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契約書電子化とは?保管と締結の違い・電子化できる契約書・法的有効性を解説

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電子契約システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要22サービスの料金・機能を無料で一覧比較

電子契約システム比較表(2026年版)

紙の契約書が増え続け、契約書の電子化を検討し始めたものの、「契約書の電子化」が具体的に何を指すのかがつかみにくい、と感じる方は少なくありません。紙をスキャンしてPDFで保管することと、これから結ぶ契約をオンラインで締結することは、どちらも「電子化」と呼ばれますが、目的も準備も異なります。

本記事では、契約書電子化を「保管の電子化」と「締結の電子化」の2つに切り分けて整理し、電子化できる契約書とできない契約書、電子化しても法的に有効かどうか、メリットと注意点、そして何から始めればよいかまでを、根拠となる法律とあわせて解説します。自社が最初に取るべき一歩を判断する材料としてご活用ください。

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契約書電子化とは?「保管の電子化」と「締結の電子化」の2軸で捉える

契約書電子化とは、これまで紙で作成・保管していた契約書を、電子データとして作成・締結・保管できるようにすることです。ひとくちに電子化といっても、実際には性質の異なる2つの取り組みが含まれます。この2つを最初に切り分けておくと、自社が何をすべきかがはっきりします。

契約書電子化を2つの軸で整理した図解。保管の電子化は、締結済みの紙の契約書をスキャンしてPDFなどの電子データにし検索・保管しやすくする取り組みで、契約の結び方は紙のまま締結後の管理をデジタルに移す。締結の電子化は、これから結ぶ契約を押印や郵送を使わずオンラインで締結し、電子署名やタイムスタンプで紙の押印に代わって契約を成立させる取り組み。

1つ目は「保管の電子化」です。すでに紙で締結した契約書をスキャンしてPDFなどの電子データにし、検索・保管しやすくする取り組みを指します。契約そのものの結び方は紙のままで、締結後の管理をデジタルに移すイメージです。

2つ目は「締結の電子化」です。これから結ぶ契約を、押印や郵送を使わずにオンライン上で締結する取り組みを指します。電子署名やタイムスタンプを用いて、紙の押印に代わる形で契約を成立させます。

自社の目的が「過去の契約書の管理をラクにしたい」のか「これからの契約締結の手間をなくしたい」のかで、選ぶ手段は変わります。まずはこの2軸のどちらを(あるいは両方を)進めたいのかを意識すると、後の判断がぶれません。

契約書電子化の方法・種類

ここからは、契約書電子化の代表的な方法を整理します。以下の表で、それぞれが「保管の電子化」「締結の電子化」のどちらにあたるか、何をする方法か、法的効力を担保するために何が必要かを見比べてください。

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方法紙の契約書をスキャンしてPDFで保存する作成した契約書をPDFに変換し電子署名を付与する電子契約サービスを利用して締結する契約書管理システムで一元管理する
どちらの電子化か保管の電子化締結の電子化締結の電子化保管の電子化
何をするか締結済みの紙の契約書をスキャナーやスマートフォンで読み取り、PDFなどの電子データにして保管・検索できるようにする契約書をPDF化し、電子署名やタイムスタンプを付与して締結するクラウド上で契約書を送信し、相手方とオンラインで署名・締結する。立会人型・当事者型の署名方式に対応自社・他社で締結した契約書を取り込み、更新期限や台帳を一元管理する。締結機能を持つサービスもある
法的効力・保存で必要なもの電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件(解像度・タイムスタンプ等)を満たす必要がある。紙の原本は要件を満たすまで保管が必要本人による電子署名で真正な成立が推定される(電子署名法)。タイムスタンプで作成時刻と非改ざんを証明電子署名+認定タイムスタンプを自動付与し、電子帳簿保存法の電子取引データ保存の要件に対応するサービスが多い保管・検索の効率化が主目的。締結を伴う場合は上記の署名・保存要件が関わる
向いているケース過去に締結した紙の契約書の保管・検索を効率化したい少量の契約を自社主導で電子的に締結したい取引先とのやり取りを含め、締結の手間・郵送・印紙をなくしたい契約書の所在管理・更新漏れ防止をまとめて解決したい

当事者型と立会人型の違い

締結の電子化で用いる電子署名には、大きく2つの方式があります。どちらを選ぶかで、相手方の負担と本人確認の厳格さが変わります。

当事者型(実印タイプ)は、契約の当事者自身が、認証局の本人確認を経て発行された電子証明書を使って署名する方式です。本人性の担保が高く、紙の実印に近い位置づけになりますが、相手方も電子証明書を用意する必要があります。

立会人型(事業者署名型・契約印タイプ)は、当事者の指示にもとづいてサービス提供事業者が署名を付与する方式です。本人確認はメール認証などで行い、相手方は電子証明書が不要なため、導入のハードルが低く、取引先に負担をかけにくいのが特徴です。自社は当事者型、相手方は立会人型という「ハイブリッド」で締結できるサービスもあります。

電子化できる契約書・できない契約書

「自社の契約書は電子化してよいのか」は、電子化を進めるうえで最初に確かめたい点です。多くの契約書は電子化できますが、一部には書面や公正証書が求められるものがあります。契約の種類ごとに、電子化の可否と根拠・条件を整理します。

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契約・書面の種類業務委託契約・売買契約・雇用契約など一般の契約定期借地契約・定期建物賃貸借契約・取壊し予定建物の賃貸借不動産取引の重要事項説明書・契約書面(宅地建物取引業)特定商取引(訪問販売・通信販売等)の契約書面発注時の取引条件を明示する書面(委託取引)労働条件通知書(労働条件の明示)事業用定期借地権の設定契約任意後見契約農地・採草放牧地の賃貸借契約
電子化の可否原則できるできる(電磁的記録で可)相手方の承諾があればできる消費者の承諾があればできる書面または電磁的方法で可労働者が希望すればできる電子契約サービスでは締結できない電子契約サービスでは締結できない書面が必要
根拠・条件書面を義務づける法律がなく、電子データでの締結・保管が可能。本人による電子署名があれば真正な成立が推定される(電子署名法第3条)借地借家法第22条・第38条・第39条。デジタル改革関連法により、内容を記録した電磁的記録によることが認められている宅地建物取引業法第34条の2・第35条・第37条。2022年5月18日から、相手方の承諾を得て電磁的方法で提供できる特定商取引に関する法律。2023年6月1日から、申込みをした者の承諾を得て電磁的方法で提供できる中小受託取引適正化法(取適法)第4条。2026年1月1日に旧・下請法から改称・施行。書面または電磁的方法で明示できる労働基準法第15条・同法施行規則第5条第4項。労働者が希望した場合にファクシミリや電子メール等で明示できる借地借家法第23条第3項により公正証書が必要。公証人の関与が要るため、当事者だけで完結する電子契約サービスでは締結できない任意後見契約に関する法律第3条により公正証書が必要。事業用定期借地権と同様に公証人の関与が要る農地法第21条が存続期間・借賃等を書面で明らかにすることを義務づけており、電子化を認める法改正も行われていないため、書面での締結が必要

※上記は2026年9月時点の各法令にもとづく整理です。個別の契約の取り扱いは、最新の法令や専門家の助言をご確認ください。

注意したいのは、公正証書が必要な事業用定期借地権や任意後見契約です。公正証書の作成手続き自体は2025年10月からデジタル化されましたが、公証人の関与が必要である点は変わらないため、当事者だけで締結する一般の電子契約サービスでは締結できません

また、以前は「電子化できない」と紹介されることのあった定期借地・定期建物賃貸借(借地借家法第22条・第38条・第39条)は、法改正によって電磁的記録での締結が認められています。

各契約の根拠となる条文は、後半の関連法令の整理で原文とあわせて確認できます。

契約書を電子化しても法的に有効か

結論から言うと、電子化した契約書は法的に有効です。ただし、「紙をスキャンしただけのPDF」と「電子署名を付けた契約」では、証拠としての強さが異なります。ここを押さえておかないと、電子化したつもりでも効力の弱い状態になりかねません。

電子署名については、電子署名法が次のように定めています。本人による電子署名があれば、その電子データは真正に成立したものと推定されます。

電磁的記録であつて情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

出典:電子署名及び認証業務に関する法律 第3条|e-Gov法令検索

一方、紙の契約書をスキャンしただけのPDFには、この推定は働きません。以下の表で、保存・締結の形ごとに証拠力と保存上の位置づけを整理します。

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保存・締結の形紙をスキャンしただけのPDF電子署名あり(立会人型・当事者型)電子署名+タイムスタンプあり
証拠力(真正な成立の推定)電子署名がないため推定は働かない。あくまで紙の原本の写し本人による電子署名があれば真正な成立が推定される(電子署名法第3条)電子署名の推定に加え、作成時刻の証明と非改ざんの証明が加わり、証拠力が高まる
保存上の位置づけ電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件(解像度・タイムスタンプ等)を満たして初めて、要件を満たした保存として扱える電子取引データとして保存でき、押印・郵送が不要になる電子帳簿保存法の真実性の要件に対応しやすい

締結の電子化では、電子署名とタイムスタンプが効力の要になります。保管の電子化(スキャン)では、紙の原本をスキャンして終わりにするのではなく、電子帳簿保存法の要件を満たす形で保存することが重要です。要件の詳細は関連法令の整理で解説します。

契約書を電子化するメリット

契約書を電子化すると、コスト・業務・管理の面で次のような効果が期待できます。

  • 印紙税・郵送コストの削減:電子契約は印紙税の課税文書にあたらず、収入印紙が不要です。製本・郵送・保管にかかる費用も抑えられます。
  • 契約締結の時間短縮:オンラインで送信・署名できるため、押印・郵送の往復にかかっていた日数を短縮できます。
  • 検索性の向上:契約書名・取引先・締結日などで検索でき、必要な契約書をすぐに取り出せます。
  • 保管スペースの削減:紙のファイルやキャビネットが不要になり、物理的な保管場所を減らせます。
  • 更新漏れの防止とガバナンス強化:更新期限のアラートや承認フローにより、契約の見落としや無断締結を防ぎやすくなります。
  • テレワークへの対応:出社して押印する必要がなくなり、契約業務を在宅でも進められます。

印紙税については、国税局の文書回答事例で、契約内容を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合は課税文書の作成にあたらないとされています。

出典・参考資料(1件)

ここまで挙げたメリットのうち更新漏れの防止は、契約書を電子データで一元管理し、更新期限の管理を自動化できるかどうかに関わります。契約書管理サービスを提供するGVA TECH株式会社への独自インタビューでは、更新管理の自動化による効果について次のように語っています。

大沢氏
GVA TECH 株式会社 法務オートメーション事業部 パートナーアライアンスチーム マネージャー
大沢氏
独自インタビューより

数千件以上の契約更新管理を行っている企業様では、AIによる自動化によって、更新漏れによる不利益な契約更新やタイミングの失念がゼロになったという定量的な成果も出ています。

契約書電子化のデメリット・注意点

メリットの一方で、電子化を進める際には次の点に注意が必要です。導入後につまずかないよう、あらかじめ把握しておきましょう。

  • 取引先の協力が必要:締結の電子化は相手方も電子契約に対応する必要があります。取引先が紙を希望する場合は、当面は紙と電子が混在します。
  • スキャンしただけでは効力・保存が不十分:紙をスキャンしたPDFには電子署名の推定が働かず、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たさなければ、要件を満たした保存にはなりません。
  • 業務フローの見直しが発生する:押印・回覧を前提にした社内ルールを、電子署名・承認フローに合わせて作り直す必要があります。
  • セキュリティ対策が欠かせない:契約書は機密情報のため、アクセス権限の設定やログ管理など、情報漏えいを防ぐ仕組みが必要です。
  • 電子取引データは紙保存に戻せない:メールやクラウドでやり取りした電子契約のデータは、原則として電子データのまま保存する必要があります(後述の電子帳簿保存法を参照)。

契約書電子化に関わる法律の整理

ここでは、契約書電子化の根拠となる主な法律を、条文とあわせて整理します。社内で電子化を説明する際の根拠としてご活用ください。

電子署名法(電子署名による法的効力)

電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)は、本人による電子署名がある電子データを、真正に成立したものと推定すると定めています(第3条、原文は法的有効性の章に掲載)。これが、電子契約に紙と同等の効力が認められる根拠です。

電子帳簿保存法(電子データの保存要件)

電子帳簿保存法は、国税関係書類を電子的に保存する際の要件を定めています。保管の電子化に関わるのは、主に「スキャナ保存」と「電子取引データ保存」の2つです。

紙で受け取った書類をスキャンして保存するスキャナ保存では、次のような要件が定められています。

  • 解像度が 200dpi相当以上であること
  • 赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ 256 階調以上(24 ビットカラー)であること
  • 入力期間内に、一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ(電磁的記録が変更されていないことについて、保存期間を通じて確認することができ、課税期間中の任意の期間を指定し、一括して検証することができるものに限る。)を、一の入力単位ごとの電磁的記録の記録事項に付すこと
出典:はじめませんか、書類のスキャナ保存!|国税庁

これらの要件を満たしてスキャナ保存すれば、紙の原本は廃棄でき、棚やキャビネットの保管スペースを削減できます。逆に、要件を満たすまでは紙の原本もあわせて保管しておく必要があります。「スキャンして棚の紙を減らしたい」という場合は、この要件を満たす形で保存することが前提になります。

また、電子メールやクラウドでやり取りした契約書などの電子取引データは、電子データのまま保存することが義務づけられています。

所得税(源泉徴収に係る所得税を除く。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行つた場合には、財務省令で定めるところにより、当該電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならない。

出典:電子帳簿保存法 第7条|e-Gov法令検索

この電子取引データ保存は2024年1月1日から本格的に義務化されており、原則として紙に印刷して保存することはできません。ただし、要件どおりに保存できないことについて相当の理由があると所轄税務署長が認め、かつ税務調査等の際にデータのダウンロードや書面の提示に応じられる場合には、猶予措置が設けられています。

出典・参考資料(1件)

スキャナ保存や電子取引データ保存で必要になるタイムスタンプは、訂正・削除の履歴が残るシステムを使う、事務処理規程を整備するといった一定の条件を満たせば付与を省略できる場合があります。要件を条文とあわせて詳しく確認したい方は、以下の記事もご覧ください。

書面や公正証書が求められる契約

一部の契約は、法律で書面や公正証書が求められており、電子化の扱いに注意が必要です。たとえば事業用定期借地権の設定契約は、借地借家法により公正証書によることが定められています。

前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によつてしなければならない。

出典:借地借家法 第23条第3項|e-Gov法令検索

任意後見契約も、任意後見契約に関する法律第3条により公正証書が必要です。宅地建物取引業法・特定商取引法・取適法(旧・下請法)・労働基準法などの書面は、相手方の承諾や本人の希望を条件に電磁的方法で提供できます。どの契約がどの区分にあたるか(できる/できない/承諾が必要)は、電子化できる契約書・できない契約書の一覧で確認してください。

出典・参考資料(6件)

契約書電子化は何から始める?進め方の手順

契約書電子化は、いきなりサービスを選ぶのではなく、自社の目的を整理してから進めると失敗しにくくなります。次の流れで検討するとスムーズです。

契約書電子化の進め方を示した4ステップの図解。STEP1は目的を決める(保管の電子化と締結の電子化のどちらを進めるか見極める)、STEP2は契約書を棚卸しし電子化できるもの・できないものを切り分ける、STEP3は目的に合った方法・サービスを選ぶ、STEP4は社内ルールを電子署名・承認フローに見直し取引先へ電子契約への切り替えを案内する。

出発点になるのは、「保管の電子化」と「締結の電子化」のどちらを進めるかの見極めです。過去の契約書の管理をラクにしたい場合はスキャンによる電子保存や契約書管理システムが中心になり、これからの契約締結の手間をなくしたい場合は電子契約サービスの導入が中心になります。両方を進めるなら、優先順位をつけると導入計画を立てやすくなります。

次のステップは、自社が扱う契約書のうち電子化できるものとできないものの棚卸しです。電子化できる契約書・できない契約書の一覧を参照し、公正証書が必要な契約などを切り分けておくと、後の選定がスムーズになります。

そのうえで、目的に合った方法・サービスを選びます。締結の電子化なら署名方式(当事者型・立会人型)や取引先の負担、保管の電子化なら電子帳簿保存法への対応や検索性が確認のポイントです。最後に、押印・回覧を前提にした社内ルールを電子署名・承認フローに合わせて見直し、取引先へ電子契約への切り替えを案内すれば、運用に乗せられます。

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契約書電子化を進めるサービス

ここからは、契約書電子化を実際に進めるためのサービスを紹介します。手段は目的で分かれ、締結の電子化が中心なら電子契約サービス、過去の紙の契約書の保管が中心なら契約書管理システムや文書管理システムが軸になります。

以下で紹介するのはいずれも締結を起点とした電子契約サービスですが、他社で締結した契約書や紙の契約書の取り込み・一元管理にも対応するものが多く、締結と保管の両方をカバーできます。保管の電子化だけを進めたい場合は、契約書管理システムを主題にした記事(本セクション末尾のリンク)もあわせて参考にしてください。まずは自社に合うサービスの選び方を押さえておきましょう。

自社に合う契約書電子化サービスの選び方

サービスを比較する際は、次の観点を自社の状況に当てはめて確認すると、判断がぶれません。

  • 署名方式:当事者型・立会人型のどちらに対応しているか。取引先の負担を抑えたいなら立会人型、本人性を重視するなら当事者型が向きます(当事者型と立会人型の違いを参照)。
  • 紙契約も含めた一元管理ができるか:他社サービスで締結した契約書や紙の契約書も取り込めると、保管の電子化まで一本化できます。
  • 電子帳簿保存法への対応:認定タイムスタンプの付与や検索要件への対応など、保存要件を満たせるかを確認します。
  • 料金体系:初期費用・月額・送信料の課金方式は、契約件数や利用人数によって総額が変わります。自社の利用量に合うかを見積もります。
  • 無料で試せるか:無料プランや無料トライアルがあれば、本格導入の前に操作感を確かめられます。

以下は、紹介する契約書電子化サービスの比較表です。

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサインWAN-Signマネーフォワード クラウド契約
提供会社弁護士ドットコム株式会社GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社株式会社NXワンビシアーカイブズ株式会社マネーフォワード
署名方式立会人型/当事者型(マイナンバーカード署名)立会人型/当事者型(ハイブリッド可)立会人型/当事者型(ハイブリッド可)立会人型のみ
紙契約も含めた一元管理書類インポートは上位プラン紙原本の保管にも対応
電子帳簿保存法対応認定タイムスタンプを標準付与JIIMA認証JIIMA認証(3保存方法に対応)電子取引に対応(スキャナ保存は非対応)
初期費用要問い合わせ0円0円0円
月額費用0円〜(Light 11,000円・税抜)0円〜(ライト 8,800円・税抜/年間契約)0円(基本プラン・従量課金型)2,480円〜(年払い・税抜。会計等12サービス込み)
送信料220円/件(税抜)立会人型 100円/当事者型 300円(各税抜)立会人型 100円/当事者型 300円(各税抜)0円(送信料・保管料なし)
無料で試せるかフリープラン(1名・月2件まで)お試しフリープラン(月5件まで・立会人型のみ)基本プランに無料枠(立会人型10件/当事者型3件・月)無料プランは送信不可(1ヶ月無料トライアルあり)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインのウェブサイト

クラウドサインは、弁護士ドットコム株式会社が提供する電子契約サービスです。書類のアップロード・送信から電子署名・タイムスタンプの付与、契約書の保管・検索までをオンラインで完結できます。標準は相手方に電子証明書が不要な立会人型(事業者署名型)で、マイナンバーカードの電子証明書を用いた当事者署名にも対応します。

全プランで総務大臣認定の認定タイムスタンプを標準付与し、電子帳簿保存法の真実性・検索要件に対応します。Salesforceやkintoneなど多数の外部サービスと連携でき、ユーザー1名・月2件までのフリープランでも電子署名とタイムスタンプを試せます。締結だけでなく、締結後の契約書の管理・検索まで一貫して扱いたい企業に向いています。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインのウェブサイト

立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の両方に対応するのが、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社のクラウド型電子契約・電子署名サービス「電子印鑑GMOサイン」です。自社は実印タイプ・相手方は契約印タイプで締結するハイブリッド署名も利用でき、取引先に負担をかけずに自社側の本人性を高めたい場合に選びやすい構成です。

電子署名法についてはデジタル庁・法務省・財務省の3省庁から適法性の確認を得ており、電子帳簿保存法にはJIIMA認証(電子帳簿保存法の要件への適合を第三者機関が認証する制度)で対応しています。ISO/IEC 27001・27017・ISMAP・SOC2 Type2といった認証を本体で保有し、官公庁・自治体・上場企業での利用実績があります。

期間の制限がない「お試しフリープラン」が用意されており、月5件まで契約書送信を試せます。

3. WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)

WAN-Signのウェブサイト

WAN-Signは、文書保管を本業とする株式会社NXワンビシアーカイブズが、GMOグローバルサインと共同開発した電子契約・契約管理サービスです。当事者型(実印版)・立会人型(認印版)・両者を組み合わせたハイブリッド版に対応し、契約ごとに本人性のレベルを選べます。他社で締結した電子契約のPDFや紙の契約書も取り込んで一元管理できる点が特徴で、電子と紙が混在する状況を整理したい企業に向いています。

令和5年改正法令基準のJIIMA認証を取得し、電子帳簿保存法の3つの保存方法に対応します。ISO/IEC 27001・27017・ISO 9001・プライバシーマークを本体で保有し、金融機関・官公庁・医療機関など内部統制要件の高い領域での利用を主なターゲットとしています。

初期費用・月額固定費0円の基本プランに主要機能が標準搭載され、当事者型は月3件、立会人型は月10件まで無料で利用できます。無料枠を超えた分は従量課金となります(従量単価はいずれも税抜)。

4. マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド契約のウェブサイト

マネーフォワード クラウド契約は、契約書の作成・社内申請・締結・保管・管理までをクラウド上で完結できる電子契約/契約書管理サービスです。バックオフィスSaaS群「マネーフォワード クラウド」の1つとして、会計・請求書などと同一アカウント体系で利用できるため、すでに同シリーズを使っている企業が契約管理を追加しやすい構成になっています。

電子署名は立会人型(事業者署名型)を採用し、締結時に自動でタイムスタンプを付与して電子帳簿保存法の電子取引に対応します。他社サービスで締結した契約書も取り込んで一元管理でき、契約書PDFから契約情報を自動で読み取るAI-OCR機能を追加課金なしで備えます。有料プラン契約後は送信料・保管料が0円で、契約件数が増えてもコストが膨らみにくい料金構成です。

ここで紹介したサービスを含め、締結の電子化を担う電子契約サービスをより広く比較したい場合は、料金や署名方式などタイプ別の選び方を整理した以下の記事もあわせてご覧ください。

一方、契約書の保管や台帳管理を主目的に、締結機能の有無も含めて契約書管理システムを比較検討したい場合は、タイプ別の選び方・料金・電子帳簿保存法対応をまとめた以下の記事が参考になります。

まとめ

契約書電子化は、「保管の電子化(紙をスキャンして電子保存する)」と「締結の電子化(オンラインで契約を締結する)」の2つに分けて考えると、自社が何をすべきかが見えてきます。多くの契約書は電子化できますが、事業用定期借地権や任意後見契約のように公正証書が必要なものは電子契約サービスでは締結できません。

法的効力の面では、紙をスキャンしただけのPDFと電子署名を付けた契約では証拠力が異なり、電子署名とタイムスタンプが要になります。保管の電子化では、電子帳簿保存法の要件を満たす形で保存することが欠かせません。まずは自社の目的(保管か締結か)を決め、電子化できる契約書を棚卸ししたうえで、目的に合ったサービスを選ぶことから始めましょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 契約書電子化とは何ですか?

A. 契約書電子化とは、これまで紙で作成・保管していた契約書を電子データとして扱えるようにする取り組みで、大きく「保管の電子化」と「締結の電子化」の2つに分かれます。保管の電子化は、締結済みの紙の契約書をスキャンしてPDFなどで保存し、検索・管理しやすくすることを指します。

締結の電子化は、これから結ぶ契約を、押印や郵送を使わず電子署名やタイムスタンプでオンライン締結することを指します。過去の契約書の管理をラクにしたいのか、これからの締結の手間をなくしたいのかで、取るべき手段が変わります。

Q. 自社の契約書は電子化できますか?できない契約書はありますか?

A. 契約書電子化は、業務委託・売買・雇用契約など大半の契約書で可能ですが、公正証書が求められる事業用定期借地権の設定契約や任意後見契約などは電子契約サービスでは締結できません。公正証書には公証人の関与が必要なため、当事者だけで完結する電子契約では対応できないためです。また、農地・採草放牧地の賃貸借契約は農地法により書面が必要です。

一方、不動産取引の重要事項説明書や特定商取引の書面、労働条件通知書などは、相手方の承諾や本人の希望を条件に電磁的方法で提供できます。契約の種類ごとの可否は、本文の電子化できる契約書・できない契約書の一覧で確認できます。

出典・参考資料(2件)

Q. 契約書は紙をスキャンしただけで電子化したことになりますか?

A. 契約書電子化では、紙をスキャンしただけのPDFでは不十分で、電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たす必要があります。スキャンしただけのPDFには電子署名による真正な成立の推定が働かず、あくまで紙の原本の写しにすぎません。

スキャナ保存として認められるには、解像度200dpi相当以上・24ビットカラー・タイムスタンプの付与といった要件を満たす必要があります(タイムスタンプは、訂正・削除の履歴が残るシステムの利用などで代替できる場合もあります)。

要件を満たしてスキャナ保存すれば紙の原本は廃棄でき、逆に満たすまでは紙の原本の保管も求められます。証拠力を確保したい場合は、スキャン保存にとどめず、電子署名による締結の電子化を検討するのが確実です。

出典・参考資料(1件)

Q. 電子化した契約書は法的に有効ですか?

A. 契約書電子化は法的に有効で、本人による電子署名があれば、その電子データは真正に成立したものと推定されます(電子署名法第3条)。これが電子契約に紙と同等の効力が認められる根拠です。さらにタイムスタンプを付与すると、作成時刻の証明と非改ざんの証明が加わり、証拠力が高まります。

ただし、電子署名のない「紙をスキャンしただけのPDF」にはこの推定は働かないため、締結の電子化では電子署名とタイムスタンプが効力の要になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 電子契約に収入印紙は必要ですか?

A. 契約書電子化のうち締結の電子化では、収入印紙は不要です。契約内容を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合は、印紙税法上の課税文書の作成にあたらないと国税局の文書回答事例で示されており、契約金額にかかわらず印紙代は0円になります。これは電子契約の代表的なコスト削減効果の一つです。ただし、同じ契約でも紙で作成・交付する場合は、従来どおり契約金額に応じた収入印紙が必要になります。

出典・参考資料(1件)

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MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
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