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保険代理店とは?仕組み・手数料から専属・乗合の違いまで分かりやすく解説

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保険代理店システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要21サービスの料金・機能を無料で一覧比較

保険代理店システム比較表(2026年版)

「保険代理店」という言葉はよく耳にしますが、保険会社と何が違うのか、相談するとお金はかかるのか、と問われると答えにくいのではないでしょうか。

保険代理店は、保険会社と私たち契約者の間に立つ存在です。ただ、専属と乗合、保険代理店と保険仲立人(ブローカー)など似た言葉も多く、仕組みを整理しておくと、相談先を選ぶときも、これから代理店を営むことを考えるときも判断しやすくなります。

この記事では、保険代理店とは何かという定義から、手数料の仕組み、保険会社や保険仲立人との違い、利用するメリットと注意点、代理店の種類までを解説します。あわせて、代理店を営む立場で押さえておきたい登録や資格、2026年の保険業法改正への対応、そして代理店運営を支える保険代理店システムまで整理します。

保険代理店とは

保険代理店とは、保険会社の委託を受けて、その保険会社を代理して契約者との保険契約の締結や保険募集を行う事業者です。保険会社と契約者の間に立ち、保険の提案から契約手続き、契約後のサポートまでを担います。損害保険の分野では、業界団体の日本損害保険代理業協会が代理店の業務を次のように説明しています。

損害保険代理店の業務は、損害保険会社と損害保険代理店委託契約を締結し、損害保険会社を代理してお客さまと保険契約を結んで、保険料を領収することです。

出典:損害保険代理店とは|一般社団法人 日本損害保険代理業協会

保険業法でも、損害保険代理店は「損害保険会社の委託を受け(略)その損害保険会社のために保険契約の締結の代理又は媒介を行う者」と定義されています(保険業法第2条第21項)。生命保険を扱う生命保険募集人も同様に、保険会社の委託を受けて保険募集を行います。共通するのは、代理店は自社で保険を引き受けるのではなく、保険会社を代理・媒介して契約者との間をつなぐ立場だという点です。

出典・参考資料(1件)

保険代理店の主な役割・業務

代理店の役割は、契約時の手続きだけではありません。日本損害保険代理業協会は、代理店を「消費者・保険契約者と保険会社のパイプ役」と位置づけ、契約前・契約時・契約期間中・満期時・事故時の各段階で契約者を支える存在としています。具体的には、次のような業務を担います。

  • 契約前:契約者のリスクを一緒に確認し、必要な備えを提案する
  • 契約時:商品の選定と重要事項の説明を行い、契約手続きと保険料の領収をする
  • 契約期間中:契約内容の変更や見直しに対応し、必要な情報を提供する
  • 満期時:状況の変化を踏まえて契約を更新(更改)する
  • 事故時:事故の連絡を受け付け、保険金請求の手続きを案内・サポートする
保険代理店の役割を契約前・契約時・契約期間中・満期時・事故時の5段階で示した図解。契約前はリスクを確認し必要な備えを提案、契約時は商品の選定と重要事項の説明・契約手続きと保険料の領収、契約期間中は契約内容の変更や見直しへの対応、満期時は状況の変化を踏まえた更新(更改)、事故時は事故連絡の受付と保険金請求の案内・サポートを行う。保険金を支払うかどうかの判断は保険会社が行い、代理店は判断できない。

ここで押さえておきたいのは、事故が起きたときの保険金支払いの判断は、代理店ではなく保険会社が行うという点です。日本損害保険協会は、代理店の権限について次のように明記しています。

保険金支払いの有無等を判断する権限は保険会社にあり、代理店は判断することができません。

出典:損害保険代理店とは|一般社団法人 日本損害保険協会

このように代理店は、契約者にとって身近な相談窓口として提案・手続き・事故対応の案内までを担いますが、保険金を支払うかどうかを決めるのは保険会社です。この役割分担を知っておくと、代理店に何を頼れるのかがはっきりします。

保険代理店に相談するとお金はかかる?手数料の仕組み

「代理店に相談すると相談料を取られるのではないか」「代理店を通すと保険料が高くなるのではないか」という疑問は、多くの人が最初に抱くところです。結論から言うと、保険代理店への相談は基本的に無料で、代理店を通しても契約者が支払う保険料は保険会社と直接契約する場合と変わりません

その理由は、代理店の収入源にあります。代理店は、委託契約を結んだ保険会社から、販売した保険商品の種類や件数に応じて手数料を受け取ることで運営されています。契約者が窓口で払う保険料に相談料が上乗せされるわけではないため、相談自体は何度でも無料で受けられるのが一般的です。

手数料の水準は保険の種類や保険会社によって異なりますが、いずれも保険会社から代理店へ支払われるもので、契約者が別途負担するものではありません。そのため、契約者側が手数料の金額を意識して代理店を選ぶ必要は基本的になく、取り扱う保険会社の範囲や相談のしやすさで選ぶのが実際的です。

また、支払う保険料そのものは、代理店経由でも保険会社の直販でも同じ金額です。保険料は、契約者から集めた保険料の総額と支払われる保険金の総額が見合うように設計される「収支相等の原則」などにもとづいて、保険会社が算出します。販売チャネルが代理店か直販かで保険料が変わる仕組みにはなっていません。

ここまでの保険会社・保険代理店・契約者の関係と、お金の流れを整理すると次のとおりです。

保険会社・保険代理店・契約者の関係を示した図解。保険代理店は保険会社と委託契約を結び、保険会社を代理・媒介して契約者との間をつなぐ。保険会社は代理店に手数料を支払い、代理店は契約者に提案・契約手続き・契約後のサポートを行う。支払う保険料は直販でも代理店経由でも同額で、保険金を支払うかどうかの判断は保険会社が行う。

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保険代理店と混同しやすいものとの違い(保険会社・保険仲立人)

保険代理店を正しく理解するには、似た立場と比べるのが近道です。ここでは、保険会社に直接申し込む「直販(ダイレクト型)」との違いと、同じ仲介役でも立場が異なる「保険仲立人(ブローカー)」との違いを整理します。

保険代理店と保険会社(直販)の違い

保険会社に直接申し込む直販は、その保険会社の商品だけを扱います。一方、複数の保険会社と契約する乗合代理店では、複数社の商品を横断して比較・提案してもらえます。相談方法や契約後の窓口にも違いがあります。

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比較の観点取り扱う保険会社複数社の比較・提案相談・対面サポート契約後の手続き窓口支払う保険料
保険代理店(乗合代理店)複数の保険会社の商品を扱える複数社を横断して比較・提案してもらえる来店・対面での相談に対応する店舗が多い複数の契約の窓口を代理店に一本化しやすい直販と同額(代理店経由でも上乗せはない)
保険会社(直販・ダイレクト型)自社1社の商品のみ自社商品の範囲内Webや電話が中心で対面は限定的契約した保険会社ごとに手続き代理店経由と同額

※上記は複数社を扱う乗合代理店を前提とした一般的な傾向です。取り扱い範囲やサポート内容は各代理店・各保険会社によって異なります。

保険代理店と保険仲立人(ブローカー)の違い

保険仲立人(ブローカー)も、保険会社と契約者の間に立つ仲介役です。ただし、その立場は保険代理店と大きく異なります。日本損害保険代理業協会は、両者の違いを次のように説明しています。

損害保険代理店は、特定の保険会社との代理店委託契約によって、損害保険会社を代理し、保険契約者と保険契約締結の代理または媒介を行います。保険仲立人は、特定の損害保険会社からの委託を受けることなく、損害保険会社と保険契約者の間に立って、中立の立場で保険契約の締結の媒介を行います。

出典:損害保険代理店とは|一般社団法人 日本損害保険代理業協会

大きな違いは、誰の側に立つかです。保険代理店は保険会社の委託を受けて保険会社を代理する立場ですが、保険仲立人は特定の保険会社の委託を受けず、中立の立場で媒介します

保険仲立人には、顧客の側に立つ誠実義務が法律で定められており、保険業法第299条は「保険仲立人は、顧客から委託を受けてその顧客のため誠実に保険契約の締結の媒介を行わなければならない」としています。両者の位置づけを整理すると次のとおりです。

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比較の観点立場保険会社との関係行える行為誠実義務を負う相手登録の根拠(保険業法)
保険代理店保険会社の委託を受け、保険会社を代理する委託契約を結ぶ契約締結の代理または媒介保険会社を代理する立場で募集する第276条(内閣総理大臣の登録)
保険仲立人(ブローカー)特定の保険会社の委託を受けず、中立の立場で媒介する委託契約を結ばない契約締結の媒介のみ(代理はしない)顧客に対して誠実義務を負う(保険業法第299条)第286条(内閣総理大臣の登録)

※保険業法にもとづく一般的な位置づけの整理です。

日本では保険代理店を通じた販売が主流で、保険仲立人の数は多くありません。「保険会社の商品を、保険会社を代理して提案してくれるのが代理店」「中立の立場で媒介するのが仲立人」と押さえておくと違いが分かりやすくなります。

出典・参考資料(1件)

保険ブローカー(保険仲立人)と代理店の違いを、法的な位置づけや収益構造、取り扱い上のリスクの観点まで掘り下げて知りたい方は、次の記事で詳しく解説しています。

保険代理店を利用するメリット・デメリット

保険代理店を通して契約すると、直販にはない利点がある一方で、知っておきたい注意点もあります。相談先を選ぶ判断材料として、両面を整理します。

保険代理店を利用するメリット

複数の保険会社を扱う乗合代理店であれば、1社ずつ問い合わせなくても、複数社の商品を横断して比較・提案してもらえます。保険の専門知識を持つ担当者に、自分の状況に合わせて相談できるのも利点です。相談は基本的に無料で、納得できるまで何度でも話を聞けます。

契約後のサポートも代理店の役割です。家族構成やライフステージの変化に応じた見直し、契約内容の変更手続き、複数契約の窓口の一本化、事故が起きたときの保険会社への連絡や保険金請求の案内まで、一貫して相談できます。複数の保険に加入している場合は、窓口が代理店にまとまることで手続きの手間を減らせます。

保険代理店を利用するデメリット・注意点

一方で、直販のダイレクト型と比べると、相談から契約までに時間がかかりやすい点は押さえておきましょう。対面の相談は1回あたり一定の時間を要し、来店型では待ち時間が生じることもあります。じっくり相談したい人には向きますが、自分で商品を決めていて手早く契約したい人には手間に感じられる場合があります。

また、専属代理店は取り扱いが1社に限られるため、複数社を比較したい場合は乗合代理店を選ぶ必要があります。担当者との相性や提案内容に納得できないときは、担当者の変更を申し出たり、別の代理店に相談したりすることもできます。

相談先の代理店を選ぶときは、次の3点を確認しておくと、自分に合う窓口を見つけやすくなります。

  • 取り扱う保険会社の範囲:複数社を比較したいなら乗合代理店か、何社の商品を扱っているかを確認する
  • 相談のしやすさ:来店型か訪問型か、予約のしやすさや営業時間が自分の生活に合うか
  • 担当者の対応:意向を丁寧に聞き、提案の理由をわかりやすく説明してくれるか。納得できなければ担当者や代理店を変えてよい

保険代理店の種類(専属・乗合・来店型ほか)

保険代理店は、いくつかの切り口で分類できます。相談先を選ぶうえで特に重要なのが、取り扱う保険会社の数による「専属代理店」と「乗合代理店」の違いです。

専属代理店と乗合代理店の違い

専属代理店は1社の保険会社とだけ委託契約を結び、その会社の商品を扱います。乗合代理店は複数の保険会社と契約し、複数社の商品を比較して提案できます。

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比較の観点委託契約を結ぶ保険会社商品の扱い向いている相談
専属代理店1社のみその1社の商品を深く提案加入したい保険会社が決まっている場合
乗合代理店複数社複数社の商品を横断して比較・提案複数社を比較して選びたい場合

※一般的な傾向です。取り扱い保険会社は各代理店によって異なります。

専属代理店と乗合代理店それぞれのメリット・デメリットや、自分に合うのはどちらかの選び方まで詳しく知りたい方は、次の記事で解説しています。

そのほかの分類(来店型・訪問型/専業・副業/個人・法人)

相談のスタイルや運営形態によっても、代理店はいくつかに分けられます。自分に合った相談先を選ぶときの参考になります。

  • 来店型・訪問型:店舗に出向いて相談する来店型が一般的ですが、担当者が自宅や職場を訪問する訪問型もあります。育児や介護などで来店が難しい場合は訪問型が便利です。
  • 専業・副業:保険の販売を専業とする代理店のほか、自動車販売店や不動産会社などが本業に付随して保険を扱う副業(兼業)代理店もあります。車や住宅の購入と同時に関連する保険を契約できるのが後者の特徴です。
  • 個人・法人:少人数で運営する個人代理店と、複数の担当者を抱える法人代理店があります。法人代理店では保険の種類ごとに担当者が分かれていることもあります。

いずれの分類も、優劣ではなく特徴の違いです。相談したい内容や自分の状況に合わせて、取り扱う保険会社の範囲と相談スタイルの合う代理店を選ぶとよいでしょう。

保険代理店を営むには(登録・資格・法令対応)

ここからは、保険代理店を営む・これから始める立場で知っておきたい要件を整理します。保険の募集は誰でも自由に行えるわけではなく、登録や届出、体制整備が保険業法で定められています。

損害保険代理店の数は減少傾向にあり、日本損害保険協会の統計では2025年度(令和7年度)末の実在数は124,024店で、前年度末から11.5%減少しました。限られた人数で品質を保ちながら運営することが、業界全体の課題になっています。

出典・参考資料(1件)

この「品質を保ちながら運営する」という課題は、業界の評価軸そのものの変化とも重なります。この点について、保険代理店向けのシステムを提供するトラストオフィス株式会社の小守氏は、独自インタビューで次のように話しています。

小守氏
トラストオフィス株式会社 代表取締役
小守氏
独自インタビューより

ただ、法改正だけが背景ではありません。業界全体として「規模」から「品質」へと評価軸が変化してきていることも大きな流れです。数年前までは、代理店の規模が大きいことそのものが評価される傾向がありました。しかし最近は、保険会社様からも業務品質がしっかり求められるようになっています。面談記録の整備や必要な研修の受講といった基本動作ができていないと、同じ手数料を稼いでいても評価面で差が付いてしまう状況になってきています。数字だけを追うのではなく、業務の質をきちんと整えることが、代理店様にとってますます重要になっている実感があります。

内閣総理大臣への登録・募集人の届出・体制整備

保険代理店として保険募集を行うには、内閣総理大臣の登録が必要です。保険業法第276条は、代理店を含む特定保険募集人について次のように定めています。

特定保険募集人(生命保険募集人、損害保険代理店又は少額短期保険募集人(略)をいう。以下同じ。)は、この法律の定めるところにより、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。

出典:保険業法 第276条(登録)|e-Gov法令検索

また、代理店に所属して保険募集を行う役員や使用人(募集人)についても、氏名などを内閣総理大臣に届け出る義務があります(保険業法第302条)。加えて、実際に募集を行う人は、各保険会社が課す損害保険募集人一般試験や生命保険の一般課程試験などに合格し、事前教育を受けることが求められます。

「無登録・無届出では募集を行えない」という枠組みと、「保険会社が課す試験・教育を経て初めて募集ができる」という運用の両方を満たす必要があります。

これから保険代理店を開業する立場で、必要な資格や準備の進め方を具体的な手順で知りたい方は、次の記事で解説しています。

さらに、保険募集人には、顧客の意向を把握して提案・説明を行う「意向把握義務」があります。これは2026年の改正で新設されたものではなく、現行の保険業法で定められている既存の義務です。保険業法第294条の2は次のように定めています。

保険会社等(略)、保険募集人又は保険仲立人若しくはその役員若しくは使用人は、保険契約の締結、保険募集(略)に関し、顧客の意向を把握し、これに沿った保険契約の締結等(略)の提案、当該保険契約の内容の説明及び保険契約の締結等に際しての顧客の意向と当該保険契約の内容が合致していることを顧客が確認する機会の提供を行わなければならない。

出典:保険業法 第294条の2(顧客の意向の把握等)|e-Gov法令検索

複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店には、比較・推奨した内容を顧客に提供する体制を整える義務もあります(保険業法第294条の3)。これらの意向把握や比較の記録を、紙や担当者個人の管理で残すのか、システムで一貫して残すのかは、運営の効率と信頼性を左右します。

保険業法の改正で代理店運営はどう変わるか

近年の保険業法改正は、代理店の運営にも影響します。改正の内容と施行時期を正確に押さえておきましょう。まず、2026年6月1日(令和8年6月1日)に施行された改正では、規模の大きい乗合代理店などに対する体制整備義務が強化されました。金融庁は主な改正内容を次のように公表しています。

特定大規模乗合保険募集人(略)に対する体制整備義務の強化(保険募集の業務関連):営業所又は事務所ごとの法令等遵守責任者の設置/本店又は主たる事務所への法令等遵守責任者を指揮する者(統括責任者)の設置/苦情処理体制の整備

出典:令和7年保険業法改正に係る内閣府令等の公布及びパブリックコメント結果の公表について|金融庁

この体制整備義務の強化が2026年6月1日施行で対象とするのは、手数料等の収入が大きい「特定大規模乗合保険募集人」です。数人から十数人規模の中小の代理店が、この改正で直ちに新たな義務を負うわけではありません。

あわせて注意したいのが、乗合代理店の比較推奨販売のルール見直しです。これは2026年6月の改正とは施行時期が異なり、比較説明・推奨販売に関する内閣府令の改正として2026年(令和8年)8月28日に公布され、2028年(令和10年)3月1日から施行されます。

いわゆる「ハ方式」(代理店自身の推奨方針にもとづく推奨)を見直す内容で、顧客の意向を踏まえた比較・推奨と、その理由の記録・説明がより重視される方向です。「2026年6月に比較推奨のルールが変わる」と混同しやすいので、施行時期を分けて確認しておくことが大切です

保険業法改正の施行時期を示した図解。2026年6月1日施行の改正では特定大規模乗合保険募集人に対する体制整備義務が強化され、営業所ごとの法令等遵守責任者の設置、統括責任者の設置、苦情処理体制の整備が求められる。2026年8月28日に公布され2028年3月1日に施行される改正では、いわゆるハ方式など比較推奨販売のルールが見直され、顧客の意向を踏まえた比較・推奨とその理由の記録・説明が重視される。2つの改正は施行時期が異なる。

出典・参考資料(2件)

2026年施行の保険業法改正や、比較推奨販売のいわゆる「ハ方式」の見直しについて、実務でどう対応すればよいかまで詳しく知りたい方は、次の記事で解説しています。

代理店運営の実務を支える「保険代理店システム」とは

ここまで見てきたように、保険代理店の運営には、顧客・契約情報の管理、意向把握や比較・推奨の記録、満期の更新(更改)、募集人や手数料の管理など、幅広い実務が伴います。これらを紙やExcel、担当者の記憶に頼って回すと、更新もれや二度手間、属人化が起こりやすくなります。

こうした代理店運営の実務を効率化し、法令で求められる記録・体制整備を確実に残すために使われるのが、保険代理店向けのシステム(保険代理店システム)です。

法令で求められる意向把握や比較・推奨の記録をシステムで残したいというニーズは、法改正を前に実際に高まっています。保険代理店向けシステムを提供する株式会社WizleapのCTO・木太久氏は、寄せられる相談について独自インタビューで次のように話しています。

木太久氏
株式会社Wizleap CTO
木太久氏
独自インタビューより

守りの面で言うと、やはり2026年の法改正に向けて、しっかりしたログを残せる体制にしたいというご相談が直近は多いです。実際にこういう確認をして意向を受けたので、それをうまくシステムで管理したい、という声です。あわせて、募集人ごとの面談記録のバラつきを標準化したいという課題もよくうかがいます。

システムを選ぶときに見る観点

保険代理店システムを比べるときは、次の観点で見ると、自社の運営に合うかを判断しやすくなります。下の比較表の項目とも対応しています。

  • 意向把握・比較推奨の記録:意向把握や比較・推奨の理由を記録として残し、監査に備えられるか
  • 満期・更改管理:満期や更新をシステムが抽出・通知し、対応もれを防げるか
  • データ連携:保険会社の共同ゲートウェイ(共同GW)連携やExcelからの取り込みに対応し、既存データを移行しやすいか
  • 費用と規模:初期費用や月額、最低利用人数が自社の規模に合い、小さく始められるか

ここでは、これらの観点で代表的な保険代理店システムを比較します。各サービスの詳しい紹介は表の下に続きます。

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サービスhokanMCエキスパートクラウドYouWill-CRM保険VOS保険マネージャー for Business
初期費用要問い合わせ要問い合わせ200,000円(税別)要問い合わせ0円
月額費用要問い合わせ要問い合わせ3,000円/人〜
(最少5人)
4,000円/ID
(別途 電子証明書200円/ID)
0円〜
(有料プラン550円・2,200円)
意向把握・比較推奨の記録比較推奨の記録は対応予定比較推奨の対応範囲は要問い合わせ要問い合わせ
満期・更改管理
共同GW・データ連携共同GW連携は要問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る詳細を見る詳細を見る詳細を見る

主な保険代理店システムの機能・料金(個別紹介)

ここからは、比較表で取り上げた保険代理店システムを個別に紹介します。自社の規模や重視する業務に合わせて、機能や費用を公式情報とあわせて確認してください。

1. hokan(株式会社hokan)

hokanのウェブサイト

hokanは、保険代理店業務に特化したクラウド型の顧客・契約管理システムです。顧客情報・契約管理・意向把握・比較推奨・満期更改・案件管理までを一つのプラットフォームで扱い、複数の保険会社を扱う乗合代理店で起きがちな情報の分断と属人化の解消を主眼に設計されています。

意向把握から商品提案までをペーパーレスで記録できるため、比較推奨や意向把握の記録を証跡として残しやすい点が特徴です。保険会社の共同ゲートウェイ(共同GW)連携で既契約情報を取り込めるほか、Excelからの取り込みにも対応し、紙やExcel中心の運用からの移行の負担を抑えられます。料金は利用人数や導入内容に応じた見積もり形式で、詳細は資料で確認できます。

2. MCエキスパートクラウド(株式会社Wizleap)

MCエキスパートクラウドのウェブサイト

MCエキスパートクラウドは、株式会社Wizleapが提供する保険代理店向けの業務品質管理クラウドシステムです。公式サイトでは「法令遵守とAI業務効率化を両立する保険代理店システム」と位置づけられ、コンプライアンス対応や記録業務をシステム側で支えることで、募集人が顧客対応に時間を使える環境づくりを掲げています。

提供元のWizleapは、生命保険協会の業務品質対応基準に準拠した認定代理店「マネーキャリア」を運営しており、その現場ノウハウをシステム化した点を特徴としています。面談レポートの作成支援や保全管理(満期・更新への対応)、事業報告書の作成支援などをそろえ、業務品質と法令遵守を重視する代理店に向いた選択肢です。料金は利用人数や導入プランに応じるため要問い合わせで、詳細は資料で確認できます。

3. YouWill-CRM(トラストオフィス株式会社)

YouWill-CRMのウェブサイト

トラストオフィス株式会社が提供するYouWill-CRMは、生命保険・損害保険の両方に対応した保険代理店向けCRMです。顧客・契約情報の一元管理に加え、意向把握の記録、満期更改の管理、保険会社の共同ゲートウェイ連携などに対応しています。

料金は公式サイトで公開されています。2026年7月時点で、Standardプランが1人あたり月額3,000円(最少5人から)、Coreプランが1人あたり月額2,000円(最少30人から)、初期設定支援が200,000円(いずれも税別)です。

情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO/IEC 27001(ISMS)認証を取得しており、料金体系が明確なため、費用を見通しながら導入したい代理店に向いています。

4. 保険VOS(SD Financial Technology株式会社)

保険VOSのウェブサイト

生命保険・損害保険を横断した顧客の名寄せから意向把握、対応履歴の管理までを一つにまとめたのが、SD Financial Technology株式会社(ソシオ・ダイバシティグループ)の保険VOSです。保険代理店に特化したCRM・営業支援システムで、共同ゲートウェイ連携にも対応しています。

料金は2026年7月時点で、1IDあたり月額4,000円に電子証明書200円/IDが加わる体系です。情報セキュリティの国際規格ISO/IEC 27001(ISMS)認証を取得し、公式サイトでは全国約600社の導入を掲げています。初期費用や最低利用ID数などの詳細は、資料や問い合わせで確認するとよいでしょう。

5. 保険マネージャー for Business(株式会社TFPグループ)

保険マネージャー for Businessのウェブサイト

保険マネージャー for Businessは、乗合代理店を運営する株式会社TFPグループが、自社の業務効率化のノウハウをもとに提供する保険代理店システムです。生命保険・損害保険を横断した顧客・契約情報の一元管理に加え、手数料データの自動仕分け・集計に対応しています。

料金は初期費用0円で、2026年7月時点で、機能を絞ったフリープランが月額0円、上位プランが月額550円・2,200円です。少人数・家族経営の代理店が費用をかけずに始めやすい価格帯で、まず小さく試してから広げたい場合の選択肢になります。意向把握・比較推奨の記録機能の対応範囲は、資料や問い合わせで確認しておくと安心です。

ここで紹介したもの以外にも、保険代理店向けのシステムは数多くあります。機能や料金を横並びで比較し、自社に合うシステムをじっくり検討したい場合は、次の記事もあわせてご覧ください。

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まとめ

保険代理店とは、保険会社の委託を受けて、その保険会社を代理して契約者との保険契約の締結や保険募集を行う事業者です。相談は基本的に無料で、代理店を通しても支払う保険料は直販と変わりません。乗合代理店なら複数社を比較して提案してもらえる一方、契約までに時間がかかりやすいなどの注意点もあります。中立の立場で媒介する保険仲立人(ブローカー)とは、立場や誠実義務の相手が異なります。

代理店を営む立場では、内閣総理大臣への登録や募集人の届出、意向把握・体制整備といった保険業法上の要件を満たす必要があります。2026年6月施行の改正で大規模な乗合代理店の体制整備が強化され、比較推奨販売のルール見直しも2028年3月の施行に向けて進みます。

こうした記録・体制整備の実務を効率化し、確実に残すために、保険代理店システムの活用が有効です。自社の規模や課題に合うシステムを、機能・費用の両面から比較して検討してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 保険代理店とは何ですか?

A. 保険代理店とは、保険会社の委託を受けて、その保険会社を代理して契約者との保険契約の締結や保険募集を行う事業者です。自社で保険を引き受けるのではなく、保険会社と契約者の間に立ち、保険の提案から契約手続き、契約後のサポートまでを担います。複数の保険会社と契約する乗合代理店であれば、複数社の商品を横断して比較・提案してもらえます。

Q. 保険代理店に相談すると相談料はかかりますか?保険料は高くなりますか?

A. 保険代理店への相談は基本的に無料で、代理店を通しても支払う保険料は保険会社と直接契約する場合と変わりません。代理店は委託契約を結んだ保険会社から手数料を受け取って運営しており、契約者が窓口で払う保険料に相談料が上乗せされる仕組みではないためです。相談自体は何度でも無料で受けられるのが一般的です。

Q. 専属代理店と乗合代理店の違いは何ですか?

A. 保険代理店の専属と乗合の違いは、委託契約を結ぶ保険会社が1社か複数社かという点です。専属代理店は1社の保険会社とだけ契約してその会社の商品を深く提案し、乗合代理店は複数社と契約して商品を横断的に比較・提案できます。加入したい保険会社が決まっているなら専属、複数社を比較して選びたいなら乗合が向いています。

Q. 保険代理店と保険仲立人(ブローカー)の違いは何ですか?

A. 保険代理店と保険仲立人の違いは、誰の立場に立つかにあります。保険代理店は保険会社の委託を受けて保険会社を代理する立場ですが、保険仲立人(ブローカー)は特定の保険会社の委託を受けず、中立の立場で保険契約の締結を媒介します。保険仲立人には、顧客のために誠実に媒介を行う「誠実義務」が保険業法第299条で定められています。

出典・参考資料(1件)

Q. 保険は代理店経由と保険会社の直販のどちらで契約するのがよいですか?

A. 保険代理店経由と直販のどちらがよいかは、比較や対面相談を重視するか、手早さを重視するかで変わります。支払う保険料はどちらも同額のため、複数社を比較したい・対面でじっくり相談したい・契約後の窓口を一本化したい場合は乗合代理店が、加入する商品が決まっていて手早く契約したい場合は直販(ダイレクト型)が向いています。

Q. 保険代理店を始める(開業する)には何が必要ですか?

A. 保険代理店を始めるには、内閣総理大臣の登録(保険業法第276条)と、実際に募集を行う人の届出・募集人資格が必要です。無登録・無届出では保険募集を行えず、募集人は各保険会社が課す損害保険募集人一般試験や生命保険の一般課程試験などに合格し、事前教育を受ける必要があります。複数社を扱う乗合代理店には、比較・推奨した内容を顧客に提供する体制を整える義務もあります。

出典・参考資料(1件)

Q. 2026年の保険業法改正で保険代理店の運営は何が変わりますか?

A. 2026年6月1日に施行された改正では、手数料等の収入が大きい「特定大規模乗合保険募集人」に対する体制整備義務が強化されました(営業所ごとの法令等遵守責任者の設置、統括責任者の設置、苦情処理体制の整備など)。数人〜十数人規模の中小の代理店が、この改正で直ちに新たな義務を負うわけではありません。

あわせて、乗合代理店の比較推奨販売のルール(いわゆる「ハ方式」)の見直しは施行時期が異なり、2026年8月28日に公布・2028年3月1日に施行されます。「2026年6月に比較推奨のルールが変わる」と混同しやすいため、施行時期を分けて確認しておきましょう。

出典・参考資料(2件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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