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保険業法の募集人登録とは|特定保険募集人の登録要件・欠格事由・届出の流れを解説

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保険代理店システム比較表(2026年版)のプレビュー

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保険代理店システム比較表(2026年版)

保険を販売するには、保険業法にもとづく「募集人登録」または「届出」が欠かせません。登録や届出を受けていない人が保険募集を行うことは、法律で禁じられています。生命保険と損害保険では手続きの形が異なり、代理店として登録するのか、その使用人として届け出るのかによっても必要な対応が変わります。

これから募集人になる人だけでなく、募集人の登録・届出や登録後の記録管理を担う保険代理店の担当者にとっても、「誰が・何を・どの条文にもとづいて行うのか」を正確に押さえることは、コンプライアンス体制づくりの出発点になります。

本記事では、保険業法における募集人登録の意味・要件・欠格事由から、登録申請の必要書類と手続きの流れ、生命保険・損害保険・保険仲立人で異なる登録と届出、そして登録後に必要な実務までを整理します。登録後の記録管理を効率化するシステムも後半で紹介します。

保険業法における募集人登録とは

ここからは、保険業法でいう募集人登録が何を指すのかを解説します。結論として、保険募集は登録または届出を受けた者しか行えません。この枠組みの中心にあるのが募集人登録です。

保険業法は、一定の者が保険募集を行う場合を除いて、何人も保険募集を行ってはならないと定めています。生命保険であれば登録を受けた生命保険募集人、損害保険であれば損害保険会社の役員・使用人や登録を受けた損害保険代理店とその役員・使用人、そして保険仲立人だけが、保険募集を行えます。

次の各号に掲げる者が当該各号に定める保険募集を行う場合を除くほか、何人も保険募集を行ってはならない。
一 次条の登録を受けた生命保険募集人(略)
二 損害保険会社(略)の役員(略)若しくは使用人又は次条の登録を受けた損害保険代理店若しくはその役員若しくは使用人(略)
四 第二百八十六条の登録を受けた保険仲立人又はその役員若しくは使用人(略)

出典:保険業法 第275条第1項|e-Gov法令検索

この枠組みの中心にあるのが「特定保険募集人の登録」です。保険業法は、特定保険募集人は内閣総理大臣の登録を受けなければならないと定めており、特定保険募集人には生命保険募集人・損害保険代理店・少額短期保険募集人が含まれます。保険募集人登録とは、保険を販売するために保険業法が求める、事前の資格付与の手続きにあたります。

特定保険募集人(生命保険募集人、損害保険代理店又は少額短期保険募集人(特定少額短期保険募集人を除く。)をいう。以下同じ。)は、この法律の定めるところにより、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。

出典:保険業法 第276条|e-Gov法令検索

誰が・どうやって登録する?登録の主体・経路と要件

ここからは、募集人登録を誰が・どのように行うのか、そして登録できる人・できない人の要件を解説します。多くの人が最初に知りたい「自分ひとりで登録できるのか」という疑問から順に確認していきましょう。

登録の主体と申請経路

募集人登録の主体は内閣総理大臣です。ただし実務上は権限が委任されており、金融庁の監督指針では、登録申請書などを特定保険募集人の主たる事務所の所在地を管轄する財務局等(管轄財務局等)に提出するものとされています。

申請は募集人が個人で単独に行うものではなく、所属する保険会社や代理店を通じて進めるのが一般的です。生命保険募集人であれば所属保険会社が、損害保険代理店であれば委託元の損害保険会社が関与する形で手続きが行われます。

当該支社等が管理する特定保険募集人の主たる事務所の所在地を管轄する財務局等に提出させるものとする。(略)特定保険募集人の主たる事務所の所在地を管轄する財務局等及び東京財務事務所を「管轄財務局等」という。

出典:保険会社向けの総合的な監督指針 III-2-1 特定保険募集人の登録等事務|金融庁

また、募集人個人としてではなく保険代理店そのものを立ち上げたい場合は、募集人登録に加えて、取り扱う保険会社との委託契約や事務所・体制の整備が必要になります。開業に向けた資格や準備の全体像は、次の記事で解説しています。

登録の要件

登録の要件は、保険業法が定める部分と、業界団体が運用する部分の2つに分けて理解すると整理しやすくなります。保険業法は後述する欠格事由に該当しないことを求めますが、研修や試験の合格そのものを登録要件として条文に定めているわけではありません。

実務上の前提となるのが、業界団体が運営する共通試験です。生命保険では、生命保険協会が「生命保険募集人登録のために必要とされる知識や資質・能力を確認するための一般課程試験」を実施しています。試験はCBT(コンピュータ試験)方式で行われ、試験時間は40分、合格基準は100点満点中70点です。

損害保険では、日本損害保険協会の損害保険募集人一般試験がこれにあたります。基礎単位に合格しなければ代理店登録または募集人届出ができず、原則として取り扱う保険商品に応じた商品単位の合格も必要です。基礎単位は40分・50問(各2点、100点満点)で合格基準は70点、単位ごとに5年の更新制とされています。

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区分生命保険損害保険
試験名(実施団体)一般課程試験(生命保険協会)損害保険募集人一般試験 基礎単位(日本損害保険協会)
形式CBT・40分CBT・40分・50問
合格基準100点満点中70点100点満点中70点
更新継続教育を毎年実施単位ごとに5年更新

生命保険協会・日本損害保険協会の公表情報をもとに作成(2026年9月時点)

基礎単位に合格しなければ、代理店登録または募集人届出ができません。また、原則として、募集人は、取り扱う保険商品に応じた商品単位に合格しなければ、当該保険商品の取扱いができません。

出典:損害保険募集人一般試験|日本損害保険協会

出典・参考資料(2件)

登録できない人=欠格事由(登録拒否事由)

試験に合格していても、保険業法の欠格事由に該当する人は登録できません。内閣総理大臣は、登録申請者が次のいずれかに当たる場合や、申請書・添付書類に重要な事項の虚偽記載などがある場合には、登録を拒否しなければならないとされています。

  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
  • 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者
  • 保険業法や金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律などに違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から3年を経過しない者
  • 登録を取り消され、その取消しの日から3年を経過しない者
  • 心身の故障により保険募集に係る業務を適正に行えない者として内閣府令で定める者
  • 申請の日前3年以内に保険募集または保険媒介業務に関し著しく不適当な行為をした者

刑罰の要件は「拘禁刑以上の刑」と定められています。これは2025年6月1日施行の刑法改正で懲役・禁錮が拘禁刑に一本化されたことを反映したもので、古い解説にある「禁錮以上」「懲役刑」という表記は現行の条文とは異なります。

一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
二 拘禁刑以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者
三 この法律若しくは金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律又はこれらに相当する外国の法令の規定に違反し、罰金の刑(略)に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者

出典:保険業法 第279条第1項|e-Gov法令検索

登録申請の手続きと必要書類

ここからは、登録申請に何が必要で、申請後にどんな手続きが続くのかを、実務の流れに沿って解説します。まず用意する書類を確認し、その後で申請から変更・廃業の届出までの流れを追います。

登録に必要な書類

登録を受けようとする者は、商号・名称または氏名および生年月日、事務所の名称・所在地、所属保険会社等の商号・名称などを記載した登録申請書を、内閣総理大臣に提出します。申請書には、欠格事由に該当しないことを誓約する書面などの添付が求められます。

金融庁の監督指針では、登録申請書は規則別紙様式第17号によるとされ、添付書類は個人と法人で異なります。官公署が証明する書類は、申請の日前3か月以内に発行されたものである必要があります。

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区分個人法人
主な添付書類誓約書面(規則別紙様式第17号の2)/特定保険募集人であることを証する書面/住民票の抄本またはこれに代わる書類誓約書面(規則別紙様式第17号の2)/役員の氏名・住所を記載した書面/特定保険募集人であることを証する書面/定款もしくは登記事項証明書またはこれらに代わる書類

金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」III-2-1(1)・保険業法第277条をもとに作成

登記事項証明書は、法務省の登記情報システムから取得できる場合には添付が不要とされています。最新の様式・書類は管轄財務局等や所属保険会社の案内で確認してください。

出典・参考資料(2件)

申請から登録・変更届出・廃業届出までの流れ

登録は申請して終わりではなく、登録後に事情が変わったときの届出まで続きます。全体像は次の手順で整理できます。

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手順1. 申請2. 登録3. 変更の届出4. 廃業等の届出
内容登録申請書と添付書類を管轄財務局等に提出する拒否事由がない限り、生命保険募集人登録簿・損害保険代理店登録簿などに登録される申請書の記載事項(氏名・事務所・所属保険会社等)に変更があったときは、遅滞なく届け出る保険募集の業務廃止・死亡・法人の破産や合併・解散などがあったときは、遅滞なく届け出る
根拠保険業法第277条保険業法第278条(登録の実施)保険業法第280条第1項第1号保険業法第280条第1項第2号〜第7号

保険業法第277条・第278条・第280条・監督指針III-2-1をもとに作成

ここで注意したいのが廃業等の届出の条文です。変更の届出と廃業等の届出はいずれも保険業法第280条に定められており、変更が第1項第1号、廃業・死亡・解散などが第1項第2号から第7号にあたります。廃業等の届出を第281条とする解説が見られますが、第281条は登録免許税および手数料を定めた条文です

また、第280条第1項第2号から第7号に該当することとなったときは、その特定保険募集人の登録は効力を失います。監督指針でも、廃業等の届出は「法第280条第1項第2号から第7号関係」と明記されています。

特定保険募集人が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、遅滞なく、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。
一 第二百七十七条第一項各号に掲げる事項について変更があったとき
二 保険募集の業務を廃止したとき

出典:保険業法 第280条第1項|e-Gov法令検索

登録には、登録免許税や手数料がかかります(第281条。具体的な額は登録免許税法や政令で定められています)。実務では所属する保険会社や代理店を通じて申請するため、費用の負担や標準的な処理期間は所属先や管轄財務局等によって異なります。申請から登録までに必要な期間の見込みは、あらかじめ所属先に確認しておくとよいでしょう。

生命保険・損害保険・保険仲立人で異なる登録・届出

ここからは、混同されやすい生命保険・損害保険・保険仲立人の登録と届出の違いを整理します。同じ「保険を売る人」でも、法律上の位置づけと必要な手続きが異なります。

生命保険では、会社の役員・使用人も、委託を受けた代理店やその役員・使用人も「生命保険募集人」に含まれ、いずれも登録の対象です。一方、損害保険で登録の対象となるのは「損害保険代理店」で、その役員・使用人が保険募集を行う場合は、氏名・生年月日を内閣総理大臣に届け出ます。保険仲立人は、所属保険会社等のために行う媒介以外を行う独立の媒介者で、募集人とは別の登録制度が適用されます。

生命保険・損害保険・保険仲立人で異なる登録と届出の手続きを対比した図。生命保険は会社の役員・使用人も委託先の代理店やその役員・使用人もすべて生命保険募集人として登録。損害保険は損害保険代理店が登録し、その役員・使用人は届出(保険業法第302条)。保険仲立人は募集人とは別の登録制度で、別の登録に加え保証金の供託が必要。
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区分生命保険損害保険保険仲立人
登録・届出の対象生命保険募集人(会社の役員・使用人、委託先の代理店やその役員・使用人を含む)損害保険代理店(登録)/その役員・使用人(届出)保険仲立人(別の登録制度)
手続きの形個人・法人を問わず登録代理店は登録、使用人は届出登録に加え保証金の供託が必要
主な根拠条文保険業法第2条第19項・第276条保険業法第2条第20・21項・第276条・第302条保険業法第286条・第291条

保険業法第2条・第276条・第302条・第286条・第291条をもとに作成

損害保険代理店の使用人の届出は、保険業法第302条に定められています。生命保険募集人はこの届出の対象ではなく、使用人も含めて登録の対象となる点が、損害保険との大きな違いです。

損害保険代理店、少額短期保険募集人又は保険仲立人は、その役員又は使用人(略)に保険募集を行わせようとするときは、その者の氏名及び生年月日を内閣総理大臣に届け出なければならない。

出典:保険業法 第302条|e-Gov法令検索

保険仲立人は、募集人とは別に内閣総理大臣の登録を受ける必要があり、保証金を供託しなければ保険契約の締結の媒介を行えません。募集人登録の手続きとは別制度である点に注意が必要です。

少額短期保険を扱う少額短期保険募集人も、特定保険募集人として登録の対象です。

登録後に必要な実務(継続研修・原簿/募集記録管理・乗合)

ここからは、登録した後に代理店側で継続して行う実務を解説します。募集人の登録は入り口にすぎず、登録後の記録管理や教育、複数社の取り扱いに関する対応が欠かせません。

まず、所属保険会社等には、特定保険募集人に関する原簿を本店・主たる事務所や支店などに備え置く義務があります。誰がどの募集人を管理しているかを記録・保管する仕組みで、監督指針でも原簿管理が登録等事務の一項目として挙げられています。

所属保険会社等は、内閣府令で定めるところにより、当該所属保険会社等に係る特定保険募集人に関する原簿を、その本店若しくは主たる事務所又は支店若しくは従たる事務所(略)に備え置かなければならない。

出典:保険業法 第285条第1項|e-Gov法令検索

次に、継続的な教育です。生命保険協会は、原則としてすべての生命保険募集人に対し、毎年、継続的・反復的に教育を実施する仕組みを設けています。損害保険でも募集人一般試験の各単位が5年ごとの更新制となっており、登録後も知識を更新し続けることが業務品質の維持につながります。

出典・参考資料(2件)

複数の保険会社の商品を扱う「乗合」にも法律上のルールがあります。生命保険では、生命保険募集人が2以上の所属保険会社等を持つことは原則として制限され、業務遂行能力などから契約者等の保護に欠けるおそれがないとして政令で定める場合に限って認められます。損害保険代理店では複数社の商品取り扱いが広く行われており、生命保険とは対応が異なります。

前二項の規定は、生命保険募集人が二以上の所属保険会社等を有する場合においても、その保険募集に係る業務遂行能力その他の状況に照らして、保険契約者等の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定める場合には、適用しない。

出典:保険業法 第282条第3項|e-Gov法令検索

このように登録後は、原簿・募集記録の管理、意向把握や比較推奨の記録、継続的な教育、乗合や高齢者募集への対応など、記録と管理の実務が積み重なります。募集人が増えるほど属人的な運用では抜け漏れが起きやすく、記録を仕組みで一元管理する必要性が高まります。

こうした記録・管理の重要性は、保険業法の見直しが続くなかで一層高まっています。2025年に成立した改正保険業法(2026年6月施行)では、代理店の体制整備義務の強化などが盛り込まれました。これは欠格事由の項で触れた2025年6月施行の刑法改正(拘禁刑への一本化)とは別の改正で、改正保険業法の全体像や比較推奨販売への対応は関連記事で詳しく解説しています。

出典・参考資料(1件)

登録後の記録・管理をめぐるこうした変化を、現場ではどう受け止めているのでしょうか。保険代理店を経営していた立場からシステムを提供するトラストオフィス株式会社の小守氏は、次のように話します。

小守氏
トラストオフィス株式会社 代表取締役
小守氏
独自インタビューより

大きなきっかけとなっているのは、2026年6月の保険業法改正です。面談記録の作成や意向把握がこれまで以上にしっかり求められるようになり、「どうやって現場に記録を残させるか」に悩んでいらっしゃる代理店様が非常に多くなっています。ただ、法改正だけが背景ではありません。業界全体として「規模」から「品質」へと評価軸が変化してきていることも大きな流れです。

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募集人・登録管理の実務を効率化する保険代理店システム

ここからは、登録後の記録管理を担う保険代理店の担当者に向けて、募集記録・意向把握記録の管理や自己点検・業務品質対応を効率化する保険代理店システムを紹介します。いずれも、募集プロセスの記録と管理を中核機能として備えたクラウド型のシステムです。まずは主要なサービスをスポットで比較します。

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サービス名hokanMCエキスパートクラウドYouWill-CRM
運営会社株式会社hokan株式会社Wizleapトラストオフィス株式会社
意向把握・比較推奨の記録比較推奨(ロ方式)は対応予定
募集プロセスの監査証跡活動記録・報告のテンプレート前工程完了で次へ進む設計意向〜決定理由まで記録
点検表・自己点検監査証跡で対応第三者チェック機能点検表で不備を一覧化
満期更改管理自動反映・進捗管理保全管理・損保満期管理自動アラート・CSV取込
共同GW連携対応範囲が広い
初期費用要問い合わせ要問い合わせ200,000円(税別)
月額費用要問い合わせ要問い合わせ3,000円/人〜(最少5人)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見る

比較表の「共同GW」は、保険会社から既契約情報を取り込むための共同ゲートウェイ連携を指します。「ロ方式」は、顧客の意向にもとづいて推奨する商品を絞り込む比較推奨販売の方式です。

ここでは3サービスをスポットで比較しましたが、選び方や機能、料金相場、2026年の保険業法改正への対応まで含めて保険代理店システムの全体像を比較したい場合は、次の記事で主要サービスを詳しく解説しています。

1. hokan(株式会社hokan)

hokanの公式サイト

hokanは、保険代理店業務に特化したクラウド型の顧客・契約管理システムです。顧客情報・契約管理・意向把握・比較推奨・満期更改・案件管理を単一のプラットフォームで一元化し、複数の保険会社の商品を扱う乗合代理店で起きがちな情報の分断や属人化の解消を主眼に設計されています。

登録後の実務との関わりで見ると、意向把握・比較推奨の記録に加え、活動記録や報告のテンプレート機能によって募集プロセスの監査証跡を確保できる点が特徴です。満期更改の自動反映や、事故・苦情・未納対応を可視化する案件管理も備え、保険会社の共同ゲートウェイ連携により既契約情報を取り込めます。

2. MCエキスパートクラウド(株式会社Wizleap)

MCエキスパートクラウドの公式サイト

株式会社Wizleapが自社で運営する認定代理店「マネーキャリア」の業務ノウハウをシステム化したのが、業務品質管理クラウドシステムのMCエキスパートクラウドです。生命保険協会の業務品質対応基準に準拠した現場の運用を、そのまま標準機能として組み込んでいる点を訴求しています。

コンプライアンス対応を仕組みとして担保する設計が中心です。面談レポートや当初意向の確認が済まないと提案商品を入力できないなど、前のステップが終わらないと次に進めない構造で記入漏れを防ぎます。

音声などからAIが面談レポートを自動作成する機能や、当初意向と最終意向の差異を管理部門が確認する第三者チェック、保全管理、法定提出書類である事業報告書の作成支援も備えます。料金は要問い合わせで、利用人数や導入プランに応じて変わります。

保険募集では、初回面談での当初意向と契約時の最終意向が一致しているかを管理部門が確かめる第三者チェックが求められます。この業務と募集記録の関係について、株式会社WizleapのCTO・木太久氏は次のように説明します。

木太久氏
株式会社Wizleap CTO
木太久氏
独自インタビューより

保険代理店では初回面談の当初意向と、契約時の最終意向が変わっていないかを確認する「第三者チェック」という業務があります。これは面談本人ではなく管理部門が行うのですが、面談レポートがしっかり書かれていないとチェックのしようがありません。

3. YouWill-CRM(トラストオフィス株式会社)

YouWill-CRMの公式サイト

もともと保険代理店を経営していた立場から「元ユーザーの視点」で設計された顧客管理システムが、YouWill-CRMです。顧客情報の管理から面談記録、意向把握、比較推奨、満期更改、点検表の出力までを1つのシステムでカバーし、ITに不慣れな募集人でも使えるシンプルさを重視しています。

自己点検への対応として、意向把握や比較推奨に不備がある契約だけを一覧化する「点検表」を備えます。70歳以上の高齢者募集や外貨建てなどの特定保険には必須入力チェックが働き、抜け漏れのある契約を自動で洗い出せます。共同ゲートウェイ連携の対応範囲が広い点も特徴です。料金は月額3,000円/人からで、最少5人から利用できます(別途、初期設定支援などの費用があります)。

まとめ

保険業法における募集人登録は、保険を販売するために欠かせない手続きです。登録なしに保険募集はできず、登録の主体は内閣総理大臣(実務は管轄財務局等)で、申請は所属保険会社や代理店を通じて行います。試験や研修は業界団体が運用する前提で、保険業法は欠格事由に該当しないことを求めています。

生命保険は募集人ごとの登録、損害保険は代理店の登録と使用人の届出、保険仲立人は別制度と、対象によって手続きが分かれます。登録後も、原簿管理・募集記録・継続研修・乗合対応といった実務が続くため、記録を仕組みで一元管理し、抜け漏れを防ぐ体制づくりが重要です。自社の登録・記録管理の効率化を検討する際は、保険代理店システムの資料をまとめて取り寄せて比較してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 保険業法の募集人登録とは何ですか?

A. 保険業法の募集人登録とは、保険を販売するために保険業法が求める、内閣総理大臣による事前の資格付与の手続きです。保険業法は、登録または届出を受けた者しか保険募集を行えないと定めており(第275条)、その枠組みの中心にあるのが特定保険募集人(生命保険募集人・損害保険代理店・少額短期保険募集人)の登録です(第276条)。

Q. 募集人登録は自分ひとりで申請できますか?

A. 募集人登録は、個人が単独で行うものではなく、所属する保険会社や代理店を通じて申請するのが一般的です。登録の主体は内閣総理大臣ですが、実務上は権限が委任されており、登録申請書は主たる事務所の所在地を管轄する財務局等(管轄財務局等)に提出します。生命保険募集人であれば所属保険会社が、損害保険代理店であれば委託元の損害保険会社が関与する形で手続きが進みます。

Q. 生命保険と損害保険で募集人の手続きはどう違いますか?

A. 生命保険は会社の役員・使用人も代理店も「生命保険募集人」として登録の対象になり、損害保険は「損害保険代理店」が登録し、その役員・使用人は届出を行う点が大きな違いです。生保は使用人も含めて登録の対象となるのに対し、損保は代理店の登録に加えて使用人の氏名・生年月日を内閣総理大臣に届け出ます(第302条)。保険仲立人はさらに別の登録制度が適用されます。

Q. 募集人登録ができない人(欠格事由)にはどのような条件がありますか?

A. 保険業法は登録できない人を欠格事由(登録拒否事由)として定めています(第279条第1項)。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、拘禁刑以上の刑を受けて3年を経過しない者、保険業法などに違反して罰金刑を受けて3年を経過しない者、登録を取り消されて3年を経過しない者などが該当します。

刑罰の要件は2025年6月施行の刑法改正を反映して「拘禁刑以上の刑」と定められており、古い解説にある「禁錮以上」「懲役刑」という表記は現行の条文とは異なります。

出典・参考資料(1件)

Q. 試験に合格すれば必ず募集人登録できますか?

A. 試験に合格しても、保険業法の欠格事由に該当する人は募集人登録できません。生命保険協会の一般課程試験や日本損害保険協会の募集人一般試験は、業界団体が運用する実務上の前提であり、保険業法が研修・試験の合格そのものを登録要件として条文に定めているわけではありません。登録の可否は、欠格事由(第279条)に該当しないかどうかなどで判断されます。

Q. 廃業や異動のときは何を届け出ればよいですか?

A. 記載事項に変更があったときは変更の届出(第280条第1項第1号)、業務廃止・死亡・法人の破産や合併・解散などがあったときは廃業等の届出(第280条第1項第2号〜第7号)を、いずれも遅滞なく行います。廃業等の事由に該当すると、その特定保険募集人の登録は効力を失います。

廃業等の届出を第281条とする解説も見られますが、第281条は登録免許税および手数料を定めた条文です。

出典・参考資料(1件)

Q. 募集人登録の後に必要な継続的な対応は何ですか?

A. 登録後は、所属保険会社等による原簿管理(第285条)、意向把握・比較推奨などの募集記録の管理、継続的な教育・研修、複数社を扱う乗合への対応が継続して必要になります。

生命保険協会は原則としてすべての生命保険募集人に毎年継続的な教育を実施しており、生命保険の乗合(2以上の所属保険会社等を持つこと)は原則制限され、政令で定める場合に限って認められます(第282条第3項)。募集人が増えるほど属人的な運用では抜け漏れが起きやすく、記録を仕組みで一元管理する体制づくりが重要です。

Q. 保険仲立人の登録は募集人登録と同じですか?

A. 保険仲立人の登録は、募集人登録とは別の制度です。保険仲立人は、所属保険会社等のために行う媒介以外を行う独立の媒介者で、内閣総理大臣の登録(第286条)を受けたうえ、保証金を供託しなければ保険契約の締結の媒介を行えません(第291条)。同じ「保険を扱う人」でも、募集人登録の手続きとは別制度である点に注意が必要です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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