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電子契約に押印は必要?原則不要の法的根拠と印鑑の代わりになるものを解説

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電子契約システム比較表(2026年版)

紙の契約書に会社の実印や角印を押してきた企業ほど、電子契約に切り替える段になって「ハンコを押さない契約書で本当に大丈夫なのか」と迷いがちです。取引先や社内から同じことを問われる立場の方なら、まず知りたいのは「電子契約に押印は要るのか、要らないのか」という結論でしょう。

結論から言えば、電子契約に押印(印影・ハンコ)は原則として不要です。ハンコを押していない契約書でも、当事者が合意していれば契約は有効に成立します。押印の代わりに契約の真正性や証拠力を担うのが電子署名です。

以下では、その法的根拠を条文や政府見解の原文で確認しながら、安心して電子契約に踏み切るために押さえておきたいポイントを順に解説します。

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電子契約に押印(ハンコ・印影)は原則不要

電子契約に押印(印影・ハンコ)は、原則として必要ありません。契約は当事者の合意によって成立するもので、書面の作成や押印は、法令に特別の定めがある場合を除いて契約成立の要件ではないためです。この考え方は民法に定められており、政府も公式に同じ見解を示しています。

そのため、ハンコを押していない電子契約書であっても、当事者が合意していれば契約は有効に成立します。取引先から「押印のない契約書で問題ないのか」と問われた場合も、法的な根拠を示して説明できます。

ただし、押印が不要であることと、契約の成立をあとから証明できることは別の問題です。紙の契約書で押印が果たしてきた「証拠としての役割」を、電子契約では電子署名が引き継ぎます。次章から、その法的根拠と仕組みを順に見ていきます。

ここからは、押印が不要といえる根拠を、条文と政府見解の原文とともに確認します。根拠は大きく「契約の成立に押印は要らない(民法)」と「政府も押印は契約成立の要件でないと確認している(押印Q&A)」の2つです。

契約は当事者の意思の合致で成立する(民法522条)

契約は、一方の申込みに対して相手方が承諾したときに成立します。民法522条は、契約の成立に書面の作成やその他の方式は原則として要らないと定めています。

(契約の成立と方式)
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第522条|e-Gov法令検索

この2項が、押印や書面が契約成立の要件ではないことの直接の根拠です。ハンコを押す・押さないは、契約が成立するかどうかそのものには関係しません。条文には「法令に特別の定めがある場合を除き」という但し書きもあり、これが後述する「電子化できない一部の契約類型」の存在につながります。

政府「押印についてのQ&A」でも押印は契約成立の要件ではない

2020年6月、内閣府・法務省・経済産業省は連名で「押印についてのQ&A」を公表し、契約に押印がなくても契約の効力に影響は生じないと明確にしました。テレワーク推進の観点から、押印慣行を見直すために示された政府見解です。

問1.契約書に押印をしなくても、法律違反にならないか。
・私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。
・特段の定めがある場合を除き、契約に当たり、押印をしなくても、契約の効力に影響は生じない。

出典:押印についてのQ&A(内閣府・法務省・経済産業省、令和2年6月19日)問1|法務省

民法の規定と政府見解のどちらも、「押印は契約成立の要件ではない」という同じ結論を示しています。したがって、電子契約に押印がなくても契約は有効に成立します。

出典・参考資料(2件)

印影に代わって契約の効力・証拠力を担うもの——「二段の推定」と電子署名

ここからは、押印が果たしてきた役割を電子契約では何が引き継ぐのかを見ていきます。押印が不要でも、契約をめぐって争いになったときに「確かに本人が合意した」と示せる裏づけは必要で、紙ではそれを印影が、電子では電子署名が担います。

紙の契約書で印影が果たす役割

紙の契約書における押印は、契約の成立要件ではないものの、「その文書を本人の意思で作成した」ことを示す証拠として機能してきました。争いになったとき、本人の印章による印影があれば、文書が本人の意思で作られたと扱われやすくなります。

「二段の推定」と、電子署名がこれを代替する仕組み

印影が証拠として強く働くのは、「二段の推定」と呼ばれる法律上の仕組みがあるためです。まず、本人の印章と一致する印影があれば、本人の意思で押印されたと事実上推定されます(一段目)。次に、民事訴訟法228条4項により、その私文書は真正に成立したものと推定されます(二段目)。

私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。(第228条第4項)

出典:民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第228条第4項|e-Gov法令検索

一段目の推定は最高裁の判例(最判昭和39年5月12日)で確立した考え方で、政府の「押印についてのQ&A」問4もこの判例を引用して「二段の推定」を説明しています。電子契約では、この押印による推定を電子署名が引き継ぎます。

ただし、一段目は経験則にもとづく「事実上の推定」であり、確定的なものではありません。印章が盗用された、本人に無断で押されたといった反証があれば覆ります。この構造は電子署名でも同じです。署名が本人によるものか自体が争われれば推定が働かない場合があるため、後述する電子署名やタイムスタンプで「誰が・いつ」署名したかを確実に記録しておくことが実務上の備えになります。

電子署名の役割(当事者型・立会人型)

電子署名法は、本人による電子署名が行われた電子文書について、真正に成立したものと推定すると定めています。押印による「二段の推定」に対応する、電子文書版の推定規定です。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。(第3条)

出典:電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第3条|e-Gov法令検索

紙の押印による「二段の推定」と、電子署名がこれを引き継ぐ流れを整理すると、次のとおりです。

紙の契約書の押印による二段の推定(本人の印章による印影から一段目の事実上の推定、次に民事訴訟法228条4項による二段目の推定を経て、私文書が真正に成立したと推定される)と、電子契約で本人による電子署名が電子署名法3条により電子文書の真正な成立を推定させる仕組みを並べ、押印の役割を電子署名が引き継ぐことを示した図解

電子署名には、大きく2つのタイプがあります。ひとつは、契約当事者本人が電子証明書(本人であることを証明する電子的な身分証)を使って署名する「当事者型(実印タイプ)」。もうひとつは、契約当事者の指示にもとづきサービス事業者が署名を付与する「立会人型(事業者署名型)」です。

当事者型は、本人が署名鍵(署名に使う電子的な鍵)を自分で管理するため、上記の電子署名法3条の推定がそのまま当てはまります。

クラウド型の電子契約サービスで広く使われているのは、立会人型のほうです。認証局での事前の本人確認が不要で、相手方もメール認証などで手軽に契約できるためです。この立会人型についても、政府が2020年7月に見解を示しています。利用者の意思のみにもとづいて機械的に署名される仕組みであれば、電子署名を「行った者」は事業者ではなく利用者と評価し得る、という整理です。

このように、立会人型でも、要件を満たせば電子署名法上の電子署名として扱われ、実務でも広く使われています。当事者型は電子証明書による本人確認まで行う分、より高い証拠力が求められる契約に向く、という使い分けになります。どちらを選ぶかは、契約の重要度や相手方の手間とのバランスで判断します。

電子証明書・タイムスタンプが担保するもの

電子署名が「誰が合意したか(本人性)」と「あとから改ざんされていないか(非改ざん性)」を担保する根拠が、電子証明書とタイムスタンプです。電子署名法2条1項も、電子署名を、作成した人を示すためのもので、かつ改変の有無を確認できるもの、と定義しています。

当事者型では電子証明書が署名者本人であることを証明し、立会人型ではメール認証などの記録が本人性を裏づけます。いずれの場合もタイムスタンプが「その時刻にその内容で存在した」ことを示します。これらがそろうことで、印影がなくても「本人が・その内容で・合意した」ことを後から証明できます。

出典・参考資料(4件)

押印・電子印鑑(印影画像)・電子署名は何が違うのか

電子契約まわりで最も混同されやすいのが、「押印」「電子印鑑(印影画像)」「電子署名」の3つです。見た目が似ていても、法的効力や証拠力の裏づけはそれぞれ異なります。まず下の表で違いを押さえてください。

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比較項目押印(紙の印影)電子印鑑(印影画像)電子署名
実体紙の契約書に印章で押した印影ハンコの見た目を
再現した画像データ
本人性・非改ざん性を担保する電子的措置
(電子証明書・タイムスタンプを伴う)
法的効力・証拠力の裏づけ民事訴訟法228条4項+
判例による「二段の推定」
画像そのものには
法的効力・証拠力の裏づけはない
電子署名法3条による
真正な成立の推定
実印相当の証拠力あり
(本人の実印による印影の場合)
なし
(画像だけでは実印の代わりにならない)
あり
(要件を満たす電子署名の場合)

ポイントは、契約の証拠力を担保するのは電子署名であって、印影の画像ではないという点です。「電子印鑑」という言葉は、単なる印影画像を指す場合と、電子署名を伴う仕組みを指す場合があり、この違いが混乱のもとになっています。

電子印鑑(印影画像)を貼るだけでは不十分——偽造・なりすましのリスク

会社の実印や角印をスキャンした印影画像を契約書に貼り付ける方法は、手軽に見えても証拠力の面で問題があります。画像データはコピーが容易で、第三者による偽造やなりすましを防げないためです。

政府の「押印についてのQ&A」も、3Dプリンター等の技術の進歩で印章の模倣がより容易になっているとの指摘に触れています。本物の印影画像をアップロードして使う運用は、かえってリスクを高めるおそれがあるため避けるのが無難です。証拠力を確保したい場合は、印影画像ではなく電子署名を用います。

なぜ押印不要なのに印影表示機能のある電子契約サービスがあるのか

押印が不要であるにもかかわらず、電子契約書に印影を表示できる機能を備えたサービスは少なくありません。これは印影に法的効力があるからではなく、商慣習や社内・取引先の受け入れやすさに配慮したものです。

ハンコの印影は契約書の象徴として広く定着しており、社内規定で押印がルール化されている企業も多くあります。印影表示はこうした心理的な受け入れやすさや、締結済みかどうかの見分けやすさのための機能であり、契約の効力を担うのはあくまで電子署名です。

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押印レスで電子契約を進めるときの実務上の注意点

押印が法的に不要だとわかっても、実際に運用へ移すときにはいくつか押さえておきたい点があります。ここでは、取引先への説明・社内ルールの見直し・電子化できない契約類型の3つを取り上げます。

取引先への説明の仕方(印影を求められたときの対応)

取引先から「印影がないと社内で通らない」と言われることがあります。その場合は、押印が契約成立の要件でないことを政府見解とともに伝えたうえで、電子署名で真正性・証拠力を担保している点を説明すると理解を得やすくなります。

相手方の社内事情でどうしても印影の表示が必要な場合は、印影表示機能のあるサービスを使えば、法的効力は電子署名で担保しつつ、見た目の印影も残せます。相手が電子契約に不慣れな場合、事前に締結の流れを共有しておくと手続きがスムーズです。

社内の押印ルール・稟議フローの見直し

押印を前提にした社内規定や稟議フローが残っていると、電子契約に切り替えても運用が二重になりがちです。押印に関する規程を電子署名にもとづく承認フローに置き換え、誰がどの権限で締結できるかを明確にしておくと、電子契約の利点を活かせます。

電子化できない契約類型と根拠法

押印が原則不要とはいえ、一部の契約は法律で公正証書などの書面が求められ、電子契約では締結できません。代表的なのが、事業用定期借地権の設定契約・任意後見契約・企業担保権の設定または変更を目的とする契約で、いずれも公正証書によることが法律で義務づけられています。

前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。(借地借家法第23条第3項)

出典:借地借家法(平成三年法律第九十号)第23条|e-Gov法令検索

一方で、かつて書面が必須だった契約の一部は、法改正により電子化できるようになりました。デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)で、電磁的記録での締結が認められたためです。たとえば一般の定期借地権や定期建物賃貸借の契約は、電磁的記録によれば書面によるものとみなされます(借地借家法関係は2022年5月18日施行)。

ここで注意したいのは、同じ借地借家法でも「電子化できるようになった類型(一般の定期借地権・定期建物賃貸借)」と「今も公正証書が必須で電子化できない類型(事業用定期借地権)」が併存する点です。自社が扱う契約が電子化できるかどうかは、契約類型ごとに根拠法を確認してから判断します。

電子化できる契約と、公正証書が必要で電子化できない契約を整理すると、次のとおりです。

電子契約で締結できない契約類型(公正証書が必須の事業用定期借地権の設定契約・任意後見契約・企業担保権の設定変更)と、デジタル整備法により電磁的記録で締結できるようになった契約類型(一般の定期借地権・定期建物賃貸借)を対比し、同じ借地借家法でも両者が併存することを示した図解
出典・参考資料(4件)

電子契約サービスの選び方と主なサービス

押印レスで契約を進めると決めたら、次は電子契約サービスの選定です。押印まわりの観点からは、「印影表示機能の有無」と「対応する電子署名タイプ(当事者型/立会人型)」を主な軸に、料金の目安もあわせて確認すると、自社に合うサービスを見極めやすくなります。

先述のとおり、当事者型はより高い証拠力が求められる契約に、立会人型は相手方の手間を抑えて手軽に始めたい場合に向きます。取引先に印影の表示を求められることが多いなら、印影表示機能の有無も確認しておくとよいでしょう。まずは主なサービスを、これらの観点で比較します。

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサインシヤチハタクラウドWAN-Sign
提供会社弁護士ドットコム株式会社GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社シヤチハタ株式会社株式会社NXワンビシアーカイブズ
電子署名タイプ立会人型(事業者署名型)が標準
当事者型(マイナンバーカード署名)にも対応
立会人型(契約印タイプ)
当事者型(実印タイプ)
ハイブリッド署名も可
立会人型(事業者署名型)当事者型(実印版)
立会人型(認印版)
ハイブリッド版も可
印影表示機能擬似的な印影表示(締結済み書類)印影の付与に対応印影UI(氏名印・日付印・役職者印)が主軸印影登録に対応
初期費用要問い合わせ0円要問い合わせ0円
月額費用無料〜
(フリープランあり。有料はLight 11,000円〜/税抜)
無料〜
(お試しフリープランあり。有料はライト 8,800円〜/税抜・年間契約)
1,200円〜/10ユーザー
(税抜。ワークフローLite)
0円〜
(基本プランは月額0円+従量課金)
送信料(従量課金)220円/件(税抜)
※フリープランは月2件まで無料
立会人型 100円/件
当事者型 300円/件(いずれも税抜)
従量課金なし
(ユーザー数に応じた月額課金)
立会人型 100円/件(月10件まで無料)
当事者型 300円/件(月3件まで無料)
※いずれも税抜
電子帳簿保存法対応認定タイムスタンプ標準付与(フリープランは一部個別対応)JIIMA認証(契約印&実印プラン向け)JIIMA認証(Advanceプラン/文書管理オプション)JIIMA認証(令和5年改正法令基準)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

ここでは、押印まわりの観点(印影表示機能・署名タイプ)で主要な電子契約サービスを比較しました。料金やタイプ別の選び方まで含めて電子契約システム全体を比較検討したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインのウェブサイト

弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスです。標準の署名方式は立会人型(事業者署名型)で、契約当事者の指示にもとづき同社の電子署名と認定タイムスタンプを付与します。認証局での本人確認が不要なため、相手方も手軽に契約を締結できます。

2023年からは、マイナンバーカードの電子証明書を用いて契約当事者本人が署名する当事者署名型の機能も提供しています。締結済みの契約書に印影を表示する擬似的な印影機能も備えており、印影の見た目を残したい場合にも対応できます。導入社数は250万社以上と公式が公表しています(公式トップページ、2026年8月時点)。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインのウェブサイト

電子印鑑GMOサインは、立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方の電子署名方式に対応するクラウド型の電子契約サービスです。両者を組み合わせた「ハイブリッド署名」も選べるため、契約の重要度に応じて署名方式を使い分けられます。

契約書の作成から締結、管理までを1つのプラットフォームで完結でき、送信1件あたりの料金は立会人型が100円、当事者型が300円(いずれも税抜・全有料プラン共通)です。名称のとおり印影の付与にも対応しており、押印の見た目を残しつつ電子署名で効力を担保したい企業に向きます。

3. シヤチハタクラウド(シヤチハタ株式会社)

シヤチハタクラウドのウェブサイト

印鑑メーカーのシヤチハタ株式会社が提供する、電子印鑑・電子決裁(ワークフロー)を主軸としたバックオフィス向けのサービスです。氏名印・日付印・役職者印といった印影を画面上で捺印し、そのまま社内の回覧・決裁に乗せられる点に強みがあります。

電子契約は立会人型(事業者署名型)電子署名で対応し、ゲストユーザー(社外)にも登録なしで捺印を依頼できます。電子契約専業のサービスではなく、ハンコ文化に馴染んだ操作感で社内の押印・決裁業務ごと電子化したい企業に向いています。印影の見た目を重視する運用と相性がよいサービスです。

4. WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)

WAN-Signのウェブサイト

WAN-Signは、文書保管・文書管理を本業とする株式会社NXワンビシアーカイブズが、GMOグローバルサインと共同開発した電子契約・契約管理サービスです。電子証明書による当事者型(実印版)と、メール認証による立会人型(認印版)の両方に対応し、両者を組み合わせたハイブリッド版の締結もできます。

初期費用・月額固定費0円の基本プランに主要機能が標準搭載され、送信・締結件数に応じた従量課金を採ります。紙の原本を含めた文書の一元管理を得意とし、金融機関・官公庁・医療機関など、セキュリティや内部統制の要件が高い領域での利用を主なターゲットとしています。

まとめ:電子契約に押印は原則不要、効力を担うのは電子署名

電子契約に押印(印影・ハンコ)は原則として不要です。契約は当事者の合意で成立し、押印は契約成立の要件ではないためで、この点は民法522条と政府の「押印についてのQ&A」がともに確認しています。

押印が果たしてきた証拠としての役割は、電子契約では電子署名が引き継ぎます。印影の画像を貼るだけでは効力の裏づけにならないため、証拠力を確保するには電子署名を用います。導入時は、取引先への説明・社内の押印ルールの見直し・電子化できない契約類型の確認を押さえておくと安心です。

自社に合う電子契約サービスを選ぶ際は、対応する電子署名タイプと印影表示機能の有無を軸に比較してみてください。下記より、掲載サービスの資料をまとめて請求できます。

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よくある質問(FAQ)

Q. 電子印鑑とは何ですか?

A. 電子印鑑とは、ハンコの印影をデジタルで再現したもので、印影画像だけのものと、電子署名を伴うものの2種類があります。印影画像だけの電子印鑑は、ハンコの見た目を再現したデータにすぎず、それ自体に法的効力や証拠力の裏づけはありません。一方、電子署名を伴う仕組みは、電子署名法にもとづき契約の真正性を証明できます。同じ「電子印鑑」という言葉で効力の異なる両者が呼ばれることが、混乱のもとになっています。

Q. 電子契約に押印(ハンコ)は必要ですか?

A. 電子契約に押印(印影・ハンコ)は、原則として必要ありません。契約は当事者の合意によって成立し、押印は法令に特別の定めがある場合を除いて契約成立の要件ではないためです。

この点は民法522条に定められており、2020年6月に内閣府・法務省・経済産業省が連名で公表した「押印についてのQ&A」でも、押印がなくても契約の効力に影響は生じないと明記されています。押印の代わりに契約の真正性・証拠力を担うのが電子署名です。

出典・参考資料(2件)

Q. 電子印鑑と電子署名はどちらが必要ですか?

A. 契約の証拠力という観点では、電子署名が必要です。電子印鑑(印影画像)は印鑑の見た目を再現した画像データにすぎず、それ自体に法的効力はありません。これに対して電子署名は、電子署名法にもとづき本人性(誰が合意したか)と非改ざん性(あとから変えられていないか)を証明でき、真正な成立が推定されます。契約書に必要なのは印影の画像ではなく、電子署名が付与されていることです。

Q. 電子印鑑は実印として使えますか?

A. 印影画像だけの電子印鑑は、実印の代わりにはなりません。実印相当の証拠力を持たせるには、電子証明書にもとづいて本人が署名する当事者型の電子署名を用いる必要があります。また、法人の実印(会社の登記に用いる印鑑)は物理的な印章による届出が必要で、電子的に作成した印鑑は印鑑登録の対象外です。重要な契約で実印相当の効力を求める場合は、印影画像ではなく当事者型の電子署名を選びます。

出典・参考資料(1件)

Q. 印影が表示されない電子契約でも法的に有効ですか?

A. はい、印影が表示されていなくても、電子契約は法的に有効です。契約の有効性は印影の有無ではなく、当事者が合意しているか、そして電子署名によって真正な成立が推定されるかで決まります。電子署名法3条は、本人による電子署名が行われた電子文書は真正に成立したものと推定すると定めており、印影の表示は法律上の要件ではありません。

出典・参考資料(1件)

Q. 電子契約で割印や契印は必要ですか?

A. 電子契約では、紙の契約書で行う割印や契印は不要です。割印・契印は、複数の契約書どうしの関連性や、契約書内のページのつながり・同一性を示すために紙で用いられてきた慣行ですが、電子契約では電子署名とタイムスタンプによって文書全体が一体のものとして改ざんされていないことを証明できるためです。そもそも割印・契印は法律上の要件ではなく、電子データではその役割を電子署名が担います。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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