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暗号化ソフト比較|ファイル・ディスク・メールなど種類別の主要製品と失敗しない選び方

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顧客情報や設計データの流出、テレワークでのノートPC紛失、取引先へのメール誤送信——情報漏えいの経路は年々広がり、対策として「暗号化ソフト」を検討する企業が増えています。暗号化しておけば、万が一ファイルやパソコンが第三者の手に渡っても中身を読み取られず、被害を最小限に抑えられます。

ただ、ひとくちに暗号化ソフトといっても、守りたい対象は会社ごとに違います。ファイル単位で権限まで管理したいのか、パソコンのディスクごと丸ごと守りたいのか、メールやデータベースが対象なのか——「何を暗号化したいか」によって選ぶべき製品はまったく変わります。まずは種類の違いを押さえることが、自社に合う一本を見つける近道です。

この記事では、暗号化ソフトを対象の種類ごとに整理し、主要な製品を機能・対応環境・料金・提供形態で横並びに比較します。種類の違いと選び方を理解し、自社の課題に合う候補を絞り込むための判断材料としてお役立てください。

暗号化ソフトとは

ここでは、暗号化ソフトが何を守るためのものか、その仕組みの基本を確認します。

暗号化ソフトの概要(何を守るソフトか)

暗号化ソフトとは、ファイルやディスク、メール、データベースといったデータの内容を、決められた鍵がなければ判読できない状態に変換するソフトウェアです。データそのものを保護するため、社外へファイルが持ち出されたり、パソコンや記録媒体が紛失・盗難にあったりしても、鍵を持たない第三者には中身を読み取られません。

アクセス制限やウイルス対策が「侵入や不正アクセスを防ぐ」対策であるのに対し、暗号化は「万が一データが外部に出ても読ませない」という、最後の砦にあたる対策です。情報漏えいが起きても暗号化されていれば実害を抑えられるため、他のセキュリティ対策と組み合わせて多層防御の一つとして導入されます。

暗号化の仕組み(共通鍵方式・公開鍵方式・AES)

暗号化には大きく2つの方式があります。暗号化と復号(元に戻すこと)に同じ鍵を使う「共通鍵方式(対称鍵方式)」と、暗号化用と復号用で異なる鍵を使う「公開鍵方式(非対称鍵方式)」です。共通鍵方式は処理が速く大量のデータ暗号化に向き、公開鍵方式は鍵の受け渡しが安全に行える特徴があり、実際の製品では両者を組み合わせて使うことが一般的です。

共通鍵方式の代表が「AES(Advanced Encryption Standard)」です。AESは米国国立標準技術研究所(NIST)の標準仕様(FIPS 197)で定められた共通鍵暗号で、鍵長は128・192・256ビット、ブロック長は128ビットと規定されています。製品説明で見かける「AES256」は鍵長256ビットのAESを指します。

日本でも、デジタル庁・総務省・経済産業省がまとめる「電子政府推奨暗号リスト(CRYPTREC暗号リスト)」に共通鍵暗号として掲載されており、公的にも安全性が認められた方式です。

出典・参考資料(2件)

暗号化ソフトの導入が必要な背景とメリット

ここからは、なぜいま暗号化ソフトの導入が求められるのか、その背景と得られるメリットを整理します。

導入が必要な背景(漏えいリスク・法令対応・テレワーク)

背景の一つが、情報漏えいの経路が多様化していることです。標的型攻撃やランサムウェアによる外部からの窃取だけでなく、退職者や委託先による内部不正、USBメモリ・ノートPCの紛失、クラウドの設定不備など、データが社外に出る経路は増え続けています。侵入を完全に防ぎきることが難しい以上、「出ても読ませない」暗号化の重要性が高まっています。

法令対応も見過ごせません。個人情報保護法のガイドライン(通則編)では、講ずべき安全管理措置の手法の一例として、次のように暗号化が挙げられています。

持ち運ぶ個人データの暗号化、パスワードによる保護等を行った上で電子媒体に保存する。

個人データを含む通信の経路又は内容を暗号化する。

出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)別添「講ずべき安全管理措置の内容」|個人情報保護委員会

暗号化は法律で一律に義務づけられているわけではなく、あくまで安全管理措置の手法の一例という位置づけです。とはいえ、持ち出しや通信の場面で講じうる有効な措置として明示されており、漏えい発生時の説明責任や信頼維持の観点から、実務上は重要な選択肢になります。

さらに、テレワークの定着でノートPCやデータを社外に持ち出す機会が増えたことも、導入を後押ししています。オフィス外での紛失・盗難に備え、ディスク全体やファイル単位での暗号化を標準化する企業が増えています。

出典・参考資料(1件)

暗号化ソフトを導入するメリット

最大のメリットは、情報漏えいが起きても実害を抑えられることです。暗号化されたデータは鍵がなければ判読できないため、ファイルの流出やデバイスの紛失が「読み取り可能な情報の漏えい」に直結しません。

取引先や監査対応の場面で、データ保護の体制を具体的に説明できる点も利点です。製品によっては、誰がいつファイルを開いたかのログや、社外に渡したファイルの利用権限をあとから制御する機能もあり、内部統制や委託先管理の裏づけになります。加えて、自動暗号化に対応した製品なら、利用者が意識しなくても保存時に暗号化されるため、運用の手間をかけずに全社的な対策を徹底できます。

暗号化ソフトの種類

暗号化ソフトは「何を暗号化するか」で種類が分かれます。自社が守りたい対象を軸に、まずはどのタイプが必要かを見極めましょう。ここでは代表的な5つの種類を解説します。

暗号化ソフトの種類を守る対象で整理した図。上段にファイル・フォルダ暗号化(個々のファイル・フォルダを保護、社外持ち出し後も対象)、ディスク暗号化(PCのディスク全体、紛失・盗難対策)、メール暗号化(メール本文・添付、誤送信対策)、データベース・クラウド暗号化(DB・クラウド上のデータ、基幹システム向け)の4種を並べ、下段に暗号鍵管理(HSM・KMS)を4種すべてと組み合わせて使う共通の基盤として配置している。

ファイル・フォルダ暗号化

ファイルやフォルダを個別に暗号化するタイプです。保存時に自動で暗号化する「透過暗号化」に対応した製品では、利用者は普段どおりの操作で作業でき、暗号化されたファイルはそのまま社外に持ち出しても中身を読めません。閲覧・編集・印刷・コピーといった操作権限を設定できるIRM/DRM(情報権利管理)機能を備えた製品もあり、社外に渡したあとのファイルまで保護したい場合に向きます。

ディスク(HDD・フルディスク)暗号化

パソコンのハードディスクやSSDを丸ごと暗号化するタイプです。OS起動前の認証(プリブート認証)と組み合わせることで、紛失・盗難時にディスクを抜き取られてもデータを読み出せなくします。

ノートPCを社外に持ち出すテレワーク環境の標準的な対策で、Windowsに標準搭載された「BitLocker」を、専用製品で全社的に集中管理する構成もよく採られます。回復キーの管理や資産管理システムとの連携が運用上の要点になります。

メール暗号化

メールの本文や添付ファイルを暗号化し、誤送信や盗聴による漏えいを防ぐタイプです。従来は添付ファイルをパスワード付きZIPにして、別のメールでパスワードを送る「PPAP」と呼ばれる運用が広く使われていましたが、同じ経路でパスワードを送るため安全性が低いと指摘され、政府も不適切として取りやめています。

内閣府、内閣官房で採用していたZIPファイル送付と同じ経路でパスワードを自動で送る方式は、セキュリティ対策の観点からも、受け取る側の利便性の観点からも、適切なものではないと考えています。

出典:平井内閣府特命担当大臣 記者会見要旨(令和2年11月24日)|内閣府

現在は、送信前の宛先・添付確認、Webダウンロード方式での安全な受け渡し、通信経路の暗号化(TLS)など、PPAPに代わる方式に対応したメール暗号化・誤送信対策製品が主流です。主要な製品は後半で比較・紹介します。

出典・参考資料(1件)

メールの暗号化や誤送信対策は、迷惑メール対策やファイル無害化と合わせて「メールセキュリティ」全体で検討されることも多い分野です。誤送信・盗聴対策を含めてメール周りの守りを広く見比べたい場合は、次の記事で製品をタイプ別に比較しています。

データベース/クラウドデータ暗号化

データベースに格納されたデータや、クラウド上に保存するデータを暗号化するタイプです。テーブルや列(カラム)単位での暗号化、アプリケーションを改修せずに導入できる透過的暗号化(TDE)、アクセス制御や鍵管理と組み合わせた保護などがあります。

個人情報や決済情報を大量に扱う基幹システム・Webサービスで、内部からの不正アクセスやデータ持ち出しに備える用途で使われます。対象データベースやクラウド基盤に応じて製品選定が分かれる、専門性の高い独立した領域です。

暗号鍵管理(HSM・KMS)

暗号化そのものではなく、暗号化に使う「鍵」を安全に生成・保管・運用するための仕組みです。専用のハードウェア(HSM=ハードウェアセキュリティモジュール)や、クラウドの鍵管理サービス(KMS)で鍵を一元管理します。鍵が漏れれば暗号化の意味が失われるため、金融・決済など高いセキュリティ要件が求められる領域で重視されます。

そのため単独で導入するというより、上記の各暗号化と組み合わせて使う位置づけになります。

種類別の特徴一覧

ここまでの種類を、守れる対象と主な用途で整理すると次のとおりです。自社が「何を守りたいか」から、必要なタイプを確認してみてください。

種類主に守れる対象向いている場面
ファイル・フォルダ暗号化個々のファイル・フォルダ(社外持ち出し後も保護可)設計図・契約書など、ファイル単位で権限まで管理したい
ディスク暗号化パソコンのディスク全体ノートPCの紛失・盗難対策、テレワークの標準化
メール暗号化メール本文・添付ファイル誤送信対策、PPAPからの脱却
データベース/クラウドデータ暗号化DB・クラウド上のデータ個人情報・決済情報を扱う基幹システム
暗号鍵管理(HSM・KMS)暗号化に使う鍵金融・決済など高いセキュリティ要件

暗号化ソフトの主な機能

種類をまたいで共通する主な機能を押さえておくと、後半の比較表が読み解きやすくなります。ここでは代表的な4つの機能を解説します。

自動暗号化・透過暗号化は、ファイルの保存時や指定フォルダへの格納時に、利用者が操作しなくても自動で暗号化する機能です。手作業に頼らないため暗号化のかけ忘れを防ぎ、普段どおりに開いて編集できるので現場の負担も抑えられます。全社展開でつまずきにくい、実務上重要な機能です。

アクセス制御・権限管理(IRM/DRM)は、ファイルごとに閲覧・編集・印刷・コピー・画面キャプチャといった操作の可否を設定し、社外に渡したあとでも権限を制御したり、有効期限やリモート削除で無効化したりする機能です。委託先や退職者による持ち出しリスクへの備えになります。

操作ログ・監査証跡は、誰がいつファイルを開いた・印刷した・持ち出したかを記録する機能です。内部不正の抑止と、漏えい発生時の追跡・監査対応に役立ちます。

鍵・回復キーの管理は、暗号化に使う鍵や、ディスク暗号化の回復キーを安全に保管・運用する機能です。特にディスク暗号化では、回復キーを紛失するとデータを取り出せなくなるため、管理サーバーでの一元管理や資産管理システムとの連携ができるかが運用上の分かれ目になります。

暗号化ソフトの選び方・比較ポイント

ここからは、自社に合う暗号化ソフトを見極めるための比較ポイントを解説します。守りたい対象が決まったら、次の観点で候補を絞り込みましょう。

自社の対応環境(対応OS・デバイス・クラウド)で選べているか

まず確認すべきは、自社が使っている環境に対応しているかです。WindowsだけでなくmacOSやモバイル端末を使う場合、対応OSの範囲は製品によって差があります。ファイル暗号化製品にはWindows専用のものもあり、Macが混在する職場では対応可否が導入の可否を左右します。Microsoft 365やクラウドストレージと連携したい場合は、その連携に対応しているかもあわせて確認しておきましょう。

暗号化方式・アクセス制御・ログの要件を満たすか

次に、必要な保護の深さを見極めます。保存時に自動で暗号化してほしいのか、社外に渡したファイルの操作権限まで制御したいのか、操作ログで監査に対応したいのかによって、必要な機能は変わります。単純に「暗号化できる」だけの製品と、IRM/DRMやログまで備えた製品では守れる範囲が異なるため、自社が求める要件を書き出してから照らし合わせると、過不足のない選定ができます。

運用のしやすさ・社外との受け渡し・導入支援は十分か

見落とされがちなのが、日々の運用に無理がないかという視点です。専門知識がない担当者でも管理できるか、暗号化したファイルを受け取る社外の相手が特別な準備なしに開けるか(専用ソフトが必要か、ブラウザで閲覧できるか)は、現場に定着するかどうかを左右します。

導入時の設定支援やサポート窓口の対応時間も、トラブル時の復旧に関わるため確認しておきたいポイントです。「導入したが使われない」状態を避けるうえで、機能の豊富さと同じくらい重要な軸になります。

導入・運用時の注意点を把握しているか

暗号化にはいくつか注意点があります。ディスク暗号化やデータベース暗号化では、暗号化・復号の処理が動作速度にわずかに影響する場合があります。また、鍵や回復キーを失うと正規の利用者でもデータを取り出せなくなるため、鍵管理の体制づくりが欠かせません。導入前に、対象範囲・運用ルール・鍵管理の責任者を決めておくことで、運用開始後のトラブルを防げます。

選び方を踏まえても迷う場合は、次の診断で「何を暗号化したいか」と「重視する運用条件」を選ぶと、自社に合いそうなタイプ・製品の当たりをつけられます。

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【比較表】種類別・暗号化ソフトの機能/料金/対応環境比較

主要な暗号化ソフトを、暗号化の対象・方式・対応環境・提供形態・料金で種類別に比較します。自社が守りたい対象のタイプから、候補を見比べてみてください。

ファイル・フォルダ暗号化の比較表

← 横にスクロールできます →
サービス名秘文DataClasysFinalCodeInterSafe SecureDevice UltimateInterSafe FileProtectionDirectCloud-SHIELDZENMU Virtual Drive
暗号化の対象ファイル・フォルダ(PC・USB等の記録メディア、ファイルサーバー上のフォルダ)ファイル(Office・CAD・画像・動画・DB等の幅広い形式)ファイル(作成・保存時に自動暗号化)USB・リムーバブルメディア(持ち出しデータ)ファイル(保存時に自動暗号化、拡張子は維持)ファイル(クラウドストレージ上。Office・テキスト・PDF・AutoCAD)PC上のデータ(仮想ドライブ全般)
暗号化方式・権限制御自動暗号化(AES 256/128bit)。デバイス制御・持ち出し制御と統合透過暗号化+IRM/DRM(閲覧・編集・印刷・スクショを個別制御)自動暗号化+IRM(配布後の権限変更・遠隔削除・アクセス追跡)メディア暗号化+パスワード認証+デバイス制御・書き出しログ自動暗号化(AES256bit)+役職・部署別の権限・有効期限AES-256-CBC+IRM(権限制御・有効期限・リモート削除)とDLP秘密分散(ZENMU-AONT)でデータを分割保管(鍵暗号方式とは異なる)
対応環境Windows中心(Mac対応は要問い合わせ)Windowsのみ(macOS非対応)/オンプレ・Azure・AWSWindows中心(社外はブラウザ閲覧可・Mac対応は要問い合わせ)Windows 10 Enterprise/11 Pro・EnterpriseWindows 10/11(クライアント)、Windows Server 2022/2025クラウド(DirectCloudストレージ)Windows 10/11
提供形態オンプレミス/クラウドオンプレミスクラウド/オンプレミスオンプレミスオンプレミス/クラウドクラウド(DirectCloud本体の有料オプション)クラウド/サーバー連携型
料金年額5,120円/台〜(税別・サブスク)/初期費用は要問い合わせ要問い合わせ(買切/年間利用、最小10ライセンス)要問い合わせ(社内の暗号化ユーザーのみ課金、社外・閲覧専用は無償)要問い合わせオンプレ8,040円/ライセンス〜(税別・5〜99)/クラウド60万円〜(50クライアント)本体月額130,000円〜+IRMオプション1ID月額720円〜(税別)ZEE 月額1,800円/ライセンス〜(代理店公開・最低5・初期0円)、ZLE 月額500円〜(公式発表)
特徴累計9,100社・1,036万ライセンスの導入実績。暗号化・デバイス制御・持ち出し制御を統合国産DRM/IRM。持ち出し後も暗号化を維持。導入1,000社以上配布後も権限変更・遠隔削除・追跡が可能。社外はブラウザ閲覧に対応汎用USBをセキュリティUSB化。ホスト/ゲストPC判定・ログ一元管理暗号化ファイルの自動バックアップでランサムウェア対策にも対応機微情報を自動検知して暗号化。単体販売はなく本体契約に追加PC単体では元データを復元できない「データレス」。紛失・盗難に強い
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年9月時点の各社公式情報等にもとづく。最新の料金・仕様は各公式サイトでご確認ください。

ディスク暗号化の比較表

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サービス名BitLockerWinMagic SecureDocCheck Point Full Disk Encryption
暗号化の対象ディスク全体(OS・固定ドライブ。BitLocker To GoでUSB等も)ディスク全体(SED・リムーバブルメディアも対応)ディスク全体(リムーバブルメディア・ポート制御も同パッケージ)
暗号化方式・権限制御フルディスク暗号化(AES、既定XTS-AES 128bit)+TPM連携認証自社エンジン+BitLocker/FileVault等をSESで一元管理フルディスク暗号化+プリブート認証(スマートカード・トークン・TPM)
対応環境Windows Pro/Enterprise/Education(Windows専用、Mac・Linux非対応)Windows/macOS/LinuxWindows(独自方式)/macOS(FileVault管理)
提供形態OS標準機能オンプレミス(SecureDoc Enterprise Server)オンプレミス/クラウド管理(Harmony Endpoint)
料金無償(Windows Pro以上に同梱)※集中管理は別途Intune等が必要要問い合わせ要問い合わせ(非公開)
特徴追加ライセンス不要。回復キーはAD/Entra IDへバックアップ可OS標準暗号化と自社エンジンを単一コンソールで横断管理。FIPS 140-3認証単体契約不可。「Endpoint Security Complete」以上またはData Protectionで提供。CryptoCoreはFIPS 140-2認証
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年9月時点の各社公式情報等にもとづく。最新の料金・仕様は各公式サイトでご確認ください。

メール暗号化の比較表

← 横にスクロールできます →
サービス名CipherCraft/MailActive! gate SS
暗号化の対象メール(本文・添付ファイル)メール(本文・添付ファイル)
暗号化方式・権限制御送信前確認+添付の自動暗号化(ZIP/AES/Camellia)。脱PPAP対応一時保留・上司承認+添付の暗号化・Webダウンロード・Bcc強制変換
対応環境Outlookアドイン/Microsoft 365/Exchange ServerMicrosoft 365/Google Workspace/LINE WORKS等(環境非依存のクラウド型)
提供形態クライアント/サーバー/クラウドクラウド(共用/VPS)
料金クライアント型1ユーザー年額2,000円(税別・最小50ユーザー)初期5万円+1アドレス月額300円〜(税別・共用タイプ、最小10アドレス)
特徴誤送信防止ツール市場で18年連続シェアNo.1(2024年度56.0%)。導入2,900社以上TLS確認機能で脱PPAP(特許取得)。累計導入4,150社以上
詳細情報公式サイト公式サイト

※2026年9月時点の各社公式情報等にもとづく。最新の料金・仕様は各公式サイトでご確認ください。

データベース暗号化の代表製品

データベース暗号化は専門性の高い独立した領域のため、本記事では代表的な製品を1つ紹介します。対象データベースや暗号化方式による製品選定の詳細は、個別の見積もり・比較で確認してください。

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サービス名D.AMO
暗号化の対象データベース(カラム・テーブル・ファイル単位)
暗号化方式・権限制御4方式(Plug-In/API/In-Place/Kernel)+アクセス制御・ログ監査・鍵管理
対応環境Oracle/SQL Server/MySQL/MariaDB等(AWS・Azure対応)
提供形態オンプレミス/クラウド
料金要問い合わせ(非公開)
特徴改修可否・DB負荷に応じて暗号化方式を選択。グローバルで幅広い導入実績
詳細情報公式サイト

※2026年9月時点の各社公式情報等にもとづく。最新の料金・仕様は各公式サイトでご確認ください。

暗号化ソフトの主要製品(サービス個別紹介)

ここからは、種類別に主要な暗号化ソフトを紹介します。各製品の機能・対応環境・料金・提供形態を確認し、比較表とあわせて候補選びの参考にしてください。

ファイル・フォルダ暗号化の主要製品

ファイル単位で暗号化し、権限管理まで行える製品を中心に紹介します。社外へのファイル持ち出しが多い企業に向くタイプです。

1. 秘文(株式会社日立ソリューションズ)

秘文の公式サイト画面

秘文は、ファイルの暗号化に加えてデバイス制御・持ち出し制御・アクセス制御を統合した、株式会社日立ソリューションズのエンドポイントセキュリティ製品です。累計9,100社・1,036万ライセンス(2026年3月時点)の導入実績があります。

中核の「秘文 Data Encryption」では、PCのハードディスクやUSBメモリなどの記録メディア、ファイルサーバー上のフォルダを暗号化できます。暗号化方式はAES 256bitとAES 128bitから選択でき(共有フォルダは128bit)、保存時に自動で暗号化されるため利用者の操作負担を抑えられます。

提供形態は、サーバー構築が必要なオンプレミス版と、サーバー不要のクラウド型「秘文 Endpoint Protection Service」の2系統です。料金は秘文 Data Encryptionのサブスクリプションで1台あたり年額5,120円(税抜)から、初期費用は要問い合わせで、無料トライアルも用意されています。

2. DataClasys(株式会社データクレシス)

DataClasysの公式サイト画面

ファイルを暗号化した状態のまま保持し、メモリ上でのみ復号する「透過暗号化」を採用した、株式会社データクレシスの国産のDRM/IRM製品です。暗号化と操作権限の制御をファイル単位で行います。

一度暗号化したファイルは、コピーやUSBメモリへの持ち出し、メール送信をしても暗号化状態を維持し、閲覧・更新・印刷・スクリーンショットといった操作を個別に制限できます。権限はグループ・職制単位で一括設定でき、Active Directoryとも連携します。Office文書のほかCAD・画像・動画・データベースなど幅広い形式を対象にできる点を特徴として挙げています。

対応OSはWindowsのみで、macOSには対応していません。料金は買切型と年間利用型の2種類で、最小契約は10ライセンスから。具体的な金額は要問い合わせで、30日間の無料評価版が用意されています。導入実績は1,000社以上です。

3. FinalCode(デジタルアーツ株式会社)

FinalCodeの公式サイト画面

デジタルアーツ株式会社が開発する、ファイルの暗号化・追跡・遠隔削除を一つにまとめたIRM型のファイルセキュリティ製品です。ファイルの作成・保存時に自動で暗号化します。

社外に配布したあとでも、閲覧回数や期間の変更、遠隔削除、誰がいつ開いたかの追跡ができる点が中核の機能です。課金対象は社内の暗号化・編集ユーザーのみで、閲覧専用ユーザーと社外の取引先は無償で利用できます

標準の暗号化ファイル(拡張子.fcl)を開くには受信側にも無償の専用ソフト「FINAL CODE Client」が必要ですが、「ブラウザービュー」機能を使えば、専用ソフトなしでブラウザからも閲覧できます(対応拡張子は限定)。提供形態はクラウド版とオンプレミス版で、金額は要問い合わせ、14日間の無料試用版があります。

4. InterSafe SecureDevice Ultimate(アルプス システム インテグレーション株式会社)

InterSafe SecureDevice Ultimateの公式サイト

USBメモリなどのリムーバブルメディアへの持ち出しに特化した、アルプス システム インテグレーション株式会社(ALSI)のデータ保護製品です。汎用のUSBメモリを、暗号化領域とパスワード認証で保護された「セキュリティUSBメモリ」に変え、社外への持ち出し時の情報漏えいを防ぎます。

暗号化に加え、許可した端末以外でデバイスを使えなくするデバイス制御、書き出しログの一元管理、社内(ホストPC)と社外(ゲストPC)で利用可否を切り替える制御などを備えます。私物デバイスの制御連携はUltimate版で強化されています。

対応OSはWindows 10 Enterprise・Windows 11 Pro/Enterpriseです。暗号化アルゴリズムの詳細や料金は公式に公開されておらず、要問い合わせとなります。

5. InterSafe FileProtection(アルプス システム インテグレーション株式会社)

InterSafe FileProtectionの公式サイト画面

アルプス システム インテグレーション株式会社(ALSI)が提供する、ファイルの保存時に自動で暗号化するソフトです。パスワードの管理や拡張子の変更を伴わず、暗号化後も通常どおりダブルクリックで開けます。

暗号化方式はAES256bitで、ファイル自体を暗号化するため、USBメモリやクラウドストレージに移動しても暗号化状態が保たれます。役職・部署単位で閲覧・編集・印刷などの権限や有効期限を設定でき、暗号化ファイルを自動でバックアップしてランサムウェア被害に備える機能も備えます。

料金はオンプレミス版が1ライセンスあたり8,040円(税別・5〜99ライセンス)から、クラウド版はBasic Pack 600,000円(50クライアント)からです。新規は5ライセンスから購入でき、30日間のクラウド評価版が用意されています。

6. DirectCloud-SHIELD(株式会社ダイレクトクラウド)

DirectCloud-SHIELDの公式サイト画面

法人向けクラウドストレージ「DirectCloud」の有料オプションとして提供される、株式会社ダイレクトクラウドの情報漏えい対策機能です。単体では販売されず、DirectCloud本体のストレージ契約に追加して使います。

ファイルをAES-256-CBCで暗号化したうえで、閲覧・編集・印刷・コピーの制御や有効期限の設定、配布済みファイルのリモート削除といったIRM(情報権利管理)と、指定領域からのダウンロードを制限するDLPを組み合わせます。マイナンバーなどの機微情報を検知して自動で暗号化する仕組みも持ちます。

対応するファイル形式はOffice文書・テキスト・PDF・AutoCAD(.dwg)です。料金はDirectCloud本体のストレージプラン(月額130,000円・税別〜)に、IRMオプション(10ユーザー単位・1ID月額720円〜)やDLPオプションを追加する構成で、無料トライアルも用意されています。

7. ZENMU Virtual Drive(株式会社ZenmuTech)

ZENMU Virtual Driveの公式サイト画面

一般的な、鍵で復元する暗号化とは異なり、データを複数の断片に分割して保管する独自の秘密分散技術「ZENMU-AONT」を用いる、株式会社ZenmuTechの情報漏えい対策ソリューションです。

データの一部をPC内、一部をクラウドやサーバー側に分けて保管するため、PCが盗難・紛失にあっても単体では元データを復元できない「データレス」な状態をつくります。VDI(仮想デスクトップ)に代わる「セキュアFATクライアント」として位置づけられ、盗難・紛失時のリモートロックやオフライン利用にも対応します。

エディションは、フル機能の「ZEE(Enterprise Edition)」と、VDI併用向けで機能を絞った廉価版「ZLE(Limited Edition)」の2種類です。料金はZEEが月額1,800円(税別)×ライセンス数(最低5ライセンス・初期費用0円。代理店の公開情報)、ZLEが月額500円(税別)から(公式発表)です。対応OSはWindows 10/11です。

ディスク(HDD・フルディスク)暗号化の主要製品

パソコンのディスクを丸ごと暗号化し、紛失・盗難に備える製品です。OS標準機能の集中管理に対応した製品もあります。

8. BitLocker(Microsoft Corporation)

BitLockerの公式ドキュメントページ

BitLockerは、Windows Pro/Enterprise/Education系エディションに標準搭載されているフルディスク暗号化機能です。単体の製品ではなくOSに組み込まれており、対応エディションであれば追加ライセンスなしでディスク全体を暗号化できます。暗号化方式にはAES(鍵長128/256ビットを選択可、既定はXTS-AES 128ビット)を採用しています。

TPMと連携した認証(TPMのみ/TPM+PINなど)、48桁の回復パスワードやUSB回復キーによるリカバリー、USBメモリや外付けHDDを暗号化するBitLocker To Goなどを備えます。回復キーはActive DirectoryやMicrosoft Entra IDへ自動バックアップできます。

ただし、多数のPCの暗号化状況や回復キーを一元管理するには、Microsoft IntuneやConfiguration Managerといった別ツール・別ライセンスが必要です。集中管理の権利はWindows Pro/Pro Education/SEには付与されず、Enterprise E3/E5またはEducation A3/A5が前提となります。

対応OSはWindowsに限られ、macOS・Linuxは対象外です。

9. WinMagic SecureDoc(ウィンマジック・ジャパン株式会社)

WinMagic SecureDocの公式サイト

カナダのWinMagic社が開発するSecureDocは、フルディスク暗号化を中核とするエンドポイント暗号化製品です。Windows・macOS・Linuxのクライアントに対応し、日本ではウィンマジック・ジャパン株式会社が窓口を務めています。

特徴は、WindowsのBitLockerやmacOSのFileVaultといったOS標準の暗号化機能と、自社の暗号化エンジンを、単一コンソール(SecureDoc Enterprise Server)から横断的に一元管理できる点です。複数の暗号化方式が混在する環境をまとめて運用したい企業に向きます。

OPAL準拠の自己暗号化ドライブ(SED)の管理や、ネットワーク接続の有無に応じてプリブート認証の要否を切り替えるPBConnexにも対応します。暗号化モジュールはFIPS 140-3認証を取得しています。料金は要問い合わせです。

10. Check Point Full Disk Encryption(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

Check Point Full Disk Encryption(Harmony Endpoint)の公式サイト

Check Point Full Disk Encryptionは、統合エンドポイントセキュリティ製品「Harmony Endpoint」(公式資料では「Endpoint Security」への表記移行が進行中)に含まれるデータ保護機能の一つです。提供元はCheck Point社で、日本ではチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社と国内代理店が窓口となります。

ディスク全体の暗号化とプリブート認証を組み合わせ、パスワードに加えてスマートカード・ダイナミックトークン・TPMなど複数の認証方式に対応します。Windowsでは独自方式に加えてBitLockerの一元管理、macOSではFileVaultの管理にも対応し、暗号化エンジン「CryptoCore」はFIPS 140-2認証を取得しています。

この暗号化機能は単体では契約できず、「Endpoint Security Complete」以上のパッケージ、または別売の「Data Protection」パッケージの一部として導入します。料金は公式に非公開のため、代理店経由での見積もりが必要です。

メール暗号化の主要製品

メールの誤送信対策・脱PPAPに対応した製品です。日々のメール運用に組み込んで使います。

11. CipherCraft/Mail(NTTテクノクロス株式会社)

CipherCraft/Mailの公式サイト

NTTテクノクロス株式会社が提供する、メール誤送信対策を主軸とした暗号化ソフトです。送信ボタンを押すと宛先・本文・添付ファイル名を再確認する画面が表示され、外部送信時には添付ファイルを自動でパスワード付きZIPに暗号化します。暗号化方式はZIP・AESに加え、国産のCamelliaも選べます。

添付ファイルを自動でクラウドストレージにアップロードし、本文に共有リンクを挿入する脱PPAP(パスワード付きZIPをやめる取り組み)にも対応します。Outlookアドインとして動作するため、普段のメールソフトの操作感を保ったまま導入できる点も特徴です。

電子メール誤送信防止ツール市場では、出荷金額ベースで18年連続シェアNo.1(2024年度56.0%、デロイト トーマツ ミック経済研究所調べ)、導入実績は2,900社以上です。クライアント型は1ユーザー年額2,000円(税抜)で、最小50ユーザー(50ユーザーで年額100,000円・税抜)からとなっています。

12. Active! gate SS(株式会社クオリティア)

Active! gate SSの公式サイト

メールソフトやサーバー環境に依存しないクラウド型の誤送信防止・情報漏えい対策サービスで、株式会社クオリティアが提供しています。一時保留・送信拒否・上司承認といった誤送信そのものを防ぐ機能と、添付ファイルの暗号化・Webダウンロード・Bcc強制変換といった漏えいを防ぐ機能を標準搭載します。

受信側のメールサーバーがTLS(通信の暗号化)に対応していれば添付ファイルをそのまま送り、非対応ならWebダウンロード方式へ自動で切り替えるTLS確認機能を備え、この機能で特許(第7802377号)を取得しています。Microsoft 365やGoogle Workspace、LINE WORKSなど幅広い環境に対応します。

料金は、共用タイプで初期費用5万円(税抜)・1アドレス月額300円(税抜、最小10アドレスから)、ユーザー数無制限のVPSタイプで初期費用10万円(税抜)・1アドレス月額500円(税抜、最小30アドレスから)です。30日間の無料トライアルがあり、累計導入企業数は4,150社以上(2026年8月31日時点)にのぼります。

データベース暗号化の主要製品

データベースに格納したデータを暗号化する製品です。基幹システムやWebサービスの内部対策に用います。

13. D.AMO(ペンタセキュリティ株式会社)

D.AMO(ディアモ)の公式サイト

D.AMO(ディアモ)は、韓国のペンタセキュリティが2004年にリリースし、日本ではペンタセキュリティ株式会社が展開するデータベース暗号化製品です。カラム(列)・テーブル・ファイル単位での暗号化に、アクセス制御・ログ監査・鍵管理を組み合わせて提供します。

暗号化方式はPlug-In(D.AMO DP)・API(D.AMO BA)・In-Place(D.AMO DE)・Kernel(D.AMO KE)の4種類を用意し、既存アプリケーションの改修可否やデータベースへの負荷に応じて選べます。

対応データベースは方式ごとに異なり、D.AMO DPはOracleとMicrosoft SQL Server、D.AMO DEはMySQL・MariaDB・PerconaDBに対応します(いずれもバージョン要件あり)。

アクセス制御はIP・MACアドレス・接続アプリケーション・許可時間帯を組み合わせて設定でき、鍵管理は専用製品「D.AMO KMS」で一元化します。AWSやAzureなどのクラウド構成にも対応する一方、料金は公開されておらず、導入時は個別の問い合わせが必要です

暗号化ソフトの料金・費用相場

暗号化ソフトの料金は、提供形態や対象範囲によって幅があります。ここでは費用の考え方と、無料ソフトを法人で使う際の注意点を整理します。

買切・サブスク・無料トライアルの費用相場

暗号化ソフトの料金は、提供形態(買切・サブスクリプション・OS標準)と暗号化の対象によって幅があります。本記事で紹介した製品の公開料金をもとに、種類別のおおよその目安を整理します(いずれも税別。最小ライセンス数や初期費用は製品ごとに異なります)。

  • ファイル・フォルダ暗号化:1台・1ユーザーあたり年額数千円〜1万円台が目安。IRM(権限制御)まで備える製品は要問い合わせも多い
  • ディスク暗号化:OS標準のディスク暗号化機能は追加費用なしで使えるが、多数のPCを集中管理する専用製品は要問い合わせが中心
  • メール暗号化:1アドレスあたり月額300円前後〜、または1ユーザーあたり年額2,000円程度が目安
  • データベース暗号化:対象データベースや暗号化方式に応じた個別見積もりが中心(要問い合わせ)

多くの製品は初期費用や正式な料金を「要問い合わせ」としており、公式サイトだけでは総額を把握しづらいのが実情です。導入台数・必要な機能・サポート範囲を整理して見積もりを取り、複数社を比較するのが確実です。多くの製品が無料トライアルを用意しているため、実際の運用イメージを確かめてから判断できます。料金は変動するため、最新の金額は各社の公式情報や資料請求で確認してください。

法人が無料の暗号化ソフトを使う際の限界と注意点

個人向けには無料の暗号化ソフトもあり、WindowsのBitLockerのようにOSに標準搭載され追加費用なしで使える機能もあります。ただし、法人で全社的に使う場合には、無料・OS標準機能ならではの限界があります。

最大の課題は、集中管理と回復手段です。たとえばBitLocker自体は無償で使えますが、多数のPCの暗号化状態を一元管理したり、回復キーを安全に保管・運用したりするには、別途の管理ツールやライセンスが必要になります。無料ソフトでは、管理者による一括設定・ログ取得・利用者サポートといった、法人運用に欠かせない機能が不足しがちです。

また、無料ソフトはサポート窓口がない、あるいは有志による提供で更新が止まるリスクもあります。トラブル時に業務が止まる影響や、鍵を失ってデータを取り出せなくなる事態を考えると、法人では管理機能とサポートの整った有償製品を選ぶ方が、総合的なコストと安全性で合理的なケースが多くなります。無料で始める場合も、集中管理・回復・サポートの体制を自社で担保できるかを見極めることが大切です。

まとめ

暗号化ソフトは「何を暗号化したいか」で選ぶべき種類が変わります。ファイル単位で権限まで管理したいのか、パソコンのディスクを丸ごと守りたいのか、メールやデータベースが対象なのかを最初に見極めることが、自社に合う製品選びの出発点です。そのうえで、対応環境・必要な機能・運用のしやすさ・料金を比較し、無料ソフトの限界も踏まえて判断すれば、導入後に「使われない」事態を避けられます。

気になる製品が見つかったら、複数社の資料を取り寄せて、機能と料金を具体的に見比べてみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 暗号化ソフトとは何ですか?

A. 暗号化ソフトとは、ファイルやディスク、メール、データベースといったデータを、決められた鍵がなければ判読できない状態に変換するソフトウェアです。アクセス制限やウイルス対策が「侵入や不正アクセスを防ぐ」対策であるのに対し、暗号化は万が一データが外部に出ても第三者に中身を読ませない「最後の砦」にあたり、他のセキュリティ対策と組み合わせた多層防御の一つとして導入されます。

Q. 暗号化ソフトのファイル暗号化とディスク暗号化は、どちらを選べばよいですか?

A. 暗号化ソフトは「何を守りたいか」で選ぶのが基本で、ファイル単位で権限まで管理したいならファイル暗号化、パソコンの紛失・盗難に備えたいならディスク暗号化が適します。設計図や契約書を社外に持ち出した後も操作権限を制御したい場合はファイル・フォルダ暗号化、テレワークでノートPCを丸ごと守りたい場合はディスク暗号化が向きます。

両方の課題がある場合は、ファイル暗号化とディスク暗号化を併用する構成も一般的です。

Q. 暗号化ソフトを導入すると、パソコンの動作は遅くなりますか?

A. 暗号化ソフトの導入では、ディスク暗号化やデータベース暗号化で暗号化・復号の処理が動作速度にわずかに影響する場合がありますが、通常の業務で大きな支障になることは多くありません。ファイル暗号化でも、透過暗号化や自動暗号化に対応した製品なら、利用者は普段どおりの操作で開いて編集でき、暗号化を意識せずに使えます。

処理性能が気になる場合は、無料トライアルで自社の実環境での動作を確かめてから導入を判断すると確実です。

Q. BitLockerだけで、法人のディスク暗号化は十分ですか?

A. BitLockerはディスクの暗号化そのものは追加費用なしで使えますが、多数のPCの暗号化状況や回復キーを一元管理するには、別途の管理ツールやライセンスが必要になります。BitLockerの集中管理の権利はWindows Pro/Pro Education/SEには付与されず、Enterprise E3/E5またはEducation A3/A5が前提です。

全社で一括設定・ログ取得・回復キー管理を行うなら、専用製品でBitLockerを集中管理する構成や、独立したディスク暗号化製品の導入が現実的です。

Q. 無料の暗号化ソフトを法人で使っても問題ないですか?

A. 無料の暗号化ソフトは、集中管理・回復手段・サポートが不足しがちで、全社的に使う法人では管理機能とサポートの整った有償製品を選ぶ方が合理的なケースが多くなります。管理者による一括設定・ログ取得・利用者サポートといった法人運用に欠かせない機能が乏しく、サポート窓口がない、有志提供で更新が止まるといったリスクもあります。

無料で始める場合も、集中管理・回復・サポートの体制を自社で担保できるかを見極めることが大切です。

Q. 暗号化したファイルを、社外の取引先はどうやって開くのですか?

A. 暗号化ファイルを社外の相手が開く方法は製品によって異なり、無償の専用ソフトが必要なものと、専用ソフトなしでブラウザからそのまま閲覧できるものがあります。受信側に無償ソフトのインストールを求める製品もあれば、ブラウザ閲覧機能で特別な準備なしに開ける製品もあります。

社外とのファイル受け渡しが多い場合は、相手の負担が小さい方式か、取引先が迷わず復号できるかを選定時に確認しておくと、現場に定着しやすくなります。

Q. 暗号化ソフトの導入は、個人情報保護法で義務づけられていますか?

A. 暗号化は、個人情報保護法で一律に義務づけられているわけではなく、あくまで安全管理措置の手法の一例という位置づけです。同法のガイドライン(通則編)では、持ち運ぶ個人データの暗号化や、通信の経路・内容の暗号化が、講ずべき安全管理措置の手法の一例として挙げられています。義務ではないものの、漏えい発生時の説明責任や取引先の信頼維持の観点から、実務上は重要な選択肢になります。

出典・参考資料(1件)

Q. パスワード付きZIP(PPAP)による添付ファイルの受け渡しは、なぜ避けるべきなのですか?

A. パスワード付きZIP(PPAP)は、添付ファイルと同じ経路でパスワードを送るため安全性が低く、政府も不適切として取りやめています。内閣府・内閣官房は、ZIPファイル送付と同じ経路でパスワードを自動送信する方式を、セキュリティ・受け取る側の利便性の両面で適切でないとしています。

現在は、送信前の宛先・添付確認、Webダウンロード方式での安全な受け渡し、通信経路の暗号化(TLS)など、PPAPに代わる方式に対応したメール暗号化・誤送信対策製品が主流です。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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