建設業の契約実務では、協力会社への注文書と注文請書のやり取りが月に数十通、規模の大きな元請では数百通に達することもあり、そのたびに押印・郵送・返送待ちに時間を取られていないでしょうか。工事請負契約書には契約金額に応じた印紙税もかかり、現場と本社を書類が往復する手間も重なります。こうした負担を減らす手段として、電子契約システムの導入を検討する建設会社が増えています。
一方で、「建設業法の要件を満たさずに電子化して、後から契約が無効だと言われないか」という不安から、導入に踏み切れないケースも少なくありません。建設工事の請負契約は建設業法で書面交付が原則とされており、電子化には所定の技術的基準を満たす必要があります。
本記事では、建設業向けに電子契約システム22サービスを比較・解説します。建設業法・国土交通省ガイドラインが求める要件を整理したうえで、注文書・注文請書の往復が多い元請型か、工事請負契約書の締結が中心かという契約実務の違いで選ぶ視点をまとめました。自社の契約フローに合うシステムを見つける検討材料としてご活用ください。
また、自社の契約実務に合ったサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事は、民間の建設工事を対象に、元請・下請の建設会社が請負契約書や注文書・注文請書を電子化するためのシステムを選ぶことを想定しています。ゼネコン・専門工事業者・設備業・工務店など、協力会社との契約書類のやり取りを効率化したい事業者が対象です。
国や地方公共団体が発注する公共工事の電子契約は、政府が運用する電子調達システム(GECS)を利用する仕組みで、民間で導入するSaaSとは経路が異なります。本記事で比較するのは民間工事の契約に使う市販の電子契約システムです。公共工事を電子で締結する場合は、このGECSを利用するため、比較対象とは経路が異なります。
建設業という業種で絞り込まず、業種を問わない電子契約システム全体から料金相場や主要サービスを見比べたい場合は、以下の記事で選び方とあわせて解説しています。
建設業でも電子契約は利用できる(建設業法・国交省ガイドラインの根拠)
建設工事の請負契約は、建設業法第19条第1項で契約内容を書面に記載し、署名または記名押印して相互に交付することが原則と定められています。ただし同条第3項は、相手方の承諾を得たうえで、国土交通省令で定める技術的基準を満たす電子的な方法を用いれば、書面の交付に代えられると規定しています。この措置を講じれば、書面を交付したものとみなされます。
建設工事の請負契約の当事者は、前二項の規定による措置に代えて、政令で定めるところにより、当該契約の相手方の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて、当該各項の規定による措置に準ずるものとして国土交通省令で定めるものを講ずることができる。
出典:建設業法 第19条第3項|e-Gov法令検索
ここで条文がいう「相手方の承諾」が、建設業の電子契約の出発点になります。発注者や協力会社に対し、あらかじめ電子的な方法の種類と内容を示したうえで、書面または電磁的方法で事前に承諾を得る必要があります。取引先が電子契約に対応できるかどうかが導入の前提になる点は、後半の「導入・運用の注意点」でも改めて触れます。
技術的基準の具体的な中身は、建設業法施行規則第13条の4第2項に定められています。国土交通省は令和7年(2025年)9月30日に公表した「電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン」で、この基準を見読性・原本性・本人性の3要件として整理し、それぞれの満たし方を示しています。

実際に、複数の電子契約サービスが、事業者が所管省庁に自社サービスの適法性を照会して回答を得る「グレーゾーン解消制度」を用いて、建設業法の技術的基準を満たすとの回答を国土交通省などから得ています。後半のサービス個別紹介でも、各社がこの制度で得た回答に触れています。
以前の解説記事やサービス資料では、根拠となる条番号を「施行規則第13条の2第2項」と記しているものがあります。これは平成13年に策定された旧ガイドラインが用いていた旧条番号で、その後の改正で第13条の4系へ繰り下がりました。令和7年9月30日のガイドラインは旧ガイドラインを廃止し、現行では第13条の4第2項が正しい根拠条文です。本記事はこの現行条文にもとづいて解説します。
出典・参考資料(3件)
- 出典:建設業法 第19条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)
- 出典:建設業法施行規則 第13条の4|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014)
- 出典:電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン(令和7年9月30日)|国土交通省(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001912595.pdf)
建設業の電子契約で満たすべき3つの要件(見読性・原本性・本人性)
建設業法施行規則第13条の4第2項は、電子的な契約措置が満たすべき技術的基準を3つ定めています。国土交通省ガイドラインは、これらを見読性・原本性・本人性と呼び、それぞれの号に対応づけています。電子契約システムを選ぶ際は、各サービスがこの3要件をどの署名方式で満たしているかを確認することが、建設業法上の有効性を担保する要になります。
一 当該契約の相手方がファイルへの記録を出力することによる書面を作成することができるものであること。
出典:建設業法施行規則 第13条の4第2項|e-Gov法令検索
二 ファイルに記録された契約事項等について、改変が行われていないかどうかを確認することができる措置を講じていること。
三 当該契約の相手方が本人であることを確認することができる措置を講じていること。

見読性(第1号):印刷して書面にできること
契約の相手方が、記録されたファイルを出力して書面を作成できることを求める要件です。PDFなど、受け取った側がそのまま表示・印刷できる形式で契約データを保存・提供できれば満たせます。多くの電子契約システムはPDFで契約書を発行するため、標準的に対応しています。
原本性(第2号):改ざんされていないことを確認できること
ファイルに記録された契約内容が、後から改変されていないかを確認できる措置を求める要件です。国土交通省ガイドラインは、その手段として公開鍵暗号方式による電子署名、またはタイムスタンプの利用を挙げています。タイムスタンプは、総務大臣が認定した時刻認証業務が発行するものを指します。電子契約システムを比較する際は、認定タイムスタンプを標準で付与するかどうかが、原本性を担保する具体的なポイントになります。
本人性(第3号):相手方が本人であることを確認できること
契約の相手方が本人であることを確認できる措置を求める要件です。公開鍵暗号方式の電子署名を使う場合、その公開鍵が確かに本人のものだと示せるよう、電子署名法に基づく特定認証業務を行う事業者が発行する電子証明書を添付することが望ましいとされています。
本人性の担保方法は、電子契約システムの署名方式によって分かれます。契約当事者自身が電子証明書を用いて署名する当事者型(実印に近い位置づけ)と、サービス事業者がメール認証などを介して署名を代行する立会人型(事業者署名型)があり、後者はメール認証に加えてSMS認証やアクセスコードを重ねることで本人確認を強める運用が一般的です。どの方式で本人性を満たすかは、後述の比較表で各サービスごとに整理します。
当事者型と立会人型の仕組みの違いや、立会人型でも法的効力が十分に認められる根拠をもう一歩踏み込んで確認したい場合は、以下の記事で両方式を掘り下げて解説しています。
電子契約の立会人型とは?当事者型との違いと法的効力を徹底解説
DX推進の一環で電子契約の導入を検討し始めたものの、『立会人型』と『当事者型』の違いがよく分からず、上司への説明に困っていませんか?特に、手軽に導入できそうな『立会人型』。本当に法的な効力は十分なのか、自社の取引で使って問題ないのか、疑問や…
出典・参考資料(2件)
- 出典:建設業法施行規則 第13条の4第2項|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014)
- 出典:電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン(令和7年9月30日)|国土交通省(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001912595.pdf)
建設業向け電子契約システムの選び方(注文書・注文請書の往復の要否を軸に)
ここからは、建設会社が自社の契約実務に合うシステムを見極めるための選定軸を解説します。建設業では、協力会社への発注で注文書・注文請書の往復が大量に発生する元請型と、工事請負契約書の締結が中心で往復が少ない業態とで、必要な機能が変わります。まず自社がどちらに近いかを見極めると、候補を絞りやすくなります。

注文書・注文請書の往復に耐えられるか
協力会社を多く抱える元請では、1案件で注文書と注文請書が何度も行き来し、月間の送信件数が数百通に達することもあります。この規模を紙と同じ運用で回すと、締結漏れや返送待ちの管理が破綻しかねません。
案件(工事番号)ごとの自動ひもづけ、未返送の自動催促、CSVによる一括送信の可否を確認しましょう。あわせて、協力会社側がアカウント登録なしで受信・返送できるかも、相手方の対応負担を左右する重要な条件になります。
建設業法の3要件を満たす署名方式か
前章の3要件のうち、実務で差が出るのは本人性の担保方法です。当事者型は電子証明書による厳格な本人確認ができる一方、相手方にも証明書の準備を求めるため、多数の協力会社と契約する場面では負担が増えます。
立会人型は相手方の負担が軽く大量締結に向きますが、本人性をメール認証だけで済ませるか、SMS認証やアクセスコードを重ねられるかでレベルが変わります。原本性を担保する認定タイムスタンプを標準で付けるかどうかも、あわせて確認したい点です。契約金額が大きい元請ほど、当事者型と立会人型を書類の重要度で使い分けられるハイブリッド対応が役立ちます。
既存の施工管理・基幹システムと連携できるか
工事件名や注文番号を電子契約システムに手入力し直す運用では、案件数が増えるほど転記ミスと工数がかさみます。既存の施工管理システムや会計・原価管理などの基幹システムとAPIで連携できれば、案件情報を再入力せずに契約データを取り込め、締結後の書類も案件単位で参照しやすくなります。特に元請では、発注データと契約データを一気通貫で扱えるかが、導入効果を大きく左右します。
現場・協力会社が使いやすく、紙との併用がしやすいか
建設業では、電子契約に対応できない協力会社や、既存の紙契約が一定期間残ることが避けられません。締結済みの電子契約と、スキャンして取り込んだ紙契約を同じ画面で一元管理できると、移行期の書類が散逸しません。現場の担当者やITに不慣れな協力会社でも直感的に操作できるインターフェースか、スマートフォンから承認・締結できるかも、定着を左右する条件になります。
30秒でわかる、自社に合う建設業向け電子契約システム診断
ここまでの選定軸を踏まえても、自社がどのタイプに向いているか迷う場合は、以下の選定診断をお試しください。注文書往復の量や必要な署名方式など、いくつかの質問に答えるだけで、契約実務に合った候補を絞り込めます。
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【比較表】建設業向け電子契約システム22サービスの比較
ここからは、建設業向けに使える電子契約システムを、契約実務の違いに合わせて2つのタイプに分けて比較します。署名方式(建設業法3要件への対応)・注文書と注文請書の往復への対応・電子帳簿保存法への対応・基幹システム連携・料金を横並びで整理しました。まずは自社の契約フローに近いタイプの表から確認してください。
建設業法上の有効性を判断する要は、前章で解説した3要件(見読性・原本性・本人性)を満たす署名方式かどうかです。表の「署名方式(建設業法3要件)」欄が各サービスの対応を示しており、当事者型・立会人型のいずれも3要件を満たせば工事請負契約の締結に使えます。ここに並ぶサービスは、建設に特化したものと汎用の電子契約システムの両方を含みますが、いずれも3要件を満たす形で建設業の契約に利用できるものです。
注文書・注文請書の往復を大量にさばけるサービス
協力会社への発注で注文書・注文請書の往復が多い元請・専門工事業者に向くタイプです。案件の自動ひもづけ、未返送の催促、一括送信、基幹システム連携など、大量の書類を効率よくさばく機能を備えます。
| サービス名 | クラウドサイン | 電子印鑑GMOサイン | WAN-Sign | BtoBプラットフォーム契約書 | CONTRACTHUB@absonne | SMBCクラウドサイン | DocYou |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 署名方式(建設業法3要件) | 立会人型・当事者型(ハイブリッド) | 立会人型・当事者型(ハイブリッド) | 立会人型・当事者型(ハイブリッド) | 立会人型(事業者署名型) | 立会人型・当事者型(5段階から選択) | 立会人型・当事者型 | 立会人型(当事者型は要確認) |
| 案件・工事番号の紐づけ | 要確認 | 要確認 | △(契約書単位の親子紐づけ。工事番号単位は要確認) | 要確認 | ●(親子〈案件〉構造で多階層ひも付け) | 要確認 | 要確認 |
| 一括送信・未返送の催促 | ●(CSV一括送信・リマインド) | ●(一括送信・リマインド) | △(リマインド対応・一括送信は要確認) | 要確認 | ●(督促機能・基幹から自動送信) | 要確認 | △(未処理一覧・承認依頼メール/往復一括は要確認) |
| 相手方のアカウント不要で返送可 | ● | ● | ● | 要確認 | 要確認 | ● | 要確認 |
| 電子帳簿保存法対応 | ● | ● | ● | ● | ● | △(基盤共通で対応・単独での公式明示は要確認) | ● |
| 基幹・施工管理システム連携 | 汎用API連携(Salesforce・kintone等) | 汎用API連携(Salesforce・kintone等) | 汎用API連携(有料オプション) | 汎用API連携(ゴールドプラン) | 基幹システムと自動連携(ERP・購買等) | 汎用API連携(Salesforce・kintone等) | Paples経由でSAP等と連携(他社施工管理は要確認) |
| 料金 | 月額11,000円〜(税抜)/送信220円 | 月額8,800円〜(税抜)/送信110円〜 | 初期・月額0円/立会人型100円・当事者型300円(税抜・従量) | 月額0円〜(フリー)/10,000円〜(税抜)/通常署名100円/通 | 要問い合わせ(文書1件20〜200円) | 月額10,000円〜(税抜)/送信200円 | 月額20,000円〜/送信200円/通 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
工事請負契約書の締結を中心に整えるサービス
工事請負契約書の締結で案件が完結し、注文書の往復がほとんど発生しない業態に向くタイプです。汎用の電子契約機能に、建設業法の3要件への対応と契約書管理が備わっていれば、請負契約の電子化には十分に対応できます。
| サービス名 | マネーフォワード クラウド契約 | freeeサイン | 契約大臣 | シヤチハタクラウド | DX-Sign | ドキュサイン(DocuSign) | リーテックスデジタル契約 | paperlogic電子契約 | かんたん電子契約 for クラウド | jinjerサイン | サインタイム(SignTime) | ベクターサイン | クラウドコントラクト | Zoho Sign | Dropbox Sign |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 署名方式(建設業法3要件) | 立会人型(事業者署名型) | 立会人型・当事者型(PAdES長期署名) | 立会人型/公開鍵暗号方式の電子署名(オプション) | 立会人型(事業者署名型) | 立会人型(公式の型式明示は要確認) | 立会人型・当事者型(eIDAS対応) | 立会人型・当事者型 | 立会人型・当事者型(ハイブリッド) | 立会人型標準/当事者型オプション | 立会人型(署名/タイムスタンプのみ/認証のみの3段階) | 立会人型(事業者署名型) | 立会人型(公式の型式明示は要確認) | 立会人型(事業者署名型) | 立会人型・当事者型(電子サイン/デジタル署名・QES) | 立会人型(事業者署名型)/QES(主にEU向け) |
| 電子帳簿保存法対応 | ● | ● | ● | ●(Advance/文書管理オプション) | 要確認 | △(真実性・可視性は対応・検索性は別途連携で補完) | ●(有料プランで対応) | ●(JIIMA認証) | ●(令和4年改正対応) | ● | ● | ● | ● | ●(有料プラン・タイムスタンプは別途) | 要確認 |
| このサービスの特徴・使いどころ | 会計・請求書と一体で使える・低価格の入口 | 書類の重要度で署名方式を使い分け・弁護士監修テンプレ | 中小・個人向けの低価格・受信側は登録不要 | 電子印鑑・社内決裁ワークフローが中心・印影UI | 相手方は登録不要・全プランで最長10年署名 | 海外取引・多国籍のやり取りに強い(180か国・44言語) | 電子記録債権を用いた長期保存「100年電子契約」・本人性を厳格に担保 | 固定料金・件数課金なし(締結件数が読みにくい請負契約向け) | 最大30名の多者間契約・長期署名(三者間の請負契約に対応) | 書類の重要度で署名方法を3段階選択・人事SaaS連携 | 有料プランはユーザー無制限・部門横断の利用向け | 基本料0円・従量課金(締結件数が少ない場合向け) | 月額固定・低価格(中小・個人向け)・受信側は登録不要 | Zoho製品群と連携・国内データセンター運用 | Dropboxのストレージと一体運用・API組み込み |
| 基幹・施工管理システム連携 | 汎用API連携(会計・Salesforce等) | 汎用API連携(freee会計・kintone等) | CONOC連携(建設業向け業務管理ツール) | 汎用連携(複合機連携等・基幹連携は要確認) | 汎用API連携(Enterprise) | 汎用API連携(900以上の連携) | 汎用API連携(ONEデジAPI) | 汎用API連携(APIプラン) | 汎用API連携 | 汎用連携(ジンジャー人事SaaS群) | 汎用API連携(Salesforce・Web-API) | 要確認 | 要確認 | 汎用API連携(Zoho製品群・Dropbox等) | 汎用API連携(Salesforce・Google Drive等) |
| 料金 | 月額2,480円〜(法人・年払い・税抜) | 無料プランあり/有料は月額5,980円〜(年払い実質・税抜) | 無料プランあり/有料は月額4,400円〜(税込) | 月額1,320円〜/10ユーザー(税込・ワークフローLite) | 無料プランあり/有料は要問い合わせ | 月額1,333円〜(個人Personal) | 月額0円(受信専用)〜18,000円(TOTAL 600・送信可) | 月額22,000円(税込・スタンダード) | 月額10,000円〜(税抜・ビジネス版II) | 月額10,000円〜(ID数無制限・確定額は要問い合わせ) | 月額8,600円〜(税込9,460円・電子契約) | 月額基本料0円/送信1通440円(税込・従量) | 月額1,980円〜(税抜・年契約・スターター) | 月額1,200円〜(税別・スタンダード年間契約) | 月額15米ドル〜(Essentials・円建て定価なし) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※上記は各タイプにおける一般的な機能の傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。料金の税区分(税抜/税込)は各社公式の表記に準じます。
建設業向け電子契約システムの個別紹介
ここからは、各サービスの署名方式や建設業法3要件への対応、注文書・注文請書の往復に関わる機能、料金、連携などを紹介します。比較表と同じ2つのタイプに分けて解説します。
注文書・注文請書の往復を大量にさばけるサービス
まずは、協力会社への大量発注で発生する注文書・注文請書の往復を効率化できるサービスから紹介します。
1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスで、導入社数は250万社以上、累計送信件数は4,000万件を超えます(2024年度実績、公式トップページ)。標準の署名方式は事業者署名型(立会人型)で、契約当事者の指示にもとづき同社の電子署名と認定タイムスタンプを付与します。
協力会社への注文書・注文請書を大量にさばく場面では、CSVデータの流し込みで複数書類を一斉送信できる一括送信機能と、未対応の相手先へワンクリックで催促できるリマインド機能が役立ちます。締結した書類は会社名・契約期間・金額などで検索でき、Salesforceやkintoneとの連携やWeb API(Corporateプラン以上)で基幹システムとの連携もできます。
建設業法が求める本人性は、標準の立会人型に加え、マイナンバーカードの電子証明書で契約当事者自身が署名する当事者署名型にも対応し、書類の重要度で使い分けられます。全プランで認定タイムスタンプを標準付与するため、原本性の要件にも対応します。有料のLightプランは月額11,000円(税抜)、送信料は1件あたり220円(税抜)です。
2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の2方式に対応する電子契約サービスで、GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社が運営しています。両者を組み合わせたハイブリッド署名では、自社は実印タイプ、相手方はメール認証の契約印タイプで署名でき、相手方は電子証明書の準備が不要です。
協力会社への発注では、一括送信やテンプレート登録、署名順設定で注文書・注文請書のやり取りをまとめて処理でき、未署名の相手先には自動リマインドで署名を催促できます。Web APIによる基幹システム連携やSalesforce・kintoneとの連携に対応し、文書検索・フォルダ管理や契約更新通知機能で締結後の書類も管理できます。
総務省認定のタイムスタンプを標準付与して原本性に対応し、電子帳簿保存法には契約印&実印プランでJIIMA(日本文書情報マネジメント協会)認証を取得しています。立会人型(契約印タイプ)の送信料は1件110円(税込)、当事者型(実印タイプ)は330円(税込)で、最安のライトプランは年間契約で月額8,800円(税抜、税込9,680円)です。
3. WAN-Sign(株式会社NXワンビシアーカイブズ)

文書保管を本業とする株式会社NXワンビシアーカイブズが、GMOグローバルサインと共同開発した電子契約・契約管理サービスです。当事者型(実印版)・立会人型(認印版)と、両者を組み合わせたハイブリッド版に対応し、契約ごとに本人性のレベルを選べます。
紙の契約書原本を情報管理センターで保管するサービスと連携でき、電子契約・書面契約・他社で締結したPDFをWAN-Sign上で一元管理できます。電子契約に対応できない協力会社との紙契約が残る移行期でも、書類を散逸させずに扱える点が特徴です。基幹システムとのAPI連携やSAML連携は有料オプションで提供します。
初期費用・月額費用0円の基本プランに、ユーザー数無制限で主要機能が標準搭載されます。立会人型(認印版)は月10件、当事者型(実印版)は月3件まで無料で、これを超えた月はその月の送信全件が従量課金の対象となり、単価は立会人型100円・当事者型300円(いずれも税抜)です。電子帳簿保存法には令和5年改正法令基準のJIIMA認証で対応します。
4. BtoBプラットフォーム契約書(株式会社インフォマート)

株式会社インフォマートが運営する企業間取引基盤「BtoBプラットフォーム」シリーズの電子契約サービスで、請求書や受発注などのサービスと同じ基盤上で提供されます。シリーズ全体の利用企業数は115万社以上です(2025年5月時点、同社IR。契約書単独の社数ではありません)。署名方式は事業者署名型(立会人型)で、電子署名とタイムスタンプを付与します。
契約書を受け取る取引先は無料で利用でき、協力会社の負担を抑えて導入できます。契約締結から保管までをWebで完結し、全文検索、承認ワークフロー、契約更新漏れを防ぐ期限切れアラートを備えます。API連携はゴールドプランで対応し、契約書の発行・受領を自社システムと連携できます。
月額0円のフリープランは契約締結が月5件・電子保管が月3件まで(ユーザー数無制限)で、公式料金ページには非掲載の専用申込ページから申し込みます。有料プランはシルバーが月額10,000円〜、ゴールドが月額30,000円〜で通常署名を月100通まで無料にでき、超過分と長期署名の署名料はそれぞれ100円・200円(いずれも税抜)です。
5. CONTRACTHUB@absonne(日鉄ソリューションズ株式会社)

見積・発注・契約・請求まで、取引に発生する文書全体の電子化を対象とする電子取引・契約サービスで、日本製鉄グループの日鉄ソリューションズ株式会社が運営します。単なる締結ツールではなく、既存の基幹システムとの連携を前提に導入企業の要件へ合わせて構築する色合いが強く、従業員1,000名以上の大企業を中心に導入されています。
親子(案件)構造で文書を多階層にひも付けられ、工事案件ごとに注文書・注文請書を整理できます。ERP・購買・販売システムとAPIや連携ツールで結び、既存システムで作成した文書の自動送信や署名済み文書の基幹システムへの自動登録に対応します。署名タイプは、署名なし・電子印鑑・立会人型(1要素/2要素認証)・当事者型を、文書のリスクや取引金額に応じて使い分けられます。
料金は文書1件あたりの従量課金が主軸で、署名なし20円・電子印鑑50円・立会人型100〜150円・当事者型200円(いずれも税別)と署名タイプで単価が分かれます。初期費用・月額基本料は公式に記載がなく要問い合わせで、無料プランはありません。ITRの調査では、従業員1,000名以上・売上金額ベースの大企業向け電子契約市場で9年連続シェア1位(2017〜2025年)と公式に表記しています。
6. SMBCクラウドサイン(SMBCクラウドサイン株式会社)

三井住友フィナンシャルグループ(51%)と弁護士ドットコム株式会社(49%)の合弁で2019年に設立された、SMBCクラウドサイン株式会社が運営する電子契約サービスです。製品基盤は弁護士ドットコムの「クラウドサイン」と共通で、金融機関・大企業向けの導入支援をSMBCグループとの連携で提供する点を打ち出しています。
標準の署名方式は立会人型(事業者署名型)で、電子証明書による当事者型の本人認証にも対応します。契約ステータス管理や文書検索、締結先企業名や契約期間をAIが読み取るAI契約書管理を備え、紙の書類や他社で締結した書類のインポート(Corporateプラン以上、10,000書類まで無料)、監査ログ、Web APIも上位プランで利用できます。
月額0円のFreeプランはユーザー1名・月2件まで送信でき、有料のLightプランは月額10,000円(税抜)、送信料は1件200円(税抜)です。SMBCクラウドサインとクラウドサインの合算では導入自治体が300を超え(2025年6月時点)、SMBCグループでも三井住友銀行を含む23社が電子契約を導入しています。
7. DocYou(日鉄日立システムソリューションズ株式会社)

電子契約・電子取引・書類配信・ドキュメント管理の4機能を1つの基盤に統合したクラウドサービスで、日鉄日立システムソリューションズ株式会社が提供します。署名方式は立会人型(第三者提供型)で、当事者型への対応は公式では確認できていません。流通・製造などに加え、建設業向けの専用ページやコラムを設けています。
2022年4月、経済産業省・国土交通省のグレーゾーン解消制度を通じて、建設業法施行規則第13条の4第2項の技術的基準を満たすとの回答を取得しています。電子帳簿保存法についてもJIIMA「電子取引ソフト法的要件認証」を2022年11月に取得しています。未処理取引を回答希望日順に一覧するダッシュボードや承認依頼メール、PDF・CSVでの一括ダウンロードを備えます。
WebAPI・CSV連携に対応し、同社の帳票基盤「Paples」を介してSAPなどの基幹システムと連携できますが、他社の施工管理システムとの連携実績は公式では確認できていません。
料金はスタンダードプランが月額20,000円(50ユーザーまで)で、電子契約・電子取引の送信料は1通200円(保管8年4ヶ月分を含む)です。注文書・注文請書の往復を一括処理する専用機能の有無は、公式サイトでは確認できていません。
工事請負契約書の締結を中心に整えるサービス
続いて、工事請負契約書の締結を中心に、建設業法の要件を満たしながら電子化を進められるサービスを紹介します。
8. マネーフォワード クラウド契約(株式会社マネーフォワード)

会計・請求書・経費などをそろえるバックオフィスSaaS「マネーフォワード クラウド」の一機能として提供される、電子契約・契約書管理サービスです。締結方式は立会人型(事業者署名型)で、本人確認はメール認証を用います。
締結した電子契約には自動でタイムスタンプが付与され、電子帳簿保存法の電子取引に対応します。他社サービスで締結した契約書も取り込んで一元管理でき、契約情報をAIで自動読み取りする機能を追加料金なしで利用できます。
料金は契約単体の入口プランで法人向け月額2,480円(年払い・税抜)から利用でき、会計・請求書を含む複数サービスが基本料金内に含まれます。紙文化が根強い建設・不動産業でのペーパーレス化の導入事例も公式サイトで公開されています。
9. freeeサイン(フリー株式会社)

契約書の作成から締結・管理までをオンラインで完結できる電子契約システムで、立会人型の「電子サイン」と当事者型の「電子署名」の両方に対応します。当事者型はPAdES規格の長期署名に対応し、契約書の真正性を長期間担保します。
タイムスタンプは総務大臣認定のもの(アマノ株式会社提供)を用い、サービス全体として電子帳簿保存法に対応します。契約金額の大きい工事請負契約書は当事者型、注文書などは立会人型といった、書類の重要度に応じた使い分けができます。
法人向けには月額0円で電子サインを月1通まで送れる無料プランがあり、有料のStarterプランは年払い実質で月額5,980円(税抜)からです。クラウド会計ソフトのfreee会計と連携し、契約から会計処理までをつなげられます。
10. 契約大臣(株式会社TeraDox)

契約書PDFを取引先へメールで送り、取引先がURLから内容を確認して合意する立会人型の「電子サイン」を基本とする電子契約システムです。締結時には認定タイムスタンプを付与し、中小企業・個人事業主向けに低価格帯のプランをそろえています。
重要な契約には、公開鍵暗号方式による「電子署名」を1送信220円(税込)のオプションで追加できます。電子署名法・電子帳簿保存法に対応し、建設業向けの業務管理ツール「CONOC」とのAPI連携も提供します。
料金は無料のフリープランのほか、有料はスタータープランが月額4,400円(税込)から利用できます。公式サイトでは小売・医療・建設/工事など複数業種の導入事例が紹介されています。
11. シヤチハタクラウド(シヤチハタ株式会社)

印章・文具メーカーのシヤチハタ株式会社が提供する、電子印鑑と電子決裁(ワークフロー)を主軸としたサービスで、電子契約はその一機能として提供されます。氏名印や役職者印の印影を画面上で捺印し、社内の回覧・承認に乗せられます。
電子契約は立会人型(事業者署名型)を採用し、ログイン時の二要素認証で本人性を担保します。公開鍵暗号方式の電子署名とタイムスタンプで改ざん防止・存在証明を行い、電子帳簿保存法にはワークフローAdvanceプランまたは文書管理オプションで対応します。
料金はワークフローLiteが月額1,320円(税込)/10ユーザーからです。契約書の受信側は登録なし・無料で捺印でき、紙とハンコの運用を大きく変えずに社内決裁から契約締結までを電子化したい場合に向きます。
12. DX-Sign(株式会社バルテックサイン)

「シンプルで使いやすい電子契約」を掲げるクラウド型の電子契約サービスです。相手方はメール認証により事前のアカウント登録なしで締結に参加でき、電子署名の基盤にはサイバートラストの証明書・リモート署名サービスを採用しています。
無料のFreeプランを含むすべてのプランで、最長10年の長期署名とタイムスタンプが自動付与されます。商業・法人登記のオンライン申請でも同社の電子署名が利用できます。一方で電子帳簿保存法への対応や署名方式(立会人型・当事者型)の区分は公式サイトで明示が確認できず、導入前の確認が必要です。
料金は月額0円で月5件まで送信できるFreeプラン(1アカウント)があります。有料プランの月額・送信単価は公式サイトで確認できないため、資料請求や問い合わせでの確認が必要です。
13. ドキュサイン(DocuSign)(ドキュサイン・ジャパン株式会社)

180か国以上で使われる電子署名サービスで、日本へはドキュサイン・ジャパン株式会社が日本語UI・日本円課金で提供します。日本では立会人型(クラウド型)に分類され、当事者型やEUのeIDAS基準にも対応するとしています。
本人確認はメールのアクセスコードのほか、上位プランでSMS認証を利用できます。シヤチハタとの提携による電子印鑑機能も備えます。電子帳簿保存法については真実性・可視性に対応する一方、検索性は単体では満たしにくく、別途の台帳や他システム連携での補完が必要と公式が説明しています。
料金は個人向けPersonalプランで月額1,333円からで、送信3通までの無期限の無料アカウントも用意されています。海外の取引先を含む契約や多国籍のやり取りを電子化したい場合の選択肢になります。
14. リーテックスデジタル契約(リーテックス株式会社)

電子署名法に加えて電子記録債権法を併用し、契約締結と電子記録債権の発生を同時に行えるスキームを持つ電子契約サービスです。電子債権記録機関の利用者登録を通じた本人確認を無料で追加でき、当事者型・立会人型の両方に対応します。
2024年2月にはグレーゾーン解消制度により、同社の電子署名が電子署名法第2条第1項の電子署名に該当することの確認を得ており、あわせて建設業法への適合についても照会回答を取得しています。建設業界向けには、電子記録債権制度を用いて長期保存する「100年電子契約」を提供します。
料金は受信専用の無料プラン(ENTRY)のほか、送信を伴う有料プランはTOTAL 600が月額18,000円からです。工事請負契約書の長期保存や、本人性の担保を重視する場合に検討できます。
15. paperlogic電子契約(ペーパーロジック株式会社)

公認会計士・税理士が関与する会社が運営する電子契約・文書電子化サービスで、立会人型(認印相当)と当事者型(実印相当)の両方に対応します。契約書だけでなく、請求書・納品書・取締役会議事録などの法定保存文書全般を電子化・保管できます。
締結完了時には認定タイムスタンプが追加料金なしで自動付与され、電子帳簿保存法に対応します(JIIMAの電子取引ソフト・スキャナ保存ソフトの法的要件認証を取得)。当事者型の電子署名は法務省の商業登記でも利用できます。
料金はスタンダードプランが月額22,000円(税込)で、電子署名・タイムスタンプを件数課金なしで利用できる固定料金制です。締結件数が読みにくい工事請負契約でも、コストが膨らみにくい構成です。
16. かんたん電子契約 for クラウド(セイコーソリューションズ株式会社)

2001年からタイムスタンプ事業を手がけるセイコーソリューションズが、SEIKO TRUSTブランドで提供する電子契約・電子保管サービスです。総務大臣認定のタイムスタンプ付与・検証を中核機能に据えています。
署名方式は事業者署名型(立会人型)を標準とし、当事者署名型をオプションで選べます。最大30名までの多者間契約に対応し、タイムスタンプの延長により、電子帳簿保存法が求める長期保存にわたって署名効力を維持できます。元請・下請・施主が三者間で結ぶ工事請負契約にも対応できる構成です。
料金はビジネス版IIが月額10,000円(税抜)からで、契約送信ごとに費用がかかる従量制です。1アカウントのみ利用できる無料の体験版も用意されています。
17. jinjerサイン(jinjer株式会社)

統合型人事システム「ジンジャー」の一製品として提供される電子契約サービスです。書類の重要度に応じて、電子署名(長期署名+タイムスタンプ)・タイムスタンプのみ・認証のみの3段階から署名方法を選べる点が特徴です。
電子署名はPAdES規格の長期署名で、「誰が・何を・いつ」合意したかを10年間証明できると訴求しています。電子帳簿保存法・電子署名法に対応し、相手先が同サービスを導入していなくても締結できます。契約金額の大きい工事請負契約書は電子署名、軽微な書類は認証のみ、といった使い分けが可能です。
料金は公式サイトで確定額を公開しておらず、「月額10,000円〜・ID数無制限」と案内され、送信ごとに従量課金(電子署名200円・タイムスタンプ30円・認証のみ無料)が発生します。売買契約書の印紙税を年間約30万円削減した導入事例も公開されています。
18. サインタイム(SignTime)(サインタイム株式会社)

電子証明書の準備が要らない立会人型(事業者署名型)を採用し、契約書の作成から締結・管理までをWeb上で完結できる電子契約サービスです。本人性はメール認証やアクセスコードで担保します。
総務大臣認定事業者のタイムスタンプによるPAdES長期署名に対応し、10年間の署名検証が可能です。電子帳簿保存法の検索要件(取引年月日・金額・取引先での検索)にも対応します。有料プランはユーザー数無制限で、部門横断での利用時にコストを見積もりやすい構成です。
料金は合計10件まで送信できる無料のフリープラン(3名まで)のほか、有料の「電子契約」プランが月額8,600円(税込9,460円)で月50通の送信枠が付帯します。
19. ベクターサイン(株式会社ベクター)

PCソフトのダウンロードサイト「Vector」を運営するベクターグループが提供する電子契約サービスです。基本料金・文書保管料が0円で、署名を送信した分だけ費用がかかる従量課金型を採り、利用者数と保管数はいずれも無制限です。
タイムスタンプにはセイコーソリューションズ、署名の認証局にはグローバルサインを採用し、電子署名法・電子帳簿保存法・e-文書法への対応を掲げています。相手先のアカウント登録や費用負担は不要です(署名方式の型式区分は公式に明示がなく、確認が必要です)。
料金は送信1通440円(税込)の従量制で、月額基本料は0円です。定額プランは月5通のプラン5が月額1,320円(税込)から選べます。締結件数が少ない工事請負契約を、固定費をかけずに電子化したい場合に向きます。
20. クラウドコントラクト(クラウドコントラクト株式会社)

月額固定・初期費用0円の低価格を掲げる電子契約プラットフォームで、中小企業・個人事業主を主な対象とします。署名方式は事業者署名型(立会人型)で、受信者はアカウント登録なしで締結できます。
アマノのタイムスタンプサービス(認定事業者)を組み合わせて、改ざん防止と電子帳簿保存法への対応を実現します。電子署名・タイムスタンプ・契約書管理・検索・合意締結証明書の発行が基本料金に含まれ、SMS認証(二要素認証)は有料オプションです。
料金はスタータープランが月額1,980円(税抜・年契約)からで、月10件までの締結が可能です。電話・メール・チャットのサポートを平日10〜19時に提供しています。
21. Zoho Sign(ゾーホージャパン株式会社)

外資系のZoho Corporationが開発し、日本ではゾーホージャパン株式会社が国内データセンター(東京・大阪)で運用する電子署名サービスです。業務アプリケーション群「Zoho」の一製品として、Zoho CRMなど自社製品との連携を前提に設計されています。
国内の時刻認証事業者であるセイコーソリューションズのタイムスタンプと連携し、有料プランで電子帳簿保存法の電子取引データ保存に対応します。電子署名法に準拠し、上位プランでは適格電子署名(QES)も利用できます。締結方式は電子サインからデジタル署名まで段階的に選べます。
料金は1ユーザー・月5件までの無料プランのほか、有料のスタンダードプランが年間契約で月額1,200円台(税別)からとされています(現行の日本円価格は公式サイトでの確認が必要です)。
22. Dropbox Sign(Dropbox Japan株式会社)

クラウドストレージのDropboxが提供する電子署名サービスで、前身のHelloSignを2019年に買収し、2022年10月に現名称へ変更しました。Dropboxのドキュメント保管と一体で運用できる点が特徴で、日本語UIに対応します。
締結は立会人型(事業者署名型)が基本で、本人確認はメール・SMS・アクセスコードなどによります。完了した署名依頼には監査証跡付きのPDFが発行されます。一方で日本の認定タイムスタンプへの対応や電子帳簿保存法への適合は公式に明示がなく、導入前の確認が必要です。
料金は自己署名が無制限・署名依頼が30日ごとに3件まで無料のプランがあり、有料のEssentialsは月額15米ドルからです。日本円建ての公式定価は確認できないため、円での請求条件は問い合わせでの確認が必要です。
建設業が電子契約を導入するメリット
建設業が電子契約を導入すると、書類のやり取りに伴うコストと時間を抑えられます。郵送費や用紙・印刷のコストがかからず、押印・封入・投函の手間も減ります。締結までの日数が短くなり、遠方の協力会社や複数現場との契約でも、その場でオンライン締結が完了します。締結履歴や承認の記録がシステムに残るため、後からの検索や監査対応もしやすくなります。
建設業で特に効果が大きいのが、工事請負契約書にかかる印紙税の削減です。契約金額が大きくなりやすい建設工事では印紙税の負担も重くなりますが、電子契約にすると印紙税がかかりません。
工事請負契約書の印紙税削減効果(契約金額帯別の試算)
紙の工事請負契約書は、印紙税法上の課税文書(第2号文書)にあたり、契約金額に応じた収入印紙の貼付が必要です。一方、国税庁は、電子データでやり取りする契約は課税文書の「作成」に当たらないため印紙税が課されないとの見解を示しています。建設工事の注文請書を電子メールで送る事例について、次のように回答しています。
印紙税の課税対象となるのは、課税物件表の物件名欄に掲げられている文書であり、電磁的記録は文書に含まれません。したがって、おたずねの電磁的記録に印紙税は課税されません。
出典:国税庁 質疑応答事例(印紙税)「取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い」
以下は、建設工事の請負契約書にかかる印紙税を、紙で作成した場合と電子契約にした場合とで比較したものです。紙の税額は、令和9年3月31日までの契約に適用される軽減措置後の金額です。契約金額が大きいほど、削減額も大きくなります。
| 紙の契約書にかかる印紙税 | 電子契約の場合 | |
|---|---|---|
| 500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 | 0円(非課税) |
| 1,000万円超〜5,000万円以下 | 1万円 | 0円(非課税) |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 3万円 | 0円(非課税) |
| 1億円超〜5億円以下 | 6万円 | 0円(非課税) |
| 5億円超〜10億円以下 | 16万円 | 0円(非課税) |
※紙の税額は建設工事請負契約書(第2号文書)の軽減措置後の金額(令和9年3月31日までの時限措置)。契約金額100万円以下は軽減措置の対象外。
出典・参考資料(2件)
- 出典:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm)
- 出典:質疑応答事例(印紙税)取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/02/10.htm)
契約金額ごとの印紙税額の一覧や、注文請書・変更契約書での取り扱い、軽減措置の適用期間まで詳しく確認したい場合は、以下の記事で整理しています。
電子契約にできる建設業の契約書類・できない書類
建設業で電子化できる書類は、工事請負契約書だけではありません。相手方の承諾を前提に、次のような契約・書類を電子で取り交わせます。
- 工事請負契約書(元請・下請の請負契約)
- 注文書・注文請書(基本契約にもとづく個別発注)
- 基本契約書・取引基本契約書
- 変更契約書(工期・金額の変更)
- 資材・機材の売買契約書、賃貸借契約書
一方で、電子契約になじまない書類や手続きもあります。相手方が電子契約に対応できず、書面でのやり取りを求める場合は、その契約は紙で交わすことになります。また、実印での押印と印鑑証明書の提出が求められる登記関連の手続きなど、法令や取引慣行で書面が前提となっている場面では、電子化できないものが残ります。自社の契約の中で、どこまでを電子化し、どこから紙を残すかを整理しておくと、移行がスムーズになります。
導入・運用の注意点(取引先の対応可否・多層下請・紙との併用)
電子契約は、締結の相手方の承諾があって初めて成立します。導入前に、主要な発注者や協力会社が電子契約に対応できるかを確認し、対応が難しい取引先には従来どおり書面で交わす体制を残しておく必要があります。特に協力会社の数が多い元請では、相手方がアカウント登録なしで受信・返送できるサービスを選ぶと、取引先の負担を抑えて導入を進めやすくなります。
建設業に特有の多層下請構造では、元請から一次下請、二次下請へと契約が連鎖します。自社が導入しても、下位の協力会社が対応できなければ電子化は途中で止まります。まずは対応可能な取引先から段階的に切り替え、紙と電子が混在する期間を前提に運用ルールを決めておくと現実的です。締結済みの電子契約とスキャンした紙契約を同じシステムで一元管理できると、この移行期に書類が散逸するのを防げます。
電子契約で締結した契約データは、電子帳簿保存法により電子データのまま保存する義務があります。令和6年(2024年)1月から、電子取引データの電子保存は完全義務化されました。
保存にあたっては、改ざん防止のための措置(タイムスタンプの付与や訂正・削除の記録が残る仕組みなど)を講じる「真実性の要件」と、日付・金額・取引先で検索できるようにする「可視性の要件」を満たす必要があります。多くの電子契約システムはこれらの要件に対応していますが、導入時に自社の保存体制とあわせて確認しておくと安心です。
出典・参考資料(2件)
- 出典:電子帳簿保存法 第7条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000025)
- 参考資料:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/03-6.pdf)
まとめ
建設工事の請負契約は、相手方の承諾を得て、建設業法施行規則第13条の4第2項が定める見読性・原本性・本人性の3要件を満たせば、電子契約で締結できます。システムを選ぶ際は、自社の契約実務が注文書・注文請書の往復が多い元請型か、工事請負契約書の締結が中心かを見極め、そのタイプに合った署名方式・往復機能・基幹連携・料金を比較することが近道です。
印紙税の削減や締結スピードの向上といった効果も、契約金額の大きい建設業では大きな導入メリットになります。まずは気になるサービスの資料を取り寄せ、自社の契約フローに当てはめて検討してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 建設業向け電子契約システムとは何ですか?
A. 建設業向け電子契約システムとは、工事請負契約書や注文書・注文請書を、紙の押印・郵送に代えてオンラインで締結・保管できるサービスです。
建設業法が求める見読性・原本性・本人性の3要件に対応し、相手方の承諾を得たうえで書面の交付に代えられます。協力会社への発注で注文書・注文請書の往復を大量にさばくタイプと、工事請負契約書の締結を中心に整えるタイプに分かれ、自社の契約実務に近いほうから選ぶのが基本です。
Q. 建設業で電子契約は法的に有効ですか?後から無効だと言われませんか?
A. 建設業の電子契約は、建設業法第19条第3項にもとづき、相手方の承諾と国土交通省令が定める技術的基準を満たせば、書面を交付したものとみなされ有効です。
技術的基準は建設業法施行規則第13条の4第2項が定める見読性・原本性・本人性の3要件で、国土交通省は令和7年(2025年)9月30日に公表した「電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン」でその満たし方を整理しています。これらを満たすシステムで締結すれば、紙の契約書と同じ効力を持ち、後から契約が無効になる心配はありません。
出典・参考資料(3件)
- 出典:建設業法 第19条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)
- 出典:建設業法施行規則 第13条の4|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324M50004000014)
- 出典:電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン(令和7年9月30日)|国土交通省(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001912595.pdf)
Q. 建設業の電子契約では、相手方の承諾はどのように取ればよいですか?
A. 相手方の承諾は、あらかじめ用いる電子的方法の種類と内容を示したうえで、書面または電子メールなどの電磁的方法で事前に得る必要があります(建設業法第19条第3項)。口頭ではなく記録が残る形で取得するのが基本で、発注者や協力会社ごとに承諾を確認してから電子で締結します。多数の協力会社と取引する場合は、取引基本契約の締結時にまとめて承諾を得ておくと、その後の個別発注の電子化がスムーズになります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:建設業法 第19条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)
- 出典:電磁的措置による建設工事の請負契約の締結に係るガイドライン(令和7年9月30日)|国土交通省(https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001912595.pdf)
Q. 建設業では注文書・注文請書も電子契約にできますか?
A. 注文書・注文請書も、工事請負契約書と同じく相手方の承諾を得れば電子契約で取り交わせます。
基本契約にもとづく個別発注の注文書・注文請書は建設業でやり取りが最も多い書類のため、案件(工事番号)ごとの自動ひもづけ、未返送の催促、協力会社がアカウント不要で返送できる機能を備えたシステムを選ぶと、往復の管理が効率化します。協力会社への発注が多い元請では、この往復処理の機能の有無が選定の分かれ目になります。
Q. 建設業の工事請負契約書を電子契約にすると、印紙税は本当に不要になりますか?
A. 電子契約で取り交わす工事請負契約書には、契約金額にかかわらず印紙税がかかりません。 国税庁は、電磁的記録は印紙税法上の課税文書に含まれないとの見解を示しており、電子データでやり取りする契約は印紙税の課税対象外です。
契約金額が大きくなりやすい建設工事では紙の印紙税額も大きいため、電子化による削減効果が特に大きく、たとえば契約金額1億円超5億円以下の工事請負契約書では1通あたり6万円(軽減措置後)の印紙税がゼロになります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:質疑応答事例(印紙税)取引先にメール送信した電磁的記録に関する印紙税の取扱い|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/02/10.htm)
- 出典:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm)
Q. 取引先や協力会社が電子契約に対応できない場合はどうすればよいですか?
A. 電子契約は相手方の承諾があって初めて成立するため、対応できない取引先とは従来どおり書面で契約を交わします。 まずは対応可能な取引先から段階的に切り替え、紙と電子が混在する期間を前提に運用ルールを決めるのが現実的です。
相手方がアカウント登録なしで受信・返送できるサービスを選ぶと、協力会社の負担を抑えて対応先を増やせます。締結済みの電子契約とスキャンして取り込んだ紙契約を同じ画面で一元管理できるシステムなら、移行期に書類が散逸するのも防げます。
Q. 電子契約の承諾は、工事案件ごとに毎回必要ですか?基本契約でまとめて取れますか?
A. 取引基本契約などで電子契約に関する事前承諾を包括的に得ておけば、個別の注文書・注文請書ごとに承諾を取り直す必要はないのが一般的です。
国土交通省ガイドラインは、あらかじめ電磁的措置の種類と内容を示したうえで、書面または電磁的方法で相手方の事前承諾を得る必要があるとしています。継続的に取引する協力会社とは、基本契約の締結時に電子契約の利用と対象範囲・方法を取り決めておくと、案件ごとの手続きがスムーズになります。
Q. 電子契約で締結した建設業の契約データは、どのように保存すればよいですか?
A. 電子契約で締結した契約データは、電子帳簿保存法により電子データのまま保存する義務があります(令和6年1月から電子取引データの電子保存が完全義務化)。
改ざん防止措置を講じる「真実性の要件」と、日付・金額・取引先で検索できるようにする「可視性の要件」を満たす必要があります。多くの電子契約システムはタイムスタンプの付与や検索機能でこれらに標準対応していますが、導入時に自社の保存体制とあわせて確認しておくと安心です。
出典・参考資料(2件)
- 出典:電子帳簿保存法 第7条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000025)
- 参考資料:電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/03-6.pdf)
Q. 電子契約は、契約データの消失や情報漏えいのリスクはありませんか?
A. 電子契約はクラウド上でアクセス権限の管理・暗号化・改ざん検知とともに契約データを保管するため、紙の契約書のような紛失・劣化のリスクはむしろ抑えられます。
そのうえで、事業者側のサーバー障害やアカウントの不正利用に備え、二要素認証・アクセスログ・締結済みデータのダウンロード(エクスポート)機能の有無を確認しておくと安心です。締結済みデータを自社でも保管できるシステムを選べば、万一のサービス停止時にも契約書を手元に残せます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















