自社のWebサービスやアプリ、ECサイトに決済機能を組み込みたいと考えたとき、「PaaS(決済API)」や「決済代行」という言葉が出てきて、どれを比べればよいか迷っていませんか。クレジットカードやコンビニ払い、口座振替といった多様な支払い方法に一つずつ契約して対応するのは現実的ではなく、開発工数やセキュリティ対応の負担も見過ごせません。
決済API(決済代行)は、こうした複数の決済手段をまとめて自社サービスに組み込み、入金管理まで代行する仕組みです。対応する決済手段の幅、開発のしやすさ、手数料、継続課金や越境決済への対応はサービスごとに差があり、自社のビジネスモデルに合った1社をどう選ぶかが導入の成否を分けます。
本記事では、主要な決済API(決済代行)14サービスをタイプ別に比較・解説します。対応決済手段や手数料といった基本情報に加え、開発ドキュメントの充実度・継続課金の柔軟性・PCI DSSなどのセキュリティ対応まで、自社サービスに組み込む視点での選定観点を整理しました。自社サービスに合う決済APIを選ぶための判断材料としてご活用ください。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
決済API(決済代行)とは?一般的なクラウドPaaSとの違い
まず、検索で混同されやすい言葉の違いを整理します。「PaaS(決済API)」という表記は、クラウドの基盤サービスであるPaaS(Platform as a Service)とは別物です。ここで扱う決済APIは、自社のサービスやアプリ、ECサイトに決済機能を組み込むためのAPIを提供する決済代行サービスを指します。
「PaaS(決済API)」という呼び方は、決済の基盤機能をクラウド経由でAPIとして提供することに由来します。本記事が扱うのはこの意味の決済APIです。
一般的なクラウドPaaSは、アプリケーションを動かすためのサーバーやデータベース、実行環境をインターネット経由で提供する基盤です。一方の決済API(決済代行)は、クレジットカードやコンビニ払い、口座振替、QRコード決済といった多様な決済手段への接続と、売上金の回収・入金までをまとめて担います。目的が「開発・実行の基盤」なのか「決済処理の代行」なのかという点で、両者ははっきり分かれます。
決済API(決済代行)を利用すると、各カード会社や決済事業者と個別に契約・接続する手間を1社との契約に集約でき、決済画面や入金管理の仕組みを自社でゼロから構築する必要がなくなります。決済代行事業者が加盟店とカード会社の間に立ち、取引の承認から売上処理、入金までを仲介するのが基本的な役割です。

タイプ別に見る決済API(決済代行)
決済API(決済代行)は、開発リソースの活かし方や事業モデルによって向き不向きが分かれます。ここでは、自社がどのタイプを選ぶべきかを見極めやすいよう、4つのタイプに分けて整理します。
開発の自由度で選ぶ・開発者向けAPIタイプ
豊富なAPIとSDK、整備された開発ドキュメントを活かして、決済フローを自社サービスに柔軟に作り込みたい事業者に向くタイプです。テスト環境やWebhookが充実しており、エンジニアが主体となって実装・運用を進める場合に力を発揮します。該当する主なサービスは、fincode byGMO・Stripe・PAY.JPです。
手軽に始めるスモールスタートタイプ
専任のエンジニアを置きにくい事業者でも、申し込みから利用開始までが速く、少ない開発で決済を導入できるタイプです。決済ボタンの設置や管理画面からの操作を中心に始められ、対面決済とオンライン決済を併用したい場合にも適します。該当する主なサービスは、Square・PayPalです。
越境EC・多通貨・多彩な決済手段タイプ
海外の顧客に販売する越境ECや、国内外の多様な決済手段に幅広く対応したい事業者に向くタイプです。海外発行カードやローカル決済ブランドへの対応の幅が選定のポイントになります。多通貨での越境ECならKOMOJU、訪日客向けのQR・ウォレットを含む多彩な決済手段への対応ならelepayが該当します。
幅広い決済手段と実績で決済代行におまかせタイプ
多くの決済手段を1社でカバーし、導入支援やサポート、大規模なトランザクションへの対応まで含めて決済代行事業者に任せたい事業者に向くタイプです。継続課金(サブスクリプション)に特化して運用まで伴走するサービスもこのタイプに含まれます。
該当する主なサービスは、PGマルチペイメントサービス・SBペイメントサービス・ペイジェント・VeriTrans4G・SP.LINKS(e-SCOTT Smart)・ゼウス・サブスクペイです。
しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
【比較表】主要な決済API(決済代行)を横並び比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、主要な決済API(決済代行)14サービスを横並びに整理します。比較する観点は、対応決済手段・接続方式・開発のしやすさ・手数料・継続課金・越境対応・セキュリティです。
表内の「接続方式」にあるリンク型・トークン型・API型の違いは、記事後半の「API決済の仕組み」で解説します。
| サービス名 | fincode byGMO | Stripe | PAY.JP | Square(スクエア) | PayPal(ペイパル) | KOMOJU(コモジュ) | elepay(エレペイ) | PGマルチペイメントサービス | SBペイメントサービス | ペイジェント(PAYGENT) | VeriTrans4G | SP.LINKS(e-SCOTT Smart) | ゼウス(ZEUS) | サブスクペイ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主な対応決済手段 | クレカ・コンビニ・PayPay・Apple Pay/Google Pay・口座振替・銀行振込 | クレカ・コンビニ・銀行振込・PayPay・ウォレット | クレカ・Apple Pay・PayPay(コンビニ・キャリア決済は公式に記載なし) | クレカ・Apple Pay/Google Pay(対面は電子マネー・QRも対応) | クレカ・デビットカード(コンビニ/QRは非対応) | 国内外65種類以上(クレカ・コンビニ・QR・銀行振込・後払い・海外現地決済) | 40ブランド超(クレカ・QR・電子マネー・後払い・海外系) | 30以上(クレカ・コンビニ・キャリア・QR/ID・口座振替・後払い) | 40ブランド以上(クレカ・キャリア・QR/ID・コンビニ・後払い・口座振替) | 20種類以上(クレカ・コンビニ・銀行ネット・口座振替・後払い・各種QR) | 30種類以上(クレカ・コンビニ・キャリア・電子マネー・ID決済・後払い・国際決済) | 40種類以上(クレカ・コンビニ・コード決済・電子マネー・BNPL) | クレカ・銀行振込・口座振替・コンビニ・キャリア・あと払い | 11種(クレカ・口座振替・銀行振込・コンビニ・掛け払い 等) |
| 接続方式 | API・SDK/リンク型(メールリンク)/トークン型 | API・SDK/リンク型(Payment Links)/トークン型 | API・SDK/リンク型/トークン型 | API・SDK/リンク型(オンラインチェックアウト) | API・SDK/リンク型(ボタン型) | API・SDK/リンク型(決済リンク)/トークン型(ホストフィールド) | API・SDK/リンク型(Easy Checkout・決済リンク) | API・SDK/リンク型/トークン型 | API型/リンク型 | API(モジュール)/リンク型(リンク・メールリンク・SMS)/トークン型 | トークン型(カード情報非保持化)ほか | リンク型/メールリンク型/トークン型(API型は公式明記なし) | リンク型/トークン型/API(データ伝送)型/メールリンク型 | API(Gateway)型/リンク型/トークン型/CSV一括 |
| 開発リソース | 開発ドキュメント(docs.fincode.jp)公開、テスト環境を即時発行、Webhook対応 | 開発ドキュメント(docs.stripe.com)公開、テストモード完備、Webhook対応(CLIでローカルテスト可) | 開発ドキュメント(docs.pay.jp)公開、審査不要のテスト環境、Webhook対応(payjp-cli) | 開発ドキュメント・API/SDK(Web Payments SDK等)を無料公開 | 開発ドキュメント(developer.paypal.com)公開、無料サンドボックス、Webhook対応 | 開発ドキュメント(doc.komoju.com)公開、Webhook対応 | 開発ドキュメント(developer.elepay.io)公開、テストカード提供、Webhook対応 | 開発ドキュメント(マルペイDocs)公開、無償テスト環境、Webhook(結果通知)対応 | 開発ドキュメント公開、共用テスト環境あり(公式SDKは未確認) | API仕様書はNDA後に提供(試験環境・通知方式は要問い合わせ) | テスト利用プログラムあり(開発ドキュメント等は要問い合わせ) | 開発者サイト・接続仕様書公開、テスト環境あり(Webhookは要確認) | 公開APIドキュメントなし(契約後にマニュアル提供)、通知はCGI送信 | APIドキュメント(docs.subsc-pay.jp)公開、デモアカウント最短即日、キックバック通知対応 |
| 初期・月額費用 | 初期0円・月額0円 | 初期0円・月額0円 | 初期0円・月額0〜50,000円(プラン別) | 初期0円・月額0円 | 初期0円・月額0円 | 初期0円・月額0円 | 初期0円・月額0円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | プラン依存(連携プランは無料、本体は要見積) | 初期0円・月額0円(標準BtoCプラン) | 要問い合わせ |
| 決済手数料率 | クレカ3.6%〜 | 国内カード3.6%(一律) | 2.59%〜3.3%(プラン別) | オンライン3.6%〜(対面2.5%〜) | 国内3.6%+40円/件 | クレカ3.25%/コンビニ2.75%/銀行振込1.4% | QR3.24%〜/クレカ3.6%〜 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 3.5%〜(連携プラン、本体は要見積) | 〜3.5%(標準プラン) | クレカ2.5%〜+7円/件 |
| 継続課金対応 | ●サブスク機能を標準搭載 | ●Billing(サブスク管理) | ●定期課金に対応 | ●Square サブスクリプション | ●Subscriptions API | 要問い合わせ | △APIは公開・正式提供は要確認 | ●一括決済・自動売上など3方式 | ●簡易・定期/従量の2方式 | ●定額/変動・カード自動更新 | ●サブスク・定期購買に対応 | ●アプリSDK・EC連携で対応 | ●手動処理・API連携の2方式 | ●継続課金特化(自動リトライ・洗替) |
| 越境・多通貨対応 | 非対応 国内向けが主軸 | 対応 195カ国・135通貨以上 | 円建てのみ 海外発行カードは利用可 | 非対応 国内向け中心 | 対応 200以上の国・地域、100通貨以上 | 対応 20通貨・海外現地決済に強み | 対応 海外系決済ブランド(多通貨は要確認) | 対応 33通貨(円建て入金) | 対応 Alipay国際決済・銀聯(多通貨は展開予定) | 対応 23通貨(円建て一括入金) | 対応 21通貨・海外発行カード(円建て入金) | 越境決済ブランドは対応 多通貨建ては公式に確認できず | 銀聯対応 多通貨建ては公式に確認できず | 円建てのみ 海外カードは円建てで対応 |
| セキュリティ | PCI DSS準拠/3Dセキュア対応 | PCI DSS Level 1/3Dセキュア2.0対応 | PCI DSS v4.0 Level 1/3Dセキュア2.0対応 | PCI DSS準拠(Squareが担保) | PCI DSS Level 1保有(ISO 27001も取得) | PCI DSS Level 1(v4.0)/3Dセキュア2.0対応 | PCI DSS Ver.4.0/3Dセキュア2.0対応 | PCI DSS Ver4.0.1準拠/EMV 3-Dセキュア2.0対応 | PCI DSS準拠/EMV 3-Dセキュア対応 | PCI DSS準拠/EMV 3-Dセキュア対応 | PCI DSS準拠/EMV 3-Dセキュア対応 | PCI DSS準拠/EMV 3-Dセキュア対応 | PCI DSS v4.0.1準拠/EMV 3-Dセキュア対応 | PCI DSS 4.0.1/3Dセキュア2.0対応 |
| サポート体制 | ヘルプセンター・問い合わせフォーム 自己導入型(ドキュメント・SDK) 対応時間は要問い合わせ | メール・チャット・電話(プラン別) ドキュメント・SDKが充実(自己導入型) 対応時間は要問い合わせ | メール・チャットボット中心 電話サポートなし 対応時間は要問い合わせ | 電話・メール・オンラインヘルプセンター 開発者ドキュメント・コミュニティ 対応時間は要問い合わせ | 電話・ヘルプセンター(日本語対応) セールス担当への相談可 開発者ドキュメント | ヘルプセンター・問い合わせフォーム 日本語・英語対応 対応時間は要問い合わせ | 問い合わせフォーム経由 導入相談の窓口あり 対応時間は要問い合わせ | 営業担当による個別提案型(伴走) 開発者サポート(マルペイDocs) 対応時間は要問い合わせ | 電話 365日 8:30〜21:00 Webフォーム・メール HDI格付3つ星(公式サイトの訴求) | 加盟店サポートサイト(FAQ・ガイド) 電話窓口あり 対応時間は要問い合わせ | 問い合わせフォーム経由の窓口 対応時間・導入支援は要問い合わせ | ECカート別の導入手順・運用マニュアル 開発者サイト・テスト環境を提供 対応時間は要問い合わせ | 24時間365日 有人コールセンター 導入ガイドで審査期間の目安を提示 契約後に接続マニュアル提供 | 電話(平日9:00〜18:00 ※プラン別) 専任サポートが導入〜運用を伴走 デモ発行・開発者向け情報あり |
| 詳細情報 | 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年9月時点の各社公式情報などにもとづきます。「要問い合わせ」は公式に料金・仕様の公開がない項目です。最新の料金・仕様・対応状況は各社の公式サイトでご確認ください。
主要な決済API(決済代行)各社の特徴
ここからは、各サービスの対応決済手段・料金・開発環境・サポート体制などの特徴を、タイプごとに具体的に紹介します。自社の状況に近いタイプから読み進めてください。
開発の自由度で選ぶ・開発者向けAPIタイプ
APIやSDK、開発ドキュメントの充実度を重視し、決済フローを自社で作り込みたい事業者に向くサービスです。
1. fincode byGMO(GMOイプシロン株式会社)

GMOペイメントゲートウェイの連結子会社であるGMOイプシロン株式会社が提供するのが、REST API型の決済ゲートウェイ「fincode byGMO」です。初期費用・月額費用はいずれも0円で、クレジットカード決済手数料3.6%〜などの取引手数料のみで利用を開始できます。
開発面では、専用のドキュメントサイトdocs.fincode.jpにAPIリファレンスやコードサンプル(Node.js・Go・Python)を公開し、テスト環境はアカウント登録後に無料で即時発行できます。決済手段ごとに個別のAPIを実装する必要がなく統一APIで扱える設計で、決済ステータスの変更などを通知するWebhookにも対応します。
対応する決済手段は、クレジットカード6ブランドやコンビニ5チェーン、PayPay・Apple Pay・Google Payといったウォレット、口座振替、銀行振込などです。自動月額課金や無料トライアル期間を設定できるサブスクリプション機能を標準搭載します。
コードを書かずに管理画面から決済URLを送れる「メールリンク」機能も備えます。越境・多通貨決済は公式に専用の手数料体系の記載がなく、国内向けの決済手段が主軸です。
2. Stripe(Stripe, Inc.)

米国発の決済プラットフォームであるStripeは、日本法人のストライプジャパン株式会社が国内向けに提供しています。初期費用・月額費用はなく、国内カード決済はブランドやカード種別を問わず一律3.6%の従量課金です。
開発者向けには、Node.js・Ruby・Python・PHPなど主要7言語のサーバーサイドSDKと、docs.stripe.comのAPIリファレンスを用意します。
実際の資金移動なしに決済フローを検証できるテストモードや、Stripe CLIでローカル環境にWebhookを転送して試せる仕組みを備え、ノーコードのPayment Linksからフルカスタムの直接API実装まで導入形態を選べます。
対応決済手段はクレジットカード・コンビニ決済・銀行振込・PayPay・ウォレット系などで、195カ国・135種類以上の通貨での決済に対応します。継続課金はサブスクリプション管理機能のBillingが担い、失敗した決済の自動再試行や請求書発行にも対応します。
セキュリティ面では、PCI DSSの最上位区分であるPCI Level 1 Service Providerとして年次監査を受け、3Dセキュア2.0に標準対応します。
3. PAY.JP(PAY株式会社)

PAY.JPは、APIキーの発行だけで決済機能を組み込める設計を掲げるREST方式の決済APIです。運営元は、ネットショップ作成サービス「BASE」を運営するBASE株式会社の子会社、PAY株式会社です。
開発面では、Ruby・PHP・Node.jsなど主要7言語のサーバーサイドライブラリと、iOS・Android・Flutter・React NativeのモバイルSDKを公式提供します。事業審査を経ずメールアドレスの登録のみでテスト用APIキーを取得でき、Webhookやローカル開発向けのpayjp-cliも利用できます。
料金は月商規模に応じた階層構造で、スタンダードプラン(月額0円)の3.3%からエンタープライズプラン(月額50,000円)の2.59%まで手数料が逓減します。対応決済手段はクレジットカード6ブランド・Apple Pay・PayPayで、決済通貨は日本円のみのため多通貨決済には対応しません。セキュリティはPCI DSS v4.0 Level 1に準拠し、3Dセキュア2.0に対応します。
手軽に始めるスモールスタートタイプ
少ない開発で早く決済を始めたい事業者や、対面決済との併用を考える事業者に向くサービスです。
4. Square(スクエア)(Square株式会社)

Square株式会社(親会社は米国 Block, Inc.)が2013年から日本で提供する決済サービスです。実店舗向けの決済端末に加え、コーディング不要で決済リンクを発行できる「Squareオンラインチェックアウト」や、Web Payments SDK・Checkout APIなどの開発者向けツールを備え、オンライン決済も同一アカウントで扱えます。
初期費用・月額固定費・振込手数料はいずれも0円で、決済ごとの手数料のみで始められます。オンライン決済の手数料は、リンク決済・eコマースAPI・サブスクリプションが3.6%、Square請求書のカード決済が3.25%です。対応カードはVisa・Mastercard・JCBなど主要6ブランドで、Apple PayやGoogle Payにも対応します。
決済まわりのセキュリティ(PCI DSS準拠)はSquare側が担保するため、事業者側のPCI対応の負担を抑えられます。対面とオンラインの売上を一つの管理画面で統合管理できる点も、店舗販売とネット販売を並行する事業者に向く要素です。
5. PayPal(ペイパル)(PayPal Pte. Ltd.)

個人・事業者向けのオンライン決済プラットフォームで、運営は米国 PayPal Holdings, Inc. 傘下のPayPal Pte. Ltd.(シンガポール法人、日本の登録所在地は東京都港区)です。事業者はビジネスアカウントを開設し、自社ECサイトへの組み込みや請求書の送付を通じて、クレジットカード・デビットカード決済を受け付けられます。
導入方式は、サイトにボタンを設置する「PayPalチェックアウト」と、自社ブランドのカード入力フォームを構築する「Advanced Credit and Debit Card Payments」の2種類から選べます。REST API(OAuth 2.0認証)や各種SDK、無料のサンドボックス環境、Webhookが公式ドキュメントで提供され、API利用自体に別料金は発生しません。
料金は初期費用・月額費用ともに無料で、国内決済は1件あたり3.60% + 40円の従量課金です。自社サイトを持たない事業者でも請求書機能でメール送付による回収ができ、取引トラブルに備えた買い手保護・売り手保護の制度も用意されています。
越境EC・多通貨・多彩な決済手段タイプ
海外の顧客への販売や、多様な決済手段への幅広い対応を求める事業者に向くサービスです。
6. KOMOJU(コモジュ)(株式会社KOMOJU)

国内外65種類以上の決済手段を1つの統合APIで導入できる、マルチチャネル決済プラットフォームです。運営元の株式会社KOMOJU(2026年3月に株式会社DEGICAから商号変更)は、Steamの日本進出時に日本円決済・コンビニ決済のインフラを構築した事業を原点としています。
クレジットカード・コンビニ決済・QR/スマホ決済・銀行振込・後払い(Paidy)に加え、韓国・中国・東南アジアなど各国の現地決済手段に対応します。対応通貨はJPY・USD・EUR・CNYなど20種類にのぼり、この現地決済への網羅性が、越境ECや海外向け販売を行う事業者への主要な訴求点です。
初期費用・月額費用は0円で、かかるのは決済手数料のみです(国内はクレジットカード3.25%、コンビニ決済2.75%、銀行振込1.4%など)。Shopify・WooCommerceなどの主要ECプラットフォームにノーコードで導入でき、2026年7月にはWooCommerce公式パートナーに認定されました。
セキュリティはPCI DSS Level 1(v4.0)に準拠し、3Dセキュア2.0とAIを活用した不正検知を無償で提供します。
7. elepay(エレペイ)(ELESTYLE株式会社)

ELESTYLE株式会社が提供する、最大40種類以上の決済ブランドを一括導入できるマルチ決済ゲートウェイです。事業者と各決済会社・カード会社の間に立ち、オンライン(EC・サブスク・越境EC)と対面(飲食・小売・無人販売など)の双方をカバーします。
対応ブランドはクレジットカード各社、PayPay・楽天ペイ・d払いなどのQR/コード決済、交通系電子マネー、Paidy・atoneの後払い、Amazon Pay・PayPalに及び、Alipay・Alipay+・WeChat Payといったインバウンド向けの海外系決済にも対応します。
開発者向けにはAPI・SDK・Webhook・サンドボックス環境を備え、Easy Checkout・請求書払い・決済リンクといった導入形態も選べます。
料金は初期費用・月額費用が0円で、手数料はQR・コード決済が3.24%〜、クレジットカードが3.6%〜です(対面でSquareターミナルを利用する場合は月額1,000円〜)。継続課金(サブスクリプション)は公式のサービス一覧で今後提供予定として案内されています。セキュリティ認証は、ISMS(ISO/IEC 27001:2022)とPCI DSS Ver.4.0を2024年12月に取得しています。
幅広い決済手段と実績で決済代行におまかせタイプ
多くの決済手段を1社でカバーし、サポートや導入支援まで含めて任せたい事業者に向くサービスです。
8. PGマルチペイメントサービス(GMOペイメントゲートウェイ株式会社)

東京証券取引所プライム市場に上場するGMOペイメントゲートウェイ株式会社が、1995年の設立以来の中核事業として提供する決済代行サービスです。クレジットカードを軸に、コンビニ決済・キャリア決済・各種ID/QR決済・口座振替・後払いなど30以上の決済手段を1契約・1接続で導入できます。グループ連結の稼働店舗数は169,004店舗(2026年6月末時点、グループ全体の数値)にのぼります。
接続方式はOpenAPI・プロトコル型・リンク型から選べ、開発者向けドキュメント「マルペイDocs」や無償のテスト環境、Webhookによる結果通知、カード情報を非保持化するトークン化SDK(MpToken.js)を公式に提供します。
継続課金は一括決済・一括オーソリ・自動売上の3方式と会員ID決済・洗替に対応し、多通貨クレジットカード決済では33の現地通貨で受け付けて売上は円建てで入金されます。セキュリティはPCI DSS Ver4.0.1準拠で、料金は取扱高・決済手段に応じた個別見積り(要問い合わせ)です。中堅から大企業や公的機関を主な対象に、営業担当が導入を支援します。
9. SBペイメントサービス(SBペイメントサービス株式会社)

ソフトバンク株式会社が100%出資するSBペイメントサービス株式会社が、2004年から手がけるオンライン決済代行サービスです。クレジットカード・キャリア決済・QR/ID決済・コンビニ決済・後払いなど40ブランド以上の決済手段を、単一契約・単一接続で導入できます。ソフトバンクまとめて支払いの供給元をグループ内に持つ点も特徴です。
加盟店システムとの接続はAPI型とリンク型の2方式を開発者向けサイトで公開し、審査・構築期間中に使える共用テスト環境も備えます。継続課金は簡易型と定期・従量型の2方式にカード自動更新(洗替)を組み合わせられ、サブスク事業の請求自動化に利用できます。
越境面ではAlipay国際決済・銀聯ネット決済に対応し、2025年6月にはアイルランドのNomupayと資本・業務提携して多通貨受取・海外送金の展開を発表しました。年間決済取扱高は11.4兆円(2025年度実績)で、入金は月2回を基本にオプションで最大6回まで増やせます。料金は商材や取扱高に応じた個別見積りで要問い合わせです。
10. ペイジェント(株式会社ペイジェント)

株式会社ペイジェントは、株式会社NTTデータと三菱UFJニコス株式会社が50%ずつ出資する決済代行サービスです。クレジットカード・コンビニ決済・銀行ネット決済・口座振替・後払い・各種QR決済など20種類以上の決済手段に対応し、決済種別をまたいだ売上を一本化して入金します。
接続方式はモジュール(API)・リンク・メールリンク・SMS・売上管理ツール・トークンの6種類から、開発体制に応じて選べます。API連携はJava・PHP・Ruby・.NET・Perlの5言語モジュールが提供され、開発工数の目安はAPI型で3〜5週間、ASP型で1〜2週間、メールリンクやSMSは開発不要とされています。
継続課金は定額・変動、定期・不定期に対応し、カードの自動更新も行えます。多通貨決済では23通貨に対応し、海外の顧客には現地通貨で表示しつつ加盟店へは円建てで一括入金します。入金は通常で締め日の翌月9営業日後、早期入金オプションでは締め日から5営業日後まで早められます。料金は要問い合わせで、EMV 3-DセキュアやPCI DSS準拠に対応します。
11. VeriTrans4G(株式会社DGフィナンシャルテクノロジー)

VeriTrans4Gは、デジタルガレージグループの株式会社DGフィナンシャルテクノロジー(旧ベリトランス)が提供するマルチ決済サービスです。1997年設立からの運用実績を持ち、公式サイトでは決済取扱高9.1兆円・取扱件数17.3億件(2025年4月〜2026年3月末)、支払い拠点数133万超(2026年3月末時点)という規模を開示しています。
クレジットカードやコンビニ決済、キャリア決済、ID決済など30種類以上の決済手段に対応し、海外発行カードによる21種類の外貨建て決済や、銀聯・PayPal・Alipay+といった国際決済手段も一つの契約でまとめて導入できます。不正検知はACI ReD ShieldやO-PLUX、Forterなど複数のサービスから用途に応じて選べる構成です。
継続課金やECと実店舗をまたぐオムニチャネル決済にも対応し、EMV 3-Dセキュアによる本人認証やカード情報の非保持化を備えます。導入事例にはルミネやTOHOシネマズ、ビックカメラなどが公開されています。料金は公式サイトで非開示のため個別見積り(要問い合わせ)となります。
12. SP.LINKS(e-SCOTT Smart)(SP.LINKS株式会社)

SP.LINKS株式会社が主力ブランド「e-SCOTT Smart」として提供する決済サービスです。同社は2025年10月にソニーペイメントサービス株式会社から商号変更した決済サービスプロバイダで、決済代行事業とカードデータ処理センター事業を自社で両建てする体制を特徴とします。クレジットカードやコンビニ決済、コード決済、電子マネー、BNPLなど40種類以上の決済手段に対応します。
接続方式はリンク型画面決済・メールリンク決済・トークン決済(ポップアップ型/カスタマイズ型)が中心で、開発者向けサイト(developer.splinks.co.jp)で接続仕様やサンプルコードを公開しています。継続課金はアプリ向けSDKやEC-CUBE連携プラグインなどで対応し、カード番号・有効期限の自動更新で決済失敗による機会損失を抑えます。
越境面ではAlipay+・WeChat Pay・PayPal・銀聯など、海外の顧客が使い慣れた決済手段の取り扱いが確認できます。セキュリティはPCI DSS準拠・ISMS認証・EMV 3-Dセキュアに対応します。料金はEC-CUBEやWooCommerce向けの連携プランで決済手数料3.5%が公式に示される一方、汎用導入のe-SCOTT Smart本体は個別見積りとなります。
13. ゼウス(ZEUS)(株式会社ゼウス)

ゼウス(ZEUS)は、SBIグループの決済代行会社である株式会社ゼウスが運営する決済サービスプロバイダです。1994年設立、決済代行事業は1999年開始で、公式サイトでは国内14,000サイト以上に導入されていると記載しています。クレジットカードを中核に、銀行振込・口座振替・コンビニ決済・キャリア決済・あと払いまで幅広くカバーします。
接続方式はリンク型・トークン型・メールリンク型・データ伝送(API)型・個別処理型の5種類を用意します。ただしデータ伝送(API)型を選ぶ場合は、事業者側でPCI DSS準拠のSSLサーバーを構築する必要があります。継続課金は売上管理画面での手動処理と、基幹システムと連動したAPI連携・バッチ処理による自動処理の2方式から選べ、カード有効期限の自動更新にも対応します。
標準的なBtoC向けプランは初期費用・月額費用ともに0円で、クレジットカード決済手数料は〜3.5%、売上処理料は決済成功時のみ30円という料金体系です。セキュリティはPCI DSS Version 4.0.1に完全準拠し、ISMSやプライバシーマークも取得しています。サポートは24時間365日の有人対応をうたっています。
14. サブスクペイ(株式会社ROBOT PAYMENT)

継続課金ビジネスに軸足を置く決済プラットフォームがサブスクペイです。運営する株式会社ROBOT PAYMENTは東京証券取引所グロース市場に上場しており、クレジットカードに加え、1,000以上の金融機関に対応する口座振替やコンビニ決済、銀行振込、掛け払いなど11種類の決済手段を一つの管理画面で扱えます。
課金周期は毎週〜毎年から選べ、課金日は1日単位で指定でき、決済失敗時の自動リトライ(7日ごとに最大2回)や、カード有効期限切れ前の更新URL自動送信で、継続課金にありがちな取りこぼしを仕組みで抑えます。累計導入は14,000社以上で、ITRの調査ではサブスクリプション管理市場のベンダー別売上シェアが4年連続で首位(2024年度実績34.1%)とされています。
接続方式はCSV一括・HTMLリンク・トークン・API(Gateway方式)の4種類で、API仕様書はcURLやRuby・Pythonなど複数言語のサンプルを公開し、キックバック方式の非同期通知も使えます。越境決済は海外カード会員の円建て決済に対応する一方、外貨建ての多通貨決済は個別対応です。料金はクレジットカード決済手数料2.5%〜で、初期・月額費用は要問い合わせとなります。
決済API(決済代行)の選び方
ここからは、比較表を読み解くための選定軸を1つずつ解説します。自社のビジネスモデルや開発体制に照らして、どの軸を優先すべきかを判断してください。
対応決済手段の幅は自社の顧客層に合っているか
決済API選びの出発点は、自社の顧客が使いたい決済手段に対応しているかです。クレジットカードは大半のサービスが対応しますが、コンビニ払いや口座振替、キャリア決済、QRコード決済、後払い(BNPL)への対応可否はサービスによって差があります。
顧客層が求める支払い方法をカバーできないと、購入直前の離脱(カゴ落ち)につながります。自社の主要な顧客が個人か法人か、国内中心か海外を含むかを踏まえ、必要な決済手段を洗い出したうえで、それらを一括で提供できるサービスを候補にすると選定がぶれません。
開発のしやすさ(ドキュメント・SDK・サンドボックス・Webhook)は十分か
自社で決済フローを実装する場合、開発リソースへの負荷を左右するのが開発環境の充実度です。契約前に公開された開発ドキュメントやAPIリファレンスを確認でき、主要言語のSDKが提供されているかは、実装期間の見積もりに直結します。
本番前に決済の挙動を検証できるテスト環境(サンドボックス)の有無や、決済結果を自社システムへ自動通知するWebhookへの対応も重要です。特にリアルタイムでの受注処理や会員管理との連携が必要な業務では、通知の仕組みが整っているかで運用の手間が変わります。開発体制が限られる場合は、この軸で候補を絞り込むと失敗を避けやすくなります。
手数料・料金体系の見方(初期・月額・決済手数料)
料金は、初期費用・月額固定費・決済ごとにかかる決済手数料の3つに分けて見ると比較しやすくなります。決済手数料は取引額に対する料率で示されることが多く、プランや決済手段によって料率が変わる場合があります。
総コストは「初期費用+月額固定費×利用月数+想定取引額×決済手数料率」で概算できます。取引件数が多い事業者は決済手数料率の差が効き、取引がまだ少ない事業者は初期費用・月額固定費の有無が効きます。料金を公開せず個別見積もりとするサービスもあるため、その場合は自社の想定取引規模を伝えて見積もりを取り、同じ前提で各社を比べることが大切です。
料金を公開している各社ではクレジットカード決済でおおむね2.5%〜3.6%程度が目安です。決済手段ごとの手数料率や初期・月額費用が実際にどのくらいかかるのかは、決済手段別の相場を実額で整理した以下の記事が参考になります。
継続課金(サブスク・従量課金)に柔軟に対応できるか
サブスクリプションや従量課金のビジネスでは、継続課金の機能がそのまま事業の運用性に直結します。定期的な自動課金に加え、課金周期の設定、決済失敗時の自動リトライ、有効期限切れカードの自動更新(洗替)に対応しているかを確認します。
これらの機能が弱いと、決済失敗による売上の取りこぼしや、カード更新のたびの手作業が発生します。継続課金が事業の中心になる場合は、この領域の作り込みが深いサービスを優先すると運用負荷を抑えられます。
サブスクリプションや継続課金が事業の柱になる場合は、リトライやカード情報の更新といった運用面まで踏み込んで各サービスを比較した以下の記事もあわせてご覧ください。
越境・多通貨対応(海外カード・ローカル決済)が必要か
海外の顧客に販売する場合は、海外発行カードの受け入れや、各国で普及するローカル決済への対応が必要になります。ここで区別したいのが、「海外の決済手段に対応している」ことと、「現地通貨建てで決済できる(多通貨対応)」ことの違いです。
海外の決済ブランドに対応していても、決済は日本円建てに限られるサービスもあります。顧客に現地通貨で価格を提示したい場合は、多通貨決済に対応しているかを個別に確認します。越境販売の予定があるなら、対応国・対応通貨・海外発行カードの受け入れ可否を早い段階で見ておくと、後からの作り直しを避けられます。
越境ECで海外の顧客に販売する場合に使える決済手段と、それに対応する決済代行の選び方は、以下の記事で詳しく解説しています。
セキュリティ(PCI DSS・EMV 3-Dセキュア)に対応しているか
クレジットカードを扱う以上、セキュリティは選定の必須軸です。カード情報を取り扱う事業者が満たすべき国際基準がPCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)で、国際ブランド5社が共同で策定したデータセキュリティの国際基準です。12の要件に基づく約400の要求事項から構成され、現行版はv4.0.1です。
PCI DSS Payment Card Industry Data Security Standard の略。カード情報を取り扱う全ての事業者に対して国際ブランド(VISA、Mastercard、JCB、American Express、Discover)が共同で策定したデータセキュリティの国際基準。安全なネットワークの構築やカード会員データの保護等、12 の要件に基づいて約 400 の要求事項から構成されており、「準拠」とは、このうち該当する要求事項に全て対応できていることをいう。
出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会(事務局:一般社団法人日本クレジット協会)
決済代行を利用してカード情報を自社で保持しない「非保持化」を行うと、加盟店側のPCI DSS準拠の負担を軽減できます。ただし、非保持化していれば万全というわけではなく、EC加盟店にはシステムやWebサイトの脆弱性対策も求められています。
これまで本ガイドラインでは、割賦販売法第 35 条の 16 第 1 項第 2 号に定める事業者(2 号事業者=加盟店)の指針対策は、「カード情報の非保持化(非保持と同等/相当を含む)又はカード情報を保持する場合は PCI DSS 準拠」、また、同条同項第 1 号及び第 3 号から第 7 号の各事業者は「PCI DSS 準拠」を指針対策としてきた。本ガイドライン【6.0 版】からは、2 号事業者のうち EC 加盟店に対しては、カード情報保護対策として EC 加盟店のシステム及び Web サイトの「脆弱性対策」を講じることを指針対策としている。
出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会
あわせて、不正利用を防ぐ本人認証として、EC加盟店にはEMV 3-Dセキュア(いわゆる3Dセキュア2.0)の導入が求められています。カード会社が会員のデバイス情報などから不正利用のリスクを判断し、必要に応じて追加の認証を行う仕組みです。各サービスがPCI DSSに準拠しているか、EMV 3-Dセキュアに対応しているかは、比較表と各社紹介で確認してください。
イシュアーによる本人確認が適切に行われるための措置として、EC 加盟店は EMV 3-D セキュアを導入する。
出典:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会
出典・参考資料(2件)
- 参考資料:クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.1版】|クレジット取引セキュリティ対策協議会(https://www.j-credit.or.jp/security/pdf/Creditcardsecurityguidelines_6.1_published.pdf)
- 出典:Just Published: PCI DSS v4.0.1|PCI Security Standards Council(https://blog.pcisecuritystandards.org/just-published-pci-dss-v4-0-1)
自社がPCI DSSの対象になるのか、非保持化とはどう違うのか、準拠を具体的にどう進めるのかをより深く確認したい場合は、12の要件に沿って解説した以下の記事が参考になります。
サポート体制と乗り換え・ベンダーロックインの回避
導入時の実装支援や、障害・不正時の問い合わせ対応など、サポート体制の手厚さは運用の安心感を左右します。自社に開発リソースが少ないほど、導入から運用まで伴走してくれるサービスの価値が高まります。
あわせて意識したいのが、将来の乗り換えやすさです。決済処理を特定のサービスに深く作り込むと、後から他社へ移行しづらくなるベンダーロックインが起こり得ます。カード情報の移行(トークンの移管)に対応しているか、標準的なAPI設計かといった点も、長期的な運用を見据えると確認しておきたい観点です。
すでに他社を利用していて乗り換えを検討している場合は、乗り換えを判断するサインから、並行運用・カード情報の引き継ぎ・解約実務までをまとめた以下の記事が役立ちます。
API決済の仕組み(リンク型・トークン決済との違い)
選定軸の意味を正しく捉えるために、決済代行への接続方式を整理します。接続方式は主に、リンク型・トークン型・API型(データ伝送型)に分かれ、開発の自由度とセキュリティ負担のバランスが方式ごとに異なります。

リンク型は、決済時に決済代行事業者が用意した決済画面へ遷移させる方式です。カード情報が自社サーバーを通らないため、セキュリティ対応の負担が軽い一方、決済画面のデザインや操作性の自由度は限られます。
トークン型は、入力されたカード情報をブラウザ上で決済代行事業者に送り、カード番号の代わりとなるトークンを受け取って処理する方式です。自社サイト内で決済を完結させつつ、カード情報を自社で保持しないため、画面の自由度とセキュリティ負担の軽さを両立しやすいのが特徴です。
API型(データ伝送型)は、自社サーバーから決済代行事業者のAPIへ直接データを送る方式で、決済フローを最も柔軟に作り込めます。ただしカード情報を自社で扱う場合はPCI DSS準拠などの負担が大きくなるため、トークン化と組み合わせて非保持化するのが一般的です。どの方式に対応しているかで、実装の自由度とセキュリティ負担が変わります。
API決済のメリット・デメリット
ここでは、API型で決済を組み込む場合のメリットと、導入前に押さえておきたい注意点を整理します。
API決済を導入するメリット
最大の利点は、自社サイト内で決済を完結でき、外部の決済画面への遷移をなくせることです。画面遷移による離脱を抑えられ、購入体験を自社のデザインで統一できます。
決済データを自社システムとリアルタイムに連携できる点も大きな利点です。受注管理や会員管理、在庫との連動を自動化でき、継続課金やポイント付与といった独自の仕組みも柔軟に組み込めます。手作業による消込や入金確認を減らし、運用の効率化につながります。
API決済のデメリット・注意点
柔軟に作り込めるぶん、実装や保守に開発リソースが必要になります。決済フローの設計やテスト、決済手段の追加やAPIの仕様変更への追従など、導入後も一定の運用工数がかかる点は見込んでおく必要があります。
もう一つは、接続方式によって開発の自由度とセキュリティ責任のバランスが変わる点です。カード情報を自社サーバーで扱うAPI型ほど作り込みの自由度は高い反面、自社側に求められる対策も大きくなります。方式ごとのトレードオフを理解して選ぶことが、導入後の作り直しを防ぎます。
決済API導入の流れ(加盟店審査〜実装・テスト)
ここでは、決済APIの導入がどのような手順で進むかを整理します。全体像を把握しておくと、社内の稟議やスケジュールの計画に役立ちます。

最初に、自社に必要な決済手段や継続課金の要否、想定取引額といった要件を整理し、候補サービスを絞り込みます。申し込み後は、決済代行事業者やカード会社による加盟店審査が行われます。取り扱う商材や事業内容が審査の対象となり、通過までに一定の期間がかかる点は計画に織り込んでおきます。
審査と並行して、開発ドキュメントに沿った実装を進めます。多くのサービスでは本番前にテスト環境(サンドボックス)が用意されており、決済の成功・失敗や返金、継続課金などの挙動を検証できます。テストで問題がないことを確認したうえで本番環境へ切り替え、実際の取引で最終確認を行うのが一般的な流れです。要件定義から本番稼働までの期間は、接続方式や自社の開発体制によって変わります。
加盟店審査でどのような項目が見られ、どうすれば通過しやすいのかを事前に把握しておきたい場合は、審査の基準と通りやすいサービスの選び方を解説した以下の記事をご覧ください。
まとめ
決済API(決済代行)は、自社のWebサービスやアプリ、ECサイトに複数の決済手段をまとめて組み込み、入金管理まで代行する仕組みです。一般的なクラウドPaaSとは目的が異なり、選定にあたっては対応決済手段の幅・開発のしやすさ・手数料・継続課金・越境対応・セキュリティ・サポートといった観点を、自社のビジネスモデルに照らして比べることが重要です。
開発リソースを活かして作り込みたいのか、少ない開発で早く始めたいのか、越境や継続課金が中心なのかによって、適したサービスは変わります。本記事の比較表と診断ツールを活用し、自社の要件に合う決済APIを見つけてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 決済API(決済代行)とは何ですか?
A. 決済API(決済代行)とは、自社のWebサービスやアプリ、ECサイトに複数の決済手段をまとめて組み込み、入金管理まで代行する仕組みです。クレジットカードやコンビニ払い、口座振替、QRコード決済などに1社との契約で対応でき、各カード会社や決済事業者と個別に接続する手間を集約できます。
名称の似たクラウド基盤のPaaS(Platform as a Service)とは目的が異なり、決済API(決済代行)は「決済処理の代行」に特化したサービスです。
Q. 決済API(決済代行)の手数料の相場はどのくらいですか?
A. 決済API(決済代行)の手数料は、クレジットカード決済でおおむね2.5%〜3.6%程度が目安です。初期費用・月額費用を0円とし決済手数料のみで始められるサービスもあれば、取扱高や商材に応じた個別見積りのサービスもあります。
料率はプランや決済手段(コンビニ・QRコードなど)によって変わります。総コストは初期費用・月額固定費・取引額に応じた決済手数料の合計で見積もり、同じ前提で各社を比べると判断しやすくなります。
Q. 決済APIの導入には自社での開発が必要ですか?
A. 決済APIの導入に必要な開発量は接続方式によって異なり、リンク型やメールリンクならほぼ開発せずに始められる一方、トークン型やAPI型は自社での実装が必要です。API型は決済フローを自由に作り込める分だけ開発・保守の工数がかかり、サービスによっては要件定義から本番稼働まで数週間程度を見込みます。
開発リソースが限られる場合は、公開された開発ドキュメントやSDK、テスト環境(サンドボックス)の充実度で候補を絞ると、失敗を避けやすくなります。
Q. 決済API(決済代行)は継続課金(サブスクリプション)に対応できますか?
A. 決済API(決済代行)の多くは継続課金に対応しており、定期的な自動課金に加え、決済失敗時の自動リトライやカード有効期限切れ前の自動更新(洗替)まで備えるサービスもあります。継続課金が事業の中心になる場合は、課金周期の柔軟さや取りこぼしを防ぐ機能の作り込みが深いサービスを優先すると、運用負荷を抑えられます。
Q. 決済API(決済代行)は越境ECや多通貨決済に対応していますか?
A. 決済API(決済代行)が越境・多通貨に対応するかはサービスによって分かれ、「海外の決済手段に対応している」ことと「現地通貨建てで決済できる(多通貨対応)」ことは別の要件として確認する必要があります。
海外発行カードやローカル決済に対応していても決済は日本円建てに限られる場合があるため、越境販売の予定があるなら、対応国・対応通貨・海外発行カードの受け入れ可否を早い段階で見ておくと、後からの作り直しを避けられます。
Q. 決済API(決済代行)を使えば自社のPCI DSS対応は不要になりますか?
A. 決済API(決済代行)でカード情報を自社で保持しない「非保持化」を行うと加盟店側のPCI DSS準拠の負担を大きく軽減できますが、対応が完全にゼロになるわけではありません。EC加盟店には、自社システムやWebサイトの脆弱性対策と、本人認証のためのEMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)の導入が求められています。
決済代行に任せれば自社は何もしなくてよい、という前提は避け、自社側に残る対策も確認しておくことが大切です。
Q. 決済API(決済代行)は後から他社へ乗り換えできますか?
A. 決済API(決済代行)の乗り換えは可能ですが、決済処理を特定のサービスに深く作り込んでいるほど、移行の手間やコスト(ベンダーロックイン)が大きくなります。登録済みカード情報の移行(トークンの移管)に対応しているか、標準的なAPI設計かといった点は、長期的な運用や将来の乗り換えを見据えて導入前に確認しておくと安心です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。














