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購入型クラウドファンディングおすすめ14選を比較|手数料・得意ジャンル・入金スピードで選ぶ

購入型クラウドファンディング比較のサムネイル画像

新商品の需要を発売前に確かめたい、銀行融資に頼らず共感でまとまった資金を集めたい——そうした場面で購入型クラウドファンディングを検討する企業や個人が増えています。実行者がプロジェクトを立ち上げ、支援者に商品やサービス、体験をリターンとして届ける仕組みで、資金調達とテストマーケティング、PRを同時に進められる点から、利用が広がっています。

一方で、サイトごとに手数料率や決済手数料、入金までの期間、得意なジャンルは大きく異なります。自社のプロジェクトに合うサイトを選ぶには、どの観点で比較すればよいのでしょうか。手数料の安さだけで決めると、集客力や入金時期の面で思わぬ支障が出ることもあります。

本記事では、主要な購入型クラウドファンディング14サービスを、得意ジャンル・目的別のタイプに分けて比較・解説します。手数料や募集方式の違いに加え、資金繰りに直結する入金スピードや、手数料以外にかかるコストまで整理しました。自社の目的に合ったサイトを見極める材料としてご活用ください。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

購入型クラウドファンディングとは?

購入型クラウドファンディングとは、実行者がプロジェクトを立ち上げ、支援者に対して商品・サービス・体験などを「リターン(返礼品)」として提供する形で、インターネット上から資金を募る仕組みです。支援者はリターンを受け取ることを前提に支援するため、実質的には「発売前の商品を先に予約購入する」感覚に近く、実行者にとっては資金調達と需要検証を同時に進められる手段になります。

新商品の開発資金を集めながら市場の反応を測るテストマーケティング、地域や社会課題に取り組むプロジェクトのPR、ファンとの関係づくりなど、活用の場面は幅広く広がっています。銀行融資やベンチャー投資と異なり、担保や返済、株式の発行を必要とせず、共感してくれた支援者から少額ずつ資金を集められる点が特徴です。

他のクラウドファンディング(寄付型・融資型・株式投資型)との違い

クラウドファンディングは、支援者が受け取るリターンの性質によっていくつかの種類に分かれます。購入型を選ぶ意味を理解するために、まず全体像を押さえておきます。

  • 購入型:支援の見返りに商品・サービス・体験を受け取る形式。モノづくりや新商品開発、店舗・イベントなど幅広いプロジェクトで使われます。
  • 寄付型:リターンがなく、支援金がそのまま寄付になる形式。災害支援や社会貢献活動などで用いられます。
  • 融資型(ソーシャルレンディング):支援者が事業者に資金を貸し付け、利息を受け取る形式。金融商品としての性質を持ちます。
  • 株式投資型:支援者が未公開企業の株式を取得する形式。リターンは値上がり益や配当で、投資に該当します。

融資型・株式投資型は金銭的なリターンを伴う「投資」であり、金融商品取引法などの規制の対象です。これに対して購入型は、商品やサービスの提供を伴う「商取引」に近く、事業会社や個人が最も取り組みやすい形式といえます。本記事では、この購入型に絞って主要サービスを比較します。

募集方式:All-or-Nothing と All-in の違い

購入型クラウドファンディングの多くは、目標金額の達成可否によってプロジェクトの成立条件が変わる2つの募集方式を用意しています。どちらを選ぶかで、目標未達だったときの扱いが大きく変わります。

  • All-or-Nothing(達成後支援型):募集期間内に目標金額へ届いた場合のみプロジェクトが成立し、支援金を受け取れます。未達の場合は不成立となり、支援者へ全額返金されます。手数料も成立時のみ発生するため、目標金額の設定を慎重に行う必要があります。
  • All-in(実行確約型):目標金額に届かなくても、集まった支援金を受け取れます。その代わり、金額にかかわらずプロジェクトの実行とリターンの提供が義務づけられます。すでに実行が決まっている取り組みに向いています。
購入型クラウドファンディングの募集方式All-or-NothingとAll-inの違いを対比した図解。All-or-Nothing(達成後支援型)は目標達成時のみ成立し未達なら支援者へ全額返金・手数料も成立時のみ発生。All-in(実行確約型)は目標未達でも集まった支援金を受け取れる代わりに金額を問わず実行とリターン提供が義務づけられる。

サイトによって、両方式に対応しているか、どちらか一方のみかが異なります。確実に実行したいプロジェクトなら All-in、目標額に届かなければ仕切り直したい場合は All-or-Nothing というように、プロジェクトの性質に合わせて方式を選べるかどうかも、サイト選定の観点の一つになります。

購入型クラウドファンディングを比較・選ぶポイント

ここからは、購入型クラウドファンディングを比較するときに押さえたい観点を解説します。まず自社の目的から候補を絞り込み、そのうえで手数料や入金時期といったコスト面、集客力を確かめていくと、無理なく自社に合うサイトを見極められます。

自社の目的・得意ジャンルは合っているか

最初に確認したいのが、サイトの得意ジャンルと自社の目的の相性です。同じ購入型でも、サイトごとに集まりやすいプロジェクトの傾向や支援者層が異なるため、目的に合わないサイトを選ぶと、そもそも支援が集まりにくくなります。目的は大きく次の4つに整理できます。

  • 資金調達を幅広く行いたい:ジャンルを問わず実績が豊富で、支援者数の多い総合型のサイトが向きます。どのサイトが合うか迷う場合の起点にもなります。
  • 新商品の開発・テストマーケティングをしたい:ガジェットやプロダクトの掲載実績が多く、発売前の需要検証や新たな販路の開拓、PRに強いサイトが向きます。
  • 社会貢献・地域活性化のプロジェクトを広げたい:共感や応援で支援が集まりやすく、寄付型を併設するサイトが向きます。
  • 作品性・専門性の高いプロジェクトを届けたい:映画・アート・音楽・工芸・学術研究など、特定の分野に強みを持つサイトが向きます。
購入型クラウドファンディングを目的別に分けた4タイプの早見図解。総合型(幅広く資金を集めたい・ジャンルを問わず実績豊富)、新商品開発・テストマーケ(発売前の需要検証・販路開拓・PRに強い)、社会貢献・共感(共感で集まりやすく寄付型を併設するサイトも)、クリエイティブ・特定分野(映画・アート・音楽・工芸・学術研究など特定分野に強い)の4つの目的と向くタイプを示す。

本記事では後半で、この4つの目的に沿ってサービスをタイプ別に紹介します。まず自社のプロジェクトがどの目的に当てはまるかを見極めると、比較すべき候補を効率よく絞り込めます。

手数料(利用手数料+決済手数料)はどのくらいか

手数料は、集まった支援総額から差し引かれる形でかかるため、実際に手元へ残る金額を左右します。多くのサイトでは、プラットフォームの利用手数料と、クレジットカードなどの決済手数料を合わせた「成功報酬型」の料率が設定されています。両者を分けて表示するサイトと、まとめて表示するサイトがあるため、比較の際は内訳と合計の両方を確認するとよいでしょう。

料率はサイトやプランによって幅があり、実行者の手数料を無料にして支援者が一部を負担する仕組みや、月額・初期費用を組み合わせたプラン制を採るサイトもあります。また、手数料が発生するのは原則としてプロジェクト成立時です。料率の数字だけでなく、後述する集客力やサポートも含めた総合的なコストで判断すると、安さだけで選んで失敗するのを避けられます。各サービスの具体的な料率は、本記事の比較表で確認できます。

入金スピード・振込スケジュールはどうか

見落とされがちですが、支援金がいつ入金されるかは、資金繰りに直結する重要な観点です。支援金はプロジェクト終了と同時に受け取れるわけではなく、精算期間を経てから振り込まれます。一般的には「終了月の翌月末」や「翌々月末」に設定されているサイトが多く、サイトによって差があります。

一方で、リターンの製作費や発送費、広告費などは入金前に発生します。入金までの期間が長いと、支援は集まったのに手元資金が不足する事態も起こり得ます。サイトによっては、追加手数料を払うことで入金を早める早期入金オプションを用意しています。プロジェクトの資金計画に合わせて、入金時期と早期入金の可否を確認しておくと安心です。各サービスの入金スケジュールも比較表にまとめています。

ユーザー数・成功率で見る集客力はどうか

プロジェクトを成功させるには、サイト自体が持つ集客力も見逃せません。会員数や累計の支援者数が多いサイトは、掲載しただけで一定の閲覧が見込め、支援が集まりやすくなります。また、プロジェクトの成功率(達成率)を公表しているサイトもあり、集客力やサポートの手厚さを推し量る目安になります。

ただし、成功率や累計実績を公式に公表しているサイトは限られ、算出方法や対象期間もサイトごとに異なります。数字を比べる際は、どの時点の・どのような基準の数値かを確認することが大切です。

本記事の比較表では、各サイトが公式に発表している累計実績や成功率を、時点や出所とあわせて掲載していますが、公表がないサイトは「非公表」と記載しています。公表がある数値は判断材料にしつつ、公表のないサイトはユーザー数や得意ジャンルとあわせて総合的に見るとよいでしょう。

集客を自社の広報だけに頼らず、サイトの支援者基盤を活かせるかどうかという視点で見ておくとよいでしょう。

あなたに合う購入型クラウドファンディングがわかる選定診断

ここまで解説してきた得意ジャンル・手数料・入金スピードといった軸を踏まえても、どのサイトが自社に合うか迷う場合があります。そうしたときは、いくつかの質問に答えるだけで候補を絞り込める以下の選定診断をご活用ください。

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【比較表】主要な購入型クラウドファンディングを手数料・募集方式・得意ジャンル・入金スピードで比較

ここからは、自社の目的や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要な購入型クラウドファンディング14サービスを比較します。手数料・募集方式・得意ジャンルに加え、入金スピードや公式発表ベースの実績もあわせて掲載しています。

まずは14サービスの手数料・募集方式・入金スピードを一覧で見比べられるようにまとめました。全体を見渡したうえで、気になる目的別のタイプの詳しい比較へ進んでください。

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サービス名CAMPFIREACT NOWMakuake(マクアケ)GREEN FUNDINGKibidango(きびだんご)ENjiNE(エンジン)machi-ya(マチヤ)未来ショッピングREADYFOR(レディーフォー)For Good(フォーグッド)MotionGallery(モーションギャラリー)muevo(ミュエボ)STUNNING JAPAN(スタニングジャパン)academist(アカデミスト)
タイプ総合型総合型新商品開発・テストマーケ新商品開発・テストマーケ新商品開発・テストマーケ新商品開発・テストマーケ新商品開発・テストマーケ新商品開発・テストマーケ社会貢献・共感社会貢献・共感クリエイティブ・特定分野クリエイティブ・特定分野クリエイティブ・特定分野クリエイティブ・特定分野
手数料17%(税別)達成金額の10%+税20%(税別)13〜20%(税込、プラン制)15%(税別)販売成約15%(決済料別)25%(税別)要問い合わせ14%〜(税別)実行者0円〜7%(税別)達成時10%〜20%(税別)要問い合わせ20%(利用17%+決済3%)
募集方式All-or-Nothing / All-inAll-or-Nothing / All-in ほか2方式All-or-Nothing / All-inAll-or-NothingのみAll-or-NothingのみAll-or-Nothing / All-inAll-or-Nothing / All-inAll-or-NothingAll-or-Nothing / All-inAll-inのみAll-or-Nothing / All-inAll-or-Nothing ほか2方式All-inのみAll-or-Nothing
入金スピード終了月の翌月末終了日から14営業日を目途終了月の翌月25日払い終了月の翌月末終了月の翌月末終了月の翌々月3営業日終了月の翌々月末要問い合わせ募集終了後に順次精算掲載終了日の翌々月7日個別相談終了月の翌々月末要問い合わせ終了月の翌月末
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は2026年9月時点で各社公式サイト等をもとに整理した情報です。手数料・募集方式・入金スケジュールは変更される場合があるため、最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。「要問い合わせ」は公式に条件の開示が確認できなかった項目です。

続いて、4つの目的別(タイプ別)に分けた詳しい比較表です。自社のプロジェクトの目的に近いタイプから確認してください。

幅広いジャンルに対応する総合型

ジャンルや規模を問わず利用でき、実績や成功事例が豊富なタイプです。どのサイトを選べばよいか迷う場合や、まず実績のあるサイトで幅広く支援を募りたい場合の起点になります。

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サービス名CAMPFIREACT NOW
運営会社株式会社CAMPFIRE株式会社ACT NOW
手数料17%(税別)
利用手数料12%+決済手数料5%
達成金額の10%+消費税
(決済・送金手数料込み、成功時のみ)
募集方式All-or-Nothing / All-inAll-or-Nothing / All-in
ほかフリーゴール・ファンクラブ
得意ジャンル総合型(18以上のジャンル)。プロダクト・食・音楽・アート・地域活性化など総合型。北海道・札幌中心の地域活性化・自治体連携に実績
規模累計支援総額 約1,200億円(2026年6月末)
会員数 510万人(2025年4月)
非公表
成功率非公表非公表
入金スピード終了月の翌月末
(有償の早期振込あり)
募集終了日から14営業日を目途に支払い手続き開始
詳細情報公式サイト公式サイト

※上記は2026年9月時点で各社公式サイト等をもとに整理した情報です。手数料・実績・入金スケジュールは変更される場合があるため、最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。「非公表」は公式に数値の開示が確認できなかった項目です。

新商品開発・テストマーケティングに強いタイプ

ガジェットやプロダクトの掲載実績が多く、発売前の需要検証や新規販路の開拓、PRに向くタイプです。応援購入という形で市場の反応を測りながら資金を集めたい企業に適しています。

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サービス名Makuake(マクアケ)GREEN FUNDING(グリーンファンディング)Kibidango(きびだんご)ENjiNE(エンジン)machi-ya(マチヤ)未来ショッピング
運営会社株式会社マクアケ
(東証グロース上場)
株式会社ワンモア
(TSUTAYAのCCCと資本業務提携)
きびだんご株式会社株式会社Relic株式会社CAMPFIRE
(媒体運営はメディアジーンが協業)
株式会社日本経済新聞社
手数料20%(税別、決済手数料込み)
※2024年7月申込分より18.2%から改定
Standardプラン 20.0%(税込、決済手数料4%含む)
Partnerプラン 13.0%(税込、初期費用143万円)
一律15%(税別、決済手数料込み)
※2025年7月開始分より10%から改定
販売成約手数料15%
(決済手数料は別途オーナー負担、料率非公開)
25%(税別)
利用手数料20%+決済手数料5%
要問い合わせ
(公式に料率の記載なし、2026年9月時点)
募集方式All-or-Nothing / All-inAll-or-NothingのみAll-or-NothingのみAll-or-Nothing / All-inAll-or-Nothing / All-inAll-or-Nothing
(All-inは公式記載なし)
得意ジャンル家電・ガジェット・オーディオが主力。ファッション・飲食店・宿泊体験など幅広く対応ガジェット・家電・IoTが中心。雑貨・出版・映画・地域活性化など26カテゴリ超海外発ガジェット・アイデア商品、プロダクト開発系新商品開発・テストマーケティング(家電・ファッション・グルメなど14ジャンル)プロダクト・テクノロジー・ガジェット特化のキュレーション型新商品・ガジェット・地方産品・伝統産業。企業のテストマーケティング
規模累計応援購入総額 1,300億円超・プロジェクト数 51,000件超(2026年8月)累計支援総額 100億円以上・プロジェクト数 3,800件超(2025年6月)非公表非公表会員数 約11万人・累計1,500件以上
(CAMPFIRE移行後、時点非公表)
非公表
成功率非公表91%(2025年、自社公式発表)約75%(2024年、自社公式発表)非公表非公表非公表
入金スピード終了月の月末締め・翌月25日払い終了月の翌月末終了月の翌月末
(終了日から10日後の早期入金オプションあり)
終了月の翌々月3営業日終了月の翌々月末
(CAMPFIRE共通の運用)
要問い合わせ
(振込までの日数は公式記載なし)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は2026年9月時点で各社公式サイト等をもとに整理した情報です。手数料・実績・入金スケジュールは変更される場合があるため、最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。「非公表」は公式に数値の開示が確認できなかった項目です。

社会貢献・共感で支援を集めるタイプ

地域活性化や社会課題の解決など、共感や応援で支援が集まりやすいタイプです。リターンよりも活動への賛同を軸に支援を募りたいプロジェクトに向いており、寄付型を併設するサイトもあります。

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サービス名READYFOR(レディーフォー)For Good(フォーグッド)
運営会社READYFOR株式会社株式会社ボーダレス・ジャパン
手数料シンプルプラン 14%(税別)
運営手数料9%+決済手数料5%
フルサポートは別途サポート手数料
じぶんプラン: 実行者0円
いっしょプラン: 7%(税別、最低5万円)
※支援者が別途システム利用料220円+決済手数料5%を負担
募集方式All-or-Nothing / All-inAll-inのみ
得意ジャンル社会貢献・NPO・寄付領域に強み(医療・大学研究・動物・神社仏閣など)社会貢献特化(国際協力・医療福祉・子ども教育・地域活性・環境など11カテゴリ)
規模累計支援額 500億円突破(2025年7月末)
支援者 約180万人
累計支援総額 約30億円・プロジェクト数 約2,600件(2026年9月時点)
成功率非公表非公表
入金スピード募集終了後に順次精算
(有償の早期入金オプションあり)
掲載終了日の翌々月7日
(最短2営業日の早期入金オプションあり、手数料3%)
詳細情報公式サイト公式サイト

※上記は2026年9月時点で各社公式サイト等をもとに整理した情報です。手数料・実績・入金スケジュールは変更される場合があるため、最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。「非公表」は公式に数値の開示が確認できなかった項目です。

クリエイティブ・特定分野に特化したタイプ

映画・アート・音楽・工芸・学術研究など、特定の領域に強みを持つタイプです。作品性や専門性の高いプロジェクトで、その分野に関心のある支援者へ届けたい場合に向いています。

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サービス名MotionGallery(モーションギャラリー)muevo(ミュエボ)STUNNING JAPAN(スタニングジャパン)academist(アカデミスト)
運営会社株式会社MotionGallery株式会社muevo株式会社caramo
(藤巻百貨店 運営会社)
アカデミスト株式会社
手数料達成時10%(プラットフォーム手数料5%+決済代行5%)
All-in方式で目標未達の場合は20%
20%(税別、決済手数料込み)要問い合わせ
(現行料率の公式記載なし)
購入型 合計20%
利用手数料17%+決済手数料3%
募集方式All-or-Nothing / All-inAll-or-Nothing / Flexible / Pre-orderAll-inのみAll-or-Nothing
(別に月額支援型あり)
得意ジャンル映画・アート・音楽・演劇など創作・文化系15ジャンル音楽・アーティスト特化(音楽以外は掲載不可)職人・クリエイター特化。工芸品・アパレル・食器・日本酒など学術研究・サイエンス(研究者・大学・研究機関向け)
規模非公表非公表非公表累計サポーター 20,000人以上(2026年9月時点)
成功率非公表非公表非公表87%超(2026年9月時点、自社公式発表)
入金スピード個別相談
(公式に固定サイクルの記載なし)
終了月の翌々月末要問い合わせ
(入金時期の公式記載なし)
プロジェクト終了の翌月末(購入型)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は2026年9月時点で各社公式サイト等をもとに整理した情報です。手数料・実績・入金スケジュールは変更される場合があるため、最新の条件は各社公式サイトでご確認ください。「非公表」は公式に数値の開示が確認できなかった項目です。

主要な購入型クラウドファンディングをタイプ別に紹介

ここからは、比較表で取り上げた各サービスの特徴を、目的別のタイプごとに個別に紹介します。手数料や募集方式に加え、どのようなプロジェクトに向いているかもあわせて解説します。

幅広いジャンルに対応する総合型

まずは、ジャンルを問わず幅広いプロジェクトに対応し、支援者基盤の大きい総合型のサービスから紹介します。

1. CAMPFIRE(株式会社CAMPFIRE)

CAMPFIRE公式サイト

株式会社CAMPFIREが運営する、幅広いジャンルに対応する購入型・寄付型クラウドファンディングです。プロダクト・食・音楽・アート・地域活性化など18以上のジャンルを掲載でき、累計プロジェクト掲載数は約124,000件、累計支援総額は約1,200億円(2026年6月30日集計分)にのぼります。

会員数は510万人(2025年4月時点)で、掲載しただけで一定の閲覧が見込める支援者基盤の大きさが特徴です。掲載料・初期費用は0円の完全成功報酬型で、基本プランの手数料は利用手数料12%と決済手数料5%を合わせた17%(税別、消費税10%が別途加算)となっています。

資金の受け取りは、目標達成時のみのAll-or-Nothingと、未達でも受け取れるAll-inの両方式に対応します。入金はプロジェクト終了月の翌月末日が基本で、有償の早期振込サービスも選べます。社会貢献・エンタメ・スポーツなどジャンル特化のサブブランドでは、手数料率が作り分けられています。

2. ACT NOW(株式会社ACT NOW)

ACT NOW(アクトナウ)公式サイト

北海道・札幌を拠点とする購入型クラウドファンディングで、株式会社ACT NOWが運営しています。アート・音楽や飲食、社会貢献など幅広いジャンルを扱いますが、なかでも地域活性化や自治体連携の案件に実績があり、札幌市の飲食店応援企画などを手がけています。

利用手数料は達成金額の10%+消費税で、決済手数料・送金手数料を含み、プロジェクト成立時のみ発生します。募集方式はAll-or-NothingとAll-inに加え、目標額を定めないフリーゴール、毎月の継続支援を募るファンクラブの4方式から選べます。

支援金は募集終了日から14営業日を目途に支払い手続きが始まります。2021年には地域共通ポイント「EZOCA」を運営するサツドラホールディングス株式会社が出資しており、道内事業者との連携基盤を持ちます。

新商品開発・テストマーケティングに強いタイプ

続いて、ガジェットやプロダクトの応援購入に強く、新商品のテストマーケティングに向くサービスを紹介します。

3. Makuake(株式会社マクアケ)

Makuake(マクアケ)の公式サイト

Makuake(マクアケ)は、株式会社マクアケが運営する「応援購入」を掲げる購入型クラウドファンディングサービスです。運営会社は東京証券取引所グロース市場に上場しており(証券コード4479)、家電・ガジェット・オーディオを主力に、ファッションやキッチン、飲食店・宿泊体験まで幅広いジャンルを扱います。

募集方式はAll-or-Nothing型とAll-in型の両方に対応します。手数料は応援購入総額の20%(税別、決済手数料込み)で、2024年7月22日の申し込み分から18.2%より改定されました。入金はプロジェクト終了月の月末締め・翌月25日払いです。

実行者ごとに専任キュレーターが付き、プロジェクト設計や薬機法・景品表示法などの法令面のアドバイス、広報支援を手数料の範囲内で提供します。累計応援購入総額は1,300億円超、累計プロジェクト数は51,000件超(2026年8月時点の13周年発表)です。

4. GREEN FUNDING(株式会社ワンモア)

GREEN FUNDING(グリーンファンディング)の公式サイト

GREEN FUNDING(グリーンファンディング)は、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と資本・業務提携している点が特徴の購入型クラウドファンディングサービスです。運営は株式会社ワンモアで、2015年の提携以降、蔦屋書店や蔦屋家電などの実店舗での商品展示、Vポイントによる支援導線を組み合わせられます。

取り扱いはガジェット・家電・IoTを中心に、雑貨・出版・映画・地域活性化など26以上のカテゴリに及びます。2025年には単一プロジェクトで支援総額が10億円を超える案件(UGREEN NASyncシリーズ、約10.2億円)も生まれています。

手数料はStandardプランが20.0%(税込、決済手数料4%を含む)、初期費用143万円(税込)のPartnerプランが13.0%(税込)という2プラン制です。募集方式はAll-or-Nothing方式のみで、目標未達の場合は支援金が全額返金されます。入金はプロジェクト終了日が属する月の翌月末日です。

5. Kibidango(きびだんご株式会社)

Kibidango(きびだんご)の公式サイト

Kibidango(きびだんご)は、海外で話題のガジェットやアイデア商品を発掘して日本市場向けに紹介する自社企画枠「きびたん」を持つ、購入型クラウドファンディングサービスです。運営はきびだんご株式会社で、プロジェクト終了後も「Kibidango Store」で追加販売できる仕組みを備えます。

募集方式はAll-or-Nothing方式のみで、目標金額の達成を条件に支援金を受け取れます。利用手数料は2025年7月1日以降に開始するプロジェクトで一律15%(税別)となり、従来の10%から改定されました。

1つのプロジェクトに専任スタッフが1人付き、有償オプションでページ制作や販促の委託もできます。プロジェクトの成功率は約75%(2024年の1年間、自社発表)で、入金はプロジェクト終了月の翌月末が基本です。終了日から10日後に入金する早期入金オプションも用意されています。

6. ENjiNE(株式会社Relic)

ENjiNE(エンジン)の公式サイト

ENjiNE(エンジン)は、新商品の開発やテストマーケティングでの活用を想定した購入型クラウドファンディングサービスです。運営する株式会社Relicは電通デジタルと業務提携しており、商品企画から試作、テストマーケティング、その後の販促までを一貫して支援する体制を掲げます。

プロジェクトの訴求では、LINE公式パートナーとして国内6,800万人以上の利用者基盤や、日本経済新聞社(NIKKEI STYLE・日経電子版)との連携を活用できます。掲載カテゴリーは家電・ファッション・グルメなど14ジャンルに対応します。

手数料は販売成約手数料が15%で、決済手数料は別途プロジェクトオーナーの負担となります(料率は非公開)。募集方式は目標達成型と実行確約型の2種類で、入金はプロジェクト期間の終了月の翌々月3営業日です。

7. machi-ya(株式会社CAMPFIRE)

machi-ya(マチヤ)の公式サイト

machi-ya(マチヤ)は、株式会社CAMPFIREが運営するクラウドファンディングの中で、プロダクトやテクノロジー・ガジェット領域に絞ったキュレーション型のブランドサイトです。掲載は運営チームの審査を通過したプロダクト系の案件が中心となります。

プロモーションでは株式会社メディアジーンが協業し、GIZMODO JAPANやLifehacker Japanなど同社が運営するWebメディアでの記事化やSNS配信につながる可能性があります。プロジェクトごとに専任担当者1名が、ページ制作や写真撮影のアドバイスから掲載後まで伴走します。

手数料は利用手数料20%と決済手数料5%を合わせた25%(税別)で、CAMPFIRE本体の標準的な手数料(利用手数料12%+決済手数料5%=17%、税別)より高く設定されています。募集方式はAll-or-Nothing方式とAll-in方式の2種類です。支援金の振込時期はCAMPFIRE共通の運用に準じ、プロジェクト終了日の翌々月末日が目安です。

8. 未来ショッピング(株式会社日本経済新聞社)

未来ショッピングの公式サイト

未来ショッピングは、株式会社日本経済新聞社が運営する購入型・寄付型のクラウドファンディングサービスです。新商品のテストマーケティングを主な目的の一つに掲げ、基盤には事業パートナーである株式会社Relicのクラウドファンディング構築プラットフォーム「ENjiNE」を用いています。

日経電子版やNIKKEI STYLEの読者基盤にプロジェクトを届けられる点が特徴で、サービス開始時の発表では日経ID約800万人、日経電子版の月間2,700万ユニークブラウザ(UB)という規模が示されています(2016年開始時点の公表値)。出品対象は主に法人・団体で、企画書や商業登記簿謄本などの書類提出を伴う審査があります。

利用手数料・決済手数料はいずれも公式サイトに料率の記載がなく、要問い合わせとなっています(2026年9月時点)。募集方式は目標達成型(All-or-Nothing)で、All-in方式の記載は確認できません。掲載費用は無料です。

社会貢献・共感で支援を集めるタイプ

次に、社会貢献や地域活性化など、共感を軸に支援を集めやすいサービスを紹介します。

9. READYFOR(レディーフォー)(READYFOR株式会社)

READYFOR(レディーフォー)の公式サイト

READYFORは、2011年に日本初のクラウドファンディングサービスとして始まった購入型クラウドファンディングです。運営するREADYFOR株式会社は寄付領域を強みと位置づけており、リターン付きの購入型に加えて、寄付型や常設寄付の仕組みも同じプラットフォーム上に併設しています。

NPO・ソーシャルセクターや動物愛護、神社仏閣、大学・研究、医療などの分野で利用が広がっており、累計支援額は2025年7月末時点で500億円を突破したと発表されています。募集方式はAll-or-NothingとAll-inの2種類から選べ、目標未達時のリスク許容度に応じて実行者が方式を決められます。

料金は成果報酬型で、自分のペースで進めるシンプルプランの手数料は運営手数料9%と決済手数料5%を合わせた14%(税別、2026年9月時点)です。専任のキュレーターが伴走するフルサポートプランは、これに個別のサポート手数料が加わります。社会性の高いプロジェクトを、寄付型もあわせて検討したい実行者に向いています。

10. For Good(フォーグッド)(株式会社ボーダレス・ジャパン)

For Good(フォーグッド)の公式サイト

社会貢献性の高いプロジェクトに特化しているのが、株式会社ボーダレス・ジャパンが運営するFor Goodです。国際協力や医療・福祉、子ども・教育、地域活性、環境・エシカルなど11のカテゴリーを掲げ、個人から企業・NPO・自治体まで幅広い主体が利用できます。

最大の特徴は手数料の仕組みです。実行者の掲載手数料が0円の「じぶんプラン」では集まった支援金を全額受け取れる一方、支援者側が1決済あたりのシステム利用料220円(税込)と決済総額の5%(税別)を負担します。キュレーターの伴走支援が付く「いっしょプラン」は、総支援額の7%(税別、最低5万円)の掲載手数料がかかります。

募集方式はAll-in方式のみで、目標金額に届かなくてもプロジェクトは成立し、集まった支援金を受け取れます。累計の支援総額は約30億円、プロジェクト数は約2,600件(2026年9月時点)で、実行者への対価還元を重視した設計は2025年度グッドデザイン賞を受賞しています。実行者側の手数料負担を抑えて社会性のある取り組みを広げたい場合に向いています。

クリエイティブ・特定分野に特化したタイプ

最後に、映画・音楽・工芸・学術研究など、特定の分野に強みを持つサービスを紹介します。

11. MotionGallery(株式会社MotionGallery)

MotionGallery(モーションギャラリー)の公式サイト

MotionGalleryは、株式会社MotionGalleryが2011年に立ち上げた購入型クラウドファンディングです。映画・アート・写真・音楽・アニメ・演劇など15のジャンルを扱い、創作・文化系のプロジェクトを中心に支援を集めてきました。

募集方式は、目標に届かなければ支援金が返金されるコンセプト・ファンディング(All-or-Nothing)と、未達でも集まった額を受け取れるプロダクション・ファンディング(All-in)の2種類です。手数料は目標達成時でプラットフォーム手数料5%と決済代行手数料5%を合わせた10%ですが、プロダクション・ファンディングで目標未達の場合は20%となり、成否によって料率が変わります。

単発の募集に加えて、クリエイターを毎月継続して支援する「BASIC by MOTION GALLERY」も別途運営しており、作品づくりを続ける実行者の資金確保にも対応しています。

12. muevo(株式会社muevo)

muevo(ミュエボ)の公式サイト

muevoは、音楽・アーティストのプロジェクトだけを扱う購入型クラウドファンディングです。運営は株式会社muevoで、「音楽に全く関係のないキャンペーンは掲載不可」と明記し、バンドやアイドル、シンガーソングライター、VTuberなど音楽関連の起案者に対象を絞っています。

掲載料・登録料はかからず、成果に応じた成功報酬型で、利用手数料は20%(税別)です。音楽専門のスタッフが企画設計からページ作成、スケジュール管理、リターンの製造・発送代行までを支援します。募集方式は、目標達成時のみ支援金を受け取るAll-or-Nothing、達成の有無を問わず受け取れるFlexible、リターンを事前予約販売するPre-orderの3種類から選べます。

キャンペーンの売上金は、終了月の翌々月末日に振り込まれます。音楽ファンのコミュニティを通じて支援を募りたいアーティストや事務所が対象です。

13. STUNNING JAPAN(株式会社caramo)

STUNNING JAPAN(スタニングジャパン)の公式サイト

STUNNING JAPAN(スタニングジャパン)は、日本の逸品を扱うECサイト「藤巻百貨店」のなかで運営される購入型クラウドファンディングで、運営会社は株式会社caramoです。2021年8月に始まり、伝統工芸士をはじめとする一流の職人・クリエイターが実行者となって、新商品開発や新ブランド展開のための支援を募ります。

工芸品やアパレル、食器、革小物、日本酒・食品など、日本のものづくり・クラフト領域のプロジェクトを扱います。藤巻百貨店と同一のアカウントで利用でき、日本製の逸品を好む既存ユーザー層へ直接アプローチできる導線を備えている点が特徴です。

募集方式はAll-in型のみで、目標金額に届かなくても支援された商品は届けられます。手数料や入金スケジュールといった掲載条件の詳細は公式サイトに明示がないため、検討時は個別に問い合わせて確認するとよいでしょう。

14. academist(アカデミスト株式会社)

academist(アカデミスト)の公式サイト

academistは、研究者や大学・研究機関の研究資金調達に特化した学術系の購入型クラウドファンディングです。運営はアカデミスト株式会社で、一般消費者向けのプロダクト開発や地域活性化を主とする総合型とは、扱うプロジェクトの性質が明確に異なります。

170以上の大学・研究機関に所属する研究者のプロジェクトを手がけており、公式サイトによればプロジェクトの達成率は87%を超えます(2026年9月時点の公表値)。手数料は購入型で、サービス利用手数料17%と決済手数料3%を合わせた合計20%です。

募集方式は、目標達成時のみ資金を受け取るAll-or-Nothingの購入型に加え、研究者を毎月継続して支える月額支援型「academist Fanclub」も用意しています。基礎研究や分野横断の研究など、公的な研究費を得にくいテーマの資金調達に使われています。

購入型クラウドファンディングのメリットと注意点

サイトを選ぶ前に、購入型クラウドファンディングを活用する価値と、事前に理解しておきたい落とし穴を整理します。特に、手数料以外にかかるコストは資金繰りに関わるため、社内で検討する際の判断材料になります。

企業が購入型クラウドファンディングを活用するメリット

企業にとっての最大の利点は、資金調達とテストマーケティングを同時に進められることです。発売前の商品に対して実際にどれだけの支援が集まるかを見ることで、需要を数字で確かめられ、在庫を抱えるリスクを抑えられます。支援者からのコメントは商品改良のヒントにもなります。

また、プロジェクトページやサイトの支援者基盤を通じて、発売前から商品やブランドを知ってもらうPR効果も期待できます。銀行融資と違って返済や利息の負担がなく、株式投資型と違って株式を手放す必要もありません。共感してくれた支援者が、その後の顧客やファンになってくれる点も、事業の立ち上げ期には大きな意味を持ちます。

利用時の注意点・デメリット(向き不向き)

一方で、購入型クラウドファンディングには向き不向きがあります。All-or-Nothing方式では目標金額に届かなければ資金を受け取れず、準備にかけた時間や費用が回収できないこともあります。プロジェクトのアイデアを公開する性質上、模倣される可能性もゼロではありません。

また、支援を集めた後はリターンを確実に提供する義務があり、製作や発送が遅れると支援者の信頼を損ないます。価格の安さだけを訴求したい商品や、量産体制・開発スケジュールが定まっていない段階のプロジェクトは、購入型クラウドファンディングには向きません。逆に、ストーリー性や社会性があり、既存のファンや見込み顧客が一定数いるプロジェクトは成功しやすい傾向があります。

手数料以外にかかるコスト(サクセス倒産に注意)

資金計画で特に注意したいのが、プラットフォームの手数料以外にかかるコストです。支援が集まっても、リターンの提供にかかる費用を見込んでおかないと、目標を達成したのに手元資金が不足する「サクセス倒産」に陥りかねません。主に次のような費用が発生します。

主に、次の4種類の費用がかかります。

  • 製作費:支援額に応じて製作数量が増えるため、原価率が高いと利益がほとんど残らないこともあります。
  • 梱包・配送費:全国への個別発送は、まとめて出荷する通常の物流よりも割高になりがちです。
  • 広告・PR費:プロジェクトを多くの人に知ってもらうための費用です。
  • 人件費:ページ制作・支援者対応・発送作業などにかかる費用です。

これらのコストは、手数料が差し引かれた後の入金額からさらに支払うことになります。目標金額を設定する際は、手数料と合わせてこれらの費用を織り込み、実際に手元へ残る金額を試算しておくことが、資金繰りの破綻を防ぐうえで欠かせません。

購入型クラウドファンディングで支援総額から手元に残るまでの費用構造を示した図解。支援総額からプラットフォーム手数料(原則プロジェクト成立時)が差し引かれて入金額となり、精算期間を経て終了月の翌月末や翌々月末などに振り込まれる。入金額からさらにリターンの製作費・梱包配送費・広告PR費・人件費がかかり、見込みが甘いと目標達成でも資金不足=サクセス倒産に陥ることを表す。

まとめ

購入型クラウドファンディングは、資金調達とテストマーケティング、PRを同時に進められる手段として、事業会社や個人に広く活用されています。サイト選びでは、まず自社の目的と得意ジャンルの相性を確かめ、そのうえで手数料の内訳や入金スピード、集客力を比較すると、無理なく自社に合うサイトを見極められます。

手数料の安さだけでなく、リターンの製作費や配送費といった手数料以外のコストまで見込んで資金計画を立てることが、成功への近道です。

各サービスの手数料や募集方式、入金スケジュールは、本記事の比較表で横並びに確認できます。気になるサービスが見つかったら、公式サイトで最新の条件や掲載事例を確かめたうえで、自社のプロジェクトに合うサイトを選んでみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 購入型クラウドファンディングとは何ですか?

A. 購入型クラウドファンディングとは、実行者がプロジェクトを立ち上げ、支援者に商品・サービス・体験を「リターン」として提供する見返りに、インターネット上から資金を募る仕組みです。支援者はリターンの受け取りを前提に支援するため、発売前の商品を先に予約購入する感覚に近く、実行者は資金調達と需要検証を同時に進められます。

返済や利息を伴う融資型、株式を発行する株式投資型と違い、担保・返済・株式発行を必要としない点が特徴です。

Q. 購入型クラウドファンディングの手数料の相場はどのくらいですか?

A. 購入型クラウドファンディングの手数料は、集まった支援総額のおおむね10〜20%程度(一部のサイトは25%程度)が目安で、プラットフォームの利用手数料と決済手数料を合わせた成功報酬型が主流です。実行者の手数料を無料にして支援者が一部を負担する仕組みや、初期費用・月額と組み合わせたプラン制を採るサイトもあります。

手数料が発生するのは原則としてプロジェクト成立時で、料率はサイトやプランによって幅があるため、内訳と合計の両方を確認するとよいでしょう。

Q. 購入型クラウドファンディングの手数料は、後から変更されることはありますか?

A. 購入型クラウドファンディングの手数料は、運営方針やサービス改定にともなって変更される可能性があります。実際に、主要なサイトでも過去に料率が改定された例があります。また、期間限定で引き下げられたキャンペーン料率は、期間の終了後に通常料率へ戻ります。申し込み前に、各サイトの最新の利用規約や料金ページで現時点の料率を確認しておくことが大切です。

Q. 募集方式のAll-or-NothingとAll-inは、どちらを選べばよいですか?

A. 募集方式は、確実に実行が決まっているプロジェクトならAll-in、目標額に届かなければ仕切り直したい場合はAll-or-Nothingが向いています。All-inは目標未達でも集まった支援金を受け取れる代わりに、金額にかかわらずリターンの提供義務が生じます。

All-or-Nothingは目標達成時のみ成立し、未達なら支援者へ全額返金されるため、在庫リスクを避けたい新商品開発などに適しています。サイトによって対応する方式が異なるため、選べる方式もあわせて確認しましょう。

Q. 購入型クラウドファンディングで目標金額に届かなかった場合はどうなりますか?

A. 目標金額に届かなかった場合の扱いは、選んだ募集方式によって異なり、All-or-Nothingでは不成立となって支援者へ全額返金され、All-inでは集まった支援金をそのまま受け取れます。All-or-Nothingで不成立となったときは、手数料も発生しません。

ただしAll-inでは、未達でもプロジェクトの実行とリターン提供の義務が残ります。方式ごとの違いを理解したうえで、無理のない目標金額を設定することが重要です。

Q. 購入型クラウドファンディングの支援金はいつ入金されますか?

A. 購入型クラウドファンディングの支援金は、プロジェクト終了と同時ではなく、精算期間を経て「終了月の翌月末」や「翌々月末」に入金されるのが一般的です。サイトによっては、追加手数料を払うことで入金を早める早期入金オプションを用意しています。

一方でリターンの製作費や配送費、広告費は入金前に発生するため、入金時期を踏まえて資金計画を立てておかないと、支援は集まったのに手元資金が不足する事態になりかねません。

Q. 購入型クラウドファンディングでは手数料以外にどのようなコストがかかりますか?

A. 手数料のほかに、リターンの製作費・梱包配送費・広告PR費・人件費などがかかります。これらは手数料を差し引いた後の入金額から支払うため、見込みが甘いと目標達成後に資金が不足する「サクセス倒産」の原因になります。目標金額の設定時に織り込んでおくべき点で、詳しくは本文の「手数料以外にかかるコスト」をご確認ください。

Q. 公開した購入型クラウドファンディングのプロジェクトは途中でキャンセルできますか?

A. 公開後のプロジェクトの中止は可能な場合もありますが、規約により事務手数料や違約金が定められていることがあり、支援者の信頼を損なうリスクもあります。一方的な中止は、その後の事業活動やブランドの評判にも悪影響を及ぼしかねません。募集を始める前に、中止時の取り扱いを各サイトの規約で確認するとともに、実行可能な計画を固めたうえで公開することが大切です。

Q. 法人でも購入型クラウドファンディングを利用できますか?

A. 法人・団体でも購入型クラウドファンディングを利用でき、多くのサイトでは掲載前に審査があります。審査では企画内容やリターンの実現性が確認され、サイトによっては商業登記簿謄本や企画書などの書類提出を求められます。なかには、出品対象を法人・団体に限定しているサイトもあります。審査や書類準備に時間がかかることもあるため、公開希望日から逆算してスケジュールを組んでおくと安心です。

Q. 購入型クラウドファンディングで集めた資金の会計・税務はどう扱えばよいですか?

A. 購入型クラウドファンディングで集めた支援金は、リターンの提供という対価のある取引にあたるため、消費税の課税対象になり得ます(リターンのない寄付型は対価性がなく、原則として課税対象外です)。ただし、具体的な会計処理の仕訳や勘定科目、経費の扱いは、プロジェクトの内容や事業者の状況によって異なります。実際の処理にあたっては、税理士など専門家に確認することをおすすめします。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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