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記帳代行サービス比較23選|1仕訳あたりの料金相場と、税理士に頼む場合との違い

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領収書と通帳の束を前に、仕訳入力だけが毎月あとに回っていませんか。簿記の分かる人を採用するほどの業務量ではない一方、自分で入力していると月次が締まらない。この「記帳だけ」の負担を外に出す手段が記帳代行サービスです。

ただ、各社の料金は1仕訳あたりの単価だったり月額定額だったりと数え方が違い、そのままでは見積を並べても比べられません。税理士事務所に頼む場合と代行会社に頼む場合で、任せられる範囲も変わります。

本記事では、記帳代行サービス23社を比較します。仕訳数レンジ別の月額と1仕訳あたりの単価を公式情報の実額のまま並べ、決算・申告料まで含めた年間総額での見方もあわせて整理しました。資格のない会社に記帳を任せてよいのかという疑問についても、税理士法の条文と国税庁の見解に当たって線引きを示します。

また、貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツールをご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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記帳代行サービスとは?どこまでの業務を任せられるのか

記帳代行サービスは、領収書・請求書・通帳のデータをもとに、会計ソフトへの仕訳入力と帳簿の作成を代わりに行うサービスです。手元にある証憑を渡すと、仕訳帳や総勘定元帳が整った状態で戻ってきます。

まず、任せられる仕事の範囲を固定しておきましょう。ここが自分の抱えている作業と重なるかどうかで、記帳代行が答えになるかが決まります。

記帳代行に依頼できる業務の範囲

中心にあるのは、証憑から勘定科目を割り当てて会計ソフトに入力する仕訳作業と、その結果として出来上がる帳簿の作成です。多くのサービスがここに加えて、証憑の整理・スキャン、月次試算表の作成までを標準またはオプションで引き受けます。

一方、決算書の作成や法人税・所得税の申告書作成は、記帳代行の標準的な範囲には含まれません。ここは税理士でなければ行えない業務との境目にあたるため、後半の税理士法の線引きであらためて扱います。

証憑の受け渡し方法も、サービスによって郵送・スキャンデータの送信・クラウド会計ソフトの共有と幅があります。原本を送る運用なら、手元から領収書が離れる期間が生じる点も確認しておきたいところです。

経理代行・会計代行・顧問契約との違い

記帳代行を調べていると、経理代行・会計代行・税務顧問といった似た名前が並んで出てきます。3つの違いは「引き受ける業務がどこまで広がるか」と「税務まで含むか」の2点で整理できます。

記帳代行・経理代行/会計代行・税務顧問契約の業務範囲を示した図解。経理代行・会計代行は記帳代行(証憑からの仕訳入力・帳簿の作成・月次試算表の作成)に請求書発行・入金消込・支払・振込・経費精算・月次決算を加えた範囲、税務顧問契約は税務相談・税務代理が中心で決算書の作成・税務申告を含み記帳代行を含むかは契約次第であることを示す
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サービスの種類記帳代行経理代行・会計代行税務顧問契約
主な業務範囲証憑からの仕訳入力
帳簿の作成
(月次試算表の作成)
記帳に加えて
請求書発行・入金消込
支払・振込
経費精算
月次決算
税務相談・税務代理が中心
記帳代行を含むかは契約次第
請求・支払・給与などの実務含まない含むことが多い通常は含まない
決算書の作成・税務申告含まない(別途、税理士への依頼が必要)運営元に税理士がいる場合のみ対応含む
税務相談への回答できない税理士が在籍する場合のみできる

※上記は各区分における一般的な業務範囲の傾向です。実際にどこまで対応するかは各社・各契約で異なります。

経理代行・会計代行との違い(任せる業務の広さ)

経理代行・会計代行は、記帳を含みながら請求書の発行、入金の消込、支払・振込の実行、経費精算の処理までを引き受ける形態を指します。記帳代行はこのうち仕訳入力と帳簿作成に絞ったものだ、と捉えると分かりやすいでしょう。

範囲が狭いぶん料金は下がりますが、記帳だけを外に出しても月次が締まらないことがあります。請求書の発行や入金の確認が社内に残ったままだと、そちらが遅れて仕訳の材料が揃わないためです。

自社の詰まっている工程が入力そのものなのか、その手前の請求・入金管理なのかを見極めてから、どちらを頼むか決めるのが実務的です。

見極めた結果、詰まっているのが記帳の手前だった場合は、請求・支払・経費精算まで含めて外に出す形が候補になります。以下の記事で、経理業務全般を委託する場合の料金相場と、各社がどこまで引き受けるのかを比較しています。

顧問契約・「丸投げ」との違い(税務まで含むかどうか)

税務顧問契約は、税務相談への回答や税務署への申告代理を柱にしたもので、記帳代行が含まれるかは契約内容によって変わります。顧問料に記帳分が含まれていると思い込んでいたら別料金だった、という食い違いはここから生じます。

各社が使う「丸投げ」という言葉も、指す範囲が一様ではありません。証憑を送るだけで記帳が完了することを指す場合もあれば、決算・申告まで含める場合もあります。見積を取る段階で、決算書の作成と申告書の提出がその金額に入っているかを必ず確かめてください。

すでに顧問税理士がいる場合にまず確かめること

顧問税理士がいる状態で記帳代行を探しているなら、外部に出す前に確認したいのがいま払っている顧問料に記帳が含まれているかです。含まれているのに別途外注すると、同じ作業に二重で払うことになります。

確認する場所は3つあります。顧問契約書の業務範囲の条項、毎月の請求書の内訳、そして税理士への直接の質問です。契約書に「記帳代行」「会計帳簿の作成」といった記載がなく、請求が顧問料の一本になっている場合は、記帳は自社で行う前提の契約である可能性が高くなります。

含まれていなかった場合の選択肢は2つです。1つは顧問税理士に記帳も上乗せで頼む方法で、記帳と決算を分けて料金を公開している税理士法人の例では、設立1期目の法人で月101〜150件が20,000円といった水準が示されています。もう1つが外部の記帳代行会社への委託です。同じ件数帯では月7,500円から24,750円ほどの幅があり、社によっては顧問税理士に上乗せするほうが安く収まります。

外部に出す場合は、顧問税理士との間で3点を決めておきます。会計データをどの形式でいつ渡すか、決算前に税理士が帳簿を確認する時間をどう確保するか、そして勘定科目や消費税の課税区分の判断をどちらが下すか。とくに3つ目は、後述する税理士法の線引きにも関わるため、口頭で済ませず契約時に決めておくのが安全です。

記帳代行サービスの料金相場|1仕訳あたりの単価と仕訳数レンジ別の月額

ここからは金額の話に入ります。相場の幅を示すだけでは自社の見積に当てはめられないため、各社が公開している金額をそのまま並べたうえで、金額の決まり方と比べ方を整理します。

自社の仕訳数だと月額いくらになるか

記帳代行の料金は、月にいくつ仕訳が発生するかで決まるのが基本です。そこで、まずは自社の仕訳数をざっくり出します。

概算なら、直近1か月ぶんの「通帳の入出金明細の行数」+「現金で払った領収書の枚数」+「通帳の入出金に現れない請求書・売上伝票の枚数」を足せば十分です。クレジットカードの利用明細がある場合はその行数も加えます。数え漏れが多少あっても、料金表のレンジをまたぐほどの差にはなりません。

この足し算はあくまで見積を取る前の当たりを付けるためのものです。何を1仕訳と数えるかは各社で違うため、実際の請求額は各社の数え方で確定します(後半の選び方で、その確かめ方を扱います)。

以下は、仕訳数に応じた料金を公式サイトで公開しているサービスを、月100仕訳のときいくらになるかで並べたものです。各社が公開しているプラン表からその位置の金額を取り出し、安い順に並べています。右端には公式の料金表をそのまま載せているので、自社の仕訳数が100件から離れている場合はそちらで当てはめてください。

税込か税抜かは各社の公式表記のままです。表記が確認できなかった社はその旨を記しています。

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サービス名経理・記帳代行サポートオフィス経理入力PROはたらく記帳代行記帳代行ドットコムTOTAL経理代行センターTOP ONE 経理代行センター税務会計サポート(ミネルバ税理士法人)経理外注・記帳代行センターKANBEI経理宅配便
月100仕訳のときの月額5,000円(格安コース、税抜)5,750円(アプリ送信30件1,200円+追加70件、税抜)5,980円(税抜)6,600円(税込)10,000円(税抜)11,000円(入力サポート、税込)
丸投げパックは16,500円(税込)
15,000円(月100件未満・設立1期目)
2期目以降は20,000円
※公式に税区分の記載なし
16,500円(税込)公式に100仕訳の料金の記載なし
法人向けは50仕訳16,500円から
30,000円(税抜。決算・申告料を含む)
同じときの1仕訳あたり50円(税抜)57.5円(税抜)59.8円(税抜)66円(税込)100円(税抜)110円(入力サポート、税込)公式は件数レンジ表記のため算出しない165円(税込)公式に記載なし(超過分は法人向け231〜253円、個人事業主向け22円)300円(税抜。200仕訳まで一律のため仕訳数が増えるほど下がる)
公式に公開されている料金格安コース 100仕訳5,000円/200仕訳10,000円/500仕訳25,000円
楽々コース 100仕訳10,000円/500仕訳50,000円
※公式に「全て税抜表示となります」と記載
アプリ送信30件まで1,200円/メール送信50件まで1,980円/郵送50件まで2,980円
追加1件65円(101件以上60円、501件以上55円)
基本料金・契約期間なしの都度利用
※証憑の入力・仕訳データ化までが範囲
50仕訳まで2,980円
以降は50仕訳ごとに3,000円加算(いずれも税抜)
シンプルプラン 50仕訳5,500円/100仕訳6,600円/200仕訳8,800円(いずれも税込)
超過分は1仕訳77円
100仕訳10,000円/200仕訳15,000円/700仕訳40,000円
700仕訳超は100仕訳ごとに5,000円加算
※公式に「税抜金額です」と記載
入力サポート 100仕訳11,000円/200仕訳22,000円/700仕訳77,000円
丸投げパック 100仕訳16,500円/700仕訳82,500円(いずれも税込)
記帳代行プラン 100件未満15,000円/101〜150件20,000円/151〜200件25,000円(いずれも設立1期目、2期目以降は各5,000円増)
決算・申告料は別途 年90,000円(2期目以降166,666円)
100仕訳16,500円/150仕訳24,750円/200仕訳33,000円/250仕訳41,250円(いずれも税込)
251仕訳以上は100仕訳ごとに16,500円加算
法人向け 50仕訳16,500円〜1,000仕訳214,500円
個人事業主向け 1,100円(仕訳数0)〜206,250円(1,000仕訳)
30,000円(年間売上1,000万円まで・月200仕訳まで、税抜)
200仕訳超は1仕訳100円
適格請求書発行事業者は10,000円加算
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年7月時点で各社の公式サイトに掲載されている情報にもとづきます。料金は変更されることがあるため、最新の条件は各社にご確認ください。

同じ100仕訳でも5,000円から30,000円まで6倍の開きがあります。この差は主に、どこまでやるかの違いです。安い側は証憑が整理された状態で届く前提の入力中心、高い側は証憑の整理や決算・申告まで含みます。金額だけを横に見るのではなく、右端の料金表と後半の比較表で範囲もあわせて確かめてください。

仕訳数が増えたときの伸び方も社によって違います。100仕訳から200仕訳へ倍増したとき、6,600円から8,800円にしか上がらない社もあれば、16,500円から33,000円へそのまま倍になる社もあります。繁忙期に仕訳が跳ねる事業なら、増えた側の金額まで見て選ぶほうが安全です。

この表は仕訳数で料金が決まるサービスに絞っています。記帳に加えて請求・支払・経費精算まで引き受けるタイプは、仕訳数ではなく業務量や稼働時間で見積もる方式が主流です。公開されている月額は1万円弱から数十万円まで幅があります。そちらの実額は比較表にまとめました。

料金体系の3タイプと、料金が変わる要因

料金の決まり方は、大きく3つに分かれます。1つ目は1仕訳ごとに単価を掛ける従量課金、2つ目は一定の仕訳数までを含んだ月額定額、3つ目は作業時間に対して時間単価を掛ける時間制です。

従量課金は仕訳数が読めない事業者にとって支払いが業務量に連動する利点があり、月額定額は毎月の支出が固定される安心感があります。時間制は記帳以外の事務もまとめて頼む場合に使われることが多い方式です。

同じ仕訳数でも、次のような条件で金額は動きます。見積を依頼する前に、自社がどれに当てはまるかを整理しておくと精度が上がります。

  • 証憑の整理状態:日付順に並べて渡すか、封筒のまま渡すかで整理作業の有無が変わります
  • 消費税の課税事業者かどうか:課税区分の入力が加わるぶん、作業量が増えます
  • 受け渡しの方法:郵送・スキャン・クラウド連携のいずれかで、取り込みの手間が変わります
  • 納品までの日数:短納期を求める場合、特急料金が設定されていることがあります
  • 記帳以外の作業:給与計算・年末調整・振込代行などはオプション扱いが一般的です

公開されている料金表のレンジと、実際に提示される金額が離れることもあります。記帳を含む経理業務を受託する株式会社Wheatは、見積の金額が何で動くのかを次のように説明しています。

佃誠吾氏
株式会社Wheat 代表取締役
佃誠吾氏
独自インタビューより

料金は年商レンジを目安にしていますが、実際の金額は「工数」と「納期」の2つで決まってきます。「工数」については、単純な物量だけでなく、債権債務管理の細かさ、証憑の管理状況、部門別管理などの複雑さによって異なります。「納期」については、上場企業基準で6営業日以内に締める必要があるのか、月次試算表を翌月内に作成する中小企業向けのスケジュールで良いのか、といった要件によって必要な体制が変わりますので、これが料金を左右する大きな要因となります。

月額ではなく年間総額で比べる

月額の安さだけで選ぶと、1年を通した支出では順位が入れ替わることがあります。記帳代行の月額に含まれないものが、年に一度まとめて発生するためです。

比較の土俵をそろえるには、次の項目を足し合わせた年間総額で並べてください。記帳を専業とする会社に頼む場合、決算・申告は別の税理士に依頼することになるので、その費用も自社の負担として数えます。

  1. 記帳代行の月額 × 12か月(繁忙月の超過分も見込む)
  2. 初期費用・会計ソフトの移行費用(初年度のみ発生することが多い項目)
  3. 決算書の作成料・申告書の作成料(年1回)
  4. 消費税申告・年末調整・法定調書などのオプション料金

実際に並べると、月額の順位と年間総額の順位は入れ替わります。消費税の免税事業者で、適格請求書発行事業者の登録をしていない法人が、月200仕訳を1年間依頼した場合を、公式に料金を公開している3社で計算すると次のようになります。

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依頼先記帳代行の専業会社(月200仕訳)税理士法人の月額一本型(月200仕訳まで・年間売上1,000万円まで)税理士法人の記帳・決算別建て型(月151〜200件・設立1期目)
月額8,800円(税込)30,000円(税抜)25,000円
12か月分105,600円360,000円300,000円
決算・申告料範囲外。別の税理士に依頼する月額に含む年90,000円
1年で払う額105,600円+決算・申告料360,000円390,000円

※各社が公式サイトで公開している料金から、免税事業者の法人が月200仕訳を依頼した場合を計算したものです。課税事業者の場合、消費税申告料や適格請求書発行事業者向けの加算が各社で別に発生します。3社の実際の料金は比較表と各社の紹介をご確認ください。

下2社は、月額では25,000円のほうが安いのに、決算・申告料を足した年間では30,000円高くなります。月額の安さが年間総額の安さに直結しないのは、決算料が月額に含まれるかどうかが社によって違うためです。

記帳だけを専業の会社に出す場合は、決算・申告を別の税理士に頼むぶんの費用が加わります。金額は依頼先によりますが、記帳と決算を分けて公開している税理士法人の例では、決算・申告料は年90,000円から、2期目以降は166,666円と示されています。この帯を仮に足すと、上の1社目は年間195,600円から272,266円程度になり、それでも月額一本型より安く収まる計算です。

ただし、依頼先が2つに分かれると、帳簿を作った先と申告する先が別になります。金額だけでなく、この分断を受け入れられるかもあわせて判断してください。

依頼先の業態別の相場と対応範囲

同じ記帳代行でも、引き受ける側の業態によって料金水準と任せられる範囲が変わります。候補として実際に出会うのは、次の4つの業態です。

  • 税理士事務所・税理士法人:記帳から決算・申告までを一本化できます。月額は高めで、公式に料金を公開している例では月200仕訳まで30,000円(税抜、決算・申告料込み)や、設立1期目の法人で月151〜200件が25,000円、決算・申告料が年90,000円といった水準です。年間総額では決算料が含まれるぶん差が縮まります
  • 記帳代行の専門業者:仕訳入力と帳簿作成に特化し、仕訳数レンジ別の料金を公開している会社が多い業態です。月100仕訳で5,000円から16,500円ほどで、決算・申告は範囲外か、提携する税理士への引き継ぎになります
  • 会計ソフトのベンダー・クラウド会計系:会計ソフトの提供会社にも記帳代行を支援するメニューがありますが、いずれも会計事務所・税理士事務所に向けたものです。顧問税理士がこれらを使っている場合に間接的に恩恵を受ける形で、事業者が直接申し込む窓口ではありません
  • オンラインアシスタント・フリーランス:時間制で記帳以外の事務もまとめて任せられます。経理特化のプランを持つ会社では、月30時間の稼働で81,000円からといった料金が公開されています。担当者個人の力量に依存しやすく、体制の継続性は事前に確認したい点です

ここで気になるのが、税理士事務所ではない依頼先に記帳を任せてよいのか、という点でしょう。次の章で、法律上どこまでが任せられるのかを条文に当たって確認します。

資格のない会社に記帳を任せて問題ないのか|税理士法の線引きと、委託側に残る責任

結論から言うと、記帳そのものを税理士資格のない会社に任せることは、税理士法上できます。ただし、記帳に付随して税務上の判断が必要になる場面と、外に出しても自社に残る義務があり、この2点を知らないまま契約すると後で困ります。

税理士法第2条の線引きを示した図解。第2条第1項の3業務(税務代理・税務書類の作成・税務相談)は税理士のみが行える一方、第2条第2項の会計帳簿の記帳の代行は資格がなくても任せられること、線は「税務官公署に提出する書類かどうか」と「科目・課税区分の判断を誰が下しているか」で引かれることを示す

税理士でなければできない3つの業務

税理士だけが業として行える仕事は、税理士法第2条第1項に3つだけ挙げられています。

  • 第1号 税務代理:税務署への申告や申請を本人に代わって行うこと、税務調査で本人に代わって主張・陳述すること
  • 第2号 税務書類の作成:確定申告書や法人税申告書など、税務署に提出する書類を作ること
  • 第3号 税務相談:税額の計算のもとになる事項について相談に応じること

記帳を外に出すときに境目が問題になるのは、主に第2号です。条文は対象となる書類を次のように定めています。

二 税務書類の作成(税務官公署に対する申告等に係る申告書、申請書、請求書、不服申立書その他租税に関する法令の規定に基づき、作成し、かつ、税務官公署に提出する書類((略))で財務省令で定めるもの(以下「申告書等」という。)を作成することをいう。)

出典:税理士法 第2条第1項第2号|e-Gov 法令検索

対象は「税務官公署に提出する書類」に限られています。仕訳帳・総勘定元帳・試算表は税務署に提出する書類ではないため、ここには含まれません。この提出先の違いが、記帳と独占業務を分ける条文上の線です。

では記帳代行はどこに位置づけられるのか。同じ第2条の第2項が、会計帳簿の記帳の代行を名指しで挙げています。

税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない。

出典:税理士法 第2条第2項|e-Gov 法令検索

独占業務である「税理士業務」は第1項に、会計帳簿の記帳の代行は第2項に、条文上まったく別の項として書き分けられています。記帳代行が独占業務の外にあることは、この項の分かれ方から読み取れます。

資格のない者に禁じられている範囲も条文が定めています。税理士法第52条は「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない」と規定し、違反すると2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される場合があります(同法第59条第1項第4号)。禁じられているのは第1項の3業務であって、記帳ではありません。

国税庁も、会計帳簿の記帳の代行(同庁は「会計事務」と呼んでいます)を税理士業務とは別のものとして扱っています。「税理士制度のQ&A」問2-3は、税理士が税理士業務に付随しない記帳の代行を行っても税理士法違反にはならないと回答しており、会計事務が第52条の禁止対象である「税理士業務」の外にあるという整理が読み取れます。

決算・申告まで一貫して任せられると案内している会社を選ぶ場合は、その会社に実際に税理士がいるかを自分で確かめられます。税理士証票の提示を求めるほか、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで氏名から登録の有無を確認する方法があります。

出典・参考資料(4件)

記帳作業のなかにも税務判断が混じる場面

記帳そのものは任せられるとしても、入力の途中には税額に影響する判断が混じります。この支出を交際費とするか会議費とするか、この取引の消費税の課税区分をどうするかといった判断です。

ここで線を引くのは、作業の名前ではなくその判断を誰が下しているかです。税理士法基本通達は、独占業務にあたるかどうかの基準を次のように定めています。

(税務書類の作成)
2-5 法第2条第1項第2号に規定する「作成する」とは、同号に規定する書類を自己の判断に基づいて作成することをいい、単なる代書は含まれないものとする。

(税務相談)
2-6 法第2条第1項第3号に規定する「相談に応ずる」とは、同号に規定する事項について、具体的な質問に対して答弁し、指示し又は意見を表明することをいうものとする。

出典:税理士法基本通達 第2条《税理士業務》関係 2-5・2-6|国税庁

2-5の「自己の判断に基づいて」と「単なる代書」の対比が、実務の分かれ目にそのまま重なります。委託した側が科目や課税区分を決め、代行会社はそのとおりに入力するだけであれば代書の側です。判断そのものを代行会社に委ねると、独占業務に近づいていきます。

国税庁は別の事例で、この基準の当てはめ方を示しています。マイナンバーの収集を委託した場合について、提出義務者である事業者自身が番号以外の部分を自己の判断に基づき作成したのであれば、受託者が番号のみを記入しても税務書類の作成には該当しない、という回答です。題材は記帳とは異なりますが、判断は委託した側が持ち、受託者は機械的に記入するだけなら該当しない、という当てはめの型が読み取れます。

2-6の税務相談についても、条文の側に「租税の課税標準等の計算に関する事項について」という限定が付いています。具体的な質問に答弁・指示・意見表明することと、それが課税標準等の計算に関する事項であることの両方がそろって初めて税務相談にあたります。

したがって見積や商談の場で確認すべきなのは、「税務判断はどちらが持つ契約か」です。判断に迷う仕訳が出たときに自社へ確認が来るのか、代行会社の判断で処理されるのか。この一問で、契約の性格がはっきりします。

出典・参考資料(2件)

外注しても委託側に残る帳簿書類の保存義務と記載内容の責任

記帳を外に出しても、帳簿を備え付けて保存する義務は自社に残ります。法人税法第126条第1項は、青色申告の承認を受けている内国法人が帳簿書類を備え付けて取引を記録し、保存しなければならないと定めており、義務の名宛人は法人本人です。

保存期間は、法人の場合その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です。青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた事業年度などは10年間になります。

個人事業主の場合は、書類の種類で年数が分かれます。国税庁の資料は青色申告の場合の保存期間を次のように示しています。

帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳など 7年
書類 決算関係書類 損益計算書、貸借対照表、棚卸表など 7年
書類 現金預金取引等関係書類 領収書、小切手控、預金通帳、借用証など 7年 ※
書類 その他の書類 取引に関して作成し、又は受領した上記以外の書類(請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など) 5年
※ 前々年分の事業所得及び不動産所得の金額が 300 万円以下の方は5年間となります。

出典:記帳・帳簿等の保存制度があります!|国税庁

同じ資料には、消費税の課税事業者が仕入税額控除の要件として保存すべき請求書等や、インボイス発行事業者として交付した適格請求書の写しは、上記にかかわらず7年間保存する必要があるという注意も書かれています。

記載内容についての責任も同じです。申告納税方式のもとでは納付すべき税額は納税者の申告によって確定するため(国税通則法第16条第1項第1号)、帳簿をもとに作られた申告の内容は納税者自身のものとして扱われます。

この点は、国税不服審判所の公表裁決がはっきり述べています。相続税の事案で、税理士の過失により過少申告となった場合について次のように判断しました。

また、請求人は、自らの意思と責任において本件相続に係る相続税の申告をB男に任せ、B男は、請求人の代理人としてA税理士に本件当初申告書の作成を依頼して本件当初申告書を作成させ、これを提出したものである以上、たとえA税理士の過誤によって本件当初申告が過少申告となったとしても、本件当初申告書は請求人の責任において提出されたものであり、かつ、過少申告となったことについて上記(5)に述べたような正当な理由があるとは認められない。

出典:平成4年12月9日裁決(裁決事例集No.44 36頁)|国税不服審判所

この裁決は相続税の事案で、対象も税理士の過失です。記帳代行会社の入力ミスを直接扱ったものではありません。それでも、資格を持つ税理士に任せた場合ですらこの判断であることは、外部委託と自社の責任の関係を考えるうえで参考になります。

過少申告加算税が免除される「正当な理由」については、国税庁の事務運営指針が例として2つの類型を挙げていますが、外部への委託はそこに挙がっていません。同指針の注記は、税法の不知や誤解、事実誤認に基づくものはこれに当たらないとしています。裁決が引用する「第65条第4項」は当時の条番号で、正当な理由の規定は現行の国税通則法第65条第5項第1号にあたります。

このように、記帳を外に出しても、帳簿を保存する義務も申告内容の責任も自社に残ります。代行会社に任せきりにせず、月次で戻ってきた試算表に目を通す体制を残しておくことが、契約前に決めておきたい運用です。

出典・参考資料(4件)

記帳代行サービスのメリットとデメリット|自社で続ける場合・採用する場合と比べてどうか

ここまでで、いくらかかるのかと、法律上どこまで任せられるのかが見えてきました。ここでは、外に出して得られることと引き換えに生じる不便を並べ、自社で続ける場合の金額と比べます。

記帳代行サービスを利用するメリット

最も大きいのは、入力作業に充てていた時間がそのまま戻ってくることです。証憑を送る作業は残りますが、勘定科目を調べながら1件ずつ入力する時間は無くなります。

月次試算表が毎月決まった時期に出てくる状態も作れます。自社で入力していると繁忙期に後回しになりがちな作業が、外部の締め切りに沿って進むためです。

簿記の知識を持つ人材を採用・育成せずに済む点も見逃せません。担当者の退職で帳簿が止まるという事態を避けられ、繁忙期だけ量が増えても契約の範囲で吸収できます。

記帳代行サービスのデメリットと、依頼前に確かめておきたい注意点

数字が手元から離れることで、月中の資金繰りや利益の状況を即座に把握しにくくなります。試算表が届くまで数字が見えない状態を避けたい場合は、クラウド会計ソフトを共有して随時閲覧できる形にできるかを確認してください。

証憑の受け渡しにも時間がかかります。郵送でやり取りする運用では、原本が手元から離れる期間が生じ、その間に取引先から問い合わせが来ると確認できません。

社内に経理の知見が蓄積しにくくなる面もあります。入力を外に出すこと自体は問題ありませんが、届いた試算表を読んで異常に気づける人が社内にいない状態は避けたいところです。

加えて、前章のとおり帳簿の保存義務と申告内容の責任は自社に残ります。契約前に、月次で戻ってくるデータを誰が確認するのかまで決めておくと、任せきりの状態を防げます。

実際にどこでつまずくのかは、経理業務を外部に委託した事例からも見えてきます。以下の記事では、安さだけで選んだ結果の情報漏えい、連絡不足による請求書発行の遅れ、業務範囲の食い違いによる追加費用という3つの失敗例と、その防ぎ方を扱っています。

自社で入力する場合・経理担当者を採用する場合とのコスト比較

外に出すかどうかを金額で判断するには、記帳代行の年間総額と、自社で抱える場合の費用を並べます。

自分で入力する場合、直接の支出は会計ソフトの利用料だけです。そのかわり、入力に費やす時間が本業から差し引かれます。月に何時間を入力に使っているかを数え、その時間を売上につながる仕事に充てられた場合の価値と比べてください。

経理担当者を採用する場合は、給与のほかに社会保険料の事業主負担、採用にかかる費用、業務を教える時間が加わります。記帳だけであれば1人分の業務量に満たないことが多く、他の業務と兼務させると引き継ぎの負担が残ります。

採用でまかなう場合の水準について、株式会社Wheatは、寄せられる相談の背景とあわせて次のように述べています。

佃誠吾氏
株式会社Wheat 代表取締役
佃誠吾氏
独自インタビューより

最近特に多いご相談は、「急な退職で経理が止まってしまった」「担当者にしかやり方がわからない」といった、退職と属人化にまつわる切実な課題です。自走できる経理人材を新たに採用する場合、年収600万〜700万円程度の費用負担が生じるだけでなく、採用後の教育や管理負担も決して軽くはありません。中小企業にとって、これほどの人件費を「固定費」として抱え続けることは、経営上の大きなリスクになりかねません。

3つを月額で並べると、次のようになります。

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方法自社で入力する記帳代行に出す(記帳だけ)記帳代行に出す(経理実務まで)経理担当者を採用する
月々かかる費用会計ソフトの利用料のみ月100仕訳で5,000〜16,500円ほど公開額は月1万円弱から数十万円(稼働時間で決まるタイプは月10万円前後から)給与に加えて社会保険料の事業主負担・採用費
かかる時間・人手入力にかかる時間がそのまま本業から差し引かれる証憑を送る作業は残る。入力は不要請求・支払・経費精算まで手を離れる採用と教育の時間がかかる。退職時に業務が止まる
向いている状況取引が少なく、入力に慣れた人が社内にいる記帳以外の経理業務は社内で回っている記帳の手前の工程も詰まっている経理以外の管理業務もあわせて任せられる量がある

記帳代行は、この中間に位置する選択肢です。入力する人を抱えずに帳簿が出来上がる状態を作れるため、記帳だけが詰まっている段階では費用対効果が出やすくなります。

どこまで任せたいかで選ぶ|記帳代行サービスの3つのタイプ

記帳代行サービスは、任せられる範囲の広さで3つに分かれます。自社が外に出したい仕事がどこまでかを決めると、候補を絞り込めます。

記帳だけを低コストで任せたい場合

仕訳入力と帳簿作成だけを切り出したい事業者に向くタイプです。記帳を専業とする会社が中心で、仕訳数レンジ別の月額や1仕訳あたりの単価を公開している会社が多く、自社の件数で概算しやすい特徴があります。

料金水準は3タイプの中で最も低く、月額数千円から始められるものもあります。そのかわり決算・申告は範囲外か、提携する税理士への引き継ぎになるため、その費用を別に見込む必要があります。

請求書の発行や支払の実行は自社に残ります。記帳以外の経理業務が社内で回っている事業者に適した選び方です。

記帳から経理実務まで幅広く任せたい場合

記帳に加えて、請求書の発行、入金の消込、支払・振込、経費精算、月次決算までを引き受けるタイプです。経理の担当者が退職した、あるいはこれから採用するかを迷っている段階の事業者が候補にします。

記帳だけを外に出しても月次が締まらない、という状況の切り分けにも使えます。仕訳の材料である請求・入金の管理が社内で滞っているなら、そちらを含めて任せるほうが月次は早く締まります。

料金は前のタイプより高くなり、依頼する業務の組み合わせで見積もる形が一般的です。対応する会計ソフトの種類が多いサービスもあり、いま使っているソフトのまま任せられるかを確認できます。

決算・申告まで一貫して任せたい場合

記帳から決算書の作成、法人税・消費税の申告書提出までを1社にまとめたい事業者に向くタイプです。税理士法人・会計事務所が母体になっており、税務相談にもその場で答えられます。

記帳を専業の会社に頼むと、帳簿を作った先と申告する先が分かれます。申告を担当する税理士は自分が作っていない帳簿を前提に申告することになり、確認の手間と責任の所在が曖昧になりやすい構造です。一本化すると、この分断が起きません。

月額は高めですが、決算料が月額に含まれる場合もあり、年間総額で見ると差が縮まります。記帳と決算を分けて頼む形と、まとめて頼む形の年間総額を並べて判断してください。

しかし、自社がどのタイプに適しているか、といった判断が難しいケースも存在します。そのような場合でも貴社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるように、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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記帳代行サービスの選び方(比較ポイント)

ここからは、公式サイトと見積書のどこを見れば各社を同じ土俵に載せられるかを、確認の手順まで具体化します。上から順に、候補が絞られやすい項目を並べました。

対応している会計ソフトはどれか

いま使っている会計ソフトに対応していなければ、その時点で候補から外れます。対応ソフトを1〜2種類に絞っている会社もあれば、数十種類に対応している会社もあり、幅が大きい項目です。

確認するのは、対応可否そのものと、データの受け渡し方です。自社のクラウド会計に代行会社のアカウントを招待して直接入力してもらう形か、CSVなどで納品されて自社で取り込む形かで、月次の手間が変わります。

これから会計ソフトを変える予定があるなら、移行費用が別途かかるかもあわせて聞いておくと、初年度の総額を読み違えずに済みます。

対応ソフトの制約から、会計ソフトそのものを選び直すことになる場合もあります。以下の記事で、クラウド会計ソフト16製品の料金と、事業規模別の選び方を整理しています。

任せられる範囲はどこまでか

見積書に書かれた金額が、どの作業まで含むのかを確かめます。仕訳入力までなのか、月次試算表の作成までか、決算書と申告書まで行くのかで、同じ金額でも意味が変わります。

証憑の整理が含まれるかも分かれ目です。日付順に並べる作業が自社に残るのか、封筒のまま送ってよいのかで、月々の手間が変わります。

あわせて、税務判断が必要な仕訳が出たときの扱いを聞いてください。自社に確認が来るのか、代行会社の判断で処理されるのか。前章の線引きに照らすと、この一問で契約の性格が分かります。

料金はどう数えられているか

各社の見積を並べるには、数え方をそろえる必要があります。何を1仕訳と数えるかが、会社によって違うためです。

通帳の1行を1仕訳とするのか、領収書1枚を1件と数えるのか。複合仕訳を1件と数えるのか行数で数えるのか。この定義を各社に同じ言葉で聞き、自社の実際の枚数・行数を当てはめてください。

最低利用期間と、途中解約時の扱いも確認します。初期費用が無料でも最低契約期間が1年なら、実質的な最低支払額はその期間ぶんになります。

証憑をどう渡し、どのくらいの頻度で提出するか

受け渡しの方法は、郵送・スキャンデータの送信・専用アプリでの撮影送信・クラウドストレージ共有に分かれます。原本を郵送する運用では、送付のたびに手間と送料が発生し、原本が手元から離れます。

提出頻度も決めておく項目です。月に1回まとめて送るのか、随時送ってよいのか。随時送れる仕組みなら、月末にまとめて探し出す作業がなくなります。

セキュリティ体制はどうなっているか

渡すのは取引先名・金額・口座情報が載った証憑です。どの会社に任せるかを決める前に、その扱われ方を確かめてください。

ただし、セキュリティ体制を公式サイトに明記している会社は多くありません。本記事で紹介する23社のうち、何らかの記載があるのは5社、プライバシーマークなど第三者認証まで確認できるのは2社にとどまります。大半は公式サイトを読んでも分からず、商談で聞くことになります。

記載がある場合に見るのは、プライバシーマークやISO/IEC 27001(ISMS)の取得状況です。取得している場合は認証番号や登録範囲が書かれているので、対象範囲に記帳業務が含まれるかまで確かめておくと確実です。

公式サイトに書かれていないことは、商談で直接聞きます。作業を外部に再委託しているか、再委託先とも秘密保持契約を結んでいるか、担当者が固定されるか。この3点は、記帳を任せるうえで実害に直結します。

納期は自社の月次締めに間に合うか

証憑を送ってから帳簿が戻るまでの日数を確認します。3営業日程度で納品する会社もあれば、20日程度を標準とする会社もあり、差が大きい項目です。

判断は、自社が月次の数字を必要とする時期から逆算します。翌月10日までに試算表が要るなら、証憑をまとめて送れるのが月初として、納期が5営業日以内の会社に絞られます。月中に見られれば十分なら、20日程度の会社でも問題ありません。

急ぎの月だけ短納期にできるか、その場合の追加料金はいくらかも、契約前に聞いておくと後で困りません。特急対応を有料オプションとして料金表に載せている会社もあります。

自社の業種特有の商習慣に対応できるか

業種によって、仕訳の作り方に固有の事情があります。建設業なら工事ごとの原価管理、飲食・小売なら日々の売上集計、輸出入があるなら外貨と消費税の扱いです。

自社と同じ業種の受託実績があるかを聞き、あれば具体的にどの処理を担当したのかまで確かめてください。実績の有無より、その業種特有の処理を実際に扱ったことがあるかのほうが、運用開始後の手戻りに効きます。

【比較表】記帳代行サービス比較23選

ここからは、自社の課題や要件に合わせた比較・選定ができるよう、記帳代行サービス23社を「どこまで任せたいか」の3つのタイプに分けてご紹介します。料金は各社が公式に公開している金額をそのまま記載し、公開されていない項目は「公式サイトに記載なし」としています。

記帳だけを低コストで任せたい場合の比較表

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サービス名ゼロ経理記帳代行ドットコムKANBEI経理・記帳代行サポートオフィスTOP ONE 経理代行センターTOTAL経理代行センターはたらく記帳代行経理入力PRO
1仕訳あたりの単価(各社の公開プランから算出)公式サイトに記載なし44円(200仕訳8,800円から算出、税込)
超過分は1仕訳77円
超過分は1仕訳231〜253円(法人向け、プランによる)
個人事業主向けは22円
50円(格安コース100仕訳5,000円から算出)
楽々コースは100円
110円(入力サポート100仕訳11,000円から算出、税込)100円(100仕訳10,000円から算出)
加算分は1仕訳50円
59.6円(50仕訳2,980円から算出、税抜)
加算分は1仕訳60円
追加1件65円
アプリ送信は101件以上、メール・郵送は301件以上で60円
501件以上は55円
月額料金3,980円〜
仕訳数レンジ別の料金は公式サイトに記載なし
シンプルプラン
50仕訳5,500円/100仕訳6,600円/200仕訳8,800円(税込)
法人向け 50仕訳16,500円〜1,000仕訳214,500円
個人事業主向け 1,100円(0仕訳)〜206,250円(1,000仕訳)
格安コース 100仕訳5,000円/200仕訳10,000円/500仕訳25,000円
楽々コース 100仕訳10,000円/500仕訳50,000円
入力サポート 100仕訳11,000円/200仕訳22,000円/700仕訳77,000円
丸投げパック 100仕訳16,500円/700仕訳82,500円(税込)
100仕訳10,000円/200仕訳15,000円/700仕訳40,000円
700仕訳超は100仕訳ごとに5,000円加算
50仕訳まで2,980円
以降は50仕訳ごとに3,000円加算(税抜)
アプリ送信30件まで1,200円/メール送信50件まで1,980円/郵送50件まで2,980円
基本料金・契約期間なしの都度利用
任せられる範囲月次処理・月次報告まで
決算・申告の対応可否は公式サイトに記載なし
記帳のみ
決算・申告は提携税理士を紹介
月次決算まで
決算・申告は提携税理士が対応
記帳のみ
決算・申告の対応可否は公式サイトに記載なし
決算書の作成まで
決算書の作成まで対応。申告の対応範囲は公式サイトに記載なし(提携先に税理士法人 大石会計事務所)
記帳のみ(記帳代行の単独契約が可能)
決算・申告の対応可否は公式サイトに記載なし
総勘定元帳・仕訳日記帳・損益計算書・貸借対照表の作成まで
決算整理と確定申告書の作成は非対応
仕訳データの納品まで
月次試算表・決算への対応は公式サイトに記載なし
対応している会計ソフトクラウド会計ソフトを利用
具体的なソフト名は公式サイトに記載なし
マネーフォワード クラウド会計と協業
個別のソフト名は公式サイトに記載なし
freee会計/マネーフォワード クラウド会計
他のソフトは相談のうえ対応
freee/マネーフォワード/MA1/FX4クラウド公式サイトに記載なし公式サイトに記載なしfreee会計/マネーフォワード クラウド会計/ジョブカン会計/弥生会計指定した会計ソフトの形式で納品
対応ソフト名は公式サイトに記載なし
セキュリティ体制公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし従業員との秘密保持契約・使用ツールの限定・継続的な研修
第三者認証は公式サイトに記載なし
運営元のデータ入力代行事業でプライバシーマークを取得
本サービス単体の認証は公式サイトに記載なし
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応公式サイトに記載なし電子帳簿保存法に対応(協業リリースに記載)
インボイス制度は公式サイトに記載なし
電子帳簿保存法は証憑のスキャン保存に対応
インボイス制度は登録番号の確認まで対応
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし自社の適格請求書発行事業者の登録番号を公開
電子帳簿保存法は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年7月時点で各社の公式サイトに掲載されている情報にもとづきます。料金は変更されることがあるため、最新の条件は各社にご確認ください。

記帳から経理実務まで幅広く任せたい場合の比較表

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サービス名Wheat Accountingマネーフォワード おまかせ経理Remoba経理メリービズ バーチャル経理アシスタントBackofficeForceUPSIDER AI経理CASTER BIZ accountingスマート経理HELP YOU経理プレミアムi-STAFF
1仕訳あたりの単価(各社の公開プランから算出)公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし
月額料金スモール30,000円〜/スタンダード40,000円〜/アドバンス60,000円〜
年商・従業員規模を目安にした3プラン
個別見積もり
公式の料金例は従業員5名規模で月10万円(税抜)
6ヶ月プラン200,000円/12ヶ月プラン180,000円
月30時間を超える業務量はカスタムプラン
個別見積もり
金額の目安は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし(業務量に応じた見積もり)
契約時間の超過分は時間単価の1.3倍
9,480円〜(Coreプラン年払い時、税込10,428円)
月払いと上位プランの料金は公式サイトに記載なし
22.5万円〜68万円(税抜)
従業員20名以下は月30時間で22.5万円が目安
スタンダードプラン15万円〜/エキスパートプラン30万円〜チームプラン10万円(30時間)・15万円(45時間)/1名専属プラン10万円(30時間)・20万円(60時間)
経理プレミアム単独の月額は公式サイトに記載なし
ライト114,000円(3ヶ月契約)/ベーシック93,000円(6ヶ月契約)/プレミアム81,000円(12ヶ月契約)
いずれも月30時間・税抜
任せられる範囲月次決算まで
税務申告は連携する税理士が対応
月次試算表まで(最短5営業日)
決算申告などの税務業務は範囲外(公認メンバーの税理士を紹介)
試算表の作成まで
確定申告補助・顧問税理士とのやり取りの代行に対応
月次決算まで
決算・申告への対応は公式サイトに記載なし
月締め処理まで
記帳代行・入金/支払消込・請求書発行に対応
月次経営レポートの作成まで
決算・申告は提携税理士を紹介
月次処理・年次処理まで
顧問税理士とのやり取りの代行・確定申告補助に対応
試算表の作成まで(締日から5営業日以内)
記帳のみの部分委託の可否は公式サイトに記載なし
月次・年次決算まで(Advance)
Basicは会計ソフトへの入力・経費精算・請求書発行まで
記帳代行・請求書作成・振込支払代行・経費精算
決算書作成・税務申告の可否は公式サイトに記載なし
対応している会計ソフトクラウド型・インストール型のいずれにも対応
個別のソフト名は公式サイトに記載なし
マネーフォワード クラウド(導入支援を含む)マネーフォワード/freee/弥生/勘定奉行クラウド/OBIC7/MJS/JDL/PCA会計DX/TKC FX ほか40種類以上
freee/マネーフォワード/勘定奉行/弥生/OBIC7 ほか
使用システムに制約なし
利用中のSaaS・会計システムに合わせて対応
指定した会計ソフトへ仕訳登録
freeeのAI BPOパートナー第一号として認定(2025年8月)
freee/マネーフォワード クラウド(導入サポートあり)freeeの導入支援に対応
他のソフトの対応可否は公式サイトに記載なし
freeeへのデータ入力を得意とすると記載
他のソフトの対応可否は公式サイトに記載なし
クラウド会計ツールの導入サポートに対応
対応ソフト名は公式サイトに記載なし
セキュリティ体制ID管理されたストレージの利用・守秘義務契約・ダブルチェック体制
第三者認証は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし運営元の株式会社キャスターがプライバシーマークを取得
ISO27001の有無は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし証憑整理とあわせて電子帳簿保存法に対応
インボイス制度は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし証憑類の電子帳簿保存に対応
インボイス制度は公式サイトに記載なし
インボイス制度に対応(英語の請求書にも対応)
電子帳簿保存法は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※2026年7月時点で各社の公式サイトに掲載されている情報にもとづきます。料金は変更されることがあるため、最新の条件は各社にご確認ください。

決算・申告まで一貫して任せたい場合の比較表

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サービス名Tenbook(テンブック)Bricks&UKアウトソーシング経理宅配便経理外注・記帳代行センター税務会計サポート(ミネルバ税理士法人)
1仕訳あたりの単価(各社の公開プランから算出)公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし
仕訳数・部門数・入力ルールに基づく個別見積もり
100円(月200仕訳を超えた分、公式表記)165円(100仕訳16,500円から算出、税込)公式サイトに記載なし
月額料金50,000円〜
状況を聞いたうえでの見積もり
初回相談料は無料
記帳代行は個別見積もり(2,000仕訳以上にも対応)
請求書作成・振込代行・入金消込は10件までいずれも10,000円(税込)
30,000円(年間売上1,000万円まで・月200仕訳まで、税抜)
適格請求書発行事業者は10,000円加算
100仕訳16,500円/150仕訳24,750円/200仕訳33,000円/250仕訳41,250円(税込)
251仕訳以上は100仕訳ごとに16,500円加算
記帳代行プラン・設立1期目
100件未満15,000円/101〜150件20,000円/151〜200件25,000円/201〜250件30,000円
2期目以降は各5,000円増
任せられる範囲決算・申告まで
記帳・月次処理・決算書作成・法人税/消費税申告
記帳・請求書発行・入金消込・振込代行まで
決算・申告は母体の税理士法人が担当(同じ契約で完結するかは公式サイトに記載なし)
決算・申告まで
月次試算表・決算書・法人税/消費税/所得税の申告書作成、回数無制限の税務相談
決算書作成・確定申告まで(記帳代行とは別メニュー)
1つの契約にまとめられるかは公式サイトに記載なし
決算・申告まで
決算・申告料は年90,000円(2期目以降166,666円)、消費税申告料は年30,000円(同55,555円)が別途
対応している会計ソフト契約者は同社のクラウド会計ソフトを利用できるクラウド会計に対応(利用中のソフト・ツールの活用も可能)
具体的なソフト名は公式サイトに記載なし
辻・本郷税理士法人が独自開発したクラウド会計ソフトを無償提供
他社製ソフトへの対応可否は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なしfreee/マネーフォワードクラウド/弥生会計/キーパー財務
セキュリティ体制「Barracuda」によるデータ管理
第三者認証は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし公式サイトに記載なし
電子帳簿保存法・インボイス制度への対応「10book」が電子帳簿保存法・インボイス制度に対応公式サイトに記載なしインボイス制度は適格請求書発行事業者向けの加算メニューあり
電子帳簿保存法は公式サイトに記載なし
公式サイトに記載なし電子帳簿保存法サポート・インボイス制度サポートをメニューに掲載
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年7月時点で各社の公式サイトに掲載されている情報にもとづきます。料金は変更されることがあるため、最新の条件は各社にご確認ください。

記帳代行サービスの個別紹介

ここからは、各サービスの料金・任せられる範囲・対応する会計ソフトを個別に見ていきます。比較表で気になったサービスがあれば、この章で中身を確かめてください。

記帳だけを低コストで任せたい場合のサービス

仕訳入力と帳簿作成に絞って引き受ける会社です。月100仕訳あたり5,000円から16,500円ほどの帯で、多くが仕訳数に応じた料金を公開しているため自社の件数を当てはめて概算できます(下限のみ公開の社もあります)。個人事業主から従業員数十名規模までの事業者が中心です。

1. ゼロ経理(ゼロ株式会社)

ゼロ経理のウェブサイト

「公認会計士が管理する、月3,980円〜の記帳代行」を掲げ、中小企業と個人事業主を対象にオンラインで全国から受託しているサービスです。運営はゼロ株式会社で、来訪せずに手続きが完結します。

引き受ける範囲は記帳にとどまらず、請求書の処理・作成、給与計算、月次処理と月次報告の作成まで含みます。やり取りはクラウド会計ソフトとチャットを組み合わせて行う運用です。

一方、公式サイトで確認できる金額は月3,980円からという下限のみで、仕訳数のレンジごとの料金は示されていません。自社の件数だといくらになるかは、無料のオンライン相談で確かめることになります。

2. 記帳代行ドットコム(株式会社ビジョン)

記帳代行ドットコムのウェブサイト

東証プライム上場の株式会社ビジョンが運営し、取引社数1,000社突破を公表している記帳代行サービスです。領収書・請求書・クレジットカード明細・通帳の写しを郵送またはデータで送る運用で、対応する会計ソフトの個別名は公式サイトに記載がないものの、2025年10月にマネーフォワードとの協業を発表しています。

料金は3プランに分かれ、最も安いシンプルプランは税込で50仕訳5,500円・100仕訳6,600円・200仕訳8,800円です。200仕訳のときの1仕訳あたりは44円で、超過分は1仕訳77円(税込)が加わります。初期費用は0円、契約期間の縛りと解約金はありません。

上位プランでは対応範囲が広がり、バリュープラン(50仕訳8,800円〜)で月次チェック、プレミアムプラン(同20,900円〜)で紙書類のスキャン・データ化と部門・品目付けの仕訳が加わります。決算・確定申告は自社では行わず、1,500人以上の提携税理士を紹介する形です。

3. KANBEI(株式会社Wiz)

KANBEIのウェブサイト

対応する会計ソフトをfreee会計とマネーフォワード クラウド会計に絞り込んだ記帳代行サービスです。株式会社Wizが提供し、証憑をデータまたは郵送で送るとスキャンから会計ソフトへの入力までを引き受けます。他のソフトは相談のうえで対応するとしています。

料金表は個人事業主向けと法人向けで分かれます。個人事業主向けは仕訳数0件のライトプラン月1,100円から始まり、30仕訳のプランで月6,600円、1,000仕訳のプランでは月206,250円です。法人向けは50仕訳の月16,500円から1000仕訳の月214,500円までです。

契約は6か月ごとの自動更新で、6か月以内に解約すると解約金15,000円(非課税)がかかります。記帳のほか月次決算・立替経費の登録・品目別や部門別の記帳に対応し、決算・確定申告は提携税理士が担当します(格安申告プランは3万円〜と案内)。

4. 経理・記帳代行サポートオフィス(株式会社YFPクレアコンサルティング)

経理・記帳代行サポートオフィスを運営するYFPクレアグループのウェブサイト

税理士法人YFPクレアと連携するグループ会社、株式会社YFPクレアコンサルティングが運営する記帳代行・経理代行のサービスです。新宿・浦和・立川・渋谷・松本の拠点から全国対応をうたい、全国1,300社超の実績を掲げています。

記帳代行の料金は2コース制で、税務顧問契約を結ばない場合、格安コースが100仕訳5,000円・150仕訳7,500円・200仕訳10,000円・500仕訳25,000円(500仕訳を超えると50仕訳ごとに2,500円加算)、楽々コースが100仕訳10,000円・500仕訳50,000円(同5,000円加算)です。

対応する会計ソフトはfreee、マネーフォワード、MA1、FX4クラウド。翌月10日までに資料を提出すると月末に報告が上がるスケジュールで、給与計算代行(1〜5名は月10,000円)や年末調整代行、振込代行も同じ窓口から頼めます。

5. TOP ONE 経理代行センターの記帳代行サービス(株式会社TOP ONE)

TOP ONE 経理代行センターのウェブサイト

株式会社TOP ONEと税理士法人 大石会計事務所の連携で運営され、税務署・銀行を意識した会計処理と決算書の作成を前面に掲げています。医療機関・建設業・海外取引といった業種別の会計処理オプションも持つサービスです。

料金表は「入力サポート」と「丸投げパック」の2列で組まれ、100仕訳刻みに700仕訳までの実額が並びます。100仕訳までが入力サポート11,000円・丸投げパック16,500円、200仕訳までが22,000円・27,500円、700仕訳までが77,000円・82,500円です。

納品は通常20日以内で、特急オプション(100仕訳まで月6,600円)を付けると5営業日以内になります。証憑ファイリングは100仕訳まで月5,500円、会計ソフトの移行は38,500円で、対応するソフトの具体名は公式サイトに記載がありません。

6. TOTAL経理代行センター(株式会社TOTALマネジメント)

TOTAL経理代行センターのウェブサイト

記帳代行だけを単独で契約でき、税務顧問契約は必須ではないと明記している点が入口になるサービスです。運営は千葉県船橋市の株式会社TOTALマネジメントで、グループの税理士法人TOTALに所属する公認会計士・税理士が実務を担当すると説明されています。

記帳代行の月額は100仕訳まで10,000円・200仕訳まで15,000円で、以降は100仕訳ごとに5,000円ずつ上がり、700仕訳で40,000円となります。700仕訳を超える分は、100仕訳増えるごとに5,000円が加算されます。

証憑整理は仕訳数に応じて月5,000円〜30,000円、部門別集計は月5,000円、月次減価償却と月次棚卸は各月3,000円のオプションです。対応する会計ソフトの具体名は公式サイトに記載がなく、相談は平日9:00〜18:00の電話と無料面談で受け付けています。

7. はたらく記帳代行(Move for People株式会社)

はたらく記帳代行のウェブサイト

経理担当者が不在、あるいは退職してしまった中小企業を対象に、Move for People株式会社が提供しています。仕訳データはUSCPA(米国公認会計士)がチェックする体制で、情報の扱いについては従業員との秘密保持契約の締結、使用ツールの限定、継続的な研修を挙げています。

料金は50仕訳まで月2,980円(税抜)、以降は50仕訳ごとに3,000円(税抜)ずつ加算という一本の式で決まります。初期費用と最低契約期間がなく、総勘定元帳・仕訳日記帳や損益計算書・貸借対照表の作成までを引き受けます。

対応する会計ソフトはfreee会計を前面に出しつつ、マネーフォワード クラウド会計・ジョブカン会計・弥生会計も挙げています。資料がそろってから3営業日以内の納品を明記する一方、決算整理と確定申告書の作成には対応せず、必要な場合は提携税理士法人を紹介する形です。

8. 経理入力PRO 領収書入力代行サービス(株式会社シスプロ)

経理入力PROのウェブサイト

領収書・レシートの入力に絞った代行サービスで、運営は株式会社シスプロです。2名のオペレーターが同じ書類を別々に入力し、システムで突き合わせて不一致を修正するベリファイ入力方式を採っており、基本料金と契約期間のない都度利用の形をとります。

料金は書類の送付方法ごとに分かれ、アプリ送信が30件までで1,200円、メール送信が50件までで1,980円、郵送が50件までで2,980円です。これを超える分は1件65円、アプリ送信は101件以上、メール・郵送は301件以上で60円、いずれも501件以上は55円に下がります。

注意したいのは任せられる範囲です。指定した会計ソフトの形式に合わせた仕訳データをマイページからダウンロードする納品方式で、月次試算表の作成や決算・申告への対応は公式サイトに記載がありません。帳簿を締めるところは自社か別の依頼先で担う前提になります。

記帳から経理実務まで幅広く任せたい場合のサービス

記帳に加えて、請求・支払・経費精算・月次決算までを引き受ける会社です。料金は仕訳数ではなく業務量や稼働時間で決まります。公開されている月額は1万円弱から数十万円まで幅があり、稼働時間で見積もるタイプは月10万円前後からが中心です。記帳だけを外に出しても月次が締まらない、経理の担当者が退職したといった状況に合うタイプです。

9. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

Wheat Accountingのウェブサイト

記帳・仕訳作成を起点に、請求書の作成・発行、売掛金と買掛金の管理、支払(振込)対応、経費精算、給与計算、月次決算までを株式会社Wheatが引き受けます。会計ソフトはクラウド型・インストール型のどちらにも対応します。

月額は年商と従業員数を目安に3段階で、スモール30,000円〜(年商数千万円〜1億円・従業員1〜10人)、スタンダード40,000円〜(年商1〜10億円・10〜30人)、アドバンス60,000円〜(年商10〜100億円・30〜100人)。作業量の増減に応じた従量課金制で、導入時のフロー構築とクラウド会計の初期設定費用が初月に発生します。

月次決算の納期は、資料の提出完了から10〜15営業日が公式の目安です。契約後は約1ヶ月のテスト運用期間を設けて業務フローを組み立て、税務申告は連携する税理士が担うため、既存の顧問税理士を変えずに導入できるとしています。

10. マネーフォワード おまかせ経理(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード おまかせ経理のウェブサイト

マネーフォワード クラウドの導入支援と経理実務の代行をセットで提供するサービスです。記帳代行と月次試算表の作成に加え、請求書の発行・送付、入金消込、支払管理・振込代行、給与計算までを引き受け、実務はグループ会社の株式会社キャシュモが担います。

料金は業務内容と業務量に応じた個別見積もりで、公式サイトは従業員5名規模の企業が経理業務をまとめて委託した場合の月額10万円(税抜)を例として示しています。月次試算表は最短5営業日で提供され、無料相談から運用開始までは最短2ヶ月が目安とされています。

決算申告などの税務業務は税理士法に基づきサービスの範囲外で、対応が必要な場合は同社公認メンバーの税理士が紹介されます。日々のやり取りはChatworkやSlack、ビデオ会議ツールで行い、緊急時は電話も使えます。

11. Remoba経理(株式会社Enigol)

Remoba経理のウェブサイト

株式会社Enigolが展開するリモートバックオフィス「Remoba」シリーズのうち、経理業務に特化したメニューです。仕訳記帳と帳簿管理、試算表の作成を中心に、請求書の発行・送付、入金確認と債権消込、支払リストの作成、経費の仕訳化までをオンラインで委託できます。

料金は契約期間で分かれ、6ヶ月プランが月額200,000円(従業員15名以下を想定)、12ヶ月プランが月額180,000円(同15〜50名)です。月30時間を超える業務量はコンサルタントとの協議後に見積もるカスタムプランとなり、初期費用は公式サイトに記載がありません。

会計ソフトはマネーフォワード・freee・弥生・勘定奉行クラウド・OBIC7など、クラウド型とインストール型の双方に連携します。原則として会計ソフトを変えずに運用でき、専属コンサルタントが窓口となって複数のオンラインワーカーが業務を分担する体制です。

12. メリービズ バーチャル経理アシスタント(メリービズ株式会社)

メリービズ バーチャル経理アシスタントのウェブサイト

委託したい業務だけを切り出して依頼できるのが、メリービズ株式会社のバーチャル経理アシスタントです。帳票・仕訳入力を軸に、経費精算、請求書発行、売掛・買掛管理、月次決算までを、全国に登録するプロ経理人材のチームが分担します。

料金は業務内容と量に合わせた個別見積もりで、月額の目安は公式サイトに記載がありません。仕訳入力だけを頼むのか月次決算まで含めるのかで金額が変わるため、依頼したい範囲を整理してから見積もりを取る流れになります。

対応する会計ソフトは40種類以上で、freee・マネーフォワード・勘定奉行・弥生・OBIC7などを公式サイトに挙げています。クラウド会計の導入支援や経理業務の改善コンサルティングもメニューに含まれます。

13. BackofficeForce(BackofficeForce株式会社)

BackofficeForceのウェブサイト

BackofficeForce株式会社(旧グランサーズ株式会社)が2025年1月に立ち上げたブランドで、経理・財務・労務をまとめて委託できます。経理では記帳代行と入金・支払の消込、月締め処理を、財務では請求書発行や納付・振込を、労務では給与計算を担当します。

月額の具体額は公式サイトに公開されておらず、業務量に応じた見積もりとなります。契約は最短2カ月から結べて月ごとにプランを変更でき、契約時間を超えた分は時間単価の1.3倍で精算される点が公式サイトに明記されています。

使用するシステムに制約を設けず、利用中のSaaSや会計システムに合わせて対応する方針です。代表を公認会計士が務め、公認会計士と税理士が運営に関わると公式サイトは説明しています。業務プロセスの可視化とマニュアル作成を、代行と併せて行う形をとります。

14. UPSIDER AI経理(株式会社UPSIDER)

UPSIDER AI経理のウェブサイト

領収書や請求書を送ると、AIが読み取ったデータを会計のプロが確認したうえで会計ソフトに仕訳を登録する仕組みです。株式会社UPSIDERが2025年6月に正式提供を開始し、記帳のほか請求書の作成・発行、振込補助、証憑整理と電子帳簿保存法への対応、月次の経営レポート作成までを担います。

初期費用はなく、月額はCoreプランを年払いで契約した場合の9,480円(税込10,428円)からと公式サイトに記載されています。ただし月払いの価格や上位プランの料金は公開されていないため、自社の処理件数を伝えたうえで見積もりを取る必要があります。

2025年8月にはfreeeのAI BPOパートナー第一号として認定され、freee認定アドバイザーの会計事務所を介した提供経路も設けています。公式サイトの記載は「指定会計ソフト」への登録にとどまるため、いま使っているソフトのまま任せられるかは問い合わせ時に確認してください。

15. CASTER BIZ accounting(株式会社キャスター)

CASTER BIZ accountingのウェブサイト

東証グロース上場の株式会社キャスターが、完全リモートの専門チームで経理を代行します。帳簿記帳と債権債務管理を軸に、経費精算、売上・請求業務、買掛・支払業務、月次処理と年次処理、顧問税理士とのやり取りの代行までが対応範囲です。

月額は22.5万円〜68万円(税抜)で、公式の目安は従業員20名以下が月30時間で22.5万円、50〜100名が月30〜80時間で22.5〜68万円、200名以上は要問い合わせです。稼働時間で金額が決まるため、月数万円で記帳だけを頼む場合とは想定する企業規模が異なります。

会計ソフトはfreeeとマネーフォワード クラウドに連携し、導入サポートも用意されています。チームの立ち上げは最短3営業日とされる一方、需要の増加により新規依頼の開始に待機期間が生じる場合がある旨も公式サイトに注記されています。

16. スマート経理(株式会社M&Tコンサルティング)

スマート経理のウェブサイト

証憑をスキャンしてクラウドで共有し、チャットでやり取りする運用を基本とする経理代行です。運営は大阪の株式会社M&Tコンサルティングで、会計入力・記帳代行に加え、請求書発行と売掛金管理、インターネットバンキングでの支払、給与計算、社会保険・労働保険の手続きまでを扱います。

月額はスタンダードプランが15万円から、資金繰り管理や融資相談を含むエキスパートプランが30万円からです。毎月の試算表は締日から5営業日以内に提供するとしており、対応するスタッフは全員が簿記2級以上と公式サイトに記載があります。

ただし、公式サイトが示すのは経理業務全般をまとめて任せる前提のプラン構成で、記帳だけを切り出して依頼できるかは記載がありません。仕訳入力だけを外に出したい場合は、対応の可否を問い合わせの段階で確かめてください。

17. HELP YOU経理プレミアム(株式会社ニット)

HELP YOU経理プレミアムのウェブサイト

オンラインアウトソーシング「HELP YOU」(株式会社ニット)の経理特化メニューで、日商簿記2級以上を持つ経理実務経験者が担当します。会計ソフトへのデータ入力から、経費精算、請求書・領収書の発行と管理、支払・買掛金の管理、給与計算までが日常経理の範囲です。

料金はHELP YOU共通のプラン表に沿い、チームプランが月額10万円(30時間)・15万円(45時間)、1名専属プランが月額10万円(30時間)・20万円(60時間)となっています。経理プレミアムの最低稼働時間はBasicが月45時間、Advanceが月30時間で、経理プレミアム単独の月額は公式サイトに記載がありません。

上位のAdvanceでは、資金繰り表や財務諸表の作成、月次・年次決算、経営数値の分析まで対応範囲に入ります。会計ソフトはfreeeへのデータ入力を得意とすると公式サイトに記載があり、そのほかのソフトの可否は書かれていません。英語の請求書やインボイス制度にも対応します。

18. i-STAFF(株式会社ビープラスト)

i-STAFFのウェブサイト

オンライン秘書サービスとして、経理のほか秘書業務・人事・営業アシスタントを同じ稼働時間の枠内で依頼できます。経理では記帳代行、請求書作成、振込・支払い代行、経費精算、クラウド会計ツールの導入サポートに対応し、領収書などを郵送して整理・ファイリングを頼むこともできます。

料金は月30時間の稼働を基準とした3プラン制で、ライト(3ヶ月契約)が月114,000円、ベーシック(6ヶ月契約)が93,000円、プレミアム(12ヶ月契約)が81,000円(いずれも税抜)。契約期間が長いほど月額が下がる設計で、3時間分の無料お試しも用意されています。

対応時間は平日9:00〜18:00で、カスタマイズプランなら土日・深夜にも広げられます。一方、決算書作成や給与計算の可否、対応する会計ソフト名は公式サイトに記載がないため、記帳の周辺をどこまで任せられるかは事前に確認しておくと安全です。

決算・申告まで一貫して任せたい場合のサービス

税理士法人・会計事務所が母体となり、記帳から決算書の作成、申告書の提出までを1社で完結できる会社です。月額は15,000円から50,000円ほどで、この額に決算・申告料が含まれる社と、別建てになる社があります。

帳簿を作った先と申告する先が分かれない点が、他の2タイプとの違いです。ただし、記帳と決算を同じ契約でまとめられるのか、別途の顧問契約が要るのかは社によって扱いが異なります。この後の各社の紹介で確認してください。

19. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

公認会計士・税理士である上田昌宏氏が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社のサービスで、記帳から月次処理、決算書の作成、法人税・消費税の申告までをオンラインで完結させます。資料の受け渡しも相談もオンラインで行うため、全国どこからでも利用できます。

料金は月額50,000円からで、事業規模や依頼する範囲を聞いたうえで見積もる形をとっています。初回の相談は無料です。

記帳から決算・申告までを扱いますが、決算料は月額とは別に、状況を聞いたうえで見積もる形です。担当は代表の公認会計士・税理士を含む原則3名のチームが組まれ、契約者は同社のクラウド会計ソフトを利用できます。

20. Bricks&UKアウトソーシング(株式会社Bricks&UK Outsourcing)

Bricks&UKアウトソーシングのウェブサイト

税理士法人Bricks&UKを母体とするグループの経理代行で、提供主体は株式会社Bricks&UK Outsourcingです。従業員150名以下の中小企業・ベンチャーを主な対象に、記帳のほか請求書の発行、入金消込、ネットバンキングでの振込代行や給与振込まで引き受けます。

記帳代行の料金は仕訳数・部門数・入力の社内ルールをもとにした個別見積もりで、2,000仕訳以上にも対応します。請求書作成や振込代行、入金消込は件数別の定額を公開しており、いずれも10件までが10,000円、51〜100件で80,000円から85,000円です(税込)。

決算書の作成と税務申告は経理代行の対応業務としては掲げられておらず、母体の税理士法人Bricks&UKが担う構造です。同じ契約の中で完結するのか、別途顧問契約が必要になるのかは公式サイトに記載がないため、見積もりの段階で確認してください。契約は後払い制で、最低契約期間は設けていません。

21. 経理宅配便(辻・本郷税理士法人)

経理宅配便のウェブサイト

辻・本郷税理士法人が小規模事業者・個人事業主に向けて提供する、月々の会計処理から決算までをまとめて代行するサービスです。月次試算表と決算書の作成、法人税・消費税・所得税の申告書作成に加え、回数制限のない税務相談が同じ契約に含まれます。

料金は年間売上1,000万円までの事業者で月額30,000円(税抜、年額360,000円)です。適格請求書発行事業者は月10,000円が加算され、月200仕訳を超えた分は1仕訳あたり100円が別途かかります。想定する対象は年間売上1億円までです。

料金表に決算料の別建てはなく、決算書と申告書の作成もこの月額の中で対応する案内になっています。会計ソフトは同法人が独自開発したクラウド型を無償で提供し、自社で入力するか担当者に代行入力を任せるかを選べます。他社製ソフトへの対応可否は公式サイトに記載がありません。

22. 経理外注・記帳代行センター(マクシブ総合会計事務所)

経理外注・記帳代行センターのウェブサイト

東京・銀座に事務所を構えるマクシブ総合会計事務所が、複数名のチームで経理業務を引き受けるサービスです。代表は税理士と公認会計士の登録を持ち、会計ソフトへの入力のほか立替経費精算、給与計算、振込・支払、請求書発行までをメニューに揃えています。

法人向けの丸投げサポートは仕訳数で段階が分かれ、100仕訳以内が16,500円、150仕訳以内が24,750円、200仕訳以内が33,000円、250仕訳以内が41,250円です。251仕訳以上は、100仕訳増えるごとに16,500円が加算されます。

決算書の作成代行と確定申告サポートは記帳代行とは別のメニューで、記帳から申告までを1つの契約にまとめられるかは公式サイトに記載がなく、個別相談となります。決算書作成代行の料金も公開されておらず、公式サイトで確認できるのは個人向けの確定申告サポートが29,800円(税込32,780円)からという金額です。

23. 税務会計サポート(ミネルバ税理士法人)

ミネルバ税理士法人 税務会計サポートのウェブサイト

記帳代行プランと記帳チェックプランの2本立てで、入力そのものを任せるか、自社で入力した帳簿の確認だけを頼むかを選べます。提供するのは東京・五反田に拠点を置くミネルバ税理士法人で、記帳から決算・申告までを自法人の中で完結できます。

記帳代行プランの月額は記帳件数で決まり、設立1期目は月100件未満が15,000円、101〜150件が20,000円、151〜200件が25,000円です。2期目以降はそれぞれ20,000円、25,000円、30,000円に上がります。

決算・申告料は月額とは別建てで、年90,000円(2期目以降は166,666円)、消費税申告料が年30,000円(同55,555円)かかります。月額だけを見るのではなく、年間の総額で見積もることになります。会計ソフトはfreee・マネーフォワードクラウド・弥生会計・キーパー財務に対応します。

電子帳簿保存法・インボイス制度への対応をどう確認するか

証憑を外部に渡して記帳を任せる運用では、電子帳簿保存法とインボイス制度の要件を誰がどう満たすのかが問題になります。ここは委託先に任せきりにできない部分があるため、契約前に確認しておきたい点を整理します。

委託は認められるが、保存場所は自社に置く

国税庁は、電子帳簿保存法の一問一答で記帳代行業者への委託を正面から扱っています。委託自体は認められる一方、2つの制約が示されています。

会計事務所や記帳代行業者に委託することは認められますが、国税関係帳簿の作成に当たっては、書面であるか電磁的記録であるかにかかわらず、課税期間中に記帳せず当該期間終了後にまとめて記帳することを委託する方法は、認められません。また、保存場所についても、各税法で定められているため、記帳代行業者の所在地にすることは認められません。

出典:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】問20(令和7年6月)|国税庁

同じ問の解説は、委託しても保存義務者が「主体となってその責任において」処理する立場は変わらないと述べています。記帳を外に出したあとも、自社の事業所に置いた端末で帳簿を画面と書面に出力できる状態を保つ必要があります。

ここで確認したいのは、代行会社のシステムに入っている帳簿データを、自社からいつでも出力できるかです。データそのものは委託先のクラウドにあってもかまいません。別の一問一答では、保存場所の端末と通信回線で結ばれ、速やかに出力できるなら、クラウドサービスや海外のサーバであっても保存場所に保存されているものとして取り扱われる、と示されています。

したがって商談では、「御社のシステムから、当社の事業所でいつでも帳簿を出力できますか」と具体的に聞くのが確実です。あわせて、解約時にデータをどの形式で返却してもらえるかも決めておきます。

電子取引データの保存は義務、スキャナ保存は任意

電子帳簿保存法をめぐっては、義務と任意が混同されがちです。メールやWeb上で受け取った請求書などの電子取引データは「保存しなければならない」と定められた義務です(同法第7条)。

一方、紙で受け取った書類をスキャンして電子データで保存するスキャナ保存は、条文の文末が「代えることができる」となっており、任意の制度です(同法第4条第3項)。紙のまま保存し続けても差し支えありません。

電子取引データの保存には、改ざん防止のための措置が求められます。施行規則第4条第1項は4つの方法を挙げ、そのいずれかを行えばよいとしています。タイムスタンプの付与や訂正削除の履歴が残るシステムの利用のほか、訂正削除の防止に関する事務処理規程を定めて運用する方法も選べます。追加費用なしで選べるため、小規模な事業者はこの方法を採ることが多くなっています。

検索できる状態にする要件もありますが、税務調査でのダウンロードの求めに応じられる場合や、基準期間の売上高が5,000万円以下の事業者などは、この要件が免除されます。自社が該当するかを確認したうえで、代行会社との役割分担を決めてください。

出典・参考資料(3件)

任意とはいえ、証憑を郵送せずに済ませたい事情からスキャナ保存に切り替える事業者もいます。その場合は入力期間・解像度・検索機能といった要件を満たす必要があるため、要件の全体像とタイムスタンプが不要になる条件を以下の記事で確認しておくと、代行会社との役割分担を決めやすくなります。

インボイス制度で代行会社に渡す証憑の確認事項

消費税の課税事業者が仕入税額控除を受けるには、帳簿と請求書等の保存が要件になります。消費税法第30条第7項は、これらを保存しない場合には仕入税額控除の規定を適用しないと定めており、証憑が手元から失われることは税額そのものに跳ね返ります。

代行会社に渡す請求書・領収書が適格請求書の要件を満たしているかも、確認の対象です。国税庁は記載事項を次の6項目として示しています。

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 取引年月日
③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④ 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

出典:適格請求書等保存方式の概要-インボイス制度の理解のために-(令和8年4月)|国税庁

小売業や飲食店、タクシーなどが交付する適格簡易請求書では、⑥が不要になり、⑤は消費税額等または適用税率のいずれかでよいとされています。領収書の枚数が多い業種では、この違いが仕訳の判断に効いてきます。

手元の領収書がどちらの様式にあたり、記載事項が足りているかを見分ける作業は、渡す側に残ります。2つの様式の違いと、受け取る側・発行する側それぞれの対応は以下の記事で詳しく扱っています。

取引先の登録番号が有効かどうかは、国税庁の適格請求書発行事業者公表サイトで確認できます。氏名または名称、登録番号、登録年月日、登録取消年月日などを照会できるほか、データの一括ダウンロードやシステム連携の機能も用意されています。

そこで、見積の段階で「登録番号の確認は御社で行うのか、当社で行うのか」を決めておくと、運用が始まってからの押し付け合いを防げます。手作業で照合するのか、システム連携で自動照合するのかも、月々の作業量に関わる違いです。

出典・参考資料(2件)

依頼から運用までの流れ|必要書類・月次スケジュール・乗り換え時の引き継ぎ

契約後につまずくのは、たいてい書類の受け渡しと締めのタイミングです。申し込みから運用が回り出すまでに何が起きるかを、先に把握しておきましょう。

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ステップ1. 問い合わせ・ヒアリング2. 見積・提案3. 契約・秘密保持契約の締結4. 初回の引き継ぎ5. 運用開始
主な内容仕訳数・業種・使用中の会計ソフト・依頼したい範囲を伝える仕訳数レンジ別の月額、オプション、納期の提示を受ける業務範囲・料金・最低利用期間・再委託の可否を確定会計ソフトの共有設定、勘定科目の設定、過去データの取り込み毎月の証憑提出、仕訳入力、月次試算表の受領・確認
自社で用意するもの直近1か月の証憑の枚数、通帳の明細行数何を1仕訳と数えるかの確認、他社見積との突き合わせ税務判断をどちらが持つかの取り決め前期の決算書、現在の科目一覧、取引先一覧提出日・確認担当者を決めた月次スケジュール

4のフェーズをどう進めるかで、運用が始まってからの分かりにくさが変わります。導入時に業務フローを組み立てる期間を設けている株式会社Wheatは、この期間の進め方について次のように述べています。

佃誠吾氏
株式会社Wheat 代表取締役
佃誠吾氏
独自インタビューより

ポイントは、当社が一方的にオペレーションを作って渡すのではなく、運用方法をお客様ご自身にも把握していただく形で進めることです。ここが曖昧なまま本運用に入ると、現場で「なぜこうなっているのか分からない」という状態が起きやすくなります。

依頼時に渡す書類(証憑・通帳・請求書ほか)

毎月渡すのは、その月の取引を裏づける書類です。現金支出の領収書とレシート、売上側の請求書控え、仕入側の請求書と納品書、預金通帳の写しまたは入出金明細のデータが基本になります。

クレジットカードの利用明細、給与の支給明細、借入金の返済予定表も、該当があれば必要です。これらが揃っていないと、仕訳が確定せず未処理として繰り越されます。

初回だけは、前期の決算書と申告書の控え、期首時点の残高が分かる資料も渡します。期首残高が合っていないと、その後の帳簿がすべてずれるためです。

月次の締めスケジュールと修正依頼のリードタイム

運用が始まったら、毎月同じリズムで回すことが要になります。提出日を決め、納品日を決め、確認の期限を決める。この3点を契約時に取り決めておくと、月末に慌てずに済みます。

まとめて年に一度処理すればよい、という運用は制度上とれません。国税庁は前掲の一問一答で、課税期間中に記帳せず期間終了後にまとめて記帳することを委託する方法は認められないとしています。月次で回す体制は、業務上の都合というより制度側の要請でもあります。

納品された試算表に誤りを見つけたときの修正依頼についても、何営業日で反映されるかを確認しておきます。決算前の繁忙期に修正が重なると、この日数が資金繰りの判断の遅れに直結します。

期の途中からの依頼・他社からの乗り換え・解約時のデータ返却

期の途中から依頼する場合は、期首からその月までの記帳をどう扱うかを決めます。遡って入力してもらう場合、その分は通常の月額とは別に見積もられるのが一般的です。

他社から乗り換えるときは、これまでの帳簿データを引き継げる形式で受け取れるかが分かれ目になります。会計ソフトのバックアップファイルで渡せるのか、CSVでの出力になるのかで、移行後の手戻りが変わります。

解約時の扱いも契約前に確かめておきます。帳簿データをどの形式で返してもらえるか、預けている証憑の原本がいつ戻るか、解約後にデータが保持される期間はどれくらいか。保存義務は自社に残るため、返却されないまま契約が切れる事態は避けなければなりません。

まとめ

記帳代行サービスを選ぶ出発点は、自社の仕訳数と、外に出したい仕事の範囲です。この2つが決まれば、料金の水準と候補となるタイプは自ずと絞られます。

目安としては、記帳だけを切り出すなら月100仕訳で5,000円から16,500円ほどの帯で、仕訳数ごとの料金を公開している会社から選べます。記帳の手前の請求・入金管理も詰まっているなら経理実務まで含む型(公開額は月1万円弱から数十万円)、決算・申告まで一本化したいなら月15,000円から50,000円ほどの帯で決算料の扱いを確認する、という並びになります。

比べるときは、月額だけでなく決算・申告料や初期費用を含めた年間総額で並べてください。前述の試算では、月額25,000円の社が年間では月額30,000円の社より30,000円高くなりました。月額の順位と年間総額の順位は入れ替わります。

候補が絞りきれない場合は、選定診断ツール比較表に戻って、自社の仕訳数と任せたい範囲から候補を確かめてください。

また、記帳を任せても帳簿の保存義務と申告内容の責任は自社に残ります。月次で戻ってくる試算表を誰が確認するかまで決めたうえで、契約に進むのが安全です。

MCB FinTechカタログでは、これらの記帳代行サービスの詳細な資料を無料で請求できます。ぜひ各社の資料をご覧になって、自社に合うサービスの比較検討を進めてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 記帳代行サービスとは何ですか?

A. 記帳代行サービスとは、領収書・請求書・通帳などの証憑をもとに、会計ソフトへの仕訳入力と帳簿の作成を代わりに行うサービスです。

証憑を渡すと、仕訳帳や総勘定元帳が整った状態で戻ってきます。多くのサービスは証憑の整理・スキャンや月次試算表の作成までを標準またはオプションで引き受けますが、決算書の作成や申告書の作成は標準的な範囲には含まれません。

Q. 記帳代行と経理代行・税務顧問はどう違いますか?

A. 記帳代行と経理代行・税務顧問の違いは、引き受ける業務がどこまで広がるかと、税務まで含むかどうかの2点にあります。

記帳代行は仕訳入力と帳簿作成に絞った形態、経理代行・会計代行は請求書の発行・入金の消込・支払・経費精算・月次決算まで広げた形態、税務顧問契約は税務相談や税務代理を柱にしたものです。各社が使う「丸投げ」という言葉も指す範囲が一様ではないため、見積の段階で決算書の作成と申告書の提出がその金額に入っているかを確認してください。

Q. 記帳代行を税理士資格のない会社に依頼しても違法になりませんか?

A. 記帳代行は、税理士資格のない会社に依頼しても税理士法違反にはなりません。税理士だけが業として行える仕事は税理士法第2条第1項に3つ(税務代理・税務書類の作成・税務相談)だけ挙げられており、会計帳簿の記帳の代行は同じ第2条でも第2項に、別の項として書き分けられているためです。

第1項第2号の「税務書類の作成」も、対象は税務官公署に提出する書類に限られています。仕訳帳・総勘定元帳・試算表は税務署に提出する書類ではないため、ここには含まれません。資格のない者に禁じられているのは第52条にいう「税理士業務」=第1項の3業務であり、違反した場合は2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される場合があります(同法第59条第1項第4号)。

出典・参考資料(2件)

Q. 記帳代行会社に、勘定科目や消費税の課税区分の判断まで任せられますか?

A. どこまで任せられるかは作業の名前ではなく、その判断を誰が下しているかで変わるため、契約時に取り決めておく必要があります。税理士法基本通達2-5は、税務書類を「作成する」とは自己の判断に基づいて作成することをいい、単なる代書は含まないとしています。

委託した側が科目や課税区分を決め、代行会社はそのとおりに入力するだけであれば代書の側です。反対に、判断そのものを代行会社に委ねるほど独占業務に近づいていきます。見積や商談の場では「税務判断はどちらが持つ契約か」「判断に迷う仕訳が出たときに自社へ確認が来るのか」を確かめてください。

出典・参考資料(1件)

Q. 記帳代行サービスの料金はどのように決まりますか?

A. 記帳代行サービスの料金は、月の仕訳数を基準に、1仕訳あたりの単価を掛ける従量課金・一定の仕訳数までを含んだ月額定額・作業時間に単価を掛ける時間制の3つの形で決まります。

同じ仕訳数でも、証憑の整理状態、消費税の課税事業者かどうか、受け渡しの方法、納品までの日数、記帳以外の作業を含むかで金額は動きます。各社が公開している実額は、本記事の料金相場の章に仕訳数レンジ別に並べています。

Q. 記帳代行サービスでは何を1仕訳と数えるのですか?

A. 何を1仕訳と数えるかは会社によって定義が異なるため、見積を比べる前に各社へ同じ言葉で確認する必要があります

通帳の1行を1仕訳とするのか、領収書1枚を1件と数えるのか。複合仕訳を1件と数えるのか行数で数えるのか。この定義がそろっていないまま単価だけを比べると、実際に請求される総額の順位が入れ替わることがあります。自社の直近1か月の証憑の枚数と通帳の明細行数を数えたうえで、各社の定義に当てはめてください。

Q. 記帳代行サービスに決算や税務申告まで依頼できますか?

A. 決算書や申告書の作成まで依頼できるかは、その依頼先に税理士がいるかどうかで決まります。申告書の作成は税理士法第2条第1項第2号にあたるため、記帳を専業とする会社では範囲外か、提携する税理士への引き継ぎという形になります。

税理士法人・会計事務所が母体のサービスであれば、記帳から決算・申告までを一本化できます。一貫対応をうたう会社を選ぶ場合は、税理士証票の提示を求めるほか、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで登録の有無を自分で確認できます。記帳だけを安く外に出す形と決算まで一本化する形は、月額の順位と年間総額の順位が入れ替わることがあるため、決算・申告料まで含めて比べてください。

出典・参考資料(1件)

Q. 記帳代行サービスに一部の作業だけを依頼することはできますか?

A. 記帳代行サービスは、作業の一部だけを切り出して依頼する形にも対応できるのが一般的です。経費精算は社内に残して量の多い仕訳だけを外に出す、期中は自社で入力して決算だけを税理士に依頼する、といった分け方ができます。

ただし、範囲の切れ目で作業が止まらないかは確認してください。記帳だけを外に出しても、請求書の発行や入金の確認が社内に残ったままだと、そちらが遅れて仕訳の材料が揃わず、結局は月次が締まらないことがあります。

Q. 個人事業主や副業でも記帳代行サービスを利用できますか?

A. 記帳代行サービスは、個人事業主や副業の規模でも利用できます。仕訳数の少ないレンジから料金を公開している会社が多く、月数十件程度の仕訳から受け付けているサービスもあります。

ただし、法人格を持つ企業のみを契約対象としている会社もあるため、申し込み前に対象を確認してください。個人事業主の場合、帳簿書類の保存期間は書類の種類によって7年と5年に分かれます。

出典・参考資料(1件)

Q. いま使っている会計ソフトのまま記帳代行サービスに任せられますか?

A. 会計ソフトを変えずに任せられるかは会社によって幅があり、対応ソフトを1〜2種類に絞っている会社もあれば、数十種類に対応している会社もあります

確認したいのは、対応可否そのものと、データの受け渡し方です。自社のクラウド会計に代行会社のアカウントを招待して直接入力してもらう形か、CSVなどで納品されて自社で取り込む形かで、月々の手間が変わります。これから会計ソフトを変える予定があるなら、移行費用が別途かかるかもあわせて聞いておくと、初年度の総額を読み違えずに済みます。

Q. 記帳代行サービスは期の途中からでも依頼できますか?他社から乗り換えられますか?

A. 記帳代行サービスは、期の途中からの依頼も他社からの乗り換えも可能ですが、期首からその月までの記帳をどう扱うかを先に決める必要があります。遡って入力してもらう場合、その分は通常の月額とは別に見積もられるのが一般的です。

乗り換えのときは、これまでの帳簿データを引き継げる形式で受け取れるかが分かれ目になります。会計ソフトのバックアップファイルで渡せるのか、CSVでの出力になるのかで、移行後の手戻りが変わります。あわせて、前期の決算書と期首時点の残高が分かる資料を渡してください。期首残高が合っていないと、その後の帳簿がすべてずれます。

Q. 記帳代行サービスに領収書の原本を渡す必要がありますか?

A. 領収書の原本を渡すかどうかは受け渡し方法によって変わり、スキャンデータの送信や専用アプリでの撮影、クラウド共有で完結する運用なら原本は手元に残せます

原本を郵送する運用では、手元から証憑が離れる期間が生じ、その間に取引先から問い合わせが来ても確認できません。消費税の課税事業者にとっては、帳簿と請求書等の保存が仕入税額控除の要件でもあります(消費税法第30条第7項)。原本を預ける場合は、返却の時期と保管中の扱いを契約前に決めておいてください。

出典・参考資料(1件)

Q. 記帳代行サービスに依頼すると、毎月何がいつ届きますか?

A. 毎月届くのは、入力済みの仕訳データと帳簿、そして月次試算表(損益計算書・貸借対照表)が中心です。

証憑を送ってから戻るまでの日数は、数営業日で納品する会社から20日程度を標準とする会社まで差が大きい項目です。自社が月次の数字を必要とする時期から逆算して間に合うかを判断し、あわせて誤りを見つけたときの修正が何営業日で反映されるかも確認しておいてください。

Q. 記帳を外部に任せると、帳簿の保存義務や申告内容の責任はどうなりますか?

A. 記帳を外部に委託しても、帳簿書類を保存する義務も申告内容の責任も、委託した事業者側に残ります。法人税法第126条第1項は青色申告の承認を受けている内国法人に帳簿書類の備付け・記録・保存を義務づけており、義務の名宛人は法人本人だからです。

保存期間は、法人の場合その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間で、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた事業年度などは10年間になります。記載内容についても、申告納税方式のもとでは納付すべき税額は納税者の申告によって確定するため(国税通則法第16条第1項第1号)、帳簿をもとに作られた申告の内容は納税者自身のものとして扱われます。

出典・参考資料(3件)

Q. 記帳代行サービスに任せれば、税務調査で指摘されなくなりますか?

A. 記帳を外部に任せても、税務調査で指摘を受けなくなるわけではありません。渡した資料そのものに漏れがあれば帳簿にも反映されませんし、指摘を受けるかどうかは取引の実態にもよります。

国税不服審判所の公表裁決は、税理士の過失によって過少申告となった場合でも、申告書は納税者の責任において提出されたものであり、過少申告加算税が免除される「正当な理由」にはあたらないと判断しています(相続税の事案)。なお裁決が引く国税通則法第65条第4項は当時の条番号で、正当な理由の規定は現行では第65条第5項第1号にあたります。

資格を持つ税理士に任せた場合ですらこの判断であることを踏まえ、月次で戻ってくる試算表を社内の誰が確認するかまで決めておいてください。

出典・参考資料(2件)

Q. 電子帳簿保存法への対応は記帳代行サービスがやってくれますか?

A. 記帳代行業者への委託自体は認められていますが、帳簿の保存場所を代行会社の所在地にすることは認められず、自社で帳簿を出力できる状態を保つ義務は残ります。国税庁は電子帳簿保存法の一問一答で、記帳代行業者への委託を正面から扱い、この点を明示しています。

データそのものが委託先のクラウドにあること自体は問題になりません。保存場所の端末と通信回線で結ばれ、画面と書面に速やかに出力できるなら、クラウドサービスや海外のサーバであっても保存場所に保存されているものとして取り扱われます。商談では「御社のシステムから、当社の事業所でいつでも帳簿を出力できますか」と具体的に確認してください。

メールやWebで受け取った電子取引データの保存は法律上の義務ですが(同法第7条)、紙の書類をスキャンして保存するスキャナ保存は「代えることができる」と定められた任意の制度です(同法第4条第3項)。この義務と任意の別は、代行会社との役割分担を決める前提になります。

出典・参考資料(3件)

Q. 1年分の記帳をまとめて記帳代行サービスに依頼することはできますか?

A. 課税期間中に記帳せず、期間が終わってから1年分をまとめて記帳することを委託する方法は、認められていません。国税庁は電子帳簿保存法の一問一答で、この委託方法を明確に否定しています。

作成を外部に委託している場合も、定期的にデータの還元を受け、備付けの期間中も画面と書面に出力できる状態にしておく必要があるためです。月次で回す運用は、業務上の都合というより制度側の要請でもあります。決算直前にまとめて依頼する前提で見積もらないでください。

出典・参考資料(1件)

Q. 記帳代行サービスを解約したら、帳簿データや預けた証憑はどうなりますか?

A. 解約後の扱いは契約によって異なるため、帳簿データの返却形式・証憑の原本が戻る時期・解約後にデータが保持される期間の3点を、契約前に取り決めておく必要があります

帳簿書類を保存する義務は自社に残るため、返却されないまま契約が切れる事態は避けなければなりません。会計ソフトのバックアップファイルで受け取れるのか、CSVでの出力になるのかは、次の依頼先への移行のしやすさにも直結します。最低利用期間と中途解約時の扱いも、あわせて確認してください。

Q. 記帳代行サービスに証憑を渡すときのセキュリティはどう確認すればよいですか?

A. 記帳代行サービスのセキュリティは、公式サイトで確認できるプライバシーマークやISO/IEC 27001(ISMS)の取得状況と、商談で聞く再委託の有無・秘密保持契約の範囲・担当者が固定されるかの3点で確認します。

認証を取得している場合は、登録範囲に記帳業務が含まれるかまで見ておくと確かです。渡すのは取引先名・金額・口座情報が載った証憑であるため、作業を外部に再委託しているかどうかと、再委託先とも秘密保持契約を結んでいるかは、契約前に押さえておきたい項目です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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