一度インターネット上に出た情報を完全に消すことは困難です。真に極秘で進めたい案件は、マッチングサイトではなく仲介者・FAとの使い分けを検討してください。

Q. M&Aマッチングサイトに掲載する譲渡価格の目安が分からない場合はどうすればよいですか?

A. 譲渡価格の見当がつかない場合は、無料の企業価値試算や公的窓口の相談で目安を得てから掲載するのが現実的です。

マッチングサイトの中には、掲載前の査定や企業価値の試算を売り手の負担なしで行うサービスがあります。どのサービスが対応しているかは、比較表の「売り手の費用」と「支援の入り方」の欄で確認できます。Webサイト・EC事業であれば、査定から契約書の作成、代金を預かるエスクロー決済までをサイト内で完結できるサービスもあります。

公的な窓口としては、全47都道府県に48か所ある事業承継・引継ぎ支援センターに無料で相談でき、他の支援機関から受けた助言についてセカンド・オピニオンを求めることもできます(中小M&Aガイドライン(第3版)p.25・p.60)。ただし、センターから紹介を受けた民間の登録機関等に支援を依頼する段階では有料になります。

価格の根拠(直近数期の利益水準、保有資産、継続している取引先との契約など)を自分の言葉で説明できる状態にしておくと、その後の交渉で条件が崩れにくくなります。

Q. M&Aマッチングサイトに掲載しても打診が来ないときはどうすればよいですか?

A. 打診が届かないときは、掲載しているノンネーム情報の粒度と、譲渡希望価格の設定をまず見直します。

情報を絞りすぎると買い手は関心の持ちようがなく、詳しく書きすぎると特定の余地が生まれます。顧客基盤・許認可・立地・継続契約といった自社の強みが、社名を伏せたまま伝わっているかを点検してください。それでも反応がなければ、自分の業種と金額帯で実際に成約が出ているサイトへ移すことや、公的なマッチング支援の併用も選択肢になります。

売り手が同じ案件を複数の経路へ同時に出すと、同じ買い手に別々の経路から情報が届いて心証を害することがあります。仲介契約・FA契約に専任条項がある場合は、重ねて依頼すること自体ができません。掲載先を増やす前に、契約内容と情報の広がり方の確認が要ります。

Q. 地方の中小企業でもM&Aマッチングサイトで相手は見つかりますか?

A. 地方の事業でも、地域を越えて買い手を探せることがM&Aマッチングサイトの利点で、成約の8割が都道府県をまたぐ組み合わせだったと公表しているサイトもあります。

取引先や金融機関の紹介に頼ると候補は近隣の同業に偏りますが、オンラインで案件を公開すれば接点のなかった地域や異業種からも打診が届きます。加えて、公的な窓口も全国に整備されています。

事業承継・引継ぎ支援センターは全47都道府県に48か所が置かれ、相談は無料です。日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援も無料で利用できますが、譲り渡し側は原則として公庫に事業資金の借入残高がある方が対象で、沖縄県は対象地域から外れています。

Q. M&Aマッチングサイトで相手が見つかった後、デューデリジェンスや契約書は誰に頼めばよいですか?

A. M&Aマッチングサイトが担うのはマッチングまでが一般的なため、その後の調査や契約実務は、当事者が士業等専門家や支援機関に依頼して進めるのが現実的です。

中小企業庁も、当事者が中小M&Aに関する知見を有していないことが多いことから、事業承継・引継ぎ支援センターや士業等専門家等の支援を受けながら手続を進めることが望ましいとしています。これらへの手数料・報酬は、マッチングサイトの利用料とは別に必要になる点も明記されています(中小M&Aガイドライン(第3版)p.59)。

サイトの手数料が安いことだけを理由に選ぶと、後工程の費用まで含めた総額では差がつかない場合があります。

Q. M&Aマッチングサイトは国のM&A支援機関登録制度に登録されていますか?

A. マッチングサイトの提供のみを行う事業者は、M&A支援機関登録制度の登録対象ではありません。

制度の公募要領(令和8年度)p.5は、M&Aマッチングサイトの提供のみを行う支援機関(M&Aプラットフォーマー)は本登録をする必要がないと明記しています。したがって、場の提供に徹しているサイトが登録されていないこと自体は制度上あたりまえで、登録の有無をサイト全般の信頼性の物差しにはできません。

一方、アドバイザーが相手を提案してくる型や仲介会社が運営するサイトは仲介・FA業務を伴うため、登録の有無と、登録機関が公表に同意している手数料体系が有効な確認手段になります。登録されていないサイトを選ぶ場合は、成功報酬の料率と報酬の基準額、最低手数料、費用が発生するタイミングが公式サイトで公開されているかを、代わりの判断材料としてください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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