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法人向け損害保険を比較|賠償・火災・休業・労災など種類別の補償内容と選び方

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事業を営むうえでは、取引先や第三者への賠償、店舗・工場の火災、従業員の労災、休業による利益の減少など、さまざまなリスクが伴います。これらに備える法人向け損害保険は、企業や個人事業主が事業活動に伴うリスクに備えて加入する損害保険の総称ですが、種類が多く、自社にどの保険が必要なのか全体像をつかみにくいという声は少なくありません。

賠償・火災・休業・労災といったリスクごとに保険は分かれており、業種によって必要な備えや優先順位も変わります。自社の事業に合う損害保険を、抜け漏れや重複なく選ぶには、どのような観点で比較すればよいのでしょうか。

本記事では、法人向け損害保険を補償対象(リスク)別の4タイプに整理し、種類ごとの補償内容や保険料の相場、選び方を解説します。主要な損害保険サービスの補償・保険料を横並びで比較できる表や、業種別に必要な保険の目安、経理処理・損金算入の扱いまで、自社の備えを判断するための材料をまとめました。

また、貴社の業種や守りたいリスク、事業規模に合わせて必要な保険とサービスを見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

法人向け損害保険の種類|補償対象(リスク)別の4タイプ早見

ここからは、法人向け損害保険にどのような種類があるのかを、備える対象となるリスク別に整理して解説します。まず自社が最も備えたいリスクはどれかを見極めると、必要な保険を絞り込みやすくなります。

法人向け損害保険は、備える対象となるリスクによって大きく4つのタイプに分けられます。

  • 賠償責任リスクに備える保険:第三者・取引先・従業員などへの損害賠償に備える
  • 財物・資産の損害に備える保険:建物・設備・在庫・工事目的物などの物的損害に備える
  • 事業の中断・利益損失に備える保険:休業や利益の減少、取引先の倒産による売掛金の回収不能に備える
  • 従業員の労災・けがに備える保険:政府労災で不足する賠償・補償を上乗せする
タイプ備える主なリスク代表的な保険
賠償責任第三者・取引先・従業員への損害賠償生産物賠償責任保険(PL保険)、施設賠償責任保険、請負業者賠償責任保険 など
財物・資産建物・設備・在庫・工事目的物などの物的損害法人向け火災保険、動産総合保険、工事保険
事業の中断・利益休業損失・利益減少・売掛金の回収不能休業補償・利益補償、取引信用保険
従業員の労災政府労災で不足する賠償・補償の上乗せ労災上乗せ保険、使用者賠償責任保険、所得補償保険

さらに、これら複数のリスクを1つの契約でまとめて備えられる包括型もあります。以下では、4つのタイプと包括型の特徴を順に見ていきます。

賠償責任リスクに備える保険

賠償責任保険は、事業活動が原因で第三者・取引先・従業員などにケガや損害を与え、法律上の損害賠償責任を負ったときに備えるタイプです。事故の相手と原因によって商品が細分化されており、自社の業務内容に合わせて組み合わせて加入します。

製造・販売した製品の欠陥による事故には生産物賠償責任保険(PL保険)、施設の管理不備による事故には施設賠償責任保険、工事や作業中の事故には請負業者賠償責任保険が用いられます。預かった物の損害には受託者賠償責任保険、役員の経営判断に対する賠償には会社役員賠償責任保険(D&O保険)が対応します。

近年は、情報漏えいやシステム障害による賠償に備えるサイバー保険・個人情報漏洩保険、従業員から使用者責任を問われた場合に備える使用者賠償責任保険を検討する企業も増えています。どの賠償リスクが自社に生じやすいかは業種によって異なります。

財物・資産の損害に備える保険

財物・資産の損害に備える保険は、自社が保有する建物・設備・在庫・工事目的物などが火災や自然災害、事故で損害を受けたときに備えるタイプです。事業を続けるための土台となる資産そのものを守る役割を持ちます。

事務所・店舗・工場などの建物や設備には法人向け火災保険、移動・可搬性のある什器や機械・在庫には動産総合保険が対応します。建設・土木・組立の工事現場では、工事中の目的物や資材の損害に備える工事保険が用いられます。複数拠点の資産をまとめて補償する企業財産包括保険もあります。

事業の中断・利益損失に備える保険

事業の中断・利益損失に備える保険は、事故や災害で事業が止まったときの休業損失や、取引先の倒産による売掛金の回収不能に備えるタイプです。建物や設備が復旧しても、その間に失われる利益は財物の保険だけでは補えません。

火災などで営業が中断した期間の利益や固定費を補うのが休業補償・利益補償で、後述する事業活動総合保険の休業に関する補償として提供されることが多くなっています。取引先の倒産や支払い遅延による売掛金の損失には、取引信用保険が備えます。

従業員の労災・けがに備える保険

従業員の労災・けがに備える保険は、業務中の事故で従業員が負傷・死亡した場合に、政府の労災保険(労働者災害補償保険)だけでは足りない部分を補うタイプです。労働災害が起きやすい業種ほど重要度が高まります。

政府労災の給付は療養・休業・障害・遺族・介護などに限られ、慰謝料や逸失利益の全額は含まれません。そのため、企業が安全配慮義務違反などで民事上の賠償責任を負ったときの差額を補う使用者賠償責任保険や、政府労災に上乗せして補償する労災上乗せ保険(労働災害総合保険)、従業員自身の収入減に備える所得補償保険が検討されます。政府労災との関係は後述の関連法令の節で詳しく解説します。

まとめて備える包括型(事業活動総合保険・店舗総合保険など)

ここまでの4タイプを個別に加入すると、補償の抜け漏れや重複が起きやすく、管理も煩雑になりがちです。そこで、賠償・財物・休業・労災上乗せといった複数の補償を1つの契約にまとめた包括型が用意されています。

損害保険各社が提供する事業活動総合保険は、必要な補償をユニットやプランとして選んで組み立てられる商品です。小売・飲食向けには店舗総合保険、建設業向けには建設業総合保険など、業種の実態に合わせた包括型もあります。必要なリスクをまとめて効率よく備えたい場合は包括型、特定のリスクだけを手厚くしたい場合は単品加入(ピンポイント型)という使い分けが基本になります。

ただし、自社がどのタイプに備えるべきか、包括型と単品加入のどちらが合うかは判断が難しいこともあります。業種・守りたいリスク・事業規模から必要な保険とサービスを探せるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しました。ぜひご活用ください。

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本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

診断で気になるサービスが見つかったら、次の比較表で各社の補償範囲や保険料の目安も横並びで確認できます。

【比較表】法人向け損害保険サービスの補償・保険料を横並び比較

ここからは、主要な法人向け損害保険サービスの補償範囲と保険料の目安を横並びで比較します。各社が事業活動を包括的に備える総合保険を軸に、賠償責任・財物・休業/利益・労災上乗せをどこまでカバーするか、対象業種や各社公式サイトへのリンクとあわせて確認できます。保険料は業種・売上高・補償内容で決まり原則として見積もりのため、相場感は後述の保険料相場のセクションを参照してください。

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サービス名超ビジネス保険(東京海上日動)ビジネスマスター・プラス(損保ジャパン)ビジネスキーパー(三井住友海上)タフビズ事業活動総合保険(あいおいニッセイ同和損保)ALL STARs(AIG損保)企業賠償Pro・テナント総合保険(Chubb損害保険)ビジサポ・ビジネスプロパティ(日新火災)商売の達人・K-Biz(共栄火災)事業活動に関する保険(セコム損保)法人向け損害保険(大同火災)
賠償責任●●△オプション特約で対応△賠償総合保険で対応●●●●●●
財物・火災●●●●△物損害補償を追加△テナント総合保険●●●●
休業・利益●●●●△企業財産保険で対応△テナント総合保険●●●×
労災上乗せ●●×××△労働災害総合保険×●●●
主な補償内容・特徴財産・工事・賠償・休業・労災を
1証券にまとめる包括型
物損害・工事物・休業・傷害・賠償の
5ユニットを自由に組み合わせ
財物・休業・賠償を4プランで選択
被災設備修復など付帯サービス
財物・休業・賠償/費用を自由設計
地震BCP対応補償特約
国内・海外・生産物賠償を一括契約
海外リスクに強い
賠償責任が主力(売上高のみで算定)
テナント向け包括も用意
賠償(ビジサポ)と財物(ビジネス
プロパティ)を業種別プランで
賠償・事業活動総合・労災上乗せ・
財物を商品群でカバー
工事・機械・休業・労災など機能別
火災保険割引(セコム連携)
賠償・財物・火災・労災・工事を
一通り用意(沖縄基盤の地域密着)
保険料の目安要見積もり公式に概算例あり
(要見積もり)
要見積もり要見積もり要見積もり売上高のみで算定
(要見積もり)
要見積もり要見積もり要見積もり要見積もり
対象業種・対象エリア全国/幅広い業種全国/建設・飲食・製造・運送など
(個人事業主も可)
全国/業種を限定せず全国/業種を限定せず全国/IT・運送・海外進出など
特定業界向け商品も
全国/製造・販売・建設・派遣・
テナント事業者
全国/工事・製造・運送・小売飲食・
寺院・宿泊の業種別プラン
全国/業種を限定せず全国/業種を限定せず沖縄県が中心
(対応エリアは公式で要確認)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は各社の公式情報にもとづく2026年9月時点の主な傾向です。「賠償責任/財物・火災/休業・利益/労災上乗せ」の●△×は各社の主力商品でのカバー状況の目安で、△は特約・別商品・条件付きでの対応を表します。補償の範囲・組み合わせ・保険料は、選ぶプランや特約、売上高・業種などの契約条件によって異なるため、実際の補償内容・保険料は各社の見積もり・公式情報でご確認ください。

法人向け損害保険サービスの個別紹介

比較表で全体像をつかんだところで、各サービスの補償内容や特徴を個別に紹介します。事業リスクをまとめて備える総合・包括型の損害保険と、複数の保険を比較・見積もりできる導線サービスに分けて見ていきます。

事業リスクをまとめて備える総合・包括型の損害保険

まず、賠償・財物・休業/利益・労災上乗せといった事業リスクを1つの契約でまとめて備えられる、損害保険各社の総合・包括型商品を紹介します。選べる補償の組み合わせや対象業種、保険料の開示状況は各社で異なります。

1. 超ビジネス保険(東京海上日動火災保険株式会社)

超ビジネス保険(東京海上日動)の公式サイト

財産・工事・賠償責任・休業・労災事故までを1つの証券にまとめて契約できる、東京海上日動火災保険の事業活動包括保険です。ペットネームは「超ビジネス保険」で、必要な補償を選んで組み合わせる設計になっています。

賠償責任の補償は、施設や事業活動の遂行にともなう事故に加え、製造・販売した商品や工事・作業の結果生じた対人・対物事故(生産物・請負リスク)までカバーします。業務中の役員・従業員の労災(上乗せ)も同じ証券の補償対象に含められる点が特徴です。

保険料は売上高・業種・選んだ補償によって決まり、具体的な金額は代理店の見積もりで確認する形です。補償対象物の内訳や労災補償の形態など、詳しい条件は公式パンフレット・約款で確認してください。

2. ビジネスマスター・プラス(損害保険ジャパン株式会社)

ビジネスマスター・プラス(損害保険ジャパン)の公式サイト

物損害・工事物・休業・傷害・賠償の5つの補償ユニットを、必要に応じて自由に組み合わせて契約する事業活動総合保険です。損害保険ジャパンが提供し、個人事業主も加入できます。

賠償ユニットは、施設・業務遂行に加え、製造物・完成作業・受託物・受託貨物・人格権侵害/宣伝障害(ワイドプラン)まで幅広く対応します。傷害ユニットでは、役員・従業員の業務中のケガ(死亡・後遺障害・入院・手術・通院)まで補償対象にできます。

業種別の月払概算保険料の例が公式に開示されており、たとえば食品製造業(売上高5,000万円・賠償ユニット)で月払約3,100円という水準が示されています(2023年1月時点の概算例)。弁護士費用や地震危険などのオプション特約で補償を広げることもできます。

3. ビジネスキーパー(三井住友海上火災保険株式会社)

ビジネスキーパー(三井住友海上)の公式サイト

店舗の火災や自然災害から営業休止中の損失まで、財物損害・休業損害・賠償責任をまとめて補償する三井住友海上の事業活動総合保険です。ニーズに応じて補償をカスタマイズできます。

「ワイドPlus」「ワイド」「ベーシック」「エコノミー」の4つの基本プランがあり、各プランで「財物損害のみ」「休業損害のみ」「両方」を選べます。賠償責任はオプション特約が幅広く、事業内容に応じて上乗せできます。

契約に付帯する実務サポートとして、被災設備修復サービス・気象情報アラート・人事労務相談デスクの3つを備えます。保険料は売上高・業種・補償額などで決まるため、見積もりで確認します。

4. タフビズ事業活動総合保険(あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)

タフビズ事業活動総合保険(あいおいニッセイ同和損保)の公式サイト

財物・休業・賠償/費用の3つのカテゴリを自由に設計できる、あいおいニッセイ同和損保の事業活動総合保険です。物損害と休業損害は「いずれか、または両方」を選べます。

財物補償の保険金の内訳が細かく、臨時費用・残存物取片づけ・失火見舞・地震火災費用・修理付帯費用・看板修復費用まで含みます。地震BCP対応補償特約を用意し、地震リスクへの備えと事業継続を支援します。

賠償に特化した「タフビズ賠償総合保険」や「タフビズ事業用自動車総合保険」と組み合わせれば、事業リスクを横断的にカバーできます。気象情報アラートや、リカバリープロと提携した被災設備修復サービスも提供します。

5. ALL STARs(AIG損害保険株式会社)

AIG損保の法人向け商品(ALL STARs)の公式サイト

AIG損害保険は、賠償・費用に強い「ALL STARs(事業賠償・費用総合保険)」を法人向けの主力に、賠償・財産・海外リスク向けの商品群を展開しています。

ALL STARs は、国内賠償・海外賠償・生産物品質補償を一度の手続きで契約でき、物損害補償やサイバーリスク補償も組み合わせられます。海外リスク対応の商品を複数そろえ、海外進出・輸出をおこなう事業者の賠償リスクにも対応しやすい構成です。

業務災害・雇用リスク・賠償責任・財産損失をまとめる包括型「スマートプロテクト(総合事業者保険)」は旧AIU保険由来の商品で、現行の販売・引受の扱いは公式で確認が必要です。コンテンツ・IT・運送など特定業界向けの賠償責任保険も個別に用意しています。

6. 企業賠償Pro・テナント総合保険(Chubb損害保険株式会社)

企業賠償Pro(Chubb損害保険)の公式サイト

世界54カ国・地域で事業を展開する Chubb グループの日本法人で、法人向けに賠償責任保険を軸とした商品を提供しています。日本では2020年に事業100周年を迎えたと自社で紹介しています。

主力の「企業賠償Pro」は、施設所有(管理)者・生産物・請負業者の3つの特別約款を基本補償にセットし、製造販売・建設・人材派遣など業種別オプションで拡張します。保険料は売上高のみを基準に算出し、原則として期末の確定精算が不要で、申込・更新の手続きが簡便です。

テナント(賃借)で事業を営む事業者向けの「テナント総合保険(Premier Tenant Pro)」は、財物損害・休業損失/営業継続費用・賠償責任を1商品で包括します。サイバーリスク保険や会社役員賠償責任保険(D&O)などもそろえています。

7. ビジサポ・ビジネスプロパティ(日新火災海上保険株式会社)

ビジサポ(日新火災)の公式サイト

東京海上グループの日新火災海上保険は、賠償に強い「ビジサポ(統合賠償責任保険)」と、財物に強い「ビジネスプロパティ(企業財産総合保険)」を別商品で用意し、リスクの重心に合わせて選べる構成をとっています。

ビジサポは、施設業務・生産物・保管財物・管理自動車・運送貨物の5つの特約を軸に、日本国内のすべての施設・業務を対象として加入もれを防ぐ設計です(公式説明)。サイバー・情報漏えいや人格権・宣伝侵害の任意追加補償、訴訟対応費用・初期対応費用・リコール回収費用といった費用補償も備えます。

工事業・製造業・運送業・小売飲食業・寺院・宿泊業の業種別専用プランをそろえます。中小事業者向けに示談交渉サービスを付帯しますが、適用となる売上高の条件は公式パンフレット・約款で確認してください。

8. 商売の達人・K-Biz(共栄火災海上保険株式会社)

商売の達人・K-Biz(共栄火災)の公式サイト

JA共済連グループの共栄火災海上保険は、賠償を軸とする「商売の達人」、事業活動総合の「K-Biz」、労災上乗せの「業務災害補償保険」、財物の「ビジまる(企業財産保険)」を法人向けにそろえています。

「商売の達人」は、施設・生産物(PL)・管理中車両・保管物・サイバーなどの賠償責任リスクと各種費用を1契約で包括し、ワイドプランとベーシックプランを組み合わせられます。生産物の回収費用・企業イメージ回復費用・訴訟対応費用など、賠償に付随する費用補償が幅広い点が特徴です。

「K-Biz」は、自然災害・情報漏えい・取引先や顧客への賠償・休業・ハラスメント問題など、事業活動の各種リスクを1契約でまかなう総合保険です。保険料は売上高・業種・補償額で決まるため、資料請求や見積もりで確認します。

9. 事業活動に関する保険(セコム損害保険株式会社)

事業活動に関する保険(セコム損害保険)の公式サイト

セコムグループのセコム損害保険は、単一の包括パッケージではなく、機能別の損害保険を個別にそろえる構成をとっています。必要なリスクだけをピンポイントで手当てしやすい点が特徴です。

事業活動に関する保険として、建設工事保険・機械保険・店舗休業保険・労働災害総合保険などを用意します。工事・機械リスクなど、特定の領域に絞った補償設計がしやすい構成です。

セコムのセキュリティ(防犯・防災)と連携した火災保険割引サービスを提供しており、セキュリティ導入先は防犯・防災の取り組みを保険料に反映できます。保険料や賠償商品の詳しい補償内容は、取扱代理店またはセコム損保への問い合わせで確認します。

10. 法人向け損害保険(大同火災海上保険株式会社)

大同火災 法人のお客さま向けページの公式サイト

1950年設立の「琉球火災」を前身とし、沖縄に基盤を置く地域密着型の損害保険会社です。全国大手とは位置づけが異なり、沖縄県内を中心とする事業者を主な対象とみられます。

事業者向けに、賠償責任・財物(企業財産)・火災・従業員の労災・建設工事の損害保険を一通りそろえています。賠償責任の保険は、リスク実態やニーズに合わせて補償プランを選び、各種オプション特約で選択肢を広げられます。

営業エリアや全国対応の可否、各商品の詳しい補償内容は公式サイトで確認が必要です。保険料は売上高・業種・補償額などで決まり、見積もりで確認します。

法人向け損害保険の一括見積もり・比較サービス

続いて、複数の損害保険会社の補償や保険料を一度に比較・見積もりできるサービスを紹介します。自社だけで各社の条件を比べるのが難しい場合や、専門家に相談しながら選びたい場合の選択肢になります。

11. SBIの保険比較インズウェブ(SBIインシュアランスサービス株式会社)

SBIの保険比較インズウェブ 法人向け一括見積もりの公式サイト

法人向けの賠償責任保険・工事保険などを対象に、1回のWeb入力で複数の損害保険会社へまとめて見積もりを依頼できる一括見積もりサービスです。SBIグループが運営し、利用は無料です。

あいおいニッセイ同和・AIG・共栄火災・損保ジャパン・Chubb・東京海上日動・日新火災・三井住友海上の大手8社を取り扱い、各社の提案を比較検討できます。賠償責任・工事保険に加え、D&O・サイバー・管財物件の火災保険・社有車の自動車保険なども相談対象です。

「最短3分」の入力で依頼でき、依頼後は保険代理店の担当者から連絡が入り、比較検討から契約手続きまでを支援します。個別の損害保険商品そのものではなく、複数社の条件を横並びで比べたいときの入口になるサービスです。

12. 法人保険市場(株式会社アドバンスクリエイト)

法人保険市場(保険市場 法人向け)の公式サイト

「保険市場」の法人向けサイトで、法人保険を「リスク別」「業種別」から探し、専門プランナーに無料で相談・比較できるサービスです。東証プライム上場の株式会社アドバンスクリエイトが運営します。

賠償責任・財物損害・休業損害・自動車事故・貨物運送・労務災害といった主要な損害保険を、8つのリスク別カテゴリと13の業種別カテゴリから横断的に比較・相談できます。損害保険を中心に、経営者向けの経営リスク(生命保険領域)も相談対象に含みます。

問い合わせフォームから法人専門プランナーが連絡し、事業内容のヒアリング・複数商品の検討・見積り・申込まで無料で支援します。損害保険商品そのものではなく、専門家に相談しながら自社に合う補償を絞り込みたいときの導線となるサービスです。

業種別に必要な法人向け損害保険

必要な損害保険は業種によって変わります。同じリスクでも発生しやすさや損害の大きさが異なるため、自業種に合わせて優先順位を付けることが大切です。まずは主な業種と、優先して検討したい損害保険の目安を一覧で整理します。

業種事業に伴う主なリスク優先して検討したい損害保険(重要度の高い順の目安)
建設業工事中の事故・第三者への損害・作業員の労災工事保険、請負業者賠償責任保険、労災上乗せ保険
製造業製品事故(PL)・工場や設備の火災・在庫の損害生産物賠償責任保険(PL保険)、火災・企業財産保険、動産総合保険
ビルメンテナンス業作業中の物損・対人事故・従業員の労災施設賠償責任保険・請負業者賠償責任保険、労災上乗せ保険
飲食業食中毒・火災・休業生産物賠償責任保険(食中毒)、店舗総合保険、休業補償
運送業車両事故・積荷(受託貨物)の損害法人向け自動車保険、運送業者貨物賠償責任保険
福祉・介護業利用者へのケガ・賠償・従業員の労災福祉事業者向け賠償責任保険、労災上乗せ保険
IT・情報サービス業情報漏えい・システム障害による賠償サイバー保険・個人情報漏洩保険、IT業務の賠償責任保険

ここからは、工事・製品・作業に固有のリスクが大きく、必要な保険の組み合わせが特徴的になりやすい建設業・製造業・ビルメンテナンス業を取り上げ、保険の当てはめを具体的に見ていきます。

建設業に必要な損害保険

建設業では、工事中の火災・自然災害・事故による工事目的物や資材の損害に備える工事保険が中心になります。建物の完成前は火災保険の対象外となるため、工事期間中の備えとして重要度が高い保険です。

あわせて、工事・作業中に通行人や近隣の建物へ損害を与えたときの請負業者賠償責任保険、高所作業など労働災害の蓋然性が高い現場に備える労災上乗せ保険が優先されます。元請・下請といった立場や工事の規模によって必要な補償額が変わるため、契約ごとに条件を確認することが求められます。

製造業に必要な損害保険

製造業では、製造・販売した製品の欠陥が原因で他人にケガや損害を与えたときに備える生産物賠償責任保険(PL保険)が中核になります。製品を市場に供給する事業の性質上、一度の事故が多数の被害者に及ぶ可能性があるためです。

工場や倉庫といった建物・設備・在庫を守る火災保険や企業財産保険、機械や可搬性のある設備を対象とする動産総合保険も重要度が高い保険です。製造工程で使う車両や、原材料・製品の取引に伴う信用リスクなど、事業の実態に応じて補償を組み合わせます。

ビルメンテナンス業に必要な損害保険

ビルメンテナンス業では、清掃・設備管理・警備などの作業中に、建物や設備を破損させたり、利用者にケガを負わせたりするリスクがあります。これに備えるのが施設賠償責任保険や請負業者賠償責任保険です。

高所・機械を扱う作業も多く、従業員の労働災害に備える労災上乗せ保険の重要度も高くなります。受託して管理する物件・設備の損害に備える受託者賠償責任保険を組み合わせるケースもあり、契約先から求められる補償内容にあわせて設計します。

法人向け損害保険の選び方

ここからは、数ある損害保険から自社に必要なものを絞り込むための判断軸を解説します。リスクの把握から見積もりの取得まで、順を追って進めると抜け漏れを防ぎやすくなります。

事業を取り巻くリスクを洗い出す

最初に取り組むべきは、自社の事業にどんなリスクが潜んでいるかの洗い出しです。どのリスクに備えるかが決まらないと、必要な保険も保険料の妥当性も判断できないためです。

業務内容(何を作り・売り・サービス提供しているか)、保有資産(建物・設備・在庫・車両)、従業員の有無と作業内容、取引先との契約関係を書き出し、賠償・財物・休業/利益・労災の4つの視点で当てはめると整理しやすくなります。発生する頻度は低くても、起きたときに事業の存続を脅かす損害ほど優先的に備える対象になります。

事業規模で選ぶ

加入のスタイルは事業規模によって変わります。専任の担当者を置きにくい中小企業や個人事業主では、必要な補償をまとめて備えられる包括型(事業活動総合保険など)が管理の手間を抑えやすく、抜け漏れも防ぎやすい選択肢です。

一方、リスクが大きく多岐にわたる中堅〜大企業では、賠償・財物・労災といったリスクごとに個別の保険を手厚く設計し、補償額や特約を細かく調整するアプローチが取られることが多くなります。自社の管理体制とリスクの大きさを踏まえて、包括型でまとめるか、個別に組み立てるかを見極めます。

保険料と補償内容のバランスで比較する

保険料の安さだけで選ぶと、いざというときに補償が不足するおそれがあります。補償の上限額(支払限度額)、自己負担となる免責金額、必要な特約が付いているかを確認し、保険料とのバランスで比較することが重要です。

免責金額を高く設定すれば保険料は下がりますが、小さな事故は自己負担になります。逆に、発生確率の低いリスクに過剰な補償を付けると保険料が膨らみます。洗い出したリスクの優先順位に沿って、手厚くする補償と抑える補償にメリハリを付けると、費用対効果を高めやすくなります。

加入・見積もりの進め方

備えるべき保険の方向性が固まったら、実際の条件と金額を確かめる段階に進みます。損害保険は同じ補償でも会社や特約の組み方で保険料が変わるため、複数社の見積もりを比べることが基本です。

複数の損害保険会社の条件を一度に取り寄せられる一括見積もりサービスや、業種・リスクに詳しい代理店・専門家への相談、各社の資料請求を組み合わせると、自社に合う補償を効率よく絞り込めます。加入後も、事業内容や資産の変化にあわせて定期的に補償を見直すことが望まれます。

進め方は状況によって変わります。すでに1社に絞れているなら各社の公式サイトから、複数社をまとめて比べたいなら一括見積もりサービス、専門家に相談しながら選びたいなら保険相談サービスといった導線を使い分けると、無駄なく検討を進められます。

重視するポイントから候補を絞る方法もあります。賠償責任を手厚くしたいなら賠償特化型、事業全体をまとめて備えたいなら包括型(事業活動総合保険)、地域に根ざした損保を検討したいなら地域基盤型が候補です。具体的な候補は比較表や選定診断で絞り込めます。

法人向け損害保険の保険料相場

法人向け損害保険の保険料は、業種・売上高・選ぶ補償の範囲・補償額などによって大きく変わるため、一律の相場を示すことは困難です。同じ補償でも、飲食店と製造業では想定されるリスクが異なり、保険料も変わってきます。

目安として、損害保険ジャパンが公式に開示している事業活動総合保険「ビジネスマスター・プラス」の月払概算保険料の例(2023年1月時点のパンフレット記載)では、業種・売上高・補償内容によって次のように差が生じます。

  • 内装仕上工事(売上高5,000万円・賠償ユニット):月払約26,660円
  • レストラン(売上高5,000万円・賠償ユニット):月払約5,520円
  • 居酒屋(売上高1億円・賠償+物損害ユニット):月払約45,140円
  • 食品製造(売上高5,000万円・賠償ユニット):月払約3,100円

このように保険料は、売上高・補償対象者の人数・選ぶ補償(ユニット)・補償プラン・業種といった要素で算定されます。上記はあくまで特定の前提条件での概算例であり、実際の保険料は自社の条件で見積もりを取って確かめる必要があります。概算例は保険料改定によって変動するため、検討時点の最新のパンフレットや見積もりで確認してください。

出典・参考資料(1件)

なお、損害保険会社によっては具体的な保険料の例を公開しておらず、見積もりで初めて金額が分かる商品も少なくありません。相場観をつかむ目的でも、複数社の見積もりを比較することが現実的です。

法人向け損害保険の経理処理・損金算入

損害保険は加入して終わりではなく、支払った保険料や受け取った保険金の経理処理も押さえておく必要があります。掛捨てか積立かによって扱いが変わるため、契約タイプごとに確認します。

満期返戻金のない掛捨型の事業用損害保険料は、期間の経過に応じて損金(個人事業主は必要経費)に算入するのが基本です。一方、保険期間が3年以上で満期返戻金の定めがある積立型では、積立保険料に相当する部分を資産に計上し、それ以外の部分を期間対応で損金に算入します。法人税基本通達では次のように定められています。

積立保険料に相当する部分の金額は保険期間の満了又は保険契約の解除若しくは失効の時までは資産に計上するものとし、その他の部分の金額は期間の経過に応じて損金の額に算入する。

出典:法人税基本通達9-3-9(長期の損害保険契約に係る支払保険料)|国税庁

個人事業主が支払う事業用資産の損害保険料も同様に、積立部分は資産として扱い、掛捨てに相当する部分は期間の経過に応じて必要経費に算入する取り扱いが所得税基本通達で示されています。勘定科目は、掛捨ての保険料を「支払保険料」や「保険料」、積立部分を「長期前払費用」「積立保険料」などの資産科目で処理するのが一般的ですが、具体的な科目は各社の会計慣行に委ねられます。

出典・参考資料(1件)

受け取った保険金の税務も、「一律に非課税」とは言い切れない点に注意が必要です。心身に加えられた損害に対する保険金や、資産の損害に対する保険金は原則として非課税となりますが、事業所得の収入を補てんする性質のものは課税対象になります。国税庁は次のように整理しています。

棚卸資産の損害に対する損害賠償金などは、収入金額に代わる性質を持つものであり、非課税とはならず、事業所得の収入金額となります。

出典:No.1700 加害者から治療費、慰謝料及び損害賠償金などを受け取ったとき|国税庁タックスアンサー

商品(棚卸資産)や休業中の家賃など必要経費を補てんする保険金は、収入金額として扱われます。法人が受け取る保険金も原則として益金に算入されるため、どの損害に対する保険金かによって扱いが変わります。実際の処理は、契約内容と受取人・補てん対象を確認したうえで、税理士など専門家に相談して判断することが安全です。

法人向け損害保険とは

法人向け損害保険とは、企業や個人事業主が事業活動に伴うリスクに備えるために加入する損害保険の総称です。第三者への賠償、建物・設備・在庫などの財物、休業や利益の損失、従業員の労災といった、事業に固有のリスクを幅広くカバーします。

経営者保険や退職金準備を目的とする生命保険とは異なり、損害保険は「偶然の事故・災害による損害」を補償する点が特徴です。個人向けの自動車保険や住宅火災保険と比べても、事業内容に応じて賠償や休業などの補償を組み合わせる点で構成が異なります。

損害保険に加入する意義は、たった一度の事故・災害で会社が傾く事態を避け、損害の負担を保険会社に移すことにあります。自己資金だけでは対応しきれない高額賠償や大規模災害に備えることで、事業を継続できる可能性を高められます。

法人向け損害保険と関連する法令・制度

各損害保険の必要性は、法令や公的制度がカバーする範囲と表裏の関係にあります。ここでは、賠償・労災・自動車に関わる代表的な法令・制度を確認し、どの保険がその不足を補うのかを整理します。必要性は業種やリスクの有無によって変わるため、自社の実態に照らして判断してください。

製造物責任法(PL法)と生産物賠償責任保険

製造・加工した製品を扱う事業では、製造物責任法(平成六年法律第八十五号。以下、PL法)が賠償リスクの背景になります。PL法は、製造物の欠陥によって他人に損害を与えた場合の製造業者等の賠償責任を定めており、加害者の過失を要件としない点が特徴です。

製造業者等は、その製造、加工、輸入又は前条第三項第二号若しくは第三号の氏名等の表示をした製造物であって、その引き渡したものの欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が当該製造物についてのみ生じたときは、この限りでない。

出典:製造物責任法(平成六年法律第八十五号)第三条|e-Gov法令検索

欠陥の存在によって責任を負うこの仕組みに備えるのが、生産物賠償責任保険(PL保険)です。製造・加工・輸入や自社ブランドでの販売に関わる事業では検討する意義が大きく、製造物を扱わない事業では必要性が薄くなります。自社の製品や取り扱う商品の性質に応じて要否を判断します。

政府労災の給付範囲と労災上乗せ・使用者賠償責任保険

従業員を雇用する企業には、政府の労災保険(労働者災害補償保険)が業務上・通勤上の傷病に備える制度として用意されています。ただし、その保険給付は療養・休業・障害・遺族・介護などに限られ、慰謝料や逸失利益の全額は給付項目に含まれません。

企業が安全配慮義務違反などで民事上の損害賠償責任を負った場合、政府労災でカバーされない差額は別途負担することになります。この不足を補うのが、政府労災に上乗せする労災上乗せ保険や、企業の賠償責任に備える使用者賠償責任保険です。労働災害が起きやすい業種ほど、検討の重要度が高まります。

出典・参考資料(2件)

自賠責保険の支払限度額と法人向け自動車保険

業務で車両を使用する企業では、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)が最低限の対人賠償を担います。自賠責保険は対人賠償のみを対象とし、被害者1名につき支払限度額が定められています。

  • 傷害による損害:120万円
  • 後遺障害による損害:介護を要する後遺障害〔常時介護(第1級)4,000万円/随時介護(第2級)3,000万円〕、その他の後遺障害〔第1級3,000万円〜第14級75万円〕
  • 死亡による損害:3,000万円
出典:自賠責保険・共済の限度額と補償内容|国土交通省

自賠責保険は対物賠償や自社の車両損害を対象とせず、対人賠償にも上限があります。この限度を超える対人賠償や、対物賠償・車両損害・搭乗者の補償に備えるのが任意の法人向け自動車保険です。営業車・作業車を保有する事業では、車両の使用実態に応じて補償を検討します。

自社に必要な補償の見当がついたら、比較表や選定診断で候補となるサービスを絞り込めます。

まとめ

法人向け損害保険は、賠償責任・財物や資産・事業の中断や利益・従業員の労災という4つのリスクに整理すると、自社に必要な備えを見極めやすくなります。複数のリスクをまとめて備えたい場合は事業活動総合保険などの包括型、特定のリスクを手厚くしたい場合は単品加入という使い分けが基本です。

必要な保険は業種によって異なり、保険料も業種・売上高・補償内容で変わります。まず自社のリスクを洗い出し、事業規模に合った加入スタイルを選び、保険料と補償のバランスを確かめたうえで、複数社の見積もりを比較して絞り込むと、抜け漏れや払い過ぎを防ぎやすくなります。経理処理や損金算入の扱い、関連する法令・制度もあわせて押さえ、自社に合う備えを検討してください。

各社の補償や保険料を横並びで比べたいときは、本記事の比較表・選定診断や、一括見積もりサービスもあわせてご活用ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 法人向け損害保険とは何ですか?

A. 法人向け損害保険とは、企業や個人事業主が、事業活動に伴うリスク(第三者への賠償・建物や設備などの財物の損害・休業や利益の損失・従業員の労災)に備えて加入する損害保険の総称です。経営者保険や退職金準備を目的とする生命保険とは異なり、偶然の事故・災害による損害を補償する点が特徴です。

賠償責任・財物・事業の中断/利益・従業員の労災という4つのリスク別に整理すると、自社に必要な備えの全体像をつかみやすくなります。

Q. 個人事業主でも法人向け損害保険に加入できますか?

A. 個人事業主でも、法人向けの損害保険(事業活動総合保険や各種の賠償責任保険など)に加入できます。補償の選び方は法人と基本的に同じで、自社の業種・守りたいリスク・事業規模に合わせて必要な補償を組み合わせます。ただし資金力が限られる場合は、発生時に事業の存続を脅かす優先度の高いリスクから、無理のない範囲で備えていくのが現実的です。

Q. 法人向け損害保険の保険料の相場はどのくらいですか?

A. 法人向け損害保険の保険料は、業種・売上高・選ぶ補償の範囲や補償額によって大きく変わるため、一律の相場を示すことは困難です。たとえば損害保険ジャパンの事業活動総合保険の公式概算例では、同じ賠償ユニット(売上高5,000万円)でもレストランは月払約5,520円、内装仕上工事は月払約26,660円と業種によって差が生じます(2023年1月時点の概算例)。

相場観をつかむためにも、前提条件(業種・売上高・補償内容)をそろえて複数社の見積もりを比較することが現実的です。

Q. 法人向け損害保険の保険料は損金算入できますか?

A. 満期返戻金のない掛捨型の事業用損害保険料は、期間の経過に応じて損金(個人事業主は必要経費)に算入できるのが基本です。一方、保険期間が3年以上で満期返戻金の定めがある積立型では、積立保険料に相当する部分を資産に計上し、その他の部分を期間の経過に応じて損金に算入します。勘定科目や具体的な処理は契約内容によって変わるため、税理士など専門家に確認すると確実です。

出典・参考資料(2件)

Q. 法人向け損害保険で受け取った保険金に税金はかかりますか?

A. 法人向け損害保険の保険金は、「一律に非課税」とは言い切れず、どの損害を補てんする保険金かによって扱いが変わります。心身に加えられた損害に対する保険金や、資産の損害に対する保険金は原則として非課税です。

一方、商品(棚卸資産)や休業中の家賃など必要経費を補てんする性質のものは、収入金額として課税対象になります。法人が受け取る保険金は原則として益金に算入されるため、受取人・補てん対象を確認したうえで専門家に相談すると安全です。

出典・参考資料(1件)

Q. 法人向け損害保険は包括型と単品加入のどちらを選べばよいですか?

A. 必要な補償をまとめて備えたい中小企業・個人事業主は包括型(事業活動総合保険など)、特定のリスクを手厚くしたい場合や大企業は単品加入(ピンポイント型)が向くというのが基本的な使い分けです。包括型は補償の抜け漏れや重複を防ぎやすく管理の手間も抑えられ、単品加入はリスクごとに補償額や特約を細かく設計できます。自社の管理体制とリスクの大きさを踏まえて、まとめて備えるか個別に組み立てるかを見極めます。

Q. 政府労災に加入していれば労災上乗せ保険は不要ですか?

A. 政府の労災保険だけでは、慰謝料や逸失利益の全額まではカバーされない場合があります。企業が安全配慮義務違反などで負う賠償の差額を補うのが労災上乗せ保険や使用者賠償責任保険で、労働災害が起きやすい業種ほど検討の重要度が高まります(政府労災の給付範囲は本文「関連する法令・制度」を参照)。

Q. PL保険(生産物賠償責任保険)はどんな業種に必要ですか?

A. PL保険は、製造・加工・輸入や自社ブランドでの販売を行う事業で、検討の意義が大きい保険です。製造物責任法(PL法)が製造物の欠陥による製造業者等の賠償責任を過失なしに定めているためで、製造物を扱わないサービス業では必要性が薄くなります(PL法の詳細は本文「関連する法令・制度」を参照)。

Q. 自賠責保険に加入していれば法人向け自動車保険は不要ですか?

A. 自賠責保険は対人賠償のみが対象で支払限度額も定まっているため、これだけでは業務用車両のリスクを十分にはカバーできません。対物賠償・車両損害・搭乗者の補償や限度超過分に備えるのが任意の法人向け自動車保険で、営業車・作業車を保有する事業では使用実態に応じて検討します(限度額の詳細は本文「関連する法令・制度」を参照)。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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