サービス比較の記事一覧

法人保険でリスクに備えたい

サービス比較の記事一覧

法人保険でリスクに備えたい

自社のECサイトを構築・運用したい

ECサイト構築
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

,

LINEミニアプリとは?ECでの活用方法・メリットと導入の流れをわかりやすく解説

LINEミニアプリとは?ECでの活用方法・メリットと導入の流れをわかりやすく解説のサムネイル画像
ECサイト構築比較表(2026年版)のプレビュー

主要30サービスの料金・機能を無料で一覧比較

ECサイト構築比較表(2026年版)

自社の商品をLINE上で売りたい、あるいは既存のECサイトをLINEとつなげて会員登録の離脱やかご落ちを減らしたいと考える事業者が増えています。その手段としてよく名前が挙がるのが「LINEミニアプリ」です。名前は聞くものの、LINE公式アカウントと何が違うのか、ECで実際に何ができるのかがつかみにくい、という声は少なくありません。

結論から言えば、LINEミニアプリはアプリのインストールなしにLINEの中で商品閲覧から購入まで完結させられるWebアプリケーションのことで、LINE上に売り場そのものを持てる仕組みです。LINE公式アカウントが情報配信を担うのに対し、ミニアプリは購入・会員証・予約といったサービス提供を担う、という役割の違いがあります。

この記事では、LINEミニアプリの仕組みと公式アカウント・ネイティブアプリとの違いから、ECで使えるメリットと機能、導入事例、導入の流れと費用、そして着手前に押さえたい注意点までを整理します。

LINEの月間利用者は約1億人(2026年3月末時点)、ミニアプリの月間利用者数も2,897万人(同時点)に達しています。既存顧客がすでに使っている場所に売り場を置ける点が、ECにとっての着目点になっています。

出典・参考資料(1件)
ECサイト構築の関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】ECサイト構築の資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

LINEミニアプリとは?ECで何ができるのかを結論から解説

はじめに、この記事の主題であるLINEミニアプリの結論を押さえます。要点は、LINEアプリの中で動く「Webアプリ」であること、利用者がインストールなしで使えること、そしてECでいえばLINEを開いたまま商品閲覧から購入まで完結できる売り場を持てること、の3点です。

この「インストール不要」という点が、EC事業者にとっての出発点になります。技術的には、LINEミニアプリはLIFF(LINE Front-end Framework)という仕組みの上で動くWebアプリで、開発者向けの公式ドキュメントでも次のように定義されています。

LINEミニアプリは、LIFF(LINE Front-end Framework)上で実行されるウェブアプリです。LINEミニアプリを使えば、ユーザーはアプリをインストールしなくてもサービスを利用できます。

出典:LINEミニアプリとは|LINE Developers

従来はLINEアプリの内側で開くのが前提でしたが、2025年10月1日からは外部ブラウザでもLINEミニアプリを利用できるようになりました。一方で、ECでの主な価値はLINEを使っている顧客がその場で買えることにあるため、この記事ではLINE内での購買体験を中心に見ていきます。

名前が似ているものに「LINEショッピング」がありますが、こちらはLINEが運営する複数ショップ横断のショッピングサービスで、自社の売り場をLINE上に持つミニアプリとは別の概念です。この記事で扱うのは、あくまで自社のECをLINEミニアプリとして構える方法です。

ここで押さえておきたいのは、LINEミニアプリはあくまで売り場の「器」にあたり、商品管理・カート・決済といった実際のEC機能は、後述する構築ツールの利用や開発によって載せていく、という関係です。ミニアプリを用意すればそのままECが動くわけではなく、どのツール・方法で作るかによって使える機能は変わります。

LINEミニアプリには、「未認証ミニアプリ」と「認証済ミニアプリ」の区別もあります。チャネルを作成した段階では未認証で、LINEヤフー株式会社の認証審査を通過すると認証済みになり、利用できる機能や表示が広がります。この違いは導入の流れと注意点に直結するため、後半で改めて取り上げます。

出典・参考資料(3件)

LINEミニアプリと公式アカウント・ネイティブアプリの違い

ここからは、すでに知られているLINE公式アカウントや自社で作るネイティブアプリと、LINEミニアプリが何を分担するのかを整理します。3者は競合するというより、役割が異なります。まず全体像を表で整理します。

← 横にスクロールできます →
比較項目LINEミニアプリLINE公式アカウントネイティブアプリ
主な役割購入・会員証・予約などサービス提供メッセージ配信・クーポンなど情報配信自社独自のアプリ体験の提供
アプリのインストール不要(LINE内で起動)不要(LINEの友だち追加)必要(App Store/Google Play)
ECの売り場LINE内に構築できる単体では持てない(配信が主)アプリ内に構築できる
開発・構築のコストWebアプリのため比較的抑えやすい低い(アカウント開設)高くなりやすい
LINEの審査認証審査あり(認証済化に必要)アカウント種別により審査あり各ストアの審査あり
販促の通知販促目的の通知は不可クーポン・キャンペーン配信が可能プッシュ通知を送れる

LINE公式アカウントとの違い(役割の分担)

LINE公式アカウントは、友だちに向けてメッセージやクーポンを配信し、リピートを促すことを主な目的とします。一方のLINEミニアプリは、その配信をきっかけにやってきた顧客が実際に購入・予約・会員証提示を行う場です。LINE Developersの公式ドキュメントでも、両者の目的は次のように書き分けられています。

LINEミニアプリの目的は、LINE上で「モバイルオーダー」「デジタル会員証」「予約受付」などのサービスを提供することで、ネイティブアプリとほぼ同じ機能をLINE上で実現することです。企業とユーザー間のメッセージや、クーポン配信を軸としたリピート率向上を目的とする「LINE公式アカウント」と「LINEミニアプリ」、さらにLINEログインやLINE通知メッセージなど他のLINE APIも追加することで、よりサービスの幅を広げることができます。

出典:ネイティブアプリとLINEミニアプリの違い|LINE Developers

このように、両者はどちらか一方を選ぶものではなく、公式アカウントで告知し、ミニアプリで買ってもらう、という組み合わせで使うのが基本の形になります。

LINE公式アカウントとLINEミニアプリの役割分担を示した図解。LINE公式アカウントは情報配信(告知)を担い、メッセージやクーポンを配信してリピートを促す。告知で集めた友だちが来店し、LINEミニアプリで購入・会員証・予約までLINE内で完結する。両者は競合せず併用するのが基本の形。

ネイティブアプリとの違い(インストールのハードルと開発コスト)

自社で独自のスマホアプリ(ネイティブアプリ)を作る方法と比べたときの最大の差は、利用開始までのハードルです。ネイティブアプリはストアからのダウンロードと会員登録が必要になりますが、LINEミニアプリはLINEを使っている顧客ならそのまま使い始められます。公式ドキュメントでも次のように説明されています。

LINEを利用しているユーザーなら、LINEミニアプリやLINE公式アカウントは、ダウンロード不要ですぐに利用開始できます。一方ネイティブアプリは、アプリダウンロードのハードルが高く、たとえば会員証といったオフラインの店頭でアプリダウンロードから会員登録が必要なユースケースの場合、LINEミニアプリと比べて難易度はかなり高くなります。

出典:ネイティブアプリとLINEミニアプリの違い|LINE Developers

Webアプリであるミニアプリは、iOSとAndroidそれぞれに作り分ける必要があるネイティブアプリよりも開発・改修の負担を抑えやすい傾向があります。ダウンロードの壁がないぶん、店頭で「LINEで会員証を出してください」と案内するだけで登録につなげられる点も、実店舗を持つ事業者には効いてきます。

ミニアプリが向くケース・ネイティブアプリが向くケース

どちらを選ぶかは、狙う顧客層と体験の作り込みの深さで判断します。既存のLINE友だちや店舗の来店客に手軽に買ってもらいたい、まず低コストで売り場を立ち上げたい、という場合はLINEミニアプリが向きます。LINE利用者という広い母数にダウンロードなしで届けられるためです。

一方で、独自のUIや高度なプッシュ通知、オフライン動作など、LINEの枠を超えた作り込みを重視する場合や、アプリそのものをブランド体験の中心に据えたい場合はネイティブアプリに分があります。多くの事業者にとっては、まずミニアプリで顧客との接点を作り、必要に応じてネイティブアプリを検討する順序が現実的です。

LINEミニアプリをECで活用するメリットと主要機能

ここからは、ECの現場でよくある悩み(会員登録の離脱、かご落ち、店舗とECの顧客の分断、リピートの伸び悩み)に対して、LINEミニアプリの主要な機能がそれぞれどう効くのかを、機能ごとに見ていきます。

ショッピング機能でかご落ちを減らす

ミニアプリ上のショッピング機能では、商品一覧から商品詳細、カート、決済までをLINE内で完結できます。別サイトへ遷移して住所やカード情報を入れ直す手間が減るため、購入直前の離脱(かご落ち)を抑えやすくなります。対応する決済手段は利用するツールや実装によって異なりますが、LINE Payやクレジットカードに対応するものが多く、慣れた画面のまま支払いまで進めます。

会員証・LINE ID連携で登録の離脱を防ぎ、店舗とECをつなぐ

デジタル会員証やLINEのID連携を使うと、顧客はメールアドレスやパスワードを新たに登録しなくても、LINEアカウントのまま会員になれます。会員登録の途中離脱が起きにくくなるのが利点です。

さらに、店頭で提示する会員証とECでの購入を同じLINE上の会員IDに紐づければ、店舗とオンラインで別々だった顧客データを一つにまとめられます。実店舗とECの購買を横断して把握するOMO(Online Merges with Offline=オンラインとオフラインの融合)の土台になり、どちらで買った顧客にも一貫した案内ができるようになります。

サービスメッセージで行動に連動した通知を送る

サービスメッセージは、顧客がミニアプリ上で行った操作に応じて送る通知の仕組みです。公式ドキュメントでは次のように説明されています。

ユーザーの操作(アクション)に対する確認や応答として、ユーザーが知っておくべき情報をLINEミニアプリから通知する機能です。たとえば、ユーザーがLINEミニアプリ上でレストランや宿泊施設を予約した場合、「予約」という1つの操作に対して、予約完了や前日のリマインドといったサービスメッセージを最大5回まで送信できます。

出典:サービスメッセージを送信する|LINE Developers

ECでいえば、注文完了や発送のお知らせといった、顧客が受け取って当然と感じる連絡をLINE上に届けられます。日常的に開くLINEにこうした通知を届けられる一方、この機能で販促の告知は送れない点には注意が必要です。詳しくは後半の注意点で説明します。

セグメント配信・データ連携でLTVを高める

会員IDに購買データが集まると、顧客の属性や購入履歴に応じたセグメント配信を、連携するLINE公式アカウント側から行えます。全員に同じ内容を送るのではなく、買った人・買っていない人で案内を変えることで、一人あたりの購買額を積み上げるLTV(顧客生涯価値)の向上につなげやすくなります。ただし、こうしたデータ活用には自社側でデータを蓄積・分析する仕組みが別途必要になる点は、後述のとおりです。

LINEミニアプリ×ECの導入事例

ここでは、LINEミニアプリを会員基盤やECに活用している事例を、LINEヤフー for Businessが公開する導入事例から紹介します。数値は各社の発表時点のもので、業種や運用によって成果は異なります。

  • スポーツ用品を扱う株式会社アルペンは、LINEミニアプリの会員証を活用し、本会員登録数が200%超に伸びたと公表しています。
  • 菓子の製造・販売を手がける株式会社亀屋万年堂は、会員数10万人目前という規模まで会員基盤を広げたとしています。

いずれも会員数の伸びに関する成果ですが、これはECにとって無関係ではありません。LINE上で会員基盤を広げることは、再来店・再購入を促す土台になり、商品を継続的に買ってもらう関係づくりにつながるためです。実店舗を持つ小売・流通の事業者にとって、店頭の来店客をアプリのインストールなしでそのままLINE会員・EC顧客へ引き上げられる点が、ミニアプリを選ぶ動機になっています。

売上や購入率としてどこまで伸びるかは、扱う商材やEC機能の作り込み、配信施策の運用によって変わります。事例の数値はそのまま自社に当てはまるものではなく、自社の顧客基盤で何を伸ばせそうかという視点で読むのが現実的です。

出典・参考資料(1件)
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】ECサイト構築の資料を
一括ダウンロードする

LINEミニアプリをECに導入する流れと必要な連携

仕組みとメリットを押さえたうえで、実際にどう導入するのか、何を連携させ、費用はどう考えればよいのかを整理します。

導入の基本ステップ

LINE公式のドキュメントに沿うと、LINEミニアプリの提供は次の流れで進みます。起点は、LINE公式アカウントの開設ではなく「LINEミニアプリチャネル」の作成である点がポイントです。

LINEミニアプリECを導入する基本ステップを示した図解。STEP1: LINE Developersコンソールでミニアプリチャネルを作成。STEP2: LIFFで開発または構築ツールを導入。STEP3: 既存EC・会員・ポイントのデータを連携(必要に応じて)。STEP4: 未認証でリリースし認証審査を受ける(1〜2週間程度)。STEP5: 認証済ミニアプリとして正式に公開・運用。起点は公式アカウント開設ではなくミニアプリチャネルの作成。
  1. LINE Developersコンソールでプロバイダーを選び、LINEミニアプリチャネルを作成する(サービス名・提供地域などを登録)
  2. LIFFを使ってミニアプリを開発する、または後述のミニアプリ構築ツールを導入する
  3. 既存ECの商品・在庫データや、会員・ポイントのデータを連携する(必要に応じて)
  4. 未認証ミニアプリとしてリリースし、LINEヤフー株式会社の認証審査を受ける
  5. 審査を通過すると認証済ミニアプリとなり、正式に公開・運用する

ここで重要になるのがLINE公式アカウントとの連携です。公式アカウントの開設はミニアプリを作る絶対条件ではありませんが、友だち追加を促す設定を入れれば、ミニアプリの利用者を公式アカウントの友だちとして集め、販促の配信につなげられます。ミニアプリ側で送れない販促の通知を公式アカウントが担う、という役割分担を考えると、実務上はセットで用意するのが現実的です。

審査には期間がかかる点も見込んでおきます。公式ドキュメントによれば、審査の完了までに1〜2週間程度かかり、却下された場合の再申請・再審査にはさらに数日を要します。公開したい時期から逆算してスケジュールを組むとよいでしょう。

出典・参考資料(3件)

導入にかかる費用の考え方

費用は、どの作り方を選ぶかで大きく変わります。LINEヤフー for Businessも、要件や利用する機能によって費用は異なるとしており、一律の料金表は公式には示されていません。作り方はおおむね次の3通りに分かれます。

  • 構築ツール(パッケージ)を利用する:あらかじめEC機能が用意されたツールを使う方法。初期費用と月額費用で始めやすく、開発の手間を抑えられます。
  • 開発会社に委託する:自社の要件に合わせて個別に開発する方法。自由度は高い一方、開発費用や期間はかかりやすくなります。
  • 自社で開発する:社内にエンジニアがいる場合の選択肢。外部委託より費用や工数を抑えられることがあります。

多くのEC事業者にとって現実的なのは、構築ツールを利用する方法です。参考として、この記事の後半で紹介するツールでは、初期費用が数万円〜数十万円、月額費用が1万円前後から、という価格帯が公開されています(金額を要問い合わせとしているツールもあります)。

ただし決済にかかる手数料や商品点数による追加料金はツールごとに異なるため、具体的な金額は各サービスの資料で確認するのが確実です。まずは自社の商品点数や必要な機能を整理したうえで、複数のツールを見比べるとよいでしょう。

出典・参考資料(1件)

LINEミニアプリをECに導入する前に押さえる注意点とチェックポイント

ここからは、導入して後悔しないために、着手前に押さえておきたい点を整理します。前半はLINEというプラットフォーム側の制約、後半は自社側で整えておくべき準備です。

サービスメッセージで販促の通知は送れない

最初に押さえたいのが、サービスメッセージで販促の告知はできないという制約です。公式ドキュメントでは、送信できる内容が次のように限定されています。

サービスメッセージは、LINEミニアプリ上でのユーザーの操作(アクション)に対する確認や応答としてのみ送信できます。値下げ、ショッピング特典、新商品、割引クーポン、プロモーションなどの情報を含む広告やイベントの通知は禁止されています。

出典:サービスメッセージを送信する|LINE Developers

加えて、送信回数と有効期限にも決まりがあります。1つの操作に対して送れるのは最大5回までで、送信に使う通知トークンは発行から1年間有効です。またサービスメッセージはあらかじめ用意したテンプレートを使い、その利用にはLINEヤフー株式会社の審査を通過する必要があります。値下げやクーポンといった販促の配信は、この機能ではなくLINE公式アカウント側で行う、と役割を分けて設計するのが前提になります。

出典・参考資料(1件)

審査があり、認証済と未認証で扱いが変わる

前述のとおり、LINEミニアプリはチャネル作成の段階では未認証で、一部の機能が制限されます。認証審査を通過すると認証済ミニアプリになり、ヘッダーに認証バッジが付くなど、利用者から見た信頼性や使える機能が広がります。公式ドキュメントでは次のように区別されています。

LINEミニアプリは、弊社による認証審査に通過しているかどうかによって、未認証ミニアプリと認証済ミニアプリに分かれます。未認証ミニアプリとは、弊社による認証審査に通過していないLINEミニアプリのことをいいます。

出典:LINEミニアプリとは(未認証ミニアプリと認証済ミニアプリ)|LINE Developers

本番運用を前提にするなら、認証済化までを見込んでおくのが基本です。サービスメッセージのテンプレート利用にも審査があるため、通知まで含めた設計は審査の通過を前提に進めます。

プラットフォームの仕様変更リスクがある

LINEミニアプリはLINEというプラットフォームの上で動くため、仕様やガイドラインが更新されると、その方針に合わせて対応する必要があります。実際に、外部ブラウザ対応のように利用範囲が広がる変更も行われています。自社だけで仕様を決められない領域があることを前提に、公式のアナウンスを継続的に確認できる体制や、変更に追随してくれるツール・開発パートナーを選んでおくと安心です。

データ活用には自社側の仕組みが別途必要になる

LINEミニアプリで購買データや会員データが集まっても、それを分析して施策に活かすには、自社側にCRM(顧客関係管理)やデータを蓄積する基盤が別途必要になります。ミニアプリはあくまで売り場と接点を提供する部分で、集めたデータをどう使うかは自社の運用にゆだねられます。セグメント配信やLTV向上を狙うなら、データの受け皿と、それを扱う担当・体制まで含めて計画しておくことが欠かせません。

自社側で確認しておきたい導入チェックポイント

最後に、導入をスムーズに進めるために自社で確認しておきたい実務上のポイントを挙げます。

  • 顧客・ポイントデータの統合方針:既存ECや店舗のポイント・会員データと、LINE上の会員をどう突き合わせるかを事前に決めておく。
  • 店頭での登録案内:実店舗がある場合、来店客にミニアプリの会員登録をどう案内するか、オペレーションを準備する。
  • データ活用の体制:集めたデータを誰が分析し、どの施策に反映するかの担当を決める。
  • 現場のオペレーション:注文・発送・問い合わせがLINE経由でも回るよう、既存の業務フローとの接続を確認する。
  • ツール・パートナーのサポートと拡張性:仕様変更への追随や、将来の機能拡張に対応できるかを、導入前に見ておく。
  • 法務・データ保護の対応:特定商取引法に基づく表記や個人情報の取り扱い、決済まわりのセキュリティは、LINEミニアプリでの販売でも通常のECと同様に自社の責任で整える。

自社に合うツール・構築方法の選び方と次の一歩

仕組みと導入の流れを押さえたら、次は自社がどの方法でLINEミニアプリのECを作るかです。ここでは、LINEミニアプリ上に売り場を構築できるサービスを例に、選び方の視点とあわせて紹介します。自社の商品点数・既存ECの有無・重視する機能(会員証・サブスク・OMOなど)を軸に見比べると、候補を絞りやすくなります。

← 横にスクロールできます →
サービス名UZ apps for LINE ミニECSUBSCLINELメンバーズカード
初期費用要問い合わせ100,000円〜
(税抜・プラン別)
50,000円
(税込)
月額費用要問い合わせ9,800円〜
(税抜・プラン別)
9,800円
(税込・定額)
決済手数料販売手数料なし
(LINE Pay等の決済手数料は別途)
売上手数料3.9〜9.9%
(プラン別。別途Stripe決済手数料)
要問い合わせ
(公式に料率の記載なし)
対応決済LINE Pay
クレジットカード
Apple Pay/Google Pay
PayPay
クレジットカード
(Stripe連携)
クレジットカード
(Stripe連携)
LINEで売る方式・特徴LINEミニアプリ上にミニECを構築。商品一覧〜カート〜購入〜注文履歴までLINE内で完結。最短2週間で導入LINEミニアプリ内蔵カートでEC・サブスク・予約・モバイルオーダー・会員証を一体構築(LINE完結型)。外部ECカート連携は非対応LINEミニアプリ上のデジタル会員証+ECショップ。実店舗ポイントとミニアプリ内購入を連動(OMO)
向いている事業者既存の店舗・ECを持ち、LINEの友だち向けに販売チャネルを追加したい事業者美容・飲食・クリニック・フィットネスなど、来店予約と物販・サブスクをLINEでまとめたい店舗ビジネス実店舗を持ち、店舗とECの会員・ポイントを一元管理したい中小・小規模事業者
無料トライアル記載なし30日間
(マルナゲを除く)
初回1ヶ月無料
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

※記載内容は2026年8月時点の各社公式情報にもとづきます。「要問い合わせ」は公式サイトで金額・料率が公表されていない項目です。料金は税抜・税込の別を各社の表記どおり記載しています。最新の費用・機能は各社公式サイトでご確認ください。

上の比較表は、初期・月額の課金形態、決済の仕組み、そしてLINE内で売り場を完結するタイプか既存ECと連携するタイプか、といった観点で見比べられます。すでに自社ECサイトがある場合はそれと連携できるか、まだ無い場合はLINE内で売り場を完結できるか、という既存資産の有無から絞り込むと選びやすくなります。

UZ apps for LINE ミニEC(フォーグローブ株式会社)

UZ apps for LINE ミニECの公式サイト

UZ apps for LINE ミニECは、フォーグローブ株式会社が提供するLINEミニアプリ型のEC構築サービスです。LINE公式アカウントのトーク画面やリッチメニューからミニECを開き、商品一覧・カート・購入・注文履歴の確認までをLINE内で完結できます。

決済はLINE Payに加え、主要クレジットカード・Apple Pay・Google Pay・PayPayに標準対応します。公式ページでは販売手数料を無料とうたっており(LINE Pay自体の決済手数料は別途)、最短2週間での導入も掲げています。ただしこれは構築の目安で、公開までには別途LINEヤフー株式会社の認証審査期間(1〜2週間程度)を見込む必要があります。

既存の店舗・ECを持つ事業者が、LINEの友だち向けに販売チャネルを追加する用途に向いた設計です。初期費用・月額費用は要問い合わせのため、資料での確認が前提になります。

SUBSCLINE(株式会社サブスクライン)

SUBSCLINE(サブスクライン)の公式サイト

サブスク(月額課金・回数券)とEC(カート購入)の両方をLINE上で扱える点が、SUBSCLINEの特徴です。株式会社サブスクラインが提供し、LINEミニアプリ内にカート・決済・会員証・予約・モバイルオーダーを一体で構築できます。決済はStripeと連携し、事業者自身のStripeアカウントで売上を受け取る仕組みです。

料金は月額固定費に売上手数料が加わる形で、プランは月額9,800円のスターターから、構築・運用代行込みの上位プランまで用意されています(いずれも税抜、Stripe側の決済手数料は別途)。美容・飲食・クリニック・フィットネスなど、来店予約と物販・サブスクをLINEでまとめたい店舗ビジネスに向きます。導入店舗数は700店舗を突破したと発表されています(2025年5月時点)。

Lメンバーズカード(合同会社Oblivion)

Lメンバーズカードの公式サイト

Lメンバーズカードは、LINEミニアプリ上のデジタル会員証を出発点に、同じミニアプリ内でECショップも開けるサービスです。合同会社Oblivionが提供し、2022年5月にECショッピング機能が追加されました。実店舗のポイントとECでの購入・ポイント利用を連動でき、店舗とオンラインの購買データを一元化するOMO用途を主眼にしています。

料金は月額9,800円(税込)の定額制で、顧客数やメッセージ送信数、拡張機能の利用による追加料金がかからない点が特徴です。初回1ヶ月の無料体験があり、最低契約期間や解約金の定めもありません。まず低コストでLINE会員証と簡易なECを試したい、実店舗付帯の小規模事業者に向いた設計です。

ここで挙げたのは、LINEミニアプリ上に売り場を作れるサービスの一部です。既存のShopifyなどのECと連携させる方式や、トーク上で販売するチャットコマース型など、LINEでの売り方には複数のタイプがあります。自社の売り方に合うツールをタイプから横断的に比較したい場合は、LINEで売るためのツールを整理した記事もあわせてご覧ください。

また、LINEミニアプリはLINE上に売り場を持つための方法の一つで、その土台となる自社ECをどう構築するかは別に検討が必要です。ASPカート・クラウドEC・パッケージなど、EC全体の構築方式や費用相場から選び方を知りたい場合は、以下の記事で各方式の違いを比較できます。

まとめ

LINEミニアプリは、アプリのインストールなしにLINEの中で購入まで完結できる売り場を持てる仕組みです。情報配信を担うLINE公式アカウントと役割を分け合い、会員証やID連携で店舗とECをつなぎ、行動に連動した通知でリピートを支えられる点が、ECにとっての価値になります。

一方で、サービスメッセージでの販促告知の禁止や認証審査、仕様変更への追随、データ活用に自社の仕組みが要る点など、着手前に押さえるべき制約もあります。仕組みと注意点を正しく理解したうえで、自社の商品や体制に合った作り方・ツールを選ぶことが、失敗しない導入への近道です。まずは各サービスの資料を取り寄せ、機能と費用を比較するところから始めてみてください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】ECサイト構築の資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. LINEミニアプリとは何ですか?

A. LINEミニアプリとは、アプリのインストールなしにLINEの中で使える、自社ブランドのWebアプリです。LIFF(LINE Front-end Framework)上で動き、ECでは商品の閲覧・購入・会員証・注文通知までをLINE内で完結できます。既存のLINE利用者はダウンロードや新規登録をせずに使い始められるため、会員登録の途中離脱やかご落ちを抑えやすいのが特長です。

Q. LINEミニアプリとLINE公式アカウントはどう使い分ければよいですか?

A. LINEミニアプリは購入・会員証・予約などの「サービス提供」を、LINE公式アカウントはクーポンやキャンペーンなどの「情報配信」を担うのが基本の使い分けです。どちらか一方を選ぶものではなく、公式アカウントで告知して友だちを集め、ミニアプリで実際に買ってもらう、という組み合わせで併用すると、認知から購入・リピートまでの導線を一貫して設計できます。

Q. LINEミニアプリのサービスメッセージで販促のお知らせは送れますか?

A. LINEミニアプリのサービスメッセージでは、値下げ・クーポン・新商品などの販促目的の告知は送れません。送信できるのは、注文完了や発送連絡のように、ユーザーの操作に対する確認・応答の通知に限られます。1つの操作につき最大5回まで、通知に使うトークンは発行から1年間有効です。クーポンやキャンペーンの配信はLINE公式アカウント側で行う、と役割を分けて設計するのが前提になります。

Q. LINEミニアプリの導入にはどのくらいの費用がかかりますか?

A. LINEミニアプリの費用は、作り方(構築ツールの利用・開発会社への委託・自社開発)によって大きく変わり、公式に一律の料金表は示されていません。多くのEC事業者にとって現実的なのは、初期費用と月額費用で始められる構築ツールの利用です。ツールごとに初期費用・月額費用・決済にかかる手数料の設定が異なるため、具体的な金額は各サービスの資料で確認するのが確実です。

Q. LINEミニアプリの審査にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. LINEミニアプリの認証審査は、完了までに1〜2週間程度かかります(LINEヤフー株式会社による審査)。却下された場合は、再申請と再審査にさらに数日を要します。審査の完了日は事前に指定できないため、公開したい時期から逆算してスケジュールを組んでおくと安心です。

Q. LINEミニアプリは既存のECサイトと連携できますか?

A. LINEミニアプリは、既存ECの商品・在庫データや会員・ポイントのデータと連携できますが、連携できる範囲は利用するツールや自社の実装によって異なります。LINE内だけで購入まで完結させる「LINE完結型」と、既存のECカートと連携させる方式があるため、自社の既存環境に合わせてどちらの方式が向くかを確認しておくことが大切です。

Q. LINEミニアプリで集めた顧客データはどのように活用できますか?

A. LINEミニアプリで集めた購買・会員データは、セグメント配信やリピート施策に活用できますが、分析・蓄積には自社側にCRMなどの仕組みが別途必要になります。ミニアプリ自体は売り場と顧客接点を提供する部分で、集めたデータをどう使うかは自社の運用にゆだねられます。LTV(顧客生涯価値)の向上を狙うなら、データの受け皿と、それを扱う担当・体制まで含めて計画しておきましょう。

Q. LINEミニアプリとネイティブアプリはどちらを選ぶべきですか?

A. 手軽さと低コストで顧客接点を広げたいならLINEミニアプリ、独自のUIや高度な作り込みを重視するならネイティブアプリが向きます。ミニアプリはダウンロード不要でLINE利用者にそのまま届く一方、ネイティブアプリはアプリそのものをブランド体験の中心に据えられます。多くの事業者にとっては、まずミニアプリで顧客との接点を作り、必要に応じてネイティブアプリを検討する順序が現実的です。

ECサイト構築を支援するサービスの資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、ECサイトの構築・リニューアルを支援するサービスの最新資料を無料で一括請求できます。自社ECの立ち上げからLINEとの連携まで、対応範囲や費用、実績をまとめて比較して、パートナー選びの判断材料にご活用ください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】ECサイト構築の資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

ECサイト構築
おすすめの診断サービス