銀行預金では資産がほとんど増えず、かといって株式や投資信託のように日々の値動きを追いかけるのは避けたい。そう感じて、少額から固定利回りに近い形で運用できる融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)に関心を持つ方が増えています。一方で「ソーシャルレンディングは危ない」という評判も目にし、どのサービスなら信頼して始められるのか判断がつかない、という声も少なくありません。
想定利回りや最低投資額はサービスごとに幅があり、これまでの運用実績や融資先の性質、運営会社の信頼性も一様ではありません。自分のリスク許容度に合う1〜2社を選ぶには、どのような観点で各社を比べればよいのでしょうか。
本記事では、主要な融資型クラウドファンディング12社を横断的に比較・解説します。想定利回り・運用期間・最低投資額に加え、これまでの運用実績や運営会社の信頼性の見方、元本割れなどのリスクと危ない業者の見極め方まで整理しました。
資産運用の一手段としてソーシャルレンディングを検討している方が、自分に合ったサービスを判断するための材料としてご活用ください。
また、自分の運用方針に合ったサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)とは
融資型クラウドファンディングは、インターネットを通じて多数の投資家から資金を集め、その資金を企業などへ貸し付けて、得られた利息を投資家に分配金として還元する仕組みです。「ソーシャルレンディング」とも呼ばれます。投資家は1万円程度の少額から参加でき、あらかじめ提示された想定利回りと運用期間を目安に、値動きを日々追わずに運用できる点が特徴です。
金融庁は、融資型クラウドファンディングを次のように説明しています。
いわゆるソーシャルレンディング(融資(貸付)型クラウドファンディング)とは、インターネットを用いてファンドの募集を行い、投資者からの出資をファンド業者を通じて企業等に貸付ける仕組みをいいます。
出典:ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください|金融庁
融資型クラウドファンディングの仕組みと分配の流れ
資金の流れは、大きく「①投資家がファンドに出資する→②運営会社(ファンド業者)が出資金をまとめて融資先に貸し付ける→③融資先が利息をつけて返済する→④運営会社が投資家へ分配金と元本を還元する」という順で進みます。投資家は、運営会社を営業者とする匿名組合に出資し、その出資金が貸付事業に充てられる形が一般的です。

融資型クラウドファンディングを運営し、ファンドの募集を行う事業者は、金融商品取引法上の第二種金融商品取引業の登録を受ける必要があります。貸付を伴うため貸金業法も関係します。証券会社が運営するサービスでは、第一種金融商品取引業を併せて登録している場合もあります。運営会社がどの登録を受けているかは、投資判断の際に確認できる客観的な事実の一つです。
出典・参考資料:
出典・参考資料(2件)
他のクラウドファンディング(購入型・株式型・不動産投資型)との違い
クラウドファンディングにはいくつかの種類があり、リターンの形と関係する規制が異なります。融資型は「金銭(元本・利息)」がリターンで、購入型・寄付型とは性質が大きく違います。投資として比較する際は、次の違いを押さえておくと自分の目的に合うかを判断しやすくなります。

- 融資型(ソーシャルレンディング):企業への貸付を通じて利息を受け取る。金融商品取引法(第二種金融商品取引業)と貸金業法が関係する。
- 株式投資型:非上場企業の株式を取得し、配当や売却益を狙う。第一種金融商品取引業が関係し、値上がり益が期待できる反面、価格変動リスクが大きい。
- 不動産投資型:不動産そのものへの出資(エクイティ型)が中心で、賃料収入や売却益を分配する。優先劣後方式などで元本割れを一定程度抑える設計が多い。
- 購入型・寄付型:リターンがモノ・サービスやお礼のみで、金銭的な利回りを目的とした投資ではない。
融資型は、あらかじめ想定利回りと運用期間が提示され、株式のような日々の値動きがない点で、固定利回りに近い運用を求める人に向いています。ただし後述のとおり、元本が保証されているわけではありません。
融資型クラウドファンディングのメリット・デメリット
投資判断の前に、融資型クラウドファンディングの利点と弱点を先に俯瞰しておきます。メリットは、少額から分散投資ができ、運用中の手間が少なく、想定利回りが提示されるため見通しを立てやすいことです。1万円前後から始められるサービスが多く、複数のファンドに分けて投資することでリスクを分散できます。
一方でデメリットとして、融資先の返済が滞れば元本割れや貸倒れが起こり得ること、原則として運用期間中の途中解約ができず資金が拘束されること、償還が予定より遅れる場合があることが挙げられます。これらのリスクは選び方や業者の見極めと直結するため、記事後半のリスクの節で詳しく整理します。
融資型クラウドファンディングの選び方(比較軸)
ここからは、比較表を読む前に押さえておきたい選定の軸を整理します。自分がどの軸を重視するかを先に決めておくと、次の比較表で各社を見比べる際に判断しやすくなります。
想定利回りと運用期間は自分の目標に合っているか
想定利回りは、サービスやファンドによって年数%から10%前後まで幅があります。利回りが高いファンドは、その分だけ融資先の信用リスクや事業リスクが高い傾向があるため、「高利回り=お得」と単純に捉えないことが重要です。運用期間も数か月の短期から2年以上の長期までさまざまで、資金をいつまで拘束できるかと合わせて選びます。
まずは自分が「どの程度のリスクを取り、いつまで資金を預けられるか」を決め、その範囲に収まるファンドを持つサービスを候補にすると絞り込みやすくなります。
最低投資額は無理なく始められる範囲か
最低投資額は、少額から試したい初心者にとって重要な軸です。1円単位で投資できるサービスから、1万円・2万円・10万円からとするサービスまで差があります。最初は少額から複数ファンドに分散し、運用の流れや分配のタイミングを体感してから投資額を増やす、という始め方であれば、最低投資額の低いサービスが向いています。
まとまった資金を一度に投じる場合は、最低投資額よりも実績や融資先の性質を優先して選ぶとよいでしょう。
融資先・担保の性質は納得できるか
融資型クラウドファンディングでは、集めた資金が何に貸し付けられるかがリスクの中身を左右します。不動産を担保に取るファンド、中小企業への事業性融資、海外事業、再生可能エネルギー事業など、融資先や担保の性質はサービスごとに特色があります。不動産担保があれば、返済が滞っても担保処分によって回収を図れる可能性が高まりますが、担保があっても元本が保証されるわけではありません。
自分が理解・納得できる融資先を扱うサービスかどうかを、ファンドの募集ページで確認することが大切です。
運営会社は信頼できるか(金融商品取引業の登録区分・上場の有無)
投資家が最も不安に感じる「安全性」は、運営会社の属性という検証可能な事実である程度まで判断できます。確認したいのは、第二種金融商品取引業(証券会社が運営する場合は第一種も)の登録を受けているか、運営会社やその親会社が上場企業か、資本構成や累計実績はどうか、といった点です。上場企業やそのグループが運営するサービスは、情報開示や財務の透明性の面で相対的に安心材料が多いといえます。
ただし登録や上場は「安全の保証」ではなく、あくまで判断材料の一つとして捉えることが重要です。
運用実績(償還率・累計応募額・貸倒れの有無)は十分か
これまでの運用実績は、サービスの信頼性を測る手がかりになります。特に確認したいのは、累計の応募額(そのサービスがどれだけの資金を扱ってきたか)、これまでのファンドが予定どおり償還されたかを示す償還率、そして元本割れや貸倒れの発生状況です。多くのサービスが公式サイトでこれらの数値を公開しています。
ただし「償還率100%」といった表記は、集計の対象期間や母数によって意味が変わるため、いつ時点・どの範囲の実績かまで確認すると、より正確に比較できます。
ここまでの5つの軸を踏まえても、自分がどのサービスに向いているか判断しきれない場合もあります。そうしたときは、重視する条件から候補を絞り込める「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意していますので、ぜひご活用ください。
【比較表】融資型クラウドファンディングおすすめ12社を比較
ここからは、主要な融資型クラウドファンディング12社を、想定利回り・運用期間・最低投資額・融資先や担保の性質・運営会社の信頼性(金融商品取引業の登録区分や上場の有無)・運用実績の観点で横並びに比較します。各社の詳細は比較表の下で個別に解説します。掲載順は優劣を示すものではありません。
また、各サービスへの申し込みは各社の公式サイトから行います。
| サービス名 | Funds(ファンズ) | クラウドバンク | Bankers(バンカーズ) | オルタナバンク | OwnersBook | AGクラウドファンディング | Funvest(ファンベスト) | COMMOSUS(コモサス) | LENDEX(レンデックス) | CAPIMA(キャピマ) | Pocket Funding | J.LENDING |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 想定利回り(目安) | 年2.30〜4.50% (全期間平均2.41%) | 実績平均6.35% (直近1年、税引前) | 案件ごとに固定設定 (一律レンジは非公開) | 年4〜12%程度 | 年5.3〜5.6% (貸付型の案件例) | 公式の統一的な開示なし (案件により変動) | 年3.50〜3.65% | 年4.2〜11.0% | 実績平均8.05% | 年4〜10%程度 (8%前後が中心) | 年4.40〜6.00%程度 | 案件により異なる |
| 運用期間(目安) | 平均14ヶ月 | ファンドにより異なる | 最短1か月〜1年以上 | 1ヶ月〜24ヶ月超 | 平均20.7ヶ月 (貸付型・予定) | 案件により異なる | 約6〜10ヶ月 | 案件により異なる | 1年以内が中心 | 4ヶ月〜15ヶ月程度 | 3ヶ月〜23ヶ月 | 案件により異なる |
| 最低投資額 | 1円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 | 1万円 (貸付型) | 少額から | 10万円(10口) | 1万円 | 原則2万円 (案件により1万円) | 1万円 (案件により異なる) | 1万円 (1,000円単位) | 50万円 (10万円単位) |
| 融資先・担保の性質 | 上場企業・監査済み企業向けが中心 | 不動産担保・再エネ・海外向けなど多様 | 国内外の事業性融資 (一部は優先劣後方式) | 国内外の事業性融資・不動産担保ローン | 全案件に不動産担保 (LTV80%以下が基準) | アイフル本体向け/不動産担保ローンの2系統 | 国内不動産事業者・海外金融機関など | 不動産・飲食・海外農業など多分野 (不動産担保ファンドあり) | 不動産関連の事業性融資 (担保は評価額の80%上限) | 全ファンドに担保設定 (不動産・売掛金等) | 沖縄中心の不動産・軍用地担保が主力 | 不動産・有価証券担保+代表者連帯保証 |
| 運営会社・登録区分・上場 | ファンズ(株) 第二種/上場の有無は公式に明記なし | 日本クラウド証券 第一種・第二種/非上場 (主要株主unbankedは東証上場) | (株)バンカーズ 第二種/非上場 | SAMURAI証券 第一種・第二種/非上場 | ロードスターインベストメンツ 投資運用業・第二種等/東証プライム上場グループ | AGクラウドファンディング(株) 第二種/非上場 (グループ持株会社ムニノバHDが東証プライム上場) | Fintertech(株) 第二種/非上場 (大和証券G・クレディセゾンが出資) | (株)コモサス 第二種/非上場 | (株)LENDEX 第二種/非上場 | アバンダンティアキャピタル(株) 第二種/非上場 | ソーシャルバンクZAIZEN(株) 第二種/非上場 (財全GROUP傘下) | (株)ジャルコ 第二種/親会社JALCO・HD(東証スタンダード) |
| 運用実績(累計額・元本割れ) | 累計募集額 約1,254億円 元本割れ0件(2019年〜) | 累計応募額 約3,338億円 償還遅延中 約4%/償還済みに損失実績あり | 累計出資額 1,500億円超 元本割れの集計値は公式開示なし | 累計申込額 800億円超 元本毀損率0%(2022〜2025償還分) | 累計投資額 821億円超(貸付型) 元本割れ0件(返済遅延は過去1件) | 公式の統一的な実績開示なし | 元本償還実績100% (累計額・時点は非開示) | 累計発行額 100億円超 元本割れ0件(2019〜2024年4月) | 累計ローン総額 750億円超 元本割れ・配当遅延0件(2025年8月末) | 累計約48億円(80件) 償還済42件は元本割れなし(2025年11月) | 累計応募成立額 約101億円 償還率100%・遅延0件 | デフォルト発生なし(2026年6月時点) 累計額は公式非開示 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社公式サイトの公表情報にもとづく目安です。利回りは「想定利回り」と「実績平均(実際に達成された平均)」が各社の開示方針により混在するため、数値の単純比較はできません。想定利回り・運用実績・キャンペーン等は変動するため、投資前に各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
融資型クラウドファンディング各社の特徴
ここからは、比較表で取り上げた各サービスの特徴を個別に見ていきます。運営会社・想定利回り・最低投資額・融資先の性質・向いている投資家像を中心に、それぞれの持ち味を整理します。
1. Funds(ファンズ株式会社)

Fundsは、ファンズ株式会社が運営する貸付型のサービスで、集めた資金を原則として上場企業または監査法人等の監査を受けた企業への貸付に充てる点に特色があります。想定利回りと運用期間があらかじめ決まった、固定利回りに近い運用を掲げています。運営会社は第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第3103号)の登録を受けています。
最低投資額は1円からと少額で、投資家が負担する手数料は原則ありません。2026年9月時点の募集中ファンドの想定利回りは年2.30〜4.50%(税引前)で、全期間累計の平均予定利回りは2.41%、平均予定運用期間は14ヶ月です。累計募集額は約1,254億円に達し、2019年の実績集計開始以降の元本毀損は0件と公式に開示されています(過去の実績であり、将来を保証するものではありません)。
利回りの高さよりも融資先の信用力を重視し、上場企業向け中心の案件で手堅く運用したい投資家に向いています。
2. クラウドバンク(日本クラウド証券株式会社)

証券会社がファンドの募集取扱いを行う体制を特徴とするのが、日本クラウド証券株式会社が運営するクラウドバンクです。同社は第一種・第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第115号)の登録を受けた非上場企業で、グループの主要株主には東証スタンダード市場上場のunbanked株式会社がいます。不動産担保型・再生可能エネルギー発電・海外事業者向けなど、多様なテーマのローンに資金を貸し付けます。
最低投資額は1万円で、口座開設・維持手数料や日本円での出金手数料は無料です。運用終了ファンドの実績平均利回りは直近1年で6.35%(税引前)、累計応募金額は約3,338億円と、融資型クラウドファンディングのなかでも取扱高の大きい部類に入ります。
一方で、進行中のファンドには償還遅延中のものも含まれており(公式の運用実績ページで全体の約4%と開示)、担保付き案件でも遅延が生じ得ます。また、償還済みファンドの一部には元本を割り込んだ実現損益の実績もあり、損益の分布は公式の運用実績ページで確認できます。本記事の他社の多くが元本割れ0件を掲げるなかで、この点は理解しておく必要があります。
証券会社が運営する体制のもとで、比較的高めの利回りを狙いたい投資家が検討しやすいサービスです。
3. Bankers(株式会社バンカーズ)

Bankers(バンカーズ)は、株式会社バンカーズが運営する貸付型のサービスです。運営会社は第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第3216号)と貸金業の登録を持つ非上場企業で、国内の事業性融資に加え、香港・メキシコなど海外向けの貸付ファンドも組成しています。想定利回りは案件ごとに固定で設定される方式で、公式サイトでは一律のレンジは示されていません。
最低投資額は1万円から、運用期間は最短1か月から1年以上までと案件によって幅があります。累計出資額は1,500億円、成立ファンド数は3,000本を突破(2026年7月末時点)しており、規模の大きいプラットフォームです。一部の案件では運営会社が劣後出資する優先劣後方式を採用し、投資家の損失を一定範囲で抑える設計を開示しています(劣後割合は案件ごとに異なります)。
なお、元本割れや貸倒れの累計件数については公式サイトに集計値の開示はありません。
国内外の案件へ通貨や地域を分散したい投資家や、劣後出資による損失抑制の仕組みがある案件を選びたい人に合っています。
4. オルタナバンク(SAMURAI証券株式会社)

旧ブランド「SAMURAI FUND」から2023年1月にリニューアルしたのが、SAMURAI証券株式会社が運営するオルタナバンクです。運営するSAMURAI証券は第一種・第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第36号)の登録を持ち、グループ会社のSAMURAI ASSET FINANCE合同会社が国内外の事業性融資・不動産担保ローン等の貸付実務を担います。
最低投資額は1万円から、想定利回りは年4〜12%程度(税引前、案件により異なる)、運用期間は1ヶ月から24ヶ月超までと幅があります。累計ファンド申込額は800億円超・累計787件です(2026年7月9日時点)。2022年1月から2025年12月までに償還されたファンドの目標利回り達成率は99.4%、同期間の元本毀損率は0%と公式に開示されています。
証券会社が運営する体制のもとで、利回り水準の高い案件も含めて幅広く選びたい人にとって、選択肢の多さが魅力になるでしょう。
5. OwnersBook(ロードスターインベストメンツ株式会社)

OwnersBookは、不動産に特化したクラウドファンディングとして2014年に始まったサービスで、貸付型(融資型)と不動産投資型(エクイティ型)の2種類のファンドを扱う点が、貸付型専業の他サービスとの違いです。
運営会社のロードスターインベストメンツ株式会社は東証プライム上場のロードスターキャピタル株式会社の100%子会社で、投資運用業・第二種金融商品取引業・投資助言代理業(関東財務局長(金商)第3260号)の登録を持ちます。
貸付型の最低投資額は1万円から、想定利回りは案件例で年5.3〜5.6%(年換算・内部収益率、案件により変動)です。すべての貸付型案件に不動産担保が付き、社内の不動産鑑定士と外部専門家による評価のもと、融資額はLTV(担保評価額に対する融資額の割合)80%以下を基準としています。
貸付型の累計投資額は821億円超で、返済遅延は過去に1件あるものの元本割れは0件と公式に開示されています(2026年9月時点)。出金手数料は330円(税込)です。
不動産担保付きの案件に絞って投資したい人や、上場企業グループとしての情報開示体制を重視するなら、有力な候補の一つになります。
6. AGクラウドファンディング(AGクラウドファンディング株式会社)

消費者金融大手のアイフル株式会社を中心とするグループの一員が運営するのが、AGクラウドファンディング株式会社のAGクラウドファンディングです。アイフルは2026年4月に持株会社ムニノバホールディングス株式会社を新設して同社の傘下に入り、ムニノバホールディングスが東証プライムに上場しています。
運営会社は第二種金融商品取引業者として資金を募集し、グループのAGレンディング株式会社が実際の貸付を行う体制です。
ファンドは、借り手が親会社のアイフル株式会社本体となる「アイフルファンド」と、担保不動産を裏付けとする「不動産担保ローンファンド」の2系統に分かれています。想定利回りや累計の応募額・ファンド数については公式の統一的な開示がないため、比較表では空欄が多くなっています。募集中ファンドの利回り・運用期間などの条件は、公式サイトの最新情報で確認する必要があります。
少額からの分散投資ができる点を訴求しています。
グループ会社自身が借り手となる案件があり、貸付先の情報を追いやすい体制を重視する人に適した構成といえます。
7. Funvest(Fintertech株式会社)

Funvest(ファンベスト)は、大和証券グループ本社(出資比率80%)とクレディセゾン(同20%)が出資するFintertech株式会社が2021年11月に開始した貸付型のサービスです。Fintertech自体は非上場ですが、出資する2社はいずれも東証プライム上場企業です。
運営会社は第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第3249号)の登録を持ち、国内の不動産事業法人や海外のファイナンス会社などへ資金を貸し付けます。
最低投資額は10万円(10口)からと、他の多くのサービスより高めに設定されています。2026年9月時点の募集中ファンドの想定利回りは年率3.50〜3.65%、運用期間は約6〜10ヶ月です。会員登録費・口座管理費・申込手数料は0円で、分配・償還時の送金手数料は運営会社が負担するため、投資家の手数料負担は小さく抑えられています。
大手金融グループが出資する運営会社を選びたい人や、10万円単位でまとまった資金を運用したい投資家に向いています。
8. COMMOSUS(株式会社コモサス)

クラウドファンディング大手CAMPFIRE傘下の「CAMPFIRE Owners」を前身とするのが、株式会社コモサスが運営するCOMMOSUS(コモサス)です。2019年9月にサービスを開始し、2022年にグループから独立、同年12月に現在の名称へ変更しました。
運営会社は第二種金融商品取引業者(関東財務局長(金商)第2973号)で、グループのコモサスバンク(貸金業者)を通じて不動産関連・飲食業支援・海外農業支援・教育支援など幅広い分野の企業へ融資します。
最低投資額は1万円から、想定利回りは年率4.2〜11.0%(税引前、案件により異なる。2022年9月〜2024年4月の募集ファンドの実績レンジ)です。累計ファンド発行額は100億円を超え(2024年4月時点)、サービス開始の2019年9月から2024年4月までに募集したファンドの元本償還率は100%と公式に発表されています(前身サービス期間を含む通算値で、将来を保証するものではありません)。
少額から始めつつ、多分野にわたる案件や比較的高めの利回りの案件を選びたい投資家が検討しやすいサービスです。
9. LENDEX(株式会社LENDEX)

LENDEX(レンデックス)は、ファンドの募集・投資家対応を担う株式会社LENDEXと、実際の貸付・回収を担う100%子会社の株式会社LENDEX LOANの2社体制で運営される貸付型のサービスです。株式会社LENDEXは第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第2460号)の登録を持ち、主に不動産関連事業者を含む事業者へ資金を貸し付けます。
最低投資額は原則2万円から(案件により1万円の場合もあり)で、実績の平均利回りは8.05%(対象期間の完済案件が基準)、現在募集中のファンドには目標利回り9.50%の案件もあります。不動産担保付きの案件では、第三者評価額の80%を上限にファンドを組成すると説明しています。累計のローン総額は750億円を超え、元本割れ・配当遅延はいずれも0件(2025年8月末時点)と開示されています。
2025年7月からは投資家の預託金を信託銀行に信託して分別管理する体制へ移行し、運営会社の破綻時にも資金が倒産隔離される設計としています。
相対的に高い利回りを狙いつつ、預託金の分別管理といった保全の仕組みも気にする人が候補にしやすいサービスです。
10. CAPIMA(アバンダンティアキャピタル株式会社)

不動産・再生可能エネルギー・事業性資金(コーポレートローン)・海外事業など、幅広い分野の案件を扱うのがCAPIMA(キャピマ)です。プラットフォームの運営と案件審査を第二種金融商品取引業者のアバンダンティアキャピタル株式会社(関東財務局長(金商)第3347号)が担い、投資家と匿名組合契約を結ぶ営業者はアバンダンティアファンディング株式会社という2社体制です。
想定利回りは年4〜10%程度(税引前)で、年利8%前後の案件が多く、運用期間は4ヶ月〜15ヶ月程度です。最低投資額はファンドにより異なり、1口10,000円の案件があります。すべてのファンドに不動産や売掛金等の担保が設定され、返済遅延時は担保を売却して返済原資を確保する仕組みで、案件は書類審査・審査会議・四半期ごとのモニタリングの3段階で管理されます。
累計では80件・約48億円のファンドを提供し、うち42件が元本毀損なく償還済みと公式に発表されています(2025年11月時点)。
担保付きを標準とする案件を軸に、分野を分散して投資したい人に適しています。
11. Pocket Funding(ソーシャルバンクZAIZEN株式会社)

沖縄県浦添市に本社を置くソーシャルバンクZAIZEN株式会社が運営するのが、Pocket Funding(ポケットファンディング)です。2017年頃にサービスを開始し、運営会社は不動産・金融・エネルギー事業を展開する財全GROUP傘下で、第二種金融商品取引業(沖縄総合事務局長(金商)第10号)の登録を持ちます。沖縄県内の不動産事業者を中心に、県外の案件も組成しています。
特徴は、日本国が地代を支払い米軍に提供している土地(軍用地)を担保とする「軍用地担保ファンド」を扱う点で、他のサービスにはない担保資産です。想定利回りは案件により4.40〜6.00%程度(軍用地担保は4.40〜5.30%、不動産担保は5.50〜6.00%が中心)、運用期間は3ヶ月〜23ヶ月、最低投資額は1万円以上(1,000円単位)です。
不動産担保ファンドの融資枠は担保評価額の原則70%に抑えていると説明し、累計応募成立金額は約101億円、償還率100%・遅延0件を公式サイトで表示しています(集計時点の明記はありません)。
軍用地担保という独自の担保や、地域性のある案件に関心のある投資家に向いています。
12. J.LENDING(株式会社ジャルコ)

東証スタンダード上場のJALCOホールディングスの100%子会社、株式会社ジャルコが運営するのがJ.LENDING(ジェイ・レンディング)です。第二種金融商品取引業(関東財務局長(金商)第2871号)と貸金業の登録を持ち、不動産や有価証券を担保とする貸付型ファンドを組成しています。
最低投資額は50万円からで、10万円単位での投資となります。本記事の他サービスが1万円前後から始められるのと比べると、一定のまとまった資金での運用を想定した設計といえます。口座開設や投資時の手数料は、投資家側は無料です。
担保は不動産・有価証券に加えて、借り手企業の代表者による連帯保証を付す設計です。元本が保証されるわけではありませんが、回収の裏付けを複数重ねています。公式のサービス説明では、これまでデフォルト(債務不履行)の発生はない(2026年6月時点)と記載しています。想定利回りや運用期間は案件ごとに設定されるため、募集中ファンドの条件は公式サイトの一覧で確認できます。
まとまった資金を、上場企業グループが運営する担保付きの貸付型ファンドで運用したい層が候補にしやすいでしょう。
融資型クラウドファンディングのリスクと危ない業者の見極め方
融資型クラウドファンディングは固定利回りに近い運用ができる一方で、投資である以上リスクを伴います。ここでは主なリスクを整理したうえで、過去に問題が起きた事例と、危ない業者を見極めるためのチェックポイントを解説します。リスクを正しく理解することが、納得して投資を始める第一歩になります。
融資型クラウドファンディングの主なリスク(元本割れ・貸倒れ・途中解約不可・償還遅延)
最も基本的なリスクは、融資先の返済が滞ることで生じる元本割れ・貸倒れです。融資先の業績悪化や倒産により、貸し付けた資金の一部または全部が回収できなくなると、投資家の元本が毀損します。担保や保証が設定されていても、担保価値の下落や処分の遅れによって全額を回収できるとは限りません。
次に、原則として運用期間中は途中解約ができない点です。一度出資すると、満期の償還まで資金を引き出せないサービスが大半で、急に現金が必要になっても対応できません。生活資金や近く使う予定のある資金は投じないことが基本です。加えて、融資先の返済遅延などにより、予定された償還日に元本・分配金が戻らない償還遅延が発生することもあります。
これらのリスクは、余裕資金の範囲で複数のファンドに分散することで、影響をある程度抑えられます。
運営会社の破綻・行政処分のリスクと過去の事例
融資先だけでなく、運営会社自体に問題が生じるリスクもあります。過去には、募集時の説明と実際の資金使途が異なっていたなどの理由で、運営会社が行政処分を受けた事例があります。
SBIソーシャルレンディング株式会社は、募集ページ等における資金使途の表示が実態と異なるとされました。これを受けて2021年6月8日、関東財務局から金融商品取引法にもとづく業務停止命令(同年6月8日から7月7日までの全業務停止)および業務改善命令を受けています。関東財務局の公表によれば、問題とされた案件では出資者から総額約207億円の出資を受けていたとされています。
同社はその後、ソーシャルレンディング事業から撤退しています。
当社が行った上記(1)の行為は、金融商品取引法第38条第9号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令第117条第1項第2号に掲げる「金融商品取引契約の締結の勧誘に関して、虚偽の表示をする行為」に該当するものと認められる。
出典:SBIソーシャルレンディング株式会社に対する行政処分について|関東財務局(令和3年6月8日)
また、maneoマーケット株式会社も、証券取引等監視委員会の勧告を受けて、2018年7月13日に関東財務局長から行政処分を受けています。このほか、行政処分には至らないものの、償還遅延や元本割れが相次ぎ、その後にサービスを終了した事業者も存在します。こうした事例は、運営会社の情報開示姿勢や実績を確認することの重要性を示しています。
出典・参考資料:
出典・参考資料(2件)
危ない業者を見極めるチェックポイント
金融庁は、ソーシャルレンディングへの投資にあたって次のように注意を促しています。
利回りだけを強調し、リスクに関する情報が明示されていない業者との取引は注意が必要です。
登録業者であっても、金融庁や財務局が、その業者の信用力等を保証するものではありません。
出典:ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください|金融庁
この注意喚起を踏まえると、危ない業者を避けるための確認点は次のように整理できます。第一に見たいのは、第二種金融商品取引業(証券会社なら第一種も)の登録の有無です。無登録で募集を行う業者は詐欺的な商法である可能性が高く、金融庁も一切関わらないよう強く注意を促しています。第二に、登録済みであっても安全が保証されるわけではないため、これまでの運用実績や情報開示の姿勢も判断材料になります。
第三に、高い利回りだけを前面に出し、融資先・担保・回収可能性などのリスク情報が乏しい業者には注意が必要です。融資先の情報や担保の内容がファンドごとに具体的に開示されているかどうかが、信頼できる業者かを見分ける実務的な目安になります。
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まとめ
融資型クラウドファンディングは、少額から固定利回りに近い運用ができる一方、元本割れ・途中解約不可・償還遅延といったリスクを伴う投資です。サービス選びでは、想定利回りと運用期間が自分の目標に合うか、これまでの運用実績が十分か、最低投資額が無理のない範囲か、融資先・担保の性質に納得できるか、そして運営会社が信頼できるか(登録区分・上場の有無)という軸で見比べることが、失敗を避ける近道になります。
実績と安定性を重視するなら累計実績が豊富で上場企業グループが運営するサービス、まずは少額で試したいなら最低投資額の低いサービス、高めの利回りを狙うなら融資先のリスクを理解したうえで不動産担保などの保全がしっかりしたサービス、というように、自分の重視軸に合わせて候補を絞り込むとよいでしょう。具体的にどのサービスが合うかは、上記の比較表と選定診断ツールを使って確かめてみてください。
ここまでは投資する側の視点で解説してきました。投資ではなく、事業者として資金を調達したい場合は、融資型クラウドファンディングのほかに銀行融資やビジネスローンといった借入も選択肢になります。金利・即日融資の可否・審査の柔軟性で法人・個人事業主向けの借入サービスを比較した次の記事が参考になります。
よくある質問(FAQ)
Q. 融資型クラウドファンディングとは何ですか?
A. 融資型クラウドファンディングとは、インターネットを通じて多数の投資家から集めた資金を企業などに貸し付け、その利息を分配金として投資家に還元する仕組みの投資です。「ソーシャルレンディング」とも呼ばれます。あらかじめ想定利回りと運用期間が提示され、株式のように日々の値動きを追う必要がない点が特徴で、1円〜1万円程度の少額から始められるサービスが多くあります。
ファンドを募集する運営会社は、金融商品取引法上の第二種金融商品取引業(証券会社が運営する場合は第一種も)の登録を受ける必要があります。
Q. 融資型クラウドファンディングとソーシャルレンディングは何が違いますか?
A. 融資型クラウドファンディングとソーシャルレンディングは、呼び方が異なるだけで基本的に同じ仕組みを指します。金融庁も「いわゆるソーシャルレンディング(融資(貸付)型クラウドファンディング)」と併記しており、どちらも投資家の資金を企業などへ貸し付け、その利息を分配する投資です。
一方、同じクラウドファンディングでも、購入型(リターンがモノ・サービス)、株式投資型(非上場株を取得)、不動産投資型(不動産へ出資)はリターンの形や関係する規制が異なります。融資型はこれらと混同しないよう区別して比較することが大切です。
Q. 融資型クラウドファンディングで元本割れのリスクはありますか?
A. 融資型クラウドファンディングは元本が保証されておらず、元本割れのリスクがあります。融資先の業績悪化や倒産により貸付金が回収できなくなると、投資家の元本が毀損します。不動産担保や優先劣後方式などで損失を一定範囲に抑える設計のサービスもありますが、担保価値の下落や処分の遅れによって全額を回収できるとは限りません。
過去の元本割れ実績や償還率を公式サイトで確認したうえで、余裕資金の範囲で複数のファンドに分散することが、リスクを抑える基本的な対策になります。
Q. 融資型クラウドファンディングは途中解約できますか?
A. 融資型クラウドファンディングは、原則として運用期間中の途中解約ができません。一度出資すると満期の償還まで資金を引き出せないサービスが大半で、急に現金が必要になっても対応できない点に注意が必要です。加えて、融資先の返済遅延などにより、予定された償還日に元本・分配金が戻らない「償還遅延」が生じることもあります。
生活資金や近く使う予定のある資金は投じず、当面使う予定のない余裕資金で運用するのが基本です。
Q. 融資型クラウドファンディングは初心者でもいくらから始められますか?
A. 融資型クラウドファンディングは、サービスによっては1円や1,000円単位から、多くは1万円程度から始められます。本記事で比較したサービスでも、1円から始められる社もあれば、1万円前後から、あるいは数十万円単位からの社まで幅があります。各社の最低投資額は比較表をご確認ください。
初心者は、まず最低投資額の低いサービスで少額から複数のファンドに分散し、分配や償還の流れを体感してから投資額を増やしていくと、無理なく慣れていけます。
Q. 融資型クラウドファンディングの分配金に確定申告は必要ですか?
A. 融資型クラウドファンディングの分配金は、原則として雑所得に区分され、支払時に所得税等が源泉徴収されます。会社員などの給与所得者で、分配金を含む給与以外の所得が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。控除の適用や損益通算の可否など細かな取り扱いは個々の状況によって変わるため、具体的な申告方法は国税庁の情報や税理士などの専門家に確認することをおすすめします。
出典・参考資料(2件)
Q. 危ない融資型クラウドファンディング業者はどう見分ければいいですか?
A. 危ない業者を見分けるには、第二種金融商品取引業(証券会社なら第一種も)の登録の有無と、融資先・担保・リスク情報がファンドごとに具体的に開示されているかを確認します。無登録で募集を行う業者は詐欺的な商法である可能性が高く、金融庁も取引しないよう強く注意を促しています。過去にはSBIソーシャルレンディングが資金使途の表示をめぐって2021年に業務停止命令を受けるなど、行政処分の事例もあります。
登録済みであっても安全が保証されるわけではないため、高い利回りだけを強調しリスク情報が乏しい業者は避け、運用実績や情報開示の姿勢を併せて確認しましょう。
Q. 融資型クラウドファンディングは少額から複数のサービスに分散したほうがいいですか?
A. 融資型クラウドファンディングは、1つのファンドや1社に集中させず、少額で複数のファンド・サービスに分散するのが基本です。特定の融資先や運営会社に問題が生じても、分散していれば損失の影響を一部にとどめられます。まずは最低投資額の低いサービスで数千円〜1万円単位から始め、融資先の分野(不動産担保・事業性融資など)や運営会社が異なる案件に分けて投資すると、リスクを抑えながら経験を積めます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。









