ブロックチェーン技術を使って発行されるデジタル証券、セキュリティトークン(ST)の市場は拡大しています。株式会社BOOSTRYの市場総括によれば、国内の公募STの累積発行額は2025年度末で約3,333億円に達しました。不動産や社債を裏付けに小口から投資できる新しい選択肢として、証券会社を通じた個人向けの販売も広がっています。
STには、小口で不動産に投資できる手軽さや、ブロックチェーンによる取引の透明性といった利点があります。ただし、投資でも自社での発行でも、判断の前に確認しておきたいのは弱点や落とし穴のほうです。
本記事では、利点ばかりが語られがちなセキュリティトークンの弱点を、なぜ起こるのかという仕組みとともに整理します。投資家・発行体それぞれの視点で、判断の材料になる形で解説します。
目次
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セキュリティトークン(ST)の主なデメリット・リスク一覧
セキュリティトークンで投資家が直面する主なデメリット・リスクは、大きく次の項目に整理できます。全体像を押さえたうえで、影響の大きいものを次章以降で掘り下げます。
- 流動性が低い: 売りたいときに買い手が見つかりにくく、換金までに時間がかかる、あるいは想定より安い価格でしか売れないことがあります。二次流通の市場が整備途上のためです。
- 譲渡制限・長期保有が前提: 商品によっては第三者への譲渡が制限され、償還までの数年間、資金が固定されます。
- 元本が保証されない: 有価証券であるため、裏付け資産の価値下落や発行体の信用悪化により、元本を割り込む可能性があります。
- 早期償還・期間延長のリスク: 運用状況によって想定より早く償還されたり、逆に運用期間が延びたりして、当初の資金計画が狂うことがあります。
- ブロックチェーン特有の技術リスク: 秘密鍵の流出やシステム障害により、保有するトークンの移転ができなくなる、あるいは資産を失う可能性があります。
- 商品の種類が少なく偏りがある: 現在の公募STは不動産を裏付けとしたものが大半で、選べる商品の幅がまだ狭いのが実情です。
- 税務・制度の取り扱いが一部未確定: 商品類型によって課税方法が異なり、法人の会計処理や国外取引など、明確でない論点が残ります。
これらのリスクの背景には、STが金融商品取引法(金商法)上の有価証券として扱われる、という法的な位置づけがあります。信託受益権や集団投資スキーム持分などをトークン化したものは、金商法2条3項で「電子記録移転権利」と定義され、株式や社債と同じ第一項有価証券として規制の対象となります。
暗号資産(仮想通貨)とは異なり、投資家保護のルールが適用される一方で、有価証券ゆえの元本非保証や、後述する二次流通の制約が伴います。
出典・参考資料(2件)
最も影響が大きいリスク|流動性の低さ・譲渡制限・長期拘束の実態
数あるデメリットの中で、実際に投資家が最も影響を受けやすいのが流動性の低さです。どの程度売買が限られているのかは、二次流通市場の規模にはっきり表れています。
STの二次流通(発行後に投資家どうしで売買する市場)は、大阪デジタルエクスチェンジ株式会社(ODX)が運営する私設取引システム(PTS)「START」が中心です。STARTの売買取引が始まったのは2023年12月25日で、市場としての歴史はまだ浅いのが現状です。
国内では2025年度末までに、累計82本・約3,333億円の公募STが発行されてきました。しかし、そのうちSTARTで実際に売買されているのは、2026年3月末時点でわずか8トークン(時価総額約336億円)にとどまります。発行された銘柄の大半は二次流通に乗っておらず、売買できる市場は限られています。

ODX自身も、STARTの取扱銘柄について「上場有価証券とは異なるリスクが存在します」と注意を促しています。二次流通の場はあっても、上場株式のように常に買い手が付くわけではないという点は、投資前に押さえておく必要があります。
買ったあとに現金化したくなっても、上場株式やJ-REITのように即座に売れるとは限りません。商品によっては償還まで数年単位で資金が固定されるものもあり、まとまった資金を短期で動かす前提の投資には向きません。
出典・参考資料(2件)
損失が出る条件|元本保証なし・裏付け資産の下落・早期償還/期間延長
STは有価証券であり、元本や分配金が保証された商品ではありません。損失につながる主な要因は、発行体の信用と、裏付け資産の価格変動の2つです。
自主規制団体である日本STO協会は、投資家向けにSTの主なリスクを次のように示しています。金融商品共通のリスクとして、発行会社の破たんで価値がゼロになりうる信用リスク、裏付け資産の価格変動で損失を被る価格変動リスク、外貨建て商品での為替変動リスクが挙げられています。
出典:投資するにあたっての主なリスク|一般社団法人 日本STO協会
- 【信用リスク】金融商品は、発行会社(企業等)の破たん時に、価値がゼロとなる可能性があります。そのため、発行会社(企業等)の業績悪化等の結果、財務状況が悪化した場合、価格の大幅な下落により損をすることがあります。
- 【価格変動リスク】金融商品の売買にあたって、株式相場等の変動や、裏付けとなっている資産の価格や評価額の変動に伴い、価格が変動するため、この価格の変動によって、損失を被ることがあります。
- 【為替変動リスク】外国通貨で取引される外貨建ての金融商品は為替レートの変動により、換金・満期の際、円での手取り額が購入(預入)したときの金額を下回り、損失を被ることがあります。
これらに加えて、STには早期償還・期間延長という固有の注意点があります。商品ごとに目論見書で運用期間や早期償還の条件が定められており、裏付け不動産の売却が想定より早く進めば予定より早く償還され、再投資先を探す必要が生じます。
逆に売却が難航すれば運用期間が延び、資金が計画より長く固定されます。いずれも「いつ・いくら戻るか」が確定しづらい点で、当初の資金計画を狂わせる要因になります。購入前に、対象商品の目論見書で運用期間・償還条件を確認しておくことが重要です。
ブロックチェーン特有のリスクはどこまで現実的か|改ざん・トークン消失・秘密鍵
STはブロックチェーン(分散型台帳技術)で権利を記録するため、この技術ならではのリスクも伴います。ただし後述のとおり、投資家個人が直接負う部分は限定的で、多くは発行・管理側の態勢に左右されます。
ブロックチェーンは記録の改ざんに強いとされますが、それは「一度記録された取引が後から書き換えられにくい」という性質であって、あらゆる事故を防ぐものではありません。日本STO協会は、電子記録移転権利に固有のリスクとして、秘密鍵の流出とシステム障害の2点を挙げています。
出典:投資するにあたっての主なリスク|一般社団法人 日本STO協会
- 【サイバー攻撃による秘密鍵等に関するリスク】サイバー攻撃によるノードへの不正アクセスにより電子記録移転権利に係るトークンの移転等に必要な秘密鍵等が第三者に流出した場合は、保有する電子記録移転権利を喪失し、当該喪失によって配当金や償還金等を受領できず、または、当該電子記録移転権利の譲渡ができなくなる可能性があります。
- 【システム障害に関するリスク】電子記録移転権利に係るプラットフォームや接続するネットワーク等に重大な障害が発生し機能の一部又は全部が停止した場合には、STの移転に関する記録に支障が生じ又は移転の記録を行うことができなくなる可能性があります。
ただし、暗号資産のように投資家自身がウォレットで秘密鍵を管理する形が主流というわけではありません。STの実務では、秘密鍵は証券会社などとの預託契約に基づいて事業者側が管理するカストディ型が中心です。この場合、投資家が鍵を紛失して資産を失うという事態は起こりにくく、技術リスクの多くは発行・管理側の態勢に依存します。
とはいえ、資産を失わないことと、いつでも動かせることは別の話です。こうしたシステム障害が起きている間は、売却したくても移転の記録ができず、換金や名義変更が一時的に止まる可能性があります。もともと二次流通の場が限られるSTでは、売りたいタイミングと障害が重なると、現金化できない期間がさらに延びかねない点に注意が要ります。
裏を返せば、どの事業者が・どのような管理体制でトークンを預かっているかが、投資家にとっての実質的な安全性を左右します。
税務・法規制の不確実性
STは金商法の枠組みで規制されていますが、それは「制度が完成し、すべてが明確」という意味ではありません。とくに税務は、商品類型によって取り扱いが分かれ、確定していない論点も残ります。
課税方法は商品の種類ごとに異なります。たとえば不動産を裏付けとした特定受益証券発行信託型のSTの場合、野村證券の案内によれば、分配金(利益超過分配を除く)は20.315%(15%の所得税、復興特別所得税(所得税額の2.1%)、5%の地方税の合計)の税率で源泉徴収されます。
一方、利益超過分配は元本の払戻しとして、上場株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象になるとされています。
ただし、これは不動産STの一類型についての取り扱いであり、社債STは利子所得として扱われるなど、STすべてに一律で当てはまるわけではありません。法人の会計処理や国外取引を含め、明確でない論点も残っています。
制度自体が変わりうる点にも注意が必要です。前述の野村證券の案内も、2026年4月1日以降の利益超過分配の取り扱い変更を告知するものでした。税務や実務の運用は今後も見直される可能性があり、購入前後で取り扱いが変わることもあります。投資判断にあたっては、対象商品の目論見書で課税関係を確認し、必要に応じて税理士など専門家に相談することが欠かせません。
出典・参考資料(2件)
デメリットへの対策・軽減策
ここまで挙げたリスクは、性質を理解したうえで一定の対策を取ることで、影響をある程度抑えられます。ただし、どの対策もリスクを完全になくすものではない点を前提に確認してください。
- 流動性リスクへの対策: 短期で現金化する前提を置かず、償還期間まで保有できる余裕資金で投資します。二次流通で売却する可能性があるなら、対象銘柄がSTART(PTS)で取り扱われているか、取扱証券会社はどこかを事前に確認します。
- 信用・価格変動リスクへの対策: 発行体や裏付け資産の内容を目論見書で確認し、一つの商品・一つの発行体に資金を集中させず分散します。
- 技術リスクへの対策: 秘密鍵を投資家自身が管理する自己管理型より、事業者が管理するカストディ型のほうが紛失による資産喪失は起こりにくいといえます。どの事業者がどのような管理体制でトークンを預かっているかを確認します。
- 税務・制度リスクへの対策: 商品ごとの課税関係を目論見書で確認し、判断が難しい場合は税理士など専門家に相談します。
対策を講じても、元本非保証や流動性の制約といったST固有の性質そのものは残ります。デメリットを消せるわけではなく、許容できる範囲かどうかを見極めるための材料と捉えるのが実際的です。
セキュリティトークンが向く人・向かないケース|REIT・株・不動産CFとの違い
ここまでのデメリットを踏まえると、STが選択肢になりうる人と、他の手段のほうが無難な人が見えてきます。まず、比較されやすい投資商品との違いから確認します。
REIT・株・現物不動産・不動産クラウドファンディングとの違い(換金性・法的性質の差)
不動産STとよく比較されるのが、J-REIT・現物不動産・不動産クラウドファンディング(不動産CF)です。最も本質的な違いは、法的性質と、そこから生じる換金性にあります。
不動産STは金商法上の有価証券(電子記録移転権利)であり、STARTのようなPTSでの売買が制度上は可能です。一方、多くの不動産CFは匿名組合契約に基づく出資持分で、有価証券ではないため、原則として満期前の途中解約や第三者への譲渡ができません。換金性という一点では、二次流通の仕組みを持つSTのほうが選択肢は広いといえます。
ただし、前述のとおりSTの二次流通はまだ規模が小さく、上場しているJ-REITや株式のように即座に売買できるわけではありません。REITや株式は取引所で日々売買され流動性が高い反面、価格が市場で常に変動します。現物不動産は自分で運用を管理できますが、多額の初期資金と手間がかかります。
STは「有価証券としての制度的な保護と小口化」を備える一方、二次流通の未成熟という制約を抱える、という位置づけになります。
STが向く人・向かないケース
以上の違いを踏まえると、STが選択肢になりうるのは、償還期間まで資金を動かさずに保有でき、不動産などの資産に小口から分散したい人です。分配金や小口化のメリットを、流動性の制約と引き換えに受け入れられるかどうかが判断の分かれ目になります。
逆に、いつでも売買できる換金性を重視する人や、まとまった資金を短期間で回したい人には向きません。元本割れを避けたい人にとっても、元本非保証である以上は慎重な検討が必要です。こうしたケースでは、流動性の高いREIT・株式や、性質の異なる不動産CFなど、目的に合った代替手段を比較したうえで判断するのが妥当です。
STへの投資を具体的に検討する場合は、対象商品を扱う証券会社で取り扱い銘柄を確認し、目論見書のリスク欄・手数料・運用期間・償還条件に目を通したうえで判断しましょう。購入後に二次流通で売却する可能性があるなら、その銘柄がSTART(PTS)で取り扱われているかも事前に確認しておくとよいでしょう。
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【事業者向け】セキュリティトークンを発行する側のデメリットと相談先
ここまでは主に投資家側の視点でした。ここからは、STを発行して資金調達しようとする事業者側のデメリットを整理します。発行には、投資家保護のための規制対応が求められ、相応のコストとハードルが伴います。
金商法上、金融商品取引業は内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ行うことができません(第29条)。STの募集・販売の取扱いを業として行うには、この登録が必要です。求められる登録の種別は、STの分類によって変わります。
日本STO協会が金融庁の研究会に提出した資料によれば、株式や社債などの権利をトークン化したもの、および電子記録移転権利は第一種金融商品取引業に該当し、登録時の最低資本金は5,000万円、自己資本比率の継続的なモニタリングなど高水準の規制を受けます。
内閣府令で電子記録移転権利から除外されるもの(適用除外電子記録移転権利)は第二種金融商品取引業となり、最低資本金は1,000万円で自己資本規制も受けません。

発行体が自ら登録業者になるには、資本金要件やコンプライアンス態勢の整備といった負担が生じます。そのため、実務では登録を持つ証券会社に業務を委託し、STを発行・移転するためのブロックチェーン基盤(プラットフォーム)を利用する形が一般的です。この場合は、特定のプラットフォームや委託先に依存することになり、基盤の選定や規制対応の設計が発行体にとっての重要な検討事項になります。
制度対応・スキーム設計・基盤選定を自社だけで進めるのは容易ではなく、専門的な知見を持つパートナーと組むことが現実的な選択肢になります。
ここからは、STの発行やトークン活用、金融規制への対応を伴走支援するサービスを紹介します。以下は、それぞれの支援範囲を比較した表です。
| サービス名 | finoject | Web3事業立ち上げ・導入支援コンサルティング | WEB3/ブロックチェーン総合コンサルティング |
|---|---|---|---|
| 運営会社 | 株式会社finoject | コンセンサス・ベイス株式会社 | 株式会社ICHIZEN HOLDINGS |
| 主な支援範囲 | 暗号資産・ステーブルコイン・デジタル証券(ST)の法規制対応コンサル(ライセンス登録・AML/CFT態勢・システム構築・運用) | Web3事業の戦略立案〜技術実装〜組織構築を一気通貫。既存サービスのトークン化・RWAにも対応 | RWA(実物資産のトークン化)・トークン活用を軸に、新規事業開発・システム開発・マーケティングまで支援 |
| 金商法・規制対応 | ◎ライセンス登録・AML/CFT態勢構築 | ●資金決済法・金商法に沿ったスキーム設計支援 | △規制調査を戦略立案フェーズで実施 |
| トークン化・技術実装 | △システム構築を支援(コンサル型) | ◎スマートコントラクト設計・トークン化を自社対応 | ●RWAトークン化・スマートコントラクト開発 |
| 対象フェーズ | 構想〜ライセンス取得〜運用まで一気通貫 | 初期構想〜実装〜スケールまで | 企画〜開発〜運用・マーケまで |
| 料金 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※各社の公式情報等にもとづく2026年9月時点の整理です。料金はいずれも個別見積もりのため「要お問い合わせ」と記載しています。「金商法・規制対応」「トークン化・技術実装」の記号は、◎=専門領域として中核的に対応、●=メニューとして対応、△=関連範囲で対応、を表します。最新の支援内容・料金は各社の資料・公式情報をご確認ください。
1. finoject(株式会社finoject)

株式会社finojectは、暗号資産・ステーブルコイン・デジタル証券(セキュリティトークン)の法規制対応を専門とするコンサルティングファームです。ライセンス登録支援からコンプライアンス・マネー・ロンダリング・テロ資金供与対策(AML/CFT)態勢の構築、システム構築、運用までをワンストップで支援します。
代表取締役の三根公博氏は、日本興業銀行出身で、元bitFlyerホールディングス代表取締役社長、元日本暗号資産取引業協会会長という経歴を持ちます。銀行・証券・暗号資産を横断する実務経験と、規制当局・業界とのネットワークを背景に、発行体・事業者の立場に立って戦略策定から実装・規制準拠までを伴走する点が特徴です。
金商法対応やライセンス登録が発行の壁になる事業者にとって、実務に踏み込んだ相談先となります。
発行に伴う規制対応の負担は、ライセンスの取得だけで終わるわけではありません。同社は独自インタビューで、登録後の実務運用まで見据える必要性について次のように述べています。

ライセンス取得はあくまでスタートラインであり、取得後に実際の業務が滞りなく回ることがゴールです。そのために、態勢構築の段階から実務を想定した設計を行い、マニュアルやフローを作って終わりではなく、実際に運用してみた際に起こりうる課題まで想定した仕組みづくりを心がけています。
2. Web3事業立ち上げ・導入支援コンサルティング(コンセンサス・ベイス株式会社)

2015年設立のコンセンサス・ベイス株式会社は、企業のWeb3事業立ち上げや既存サービスへのWeb3導入を、戦略立案から技術実装・組織構築まで一気通貫で支援します。スマートコントラクト設計やトークンエコノミクス構築といった技術面と、事業計画策定などのビジネス面の両方を自社で担える体制が強みです。
支援範囲には、資金決済法・金商法など日本の金融規制に沿ったスキーム設計支援や、既存の会員制度・ポイント・IP資産などのトークン化設計・実装が含まれます。既存資産をトークン化して新たな資金調達や事業を検討する事業者にとって、制度と技術の両面から相談できるパートナーです。
3. WEB3/ブロックチェーン総合コンサルティング(株式会社ICHIZEN HOLDINGS)

実物資産のトークン化(RWA)やトークン活用支援を主軸に、新規事業開発からシステム開発、マーケティング支援まで幅広く手がけるのが、株式会社ICHIZEN HOLDINGSのWEB3/ブロックチェーン総合コンサルティングです。
企画から開発、運用、マーケティングまで各フェーズに対応できる体制を掲げ、プロジェクトを一気通貫でサポートします。実物資産のトークン化を含め、何から着手すべきか整理する段階から相談したい事業者に向いています。
STの発行やトークン活用を含め、Web3を事業に取り入れる際は、どんな支援サービスがあり、どう選べばよいかを把握しておくと判断しやすくなります。以下の記事では、Web3ビジネス支援サービスの種類と選び方を、地方創生でのDAO(分散型自律組織)活用などの事例を交えて解説しています。導入検討の参考にご覧ください。
Web3×地方創生とは?DAO活用事例で見る地域活性化戦略とWeb3支援サービス
地方の人口減少や財政難に悩む自治体で、「Web3」や「DAO」といった言葉を耳にする機会が増えています。「ブロックチェーンで地域課題を解決できるのか?」と疑問に思う方も少なくありません。 しかし実際には、NFTを活用して全国から資金やファン…
まとめ
セキュリティトークンは、有価証券としての制度的な保護のもとで不動産などに小口から投資できる新しい選択肢です。一方で、二次流通が未成熟なための流動性の低さ、元本非保証、ブロックチェーン特有の技術リスク、税務・制度の一部未確定といったデメリットを抱えます。
とくに流動性は、発行された多くの銘柄が二次流通ではほとんど売買されていない現状が示すとおり、投資家が最も注意すべき点です。
デメリットは対策で完全に消せるわけではありません。STを検討するなら、償還まで動かさずに保有できる資金で、対象商品の内容を目論見書で確認し、必要に応じて専門家に相談したうえで判断することが大切です。
STを発行して資金調達を検討する事業者であれば、登録・スキーム設計・基盤選定の負担を踏まえ、専門的な知見を持つパートナーと組むことを検討してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. セキュリティトークン(ST)とは何ですか?
A. セキュリティトークン(ST)とは、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術を使って発行・移転される有価証券(デジタル証券)です。不動産や社債などの資産・権利を電子的なトークンとして記録し、小口から投資できるようにした金融商品で、金融商品取引法上の有価証券として投資家保護のルールの対象になります。
信託受益権や集団投資スキーム持分などをトークン化したものは、同法2条3項で「電子記録移転権利」と定義されています。
Q. セキュリティトークンとSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)の違いは何ですか?
A. セキュリティトークン(ST)は有価証券という「商品・権利」そのものを指し、STOはそのSTを新たに発行して資金を調達する「行為・仕組み」を指します。株式に例えると、STが株式にあたり、STOは新規株式公開(IPO)のように投資家から資金を募る発行手段にあたります。不動産や事業の資金調達を、STを通じて投資家から広く募る際にSTOという言葉が使われます。
Q. セキュリティトークンと暗号資産(仮想通貨)の違いは何ですか?
A. セキュリティトークンは金融商品取引法上の有価証券で裏付けとなる資産・権利があるのに対し、ビットコインなどの暗号資産は主に資金決済法で扱われ、特定の資産による裏付けを前提としない点が異なります。どちらもブロックチェーン上で発行・移転されますが、STは有価証券として発行・販売に投資家保護のルールが課され、発行体や保有者の把握・情報開示の枠組みの中で設計されます。
この法的な位置づけの違いが、両者の最も大きな差です。
Q. セキュリティトークンは法律で規制されていますか?
A. セキュリティトークンは金融商品取引法上の有価証券として規制されており、募集・販売の取扱いや勧誘を業として行うには金融商品取引業の登録が必要です。2019年成立の改正金融商品取引法と関連する政令・内閣府令により、2020年5月1日から規律が整備・施行されました。
信託受益権や集団投資スキーム持分などをトークン化したものは同法2条3項の「電子記録移転権利」として第一項有価証券に位置づけられ、開示・勧誘規制の対象になります。暗号資産と異なり投資家保護の対象になる点が特徴です。
出典・参考資料(2件)
Q. セキュリティトークンは途中で売却して現金化できますか?
A. セキュリティトークンは制度上は二次流通市場での売買が可能ですが、市場が発展途上で流動性が低く、上場株式やJ-REITのように即座に売れるとは限りません。二次流通は大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が運営する私設取引システム(PTS)「START」が中心で、2023年12月に売買が始まったばかりです。
国内の公募STが累積約3,333億円発行されている一方、STARTで売買されているのは2026年3月末時点で時価総額約336億円・8トークンにとどまります。商品によっては償還まで数年単位で資金が固定されるため、短期で現金化する前提の投資には向きません。
出典・参考資料(2件)
Q. セキュリティトークンは元本保証されますか?
A. セキュリティトークンは元本保証されません。有価証券であるため、裏付け資産の価格下落や発行会社の信用悪化(破たん)により、元本を割り込んだり価値がゼロになったりする可能性があります。日本STO協会も、投資家が負う主なリスクとして信用リスク・価格変動リスク・(外貨建ての場合の)為替変動リスクを挙げています。分配金の額も運用状況によって変動し、保証されるものではありません。
出典・参考資料(1件)
Q. セキュリティトークンの利益にかかる税金(税制)はどう扱われますか?
A. セキュリティトークンの課税は商品の類型ごとに異なり、STすべてに一律の税率が当てはまるわけではありません。たとえば不動産を裏付けとした特定受益証券発行信託型のSTの場合、野村證券の案内によれば、分配金(利益超過分配を除く)は20.315%の税率で源泉徴収されます。利益超過分配は元本の払戻しとして、上場株式等に係る譲渡所得等として申告分離課税の対象になるとされています。
一方、社債STは利子所得として扱われるなど取り扱いが分かれ、法人の会計処理や国外取引を含め未確定な論点も残ります。取り扱いは改定されることもあるため、対象商品の目論見書で課税関係を確認し、必要に応じて税理士に相談してください。
出典・参考資料(1件)
Q. セキュリティトークンの秘密鍵を紛失すると資産はどうなりますか?
A. STの実務では秘密鍵を証券会社などの事業者が管理するカストディ型が主流のため、投資家自身が鍵を紛失して資産を失う事態は起こりにくいのが実情です。投資家自身がウォレットで秘密鍵を管理する暗号資産とは異なり、STは預託契約に基づき事業者側が鍵を保管する形が中心です。
ただし、事業者側でサイバー攻撃により秘密鍵が第三者に流出した場合や、プラットフォームに重大なシステム障害が発生した場合には、トークンの移転や配当・償還金の受領ができなくなる可能性があると日本STO協会は注意を促しています。どの事業者がどのような体制でトークンを預かっているかが、実質的な安全性を左右します。
出典・参考資料(1件)
Q. 不動産STO(セキュリティトークン)と不動産クラウドファンディングの違いは何ですか?
A. 最大の違いは法的性質で、不動産STは金融商品取引法上の有価証券であるのに対し、多くの不動産クラウドファンディングは匿名組合契約に基づく出資持分で有価証券ではありません。この違いが換金性の差につながります。不動産STはPTS「START」のような二次流通市場での売買が制度上は可能ですが、不動産クラウドファンディングは原則として満期前の途中解約や第三者への譲渡ができません。
ただし、STの二次流通もまだ規模が小さく、いつでも売れるわけではない点には注意が必要です。
出典・参考資料(1件)
Q. セキュリティトークンは誰でも発行・購入できますか?
A. セキュリティトークンは誰でも自由に発行できるわけではなく、募集・販売の取扱いを業として行うには金融商品取引業の登録が必要です。発行体は登録を持つ証券会社などに業務を委託するのが一般的です。購入する側も、金融商品取引法の適合性の原則に基づき、投資経験や資産状況に応じた勧誘が行われ、案件によっては特定投資家(プロ投資家)向けに限定される場合もあります。
出典・参考資料(2件)
Q. STO(ST発行)の審査はIPO(新規株式公開)より簡単ですか?
A. STOはIPOに比べてコストや準備期間の面で機動的に実施できる可能性はありますが、「簡単」な手続きではありません。STOも金融商品取引法に基づく資金調達であり、投資家保護の観点から目論見書などの情報開示や引受証券会社による審査が求められます。加えて、トークンを発行・移転するブロックチェーン基盤の技術要件や法規制対応も伴うため、専門的な知見を持つパートナーと組むことが有効です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。















