インタビュイー:
株式会社ICHIZEN HOLDINGS 代表取締役 水野 倫太郎 氏
「CRYPTO Maxi」とはどのようなサービスですか?
CRYPTO Maxiは、上場企業様が暗号資産を保有・運用する、いわゆるデジタルアセットトレジャリー(DAT)事業を立ち上げる際に、戦略設計から運用実行、IR発信、監査法人対応まで一気通貫でトータルサポートするコンサルティングサービスです。ここ1年ほどで上場企業様によるトレジャリー事業がじわじわと広がってきている中で、戦略を設計するだけ、運用を担うだけといった単発のご支援ではなく、DAT事業を実際に回していく上で必要になる実務まで全て当社で巻き取れるという点が、サービスの一番の特徴になっています。
サービス開発の経緯や背景を教えてください
共同代表の木田と私はもともと「CoinPartner(旧CoinOtaku)」という暗号資産メディアを運営しておりまして、2020年頃に上場企業様へM&Aで売却した経緯があります。実はその傘下に入って以降、当時から上場企業の中で暗号資産のディーリングや、会計税務処理、監査法人対応をずっと現場でやらせていただいてきました。期末時価評価課税の適用除外といった話題が世の中に出てくる前から、私たちは上場企業のスキームの中で実際にこの領域で実務を行なっていました。。
当社の今の1番の強みは「運用力」にあり、前社時代から、自社の暗号資運用を実践してきました。その上で弊社としては、自社運用にとどまらず、企業様へのご支援を通じて、より広義のAUM(運用資産残高)を積み上げていきたいと考えています。2020年来この現座で実務も積み重ねてきた私たちが、最もバリューを発揮できるのはまさにこの領域です。そこに正面から向き合うサービスとして、CRYPTO Maxiを立ち上げました。
競合他社と比較した際のCRYPTO Maxiの強みはどこにありますか?
大きく2点あります。1つ目は、運用面で具体的な結果を出せている点に加え、その企業様に適したKGI/KPIの設計まで踏み込んだ上で運用戦略をご提案できる点です。
ただ買って保有するだけのトレジャリーでは市場からも評価されにくくなってきており、暗号資産の非線形的な成長に株価プレミアムをそのまま委ねるのではなく、安定した運用成果によってプレミアムを可能な限りコントロールできる状態を目指すべきだと当社は考えています。設計するKPIには、コンベキシティ比率やアクレティブイールドDAT特有な指標を提案させていただいたり、株主様への公開を前提としたDAT企業の運用戦略として設計できる点が、分かりやすい強みになっていると思います。
2つ目が、内部統制まわりです。これは監査法人対応、会計税務処理を含めた広い意味での内部統制を指していますが、当社では自社開発の内部統制ツール「CRYPTO Governance」を使うことで、監査法人対応の証憑集めから経理部様が必要とするアウトプットの抽出まで、かなり効率化できる仕組みを整えています。たとえばミームコインに投資されるクライアント様の場合、Solscan(Solanaブロックチェーン上の全取引履歴、ウォレット、トークン、NFT情報などを検索・分析できるツール)を見ても価格が取得できないケースもあって、価格集計だけで大変です。そうした煩雑なものへの対応は、おそらく日本で当社が一番やってきていると思います。運用面だけでなく、こうした「めんどくさい部分」までまとめてアウトソーシングできるという点が、選ばれる決め手になっていると感じています。
DAT導入の検討は、社内のどなたから相談が始まることが多いですか?
基本的にはCEO・CFO、もしくはそこに非常に近いポジションの社外取締役の方々から、紹介経由でお声がけいただくケースが多いです。事業部単位というよりは、会社としての資本政策や中期経営の方向性に関わる意思決定として相談が立ち上がってくる印象です。
相談が多い導入理由について教えてください
一番多いのは、上場維持基準を満たすために何か新しいことを始めなければならない状況にあって、その選択肢としてDATが候補に挙がっているというパターンです。
その上で、当社にご相談いただくケースで多いのは、ただ暗号資産を購入して保有するだけのDATではもう市場に評価されにくいので、保有した資産をしっかり運用していきたい、運用面を強化したいというニーズです。当社の強みが運用にありますので、相談の段階で運用強化が論点になっていることが多いです。
「ダット(DAT)」という言葉や市場の浸透状況についてはどう見ていらっしゃいますか?
正直なところ、「ダット」という呼称自体はまだまだ浸透していないと感じます。一方で「トレジャリー企業」という言葉でいえば、メタプラネット様のような目立つ事例が出てきたこともあって、少しずつ広がってきている段階かなと思います。今後、暗号資産に関連する規制やルール整備が進むことで、企業が暗号資産を保有・運用するというあり方自体がさらに現実的なものになっていく余地は十分にあると考えています。
これまでの導入事例で、特に成果が大きかった事例はありますか?
分かりやすい事例としては、まだ社内で何も方針が定まっていない状態のお客様に対して、中期経営計画の策定やKPI・KGIの設計の段階から私たちが入らせていただいたケースがあります。最終的に、その企業様の運用において年間約45%程度のリターンを実現することができました。攻めの運用提案を、リスクの説明と内部統制をセットでしっかり整えた上で実行できたからこそ、こうした成果につながったのだと思っています。
なお、こうした運用に関わる業務はいずれも、関連する法規制や登録・ライセンスの要件を遵守したスキームの中で行っており、コンプライアンス面は当社として徹底している点を申し添えておきます。
どういった企業がCRYPTO Maxiに向いていますか?
当社のサービスとマッチしやすいのは、比較的リスク許容度が高く、様々な事への挑戦に関心がある企業様です。当社からはオプション戦略を活用した運用の強化や、DeFiを使った運用提案など、一般的な企業様から見るとやや攻めた提案をすることがあります。そうしたメニューに対して、いろいろ試してみたいというスタンスを持っていらっしゃる企業様だと、当社の強みを存分にご活用いただけると思います。実際にそういった企業様で年間約45%といったリターンを実現させていただいた実績もあります。
もちろん、当社からはリスクや想定される論点も丁寧にご説明したうえで進めていきますので、攻めの運用に挑みたいけれど不安もあるという段階の企業様にも対応できます。
サポート体制の中で、特に伴走が手厚いフェーズはどこになりますか?
結論から申し上げると、攻めの「運用面」と、守りの「会計・内部統制・監査対応」の両面が当社の伴走の中心になっています。DAT事業を進めていく以上、リスクに関するご説明とサポートはどうしても避けて通れない部分ですので、そこは本当に丁寧にお話しさせていただいています。実際に、上場企業様で「コンプライアンスに違反しない形で運用面のスキームを組みたい」というご相談に対し、運用に特化した戦略設計を行わせていただいた事例もあります。一方で、税務・会計対応は規模を問わず必須となりますので、その意味で攻めと守りの両方で一番大事な部分を当社で手厚くカバーする形になっています。
料金体系はどのようになっていますか?
料金については、戦略設計、運用、IR実務支援といった必要なメニューを選んで組み合わせていただく、パッケージ型の設計になっています。検討段階の企業様に対しては、まずは何が必要で何がそうでないかを1つずつご説明させていただきながら、お客様にとって本当に必要な範囲を一緒に見極めていく形を取っています。
判断の起点になりやすいのは、内部統制ツールまわりです。会計税務周りの対応に直結する部分ですので、ここが「絶対必須」と決まったうえで、では監査法人対応も合わせて当社で巻き取りましょうという形で関連メニューが連動して決まっていくパターンが多いです。
今後注力していく領域について教えてください
当社ICHIZEN HOLDINGSとしては、広義のAUMを積み上げていくことを会社全体の目標として掲げています。その実現に向けて、今後はクライアント様の暗号資産の運用面の強化と、それを実現するうえで絶対に必要となる内部統制ツール「CRYPTO Governance」の普及、この2点に注力していく方針です。会計税務処理、監査法人対応を含めた内部統制を、当社のツールでより効率的かつ効果的に回せるようにすることで、どんな企業様でも安心して暗号資産を保有・運用できる状態を作っていきたいと考えています。
ブロックチェーン領域への投資・参入を検討している企業へのメッセージをお願いします
AI時代だからこそ、ブロックチェーンというインフラがますます重要になると私たちは考えています。AIが銀行口座を持てない中で、AIが経済活動を行うインフラとして、瞬時に送金が完了するブロックチェーン技術はどうしても不可欠になってきます。AIの台頭を脅威に感じていらっしゃる方ほど、実はその裏側でブロックチェーンや暗号資産の重要性が増していくという視点を持っていただけると、この領域への投資判断のひとつの軸になるのではないかと思います。
「暗号資産に少し興味はあるけれど、何から手をつければいいか分からない」という段階のご相談でも問題ありませんので、お気軽にお声がけいただけますと幸いです。
まとめ・編集部コメント
株式会社ICHIZEN HOLDINGSが提供する「CRYPTO Maxi」は、上場企業向けにデジタルアセットトレジャリー(DAT)事業の立ち上げから運用、IR、監査法人対応までを一気通貫でサポートするコンサルティングサービスです。最大の特徴は、攻めの「運用面」と、守りの「内部統制(監査法人対応・会計税務処理)」の両面で具体的な結果を出せる点です。。
上場維持基準への対応を含めて新たな成長ドライバーを探している企業や、すでにDAT事業に取り組んでいるものの運用面・コンプライアンス面で課題を抱えている企業にとって、有力な選択肢となるサービスです。AIの台頭が進む時代だからこそ、暗号資産・ブロックチェーン領域への向き合い方を真剣に検討したい企業は、一度相談してみることをおすすめします。