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デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援を比較|発行スキーム・規制対応・プラットフォームの選び方

デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援を比較のサムネイル画像

不動産や社債、ファンド持分といった自社の資産を、ブロックチェーン上のデジタル証券(セキュリティトークン)として発行し、新たな資金調達につなげられないかと検討していませんか。小口化による投資家層の拡大や、権利移転の記録・管理をデジタルで完結できる点に、多くの事業者が関心を寄せています。

一方で、デジタル証券の発行は金融商品取引法などの規制対応を伴い、発行の全体設計から投資家の管理までを自社だけで担うのは容易ではありません。そのため、発行スキームの設計や規制対応を伴走するコンサルティング会社や、発行・管理の基盤を提供するプラットフォーム事業者など、発行を支援するサービスの利用が現実的な選択肢になります。

本記事では、デジタル証券(セキュリティトークン)の発行支援サービス6社を比較し、コンサル伴走型とプラットフォーム提供型の違い、対応スキームや規制対応の範囲、発行実績といった選定の軸を整理します。あわせて、発行に関わる金商法や登録要否などの制度も、発行体の意思決定に必要な範囲で解説します。自社の資産や募集方法に合う発行支援先を見つけるための検討材料としてご活用ください。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援とは

ここからは、デジタル証券発行支援がどこまでを対象とするサービスなのかを整理し、比較検討の土台をつくります。デジタル証券(セキュリティトークン)とは、株式や社債、不動産の権利などの有価証券に表示される権利を、ブロックチェーンなどの電子的な仕組みで移転できる財産的価値として表したものです。

その発行を支援するサービスは、発行スキームの設計・規制対応・発行や権利管理の基盤提供までを、事業者に代わって、または事業者と一緒に担います。

デジタル証券(有価証券)と暗号資産・ユーティリティトークンの違い

デジタル証券は、金融商品取引法(以下、金商法)上の有価証券にあたる権利をトークン化したものです。この点が、暗号資産やユーティリティトークンとの大きな違いになります。

暗号資産は資金決済に関する法律(以下、資金決済法)が主に規律し、ユーティリティトークンはサービス内で使える権利などを表すものが中心です。これに対しデジタル証券は、株式・社債・ファンド持分といった投資性のある権利を対象とし、投資家保護の観点から金商法の規制が及びます。

本記事が扱う「発行支援」は、この金商法上の有価証券としてのデジタル証券を発行する場合の支援を指します。暗号資産やユーティリティトークンの発行は規制の枠組みが異なるため、対象を切り分けて検討することが出発点になります。

発行できる主な資産・商品類型(不動産ST・社債ST・ファンド持分)

デジタル証券として発行される権利には、いくつかの代表的な類型があります。自社の資産がどの類型にあたるかを把握すると、必要な支援や規制対応の見当がつきやすくなります。

  • 不動産セキュリティトークン(不動産ST):不動産の信託受益権などをトークン化し、小口化して投資家に販売する類型。オフィスビルやレジデンスなどの裏付け資産を小口で扱えます。
  • 社債型セキュリティトークン(社債ST・デジタル社債):社債をトークン化して発行する類型。資金調達手段として、従来の社債発行に代わる選択肢になります。
  • ファンド持分・集団投資スキーム持分型:事業やプロジェクトへの出資持分をトークン化する類型。収益分配を伴う投資商品として設計されます。

これらは法律上の分類でも扱いが分かれます。信託受益権やファンド持分をトークン化したものは金商法上「電子記録移転権利」に、社債などをトークン化したものは別の区分に整理され、後述する登録要否にも影響します。自社の発行したい商品がどの類型に近いかは、支援サービスへ相談する際の最初の論点になります。

このうち社債をトークン化するデジタル社債(社債ST)は、仕組みや国内の発行事例を以下の記事で詳しく解説しています。社債STの発行を具体的に検討する際の参考になります。

デジタル証券発行が広がる背景・市場動向

デジタル証券の発行が現実的な選択肢になった背景には、制度整備があります。2019年に成立し2020年5月1日に施行された改正金商法(令和元年法律第28号)により、トークン化された有価証券が金商法の規制対象として明確に位置づけられました。これにより、発行体が法令に沿ってデジタル証券を発行する道筋が整いました。

制度整備を受けて、不動産STや社債STの発行事例が積み上がり、信託銀行や証券会社を中心とした発行・流通基盤の整備も進んでいます。トークン化された投資信託の実証も進むなど、対象となる商品の広がりが続いています。

もっとも、国内で発行を支援できる事業者はまだ限られ、市場は成長の初期段階にあります。発行を検討する際は、この萌芽的な市場環境を前提に、実績と体制を備えた支援先を見極めることが重要になります。

出典・参考資料(2件)

デジタル証券として発行するメリット

発行体からみたデジタル証券発行の主なメリットは、資金調達の選択肢を広げられる点にあります。

  • 小口化による投資家層の拡大:これまで機関投資家や富裕層が中心だった不動産・ファンドなどの投資を小口化し、より幅広い投資家に届けやすくなります。
  • 調達手段の多様化:銀行融資や従来型の社債・株式に加え、新たな調達手段として設計できます。
  • 権利移転・管理の効率化:権利者情報や移転の記録をデジタルで管理でき、発行後の事務を効率化できる可能性があります。

これらのメリットをどこまで享受できるかは、発行する商品の類型や選ぶ支援サービスによって変わります。次に、発行にあたって押さえておくべき留意点を確認します。

発行の留意点・リスク

デジタル証券の発行には、あらかじめ理解しておくべき負担やリスクもあります。これらは「なぜ支援サービスが必要になるのか」を考える手がかりにもなります。

  • 規制対応のコスト:金商法などの規制対応が必要で、発行スキームによっては金融商品取引業の登録や、登録業者との連携が求められます。
  • 二次流通の流動性:発行後に投資家が売買できる二次流通の場はまだ限られており、換金性をどう確保するかが課題になります。
  • 発行後の期中管理の負荷:投資家名簿の管理、利払いや償還、開示など、発行後も継続的な業務が発生します。

こうした規制対応や期中管理を自社だけで担うのは負担が大きく、発行支援サービスを利用する意義がここにあります。次章では、発行のスキームごとに必要な支援がどう変わるかを整理します。

デジタル証券発行のスキームと必要な支援

ここからは、デジタル証券をどのように発行するか(スキーム)ごとに、必要となる支援や規制対応が変わることを整理します。自社が想定する募集方法によって、頼るべき支援先の性格も変わってきます。

発行の主なスキームと発行の流れ

デジタル証券の発行から資金調達に至る一連の流れは、セキュリティトークンオファリング(STO)と呼ばれます。募集の方法には、代表的に次のようなスキームがあります。

  • 自己募集:発行体自身が投資家を募る方法。
  • 証券会社販売型:証券会社などの登録業者が募集の取扱いを担い、投資家へ販売する方法。
  • 不動産クラウドファンディング型:不動産特定共同事業法(以下、不特法)にもとづき、不動産の共同事業への出資を募る方法。金商法のデジタル証券とは別の規制枠組みになります。
  • デジタル社債(社債ST):社債をトークン化して発行する方法。

大まかな発行の流れは、発行する商品の設計(対象資産・スキームの決定)、法務・規制対応の整理、発行基盤上でのトークン発行、投資家への募集・販売、そして発行後の権利管理という順に進みます。どの工程を自社で担い、どこを支援サービスに委ねるかが、サービス選定の実質的な論点になります。

スキーム別に必要な支援・規制対応の違い

スキームによって、必要な登録や連携先が変わります。とくに「誰が投資家に販売するか」と「商品の類型」で規制上の扱いが分かれる点が重要です。発行体の立場でみた対応関係の要点は次のとおりです。

デジタル証券の募集方法・商品類型ごとに発行体に必要な登録を整理した図。電子記録移転権利(不動産ST・ファンド持分)を自己募集する場合は発行体に第二種金融商品取引業、デジタル社債を自己募集する場合は発行体は原則登録不要、証券会社販売型は販売会社に第一種金融商品取引業、不動産クラウドファンディング型は不特法にもとづく別枠で許可・登録が必要。
  • 自己募集(不動産ST・ファンド持分など):発行体が自ら募集する場合、これらは「電子記録移転権利」にあたり、発行体には第二種金融商品取引業の登録が必要です。登録取得や態勢構築の伴走が支援の中心になります。
  • 自己募集(デジタル社債など):社債をトークン化したものを発行体が自ら募集する場合は、原則として金融商品取引業には該当せず、発行体自身の登録は不要とされています。発行の基盤やスキーム設計の支援が中心になります。
  • 証券会社販売型:証券会社などが発行体に代わって投資家へ販売する場合、その販売会社に第一種金融商品取引業が必要です。発行体は、登録業者との連携をどう組むかが論点になります。
  • 不動産クラウドファンディング型:不特法にもとづくスキームで、金商法のデジタル証券とは別に、不動産特定共同事業の許可・登録という枠組みが必要です。金商法の登録要否とは前提が変わります。

このように、どのスキームを選ぶかで発行体に求められる登録や頼るべき支援先が変わります。各登録区分の条文にもとづく整理は、後半の「制度・登録要否の要点」で詳しく解説します。

デジタル証券発行支援サービスの選び方

ここからは、デジタル証券発行支援サービスを選ぶ際に確認したい軸を整理します。自社の資産・スキーム・体制に照らして、どのサービスが合うかを判断する材料にしてください。

コンサル伴走型かプラットフォーム提供型か、どちらが自社に合うか

発行支援サービスは、大きく2つの提供形態に分かれます。最初の分岐として、自社がどちらを求めているかを整理すると選定がぶれません。

デジタル証券発行支援サービスの2つの提供形態を対比した図。コンサル伴走型は発行スキームの設計・金商法対応・登録取得を発行体と一緒に組み立て、発行の経験や専門人材が乏しく何から着手すべきか相談したい発行体に向く。プラットフォーム提供型は発行・権利管理の基盤を提供し、自前の仕組みを持ちたいまたは既存基盤に乗せたい発行体に適する。両者は排他ではなく、コンサルで設計したうえでプラットフォームに乗せる組み合わせも可能。

一つは、発行スキームの設計や金商法対応、必要な登録の取得などを、発行体と一緒に組み立てるコンサル伴走型です。発行の経験や社内の専門人材が乏しく、何から着手すべきかから相談したい場合に向きます。もう一つは、発行・権利管理の基盤を提供するプラットフォーム提供型です。

発行や期中管理を担う自前の仕組みを持ちたい、あるいは既存の発行基盤に乗せたい場合に適します。両者は排他ではなく、コンサルで設計したうえでプラットフォームに乗せる組み合わせもあります。自社に発行スキームを描ける体制があるか、発行後の管理をどこまで外部に委ねたいかで、重心を置く形態を判断するとよいでしょう。

あわせて確認したいのが、そのサービスを発行体として直接使えるかどうかです。プラットフォーム提供型のなかには、証券会社や信託銀行など金融機関が利用することを前提とした発行・流通基盤もあり、その場合は取引先の金融機関を通じて利用する形になります。自社が直接契約・相談できる相手なのか、金融機関を経由するのかは、問い合わせ先を見定めるうえで早めに押さえておきたい点です。

自社の資産・募集方法に対応スキームが合っているか

発行支援サービスごとに、得意とする対応スキームや対応アセットは異なります。不動産STに強いサービス、社債STやデジタル社債を軸とするサービス、複数スキームを横断できるサービスなどがあります。

自社が発行したい資産の類型(不動産・社債・ファンド持分など)と、想定する募集方法(自己募集・証券会社販売型・不動産クラウドファンディングなど)を明確にしたうえで、それに対応できるサービスかを見極めることが重要です。対応スキームが自社の想定と合っていないと、発行設計の途中で選び直しになりかねません。

規制対応をどこまで伴走してくれるか

デジタル証券の発行は金商法などの規制対応を伴うため、支援サービスが規制対応のどこまでをカバーするかは重要な軸です。

前章のとおり、必要な登録は自社のスキームによって変わります。電子記録移転権利の自己募集なら第二種、デジタル社債の自己募集なら原則登録不要、証券会社に販売を委ねるなら販売会社側に第一種、といった具合です。

見るべきは、支援サービスが自社のスキームに沿った登録要否を的確に見立て、必要な登録の取得支援や登録業者との連携、マネー・ローンダリング対策およびテロ資金供与対策(AML/CFT)の態勢整備まで、どこまで伴走してくれるかです。各区分の条文にもとづく整理は「制度・登録要否の要点」で確認できます。

発行後の期中管理・償還まで任せられるか、発行実績はあるか

発行はゴールではなく、投資家名簿の管理・利払い・償還・開示といった期中管理が続きます。どこまでを支援サービスに任せられるかは、発行後の運用負荷を左右します。

発行から期中管理・償還までを一貫して担える基盤があるか、それとも発行の設計支援が中心かを確認しましょう。あわせて、実際の発行実績や導入企業の有無は、その支援先が実務で回せる体制を持つかを見極める手がかりになります。萌芽段階の市場だからこそ、実績のあるサービスを選ぶ意味は小さくありません。

料金感と発行までの期間はどれくらいか

デジタル証券発行支援の料金は、発行する商品や支援範囲によって個別見積もりとなる場合が多く、要お問い合わせのサービスが中心です。そのため、料金は単純な高低ではなく、支援範囲との対応で捉えます。

設計から発行、期中管理までを一貫して委ねるのか、特定の工程だけを支援してもらうのかで費用は変わります。発行までにどの程度の期間を要するかも、社内の計画に照らして確認したい点です。複数のサービスから資料を取り寄せ、支援範囲と費用・期間をあわせて比較することをおすすめします。

費用が一律に「要お問い合わせ」となりやすいのは、対象資産・スキーム・募集方法によって必要な支援や規制対応が案件ごとに大きく異なるためです。

一般に、発行にはスキーム設計・法務・システムなどの初期費用がかかり、調達規模が小さいと1件あたりの固定的なコストが相対的に重くなりやすい傾向があります。自社の資産規模で発行が現実的かどうかも、資料請求や問い合わせの際に、想定する調達額を伝えて相談するのが近道です。

ここまでの選定軸を踏まえても、自社がどの提供形態に適しているかの判断が難しいケースもあります。そうした場合に、自社の資産・スキーム・体制を選ぶだけで適したタイプを絞り込める「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひご活用ください。

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【比較表】デジタル証券発行支援サービスを提供形態・対応スキーム・規制対応・実績・料金で比較

ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要なデジタル証券発行支援サービス6製品を、2つの提供形態(タイプ別)に分類してご紹介します。まずは発行スキームの設計・規制対応を伴走するコンサルティング型、続いて発行・期中管理を担うプラットフォーム提供型の順に比較します。

発行スキーム設計・規制対応を伴走するコンサルティング型の比較

← 横にスクロールできます →
サービス名finojectデジタル証券株式会社(renga)
提供形態コンサル伴走型
(発行スキーム設計・規制対応)
コンサル伴走型
(不動産STO支援・ファンド組成/運営)
対応スキーム・対応アセット特定アセットに限定せず
商品設計・スキームを支援
※自社発行基盤は非保有
不動産ST・デジタル社債
規制対応の支援範囲金商法対応・各種ライセンス
登録支援・AML/CFT態勢構築
金商業・宅建業を自社保有
書面雛形準備・ファンド組成/運営
発行〜期中管理・償還設計〜運用開始まで伴走
(自前の発行基盤は持たない)
ファンド組成・運営まで対応
自社マーケットプレイス「renga」も運営
発行実績・導入企業金商業ライセンス取得・
AML/CFT態勢構築の支援実績
(ST発行に特化した公開実績は非公表)
不動産ファンドのSTO化実績
(中央日本土地建物グループ関連会社 2023年9月/ダイヤモンド・リアルティ・マネジメント 2024年9月)
料金・費用感要問い合わせ要問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式サイト

※2026年9月時点の各社公式サイトの公表情報にもとづきます。料金はいずれも個別見積もり・要問い合わせで、最新の対応範囲・条件は各社公式サイトや資料でご確認ください。

発行・期中管理を担うプラットフォーム提供型の比較

プラットフォーム提供型には、発行体が直接契約・相談できる基盤と、金融機関が利用することを前提とした基盤があります。たとえば複数の金融機関が共同運営するコンソーシアム型の基盤では、発行体は取扱金融機関を通じて利用する形になります。問い合わせ先が自社で直接契約できる相手か、金融機関を経由するかは、下表とあわせて各社に確認してください。

← 横にスクロールできます →
サービス名セキュリティトークン(ST)/デジタル証券プラットフォームサービスBOOSTRY(ibet for Fin)Progmat(プログマ)STLINK(TIS)
提供形態プラットフォーム提供型
(SaaS型)
プラットフォーム提供型
(コンソーシアム型ブロックチェーン基盤)
プラットフォーム提供型
(Corda基盤)
プラットフォーム提供型
(SaaS型・基盤込み)
対応スキーム・対応アセット自己募集・証券会社販売型・銀行募集型・デジタル特典付社債・不特法CFの5形態
デジタル社債/不動産ST/コンテンツ権利ST
社債ST・証券化商品ST 等不動産ST・社債ST・UT・
ステーブルコイン
不動産ST・デジタル社債・
プロジェクト投資(航空機・船舶・再エネ 等)
規制対応の支援範囲DSプロトコルでKYC/AML・
適格性判定・コンプライアンス制御
発行・移転・管理をスマート
コントラクトで自動処理
(登録代行等のコンサルは非対象)
デジタル証券の発行・管理基盤を提供
(登録代行等のコンサルは非対象)
発行・管理基盤の提供+
導入・システム開発の伴走
発行〜期中管理・償還発行〜投資家オンボーディング〜
期中管理・償還を一体で提供
発行・期中管理に対応
(ibet for Fin 基盤)
発行・期中管理に対応
(Progmat ST)
発行・移転・管理・償還を
一体で提供
発行実績・導入企業丸井グループのデジタル債/
ソニー銀行×三井住友信託銀行の
米ドル建デジタル証券 等
20社を超える金融機関が
共同運営に参画
(JPXも2023年に資本参加)
三菱UFJ信託銀行を母体とする基盤
メガバンク・信託・証券・IT各社が出資
ST案件の実装実績あり
京都カグヤライズの
デジタル社債発行(2025年3月・私募)/
クエストリーと業務提携(2025年2月)
料金・費用感要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
詳細情報公式資料を見る公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年9月時点の各社公式サイトの公表情報にもとづきます。料金はいずれも個別見積もり・要問い合わせで、最新の対応範囲・条件は各社公式サイトや資料でご確認ください。

デジタル証券発行支援サービスの個別紹介

ここからは、各サービスの特徴を提供形態別に紹介します。自社の資産・スキーム・体制に照らして、相談先の候補を絞る参考にしてください。

発行スキーム設計・規制対応を伴走するコンサルティング型

まずは、発行スキームの設計や金商法対応、必要な登録の取得などを発行体と一緒に組み立てるコンサル伴走型のサービスです。

1. finoject(株式会社finoject)

株式会社finojectの公式サイト

finojectは、金融とWeb3・ブロックチェーン領域に特化した実務型のコンサルティングファームです。デジタル証券(セキュリティトークン)の発行を目指す事業者に対し、商品開発・運用の支援や各種ライセンスの登録支援、金商法などの規制対応、AML/CFT態勢の構築までを伴走で担います。

代表取締役CEOの三根公博氏は、日本興業銀行出身で元bitFlyerホールディングス代表取締役社長、元日本暗号資産取引業協会会長という経歴を持ちます。2026年2月には、デジタルアセット取引のAML高度化に関する取り組みが金融庁「FinTech実証実験ハブ」の支援案件に決定し、finojectは実証実験の運営と評価結果の調査を担っています。

デジタル証券発行のためのプラットフォームを自社で提供するのではなく、金融商品取引業の登録取得支援からAML/CFT態勢の構築、発行後の運用までを一貫して伴走するコンサルティング型である点が、基盤提供型との違いです。料金は公開されておらず、支援範囲に応じた個別見積もりのため、詳細は資料や問い合わせで確認できます。

ライセンス取得後に実務が回る態勢をどこまでつくり込むかについて、代表取締役の三根氏は次のように述べています。

三根氏
株式会社finoject 代表取締役
三根氏
独自インタビューより

机上の整理で終わらせないことを最も重視しています。ライセンス取得はあくまでスタートラインであり、取得後に実際の業務が滞りなく回ることがゴールです。そのために、態勢構築の段階から実務を想定した設計を行い、マニュアルやフローを作って終わりではなく、実際に運用してみた際に起こりうる課題まで想定した仕組みづくりを心がけています。

2. デジタル証券株式会社(renga)

デジタル証券株式会社の公式サイト

デジタル証券株式会社は、金融商品取引業(関東財務局長(金商)第3471号)と宅地建物取引業(東京都知事(1)第107330号)の登録を自社で持つ会社です。発行体向けには、不動産STO支援とデジタル社債発行に係るプラットフォーム構築支援を、コンサルティング事業として提供しています。

不動産STO支援では、セキュリティトークン発行に関わる支援に加え、各種書面の雛形準備やファンドの組成・運営といった実務までをカバーします。宅建業と金商業を自社で併せ持つため、不動産を裏付けとするファンドの組成から運営までを一体で担える体制が特徴です。

不動産のSTO化では、中央日本土地建物グループ関連会社のファンド(2023年9月)や、ダイヤモンド・リアルティ・マネジメントのファンド(2024年9月)をトークン化した実績があります。あわせて、1口10万円から投資できる不動産STマーケットプレイス「renga」を自社で運営しており、発行体への支援と投資家向けの販売チャネルの双方を持ちます。

「renga」は投資家向けの販売チャネルにあたる一方、外部の発行体に対しては不動産STO支援やデジタル社債のプラットフォーム構築支援を提供する立場です。自前の発行基盤を丸ごと提供するというより、発行体の商品組成・運営を伴走する性格が強いサービスです。

発行・期中管理を担うデジタル証券プラットフォーム提供型

続いて、デジタル証券の発行や権利の期中管理を担う基盤を提供するプラットフォーム型のサービスです。

3. セキュリティトークン(ST)/デジタル証券プラットフォームサービス(Securitize Japan株式会社)

セキュリティトークン(ST)/デジタル証券プラットフォームサービスの公式サイト

デジタル証券の発行から投資家オンボーディング、発行後の期中管理・償還までを一つの基盤で扱うSaaS型サービスです。米国本社のSecuritize, Inc.が開発したデジタル証券プラットフォームを、Securitize Japan株式会社が日本の法制度・商慣習に合わせて提供しています。

対応する募集スキームの幅が広く、自己募集・証券会社販売型・銀行募集型・デジタル特典付社債・不特法クラウドファンディングという5つの募集形態を、同じプラットフォーム上でカバーします。デジタル社債・不動産セキュリティトークン・コンテンツ権利STなど、対象とする資産の種類も幅広く扱えます。

発行体の権利移転やコンプライアンスの制御は、独自の「DSプロトコル」が担います。丸井グループのデジタル債、ソニー銀行と三井住友信託銀行による米ドル建デジタル証券など、国内の金融機関・事業会社での発行実績があります。

米国本社のSecuritize, Inc.は2026年7月にニューヨーク証券取引所へ上場するなど、グローバルでデジタル証券基盤を展開しており、発行後の長期的な運用を託すうえでの事業基盤の裏づけになります。

4. BOOSTRY(ibet for Fin)(株式会社BOOSTRY)

BOOSTRY(ibet for Fin)の公式サイト

野村ホールディングスと野村総合研究所が2019年に合弁で設立した株式会社BOOSTRYは、権利のデジタル化を担うブロックチェーン基盤を提供する会社です。中核となるのが、デジタル証券の発行・移転・管理に用いるコンソーシアム型ブロックチェーン「ibet for Fin」です。

ibet for Fin は、特定の金融グループ専用ではなく、複数の金融機関が共同で運営するコンソーシアム型である点が特徴です。2021年4月にSMBC日興証券・SBI証券・野村證券とBOOSTRYの4社で発足し、その後20社を超える金融機関が共同運営に参画しています。基盤となる「ibet」はオープンソースとして公開され、参加各社が自社システムを接続して利用できます。

日本取引所グループ(JPX)も2023年に資本参加しており、社債STや証券化商品STの発行・期中管理に活用されています。BOOSTRY自身は発行体ではなく、証券会社や発行体が使う発行・流通の基盤を提供する立場です。

5. Progmat(プログマ)(株式会社Progmat)

Progmat(プログマ)の公式サイト

分散型台帳Cordaを基盤に、デジタル証券やデジタル通貨の発行・管理を担う基盤が「Progmat(プログマ)」です。運営する株式会社Progmatは、三菱UFJ信託銀行のデジタルアセット事業を母体に、2023年10月に独立した新会社です。

対象とするアセットの広さが特徴です。セキュリティトークン向けの「Progmat ST」に加え、ユーティリティトークン向けの「Progmat UT」、ステーブルコイン向けの「Progmat Coin」を展開し、不動産ST・社債STからステーブルコインを用いた決済までを一つの基盤の射程に含みます

株主には三菱UFJ信託銀行を筆頭に、みずほ信託銀行・三井住友信託銀行・三井住友フィナンシャルグループ・NTTデータなどが系列を横断して出資しています。発行体向けの共創の場として「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」を運営しています。

STLINK(TIS)の公式サイト

証券会社や発行企業がデジタル証券の発行・移転・管理・償還を一体で扱えるようにするSaaS型プラットフォームが、TIS株式会社(TISインテックグループ)の「STLINK」です。ブロックチェーン基盤を含めて提供されるため、利用企業はシステムを自前で構築・運用する必要がありません

対応するアセットは、不動産STやデジタル社債に加え、航空機・船舶・再生可能エネルギーといったプロジェクト投資まで及びます。技術基盤の提供にとどまらず、発行体・証券会社への導入や周辺システム開発の伴走まで担う点も特徴です。

金融が従来関与してこなかった産業へのST活用にも取り組んでいます。プロ卓球チーム「京都カグヤライズ」のデジタル社債発行(私募、2025年3月)や、アニメ映画製作の資金調達に向けたクエストリーとの業務提携(2025年2月)といった実績があります。

デジタル証券発行に関わる制度・登録要否の要点

ここからは、比較で候補を絞ったうえで、社内の稟議や法務確認に必要となる制度の要点を、法令の条文にもとづいて整理します。発行体として押さえておきたい論点に絞って解説します。

デジタル証券の法的分類(電子記録移転権利・電子記録移転有価証券表示権利等)

デジタル証券は金商法上、その裏付けとなる権利の種類によって分類されます。信託受益権や集団投資スキーム持分など、いわゆるみなし有価証券をトークン化したものは「電子記録移転権利」と呼ばれ、金商法第2条第3項に定義があります。

前項の規定により有価証券とみなされる有価証券表示権利、特定電子記録債権若しくは同項各号に掲げる権利(電子情報処理組織を用いて移転することができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されるものに限る。)に表示される場合(流通性その他の事情を勘案して内閣府令で定める場合を除く。)に限る。以下「電子記録移転権利」という。)

出典:金融商品取引法 第2条第3項|e-Gov 法令検索

一方で、実務や登録手続き、会計基準では、これらトークン化された有価証券の総称として「電子記録移転有価証券表示権利等」という用語が、金融商品取引業等に関する内閣府令で定められています。信託受益権型の不動産STやファンド持分STは電子記録移転権利に該当し、社債などの第一項有価証券をトークン化したものはこれとは別に整理されます。自社の商品がどの分類にあたるかは、次に述べる登録要否に直結します。

出典・参考資料(2件)

募集方法と金融商品取引業の登録要否(自己募集・販売取扱いで変わる)

デジタル証券の発行にあたって、発行体が金融商品取引業の登録を必要とするかは、募集方法と商品の類型によって変わります。「セキュリティトークンの発行には第一種金融商品取引業が必要」と一括りに語られることがありますが、発行体自身の立場では必ずしもそうではありません。金融商品取引業を行うには内閣総理大臣の登録が必要とされています。

金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

出典:金融商品取引法 第29条|e-Gov 法令検索

そのうえで、登録の要否は次のように整理できます。証券会社などが発行体に代わって投資家へ販売する「募集の取扱い」や、発行後の二次流通での売買は、第一種金融商品取引業にあたります。

これに対し、電子記録移転権利(信託受益権型やファンド持分型)を発行体が自ら募集する場合は、第二種金融商品取引業に区分されます。さらに、社債などの第一項有価証券をトークン化したもの(デジタル社債)を発行体が自ら募集する場合は、原則として金融商品取引業には該当せず、発行体自身の登録は不要とされています。

第一種金融商品取引業の範囲について、金商法第28条第1項第1号は次のように定めています。

この章において「第一種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。一 有価証券(第二条第二項の規定により有価証券とみなされる同項各号に掲げる権利(電子記録移転権利を除く。次項第二号及び第六十四条第一項第一号において同じ。)を除く。)についての第二条第八項第一号から第三号まで、第五号、第八号又は第九号に掲げる行為

出典:金融商品取引法 第28条第1項第1号|e-Gov 法令検索

このように、自社が自ら募集するのか、証券会社などに販売を委ねるのかで、必要な登録や連携先は変わります。どの立場で発行するかを早い段階で見極め、必要な登録の取得や登録業者との連携を、支援サービスと一緒に進めることが現実的です。ただし、条番号は法改正で再編されることがあるため、実際の手続きでは最新の条文と専門家の確認をあわせてご参照ください。

出典・参考資料(1件)

不動産クラウドファンディング(不特法)は金商法STと別の枠組み

不動産を小口化して資金を募る方法としては、これまで見てきた金商法のデジタル証券(信託受益権をトークン化した不動産STなど)のほかに、不特法にもとづく不動産クラウドファンディング型があります。両者は根拠となる法律が異なり、必要な許認可も変わります。

不特法にもとづくスキームは、金商法の金融商品取引業の登録ではなく、不動産特定共同事業の許可・登録が必要になります。インターネットを通じて出資を募る形態は、不特法上「電子取引業務」として位置づけられています。自社が不動産の小口化を検討する場合、金商法のデジタル証券として発行するのか、不特法のスキームで募るのかによって、所管する法令も頼るべき支援先も変わる点に注意が必要です。

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トークン化投資信託と投信法6条(券面)の論点

投資信託をトークン化して発行しようとする場合には、投資信託及び投資法人に関する法律(以下、投信法)に固有の論点があります。投信法第6条第1項は、委託者指図型投資信託の受益権について、受益証券をもって表示しなければならないと定めています。

委託者指図型投資信託の受益権は、均等に分割し、その分割された受益権は、受益証券をもつて表示しなければならない。

出典:投資信託及び投資法人に関する法律 第6条第1項|e-Gov 法令検索

この券面(受益証券)の表示要求は、受益権を券面のないトークンとして発行することとの関係で論点となります。トークン化された投資信託の実現に向けた検討や実証は進んでいますが、この券面をめぐる論点は現時点でも残っています。

投資信託を扱う発行体に固有の論点であり、対応スキームと結びつけて確認する必要があります。信託受益権をトークン化する不動産STなど(前述の電子記録移転権利)とは別のスキームである点にも注意が必要です。

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まとめ

デジタル証券(セキュリティトークン)の発行支援サービスは、発行スキームの設計や規制対応を伴走するコンサルティング型と、発行・期中管理の基盤を提供するプラットフォーム提供型に大きく分かれます。自社に発行スキームを描ける体制があるか、発行後の管理をどこまで外部に委ねたいかが、最初の分岐になります。

選定にあたっては、対応スキーム・対応アセットの適合、規制対応をどこまで伴走してくれるか、発行から期中管理・償還までの対応と実績、料金感と発行までの期間を軸に見極めることが大切です。登録要否は「自己募集か販売取扱いか」「商品の類型」で変わるため、自社の発行方法を早い段階で見極めることが大切です。

市場はまだ成長の初期段階にあり、実績と体制を備えた支援先を選ぶ意味は小さくありません。まずは気になるサービスの資料を取り寄せ、支援範囲と費用・期間を並べて比較することから始めてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援とは何ですか?

A. デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援とは、不動産・社債・ファンド持分などをブロックチェーン上のデジタル証券として発行したい事業者(発行体)に代わって、または一緒に、発行スキームの設計・金商法などの規制対応・発行や権利管理の基盤提供を担うサービスです。

提供形態は大きく、発行スキームの設計や規制対応を伴走するコンサルティング型と、発行・期中管理の基盤を提供するプラットフォーム提供型に分かれます。自社に発行の知見がどれだけあるか、発行後の管理をどこまで外部に委ねたいかによって、頼るべき支援先の性格が変わります。

Q. STO(セキュリティトークンオファリング)とは何ですか?デジタル証券とどう違いますか?

A. STOとは、デジタル証券(セキュリティトークン)を新たに発行して発行体が資金を調達する行為を指します。デジタル証券が「商品・権利そのもの」であるのに対し、STOは「その商品を発行して資金を調達する仕組み」を指す点が違いです。発行体にとっては、デジタル証券という商品を用いた資金調達の一連の流れがSTOにあたります。

Q. デジタル証券の発行には第一種金融商品取引業の登録が必要ですか?

A. デジタル証券の発行で第一種金融商品取引業の登録が必要かは、募集方法と商品の類型によって変わり、発行体が自ら募集する場合は必ずしも第一種にはあたりません

証券会社などが発行体に代わって投資家へ販売する「募集の取扱い」や、二次流通での売買は第一種金融商品取引業にあたります。

これに対し、電子記録移転権利(信託受益権型やファンド持分型)を発行体が自ら募集する場合は第二種金融商品取引業に区分され、社債などをトークン化したデジタル社債を発行体が自ら募集する場合は原則として登録不要とされています。詳細は本文「制度・登録要否の要点」で条文とあわせて解説しています。

Q. デジタル証券として発行できるのは不動産だけですか?社債やファンド持分も発行できますか?

A. デジタル証券として発行できる資産は不動産に限られず、社債(デジタル社債)、ファンド持分・集団投資スキーム持分など、さまざまな有価証券をトークン化して発行できます。現在の発行の中心は不動産STと社債STですが、事業やプロジェクトへの出資持分をトークン化する類型もあります。自社の資産がどの類型に近いかを整理すると、必要な支援や規制対応の見当がつきやすくなります。

Q. 不動産ST・社債ST・トークン化投資信託は、発行のうえで何が違いますか?

A. これらは裏付けとなる権利の種類が異なり、法的分類と必要な対応も分かれます。不動産STは信託受益権などをトークン化した「電子記録移転権利」に、社債ST(デジタル社債)は社債をトークン化したもので別の区分に整理されます。

トークン化投資信託は、投信法6条が受益権について受益証券による表示を求めているという券面固有の論点を抱えます。どの類型にあたるかによって登録要否や必要なスキームが変わるため、支援サービスへ相談する際の最初の論点になります。

Q. デジタル証券発行支援は、コンサル伴走型とプラットフォーム提供型のどちらを選べばよいですか?

A. 発行の経験や社内の専門人材が乏しく、何から着手すべきかから相談したい場合はコンサル伴走型、発行・期中管理を担う自前の仕組みを持ちたい、または既存の発行基盤に乗せたい場合はプラットフォーム提供型が向きます

両者は排他ではなく、コンサルで発行スキームを設計したうえでプラットフォームに乗せる組み合わせもあります。自社に発行スキームを描ける体制があるか、発行後の管理をどこまで外部に委ねたいかで、重心を置く形態を選ぶとよいでしょう。

Q. デジタル証券発行支援の料金・費用相場はどれくらいですか?

A. デジタル証券発行支援の料金は、発行する商品や支援範囲に応じた個別見積もりが中心で、要お問い合わせのサービスが多いのが実情です。設計から発行・期中管理までを一貫して委ねるのか、特定の工程だけを支援してもらうのかで費用は変わります。料金は単純な高低ではなく支援範囲との対応で捉え、複数のサービスから資料を取り寄せて支援範囲と費用をあわせて比較することをおすすめします。

Q. デジタル証券の発行にはどれくらいの期間がかかりますか?

A. デジタル証券の発行期間は、商品の設計・法務や規制対応の整理・発行基盤の準備・投資家への募集といった工程を経るため、スキームや商品の複雑さによって幅があります。とくに必要な登録の取得や登録業者との連携が絡む場合は準備に時間を要します。社内の資金調達計画に照らして、想定期間を各支援サービスに具体的に確認しておくことが大切です。

Q. デジタル証券の発行後の投資家管理や利払いも支援してもらえますか?

A. デジタル証券は発行して終わりではなく、投資家名簿の管理・利払い・償還・開示といった発行後の期中管理まで担える支援サービスもあります。発行から期中管理・償還までを一貫して扱える基盤を持つサービスと、発行の設計支援が中心のサービスがあるため、発行後の運用負荷をどこまで外部に委ねたいかを軸に選びます。実際の発行実績や導入企業の有無は、実務で回せる体制を備えているかを見極める手がかりになります。

Q. トークン化した投資信託を発行する際の投信法6条の論点とは何ですか?

A. 投信法6条の論点とは、委託者指図型投資信託の受益権を「受益証券をもって表示しなければならない」と定める規定が、券面のないトークンとして発行することとの関係で問題になるというものです。

トークン化投資信託の実現に向けた検討や実証は進んでいますが、この券面をめぐる論点は現時点でも残っています。信託受益権をトークン化する不動産STなどとは別のスキームであり、投資信託を扱う発行体に固有の確認事項として、対応スキームと結びつけて確認する必要があります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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