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日本型オペレーティングリース(JOL・JOLCO)とは|仕組み・税務メリット・取扱会社の選び方

日本型オペレーティングリース (JOL・JOLCO)とはのサムネイル画像

事業や不動産の売却益、保険の解約返戻金、想定を超えた黒字などで、単年度に大きな利益が出ることがあります。そのまま決算を迎えると多額の法人税がかかり、手元資金が一度に減ってしまいます。こうした場面で課税所得を将来へ繰り延べる手段として名前が挙がるのが、日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)です。

日本型オペレーティングリースは、航空機や船舶といった大型資産のリース事業へ匿名組合を通じて出資する、法人向けの投資商品です。リース期間の前半に生じる減価償却費を損金として取り込み、利益を平準化できる一方、元本が保証されない投資でもあります。仕組みを正しく理解しないまま出資すると、想定と違う結果になりかねません。

本記事では、日本型オペレーティングリースの仕組みと税務メリット、見落としやすいリスク、そして出資先となるリース会社(アレンジャー)の対象資産・最低出資額・出口条件の違いを、取扱10社と仲介1社を横断で比較しながら整理します。「節税」と誤解されがちなこの商品が、実際には何をもたらすのかまで踏み込んで解説します。

また、利益額の規模や重視する条件から、自社に合う取扱リース会社の当たりを付けられる「出資先の選定診断」もご用意しています。あわせてご活用ください。

日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)とは

日本型オペレーティングリース(Japanese Operating Lease、以下JOL)は、複数の法人が匿名組合契約などを通じて出資する、法人向けの投資商品です。集めた資金と金融機関からの借入を合わせて航空機・船舶・海上コンテナといった大型の償却資産を購入し、航空会社や海運会社へリースする事業へ参加します。

出資した法人は、リース事業で生じる減価償却費や損益を自社の決算に取り込めるため、単年度に偏った利益を将来へ繰り延べ、平準化する目的で利用されます。

JOLのうち、リースの借り手(航空会社など)にリース物件を買い取る権利(購入選択権、コールオプション)が付いたものを、JOLCO(Japanese Operating Lease with Call Option)と呼びます。借り手が期日に買い取ることで出資金と収益が戻る設計になっているため、出口が読みやすいのが特徴です。取扱各社は「JOL」「JOLCO」の両方、またはいずれかを扱っています。

出資できるのは原則として法人で、一般に個人は対象になりません。出資は匿名組合などの契約を通じて行うため、募集する会社には金融商品取引業者の登録が求められます。

あわせて押さえておきたいのは、この商品の主目的が課税所得の繰り延べ・平準化にある点です。預金や投資信託のように運用利回りそのものを狙う金融商品ではなく、出口で戻る収益は案件やリース条件によって異なり、元本が保証されるものでもありません。税負担の平準化と、後述するリスクを見合わせて判断する商品です。

匿名組合を通じた出資スキームの仕組み

ここでは、出資金が実際にどのように動くのかを見ていきます。一般的なJOLでは、リース会社が組成した特別目的会社(SPC)が器となります。SPCは、投資家(出資法人)からの出資金と、金融機関からの借入を合わせた資金で航空機などの物件を購入し、航空会社へリースします。

日本型オペレーティングリースの匿名組合スキームの図解。投資家(出資法人)の出資金と金融機関からの借入を合わせてSPC(特別目的会社・営業者)が航空機・船舶・海上コンテナなどの大型償却資産を購入し航空会社等へリースする流れを示す。事業の損益は出資割合に応じて投資家へ配分され、SPCが借入も使うため出資額を上回る規模の資産の償却メリットを取り込める。

投資家は、このSPC(営業者)との匿名組合契約を通じて事業に参加します。匿名組合では、投資家(匿名組合員)はSPCの事業に出資するだけで、物件の所有や事業運営の前面には立ちません。その代わり、事業で生じた利益や損失が、出資割合に応じて投資家へ配分されます。SPCが借入も使って物件を購入するため、投資家の出資額を上回る規模の資産の償却メリットを、出資割合に応じて取り込める点が、この仕組みの核心です。

匿名組合員である法人は、実際に配分金を受け取っていなくても、契約に基づき配分・負担すべき損益をその事業年度の益金・損金に算入します。これが、JOLで損益を自社の決算に取り込める根拠です。

法人が匿名組合員である場合におけるその匿名組合営業について生じた利益の額又は損失の額については、現実に利益の分配を受け、又は損失の負担をしていない場合であっても、匿名組合契約によりその分配を受け又は負担をすべき部分の金額をその計算期間の末日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入し(後略)

出典:法人税基本通達 14-1-3(匿名組合契約に係る損益)|国税庁

出資形態(匿名組合・任意組合・直接保有)の違い

出資の受け皿となる契約形態には、匿名組合のほかにもいくつかの型があります。取扱会社によって選べる形態が異なるため、責任の範囲がどこまで及ぶかを押さえておくと、後述するリスクの理解にもつながります。

  • 匿名組合方式(TK):投資家はSPC(営業者)へ出資するだけで、事業の前面には立ちません。損失は原則として出資額の範囲にとどまりますが、契約に追加出資の定めが置かれる場合もあります。各投資家の属性が他の投資家へ開示されない設計が一般的で、JOLで最も広く使われる形態です。
  • 任意組合方式(NK):投資家同士が組合契約を結び、共同で事業を営む形態です。事業主体としての性格が強く、出資額を超える損失を負う可能性がある点で匿名組合と異なります。
  • 直接保有方式:投資家が直接リース物件の賃貸人となる形態です。

匿名組合方式でも契約に追加出資の定めがある場合や、任意組合・直接保有の形態では、後述のとおり出資元本を上回る損失が生じ、追加の出資を求められる可能性があります。自社がどの形態で、どこまでの責任を負うのかは、契約前に各社へ確認しておきたい点です。

なぜ利益の繰り延べになるのか(税務メリットの仕組み)

ここからは、日本型オペレーティングリースがなぜ利益の繰り延べにつながるのか、税務の仕組みから解説します。鍵になるのは、リース物件の減価償却の方式と、匿名組合を通じた損益の取り込みです。

航空機や船舶などのリース物件は、多くの場合、定率法で減価償却されます。定率法は未償却の残高に一定の償却率を掛けて償却費を計算する方式で、償却費が初年度から前半に大きく、後半にかけて逓減していくのが特徴です。SPCの事業では、リース期間の前半は減価償却費がリース料収入を上回るため会計上の損失が出やすく、後半は償却費が小さくなり利益が出やすくなります。

投資家は、この前半の損失を出資割合に応じて自社の損金に取り込めます。単年度の利益をこの損金でぶつけることで課税所得を圧縮し、リース終了時に物件を売却して利益(益金)が戻るまで、課税のタイミングを将来へずらすことができます。前半に損金が偏るのは定率法の性質によるもので、後半に益金として戻る流れは、匿名組合を通じて事業の利益を取り込む仕組み(前掲の法人税基本通達14-1-3)によって担保されています。

日本型オペレーティングリースにおける課税の繰り延べ・平準化の流れを示す図解。リース前半は定率法の減価償却費がリース料収入を上回って損失が出やすく、出資割合に応じて損金に取り込んで単年度の利益を圧縮する。リース終了時(出口)には物件の売却や購入選択権の行使で利益が益金として戻り、退職金・修繕などの費用にぶつけて税負担を平準化できる。生涯を通算した課税所得は変わらず、節税ではなく課税のタイミングを前半から後半へずらす繰り延べである。

「節税」ではなく課税の繰り延べ・平準化である

ここは、出資を検討するうえで最も誤解されやすい点です。日本型オペレーティングリースは「節税商品」と紹介されることがありますが、正確には、支払う税額そのものが消えてなくなるわけではありません。

理由は3つの事実から導かれます。第一に、定率法で前半に大きく償却しても、償却できる総額は物件の取得価額が限度です。第二に、リース終了時に物件を売却して得た利益は、益金として投資家に戻ってきます。第三に、後述するとおり損金にできる額には出資額という上限があり、超えた分は消えずに繰り越されて将来の利益と相殺されます。

つまり、生涯を通算した課税所得は変わらず、課税されるタイミングを前半から後半へずらしているにすぎません。

この「繰り延べ・平準化」という性格は、出資の目的をどう設計するかで価値が変わります。たとえば、リース終了時に退職金の支給や大規模修繕といった費用の発生を見込めるなら、戻ってきた益金をその費用でぶつけ、税負担を抑えながら資金を活用できます。

逆に、戻る利益の使い道を決めないまま出資すると、出口の年度に課税が集中し、繰り延べの効果が薄れることもあります。「税金が消える」ではなく「課税の時期を自社の都合に合わせてずらす」道具として捉えることが、判断を誤らないための出発点です。

初年度にどれだけ損金化できるか(損金率)と、平成17年度税制改正による損金計上の上限

初年度にどれだけ損金化できるかは、出資先の会社そのものよりも、物件の種類やリース条件(案件)によって決まります。損金率を具体的に公表している会社の事例では、初年度の損金率が出資額の6割程度のものから、9割を超えるものまで幅があります。

償却の早い案件ほど初年度の損金率は高くなり、リース期間の長い案件では初年度に抑えられて後年に分かれる傾向があります。損金率が高いほど、その年度に圧縮できる課税所得は大きくなります。

たとえば、単年度に1億円規模の利益が出た法人が相応の金額を出資し、初年度に高い損金率が適用された場合、その年度の課税所得を大きく圧縮できます。圧縮した分の税負担は消えるのではなく、数年後にリース物件が売却されて益金が戻る年度へと繰り延べられます(具体的な金額は案件と自社の状況によるため、下記のとおり試算が必要です)。

ただし、損金にできる額には上限があります。平成17年度の税制改正で、匿名組合員などが組合事業から取り込める損失のうち、出資額を基礎に計算した金額(調整出資金額)を超える部分は、その事業年度の損金に算入できないこととされました。この制度は、実質的に出資元本が保証され、組合事業のリスクを負っていないとみなされる場合に、出資元本相当額を超える損金算入を制限する趣旨で設けられています。

(前略)当該法人の当該組合事業に係る出資の価額(中略)を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額(中略)に相当する金額(中略)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

出典:租税特別措置法 第67条の12第1項|e-Gov法令検索

上限を超えて損金にできなかった損失は、消えてしまうわけではありません。同条第2項により、その後の事業年度で組合事業に利益が出たときに、その利益に達するまでの金額を損金に算入できます。損金化の上限があり、超えた分は将来の利益と相殺される——この仕組みそのものが、JOLが「課税の繰り延べ」であることを制度面から裏づけています。

損金率や損金算入の上限の適用は、自社の他の所得や過年度の状況によって結果が変わります。実際の効果は、必ず顧問税理士に自社の数字で試算してもらうことをおすすめします。

出典・参考資料(3件)

対象となる資産(航空機・船舶・海上コンテナ)

日本型オペレーティングリースで扱われる資産は、いずれも金額が大きく、国際的に流通する償却資産です。資産ごとに償却の進み方や市場の性質が異なり、それが出口や為替の見通しに影響します。代表的な対象資産を整理します。

  • 航空機:JOLで最も広く扱われる資産です。1機あたりの金額が大きく、リース先は世界各国の航空会社に及びます。取引は米ドル建てが中心で、機体の中古市場も国際的に形成されています。
  • 船舶:コンテナ船やLNG運搬船、自動車運搬船などが対象です。海運市況の影響を受け、こちらも米ドル建てが中心です。
  • 海上コンテナ:1件あたりの単価は航空機より小さい一方、数万個単位でまとめて対象とする案件があります。
  • 航空機エンジン・ヘリコプター:会社によっては、機体とは別にエンジン単体やヘリコプターを対象とする案件も扱います。

いずれの資産も米ドル建てで取引されることが多く、円換算した際の損益が為替相場の影響を受けます。どの資産を対象とするかは会社や案件によって異なるため、後半の比較表で各社の取扱資産を確認してください。

出資前に押さえるリスク・注意点

ここからは、出資判断の前に必ず押さえておきたいリスクを整理します。税務メリットに目が向きがちですが、日本型オペレーティングリースは元本が保証されない投資であり、社内で出資の可否を検討する際も、次の点を根拠として押さえておくべきです。

  • 元本毀損リスク:リースの借り手(航空会社など)の倒産や債務不履行、物件の中古価格の下落などにより、出資した元本の一部または全部が戻らない可能性があります。利回りや元本は保証されていません。
  • 追加出資リスク:状況によっては、出資した元本を上回る損失が生じ、追加の出資を求められる可能性があります。
  • 中途解約の制限:原則として、リース期間の途中で解約したり、出資持分を換金したりすることはできません。資金は数年間拘束されます。
  • 為替変動リスク:対象資産は米ドル建てが中心のため、円高が進むと円換算での損益が悪化します。
  • 税制変更リスク:損金算入の取扱いは税制改正の影響を受けます。過去にも平成17年度改正で損金算入に上限が設けられた経緯があり、将来の改正で前提が変わる可能性があります。

物件の全損に備えた保険が付されるのが一般的ですが、それでもすべてのリスクが消えるわけではありません。税務メリットだけで判断せず、これらのリスクを許容できるか、拘束される数年間に自社の資金繰りが耐えられるかを含めて検討することが大切です。

日本型オペレーティングリースは、単年度に偏って生じた利益や余剰資金を活かす手段の一つにすぎません。元本や流動性の条件が自社に合うか迷う場合は、預金・投資を含む法人向けの資産運用を種類ごとに整理した以下の記事も判断の材料になります。

最低出資額・出資条件と出口(買取選択権)

ここでは、実際に出資する際の条件を、入口から出口まで順に見ていきます。最低出資額は会社や案件によって異なり、数千万円からの案件が中心です。公表している会社では最低5,000万円からという例があり、多くの会社は「要問い合わせ」として個別に案内しています。まずは自社が用意できる資金の範囲を踏まえ、各社へ相談するのが現実的です。

手数料の水準(組成・販売手数料)

出資にあたっては、案件の組成にかかる手数料が発生します。名称は組成手数料・販売手数料などさまざまで、料率を公表している会社は多くありません。

公表例では、対象物件の購入価格のうち営業者持分の2〜5%程度(JA三井リース)や、リース物件取得価格の約4.48〜10.8%(SBIリーシングサービス)といった水準が示されていますが、算定の基準が会社ごとに異なるため単純には比べられません。多くの会社は案件ごとに異なるとして個別開示にとどめているため、実際の負担は見積もり時に確認する必要があります。

出資できる体制(金融商品取引業者登録)

匿名組合契約に基づく出資の権利は、金融商品取引法上の有価証券とみなされます。そのため、この出資を募集したり、その取扱いを行ったりする会社には、第二種金融商品取引業の登録が必要です。金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことができません。

金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。

出典:金融商品取引法 第29条(登録)|e-Gov法令検索

各社が「関東財務局長(金商)第◯◯号」といった登録番号を公表しているのはこのためです。自社で商品を組成する会社も、他社の商品を紹介する仲介も、いずれも第二種金融商品取引業の登録を前提に営業しています。出資先を選ぶ際は、この登録の有無も確認しておくと安心です。

出口のタイミングと売却益(JOLCOの購入選択権・行使時期)

最後に、出資した資金がいつ戻るのか(出口)を確認します。JOLCOでは、リースの借り手に購入選択権が付いており、借り手がその権利を行使して物件を買い取ることで、出資金と収益が投資家へ戻ります。公表事例では、権利の行使時期はリース開始から約5年後〜7年11か月後など、対象資産や案件によって幅があります。行使価格は米ドル建てで設定されることが多く、戻る時期の為替相場が円換算の損益に影響します。

購入選択権が行使されなかった場合や、購入選択権の付かないJOLの場合は、リース終了時に物件を市場で売却し、その売却代金が分配されます。この売却益が益金として戻るため、前述のとおり、戻る年度に費用の発生を見込んでおくと、税負担を抑えながら資金を活用できます。出口の時期と戻り方は商品設計によって異なるため、比較表と各社の個別紹介で確認してください。

ここまでの仕組み・税務・リスク・出資条件を踏まえ、まずは自社に合う出資先の当たりを付けてみましょう。

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日本型オペレーティングリース取扱会社の比較

ここからは、日本型オペレーティングリースを取り扱う会社を横断で比較します。対象資産・最低出資額の目安・出資形態・出口条件・組成実績・仲介か直接組成かを一覧にまとめました。公表されていない項目は「要問い合わせ」としています。なお組成実績は、件数・金額・集計期間のいずれを公表するかが会社ごとに異なるため、数字の大小だけで単純に比べられない点に注意してください(各社の公表基準は表内の注記を参照)。

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サービス名三菱HCキャピタルSMFL東京センチュリーみずほリースJA三井リース三井住友トラスト・パナソニックファイナンスNTT・TCリースJPリースFPGSBIリーシングサービスSBIマネープラザ
立ち位置直接組成直接組成直接組成直接組成直接組成直接組成直接組成直接組成直接組成直接組成中立仲介
商品タイプJOLCOJOL・JOLCOJOL・JOLCOJOL・JOLCOJOLCOJOL・JOLCOJOLCOJOL・JOLCOJOL・JOLCOJOL・JOLCOJOL・JOLCO
(各組成会社の商品)
主な対象資産航空機・船舶・海上コンテナ航空機・船舶・コンテナ・エンジン・ヘリコプター航空機・船舶航空機・船舶航空機・船舶・コンテナ航空機・船舶・コンテナ航空機・船舶・コンテナ航空機・船舶・コンテナ航空機・船舶・コンテナ航空機・船舶・コンテナ航空機・船舶ほか
(組成会社による)
最低出資額の目安要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ5,000万円〜要問い合わせ
出資形態匿名組合(TK)直接保有/任意組合(NK)/匿名組合(TK)要問い合わせ要問い合わせ匿名組合(TK)要問い合わせ匿名組合(TK)匿名組合(TK)匿名組合(TK)任意組合(NK)/直接保有/匿名組合(TK)
(JOLCOは匿名組合のみ)
組成会社による
組成実績要問い合わせ取扱369件・約225億米ドル
(2007年10月以降累計・2025年11月時点)
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ組成実績200件以上
(集計時点の記載なし)
航空機管理147機
(2026年6月末時点)
累計組成金額 4.5兆円超
(公式サイト最新表示)
累計組成金額 1兆6,308億円
(2026年3月末時点)
―
金融商品取引業者登録関東財務局長(金商)第1516号関東財務局長(金商)第1930号関東財務局長(金商)第2129号関東財務局長(金商)第1788号関東財務局長(金商)第2025号関東財務局長(金商)第3066号関東財務局長(金商)第3200号関東財務局長(金商)第2606号関東財務局長(金商)第1832号関東財務局長(金商)第3016号関東財務局長(金商)第2893号
金融商品仲介業(金仲)第385号
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は2026年9月時点の各社公式サイトの公表情報にもとづきます。「要問い合わせ」は公式サイトで公開されていない項目、「―」は非該当を表します。組成実績は各社が公表する指標(組成件数・累計組成金額・航空機管理機数など)が異なるため、数値の単純な比較はできません。実際の出資条件・手数料・税務効果は各社および顧問税理士にご確認ください。

各社を見比べる際に差が出やすいのは、主に3点です。第一に対象資産の広さで、航空機に加えてエンジンやヘリコプター、船舶・コンテナまで扱う会社もあります。第二に、自社で商品を組成するアレンジャーか、複数の組成会社の商品を中立に紹介する仲介かという立ち位置の違いです。第三に、組成実績の規模と種類です。

最低出資額や手数料の料率は多くの会社が案件ごとの個別開示としているため、この3点で候補を絞り、詳細は資料請求や問い合わせで確認するのが実際的です。

取扱リース会社(アレンジャー)の個別紹介

ここからは、各社の特徴を個別に紹介します。対象資産の幅、組成の実績、出口の設計、そして自社で組成するのか他社商品を仲介するのかは会社ごとに異なります。自社の目的や用意できる資金と照らし合わせながら読み進めてください。

1. 三菱HCキャピタル JOL/JOLCO(三菱HCキャピタル株式会社)

三菱HCキャピタルの日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)公式サイト

東証プライム市場に上場する三菱HCキャピタルが、自社で組成するアレンジャーとして提供する日本型オペレーティングリースです。現在は購入選択権付きのJOLCOを取り扱い、対象資産は航空機(旅客機・貨物機)・船舶・海上コンテナに及びます。

出資は匿名組合契約等を通じて行い、出資者は出資額を限度とする有限責任を負います。最低出資額や組成手数料の料率、JOL/JOLCO事業の累計実績は公式サイトで公表されておらず、個別の問い合わせで確認する形です。

2. SMFL 日本型オペレーティング・リース(三井住友ファイナンス&リース株式会社)

三井住友ファイナンス&リース(SMFL)の日本型オペレーティング・リース公式サイト

三井住友フィナンシャルグループと住友商事が折半出資する三井住友ファイナンス&リース(SMFL)が組成・販売する日本型オペレーティング・リースです。対象資産は航空機・エンジン・ヘリコプター・船舶・コンテナと幅広く、航空機は3,000万〜1億5,000万米ドル規模の案件を扱います。

出資形態は直接保有方式・任意組合方式(NK)・匿名組合方式(TK)の3方式から選べる点が特徴です。日本型オペレーティング・リース(JOLCO/JOL)の実績として、2007年10月以降の累計で取扱369件・物件金額約225億米ドル・売却129件を公表しています(2025年11月時点)。最低出資額は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。

3. 東京センチュリー JOL/JOLCO(東京センチュリー株式会社)

東京センチュリーの日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)公式サイト

東京センチュリーは、航空機ファイナンスの一環として日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)を扱っています。投資家がSPC(特別目的会社)に出資し、オペレーティング・リース事業を通じて利益繰延と将来のキャピタルゲインを期待する商品と説明されています。

対象資産は航空機と船舶で、航空機リース会社のAviation Capital Group(ACG)を連結子会社に持ち、資産の調達から管理までをグループ内で担える体制です。JOL/JOLCO単体の組成実績や最低出資額、出資形態の詳細は公式サイトに記載がなく、問い合わせでの確認が必要です。

4. みずほリース JOL/JOLCO(みずほリース株式会社)

みずほリースの日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)公式サイト

みずほフィナンシャルグループと丸紅の両社と資本業務提携を結ぶみずほリースが、自社で組成・販売する日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)です。事業紹介の「インベストメント」区分で、航空機・船舶を対象とした商品の組成・販売を強化すると位置づけています。

丸紅と共同で米国の航空機リース会社Aircastleを保有し、航空機の調達・運用の事業基盤を持ちます。ただしAircastle経由の航空機保有事業とJOL/JOLCOの投資商品は別スキームです。最低出資額・手数料・出資形態の詳細は公式サイトで公開されておらず、要問い合わせとなります。

5. JA三井リース 日本型オペレーティングリース(JA三井リース株式会社)

JA三井リースの日本型オペレーティングリース公式サイト

航空機・海上コンテナ・船舶の大型案件を対象に、JA三井リースが投資家を募って組成する商品です。同社が本リース事業専用のSPCを設立し、営業者と結んだ匿名組合契約上の地位を投資家へ譲渡する形で参加してもらう仕組みを採ります。

手数料は、出資金合計のうち対象物件購入価格中の本営業者持分の約2〜5%に相当する金額が、案件組成に関するアレンジャーへの手数料などに充てられると公式に示しています。損失の計上は出資額(調整出資金額)が上限で、超えた分は将来の利益と相殺されます。最低出資額は公式サイトに記載がなく、要問い合わせです。

6. 三井住友トラスト・パナソニックファイナンス JOL/JOLCO(三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社)

三井住友トラスト・パナソニックファイナンスの日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)公式サイト

三井住友トラスト・パナソニックファイナンスが提供する、航空機・船舶・コンテナを対象とした日本型オペレーティングリースです。購入選択権のないJOLと、賃借人に購入選択権が付くJOLCOの2タイプを、対象資産に応じて使い分けています。

同社は資本再編を進めており、2026年10月1日付でSMTBリース株式会社へ商号を変更する予定です(株主構成も三井住友信託銀行・芙蓉総合リース・横浜フィナンシャルグループの共同事業へ移行)。最低出資額や手数料の料率は公式サイトで公開されておらず、要問い合わせとなります。

7. NTT・TCリース 日本型オペレーティングリース(NTT・TCリース株式会社)

NTT・TCリースの日本型オペレーティングリース公式サイト

NTT・TCリースは、NTT・NTTファイナンス・東京センチュリーの合弁として2020年に発足したリース会社で、航空機・船舶・コンテナを対象とした日本型オペレーティングリースを企画・組成しています。

出資は商法上の匿名組合契約に基づき、投資家出資が約20〜30%、金融機関からの借入が約70〜80%という資金構成で対象物件を購入します。公式サイトでは組成実績200件以上(集計時点は非公表)と示しています。最低出資額は記載がなく、要問い合わせです。

8. JPリース JOL・JOLCO(JPリースプロダクツ&サービシイズ株式会社)

JPリースプロダクツ&サービシイズのJOL・JOLCO事業公式サイト

JPリースプロダクツ&サービシイズ(JLPS)は、東証プライム上場のジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)を親会社とし、航空機を中心に船舶・海上輸送用コンテナのリース事業を組成する会社です。リースの受注から資産管理、商品組成、投資家募集、出口の再販・売却までを自社グループで一貫して担う体制を掲げています。

商品は匿名組合出資と金融機関からのノンリコースローンを組み合わせて構成し、購入選択権のないJOLと購入選択権付きのJOLCOを扱います。2026年6月末時点で147機の航空機を管理し、欧州を中心に26カ国42社の航空会社と取引しています。募集対象は国内の中堅・中小企業で、最低出資額は公式サイトに記載がなく要問い合わせです。

9. FPG 日本型オペレーティング・リース(株式会社FPG)

FPGの航空機・船舶・コンテナリース事業(日本型オペレーティング・リース)公式サイト

株式会社FPGは、2004年に海上輸送用コンテナのリースファンドから事業を始め、その後船舶・航空機へと対象を広げてきた東証プライム上場のアレンジャーです。投資家は匿名組合出資持分を通じて、航空機・船舶・海上輸送用コンテナのリース事業に参加します。

リースファンド事業の累計組成金額は公式サイトで4.5兆円超と示されています(直近の公表では2025年3月末時点で4兆円を突破)。出資額には案件組成に関するアレンジャーへの手数料などが含まれますが、料率や最低出資額は個別案件ごとの開示で、要問い合わせです。

10. SBIリーシングサービス JOL/JOLCO(SBIリーシングサービス株式会社)

SBIリーシングサービスの日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)公式サイト

SBIリーシングサービスは、SBIグループで航空機・船舶・コンテナを対象とした日本型オペレーティングリースを組成する東証グロース上場の会社です。購入選択権のないJOL(対象は航空機)と、購入選択権付きのJOLCO(航空機・船舶・コンテナ)を扱い、最低出資額は5,000万円からとしています。

JOLは任意組合・直接保有・匿名組合の各方式、JOLCOは匿名組合方式で組成します。累計組成金額は2026年3月末時点で1兆6,308億円で、購入選択権の行使時期は案件により約5年後から7年11か月後まで幅があります。販売はSBIマネープラザなどのチャネルが担います。

11. SBIマネープラザ JOLCO仲介(SBIマネープラザ株式会社)

SBIマネープラザの日本型オペレーティングリース(JOLCO)相談窓口公式サイト

SBIマネープラザは、自社で航空機・船舶などのリース事業を組成するのではなく、複数の組成会社の商品を横断的に比較・提案する仲介・相談の窓口です。ここまで紹介した組成会社(アレンジャー)とは立ち位置が異なります。

相談は無料で、全国13か所の直営店舗のほか、オンラインでも対応します。取り扱う商品の対象資産や最低出資額は、提案する組成会社の商品ごとに異なるため、個別相談で確認する形です。第二種金融商品取引業と金融商品仲介業の登録を保有しています。

出口後の利益をどう扱うか(戻った益金の見通し)

日本型オペレーティングリースは、出資して終わりではなく、リース終了時に戻ってくる利益をどう扱うかまで含めて設計することで、はじめて繰り延べの効果が活きます。ここでは、出口を迎えた後の視点を整理します。

前述のとおり、リース終了時には物件の売却益などが益金として戻り、その年度の課税所得を押し上げます。この益金をそのまま計上すると、繰り延べていた課税が出口の年度に集中してしまいます。そこで、出口の時期に合わせて、退職金の支給、大規模な設備投資や修繕、あるいは次のリース案件への再出資といった費用・損金の発生を計画しておくと、戻った利益をぶつけて税負担を平準化できます。

実務では、出口を迎える1〜2年前の段階で、戻る益金の見込み額と、その年度にぶつけられる損金(退職金・設備投資・修繕など)を顧問税理士と洗い出しておくと、益金の集中を避けやすくなります。出口の年度をどう設計するかは、自社の中期的な事業計画と一体で考える必要があります。何年後にどの程度の利益が戻り、その年度にどんな費用を見込めるのか——ここまで描いたうえで、出資するかどうかを判断することが望まれます。

まとめ

日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)は、航空機や船舶などのリース事業へ匿名組合を通じて出資し、リース前半の減価償却費で課税所得を繰り延べ・平準化する法人向けの投資商品です。「節税」ではなく、あくまで課税のタイミングをずらす仕組みであり、損金には出資額という上限があること、元本毀損や中途解約不可といったリスクがあることを踏まえて判断する必要があります。

出資先となるリース会社は、対象資産・最低出資額・出口条件・組成実績がそれぞれ異なります。各社の詳細は本記事の比較表・個別紹介と各社の公式サイトで確認し、自社の利益額や出口の見通しに合う相手を絞り込んだうえで、顧問税理士を交えて具体的に検討を進めるのが確実です。

あわせて、MCB FinTechカタログでは法人の資産運用に関わるサービスの資料もまとめて請求できます。まずは気になる会社の資料を取り寄せ、自社の状況に合うかどうかの比較検討を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 日本型オペレーティングリース(JOL/JOLCO)とは何ですか?

A. 日本型オペレーティングリースとは、航空機や船舶などの大型資産のリース事業へ匿名組合を通じて出資し、リース前半の減価償却費で課税所得を繰り延べ・平準化する法人向けの投資商品です。出資できるのは原則として法人で、一般に個人は対象になりません。

リースの借り手に物件を買い取る権利(購入選択権)が付いたものをJOLCOと呼びます。元本は保証されず、出資を募集する会社には第二種金融商品取引業の登録が求められます。

Q. 日本型オペレーティングリースのJOLとJOLCOは何が違いますか?

A. JOLとJOLCOの違いは購入選択権(コールオプション)の有無で、リースの借り手に買い取る権利が付いたものがJOLCO、付かないものがJOLです。

JOLCOは借り手が期日に物件を買い取ることで出資金と収益が戻る設計のため、出口の時期が読みやすいのが特徴です。一方JOLは、リース終了時に物件を市場で売却してその代金を分配します。取扱各社は両方、またはいずれかを扱っています。

Q. 日本型オペレーティングリースは「節税」になりますか?

A. 日本型オペレーティングリースは、支払う税額そのものが消える「節税」ではなく、課税のタイミングを将来へずらす「繰り延べ・平準化」です。

リース終了時の売却益は益金として戻るため、生涯を通算した課税所得は変わりません。出口を迎える年度に退職金の支給や大規模修繕などの費用を見込めるかどうかで効果が大きく変わるため、「税金が消える」ではなく「課税の時期を自社の都合に合わせてずらす」道具として捉えることが判断の出発点になります。

Q. 日本型オペレーティングリースは最低いくらから出資できますか?

A. 日本型オペレーティングリースの最低出資額は会社や案件によって異なり、数千万円からが中心で、公表例では最低5,000万円からという水準です。

多くの会社は最低出資額を「要問い合わせ」として個別に案内しています。まずは自社が用意できる資金の範囲を踏まえたうえで、各社へ相談するのが現実的です。

Q. 日本型オペレーティングリースで初年度にどれだけ損金にできますか?

A. 初年度の損金率は物件の種類やリース条件によって幅があり、損金率を公表している会社の事例では出資額の6割程度から9割超まで開きがあります。

ただし損金にできる額には上限があります。平成17年度の税制改正により、出資額を基礎に計算した金額(調整出資金額)を超える部分はその事業年度の損金に算入できず、超えた分は将来の利益と相殺されます(租税特別措置法第67条の12)。実際の効果は他の所得や過年度の状況で変わるため、顧問税理士に自社の数字で試算してもらうのが確実です。

Q. 日本型オペレーティングリースは途中で解約・換金できますか?

A. 日本型オペレーティングリースは、原則としてリース期間の途中で解約したり、出資持分を換金したりすることはできません。

出資した資金は数年間拘束されます。そのため、拘束される期間に自社の資金繰りが耐えられるかを含めて検討することが大切です。

Q. 日本型オペレーティングリースで元本割れ・元本毀損したらどうなりますか?

A. 日本型オペレーティングリースは元本が保証されておらず、借り手(航空会社など)の倒産や物件の中古価格の下落によって出資元本の一部または全部が戻らない可能性があり、場合によっては出資額を上回る追加出資を求められることもあります。

物件の全損に備えた保険が付されるのが一般的ですが、それですべてのリスクが消えるわけではありません。税務メリットだけで判断せず、これらのリスクを許容できるかを見極める必要があります。

Q. 日本型オペレーティングリースの出資金はいつ戻りますか?

A. 出資金が戻る時期は商品設計によって異なり、JOLCOでは購入選択権の行使時期がリース開始から約5年後〜7年11か月後などに設定される例があります。

購入選択権が行使されなかった場合や、購入選択権の付かないJOLの場合は、リース終了時に物件を市場で売却した代金が分配されます。行使価格や売却代金は米ドル建てが多く、戻る時期の為替相場が円換算の損益に影響します。

Q. 日本型オペレーティングリースに個人で出資できますか?

A. 日本型オペレーティングリースに出資できるのは原則として法人で、一般に個人は対象になりません。

匿名組合などの契約を通じて出資する仕組みで、単年度に偏って生じた法人の利益を将来へ繰り延べ・平準化する目的で利用されます。

Q. 日本型オペレーティングリースの出資前に税理士に相談すべきですか?

A. 日本型オペレーティングリースの税務効果は自社の他の所得や過年度の状況によって変わるため、出資前に顧問税理士へ自社の数字で試算・相談することをおすすめします。

損金算入の上限がどう適用されるか、出口で戻る益金をどの費用でぶつけるかは、自社の中期的な事業計画と一体で判断する必要があります。本記事や各社の資料で全体像を掴んだうえで相談すると、検討を効率的に進められます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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