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スマートコントラクト開発のプログラミング言語や実装方法は?ノーコードツールも紹介

スマートコントラクト 言語

ブロックチェーン技術の普及に伴い、スマートコントラクトの開発需要が急速に高まっています。従来のプログラミング経験を活かしてスマートコントラクトを開発したい方から、プログラミング未経験でもブロックチェーンビジネスに参入したい方まで、様々なニーズが存在します。

本記事では、Solidityを始めとする主要な開発言語の特徴や実装方法を解説するとともに、プログラミング知識不要で開発可能なノーコードツールまで幅広く紹介します。スマートコントラクト開発の第一歩を踏み出すための情報が詰まった内容となっています。

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スマートコントラクトとは

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上であらかじめ決められた条件を満たすことで自動的にプログラムが実行され、契約が締結される仕組みのことです。元はブロックチェーンとは切り離された概念でしたが、イーサリアムなどのブロックチェーンに組み込まれ普及したことで、今では、スマートコントラクトといえば主にブロックチェーン上に実装されたものを指すようになりました。

ブロックチェーンは、データがブロックという塊の連なりとして保存されており、それを参加するコンピュータが全員で分散管理しています。この「分散性」がブロックチェーンの最大の特徴です。

さらに、スマートコントラクトが実装されたブロックチェーンでは、あらかじめプログラムされた条件を満たしたときに、契約が自動的に実行されるという特徴も加わります。経済産業省『Web3.0事業環境整備の考え方』によると「プログラムは公開されていることから、透明性高く、安心して、自動取引に委ねることができる」とされており、利用者にとってのメリットも大きい機能といえます。

出典:経済産業省「Web3.0事業環境整備の考え方」

EthereumのスマートコントラクトにはSolidityという独自言語が存在する

Ethereumのスマートコントラクトの開発は、Solidityという言語を使って実装されることが主流です。Solidityは、イーサリアムの共同開発者であるギャビン・ウッド氏によって開発されたプログラミング言語です。人間が理解しやすい文法で記述される高級言語のひとつに分類され、C++やPython、JavaScriptを参考に作られました。

EVMでもSolidityが使える

イーサリアムのスマートコントラクト開発の中心的な環境であるEVMでもSolidityは使用可能です。むしろ、イーサリアムのスマートコントラクトを開発するにあたっては、Solidityでプログラムを記述し、EVMを活用し実装することがもっとも一般的な方法といえます。

EVMとは

EVMはEthereum Virtual Machineの略で、日本語ではイーサリアム仮想マシンと呼ばれます。イーサリアムのブロックチェーン上でスマートコントラクトを実行するための仮想環境で、他の多くの仮想環境と同じく、外部のOSやネットワークから分離されていることが特徴です。これにより、外部からの干渉を防ぎ、セキュリティを高く保つことができます。

また、他の仮想環境との違いとして、ブロックチェーンの特性に最適化されている点がいくつかあります。具体的には、ブロックチェーンに参加する全ノードで動作を共有しており、処理の一貫性が保たれていることや、無限ループや過剰なリソース消費を防ぐため、計算量に応じた手数料の「ガス代」を課すといった特徴が挙げられます。

その他のブロックチェーンではほかの言語が使われる場合もある

その他のブロックチェーンではほかの言語が使われる場合もあります。たとえば、SolanaやPolkadotというブロックチェーンではRustという言語が、CardanoというブロックチェーンではHaskellという言語が使われることが主流です。

スマートコントラクトのプログラミング・実装方法について

スマートコントラクトの実装には、先ほど紹介したSolidityのように、スマートコントラクト開発を主目的として作られた言語を使う場合と、汎用的な言語を使う場合があります。

汎用的な言語の例としては、Solanaブロックチェーンのスマートコントラクト開発で主に使われているRustがあります。言語が高性能であることや、Solana用のSDK(開発キット)が用意されていることなどからスマートコントラクト開発に採用されています。

一方、Solidityなどのスマートコントラクト専用の言語については、Rustのように別の場面での使用経験がある開発者は少ないかもしれませんが、OpenZeppelinのような便利なライブラリが充実しているため、標準機能を迅速に導入でき、効率よく開発を進められる点が大きな利点です。

上述したのはスマートコントラクトのコア部分の開発の説明ですが、コントラクトを操作するフロントエンドの部分やユーザーインターフェースのUI部分では、JavaScriptやPythonのような一般的な言語が広く使われています。

ノーコード開発サービス4選

ここまで解説してきたように、スマートコントラクトを実装するには複数の言語の知識が必要です。対応可能なエンジニアの確保にかかるコストや学習コストを節約するために、ノーコード開発サービスを利用するという選択肢があります。以下では、ノーコード開発サービスを4つ紹介します。

MultiBaas(Curvegrid株式会社)

出典元:https://ja.curvegrid.com/multibaas

MultiBaasは、東京を拠点とするブロックチェーン企業、Curvegridが提供するアプリケーション開発ツールです。WebUIとREST APIを提供し、ブロックチェーンに関する知識が少ない状態でも、EVM上でのスマートコントラクト開発が可能です。

ツールの提供だけでなく、オンボーディング時などにブロックチェーンの専門家チームに相談することもできます。2024年12月現在、イーサリアムやポリゴンなどのブロックチェーンに対応しています。

項目内容
サービス名MultiBaas
会社名Curvegrid株式会社
所在地東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル2F-C
設立年月日2017年7月24日
事業内容ブロックチェーンミドルウェアの開発・提供
実績・ゲームとブロックチェーンをつなぐ「MultiBaas for ゲーム」を発表
・公式オンラインショップ「CURVEGRID MERCH」をオープン、5周年記念の限定グッズやNFTを販売

NFT Garden(Connectiv株式会社)

出典元:https://nftgarden.app/jp/

NFT Gardenは、企業向けマルチチェーンNFT生成プラットフォームです。企業がNFTを作成しブロックチェーンで流通させたい場合に、NFT Gardenが提供するAPIやWebツールで効率よく開発ができます。ひとつのコードで、複数のブロックチェーン上で処理を実行することが可能です。

スマートコントラクトの処理ステータスをslack通知で把握できたり、NFTの生成結果やトランザクション情報を分析するためのページが用意されていたりと、NFT生成作業だけでなく、NFTに関する業務全般をサポートする機能が提供されています。

項目内容
サービス名NFT Garden
会社名Connectiv株式会社
会社所在地東京都千代田区霞が関1-4-1
設立2017年9月1日
事業内容・NFT作成支援
・Web3プロダクト開発
・web3プロモーション支援
実績・KINTOの安全運転ドライバーへ NFT証明書を発行する実証実験にNFT Gardenが採用
・日本NFTツーリズム協会と屋久島観光協会が共同で青山ビジネススクール「屋久島Web3プロジェクト」の参加証SBTを発行、NFT Garden APIと位置情報を使った特許技術を活用

MOUNTAIN(株式会社Kyuzan

出典元:https://kyuzan.com/

MOUNTAINは、スマホ向けブロックチェーンゲーム「EGGRYPTO」を開発した日本の企業Kyuzanが提供するブロックチェーン開発プラットフォームです。ゲーム開発で培った技術とノウハウを生かしたサービスが提供されています。

ノーコードで開発ができるほか、オンチェーンデータ分析やファイナンシャルレポートなど、必要な情報がダッシュボードにまとめられていることも魅力です。大手企業への導入実績もあり、たとえばスクウェア・エニックスのコレクティブルNFTとゲームを掛け合わせたプロジェクト「SYMBIOGENESIS」の開発にMOUNTAINの技術が利用されています。

項目内容
サービス名MOUNTAIN
会社名株式会社Kyuzan
会社所在地東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア WeWork
設立2018年4月4日
事業内容・NFTゲーム開発
・ブロックチェーン技術サービス
実績・NFTゲーム「EGGRYPTO(エグリプト)」が200万ダウンロードを突破
・Kyuzan、coindesk JAPAN運営のN.Avenue株式会社とNFT事業における協業を開始

HAZAMA BASE(株式会社IndieSquare

出典元:https://indiesquare.co.jp/

HAZAMA BASEは、HAZAMA(ハザマ)というブロックチェーンを開発するIndieSquareが提供するNFT発行プラットフォームです。HAZAMAは、複数のブロックチェーンをつなぐサイドチェーンに該当します。ブロックチェーン間のデータ管理や転送を安全に行うことを目的に開発されました。

HAZAMA BASEは、HAZAMAを基盤にして低コストでNFTの発行ができ、イーサリアムやポリゴンといった規模の比較的大きいブロックチェーンを選択することも可能です。各種操作が日本語で利用できることも特徴のひとつです。

項目内容
サービス名HAZAMA BASE
会社名株式会社IndieSquare
会社所在地東京都渋谷区渋谷2-2-17
設立2015年9月2日
事業内容NFTやトークンの発行、DAO展開ツールの提供
実績・自由民主党青年局が、2022年5月28、29日に開催された会議・研修会の参加者に向けて参加を証明する譲渡不能のNFT『POAP(Proof of Attendance Protocol)』を配布する際にHAZAMA BASEを採用
・内閣官房初のNFT活用として、『HAZAMA BASE』を用いて令和4年度夏のDigi田甲子園における受賞証明NFTを発行

まとめ

スマートコントラクトの開発には、それぞれのブロックチェーンのネイティブ言語で実装する必要がありますが、一般的な開発であれば、ノーコードツールを活用することもできます。

スマートコントラクトの開発は難易度が高いともいわれますが、特にNFTなどの分野ではノーコードツールも充実してきているため、活用を検討しても良いでしょう。

しかしながら、ブロックチェーン技術の本質的な部分では、依然として専門的な知識と経験が必要とされます。セキュリティの確保、パフォーマンスの最適化、複雑な機能の実装など、ノーコードツールだけでは対応できない課題も多く存在します。

このため、本格的なブロックチェーンプロジェクトを成功させるためには、信頼できる開発パートナーとの協力が不可欠です。『【徹底比較】ブロックチェーン開発で注目の企業13選!各社の実績と特徴を解説』では、ブロックチェーン開発やWeb3事業の推進におすすめの開発企業を厳選して紹介しています。専門家のサポートを受けることで、技術的な課題を適切に解決し、プロジェクトの安定性と拡張性を確保することができるでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋 真倫

大阪大学経済学部卒業。都市銀行退職後に暗号資産関連スタートアップの創業メンバーとして業界調査や相場分析に従事。2018年、マネックスグループ入社。マネックスクリプトバンクでは業界調査レポート「中国におけるブロックチェーン動向(2020)」や「Blockchain Data Book 2020」などを執筆し、現在はweb3ニュースレターや調査レポート「MCB RESEARCH」などを統括。国内メディアへの寄稿も多数。2021年3月より現職。
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