「暗号資産交換業」とは、暗号資産の売買や交換、その媒介、利用者の暗号資産の管理などを業として行う事業のことで、これらを行うには内閣総理大臣(実務上の窓口は金融庁・財務局)の登録が必要です。ビットコインなどの取引所・販売所を運営する事業がこれにあたり、登録を受けずに営むことは法律で禁じられています。
この記事では、暗号資産交換業の定義から、自社の事業が登録の対象になるのかの見分け方、登録要件、申請の流れと費用の目安、登録後も続く運用の負担までを、資金決済法や内閣府令の条文に紐づけて一続きで整理します。新規参入を検討する事業者が「自社は対象か・何が必要で・どう進めるか」を判断できる状態を目指します。
目次
一括ダウンロードする
暗号資産交換業とは(資金決済法上の定義と登録制)
まず、暗号資産交換業がどんな事業を指し、なぜ登録が要るのかを結論から確認します。
ここでいう「暗号資産」は、資金決済に関する法律(以下、資金決済法)第2条第14項が定義しています。物品購入などの代価の弁済に不特定の者に対して使え、不特定の者との間で売買でき、電子情報処理組織を用いて移転できる財産的価値などを指し、ビットコインやイーサリアムなどがこれにあたります。円やドルといった法定通貨、通貨建資産、電子決済手段(いわゆるステーブルコインの一部)は暗号資産から除かれます。
ここで暗号資産から除かれる電子決済手段(ステーブルコインの一部)は、暗号資産交換業とは別の規制の枠組みで扱われます。自社が扱おうとしているのがステーブルコインにあたる場合は、その種類・規制の違いや発行の進め方を次の記事で整理しています。
ステーブルコイン発行とは?種類・規制からおすすめ発行支援サービスの比較・選び方まで解説
「自社で円建てのステーブルコインを発行したい」「決済や送金にステーブルコインを活用したい」。改正資金決済法の施行や、JPYC・大手金融機関の相次ぐ参入を受けて、こうした検討を始める企業が増えています。 ただし、ステーブルコインの発行は誰でも…
その暗号資産を扱う事業のうち、登録が必要になる範囲が資金決済法で定められています。登録義務そのものは、第63条の2が次のように定めています。
暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない。
出典:資金決済に関する法律 第63条の2|e-Gov法令検索
条文上の登録権者は「内閣総理大臣」ですが、実際の登録申請や監督の窓口は金融庁・各財務局です。金融庁が公表する登録一覧でも、登録番号は「関東財務局長 第00001号」のように財務局長名で付番されており、権限が委任されている実務がうかがえます。次章からは、この登録が「自社にも必要なのか」を見分けるところから順に掘り下げます。
出典・参考資料(2件)
自社は登録対象か:登録が必要になる「特定行為」の線引き
ここからは、どんな行為をすると暗号資産交換業の登録が必要になるのかを、条文の言葉に沿って確認します。
資金決済法第2条第15項は、「暗号資産交換業」にあたる行為を次のように列挙しています。この4つのいずれかを「業として」行えば、登録の対象です。
この法律において「暗号資産交換業」とは、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいい…
出典:資金決済に関する法律 第2条第15項|e-Gov法令検索
一 暗号資産の売買又は他の暗号資産との交換
二 前号に掲げる行為の媒介、取次ぎ又は代理
三 その行う前二号に掲げる行為に関して、利用者の金銭の管理をすること。
四 他人のために暗号資産の管理をすること(当該管理を業として行うことにつき他の法律に特別の規定のある場合を除く。)。
この4類型を整理すると、次のようになります。

ポイントは、これらの行為の「いずれか」に該当すれば対象になることです。自社で暗号資産の売買・交換を行う取引所・販売所は、当然この対象に含まれます。
加えて、売買を自社では行わず他社の売買を媒介・取次ぎ・代理するだけの事業や、他人のために暗号資産を預かって管理するだけの事業(カストディ)も、それぞれ第2号・第4号に該当し得ます。「売買はしていないから対象外」と早合点しないことが、最初の自己判定の勘所です。
自社の構想を4類型に照らすと、たとえば次のような整理になります。あくまで一般的な目安で、最終的な該当性は個別の実態に即して判断されるため、線引きが微妙な場合は当局・専門家への確認が前提です。
- 該当し得る例:利用者向けに暗号資産の売買・交換の場を継続的に提供する(取引所・販売所)/他社取引所への売買を取り次ぐ・媒介する/利用者の暗号資産の秘密鍵を事業者側で預かって管理する(ホスト型ウォレット・カストディ)
- 該当しにくい例:利用者自身が秘密鍵を管理し事業者は預からない非カストディ型ウォレットの提供/暗号資産の情報提供・価格表示にとどまり売買の場や仲介を担わないサービス(いずれも実態次第で判断は変わります)
自社発行トークンの取り扱いや、他の法規制(金融商品取引法など)との関係で判断が分かれる領域もあるため、事業設計の早い段階で該当性を確かめておくと、後戻りを避けられます。
もう一つの判断軸が「業として」という要件です。この意味について、金融庁の事務ガイドラインは次のように解釈を示しています。
法第2条第15項に規定する「業として行うこと」とは、「対公衆性」のある行為で「反復継続性」をもって行うことをいうものと解されるが、具体的な行為が「対公衆性」や「反復継続性」を有するものであるか否かについては、個別事例ごとに実態に即して実質的に判断するべきである。
出典:事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係 16 暗号資産交換業者関係)Ⅰ-1-2-2|金融庁
このように、不特定多数に向けて(対公衆性)、繰り返し継続して(反復継続性)行う実態があるかどうかが、「業として」の判断の中心になります。実際に反復継続している場合だけでなく、それが想定されている場合も含まれる点にも留意が必要です。自社のサービスがこの線引きに近いと感じたら、次章以降の要件も踏まえつつ、早い段階で当局や専門家に相談して該当性を確かめておくと安全です。
出典・参考資料(2件)
暗号資産交換業者の登録状況と主な事業者
次に、いまどれだけの事業者が登録しているのかを、一次情報で確認します。社数は時点によって変わるため、出所と取得時点を添えて見ておきます。
金融庁が公表する「暗号資産交換業者登録一覧」によれば、登録業者数は27社(2026年8月21日時点)です。内訳は関東財務局登録が25社、近畿財務局登録が2社で、各社の登録番号・商号・所在地が一覧化されています。
登録業者には、コインチェック・bitFlyer・GMOコイン・ビットバンク・SBI VCトレードといった国内の主要な取引所が含まれます。全社の顔ぶれは変動するため、最新はこの一覧のPDFで確認するのが確実です。
一方、暗号資産交換業者の自主規制団体である一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)の会員紹介では、暗号資産交換業として26社(2026年9月時点)が会員として掲載されています。金融庁の登録数(27社)と会員数(26社)に差があるのは、集計主体と時点が異なるためで、どちらも変動します。数字を引用する際は、必ずどちらの出所のいつ時点の数値かをセットで押さえておくと、認識のずれを避けられます。
出典・参考資料(2件)
暗号資産交換業の登録要件【要件項目×内容×根拠条文の一望表】
ここからは、登録に必要な要件を一望できる形で整理します。個々の要件は資金決済法・内閣府令・事務ガイドラインに分かれて定められているため、まず「要件項目・主な内容・根拠条文」を一つの表にまとめ、そのうえで押さえどころを補足します。
| 要件項目 | 主な内容 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 法人形態 | 株式会社、または国内に営業所を持つ外国暗号資産交換業者であること | 資金決済法63条の5第1項1号 |
| 財産的基礎 | 資本金1,000万円以上、かつ純資産額が負でないこと(暗号資産の管理を行う場合は履行保証暗号資産の円換算額以上) | 資金決済法63条の5第1項3号/暗号資産交換業者に関する内閣府令9条 |
| 業務運営・法令遵守体制 | 暗号資産交換業を適正かつ確実に遂行する体制と、法令を遵守するための体制の整備 | 資金決済法63条の5第1項4号・5号 |
| 利用者財産の分別管理・信託 | 利用者の金銭は自己の金銭と分別し信託会社等へ信託、利用者の暗号資産は自己の暗号資産と分別して管理 | 資金決済法63条の11 |
| AML・CFT(マネロン・テロ資金供与対策) | 取引時確認・疑わしい取引の届出等(暗号資産交換業者は犯収法上の特定事業者)、暗号資産移転時の通知義務(トラベルルール) | 犯罪収益移転防止法2条2項32号・10条の5 |
| システムリスク管理 | 利用者の暗号資産は原則コールドウォレットで管理、ホットウォレットは利用者暗号資産の5%以内、同種・同量の履行保証暗号資産を保有 | 暗号資産交換業者に関する内閣府令27条・29条 |
| 自主規制団体への加入 | 認定資金決済事業者協会(JVCEA)への加入、または加入しない場合は自主規制規則に準ずる社内規則の整備・遵守 | 資金決済法63条の5第1項6号 |
これらの要件は、登録を拒否する事由を定めた資金決済法第63条の5を裏返したものです。表の中でも特に問い合わせが多い「財産的基礎」は、同条第3号の委任を受けた内閣府令が具体的な数値を定めています。
法第六十三条の五第一項第三号に規定する内閣府令で定める基準は、次に掲げるものとする。
出典:暗号資産交換業者に関する内閣府令 第9条|e-Gov法令検索
一 資本金の額が一千万円以上であること。
二 純資産額が負の値でないこと(暗号資産の管理を行う者にあっては、履行保証暗号資産の数量を本邦通貨に換算した金額以上であること。)。
資本金1,000万円以上という数値は、あくまで登録の入口の基準です。実際には、暗号資産交換業を継続的・安定的に運営できる財務体力が問われるため、この額を用意すれば十分というものではありません。
表だけでは伝わりにくい要件を、3点だけ補足します。1つ目の分別管理・信託は、利用者の金銭を信託会社等に信託し、利用者の暗号資産を自社の資産と分けて管理する義務です(資金決済法63条の11)。
2つ目のシステムリスク管理では、利用者の暗号資産を原則としてコールドウォレット(常時インターネットに接続しない環境)で管理し、利便性のために必要な最小限のホットウォレットは利用者の暗号資産の5%以内にとどめるよう内閣府令27条が求めています。「コールドウォレットで95%以上」と説明されるのは、この5%上限の裏返しです。
あわせて、このホットウォレット相当分については、万一の弁済に備えて同種・同量の暗号資産を「履行保証暗号資産」(利用者への弁済原資として自社が保有する暗号資産)として保有し、原則コールドウォレットで管理することも求められます(内閣府令29条)。
3つ目のAML・CFTでは、暗号資産交換業者が犯罪収益移転防止法上の「特定事業者」に位置づけられ(同法2条2項32号)、取引時確認や、暗号資産の移転に伴う通知義務(トラベルルール。同法10条の5)を負います。
出典・参考資料(3件)
登録申請の流れと実務のハードル
要件がそろっても、登録までの道のりには相応の時間と労力がかかります。ここでは、申請のステップと審査期間、そして登録の難度・費用の目安を順に見ていきます。
申請のステップと審査期間
登録申請は、いきなり申請書を出すのではなく、当局との事前相談から始まるのが実務の通例です。金融庁が公表した審査プロセスの資料では、大きく次の流れが示されています。
- 事前相談:申請予定者との対話や書面等にもとづく確認(概ね3〜4か月程度)、および現場での実効性の確認(訪問による確認)
- 登録申請:登録申請書の受理と、登録の可否の判断(概ね1〜2か月程度)

この主要プロセスを通した審査期間の公式の目安は、次のとおりです。
主要プロセス開始から登録まで概ね6ヶ月程度
出典:仮想通貨交換業者の新規登録申請の審査等に係るプロセス及び時間的な目安|金融庁
ただし、この「概ね6か月」には注意書きがあります。同じ資料は、この期間について「申請(予定)者による書類の補正等のために要する期間を含まない」と明記しています。
この6か月は主要プロセスが順調に進んだ場合の目安であり、書類の補正や体制整備のやり直しに時間がかかれば、その分だけ長引きます。
実際、登録支援を行う行政書士事務所(行政書士トーラス総合法務事務所)の解説では、事前相談を含めて1年を超えることもあるとされています。公式の目安が補正期間を含まないぶん、実務の所要期間とは開きが出やすい点を、計画に織り込んでおくと安全です。
登録の難度と費用の目安
審査が長引きやすいのは、書類の形式だけでなく、体制の実効性まで確認されるためです。登録申請書には、業務を適正かつ確実に遂行する体制の整備に関する書類の添付が求められ(資金決済法63条の3)、当局は事前相談の段階で対話や現場確認を通じてその実質を見ます。要件を紙の上でそろえるだけでなく、実際に回る運用として示せるかどうかが、難度を左右します。
要件を実際に回る運用へ落とし込む難しさは、登録支援の現場からも語られています。暗号資産交換業の登録支援を手がけるfinojectの三根氏は、支援で重視している点を次のように説明しています。

机上の整理で終わらせないことを最も重視しています。ライセンス取得はあくまでスタートラインであり、取得後に実際の業務が滞りなく回ることがゴールです。そのために、態勢構築の段階から実務を想定した設計を行い、マニュアルやフローを作って終わりではなく、実際に運用してみた際に起こりうる課題まで想定した仕組みづくりを心がけています。
費用については、公開されている情報が限られ、事業規模や体制の作り込みによって大きく変わります。登録支援を専門とする行政書士事務所の一つ(行政書士トーラス総合法務事務所)は、支援費用の目安として概ね2,000万円程度からのタイムチャージ制を挙げています。
あくまで一事例ですが、外部の専門家を使う場合の相場感の一つの手がかりになります。実際の見積もりは、自社の体制の現状と、どこまで外部に任せるかによって変わるため、複数の支援先に相談して比較するのが現実的です。
費用は、大きく3つに分けて考えると見通しが立ちます。1つ目は国への登録手続き自体にかかる実費、2つ目は要件を満たす体制を整え外部の支援を受ける費用、3つ目は登録後に継続してかかる費用です。
1つ目の実費の中心は登録免許税です。暗号資産交換業者の新規登録には、登録免許税として15万円がかかります(登録免許税法別表第一)。金額として大きくなりやすいのは2つ目と3つ目で、登録免許税の15万円は手続き上の実費という位置づけです。
中心になるのは2つ目と3つ目です。3つ目の継続費用には、分別管理の状況を確認する公認会計士等の監査(資金決済法63条の11第3項)、JVCEAの会費、AML・システムの運用体制の維持などが含まれ、登録後もランニングコストとして続きます。資本金1,000万円は入口の基準にすぎず、体制整備と継続運用まで含めた資金計画が必要になります。
出典・参考資料(3件)
登録して終わりではない:登録後に続く自主規制・運用負担
登録はゴールではなく、継続的な義務の始まりです。登録後も守り続ける必要がある主な負担を整理します。
まず、自主規制団体であるJVCEAへの対応です。資金決済法第63条の5第1項第6号は、認定資金決済事業者協会に加入しない場合、その自主規制規則に準ずる社内規則の作成と遵守体制の整備を求めています。加入するか、準ずる社内規則を整えるかの二択であり、実務上はJVCEAに加入して自主規制規則に従うのが標準的です。加入後は、協会の自主規制規則にもとづく継続的な対応が求められます。
次に、利用者財産の管理です。分別管理の状況については、内閣府令の定めにより、定期的に公認会計士または監査法人の監査を受けなければなりません(資金決済法63条の11第3項)。信託の維持、コールドウォレット中心の管理体制の運用も、登録後に継続して求められます。
さらに、マネロン・テロ資金供与対策も継続業務です。取引時確認や疑わしい取引の届出、トラベルルール(暗号資産の移転に係る通知義務。犯罪収益移転防止法10条の5)への対応は、登録後も日々の運用として回し続ける必要があります。登録の準備段階から、これらの継続コストを見込んでおくことが欠かせません。
出典・参考資料(2件)
一括ダウンロードする
交換業を丸ごと持たずに参入する道:2025年改正資金決済法の仲介業
ここまで見たとおり、暗号資産交換業の登録は要件も運用負担も重いものです。そこで、交換業のライセンスを自社で丸ごと持たずに暗号資産事業へ関わる選択肢として、2025年の資金決済法改正で新設された仲介の枠組みにも触れておきます。
2025年改正資金決済法(令和7年法律第66号)は、「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」を創設しました。このうち暗号資産に関わる部分は、暗号資産交換業者以外の者が、交換業者の委託を受けて、暗号資産の売買・交換の媒介などを行う「暗号資産仲介行為」を指します(資金決済法2条18項)。
この仲介業の登録は第63条の22の2に定められ、交換業の登録で問われる資本金などの財産的基礎(財務要件)は課されない点が、交換業との大きな違いです。
この改正法は2025年6月13日に公布され、仲介業に関する規定は2026年6月1日に施行されています。自社で暗号資産を預からず、既存の交換業者と組んで売買の媒介から参入するといった設計が制度上は可能になりました。ただし、仲介業にも登録や体制整備は必要で、どの枠組みが自社の事業に合うかは、扱う暗号資産・サービス設計・利用者保護の観点から個別の検討が要ります。
出典・参考資料(2件)
暗号資産交換業の登録・Web3事業の立ち上げを支援するサービス
ここまでの要件・審査・運用を自社だけで整えるのは負担が大きいと感じたら、登録支援やWeb3事業の立ち上げを専門とするコンサルティングを使う選択肢があります。当局対応のノウハウや、要件を実際に回る運用へ落とし込む力は、外部の知見が効く領域です。ここでは、暗号資産交換業の登録やWeb3事業の立ち上げに適したサービスを紹介します。
まずは、支援領域や対応範囲を一覧で比べておきます。3社は得意な角度が異なるため、自社が何を最優先で相談したいかで読み分けると選びやすくなります。
下の表の「主な支援領域」欄と各社の紹介を見比べると、暗号資産交換業の登録支援そのものを最優先にするのか、事業スキームの設計や事業立ち上げ全般まで含めるのかで、フィットする相手が変わることが見えてきます。3社はいずれもWeb3事業支援を手がけますが、登録支援に直接応えられるかは各社で異なります。
| サービス名 | finoject | Web3事業立ち上げ・導入支援コンサルティング|Consensus Base | MCB Web3支援サービス |
|---|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社finoject (代表は元bitFlyer HD代表) | コンセンサス・ベイス株式会社 (2015年設立・日本初のブロックチェーン技術専門企業を標榜) | マネックスクリプトバンク株式会社 (マネックスグループ100%子会社) |
| 主な支援領域 | 暗号資産交換業・金融商品取引業のライセンス登録支援と規制対応 | Web3事業の立ち上げ・既存サービスへのWeb3導入支援 | Web3事業の調査・企画〜NFT/トークン発行・IEO/INO支援 |
| 暗号資産交換業の登録支援 | ◎登録取得〜運用まで一貫支援 | △金融規制対応・スキーム設計を支援 | ×登録支援は支援メニューになし |
| 対応範囲 | 戦略・設計〜登録取得〜態勢構築〜運用まで伴走 | 戦略立案〜スマートコントラクト実装〜組織構築まで一気通貫 | 調査・企画〜発行・運営まで工程横断で支援 |
| 初期費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 月額費用 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
ここで取り上げた3社は一例です。暗号資産交換業の登録支援からWeb3事業の立ち上げまで、支援範囲・対応領域・実績を横断的に比較して自社に合う支援先を探したい場合は、以下のまとめ記事もあわせてご覧ください。
Web3×地方創生とは?DAO活用事例で見る地域活性化戦略とWeb3支援サービス
地方の人口減少や財政難に悩む自治体で、「Web3」や「DAO」といった言葉を耳にする機会が増えています。「ブロックチェーンで地域課題を解決できるのか?」と疑問に思う方も少なくありません。 しかし実際には、NFTを活用して全国から資金やファン…
1. finoject(株式会社finoject)

finojectは、暗号資産交換業のライセンス登録支援に強みを持つコンサルティング会社です。特定のプロダクトを売るのではなく、企業がWeb3・ブロックチェーン領域へ参入する際の伴走支援を行う点を掲げています。暗号資産交換業を営むコインチェックやbitFlyerでの実務経験を持つメンバーが、当局とのコミュニケーションの勘所を踏まえて支援にあたります。
同社が重視するのは、ライセンス取得を「絵に描いた餅」で終わらせないことです。書類上は要件を満たしても運用が回らないという事態を避けるため、初期の登録取得から取得後の実務運用までを一貫して支援する姿勢を示しています。これから登録を目指す事業者にとって、要件を実務に落とし込む段階での相談先として検討できます。
2. Web3事業立ち上げ・導入支援コンサルティング(コンセンサス・ベイス株式会社)

コンセンサス・ベイス株式会社は、2015年設立で「日本初のブロックチェーン技術の専門企業」を掲げる会社です。本サービスは、企業のWeb3事業の立ち上げや既存サービスへのWeb3導入を、戦略立案から技術実装、組織構築まで一気通貫で支援するコンサルティングを対象としています。
特徴は、事業側と技術側の両面から支援できる点です。資金決済法や金融商品取引法といった日本の金融規制に沿ったスキーム設計の支援も掲げており、規制対応が必要な暗号資産・ステーブルコイン関連の事業構想を持つ企業の技術パートナーとして位置づけられます。公式サイトには累計43社・103件超のWeb3プロジェクト実績(2026年8月時点の記載)が示されています。
3. MCB Web3支援サービス(マネックスクリプトバンク株式会社)

MCB Web3支援サービスは、マネックスグループの暗号資産・ブロックチェーン専門子会社であるマネックスクリプトバンク株式会社が提供する、伴走型のコンサルティング・実装支援サービスです。Web3関連事業への参入を検討する国内外の法人・プロジェクトに向けて、暗号資産・ブロックチェーンの知見を活かした支援を掲げています。
強みは、金融グループを基盤とする体制です。東証プライム上場のマネックスグループの100%子会社であり、コンプライアンス・法務・金融規制対応の体制を持つ親会社の基盤の上で支援を行います。グループ傘下には国内大手の暗号資産交換業者であるコインチェック株式会社があり、IEO(暗号資産取引所を通じたトークン販売)など、取引所グループとの接点が求められる構想を持つ事業者にとって相談しやすい体制です。
まとめ
暗号資産交換業について押さえておきたい要点を、次の6点に整理します。
- 定義と登録制:暗号資産の売買・交換やその媒介、利用者の暗号資産の管理などを業として行う事業で、内閣総理大臣(窓口は金融庁・財務局)の登録が必要(資金決済法63条の2)
- 登録の対象:売買・交換/その媒介・取次ぎ・代理/利用者の金銭の管理/他人のための暗号資産の管理の4類型のいずれかを「業として(対公衆性・反復継続性)」行えば対象(資金決済法2条15項)
- 登録業者の現状:金融庁の登録一覧で27社(2026年8月21日時点)、JVCEA会員としては26社(2026年9月時点)
- 登録要件:法人形態・財産的基礎(資本金1,000万円以上等)・体制整備・分別管理と信託・AML/CFT・システムリスク管理・JVCEA加入を、資金決済法と内閣府令が定める
- 申請と審査:事前相談から始まり、公式の目安は概ね6か月(書類補正期間を含まない)。実務ではさらに長引くことがあり、費用も体制次第で大きく変わる
- 登録後と別ルート:JVCEA自主規制・分別管理監査・AML継続対応など運用負担が続く。2026年6月1日施行の改正資金決済法では、財務要件のない仲介業という参入経路も新設された
要件や審査の重さを踏まえ「自社だけでは難しいかもしれない」と感じたら、登録支援やWeb3事業立ち上げのコンサルティングに相談し、要件を実務に落とし込むところから並走してもらう進め方が現実的です。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. 暗号資産交換業とは何ですか?
暗号資産交換業とは、暗号資産の売買・交換やその媒介、利用者の暗号資産の管理などを「業として」行う事業のことで、資金決済法にもとづき内閣総理大臣の登録を受けた法人だけが行えます。ビットコインなどの取引所・販売所の運営が代表例で、登録を受けた事業者を「暗号資産交換業者」と呼びます(資金決済法2条15項・16項、63条の2)。
Q. 暗号資産交換業の登録をせずに暗号資産の事業を行うことはできますか?
暗号資産交換業に該当する行為を業として行うには登録が必須で、登録を受けずに暗号資産交換業を営むことは資金決済法63条の2で禁止されています。同条は「暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない」と定めており、無登録での営業は認められません。自社のサービスが登録の対象にあたるかを、事業設計の早い段階で確かめておく必要があります。
Q. 暗号資産の売買はせず、管理だけ・媒介だけを行う場合も登録は必要ですか?
暗号資産の売買を自社で行っていない場合でも、他社の売買を媒介・取次ぎ・代理するだけの事業や、他人のために暗号資産を預かって管理するだけの事業(カストディ)も、それぞれ資金決済法2条15項2号・4号に該当し、登録の対象になり得ます。
同項は「売買・交換(1号)」「その媒介・取次ぎ・代理(2号)」「利用者の金銭の管理(3号)」「他人のための暗号資産の管理(4号)」の4類型を挙げ、そのいずれかを業として行えば登録が必要です。「売買はしていないから対象外」と早合点しないことが、自己判定の勘所です。
Q. 暗号資産交換業は個人でも登録できますか?
暗号資産交換業は個人では登録できず、株式会社(または国内に営業所を持つ外国暗号資産交換業者)であることが登録の要件です(資金決済法63条の5第1項1号)。この法人形態を満たさない申請は登録が拒否されるため、個人事業として暗号資産交換業を営むことはできません。
Q. 暗号資産交換業の登録に必要な資本金はいくらですか?
暗号資産交換業の登録に必要な資本金は、1,000万円以上と定められています(暗号資産交換業者に関する内閣府令9条)。あわせて、純資産額が負の値でないこと(暗号資産の管理を行う場合は履行保証暗号資産の円換算額以上であること)も求められます。ただしこれは登録の入口の基準にすぎず、実際には事業を継続的・安定的に運営できる財務体力が問われるため、この額を用意すれば十分というものではありません。
Q. 暗号資産交換業の登録審査にはどれくらいの期間がかかりますか?
暗号資産交換業の登録審査にかかる期間は、金融庁の公式資料で「主要プロセス開始から登録まで概ね6か月程度」が目安とされています(事前相談で概ね3〜4か月+登録申請で概ね1〜2か月)。
ただしこの6か月は、申請者による書類の補正等に要する期間を含みません。体制整備のやり直しがあれば長引き、登録支援を行う行政書士事務所の解説では、事前相談を含めて1年を超えることもあるとされます。公式の目安と実際の所要期間には開きが出やすい点を、計画に織り込んでおくと安全です。
Q. 暗号資産交換業の登録にJVCEAへの加入は必須ですか?
JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)への加入は、加入するか、加入しない場合は自主規制規則に準ずる社内規則を整備・遵守するかの二択で、法律上は「加入が絶対必須」ではありません(資金決済法63条の5第1項6号)。
ただし、準ずる社内規則を独自に整えるのは負担が重く、実務上はJVCEAに加入して自主規制規則に従うのが標準的です。JVCEAの暗号資産交換業の会員は26社(2026年9月時点)となっています。
Q. 仮想通貨交換業と暗号資産交換業は違うものですか?
仮想通貨交換業と暗号資産交換業は、実質的に同じ制度を指す呼称の違いで、資金決済法の改正により「仮想通貨」という呼称が「暗号資産」へ改められたものです。金融庁が過去に公表した資料には「仮想通貨交換業者」という旧称が残っているものもありますが、現行の資金決済法上の正式な用語は「暗号資産交換業」です。両者に制度上の違いはありません。
Q. 暗号資産交換業の登録を取らずに、暗号資産の売買の媒介から参入する方法はありますか?
暗号資産交換業の登録を自社で取得しなくても、2026年6月1日に施行された改正資金決済法により、交換業者の委託を受けて暗号資産の売買・交換の媒介などを行う「仲介業」(電子決済手段・暗号資産サービス仲介業)から参入する道があります(資金決済法2条18項・63条の22の2)。
この仲介業には、交換業で問われる資本金などの財務要件が課されない点が大きな違いです。ただし、仲介業にも登録や体制整備は必要で、どの枠組みが自社の事業に合うかは、扱う暗号資産・サービス設計・利用者保護の観点から個別の検討が要ります。
Web3ビジネス支援サービスの料金・特徴を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、Web3ビジネス支援サービスの最新資料をワンクリックで一括入手できます。暗号資産交換業の登録支援やWeb3事業の立ち上げ支援について、支援範囲・対応領域・実績などを比較しながら把握できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















