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現行のリース会計基準とは?ファイナンス・オペレーティングリースの区分と会計処理|新基準(2027年)との違いを解説

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新リース会計基準が2027年から始まるという情報を目にして、まずは足元の現行ルールを正確に押さえておきたいと考える経理・財務の担当者は少なくありません。新基準への対応を考える前提になるのは、いま適用されている現行のリース会計基準を正しく理解しておくことです。

現行のリース会計基準は、企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」を指します。リースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分し、区分ごとに会計処理を定めているのが基本的な枠組みです。この区分の判定には、現在価値や経済的耐用年数を使った具体的な基準が設けられています。

本記事では、現行基準の区分・判定基準・会計処理・簡便処理を条文に沿って整理し、あわせて2027年に適用される新リース会計基準(企業会計基準第34号)との違いと切り替え時期を解説します。さらに、対応の第一歩となる契約の洗い出し・台帳化に役立つ契約管理システムもあわせて紹介します。自社のリース契約への当てはめや、新基準に向けて今から始めておきたい準備の見当をつけるための材料としてご活用ください。

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現行のリース会計基準とは(企業会計基準第13号・2008年4月適用)

はじめに、リース取引とは、貸手が特定の物件を借手に使用させ、借手がその使用料(リース料)を支払う取引を指します。これを扱う現行の会計ルールが、企業会計基準委員会(ASBJ)の定める企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」です。平成20年(2008年)4月1日以後に開始する連結会計年度および事業年度から適用され、いまも会社の決算実務の土台になっています。

第13号は、リース取引の定義や区分、区分ごとの会計処理、開示、適用時期を定めています。判定基準の具体的な数値(現在価値や経済的耐用年数のパーセンテージ)や少額・短期リースの簡便処理は、第13号本体ではなく、企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」に定められている点も、実務で押さえておきたいポイントです。

適用時期について、第13号は次のように定めています。

本会計基準は、平成20年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度から適用する。ただし、平成19年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度から適用(以下「財務諸表に係る早期適用」という。)することができる。

出典:企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」第23項|企業会計基準委員会

ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分

現行基準では、リース取引をまずファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2つに区分します。この区分によって会計処理が変わるため、自社の契約がどちらに当たるかの見極めが実務の出発点になります。

借手の区分は、次の順序で上から確認していくと整理できます。各判定基準の詳しい内容は、このあとの見出しで順に解説します。

現行のリース会計基準における借手のリース区分の判定フロー。リース取引について、まず所有権移転の3条件(譲渡条件付・割安購入選択権付・特別仕様物件)のいずれかに当てはまれば所有権移転ファイナンス・リース、当てはまらず現在価値の概ね90%以上または経済的耐用年数の概ね75%以上を満たせば所有権移転外ファイナンス・リース、いずれの基準も満たさなければオペレーティング・リースに区分される。

ファイナンス・リースは、第13号第5項で次のように定義されています。

「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引をいう。

出典:企業会計基準第13号 第5項|企業会計基準委員会

実務では「途中解約ができない(解約不能)」「借手がコストをほぼ負担する(フルペイアウト)」の2点で語られることが多い定義です。一方、オペレーティング・リースは、これに当てはまらないものとして消極的に定義されます。

「オペレーティング・リース取引」とは、ファイナンス・リース取引以外のリース取引をいう。

出典:企業会計基準第13号 第6項|企業会計基準委員会

まず、ファイナンス・リースに該当するかを判定し、該当しないものがオペレーティング・リースになるという順序です。ファイナンス・リースは、所有権が借手に移転するかどうかでさらに2つに分かれます。

ファイナンス・リース取引は、リース契約上の諸条件に照らしてリース物件の所有権が借手に移転すると認められるもの(以下「所有権移転ファイナンス・リース取引」という。)と、それ以外の取引(以下「所有権移転外ファイナンス・リース取引」という。)に分類する。

出典:企業会計基準第13号 第8項|企業会計基準委員会

ファイナンス・リースの判定基準(現在価値の概ね90%・経済的耐用年数の概ね75%)

あるリース取引がファイナンス・リースに当たるかどうかは、適用指針第16号第9項が定める2つの基準で判定します。次の(1)現在価値基準と(2)経済的耐用年数基準のいずれか一方を満たせば、ファイナンス・リースと判定されます。

  • 解約不能のリース期間中のリース料総額の現在価値が、当該リース物件を借手が現金で購入するものと仮定した場合の合理的見積金額(以下「見積現金購入価額」という。)の概ね90パーセント以上であること(以下「現在価値基準」という。)
  • 解約不能のリース期間が、当該リース物件の経済的耐用年数の概ね75パーセント以上であること(ただし、リース物件の特性、経済的耐用年数の長さ、リース物件の中古市場の存在等を勘案すると、上記(1)の判定結果が90パーセントを大きく下回ることが明らかな場合を除く。)(以下「経済的耐用年数基準」という。)
出典:企業会計基準適用指針第16号 第9項|企業会計基準委員会

数値は「概ね90パーセント」「概ね75パーセント」と幅を持たせた表現になっており、ぴったりの数値でなくても近い水準であれば該当し得る点に注意が必要です。経済的耐用年数基準にはただし書きもあり、機械的に割り切れないケースがあることを示しています。

現在価値を求める際の割引率には、貸手の計算利子率が分かればその利率を、分からなければ借手が追加で借り入れる場合の利率(追加借入利子率)を用います(適用指針第16号第17項)。実際の計算は契約ごとの条件に左右されるため、判断に迷う場合は顧問の会計士・税理士に確認することをおすすめします。

所有権移転ファイナンス・リースの3条件(譲渡条件付・割安購入選択権付・特別仕様物件)

ファイナンス・リースのうち、次の3条件のいずれかに当てはまるものは、所有権移転ファイナンス・リースに分類されます(適用指針第16号第10項)。3つを簡潔に呼ぶと、譲渡条件付・割安購入選択権付・特別仕様物件です。

  • リース契約上、リース期間終了後又はリース期間の中途で、リース物件の所有権が借手に移転することとされているリース取引
  • リース契約上、借手に対して、リース期間終了後又はリース期間の中途で、名目的価額又はその行使時点のリース物件の価額に比して著しく有利な価額で買い取る権利(以下合わせて「割安購入選択権」という。)が与えられており、その行使が確実に予想されるリース取引
  • リース物件が、借手の用途等に合わせて特別の仕様により製作又は建設されたものであって、当該リース物件の返還後、貸手が第三者に再びリース又は売却することが困難であるため、その使用可能期間を通じて借手によってのみ使用されることが明らかなリース取引
出典:企業会計基準適用指針第16号 第10項|企業会計基準委員会

自社の契約はどちらに当たるか(当てはめの目安)

ここまでの定義と基準を、自社の契約に当てはめる際の目安として整理すると次のようになります。実務では、所有権移転の3条件のいずれかを満たせばすぐに所有権移転ファイナンス・リースと分かるため、先に3条件を確認すると早く仕分けできます。

実際の判定は「概ね」の幅やただし書きを含む個別の判断になるため、下表はあくまで見取り図として活用し、最終的な区分は顧問税理士・会計士や監査法人に確認することをおすすめします。

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確認する順序① 所有権移転の3条件(譲渡条件付・割安購入選択権付・特別仕様物件)のいずれかに当てはまる② ①に当てはまらず、現在価値基準(概ね90%以上)または経済的耐用年数基準(概ね75%以上)を満たす③ ①②のいずれにも当てはまらない
区分の目安所有権移転ファイナンス・リース所有権移転外ファイナンス・リースオペレーティング・リース

現行基準の会計処理(売買処理・賃貸借処理)

区分が決まると、会計処理の方法も決まります。現行基準は、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースで処理を分けています。

ファイナンス・リースは、通常の売買取引に準じた会計処理(売買処理)を行います。借手はリース物件を資産(リース資産)として、支払義務を負債(リース債務)として貸借対照表に計上します。

ファイナンス・リース取引については、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行う。

出典:企業会計基準第13号 第9項|企業会計基準委員会

一方、オペレーティング・リースは、通常の賃貸借取引に準じた会計処理(賃貸借処理)を行います。支払ったリース料を費用として計上する処理で、原則として資産・負債は計上しません(オフバランス)。

オペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行う。

出典:企業会計基準第13号 第15項|企業会計基準委員会

減価償却の方法も区分で異なります。所有権移転外ファイナンス・リースの場合、リース期間を耐用年数とする点が現行基準の特徴です。

所有権移転ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、自己所有の固定資産に適用する減価償却方法と同一の方法により算定する。また、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係るリース資産の減価償却費は、原則として、リース期間を耐用年数とし、残存価額をゼロとして算定する。

出典:企業会計基準第13号 第12項|企業会計基準委員会

ファイナンス・リースを売買処理する場合、支払うリース料の総額は「リース資産(元本)の返済分」と「利息相当額」に分けて処理します。利息相当額はリース期間にわたって各期に配分し、配分方法は原則として利息法(未返済の元本残高に一定の利率を乗じて各期の利息を計算する方法)によります。

この結果、売買処理では減価償却費と支払利息をそれぞれ費用計上します。リース料を利息と元本に分けずそのまま費用計上する賃貸借処理とは、損益計算書への現れ方が変わる点も押さえておきたいところです。

少額・短期リースなどの簡便処理と免除規定

ファイナンス・リースであっても、重要性が乏しいと認められる場合には、賃貸借処理などの簡便的な取り扱いが認められています。適用指針第16号は、金額や期間の具体的な基準を設けています。

個々のリース資産に重要性が乏しい場合として、リース期間が1年以内のもの、リース契約1件あたりのリース料総額が300万円以下のものが挙げられています(原文にはこのほか購入時に費用処理する基準額以下のものも挙げられていますが、ここでは実務でよく使われる2つを取り上げます)。

個々のリース資産に重要性が乏しいと認められる場合とは、次の(1)から(3)のいずれかを満たす場合とする。(中略)(2)リース期間が1年以内のリース取引 (3)企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引で、リース契約1件当たりのリース料総額(維持管理費用相当額又は通常の保守等の役務提供相当額のリース料総額に占める割合が重要な場合には、その合理的見積額を除くことができる。)が300万円以下のリース取引

出典:企業会計基準適用指針第16号 第35項|企業会計基準委員会

この「1件300万円以下」「1年以内」は、個々の契約が少額・短期であることに着目した基準です。これとは別に、リース資産の総額そのものが僅少な場合の基準として、未経過リース料の期末残高割合が10パーセント未満であることを定めた規定もあります(適用指針第16号第32項)。

リース資産総額に重要性が乏しいと認められる場合とは、未経過リース料の期末残高(第34項で通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととしたものや、第24項に従い利息相当額を利息法により各期に配分しているリース資産に係るものを除く。)が当該期末残高、有形固定資産及び無形固定資産の期末残高の合計額に占める割合が10パーセント未満である場合とする。

出典:企業会計基準適用指針第16号 第32項|企業会計基準委員会

「1件300万円以下・1年以内(個々の契約が少額・短期)」と「未経過リース料の期末残高10パーセント未満(リース資産総額が僅少)」は着目点の異なる別々の要件です。混同しやすいため、自社がどちらの基準で簡便処理を検討しているのかを分けて考えると整理しやすくなります。

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現行と新リース会計基準(企業会計基準第34号)の違い

2024年9月13日、企業会計基準委員会は新しいリース会計基準として企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」を公表しました。国際的な会計基準(IFRS第16号)との整合を図る狙いがあり、正式名称も現行の「リース取引に関する会計基準」から「リースに関する会計基準」へと変わっています。

現行基準と新基準の主な違いを、借手の会計処理を中心に整理すると次のとおりです。

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項目正式名称借手のリース区分オンバランスの範囲借手の勘定科目適用時期
現行基準(第13号)リース取引に関する会計基準ファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分ファイナンス・リースのみ(オペレーティング・リースは原則オフバランス)リース資産・リース債務2008年4月1日以後開始する事業年度
新基準(第34号)リースに関する会計基準区分を廃止し単一の会計モデルに統一原則としてすべてのリースをオンバランス使用権資産・リース負債2027年4月1日以後開始する事業年度から強制(2025年4月1日以後で早期適用可)

新基準の主な変更点(借手はすべてのリースをオンバランス)

新基準の最大の変更点は、借手がファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分を廃止し、原則としてすべてのリースを貸借対照表に計上する点です。これまでオフバランスだったオペレーティング・リースも、使用権資産とリース負債として計上します。

原資産の引渡しにより借手に支配が移転した使用権部分に係る資産(使用権資産)と当該移転に伴う負債(リース負債)を計上する使用権モデルにより、オペレーティング・リースも含むすべてのリースについて資産及び負債を計上することとしている。

出典:企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」結論の背景|企業会計基準委員会

勘定科目も、現行の「リース資産・リース債務」から「使用権資産・リース負債」へと変わります。ただし、この単一モデルへの変更は借手の会計処理に関するもので、貸手は新基準でも従来どおりファイナンス・リースとオペレーティング・リースの分類を続けます。自社の貸借対照表への影響を検討する借手の立場では、区分の廃止とオンバランス化が実務上のポイントになります。

適用時期(現行と新基準の切り替え)

現行の第13号が2008年4月1日以後開始する事業年度から適用されているのに対し、新基準の適用時期は次のように定められています。

本会計基準は、2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用する。ただし、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から本会計基準を適用することができる。

出典:企業会計基準第34号 第58項|企業会計基準委員会

強制適用は2027年4月1日以後に開始する事業年度からで、希望する会社は2025年4月1日以後に開始する事業年度から早期適用できます。たとえば3月決算の会社であれば、2028年3月期から新基準が適用される計算です。それまでは現行の第13号に基づく処理が続きます。

新基準適用で生じる財務・経理への影響

借手がすべてのリースをオンバランス処理すると、これまで費用計上のみだったオペレーティング・リースも資産・負債として計上されるため、総資産と総負債がともに増える方向に動きます。総資産・総負債を使う財務指標(自己資本比率など)にも影響が及ぶ可能性があり、金融機関との財務制限条項(コベナンツ)への影響を確認しておきたい会社もあります。

経理実務の面でも、対象となるリース契約の把握、使用権資産・リース負債の算定、注記の拡充など、新たな作業が発生します。影響の大きさは保有するリース契約の量や種類によって異なるため、自社にどの程度の影響があるかを早めに見積もっておくことが、対応の優先度を決めるうえで役立ちます。

新基準に向けて今から始める準備(全リース契約の洗い出し・台帳化)

新基準では原則すべてのリースが対象になるため、対応の第一歩は、社内に存在するリース契約やリースに該当し得る契約を漏れなく洗い出すことです。オフィスや店舗の賃貸借、車両、複合機、サーバーなど、これまでオフバランスで費用処理していた契約も対象になり得ます。

レンタルやサブスクリプション型のサービスが新基準でオンバランスの対象になるかは、契約の実態に沿った個別の判定が必要です。判定の考え方や境界となる具体例、実務での対応は、以下の記事で解説しています。

洗い出した契約は、契約期間・リース料・更新条件などの情報とともに台帳の形で一元管理しておくと、影響額の試算や新基準適用後の管理がスムーズになります。契約書が紙やPDFで各部署に散在している場合は、この洗い出し・台帳化の工程そのものが大きな負担になりやすく、着手のタイミングが早いほど余裕をもって進められます。

契約を一元管理する契約管理システムの活用

全リース契約の洗い出し・台帳化を手作業だけで進めると、契約の所在把握・更新期限の管理・情報の属人化といった課題に直面しがちです。こうした課題は、契約書を取り込んで台帳を自動作成し、更新期限や条件を検索・管理できる契約管理システムで軽減できます。ここでは、既存契約の取り込み・台帳化に強みを持つサービスを紹介します。

以下は、紹介する契約管理システムの比較表です。

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サービス法務オートメーション「OLGA」Hubble miniTOKIUM契約管理Contract OneOPTiM Contract契約管理DX ConPass
契約台帳の自動作成受付・案件情報から自動生成PDFをAIが読み取り台帳化AIが管理項目を自動抽出AI+オペレーター補正でデータ化AI-OCR+解析で9項目抽出AIが管理項目を自動抽出
紙契約の取り込み(スキャン・OCR)AI契約レビューがOCR対応紙はOCRで取り込み郵送→非破壊スキャン代行・原本保管スキャン代行を初期費用に内包画像PDF・手書き・ゴム印にも対応スキャン・原本保管・廃棄まで代行(BPO)
更新期限アラート締結後の期限通知月1回メール通知月次メール通知有効/無効判定+アラート担当者・上長へ通知期限アラート・ダッシュボード一覧
全文検索全文・条項横断AI-OCRで全文データ化項目検索・全文検索本文全文検索(電帳法要件対応)項目検索+本文検索
電子契約・外部連携クラウドサイン・DocuSign・GMOサイン、Salesforce、SSO ほか(電子契約連携は有料オプション)クラウドサイン・GMOサイン・DocuSign(電帳法対応はオプション)各種システムへCSV出力(固定資産管理システム連携)電子契約サービス7社・Sansan連携SSO(Azure AD/Okta)、CSVエクスポートクラウドサイン・DocuSign・Adobe Acrobat Sign・GMOサイン
月額料金月1万円〜(中小企業向けプラン・税別)要問い合わせ基本料 月1万円〜+契約書件数の従量課金要問い合わせ(取り込み数に応じた個別見積)要問い合わせ月3万円〜(ライト)/月5万円〜(スタンダード)
詳細情報オンライン相談を予約オンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※各社公式サイトの公開情報にもとづく2026年9月時点の目安です。「要問い合わせ」は公式に金額が公開されていない項目を指します。「紙契約の取り込み」の記号は、◎=郵送での原本スキャン代行や物理保管まで対応、●=自社アップロードのOCRで取り込みに対応、△=AI契約レビュー等で一部対応、を表します。機能・料金は変更される場合があるため、導入検討時に各社へ最新情報をご確認ください。

1. 法務オートメーション「OLGA」(GVA TECH株式会社)

法務オートメーション「OLGA」のウェブサイト

OLGAは、GVA TECH株式会社が提供する、法務案件の受付から契約書管理・ナレッジ活用までを一元化するクラウド型の法務プラットフォームです。受付・案件情報から契約管理台帳を自動生成し、締結後の期限通知や全文検索にも対応します。

新リース会計基準への対応としては、契約書からのデータ抽出を効率化する専用のAIプロンプト7種類を2026年6月に配布しており、リース関連情報の洗い出しに活用できます。Excelや紙・PDFでの個別管理から脱却したい中小企業向けに、月額1万円から始められる契約管理プランも用意されています(初期費用は別途、いずれも税別)。

AIによる契約の更新管理で、実際にどのような成果が出ているのか。提供元のGVA TECH株式会社は、導入企業の事例を次のように述べています。

大沢氏
GVA TECH株式会社 法務オートメーション事業部 パートナーアライアンスチーム マネージャー
大沢氏
独自インタビューより

また、数千件以上の契約更新管理を行っている企業様では、AIによる自動化によって、更新漏れによる不利益な契約更新やタイミングの失念がゼロになったという定量的な成果も出ています。

2. Hubble mini(株式会社Hubble)

Hubble miniのウェブサイト

締結後の契約書管理に範囲を絞ったスモールスタート向けのサービスが、株式会社Hubbleが提供するHubble miniです。締結済みの契約書PDFをアップロードすると、AIが相手方・契約期間・自動更新の有無などを読み取り、契約台帳を自動で作成します。

紙の契約書もOCRでテキスト化して取り込めるほか、更新期限の自動通知や全文検索を備えており、契約管理をこれから始める会社でも導入しやすい構成です。まず手元の契約を台帳化することから着手したい場合に向いています。

手作業で行っていた台帳づくりが実際にどの程度変わるのか、提供元の株式会社Hubbleは導入企業の事例を次のように述べています。

安田氏
株式会社Hubble Partner Sales Manager
安田氏
独自インタビューより

分かりやすい事例で申し上げますと、ある企業様では契約書の件数が多く、台帳への入力作業に週1時間ほどかかっていましたが、Hubble miniを使ってPDFをアップロードしていただくと、相手方や契約期間といった項目をAIが代わりに入力してくれますので、1時間かかっていた作業が5分で終わるようになりました。

3. TOKIUM契約管理(株式会社TOKIUM)

TOKIUM契約管理のウェブサイト

過去に締結した紙の契約書を郵送するだけで、非破壊でのスキャン代行から原本保管、AI-OCRによる全文データ化までを任せられるのがTOKIUM契約管理です。株式会社TOKIUMが提供する契約管理クラウドで、生成AI(GPT-4o)が取引先名・契約期間・自動更新の有無などの管理項目を自動で抽出します。

2025年からは、新リース会計基準に該当し得る取引を契約書全文からAIで識別する機能を標準提供しています。識別結果は根拠とともにCSVで出力でき、リース契約の洗い出しの入口として活用できます。また、使用権資産・リース負債の算定などの会計計算は自社では行わず、CSV連携で固定資産管理システムなどにつなぐ設計です。

料金は月額1万円からの基本利用料に契約書件数に応じた従量課金を加える体系で、初期費用や単価の詳細は問い合わせが必要です(2026年8月時点)。

4. Contract One(Sansan株式会社)

Contract Oneのウェブサイト

Sansan株式会社が「AI契約データベース」と位置づけて提供するContract Oneは、紙・PDF・電子契約といった形式を問わず契約書を取り込み、全社で使える契約データベースを構築するサービスです。名刺管理事業で培ったデータ化のノウハウを活かし、AIとオペレーターによる補正を組み合わせて契約情報をデータ化します。

過去の紙契約書のスキャン代行を初期費用に含み、既存の契約資産をまとめてデータベース化しやすい点が特徴です。基本契約と個別契約・覚書の親子関係を自動で紐づける契約ツリーや、更新期限が近づくとアラートを送る機能、全文検索も備えます。料金はユーザー数・契約書保管数の上限を設けず、契約書の取り込み数などに応じた個別見積りです。

5. OPTiM Contract(株式会社オプティム)

OPTiM Contractのウェブサイト

契約書をアップロードするだけで、AI-OCRとAI解析がタイトル・当事者名・契約締結日・契約終了日など9項目を自動で抽出します。抽出結果から契約管理台帳を自動生成するのが、株式会社オプティムのOPTiM Contractです。画像形式のPDFや手書き・ゴム印・斜め掛けの契約書にも読み取りが対応しており、整形されていない過去の紙契約書の台帳化に向いています。

抽出した契約終了日に基づく更新期限のアラートや、契約書本文を対象とした全文検索、電子帳簿保存法に対応した保存機能を備えます。無料トライアルではアップロード上限100通まで全機能を試せます。料金は契約書の件数に応じた提案制で、具体的な金額は問い合わせが必要です(2026年6月時点)。

6. 契約管理DX ConPass(株式会社日本パープル)

契約管理DX ConPassのウェブサイト

機密文書の保管・廃棄サービスを長く手がけてきた株式会社日本パープルが提供するのが、契約管理DX ConPassです。契約書をPDF化してアップロードすると、AIが契約書名・相手先・契約日などを自動で読み取り、契約台帳を自動生成します。更新期限のアラートや全文検索にも対応します。

特徴は、紙の契約書原本のスキャン・データ入力・倉庫保管・廃棄までをワンストップで代行できる点です。社内に散在する紙の契約書を物理的にも一元化したい場合に適しています。料金はライトプランが月額3万円から、スタンダードプランが月額5万円からで、初期費用は別途必要です(2026年6月時点)。

各サービスの機能や料金は、公式資料でまとめて比較できます。自社の契約量や紙・電子の割合に合わせて、洗い出し・台帳化を無理なく進められるサービスを検討してみてください。

ここで取り上げたのは、既存契約の取り込み・台帳化に強みを持つサービスに絞った一部です。契約管理システム全体のタイプ別の選び方や料金の実額、電子帳簿保存法への対応まで比較して選びたい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

本記事で引用・参照した会計基準の関連資料は以下のとおりです。

出典・参考資料(2件)

まとめ

現行のリース会計基準は企業会計基準第13号で、リースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分し、現在価値の概ね90%・経済的耐用年数の概ね75%といった基準や所有権移転の3条件で判定します。ファイナンス・リースは売買処理、オペレーティング・リースは賃貸借処理を行い、少額・短期リースには簡便処理も認められています。

2027年4月から強制適用される新基準(企業会計基準第34号)では、借手はこの区分を廃止し、原則すべてのリースを使用権資産・リース負債としてオンバランス処理します。切り替えに向けては、まず全リース契約を漏れなく洗い出し、台帳の形で一元管理しておくことが第一歩です。契約が紙やPDFで散在している場合は、契約管理システムの活用も含めて早めに準備を進めておくと安心です。

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よくある質問(FAQ)

Q. 現行のリース会計基準とは何ですか?

A. 現行のリース会計基準とは、企業会計基準委員会(ASBJ)が定める企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」を指します。2008年(平成20年)4月1日以後に開始する事業年度から適用され、いまも会社の決算実務を支えているルールです。

リースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースに区分し、区分ごとに会計処理を定めているのが基本的な枠組みです。判定基準の数値や少額・短期リースの簡便処理は、あわせて企業会計基準適用指針第16号に定められています。

Q. リース会計基準の対象になる契約とはどのようなものですか?

A. リース会計基準の対象になるのは、貸手が特定の物件を借手に使用させ、借手がその使用料(リース料)を支払う「リース取引」です。現行の第13号では、こうしたリース取引をまずファイナンス・リースかオペレーティング・リースかに区分してから会計処理します。

オフィスや店舗の賃貸借、車両、複合機、サーバーなどの賃借契約も、契約の実態によってはリース取引に当たり得るため、契約書の名称ではなく中身で判断することが大切です。

出典・参考資料(1件)

Q. 自社の契約がファイナンス・リースかオペレーティング・リースか迷う場合、どう判断すればよいですか?

A. まず所有権移転の3条件(譲渡条件付・割安購入選択権付・特別仕様物件)を確認し、当てはまらなければ現在価値基準(概ね90%以上)または経済的耐用年数基準(概ね75%以上)で判定し、いずれにも該当しないものがオペレーティング・リースになります。

これらの数値は「概ね」と幅を持たせた表現で、経済的耐用年数基準にはただし書きもあるため、機械的に割り切れないケースがあります。判断に迷う場合は、最終的な区分を顧問税理士・会計士や監査法人に確認することをおすすめします。

Q. 現行のリース会計基準で少額・短期のリースは簡便処理できますか?

A. 現行基準では、ファイナンス・リースであっても、リース契約1件あたりのリース料総額が300万円以下、またはリース期間が1年以内のものは、賃貸借処理などの簡便的な取り扱いが認められています。これとは着目点の異なる要件として、未経過リース料の期末残高割合が10パーセント未満でリース資産総額に重要性が乏しい場合の規定もあります。

いずれも企業会計基準適用指針第16号が定める要件です。自社がどちらの基準で簡便処理を検討しているのかを分けて考えると整理しやすくなります。

出典・参考資料(1件)

Q. 現行のリース会計基準は新基準の適用後も残りますか?

A. 現行の第13号は、新基準(企業会計基準第34号)の適用によって置き換えられるため、新基準を適用した会計年度からは現行基準に基づく借手の処理は行いません。強制適用は2027年4月1日以後に開始する事業年度からで、それまでは現行の第13号に基づく処理が続きます。早期適用を選ぶ会社は、2025年4月1日以後に開始する事業年度から新基準へ切り替えます。

一方で、貸手については新基準でもファイナンス・リースとオペレーティング・リースの分類が引き続き使われます。

Q. 新リース会計基準はすべての企業に適用されますか?

A. 新リース会計基準(第34号)の主な対象は、上場企業や会社法上の大会社など、これまでも第13号による詳細な会計処理が求められてきた企業です。中小企業に一律で義務づけられるものではありませんが、親会社の連結決算に取り込まれる場合や、将来的な対応を見据える場合には、早めに準備を進めておくと安心です。自社が対象になるかは、監査の要否や適用している会計基準にあわせて確認しておくとよいでしょう。

Q. オペレーティング・リースも新基準ではオンバランス処理が必要ですか?

A. 新基準では、借手はファイナンス・リースとオペレーティング・リースの区分を廃止し、原則としてすべてのリースを「使用権資産」と「リース負債」として貸借対照表に計上します。そのため、これまでオフバランスで費用処理していたオペレーティング・リースも、オンバランス処理の対象になります。この単一モデルへの変更は借手の会計処理に関するもので、貸手は従来どおりの分類を続ける点に注意が必要です。

Q. 新リース会計基準に対応するにはどのような準備が必要ですか?

A. 新基準対応の第一歩は、社内に存在するリース契約やリースに該当し得る契約を漏れなく洗い出し、契約期間・リース料・更新条件などとあわせて台帳の形で一元管理することです。そのうえで、影響額の試算、会計方針の決定、注記の拡充や業務フロー・システムの整備へと進みます。

契約書が紙やPDFで各部署に散在している場合は、洗い出し・台帳化の工程そのものが負担になりやすいため、着手のタイミングは早いほど余裕をもって進められます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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