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会計ソフトの乗り換えガイド|移行できるデータ・最適なタイミング・手順と注意点を解説

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クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

会計ソフトを別の製品に乗り換えたいと考えたとき、多くの担当者が最初に不安に感じるのが「これまで積み上げた仕訳や残高のデータを、きちんと引き継げるのか」という点です。移行の途中でデータが崩れて決算に間に合わなくなる事態は避けたいところです。

乗り換えは初めてだと不安に感じますが、勘所を押さえれば失敗のリスクは下げられます。つまずきやすいデータ移行も、何が起こるのか・なぜ起こるのかが分かれば、事前に対策できます。

本記事では、会計ソフトの乗り換えで引き継げるデータと手入力になるデータの違い、決算後・期首・期中それぞれの移行タイミングの考え方、データ移行の具体的な手順とトラブル対策、そして乗り換え先の選び方と代表的なクラウド会計ソフトまでを整理します。自社の状況に合わせて、失敗のない乗り換えを進めるための材料としてご活用ください。

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会計ソフトの乗り換えで引き継げるデータ・手入力になるデータ

ここからは、乗り換えで最も気になる「今までのデータをどこまで引き継げるのか」を整理します。結論から言えば、仕訳データは比較的移しやすい一方、取引先マスタや固定資産台帳などは手入力での再登録になりやすく、データの種類によって扱いが分かれます。

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データの種類仕訳データ(日々の取引)開始残高(期首残高)勘定科目・補助科目取引先マスタ固定資産台帳過去の帳簿・決算書
移行のしやすさ移しやすい条件つき条件つき手入力になりやすい手入力になりやすい原則移さない
実務上の扱いCSV・テキスト形式やソフト指定のインポート形式で取り込める。ただし異なるメーカー間では形式を整える作業が必要同じメーカーの製品間では引き継げることが多い。異なるメーカー間では対応するソフトを除き手入力が基本対応するソフトなら取り込める。独自に追加した科目は対応関係がずれやすく、取り込み後の調整が必要仕訳とは別管理のことが多く、移行対象に含まれないケースがある取得価額・償却方法など個別項目が多く、再登録が必要になるケースが多い旧ソフトで閲覧・保存するのが一般的。法定保存の観点からも旧環境を残す運用が多い

さらに、よくある乗り換えのパターンごとに、仕訳・開始残高・勘定科目が引き継げるかの目安を整理すると次のとおりです。

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乗り換えのパターン同じメーカーの製品間(例:弥生の旧製品→弥生会計 Next)弥生会計 → マネーフォワード クラウド会計freee会計 → マネーフォワード クラウド会計freee会計・マネーフォワード → 弥生会計 Next表計算(Excel)・手書き → クラウド会計
仕訳データ
開始残高×
勘定科目×
備考期首残高まで引き継げることが多いMF公式が「勘定科目・開始残高・仕訳」の取り込みに対応MF公式は「仕訳」のインポートのみ対応弥生の形式でエクスポートすれば仕訳を編集なしで取り込み可。開始残高・科目は要確認CSV/テキストの仕訳を取り込み。開始残高・科目は手入力が基本

○=引き継げる/△=製品・設定により手入力や調整が必要/×=手入力(対応外)。対応状況は製品・エディション・時点により変わるため、実行前に各ソフトの公式移行ガイドで確認してください。

手入力になるデータのうち、取引先マスタはCSVでまとめて登録できる製品もありますが、固定資産台帳は件数が多いと再登録に時間がかかることがあります。移行対象の件数を早めに把握しておくと、作業量を見積もりやすくなります。

実際にどこまで引き継げるかは、乗り換え先のソフトが用意するインポート機能によって決まります。たとえばマネーフォワード クラウド会計では、弥生会計からの移行では勘定科目・開始残高・仕訳を取り込める一方、freeeからの移行は仕訳のインポートのみに対応する、といった具合にデータの種類ごとに可否が分かれます。

同じ「弥生」「勘定奉行」といった名称でも、対象となる製品やエディションによって移行可否が変わる点にも注意が必要です。移行できるデータの範囲は製品・データ種別によって異なるため、乗り換えを決める前に各ソフトの公式移行ガイドで対象を確認しておくと安心です。

出典・参考資料(1件)

異なるメーカー間ではデータの互換性がない

乗り換えで手間がかかりやすいのは、異なるメーカーのソフト間ではデータの互換性が基本的にないためです。旧ソフトからデータをそのまま新ソフトに読み込めるわけではなく、CSVやテキスト形式で書き出したうえで、新ソフトが指定する形式に整えて取り込む流れになります。

一方で、乗り換え先によっては主要な他社ソフトからの取り込みを支援する仕組みを用意しています。弥生会計 Nextは、他社の会計ソフトや表計算ソフトからの移行を公式に案内しており、次のように説明しています。

弥生の会計ソフトはもちろん、弥生製品以外の会計ソフトから仕訳データを取り込むことができます。(中略)freee会計、マネーフォワード クラウド会計からデータを移行する場合、仕訳を弥生会計の形式でエクスポートすると、記述形式を編集することなくインポートできます。

他社ソフトから乗り換えたい方向けのクラウド会計ソフト「弥生会計 Next」|弥生株式会社(公式ページ

このように、乗り換え元と乗り換え先の組み合わせによって、取り込みの手間は大きく変わります。移行のしやすさは、乗り換え先を選ぶうえでの重要な判断材料の一つです。

会計ソフトを乗り換えるタイミング|決算後・期首・期中の判断

ここからは、乗り換えをいつ実行するのが安全かを解説します。結論として、残高が確定する決算後・期首が移行に適したタイミングで、期中でも移行は可能ですが並行運用などの備えが必要になります。

乗り換えを検討するきっかけ

会計ソフトの乗り換えは、次のようなタイミングで検討されることが多くあります。いずれも、現状のソフトのままでは業務に支障が出はじめる場面です。

  • 法人化・事業規模の変更:個人事業主から法人になる、従業員や取引が増えるなど、扱う業務量や必要な機能が変わったとき
  • 法改正への対応:インボイス制度や電子帳簿保存法など、会計業務に関わる制度変更にソフト側で対応したいとき
  • 機能・使い勝手への不満:手入力が多い、他システムと連携できない、操作が煩雑といった課題を解消したいとき
  • 現行ソフトのサポート終了:利用中の製品やバージョンのサポートが終わり、法改正への追従や不具合対応が受けられなくなるとき

他社からの乗り換え相談を数多く受けてきた基幹業務ソフトベンダー、ピー・シー・エーの田崎氏は、現場で見られるきっかけを次のように話しています。

田崎氏
ピー・シー・エー株式会社 事業戦略部 プロダクトマーケティングセンター
田崎氏
独自インタビューより

基幹業務ソフトはどの企業様でも何かしらお使いになっているものですので、やはり他社ソフトからの乗り換えのご相談が非常に多いです。主なきっかけとしては、制度改正や法改正を機にシステムを見直したいというケース、企業の成長に合わせてステップアップした機能を使いたいというケース、そしてお使いのソフトがサービス終了となり他社製品を検討されるケースがあります。

決算後・期首がスムーズな理由と、期中移行の注意点

乗り換えのタイミングとして最も無理がないのは、決算を終えて新しい会計年度が始まる期首です。過去の残高が確定しているため、残高が一致した状態から新しいソフトで運用を始められるためです。会計システムを提供するオービックビジネスコンサルタントも、この点を次のように説明しています。

1年を通じて乗り換えの実行に適したタイミングといえば、やはり決算期になるでしょう。(中略)期首のタイミングなら、残⾼が一致している状態から運用をスタートさせやすいため、ベストタイミングといえます。とはいえ、期中の移行でも問題はありません。

会計システム乗り換え時のポイントは?|OBC360°(https://www.obc.co.jp/360/list/post346

期中に乗り換える場合は、期首からその時点までの仕訳を新しいソフトに取り込むか、または期中の残高を開始残高として設定する必要があります。作業量が増え、残高のズレも起きやすくなるため、しばらくは旧ソフトと並行して運用し、数字が一致することを確認しながら移行するのが安全です。決算直前などの繁忙期は避けるのが賢明です。

決算後・期首と期中のどちらで乗り換えるか、自社の状況に合わせて判断する際は、次の対比が目安になります。

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タイミング決算後・期首期中
向いているケース残高を確定させてから無理なく始めたい/通常の乗り換え全般ソフトのサポート終了などで待てない事情がある
作業量・リスク残高が一致した状態から始められ、作業量・ミスのリスクが小さい期首以降の仕訳取り込みや開始残高設定が必要で作業量が増え、残高ズレのリスクが上がる。繁忙期は避ける
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会計ソフトの乗り換え・データ移行の手順

ここからは、実際のデータ移行を進める手順を順を追って解説します。大きくは、準備・書き出し・取り込み・検証・並行運用の5つのステップに分かれます。期首から新ソフトを使い始めたい場合は、決算後から逆算して数週間前には準備に入っておくと余裕をもって進められます。

会計ソフト乗り換え時のデータ移行の5ステップを示した図。STEP1準備(移行対象の棚卸しと移行前データのバックアップ)、STEP2書き出し(旧ソフトから仕訳などをCSV・テキスト形式で出力)、STEP3取り込み(新ソフトの記述形式に整えて取り込み、少量で試す)、STEP4検証(試算表・残高・主要な仕訳の一致を照合)、STEP5並行運用(本番切替後1か月程度は旧ソフトも参照して照合)の順に矢印でつながっている。

1. 準備・バックアップ(移行データの棚卸し)

はじめに、何を新ソフトへ移し、何を旧ソフトに残すかを整理します。仕訳・開始残高・勘定科目など移行対象を決め、移行前のデータは必ずバックアップを取ります。この段階で、乗り換え先が取り込める形式や項目を公式ガイドで確認しておくと、後戻りを防げます。

2. 旧ソフトからのデータ出力(CSVエクスポート)

旧ソフトから、仕訳データなどをCSV形式やテキスト形式で書き出します。乗り換え先が特定のインポート形式に対応している場合は、その形式で書き出せると取り込みがスムーズです。たとえば弥生会計 Nextへ移す場合、freee会計やマネーフォワード クラウド会計から「弥生の形式」でエクスポートすれば、記述形式を編集せずに取り込めます。書き出したファイルは、次のステップで新ソフトの仕様に合わせて整えます。

3. 新ソフトのインポート形式を確認して取り込む

新ソフトが指定する記述形式に合わせて、書き出したデータを整えてから取り込みます。列の並びや日付・金額の書式、文字コードなど、ソフトごとに決められた仕様に沿っていないと取り込めないことがあります。取り込み前に、少量のデータで試すと安全です。

4. 試験移行と1件ずつの検証(残高・仕訳の整合性チェック)

取り込みが終わったら、旧ソフトと新ソフトで試算表や残高、主要な仕訳が一致するかを照合します。差異が出た場合は、勘定科目の対応関係や取り込み時の設定を見直します。ここで整合性を確認しておくことが、決算時の手戻りを防ぐうえで最も重要です。

5. 本番移行と新旧の並行運用

検証が済んだら本番運用に切り替えます。切り替え直後は1か月程度を目安に旧ソフトも参照できる状態にしておき、数字が一致することを確認しながら運用すると安心です。操作に慣れるまでは入力ルールを社内で共有し、担当者間で処理がばらつかないようにします。

データ移行で起こりがちなトラブルと対策(症状→原因→対策)

ここからは、データ移行で実際に起きやすいトラブルを、症状・原因・対策のセットで整理します。多くは、取り込むファイルが新ソフトの記述形式から外れていることが原因で、事前に仕様を確認すれば防げます。

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症状文字化けする金額が取り込めない・エラーになる日付でエラーになるファイルが取り込めない勘定科目・部門がずれる期首残高が合わない
主な原因ファイルの文字コードが、ソフトの指定と異なっている金額の桁数が、ソフトの上限を超えている会計期間外の日付や、対応外の日付形式が含まれている1ファイルあたりの行数などが上限を超えている科目や部門コードの対応関係が一致していない・重複がある期中移行などで残高の基準時点がずれている
対策各ソフトが指定する文字コード・テンプレートで書き出す。指定形式が用意されている場合はそれを使う桁数の上限を確認する。たとえば弥生会計 Nextでは金額欄は整数(プラス12桁・マイナス11桁)までと定められている取引日付を処理中の会計期間内に収め、指定の西暦・和暦形式にそろえる大きなファイルは分割する。弥生会計 Nextでは明細5,000行超のファイルは分割が必要で、複合仕訳は明細100行を超えると取り込めない移行前に科目・部門の対応表を作る。弥生会計 Nextでは部門名・部門コードに重複があると取り込めない残高が確定した期首を基準に移行する。期中の場合は開始残高を正しく設定し、試算表で照合する

桁数・日付・行数・部門の重複といった制限は、乗り換え先のソフトごとに定められています。上記は弥生会計 Nextの仕訳インポート仕様に基づく例で、取り込み前に公式サポートで自社が使うソフトの記述形式を確認しておくと、取り込みエラーの多くは事前に防げます。

出典・参考資料(1件)
  • 出典:仕訳データをインポートする/インポートデータの記述形式|弥生会計 Next サポート情報(page_id=29610page_id=29611

乗り換え先の選び方と具体的なサービス

ここからは、乗り換え先の選び方と、代表的なクラウド会計ソフトを紹介します。自社での移行が難しい場合に業務ごと任せる記帳代行という選択肢もあわせて取り上げます。

乗り換え先を選ぶポイント

乗り換え先は、次のような観点で比較すると自社に合うものを絞り込めます。特に、今使っているソフトからの移行に対応しているかは、乗り換えの手間を左右する重要な軸です。

  • 自社の規模・成長段階に合うか:個人事業主・ひとり法人向けか、中小企業向けか、上場準備を含む中堅以上向けかで最適な製品は変わります
  • 料金体系が見合うか:月額・年額に加え、利用人数や機能による従量課金が発生する製品もあるため、想定する使い方での総額で比較します
  • 今のソフトからの移行に対応しているか:乗り換え元のソフトからのインポートに対応していれば、移行作業を減らせます
  • サポート体制が十分か:移行時の相談窓口や、導入後のチャット・電話サポートの有無を確認します

乗り換えを機に見直したいインボイス制度・電子帳簿保存法対応と外部連携

乗り換えは、制度対応やシステム連携を見直す好機でもあります。インボイス制度は、一定の事項が記載された帳簿と適格請求書等の保存が仕入税額控除の要件となる仕組みで、2023年(令和5年)10月1日から始まっています。乗り換え先が適格請求書の発行・保存に対応しているかを確認しておきましょう。

電子帳簿保存法は、帳簿書類の電子保存について「電子帳簿等保存」「スキャナ保存」「電子取引」の3区分で要件を整理しています。特に電子取引のデータは電子保存が必要となるため、乗り換え先がこれらに対応しているかは選定の重要な観点です。あわせて、銀行口座やクレジットカード、請求・経費などの外部サービスと連携できるかも、乗り換え後の業務効率を左右します。

出典・参考資料(2件)

電子帳簿保存法への対応にどこまで手をかけるべきか迷う場合は、制度のメリット・デメリットと、無理なく効率的に対応するためのポイントを次の記事で整理しています。

乗り換え先の会計ソフト比較

ここでは、乗り換え時のデータ移行に対応し、幅広い規模に対応する代表的なクラウド会計ソフト3製品を、対象規模・料金・他社ソフトからの移行対応の観点で比較します。

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サービス名弥生会計 Nextfreee会計マネーフォワード クラウド会計
対象規模・提供形態法人向け
クラウド会計ソフト
個人事業主〜上場企業
(IPO準備含む)
クラウド会計ソフト
ひとり法人〜中小
(〜50名想定)
クラウド会計ソフト
月額費用(税抜・目安)月2,900円〜
(エントリー年契約の月額換算・初期費用0円)
月2,980円〜
(ひとり法人・年払い/スターター以上は従量課金別・初期費用0円)
月2,480円〜
(ひとり法人・年払い換算/月払いは3,980円〜・初期費用0円)
他社ソフト・表計算からの移行対応freee会計・マネーフォワード クラウド会計等からインポート可
(弥生インポート形式またはCSV/テキスト形式)
※対象製品・データ種別により異なり公式の移行ガイドで要確認
他社会計ソフトの仕訳データをCSVで取込対応
※対象製品・データ種別により異なり公式の移行ガイドで要確認
弥生・会計王・勘定奉行・freee・JDL・PCA等からの移行に対応
※対象製品・データ種別により異なり公式一覧で要確認
インボイス制度・電子帳簿保存法対応インボイス・電帳法とも対応
(電帳法はJIIMA認証取得)
インボイス・電帳法とも対応
(電帳法はJIIMA認証取得)
インボイス・電帳法とも対応
(電帳法はJIIMA認証取得)
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ここで挙げた3製品以外も含めて、より多くの製品を横並びで見比べたい場合は、次の記事が役立ちます。規模・タイプ別の選び方と15サービスの料金・機能を、質問に答えるだけのサービス診断ツールとあわせて比較しているので、乗り換え先の全体像をつかむ材料としてご活用ください。

ここからは、それぞれのサービスの特徴を個別に紹介します。会計ソフト3製品に加え、自社での移行が難しい場合の選択肢として記帳代行サービスも取り上げます。

1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

弥生会計 Nextは、弥生が2025年に提供を開始した法人向けクラウド会計サービスです。帳簿・決算書の作成に加え、請求書発行や経費精算、証憑管理までを1つのサービスに統合し、データが自動で連携する点を特徴としています。

乗り換えの観点で心強いのは、他社の会計ソフトや表計算ソフトからの移行を公式に案内している点です。「弥生インポート形式」で書き出せる場合は編集なしで取り込め、freee会計やマネーフォワード クラウド会計からも、弥生の形式でエクスポートすれば仕訳データを引き継げます。

料金は税抜で年額34,800円のエントリープランからで、初期費用は0円、最大2か月の無料お試しも用意されています(2026年9月時点)。インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。

2. freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

個人事業主から上場企業まで幅広く使われているのがfreee会計です。銀行口座やクレジットカードなど多数のサービスと連携し、取引データの取得から仕訳の自動化、決算書作成までを一気通貫で行えます。簿記の知識が浅くても使えるよう、質問に答える形での記帳やAIによる自動仕訳を備えています。

他社の会計ソフトからの仕訳データ移行にも対応しており、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。法人向けは、記帳に特化したひとり法人向けプラン(税抜・年払い月額2,980円)から、従業員50名以上を想定したプランまで、事業規模・目的別に用意されています。乗り換え元のデータ形式や取り込みの詳細は、公式ヘルプで確認しておくとよいでしょう。

3. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

マネーフォワード クラウド会計は、金融機関との連携で明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化するクラウド会計ソフトです。対象はひとり法人・中小企業(従業員50名以下を想定)とされています。請求・経費・給与など同シリーズの製品と同じ基盤で連携し、バックオフィス全体を効率化できます。

移行に対応する他社ソフトの幅が広いのも特徴で、弥生会計・会計王・勘定奉行・freee・JDL・PCAなど多くの製品からの取り込みに対応しています。ただし「勘定奉行クラウド」「やよいの青色申告」のように同名でも未対応の製品があり、対応ソフト・データ種別も変わることがあるため、公式の対応一覧で確認してください。

料金は税抜で、経営者1名向けの「ひとり法人」プラン(年払い月額換算2,480円)から中小企業向けまで段階的に用意されています。事業拡大や上場準備で内部統制機能が必要になった場合は、上位版の「マネーフォワード クラウド会計Plus」への切り替えも選択肢になります。

4. Tenbook(テンブック)|移行ごと任せたい場合の記帳代行という選択肢

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

自社だけでのデータ移行に不安がある場合は、会計業務そのものを専門家に任せる記帳代行・経理代行という選択肢もあります。Tenbookは、シンアカウンティングサービスが提供するクラウド型の会計・経理代行サービスで、日々の記帳から決算書・申告書の作成までをワンストップで代行します。

売上高10億円規模までの中小企業を主な対象とし、原則3名のチーム制で対応します。記帳から決算・申告まで任せる経理代行の料金は個別見積もりで月額5万円からが目安です(会計ソフト「10book」単体の月額プランは別途公式サイトに掲載)。

会計ソフトの操作や移行作業に人手を割きにくい場合に、乗り換えにともなう作業を含めて委託できる点が特徴です。まずは自社の状況に合うかを相談してみるとよいでしょう。

経理を外部に任せることが検討されやすいのは、経理の体制やリソースが安定しない場面です。シンアカウンティングサービスの上田氏は、記帳代行に価値が出る状況を次のように話しています。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

分かりやすいのは、経理リソースが不足している企業です。特に新設法人だと、経理に時間も人も割けないですし、経理フローを構築する知識や経験も不足しがちです。それと、経理担当者の退職などで業務が不安定になるケースもよくあります。属人的なフローになっていると引き継ぎが大変ですし、退職に伴って経理が回らなくなるリスクが出てきます。そこを専門家に任せることで、経理業務の安定性を提供したいと考えています。

Tenbookのように記帳代行を利用する場合も、料金の数え方(1仕訳あたりの単価か月額定額か)や任せられる業務の範囲は会社ごとに異なります。複数の記帳代行サービスを相場や税理士に依頼する場合との違いで見比べたいときは、次の比較記事が参考になります。

まとめ

会計ソフトの乗り換えは、引き継げるデータと手入力になるデータを見極め、残高が確定する決算後・期首を軸にタイミングを選び、準備から検証・並行運用まで手順を踏めば、大きな失敗を避けられます。文字コードや桁数・行数といった取り込みの制限は、事前に公式仕様を確認すれば多くを防げます。

乗り換え先は、自社の規模・料金・今使っているソフトからの移行対応・サポート体制で比較し、必要に応じてインボイス制度や電子帳簿保存法への対応も見直しましょう。自社での移行が難しい場合は、記帳代行に任せる選択肢もあります。まずは気になるサービスの資料を取り寄せ、自社の状況に合うかを確かめることから始めてみてください。

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会計ソフトの乗り換えに関するよくある質問(FAQ)

Q. 会計ソフトを乗り換えると、過去のデータはどこまで引き継げますか?

A. 会計ソフトの乗り換えで引き継げる範囲はデータの種類によって分かれ、仕訳データは比較的移しやすい一方、取引先マスタや固定資産台帳は手入力での再登録になりやすく、過去の帳簿・決算書は旧ソフトに残すのが一般的です。

開始残高や勘定科目は乗り換え先の対応しだいで、同じメーカーの製品間なら引き継げることが多いものの、異なるメーカー間では対応するソフトを除き手入力が基本になります。実際に移せる範囲は製品・データ種別によって異なるため、乗り換えを決める前に各ソフトの公式移行ガイドで対象を確認しておくと安心です。

Q. freeeやマネーフォワードから他社の会計ソフトに乗り換えられますか?

A. freeeやマネーフォワードから他社の会計ソフトへの乗り換えは、乗り換え先がその移行に対応していれば、仕訳データを中心に引き継げます。たとえば弥生会計 Nextは、freee会計・マネーフォワード クラウド会計から仕訳を弥生の形式でエクスポートすれば、編集なしで取り込めると公式に案内しています。

ただし移行できるデータの種類(開始残高・勘定科目など)や対応する製品・エディションは組み合わせによって異なるため、乗り換え先の公式移行ガイドで最新の対応状況を確認してください。

Q. 個人事業主でも会計ソフトを乗り換えられますか?注意点はありますか?

A. 個人事業主でも会計ソフトの乗り換えは可能で、法人化や事業拡大を機に、個人向けから法人にも対応した製品へ切り替えるケースが多く見られます。手順は法人と同じく、引き継ぐデータの棚卸し・書き出し・取り込み・検証を順に踏みます。

確定申告の直前は繁忙期にあたるため避け、申告を終えた落ち着いた時期に移行するとつまずきにくくなります。あわせて、乗り換え先が自分の事業規模や申告方式(青色申告など)に合うかも確認しておきましょう。

Q. 会計ソフトの乗り換えを機に、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応も見直すべきですか?

A. 会計ソフトの乗り換えは、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応や外部サービス連携を見直す好機です。インボイス制度では一定の事項が記載された帳簿と適格請求書等の保存が仕入税額控除の要件となり(2023年〈令和5年〉10月1日開始)、電子帳簿保存法では特に電子取引のデータは電子保存が必要とされています。

乗り換え先が適格請求書の発行・保存やこれらの電子保存に対応しているかを確認し、あわせて銀行口座・クレジットカードや請求・経費などの外部サービスと連携できるかも見ておくと、乗り換え後の業務効率が高まります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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