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電子帳簿保存法で紙でもらった請求書はどうする?紙のまま保存の可否とスキャナ保存の要件・原本破棄を解説

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請求書受領サービス比較表(2026年版)

取引先から紙で郵送されてきた請求書を前に、「電子帳簿保存法で電子データの保存が義務になったと聞いたが、この紙の請求書もスキャンして電子で保存しないといけないのか」と手が止まっていないでしょうか。2024年1月に電子取引データの保存ルールが変わったこともあり、紙で受け取った請求書の扱いと混同して不安を感じる経理担当者は少なくありません。

結論から言えば、紙で受け取った請求書は今までどおり紙のまま保存して問題ありません。スキャンして電子データで保存する「スキャナ保存」は任意で、義務ではありません。

この記事では、その根拠を電子帳簿保存法の条文と国税庁の見解で示したうえで、紙で受け取った請求書とデータで受け取った請求書の扱いの違い、スキャナ保存する場合の要件、スキャン後に紙の原本を捨ててよいか、紙のまま保存する場合の保存期間までを順に整理します。

後半では、毎月届く紙の請求書の受け取り・スキャン・保存を自社で続ける負担が大きいと感じる方に向けて、紙の請求書を代わりに受け取ってデータ化・電子保存まで担うサービスも紹介します。まずは目の前の1枚をどう保存すればよいか、というところから読み進めてください。

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紙で受け取った請求書は「紙のまま保存」でOK|スキャナ保存は任意

取引先から紙で受け取った請求書は、これまでどおり紙のままファイリングして保存できます。スキャンして電子データにする「スキャナ保存」は、行ってもよい制度であって、行わなければならない義務ではありません。電子帳簿保存法は、紙の国税関係書類について、一定の要件のもとで「電磁的記録の保存をもって当該国税関係書類の保存に代えることができる」と定めています(電子帳簿保存法4条3項)。

文末が「代えることができる」となっているとおり、これは選択できる規定であり、紙のまま保存する選択も認められています。

したがって、「2024年1月から請求書は電子保存が義務になった」という話を紙で受け取った請求書に当てはめて、慌ててスキャン作業を始める必要はありません。義務化の対象は、後述するとおりメールやWebなどデータで受け取った請求書(電子取引)であり、紙で受け取った請求書とは扱いが分かれます。

出典・参考資料(2件)

「紙で受け取った請求書」と「データで受け取った請求書」は扱いが違う

紙で受け取った請求書とデータで受け取った請求書とで扱いが分かれるのは、電子帳簿保存法が保存の方法を大きく3つの区分に分けているためです。自社の請求書がどの区分に当たるかで、紙のまま保存してよいか、電子保存が義務かが変わります。

電子帳簿保存法の3区分(電子帳簿等保存・スキャナ保存・電子取引)

電子帳簿保存法は、保存の対象と方法によって次の3区分を設けています。1つ目の「電子帳簿等保存」は、会計ソフトなどで最初から電子的に作成した帳簿・書類をそのまま電子データで保存する区分です。2つ目の「スキャナ保存」は、紙で作成・受領した書類をスキャンして電子データで保存する区分で、紙で受け取った請求書はここに当たります。

3つ目の「電子取引」は、メール添付のPDFやWeb上でダウンロードした請求書など、最初からデータで授受した取引情報を保存する区分です。

このうち、電子帳簿等保存とスキャナ保存は「電子データで保存してもよい」という任意の制度です。一方、電子取引は「電子データで保存しなければならない」という義務です。このように、紙で受け取った請求書はスキャナ保存の対象で電子化は任意、データで受け取った請求書は電子取引の対象で電子保存が義務、という関係になります。

データで受け取った請求書(電子取引)は電子保存が義務(猶予措置あり)

メールに添付されたPDFの請求書や、取引先のシステムからダウンロードした請求書のように、データで受け取った請求書は「電子取引」に当たります。電子帳簿保存法7条は、電子取引を行った場合には「当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない」と定めており、この電子データを電子のまま保存することが義務づけられています。

ここで注意したいのが、「2024年1月から義務化された」という表現の意味です。電子データを保存する義務そのものは以前から法7条にあります。かつては電子データを紙に出力して保存する方法も認められていましたが、この紙出力による保存は2022年1月に廃止されました。

その後、2022年から2023年末までは当面紙保存も認める宥恕(ゆうじょ)措置が設けられていましたが、2024年1月にこの宥恕措置が終了しました。したがって「2024年1月から」というのは、無条件で紙に出力して保存できる猶予が終わった時点を指します。

2024年1月以降も、要件どおりに保存できない「相当の理由」が税務署長に認められ、税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしている場合は、検索機能などの要件を満たさなくても電子データを保存できます。この猶予措置は恒久的なものです。ただし、この猶予措置でも猶予されるのは検索機能などの要件であって、電子データそのものの保存は免除されません。

「相当の理由」は、システムの整備が間に合わないなど、要件どおりに保存できない事情を広く含むものとされています。ただし、この猶予はあくまでデータで受け取った請求書(電子取引)の話で、紙で受け取った請求書には関係しません。

国税庁も、猶予措置の適用を受ける場合でも「その電子データの保存に代えてその電子データを出力することにより作成した書面による保存をすることは認められません」としています。データで受け取った請求書を紙に印刷して紙だけで保存する、という運用はできない点に注意が必要です。

出典・参考資料(3件)

ここまでの区分を、請求書を「どう受け取ったか」ごとに整理すると次のとおりです。

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受け取り方別|請求書の保存方法の違い紙で受け取った請求書(郵送・手渡し)データで受け取った請求書(メール添付PDF・Webダウンロード等)
電帳法上の区分スキャナ保存の対象電子取引の対象
紙のまま保存できる(原則。紙のままファイリングで保存してよい)紙だけの保存は不可(電子データの保存が必要)
電子データで保存任意(スキャナ保存の要件を満たせば電子化して保存できる)義務(要件を満たして電子データで保存。猶予措置あり)

※電子帳簿保存法・同施行規則および国税庁の一問一答(令和8年7月)にもとづく整理です。

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紙の請求書をスキャナ保存(電子化)する(要件と原本の破棄)

紙のまま保存する義務がないとはいえ、保管スペースや検索の手間を考えて、紙で受け取った請求書をスキャンして電子で保存したい場合もあります。スキャナ保存を行うには、書類が改ざんされていないことを担保する「真実性の確保」と、必要なときにきちんと確認できる状態にする「可視性の確保」の要件を満たす必要があります。

以下では、実務で判断できるように要件を具体的な数字とともに整理し、最後にスキャン後の紙原本を破棄してよいかまで説明します。

真実性の確保:タイムスタンプ「または」訂正削除防止

スキャナ保存では、しばしば「タイムスタンプの付与が必須」と説明されますが、これは正確ではありません。真実性の確保は、次のいずれかの方法で満たせます。

  • スキャンした画像にタイムスタンプを付与する
  • 訂正・削除を行った事実と内容を確認できる(履歴が残る)システムで保存する
  • 訂正・削除ができないシステムで保存する

訂正・削除の履歴が残るシステムを使えば、そのシステムで入力期間内に記録したことを確認でき、タイムスタンプの付与に代えられます。国税庁も、令和3年度の改正でこの点を明確にしています。

電磁的記録について訂正又は削除を行った事実及び内容を確認することができるシステム(訂正又は削除を行うことができないシステムを含みます。)において、その電磁的記録を保存することにより、その入力期間内に記録事項を入力したことを確認することができる場合にはその確認をもってタイムスタンプの付与に代えることができることとされたこと。

出典:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】(令和8年7月)|国税庁

したがって、市販の電子帳簿保存法対応システムで、訂正・削除の履歴が残る(または訂正・削除ができない)機能を備えたものを使えば、タイムスタンプを別途契約しなくても真実性の要件を満たせます。自社の運用に合わせて、タイムスタンプ方式か訂正削除防止方式かを選べると理解しておくとよいでしょう。

タイムスタンプを付けずに訂正削除防止で対応する場合、システムに求められる機能や、代わりに備え付ける事務処理規程の記載事項は施行規則で細かく定められています。この方式を具体的に検討する場合は、次の記事で条件と進め方を条文にもとづいて確認できます。

可視性の確保:解像度200dpi以上・カラー・検索機能

可視性の確保は、保存したデータを後から正しく確認できるようにするための要件です。読み取りは解像度200dpi(25.4ミリメートルあたり200ドット)以上、かつ赤・緑・青の階調がそれぞれ256階調以上のカラーで行う必要があります。あわせて、パソコンやディスプレイ・プリンタで速やかに出力できること、取引年月日・取引金額・取引先で検索できる検索機能を備えることが求められます。

ただし、税務職員からのデータのダウンロードの求めに応じられるようにしている場合は、日付や金額の範囲指定・項目の組み合わせによる検索の要件は不要です。

スキャンのタイミングにも期限があります。書類を受け取ってからの通常の業務処理の期間を経過した後、速やかに入力する必要があり、国税庁はこの期限を「最長では、国税関係書類の受領等から2か月とおおむね7営業日以内に入力すればよい」と示しています。月次でまとめてスキャンする運用でも、受領した月からおおむね2か月以内を目安にスキャン・入力を済ませておくと、この期限に収まります。

出典・参考資料(2件)

2022年・2024年改正での緩和点

スキャナ保存の要件は、近年の改正で段階的に緩和されています。2022年1月(令和3年度改正)からは、事前に税務署長の承認を受ける承認制度が廃止されました。あわせて、受領者がスキャン時に行っていた自署が不要になり、社内での相互けん制や定期検査を求める適正事務処理要件も廃止されています。これにより、届出なしで、より少ない事務負担でスキャナ保存を始められるようになりました。

さらに2024年1月(令和5年度改正)からは、スキャン時の解像度・階調・大きさに関する情報を保存する要件が廃止され、記録事項を入力した人の情報を確認する要件も不要になりました。あわせて、帳簿との相互の関連性を確認できるようにしておく要件は、契約書や領収書などの重要書類に限定されました。請求書は重要書類に含まれるため、帳簿との関連性の確認は引き続き必要です。

ここでいう「帳簿との相互の関連性の確認」とは、総勘定元帳などの記載と、保存した請求書を伝票番号などで相互にたどれるようにしておくことを指します。

出典・参考資料(1件)

スキャナ保存した後、紙の原本は破棄してよいか

スキャナ保存を行う実務上の関心は、「スキャンした後に紙の原本を捨てられるのか」に集まります。結論として、要件を満たしてスキャナ保存を行い、スキャンした画像と紙の記載内容が同じであること(折れ曲がりなどがないかを含む最低限の同等確認)を行った後であれば、紙の原本は即時に破棄して差し支えありません。国税庁は次のように示しています。

令和4年1月1日以後に保存を行う国税関係書類については、以下(※)の場合を除いて、スキャナで読み取り、最低限の同等確認(電磁的記録の記録事項と書面の記載事項とを比較し、同等であることを確認(折れ曲がり等がないかも含みます。)することをいいます。以下同じです。)を行った後であれば、即時に廃棄して差し支えありません。

出典:電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問3(令和8年7月)|国税庁

以前は破棄前に社内での定期検査が必要でしたが、前述の改正でその要件がなくなり、検査の完了を待たずに破棄できます。ただし、入力期間(受領から2か月とおおむね7営業日)を過ぎてしまった場合は、電子データとあわせて紙の原本も保存しておく必要があります。期限内にスキャンできなかった請求書は、紙を捨てずに残しておく点に注意してください。

紙のまま保存する場合の実務(ファイリング・保存期間)

スキャナ保存を行わず、紙で受け取った請求書を紙のまま保存する場合は、これまでどおりの書類管理で問題ありません。ここでは、後から探しやすく保管するためのポイントと、何年間保存すればよいかを整理します。

ファイリング・保管のポイント

紙の請求書は、税務調査などで求められたときにすぐ取り出せる状態にしておくことが実務上の要点です。取引先別、または受領月別にファイルを分け、月次でまとめて綴じておくと、後から特定の請求書を探しやすくなります。総勘定元帳など帳簿との突き合わせができるよう、伝票番号や管理番号を控えておくと、調査対応も楽になります。

保管場所は、湿気や退色で記載が読めなくなることを避け、感熱紙の請求書は特に文字が消えやすいため、コピーを取って一緒に保管するなどの工夫をしておくと安心です。

請求書の保存期間(原則7年/欠損金の繰越控除がある事業年度は10年)

法人が受け取った請求書は、法人税法上の書類として、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存する必要があります。国税庁も、法人は帳簿と取引に関して受領した書類を「確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存しなければなりません」としています。この書類には注文書・契約書・領収書などが含まれ、受領した請求書も同様です。

ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた場合など、一定の事業年度については保存期間が10年間に延びます。欠損金の繰越控除を受けるには帳簿書類の保存が要件になるため、赤字が出た事業年度の請求書は10年間保存すると考えておくと確実です。

これは法人を前提とした期間です。個人事業主の場合は、所得税のルールにより原則として5〜7年の保存が必要です。

出典・参考資料(1件)

実際に「何年何月まで保管すればよいか」を数えるには、7年・10年の起算日をどこに取るかがポイントになります。決算月ごとの具体的な計算例や、起算日の考え方をもう一段詳しく確認したい場合は、次の記事が参考になります。

紙のまま保存を続けるか、スキャナ保存に切り替えて紙を減らすかは、請求書の枚数や保管スペース、経理の体制によって最適解が変わります。毎月の枚数が多く、受け取りからスキャン・保存までを自社で回し続けるのが負担になってきた場合には、その作業自体を外部に任せる選択肢もあります。

毎月の受領・スキャン・保存の手間を減らす方法(請求書受領サービス)

ここまで見てきたとおり、紙で受け取った請求書は紙のまま保存でき、スキャナ保存も任意です。とはいえ、取引先ごとにバラバラの形式で届く請求書を毎月受け取り、要件を満たしてスキャン・保存し、期限を管理し続けるのは、経理担当者にとって小さくない負担です。こうした受け取りからデータ化・電子帳簿保存法に対応した保存までをまとめて代わりに担うのが、請求書受領サービスです。

紙の請求書を代理で受け取ってスキャン・データ化し、電子取引で届くデータとあわせて一元管理できるため、紙とデータが混在する運用そのものを整理できます。

請求書受領サービス全体を、選び方や料金、電子帳簿保存法・インボイス制度への対応まで見渡しておきたい場合は、次の記事が出発点になります。自社の受領業務にサービス導入が合うかを検討する材料としてご覧ください。

以下では、紙の請求書の代理受領とデータ化、電子帳簿保存法に対応した保存に対応するサービスを比較します。代理受領の可否やデータ化の方式、対応する保存区分を見比べる際の参考にしてください。

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紙の請求書の代理受領に対応する請求書受領サービスの比較Bill One(ビルワン)請求書受領TOKIUMインボイスバクラク請求書受取invox受取請求書
紙の請求書の代理受領プランにより対応
受け取れる形式紙・メール・PDF・アップロード・Peppol紙・メールPDF・FAX・Webダウンロード紙・メール・URL紙・メール・PDF・電子インボイス
データ化の方式スキャン技術+入力オペレーターオペレーター二重入力+AI-OCRAI-OCR(最大100枚一括)AI-OCR+オペレーター確認
(即時はAI単独も選択可)
電子帳簿保存法・インボイス制度対応
原本の保管・破棄の代行対応(保管・返却・破棄)対応(追加費用なしで保管)
料金(初期・月額)要問い合わせ(受領件数に応じた年額制)初期費用 月1万円〜
月額は従量・要問い合わせ
要問い合わせ(個別見積もり)初期費用0円
月額は要問い合わせ
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※表中の「●」は標準で対応、「△」はオプション等での対応、「-」は本記事の確認範囲で代行の記載を確認できなかったことを表します。各社公式サイト(2026年6〜9月時点)の情報にもとづく整理で、料金は税抜、「要問い合わせ」は公式が金額を非公開としているものです。最新の料金・対応範囲は各社の資料・公式サイトでご確認ください。

1. Bill One(ビルワン)請求書受領(Sansan株式会社)

Bill One(ビルワン)請求書受領の公式サイト

Sansan株式会社が提供するクラウド請求書受領サービスです。取引先から郵送で届く紙の請求書をはじめ、メール・PDF・アップロード・デジタルインボイス(Peppol)まで、あらゆる形式の請求書を代理で受け取り、クラウド上で一元管理します。

紙で届いた請求書は、Sansanのスキャン技術と入力オペレーターによってデータ化されます。受領した請求書は紙・電子の形式を自動で判別し、それぞれの保存要件にあわせて電子保存する仕組みで、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件(解像度の自動チェックなど)にも対応します。

スキャナ保存ソフトの法的要件についてはJIIMA認証(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会による法的要件認証)を取得済みのため、要件を個別に確認する手間を抑えられます。

インボイス制度では、適格請求書発行事業者の登録番号を国税庁に照会し、消費税額を検算する機能を備えています。料金は、専任担当者による導入支援を含む初期費用と、受領する請求書の年間件数に応じた年額費用で構成され、具体的な金額は問い合わせで案内されます。

2. TOKIUMインボイス(株式会社TOKIUM)

TOKIUMインボイスの公式サイト

経理向けのクラウドサービスを手がける株式会社TOKIUMが提供する請求書受領サービスです(旧称「インボイスポスト」)。郵送・メール添付PDF・FAX・取引先Webサイトからのダウンロードなど、届き方を問わず請求書の受領を代行します。

TOKIUMが企業に代わって紙の請求書を受け取り、スキャン・データ化します。受け取った紙の原本の保管まで追加費用なしで代行するため、社内でのファイリングや保管の作業がなくなります。データ化には、専任オペレーターの二重入力(ベリファイ)とAI-OCRを組み合わせる方式を採っています。

電子帳簿保存法にはJIIMA認証を取得して対応し、電子化した証憑にタイムスタンプを付与するほか、日付・金額・取引先などでの検索にも対応します。料金は初期費用が月あたり1万円からで、アカウント数は無制限です。

3. バクラク請求書受取(株式会社LayerX)

バクラク請求書受取の公式サイト

紙・メール・URLで届く受領請求書をAI-OCRでデータ化する、株式会社LayerXの「バクラク」シリーズの請求書受取サービスです。データ化した後は、仕訳から支払申請、振込データ作成、電子帳簿保存法に準拠した保管までを一つの流れで処理します。

受領方法は受領代行・メール受取・URL受取に対応し、紙やPDFは最大100枚まで一括でアップロードして、取引先・金額・日付を自動で読み取れます。過去のデータにもとづく仕訳の推薦機能もあり、データ化した後の入力を補えます。

電子帳簿保存法にはJIIMA認証を取得して対応し、インボイス制度では登録番号の自動判定や税区分のアラート表示を備えています。二重処理アラート、仕訳・出力のロックなど、内部統制に向けた機能も用意されています。料金は個別見積もりで、公式サイトでは公開されていません。

4. invox受取請求書(株式会社invox)

invox受取請求書の公式サイト

株式会社invoxのクラウド型の請求書受領システムです。紙・メール・PDF・電子インボイスなど、どのような形式で届いた請求書もデータ化し、受け取りから入力・支払・仕訳までを自動化します。

郵送で届く紙の請求書は代行受領に対応します。データ化はAI-OCRとオペレーター確認を組み合わせる方式で、急ぎのときはオペレーター確認なしのAI-OCR単独で即時にデータ化することもでき、精度とスピードを使い分けられます。

電子帳簿保存法・インボイス制度に対応し、freee・マネーフォワード・弥生・勘定奉行など50種類以上の会計システム・ERPと連携できます。初期費用は0円、ユーザー数は無制限で、利用量に応じた従量課金が中心の料金体系となっています。

まとめ

紙で受け取った請求書は、これまでどおり紙のまま保存でき、スキャンして電子保存するスキャナ保存は任意です。電子保存が義務づけられているのは、メールやWebなどデータで受け取った請求書(電子取引)で、こちらは2024年1月に無条件で紙保存できる猶予が終わり、要件を満たすか猶予措置の条件を満たして電子データで保存する必要があります。

紙で受け取った請求書とデータで受け取った請求書は扱いが分かれる、という線引きを押さえておけば、どちらをどう保存すべきか迷わずに判断できます。

スキャナ保存を行う場合は、タイムスタンプまたは訂正削除防止による真実性の確保と、解像度200dpi以上・カラー・検索機能による可視性の確保が要件で、要件を満たして同等確認を行えば紙の原本は破棄できます。紙のまま保存する場合の保存期間は原則7年、欠損金が生じた事業年度は10年です。

毎月の受け取り・スキャン・保存の負担が大きい場合は、請求書受領サービスの活用も検討し、自社に合った保存の形を選んでください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子帳簿保存法のスキャナ保存とは何ですか?

電子帳簿保存法のスキャナ保存とは、紙で作成・受領した請求書などの書類をスキャンし、電子データにして保存する制度です。紙で受け取った請求書もこのスキャナ保存の対象になりますが、電子化するかどうかは任意で、紙のまま保存し続けても問題ありません(電子帳簿保存法4条3項|e-Gov法令検索)。

実際にスキャナ保存を行う場合は、タイムスタンプまたは訂正削除防止による真実性の確保と、解像度200dpi以上・カラー・検索機能による可視性の確保といった要件を満たす必要があります。

Q. メールやWebでデータで受け取った請求書は、印刷して紙で保存してもよいですか?

メールの添付やWebサイトからデータで受け取った請求書は、印刷した紙だけで保存することはできず、電子データのまま保存する必要があります。データで受け取った請求書は「電子取引」に当たり、電子帳簿保存法7条で電子データの保存が義務づけられているためです。

要件どおりに保存できない相当の理由があり、税務調査の際にダウンロードの求めに応じられる場合は猶予措置を受けられますが、その場合でも電子データの保存に代えて紙だけで保存することは認められていません(電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】|国税庁)。一方、最初から紙で受け取った請求書は電子取引に当たらないため、紙のまま保存できます。

Q. スキャナ保存した後、紙の請求書の原本はすぐに捨ててよいですか?

要件を満たしてスキャナ保存を行い、スキャンした画像と紙の記載内容が同じであること(最低限の同等確認)を行った後であれば、紙の請求書の原本はすぐに破棄して差し支えありません。2022年1月の改正で定期検査を求める適正事務処理要件が廃止されたため、以前のように検査の完了を待つ必要はありません(電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】問3|国税庁)。

ただし、受領から2か月とおおむね7営業日以内という入力期間を過ぎてスキャンした場合は、電子データとあわせて紙の原本も保存しておく必要があります。

Q. 過去に紙で受け取った請求書も、今からスキャナ保存できますか?

すでに受け取って保管している過去分の請求書も、あらかじめ所轄の税務署長に適用届出書を提出すればスキャナ保存できます。請求書のような重要書類を過去分としてスキャナ保存する場合は、通常のスキャナ保存の要件に加えて、適用を始める旨の届出書の提出が求められる点が通常のスキャナ保存と異なります(電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】|国税庁)。

ファイリング済みの紙の請求書を電子化して保管スペースを減らしたい場合に活用できます。

Q. スキャナ保存を選ぶと、すべての書類をスキャナ保存しなければなりませんか?

スキャナ保存を選んでも、すべての書類をスキャナ保存する必要はなく、書類の種類ごとに紙のまま保存するかスキャナ保存するかを選べます。例えば請求書はスキャナ保存し、契約書は紙のまま保存するといった運用も認められています(電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】|国税庁)。自社で電子化しやすい書類から段階的に始めることができます。

Q. 紙で受け取った請求書は、何年間保存すればよいですか?

紙で受け取った請求書は、法人の場合、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間保存する必要があります。ただし、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた場合など一定の事業年度は、保存期間が10年間に延びます(No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁)。

これは紙のまま保存する場合もスキャナ保存する場合も同じで、保存方法によって期間の考え方は変わりません。ただし、これは法人税を前提とした期間で、個人事業主は所得税のルールにより原則5〜7年です。

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MCB FinTechカタログでは、紙やメールで届く請求書の代理受領・データ化・電子帳簿保存法対応の保存に対応したサービスの資料を無料で一括請求できます。代理受領の可否やデータ化の方式、電帳法・インボイス制度への対応を、各社の資料でまとめて比較できます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
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